JPH07303475A - 硫化水素生成が低減された酵母とこの酵母を用いたビール製造法 - Google Patents
硫化水素生成が低減された酵母とこの酵母を用いたビール製造法Info
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- JPH07303475A JPH07303475A JP6099855A JP9985594A JPH07303475A JP H07303475 A JPH07303475 A JP H07303475A JP 6099855 A JP6099855 A JP 6099855A JP 9985594 A JP9985594 A JP 9985594A JP H07303475 A JPH07303475 A JP H07303475A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 硫化水素発生量が少ないサッカロミセス酵
母、及びそれを用いるビールの製造方法の提供。 【構成】 構成的な発現をする遺伝子のプロモーター及
び当該プロモーターの制御下にあるO−アセチルホモセ
リンサルフハイドリレースの構造遺伝子(MET25)
を導入したことにより硫化水素生成量が減少したサッカ
ロミセス属の酵母、及び該酵母を用いるビールの製造方
法。 【効果】 硫化水素の発生量が親株の2%程度に減少す
るため、品質が向上し、且つ、後発酵又は貯酒期間の短
縮が可能となる。
母、及びそれを用いるビールの製造方法の提供。 【構成】 構成的な発現をする遺伝子のプロモーター及
び当該プロモーターの制御下にあるO−アセチルホモセ
リンサルフハイドリレースの構造遺伝子(MET25)
を導入したことにより硫化水素生成量が減少したサッカ
ロミセス属の酵母、及び該酵母を用いるビールの製造方
法。 【効果】 硫化水素の発生量が親株の2%程度に減少す
るため、品質が向上し、且つ、後発酵又は貯酒期間の短
縮が可能となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はO−アセチルホモセリン
サルフハイドリレースの構造遺伝子を構成的に発現させ
ることによって、ビール製造中の硫化水素生成量を低減
させた酵母に関する。
サルフハイドリレースの構造遺伝子を構成的に発現させ
ることによって、ビール製造中の硫化水素生成量を低減
させた酵母に関する。
【0002】
【従来の技術】我が国で主に市販されているピルスナー
タイプの淡色ビールの製造に用いられているビール酵母
(下面酵母)は主発酵工程中に硫化水素を生成する特性
を有する。この硫化水素はビールの品質上好ましくない
若ビール臭の原因のひとつであり、これを閾値以下に低
減するための対策として後発酵ないし貯酒期間の延長が
行なわれている。
タイプの淡色ビールの製造に用いられているビール酵母
(下面酵母)は主発酵工程中に硫化水素を生成する特性
を有する。この硫化水素はビールの品質上好ましくない
若ビール臭の原因のひとつであり、これを閾値以下に低
減するための対策として後発酵ないし貯酒期間の延長が
行なわれている。
【0003】ビール中の硫化水素低減のために従来から
硫化水素生成に影響する因子に関する研究 (Jangaard,
N. O., Gress, H. S. and Coe, R. W. ; Amer. Soc. Br
ew.Chem. Proc., p46, 1973 : Kuroiwa, Y. and Hashim
oto, N. ; Brew. Dig., 45,44, 1970 : Hysert, D. W.
and Morrison, N. M. ; J. Amer. Soc. Brew. Chem., 3
4, 25, 1976)や、突然変異法あるいは細胞融合法を用い
た硫化水素低生成酵母の育種研究 (Molzahm, S. W. ;
J. Amer. Soc. Brew. Chem., 35, 54, 1977)が報告され
ている。
硫化水素生成に影響する因子に関する研究 (Jangaard,
N. O., Gress, H. S. and Coe, R. W. ; Amer. Soc. Br
ew.Chem. Proc., p46, 1973 : Kuroiwa, Y. and Hashim
oto, N. ; Brew. Dig., 45,44, 1970 : Hysert, D. W.
and Morrison, N. M. ; J. Amer. Soc. Brew. Chem., 3
4, 25, 1976)や、突然変異法あるいは細胞融合法を用い
た硫化水素低生成酵母の育種研究 (Molzahm, S. W. ;
J. Amer. Soc. Brew. Chem., 35, 54, 1977)が報告され
ている。
【0004】これらの方法はいずれも単に酵母の硫化水
素生成量を減少させるだけでなく、酵母の他の醸造特性
(発酵速度、ビール香味)にまで影響するため、ビール
醸造用酵母として好適な酵母は現在まで得られていな
い。近年、遺伝子操作技術を利用した醸造用酵母の育種
も行なわれるようになり、特開平5−244955号公
報ではシスタチオニンβ−シンターゼをコードするDN
A断片を導入したビール酵母が硫化水素生成を低減させ
ることが開示されている。しかしながら低減の程度は軽
微で、形質転換株の硫化水素の生成量はなお親株の生成
量の60〜80%程である。
素生成量を減少させるだけでなく、酵母の他の醸造特性
(発酵速度、ビール香味)にまで影響するため、ビール
醸造用酵母として好適な酵母は現在まで得られていな
い。近年、遺伝子操作技術を利用した醸造用酵母の育種
も行なわれるようになり、特開平5−244955号公
報ではシスタチオニンβ−シンターゼをコードするDN
A断片を導入したビール酵母が硫化水素生成を低減させ
ることが開示されている。しかしながら低減の程度は軽
微で、形質転換株の硫化水素の生成量はなお親株の生成
量の60〜80%程である。
【0005】酵母の物質代謝において、硫化水素は培地
中から取り込まれた硫酸イオン(SO4 2- )が還元され
る過程で生成する。この代謝系はメチオニンやシステイ
ンなどの含硫アミノ酸生合成経路であり、各段階の酵素
及びその遺伝子(MET25遺伝子)について詳細な報
告がある (Tabor, H. and Tabor, C. W. (eds.) ; Meth
ods in Enzymology Vol. 17B, Academic Press, Londo
n, 1971 : Jakoby, W.B. and Griffith, O. W. (eds.)
