JPH07301588A - 薄膜強度測定装置と測定方法 - Google Patents

薄膜強度測定装置と測定方法

Info

Publication number
JPH07301588A
JPH07301588A JP9280394A JP9280394A JPH07301588A JP H07301588 A JPH07301588 A JP H07301588A JP 9280394 A JP9280394 A JP 9280394A JP 9280394 A JP9280394 A JP 9280394A JP H07301588 A JPH07301588 A JP H07301588A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
subject
columnar body
piezoelectric element
wave
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9280394A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobutaka Nakaso
教尊 中曽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP9280394A priority Critical patent/JPH07301588A/ja
Publication of JPH07301588A publication Critical patent/JPH07301588A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 被検体に曲率半径rの柱状体を押圧し特定の
屈曲形状を与え、その際に生じるAE波を基にして被検
体の膜強度を評価する薄膜強度測定装置と測定方法を提
供する。 【構成】 先端に曲率半径rの対物面10を形成する柱
状体5と柱状体押圧手段7のフィルム17間に基材3と
コーティング層4を有する被検体2を介在させ、柱状体
押圧手段7により柱状体5の対物面10を被検体2に序
々に押圧する。その際に発生するAE波を圧電素子6で
検出し対応する電気信号を信号検出器8に入力させる。
信号検出器8はAE波の発生回数、大きさ,波形等を読
み取り記録し表示する。柱状体押圧手段7は容器16内
に充填収納される流動体を出入させ押圧力を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機フィルム等の表裏
面又は内部にセラミックスコーティングや金属コーティ
ング等のコーティング層を形成した被検体の屈曲時にお
ける膜強度を評価する測定装置および方法に係り、特
に、特定の曲率に屈曲された場合のAE波の発生によっ
て膜強度を求める薄膜強度測定装置と測定方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】有機フィルム,例えば、約10[μm]
のPET(ポリエチレンテレフタレート)の基材の表裏
面又は内部に0.1[μm]程度のSiO2等のセラミ
ックスや金属のコーティング層を施した包装材料が近年
広範囲に使用されている。基材である有機フィルムは柔
軟であるがコーティング層は比較的硬く、引張りや曲げ
力が作用するとクラック又は剥離が生じる。このため
に、コーティング層の強度により包装材料としてのガス
バリア性に差が生じる。従って、当該包装材料の強度を
予め定量的に評価する測定方法が必要になる。図8乃至
図13は従来一般に使用されている強度評価方法の数例
を示すものである。
【0003】図8は被検体2の表面に硬い針27を押圧
し、表面に沿って移動せしめ、図9に示すようにどの程
度の力で膜破壊28が発生するかを観察するものであ
る。この方法では被検体2のコーティング層4と基材3
間の固着強度を評価することが出来るが、曲げ強度や耐
強度評価をすることは出来ない。
【0004】図10は被検体2に四角錐のクサビ29を
一定荷重で押しつけ、被検体2に残った「凹あと」の大
きさにより強度評価を行うものである。また、図11は
同じく被検体2にクサビ29を押し当てながらマイクロ
荷重計30で押圧力を測定すると共に、クサビ29側に
設けたレーザ距離計31によりクサビ29側と被検体2
間の相対距離を高精度に測定し、荷重とクサビ29の侵
入量から強度評価を行うものである。しかしながら、こ
れ等の方法はコーティング層4の膜厚が数ミクロン以下
の薄膜の場合や、基材3が柔らかい場合には正確な測定
が出来ない問題点がある。また、これ等の測定方法は外
部振動の影響を受け易く、振動の発生し易い工場内での
測定が困難である。また、鋭いクサビ29を押圧するこ
とによる抵抗力を評価するもので引張りや曲げ強度を評
価するのは困難である。
【0005】図12は被検体2に矢視C方向の引張り力
を付加しながら被検体2から生じるAE波を超音波顕微
鏡レンズのような超音波センサ32により測定するもの
である。超音波センサ32は遅延材33および圧電素子
34からなり、圧電素子34によって受信された電気信
号は信号検出器35に入力され測定される。なお、超音
波センサ32と被検体2には超音波伝搬媒体としての水
36が介在される。この方法の場合には水36を介在さ
せているため、被検体2から発生したAE波が水36内
および遅延材33内を通過する際にかなり反射又は吸収
され、微弱なAE波を検出することが出来ない問題点が
ある。また、水36を使用することにより材質等の変化
する被検体2には適用出来ない。
【0006】図13は被検体2に直接圧電素子37を固
着したものであり、被検体2を矢視D方向に引張りなが
ら被検体2から生じるAE波を信号検出器35により測
定するものである。水36を介在させないためAE波を