; Methods in Enzymology Vol. 143, AcademicPress,
London, 1987)。
中から取り込まれた硫酸イオン(SO4 2- )が還元され
る過程で生成する。この代謝系はメチオニンやシステイ
ンなどの含硫アミノ酸生合成経路であり、各段階の酵素
及びその遺伝子(MET25遺伝子)について詳細な報
告がある (Tabor, H. and Tabor, C. W. (eds.) ; Meth
ods in Enzymology Vol. 17B, Academic Press, Londo
n, 1971 : Jakoby, W.B. and Griffith, O. W. (eds.)
; Methods in Enzymology Vol. 143, AcademicPress,
London, 1987)。
【0006】O−アセチルホモセリンサルフハイドリレ
ースは、硫化水素から硫黄原子をO−アセチルホモセリ
ンに転移する酵素であり、MET25遺伝子によってコ
ードされている。当該酵素はまた、O−アセチルセリン
に硫黄原子を転移する活性も持っている。いずれにして
もO−アセチルホモセリンサルフハイドリレースは硫化
水素を基質とする酵素であるから、酵母菌体内の当該酵
素活性を上昇せしめることにより、基質である硫化水素
の消費を高め、硫化水素の生成量を低減することが期待
された。
ースは、硫化水素から硫黄原子をO−アセチルホモセリ
ンに転移する酵素であり、MET25遺伝子によってコ
ードされている。当該酵素はまた、O−アセチルセリン
に硫黄原子を転移する活性も持っている。いずれにして
もO−アセチルホモセリンサルフハイドリレースは硫化
水素を基質とする酵素であるから、酵母菌体内の当該酵
素活性を上昇せしめることにより、基質である硫化水素
の消費を高め、硫化水素の生成量を低減することが期待
された。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、硫化水素を
基質とする酵母のO−アセチルホモセリンサルフハイド
リレースをコードする遺伝子(MET25)を改良し、
酵母内で構成的に発現させることにより、ビール醸造工
程における硫化水素生成の大幅な低減を目的とするもの
である。
基質とする酵母のO−アセチルホモセリンサルフハイド
リレースをコードする遺伝子(MET25)を改良し、
酵母内で構成的に発現させることにより、ビール醸造工
程における硫化水素生成の大幅な低減を目的とするもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、酵母の構成的
に発現する遺伝子のプロモーターを酵母O−アセチルホ
モセリンサルフハイドリレースの構造遺伝子の上流に挿
入した組換えベクターによって酵母を形質転換し、O−
アセチルホモセリンサルフハイドリレースを構成的かつ
大量に発現せしめ、ビール製造工程における硫化水素生
成量が大幅に減少したサッカロミセス属の酵母、および
当該育種酵母を用いたビール製造法に関する。
に発現する遺伝子のプロモーターを酵母O−アセチルホ
モセリンサルフハイドリレースの構造遺伝子の上流に挿
入した組換えベクターによって酵母を形質転換し、O−
アセチルホモセリンサルフハイドリレースを構成的かつ
大量に発現せしめ、ビール製造工程における硫化水素生
成量が大幅に減少したサッカロミセス属の酵母、および
当該育種酵母を用いたビール製造法に関する。
【0009】サッカロミセス・セレビジエー(Sacc
haromyces cerevisiae)は、菌体
内でメチオニンやシステインを生合成する際、培地中や
麦汁中の硫酸イオンを還元して硫化水素を生成する。M
ET25遺伝子産物であるO−アセチルホモセリンサル
フハイドリレースは硫化水素を基質とし、ホモシステイ
ンやシステインを合成する酵素であるが、MET25遺
伝子の発現は培地中のメチオニンによって抑制される。
haromyces cerevisiae)は、菌体
内でメチオニンやシステインを生合成する際、培地中や
麦汁中の硫酸イオンを還元して硫化水素を生成する。M
ET25遺伝子産物であるO−アセチルホモセリンサル
フハイドリレースは硫化水素を基質とし、ホモシステイ
ンやシステインを合成する酵素であるが、MET25遺
伝子の発現は培地中のメチオニンによって抑制される。
【0010】本発明者らはサッカロミセス・セレビジエ
ーX2180−1A株由来の染色体DNAからMET2
5遺伝子をポリメレースチェインリアクション(PC
R)法によって増幅・単離し、この遺伝子の構造遺伝子
部分の上流に酵母で構成的に発現する遺伝子のプロモー
ターを挿入したプラスミドDNAを作成した。得られた
プラスミドDNAを酵母に導入し、MET25遺伝子を
構成的に発現する育種株を作成した。ビール試験醸造に
おける硫化水素生成量を調べたところ、育種株では親株
の2%程度に硫化水素生成量が減少していることが明ら
かとなった。
ーX2180−1A株由来の染色体DNAからMET2
5遺伝子をポリメレースチェインリアクション(PC
R)法によって増幅・単離し、この遺伝子の構造遺伝子
部分の上流に酵母で構成的に発現する遺伝子のプロモー
ターを挿入したプラスミドDNAを作成した。得られた
プラスミドDNAを酵母に導入し、MET25遺伝子を
構成的に発現する育種株を作成した。ビール試験醸造に
おける硫化水素生成量を調べたところ、育種株では親株
の2%程度に硫化水素生成量が減少していることが明ら
かとなった。
【0011】この方法の宿主酵母としては、醸造用酵
母、例えばビール酵母、例えばサッカロミセス・セレビ
ジエー、BH84、IFO1951、IFO1952、
IFO1953、IFO1954等が使用できる。構成
的に発現させるためのプロモーターとしては、酵母由来
のものであればいずれも利用可能で、グリセルアルデヒ
ド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(GAPDH)
遺伝子のプロモーター、3−フォスフォグリセレートキ
ナーゼ(PGK)遺伝子のプロモーターなどが利用可能
である。PGK遺伝子はすでにクローニングされてお
り、例えばTuite, M. F.ら、EMBO J. Vol.1, p603 (19
82) に詳細に記載されており、これらの既知の方法によ
り容易に入手することができる。
母、例えばビール酵母、例えばサッカロミセス・セレビ
ジエー、BH84、IFO1951、IFO1952、
IFO1953、IFO1954等が使用できる。構成
的に発現させるためのプロモーターとしては、酵母由来
のものであればいずれも利用可能で、グリセルアルデヒ
ド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(GAPDH)
遺伝子のプロモーター、3−フォスフォグリセレートキ
ナーゼ(PGK)遺伝子のプロモーターなどが利用可能
である。PGK遺伝子はすでにクローニングされてお
り、例えばTuite, M. F.ら、EMBO J. Vol.1, p603 (19
82) に詳細に記載されており、これらの既知の方法によ
り容易に入手することができる。
【0012】酵母に導入する際に用いるベクターとして
は、多コピー型(YEp型)、単コピー型(YCp
型)、染色体DNA組み込み型(YIp型)のいずれも
が利用可能である。例えば、YEp型ベクターとしては
YEp51 (Broach J. R.ら、Experimental Manipulat
ion of Gene Expression, Academic Press, New York,
1983, p83) 、YCp型ベクターとしてはYCp50 (R
ose, M. D. ら、Gene, Vol. 60, p237 (1987)) 、YI
p型ベクターとしてはYIp5 (Struhl, K.ら、Proc.
Natl. Acad. Sci. USP, Vol. 76, p1035 (1979))が知ら
れており、容易に入手することができる。
は、多コピー型(YEp型)、単コピー型(YCp
型)、染色体DNA組み込み型(YIp型)のいずれも
が利用可能である。例えば、YEp型ベクターとしては
YEp51 (Broach J. R.ら、Experimental Manipulat
ion of Gene Expression, Academic Press, New York,
1983, p83) 、YCp型ベクターとしてはYCp50 (R
ose, M. D. ら、Gene, Vol. 60, p237 (1987)) 、YI
p型ベクターとしてはYIp5 (Struhl, K.ら、Proc.
Natl. Acad. Sci. USP, Vol. 76, p1035 (1979))が知ら
れており、容易に入手することができる。
【0013】形質転換の際に用いる選択マーカーとして
は、醸造用酵母の場合は栄養要求性マーカーが利用でき
ないので、G418耐性遺伝子(G418r )、銅耐性
遺伝子(CUP1)(Marin, M.ら、Proc. Natl. Acad.
Sci. USA, Vol. 81, p337 (1984)) 、セルレニン耐性遺
伝子(fas2m、PDR4)(猪腰淳嗣ら、生化学、
64巻、p660 (1992), Hussain, M.ら、Gene Vol. 101, p
149 (1991)) などが利用可能である。
は、醸造用酵母の場合は栄養要求性マーカーが利用でき
ないので、G418耐性遺伝子(G418r )、銅耐性
遺伝子(CUP1)(Marin, M.ら、Proc. Natl. Acad.
Sci. USA, Vol. 81, p337 (1984)) 、セルレニン耐性遺
伝子(fas2m、PDR4)(猪腰淳嗣ら、生化学、
64巻、p660 (1992), Hussain, M.ら、Gene Vol. 101, p
149 (1991)) などが利用可能である。
【0014】
【発明の効果】本発明に於ては、麦汁中のメチオニンに
よる抑制を受けず、構成的に発現する遺伝子のプロモー
ター及び当該プロモーターの制御下にあるO−アセチル
ホモセリンサルフハイドリレースの構造遺伝子をビール
酵母に導入するので、発酵の全工程においてO−アセチ
ルホモセリンサルフハイドリレースの酵母内での高発現
が維持される。この結果、O−アセチルホモセリンサル
フハイドリレースが硫化水素を基質として速やかに消費
するため硫化水素生成量およびビール中の硫化水素濃度
が低く抑えられる。
よる抑制を受けず、構成的に発現する遺伝子のプロモー
ター及び当該プロモーターの制御下にあるO−アセチル
ホモセリンサルフハイドリレースの構造遺伝子をビール
酵母に導入するので、発酵の全工程においてO−アセチ
ルホモセリンサルフハイドリレースの酵母内での高発現
が維持される。この結果、O−アセチルホモセリンサル
フハイドリレースが硫化水素を基質として速やかに消費
するため硫化水素生成量およびビール中の硫化水素濃度
が低く抑えられる。
【0015】
【実施例】以下に本発明を実施例によってさらに詳細に
説明するが、本発明は以下実施例に限定されるものでは
ない。実施例1 .MET25遺伝子のクローニング 酵母サッカロミセス・セレビジエーのMET25遺伝子
は既にクローニングされており、その塩基配列が報告さ
れている(Kerjan, P., Cherest, H., and Surdin-Kerj
an, Y., Nucl. Acids Res., 14, 7861, 1986)。この情
報をもとにMET25遺伝子をポリメレースチェインリ
アクション(PCR)によって増幅、単離した。研究用
酵母X2180−1A株 (University of California a
t Berkley, Yeast Genetic Stock Center)から染色体D
NAを抽出し、これをPCRの鋳型とした。
説明するが、本発明は以下実施例に限定されるものでは
ない。実施例1 .MET25遺伝子のクローニング 酵母サッカロミセス・セレビジエーのMET25遺伝子
は既にクローニングされており、その塩基配列が報告さ
れている(Kerjan, P., Cherest, H., and Surdin-Kerj
an, Y., Nucl. Acids Res., 14, 7861, 1986)。この情
報をもとにMET25遺伝子をポリメレースチェインリ
アクション(PCR)によって増幅、単離した。研究用
酵母X2180−1A株 (University of California a
t Berkley, Yeast Genetic Stock Center)から染色体D
NAを抽出し、これをPCRの鋳型とした。
【0016】PCR用のプライマーとして25B(AT
G)(5'-CTGGATCCCCCATCCATACAATGCCAT-3') (配列番
号:1)、25HR(5'-GAGGCAAGCTTTAAATTGTC-3')(配
列番号:2)、25H(5'-GACAATTTAAAGCTTGCCTC-3')
(配列番号:3)、及び25BR(5'-CCGGATCCCGCGAAGT
TTTCCTGATTT-3') (配列番号:4)の合成DNAを用い
た。プライマー25B(ATG)と25HRの組み合わ
せによりMET25遺伝子の塩基番号−14〜1120
が、プライマー25Hと25BRの組み合わせによりM
ET25遺伝子の塩基番号1121〜1712が増幅さ
れ、それぞれ、約1.2kbのBamHI−HindIII
断片と約580bpのHindIII −BamHI断片とが
得られた(図1)。
G)(5'-CTGGATCCCCCATCCATACAATGCCAT-3') (配列番
号:1)、25HR(5'-GAGGCAAGCTTTAAATTGTC-3')(配
列番号:2)、25H(5'-GACAATTTAAAGCTTGCCTC-3')
(配列番号:3)、及び25BR(5'-CCGGATCCCGCGAAGT
TTTCCTGATTT-3') (配列番号:4)の合成DNAを用い
た。プライマー25B(ATG)と25HRの組み合わ
せによりMET25遺伝子の塩基番号−14〜1120
が、プライマー25Hと25BRの組み合わせによりM
ET25遺伝子の塩基番号1121〜1712が増幅さ
れ、それぞれ、約1.2kbのBamHI−HindIII
断片と約580bpのHindIII −BamHI断片とが
得られた(図1)。
【0017】合成DNAの配列中に制限酵素部位が設け
てあるので、増幅されたDNA断片は制限酵素で消化し
た後、汎用のプラスミドベクターにクローニングするこ
とができる。約1.2kbのBamHI−HindIII 断
片を大腸菌(E.coli)用のプラスミドpUC19
(宝酒造社製)へ、約580bpのHindIII −Bam
HI断片をプラスミドpUC18(宝酒造社製)へ挿入
して、それぞれpUC/25BH、およびpUC/25
HBとした(図1)。
てあるので、増幅されたDNA断片は制限酵素で消化し
た後、汎用のプラスミドベクターにクローニングするこ
とができる。約1.2kbのBamHI−HindIII 断
片を大腸菌(E.coli)用のプラスミドpUC19
(宝酒造社製)へ、約580bpのHindIII −Bam
HI断片をプラスミドpUC18(宝酒造社製)へ挿入
して、それぞれpUC/25BH、およびpUC/25
HBとした(図1)。
【0018】得られたMET25遺伝子のDNA塩基配
列をサンガーの方法(Sanger, F.,Science, 214, 1205,
1981)で調べ、報告されているMET25遺伝子の配
列と同一であることを確認した。pUC25BHおよび
pUC25HBから再度BamHI及びHindIII で
MET25遺伝子部分を切り出し、これらをBamHI
で切断したpUC119プラスミド(宝酒造社製)へク
ローニングすることにより、完全な形のMET25遺伝
子(pUC/MET25)を取得した(図1)。
列をサンガーの方法(Sanger, F.,Science, 214, 1205,
1981)で調べ、報告されているMET25遺伝子の配
列と同一であることを確認した。pUC25BHおよび
pUC25HBから再度BamHI及びHindIII で
MET25遺伝子部分を切り出し、これらをBamHI
で切断したpUC119プラスミド(宝酒造社製)へク
ローニングすることにより、完全な形のMET25遺伝
子(pUC/MET25)を取得した(図1)。
【0019】実施例2.プラスミドpYG1の構成 G418耐性の構造遺伝子を含むプラスミドpGR1
は、Agric. Biol. Chem.vol.54, No.10, p2689-2696 (1
990)に記載されている方法で取得でき、これをEcoR
I及びPvuIIで切断して得られるG418耐性の構造
遺伝子にSalIリンカーをつけてEcoRI−Sal
I切断とし、これをpYE22mのGAPDH遺伝子の
プロモーターとターミネーターの間に挿入し、pYG1
を得た(図2)。プラスミドpYE22mの作成方法
は、特開平4−228078号公報に詳しく記載されて
いる。
は、Agric. Biol. Chem.vol.54, No.10, p2689-2696 (1
990)に記載されている方法で取得でき、これをEcoR
I及びPvuIIで切断して得られるG418耐性の構造
遺伝子にSalIリンカーをつけてEcoRI−Sal
I切断とし、これをpYE22mのGAPDH遺伝子の
プロモーターとターミネーターの間に挿入し、pYG1
を得た(図2)。プラスミドpYE22mの作成方法
は、特開平4−228078号公報に詳しく記載されて
いる。
【0020】実施例3.プラスミドpEG25の構成 プラスミドpEG25は、酵母2μmプラスミドの複製
起点を持つYEp型のプラスミド(Beggs, J. D., Natu
re, 275, 104, 1978)であり、酵母中で自己複製が可能
であって、グリセルアルデヒドホスフェートデヒドロゲ
ナーゼ(GAPDH)のプロモーター(Holland, J. P.
and Holland, M. J., J. Biol. Chem.254, 9839, 197
6)に連結されたO−アセチルホモセリンサルフハイドリ
レースをコードするMET25遺伝子を有し、形質転換
マーカーとしてTRP1遺伝子及び薬剤耐性遺伝子であ
るG418耐性遺伝子(Oka, A., Sugisaki, H., and T
akanami, M., J. Mol. Biol., 147, 217, 1981)を有す
る。
起点を持つYEp型のプラスミド(Beggs, J. D., Natu
re, 275, 104, 1978)であり、酵母中で自己複製が可能
であって、グリセルアルデヒドホスフェートデヒドロゲ
ナーゼ(GAPDH)のプロモーター(Holland, J. P.
and Holland, M. J., J. Biol. Chem.254, 9839, 197
6)に連結されたO−アセチルホモセリンサルフハイドリ
レースをコードするMET25遺伝子を有し、形質転換
マーカーとしてTRP1遺伝子及び薬剤耐性遺伝子であ
るG418耐性遺伝子(Oka, A., Sugisaki, H., and T
akanami, M., J. Mol. Biol., 147, 217, 1981)を有す
る。
【0021】具体的には酵母の発現プラスミドpYE2
2mのBamHI及びSalI部位に、プラスミドpY
G1からHindIII 及びSalI消化によって調製し
た約2.5kbのG418耐性遺伝子のDNA断片を挿入
して、pYEGを作成した。挿入に際して約2.5kb断
片のHindIII 部位は、T4DNAポリメラーゼ(宝
酒造社製)による平滑化とBamHIリンカーの結合に
よってBamHI部位に変換した(図3)。得られたp
YEGをBamHIで切断し、実施例1記載のプラスミ
ドpUC/MET25から調製したMET25遺伝子を
含む約1.8kbのBamHI断片をライゲーションして
pEG25を得た(図3)。
2mのBamHI及びSalI部位に、プラスミドpY
G1からHindIII 及びSalI消化によって調製し
た約2.5kbのG418耐性遺伝子のDNA断片を挿入
して、pYEGを作成した。挿入に際して約2.5kb断
片のHindIII 部位は、T4DNAポリメラーゼ(宝
酒造社製)による平滑化とBamHIリンカーの結合に
よってBamHI部位に変換した(図3)。得られたp
YEGをBamHIで切断し、実施例1記載のプラスミ
ドpUC/MET25から調製したMET25遺伝子を
含む約1.8kbのBamHI断片をライゲーションして
pEG25を得た(図3)。
【0022】実施例4.酵母の形質転換 ビール酵母BH84株(ミュンヘン工科大学 Veihenste
phan.164(保育菌株No.164))を酢酸リチウム処
理し、プラスミド溶液とポリエチレングリコール400
0を加えて、30℃で30分保持した後、42℃で5分
処理し、YPD液体培地(酵母エキス1%、ポリペプト
ン2%、グルコース2%)を2ml加えて30℃で6時間
振盪培養した後、遠心して菌体を10倍濃縮し、G41
8を300ppm 含むYPD平板培地(YPD液体培地+
2%寒天)に塗布し、30℃で3〜5日間培養して、増
殖してきたコロニーを拾い、形質転換体とした。形質転
換された酵母菌株をBH M38−2と命名した。
phan.164(保育菌株No.164))を酢酸リチウム処
理し、プラスミド溶液とポリエチレングリコール400
0を加えて、30℃で30分保持した後、42℃で5分
処理し、YPD液体培地(酵母エキス1%、ポリペプト
ン2%、グルコース2%)を2ml加えて30℃で6時間
振盪培養した後、遠心して菌体を10倍濃縮し、G41
8を300ppm 含むYPD平板培地(YPD液体培地+
2%寒天)に塗布し、30℃で3〜5日間培養して、増
殖してきたコロニーを拾い、形質転換体とした。形質転
換された酵母菌株をBH M38−2と命名した。
【0023】実施例5.形質転換株に於けるMET25
のmRNA発現量の解析 親株BH84株と形質転換株BH M38−2株を2%
グルコースを含むYeast Nitrogen Base (Difco) 、又
は、2%グルコース及び5mMメチオニンを含むYeast Ni
trogen Base 10mlで30℃、17時間培養した。酵母
菌体を集菌、洗浄し、0.2mlのLETSバッファー
(0.1M LiCl,1%(W/V)SDS,0.2
M Tris−HCl(pH7.4),0.01M ED
TA)に懸濁し、0.4gのグラスビーズを加えて、ビ
ーズビーターで3分間処理をして菌体を破砕した。
のmRNA発現量の解析 親株BH84株と形質転換株BH M38−2株を2%
グルコースを含むYeast Nitrogen Base (Difco) 、又
は、2%グルコース及び5mMメチオニンを含むYeast Ni
trogen Base 10mlで30℃、17時間培養した。酵母
菌体を集菌、洗浄し、0.2mlのLETSバッファー
(0.1M LiCl,1%(W/V)SDS,0.2
M Tris−HCl(pH7.4),0.01M ED
TA)に懸濁し、0.4gのグラスビーズを加えて、ビ
ーズビーターで3分間処理をして菌体を破砕した。
【0024】得られた菌体破砕液を10000×g、1
0分間遠心して上清を得、フェノール処理を3回施した
後に、エタノールを加え、−20℃で全RNAを沈殿さ
せた。遠心後、沈殿を70%エタノールでリンスし乾固
させて、蒸留水に溶解し全RNA液とした。得られた全
RNA40μgを常法どおりホルムアルデヒドゲル電気
泳動で展開後、メンブレンにトランスファーして32P
−ラベルしたMET25遺伝子のDNAフラグメントを
プローブとして用い、ハイブリダイゼーションを行っ
た。
0分間遠心して上清を得、フェノール処理を3回施した
後に、エタノールを加え、−20℃で全RNAを沈殿さ
せた。遠心後、沈殿を70%エタノールでリンスし乾固
させて、蒸留水に溶解し全RNA液とした。得られた全
RNA40μgを常法どおりホルムアルデヒドゲル電気
泳動で展開後、メンブレンにトランスファーして32P
−ラベルしたMET25遺伝子のDNAフラグメントを
プローブとして用い、ハイブリダイゼーションを行っ
た。
【0025】発現量の強さはイメージングプレート(富
士写真フイルム社製、BAS 2000)を用いて測定
した。結果はメチオニン非存在下での親株BH84株の
値を100%として表1に示す。
士写真フイルム社製、BAS 2000)を用いて測定
した。結果はメチオニン非存在下での親株BH84株の
値を100%として表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】親株BH84株のMET25遺伝子の発現
が培地中のメチオニンによる抑制を受けているのに対
し、形質転換株BH M38−2株では、メチオニンの
存在、非存在に関わらず親株の3〜4倍のMET25
mRNAを発現していることが確認された。
が培地中のメチオニンによる抑制を受けているのに対
し、形質転換株BH M38−2株では、メチオニンの
存在、非存在に関わらず親株の3〜4倍のMET25
mRNAを発現していることが確認された。
【0028】実施例6.ビール試験醸造に於ける硫化水
素放出量の解析 親株BH84株、並びに形質転換株BH M38−2株
を用いた発酵試験を表2の条件下で行った。但し、BH
M38−2株に用いた麦汁にのみ選択薬剤であるG4
18を10ppm の濃度で添加した。
素放出量の解析 親株BH84株、並びに形質転換株BH M38−2株
を用いた発酵試験を表2の条件下で行った。但し、BH
M38−2株に用いた麦汁にのみ選択薬剤であるG4
18を10ppm の濃度で添加した。
【0029】
【表2】
【0030】発酵中の硫化水素の定量は発酵ガス中の硫
化水素を酢酸亜鉛溶液で一旦トラップした後、メチレン
ブルーを生成させ、OD668を測定することにより行
った(Jangaard, N. O., Gress, H. S. and Coe, R. W.
; Amer. Soc. Brew. Chem.Proc., p46, 1973) (図
4)。また、発酵中の酵母増殖量(OD660)(図
5)、エキスの消費経過(図6)を調べ、ビールの成分
分析も行った(表3)。
化水素を酢酸亜鉛溶液で一旦トラップした後、メチレン
ブルーを生成させ、OD668を測定することにより行
った(Jangaard, N. O., Gress, H. S. and Coe, R. W.
; Amer. Soc. Brew. Chem.Proc., p46, 1973) (図
4)。また、発酵中の酵母増殖量(OD660)(図
5)、エキスの消費経過(図6)を調べ、ビールの成分
分析も行った(表3)。
【0031】その結果、図4に示すように、MET25
遺伝子を導入した形質転換株BHM38−2株では20
0時間の硫化水素生成量は親株の約2%に減少してい
た。一方、その際の酵母菌体の増殖には異常は認められ
ず(図5)、発酵経過にも親株との差はほとんど認めら
れなかった(図6)。さらに、ビール成分の分析値も形
質転換株ではSO2 が減少していること以外、親株によ
るビールとの差異は認められなかった(表3)。また、
官能的にも育種株によるビールに対して異臭は全く感じ
られなかった。
遺伝子を導入した形質転換株BHM38−2株では20
0時間の硫化水素生成量は親株の約2%に減少してい
た。一方、その際の酵母菌体の増殖には異常は認められ
ず(図5)、発酵経過にも親株との差はほとんど認めら
れなかった(図6)。さらに、ビール成分の分析値も形
質転換株ではSO2 が減少していること以外、親株によ
るビールとの差異は認められなかった(表3)。また、
官能的にも育種株によるビールに対して異臭は全く感じ
られなかった。
【0032】
【表3】
【0033】以上の結果から、本発明は発酵工程で生ず
る硫化水素を減少させ、その結果ビール品質の向上や後
発酵または貯酒期間の短縮に有効であることが確認され
た。
る硫化水素を減少させ、その結果ビール品質の向上や後
発酵または貯酒期間の短縮に有効であることが確認され
た。
【0034】
配列番号:1 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列: CTGGATCCCC CATCCATACA ATGCCAT 27
【0035】配列番号:2 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列: GAGGCAAGCT TTAAATTGTC 20
【0036】配列番号:3 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列: GACAATTTAA AGCTTGCCTC 20
【0037】配列番号:4 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列: CCGGATCCCG CGAAGTTTTC CTGATTT 27
【図1】図1はPCRによるMET25遺伝子の単離及
びMET25遺伝子を含むプラスミドpUC/MET2
5の構成を示す図である。
びMET25遺伝子を含むプラスミドpUC/MET2
5の構成を示す図である。
【図2】図2はプラスミドpYG1の構成を示す図であ
る。記号:G418r 、GAPDH遺伝子プロモーター
の制御下にG418に耐性を与える遺伝子。PGAPD
H、GAPDH遺伝子プロモーター。Apr 、アンピシ
リン耐性遺伝子。TRP1、トリプトファン要求性回復
遺伝子。IR1、逆位の繰り返し配列。
る。記号:G418r 、GAPDH遺伝子プロモーター
の制御下にG418に耐性を与える遺伝子。PGAPD
H、GAPDH遺伝子プロモーター。Apr 、アンピシ
リン耐性遺伝子。TRP1、トリプトファン要求性回復
遺伝子。IR1、逆位の繰り返し配列。
【図3】図3はプラスミドpEG25の構成を示す図で
ある。
ある。
【図4】実施例6において、MET25遺伝子を導入し
た形質転換株の200時間の硫化水素生成量の変化を示
すグラフである。○は親株BH84株、●は形質転換株
BH M38−2の場合である。
た形質転換株の200時間の硫化水素生成量の変化を示
すグラフである。○は親株BH84株、●は形質転換株
BH M38−2の場合である。
【図5】実施例6における発酵中の酵母増殖量(OD6
60)を示すグラフである。
60)を示すグラフである。
【図6】実施例6における発酵中のエキスの消費経過を
示すグラフである。
示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:645) (72)発明者 中谷 和夫 大阪府三島郡島本町若山台1丁目1番1号 サントリー株式会社ビール研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】 構成的な発現をする遺伝子のプロモータ
ー及び当該プロモーターの制御下にあるO−アセチルホ
モセリンサルフハイドリレースの構造遺伝子(MET2
5)を導入したことにより硫化水素生成量が減少したサ
ッカロミセス属の酵母。 - 【請求項2】 前記構成的な発現をする遺伝子のプロモ
ーターがグリセロアルデヒド−3−ホスフェートデヒド
ロゲナーゼ(GAPDH)遺伝子のプロモーター、又は
3−ホスホグリセロートキナーゼ(PGK)遺伝子のプ
ロモーターである、請求項1に記載の酵母。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の酵母を用いた、
硫化水素が少なく、発酵期間が短縮されたビールの製造
法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09985594A JP3514507B2 (ja) | 1994-05-13 | 1994-05-13 | 硫化水素生成が低減された酵母とこの酵母を用いたビール製造法 |
CA 2149171 CA2149171C (en) | 1994-05-13 | 1995-05-11 | Recombinant yeast producing a decreased amount of hydrogen sulfide in beer production |
AU20022/95A AU2002295A (en) | 1994-05-13 | 1995-05-11 | Decreased hydrogen sulfide formation in beer production |
DE1995627681 DE69527681T2 (de) | 1994-05-13 | 1995-05-12 | Verringerter Schwefelwasserstoffbindung bei der Bierherstellung |
EP19950303211 EP0699748B1 (en) | 1994-05-13 | 1995-05-12 | Decreased hydrogen sulfide formation in beer production |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publication Number | Publication Date |
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---|---|---|---|---|
WO2007026956A1 (ja) | 2005-09-01 | 2007-03-08 | Suntory Limited | 低温発酵性及び/又は冷凍耐性を増強させる遺伝子及びその用途 |
WO2007026958A1 (ja) | 2005-09-01 | 2007-03-08 | Suntory Limited | トリプトファントランスポーター遺伝子及びその用途 |
WO2007086592A1 (ja) * | 2006-01-24 | 2007-08-02 | Kirin Holdings Kabushiki Kaisha | 亜硫酸高生産酵母の育種方法及び該酵母を用いた酒類の製造方法 |
WO2007097113A1 (en) | 2006-02-24 | 2007-08-30 | Suntory Limited | Gene encoding protein responsible for flocculation property of yeast and use thereof |
WO2007099751A1 (en) | 2006-02-28 | 2007-09-07 | Suntory Limited | Gene encoding glycogen synthase and use thereof |
WO2007105350A2 (en) | 2006-02-28 | 2007-09-20 | Suntory Limited | Catalase gene and use thereof |
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JP4231170B2 (ja) * | 1999-10-26 | 2009-02-25 | サントリー株式会社 | 酵母の育種方法 |
US20060270013A1 (en) | 2003-02-18 | 2006-11-30 | Michel Chateau | Method for the production of evolved microorganisms which permit the generation or modification of metabolic pathways |
FR2854902B1 (fr) * | 2003-05-14 | 2006-06-09 | Metabolic Explorer Sa | Microorganisme a activite cysteine synthase modifiee et procede de preparation de la cysteine |
JP2008530977A (ja) * | 2005-08-22 | 2008-08-14 | サントリー株式会社 | O−アセチルホモセリンサルフハイドリレース遺伝子及びその用途 |
-
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- 1994-05-13 JP JP09985594A patent/JP3514507B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1995
- 1995-05-11 AU AU20022/95A patent/AU2002295A/en not_active Abandoned
- 1995-05-11 CA CA 2149171 patent/CA2149171C/en not_active Expired - Fee Related
- 1995-05-12 EP EP19950303211 patent/EP0699748B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1995-05-12 DE DE1995627681 patent/DE69527681T2/de not_active Expired - Lifetime
- 1995-05-12 DK DK95303211T patent/DK0699748T3/da active
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WO2007026958A1 (ja) | 2005-09-01 | 2007-03-08 | Suntory Limited | トリプトファントランスポーター遺伝子及びその用途 |
WO2007086592A1 (ja) * | 2006-01-24 | 2007-08-02 | Kirin Holdings Kabushiki Kaisha | 亜硫酸高生産酵母の育種方法及び該酵母を用いた酒類の製造方法 |
WO2007097113A1 (en) | 2006-02-24 | 2007-08-30 | Suntory Limited | Gene encoding protein responsible for flocculation property of yeast and use thereof |
WO2007099751A1 (en) | 2006-02-28 | 2007-09-07 | Suntory Limited | Gene encoding glycogen synthase and use thereof |
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Also Published As
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EP0699748A3 (en) | 1998-07-29 |
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