直接測定することが出来るが被検体2が小さいもの、例
えば、1[mm]以下の場合には圧電素子37の力学的
影響が加わるため正確な測定が困難になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
薄膜強度測定方法の場合には、引張りや曲げに対する強
度を評価することが困難であったり、微細なクラックや
剥離等の検出が出来ず、また、被検体の大きさに制限が
生じる等の問題点がある。更に、一般の薄膜の包装材料
の場合には約1[%]以上伸ばすことによりコーティン
グ層が破壊されてしまうものが多い。そのため、1
[%]以下の伸び量におけるクラック等の発生を正確に
検出することが必要になるが、前記従来技術では困難で
ある。また、「ひずみゲージ」を使用する方法もあるが
この場合にも被検体の大きさに制限があり、1[%]以
下の変化を正確に測定することが困難である。
【0008】本発明は、以上の事情に鑑みて創案された
ものであり、異なった曲率半径の対物面を有する超音波
センサを被検体に序々に押し付け、被検体を屈曲させ、
その際に発生するAE波の発生回数,大きさ又は波形等
を求め、それを基にして被検体の膜厚強度を正確に測定
する薄膜強度測定装置と測定方法を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の目的を
達成するために、薄膜の被測定物を被検体としてその屈
曲時における強度を評価するための強度測定装置であっ
て、前記被検体に当接する対物面が所定の曲率半径rを
有する半円筒面から形成される柱状体と、該柱状体に固
着され薄膜に対物面を圧接して屈曲させたとき前記被検
体から発生するAE波を受信する圧電素子と、該圧電素
子の検出信号に基づきAE波の発生回数,大きさ又は波
形を読み取り表示すべく前記圧電素子に連結される信号
検出器を設けてなる薄膜強度測定装置を構成するもので
ある。更に具体的に、前記柱状体は超音波センサの遅延
材からなり、その一端が半円筒面に加工され対物面を構
成し前記対物面と反対側の他端に前記圧電素子が固着さ
れることを特徴とする。また、前記柱状体はロッドから
なり、該ロッドの先端は半円筒面に加工され、これに沿
って前記圧電素子が固着し対物面を構成することを特徴
とする。更に、前記柱状体はロッドからなり、前記ロッ
ドの先端に固着された圧電素子は半円筒面から形成され
前記対物面を構成することを特徴とする。また、柱状体
押圧手段を備えており、前記被検体を挾んで前記柱状体
と対峙する加圧膜体と、前記柱状体側又は加圧膜体側を
被検体側に移動させる手段から構成されるものであり、
前記加圧膜体は、流動体を充填収納する容器と、該容器
の開口部を閉止するフィルムとからなり、前記手段が容
器内に充填される前記流動体を出入させる流動体出入手
段からなり、また、前記柱状体は異なる曲率半径の対物
面を有する複数個のセットものから形成されることを特
徴とする。更に、所定の曲率半径を有する半円筒面から
なる対物面を備えた超音波センサを薄膜被検体に押し当
て、その押圧力を微細に調整し、屈曲変形に伴って薄膜
被検体から発生するAE波に応じた検出信号を信号検出
器側に取り込み、AE波の発生回数,大きさ又は波形を
分析して薄膜被検体の強度を評価する薄膜強度測定方法
を特徴とするものである。
【0010】
【作用】本発明は、特定の曲率半径の対物面を有する柱
状体を被検体に押しつけ、序々に押圧しながら被検体か
らAE波を発生せしめる。柱状体の対物面は一定の半円
筒形状に形成されるため被検体はその形状に合致した形
状に屈曲される。よって一定の屈曲応力におけるAE波
の検出が行われ、被検体の強度を正確に評価することが
出来る。すなわち、SN比の高い強度評価が出来る。更
に、曲率半径の変った複数個の柱状体を被検体に押圧す
ることによりそれぞれの屈曲形状における被検体の強度
評価が出来る。また、柱状体の対物面は加圧手段により
微小量だけ序々に押圧されるためAE波の発生時点を正
確に把握することが出来る。更に、信号検出器によりA
E波の信号の大きさや回数を測定することにより被検体
の破壊の度合を定量的に知ることが出来る。また、その
波形を解析することにより被検体にクラック又は剥離が
生じたかを判断することが出来る。また、対物面は半円
筒面からなり球体ではないため、被検体と柱状体とは点
接触せず比較的広い範囲で面接触することが出来る。こ
れにより被検体を一定形状に確実に屈曲させることが出
来る。
【0011】
【実施例】以下、本発明の測定装置の実施例を図面に基
づき説明する。図1は一実施例の全体構成図、図2は図
1の主要部の縦断面図、図3は図1,図2の柱状体を示
す断面図、図4は柱状体の他の実施例の断面図、図5,
図6は更に別の柱状体の断面図、図7は本発明に係わる
柱状体押圧手段の一実施例を設けた薄膜強度測定装置の
全体構成図である。
【0012】図1および図2に示すように、本実施例の
薄膜強度測定装置1は、柱状体5と、圧電素子6と、加
圧手段7と、圧電素子6と連結する信号検出器8等から
なる。被検体2は図1等に示したように基材3にコーテ
ィング層4をコーティングしたものからなる。また、加
圧手段7は加圧膜体と微動手段とからなるが、本実施例
では微動手段は手動として加圧膜体9のみが採用され
る。勿論、手動の替りに微動昇降装置を採用してもよ
い。
【0013】柱状体5は図1乃至図3に示すようにその
先端側に曲率半径rの対物面10を形成する半円筒面1
1を有するブロック状の遅延材12からなり、対物面1
0が被検体2に接触する。なお、遅延材12は例えば石
英等からなる。半円筒面11により対物面10と被検体
2は少なくとも線接触する。この点、点接触する凸球状
の遅延材と相異する。
【0014】圧電素子6は遅延材12の対物面10と反
対面に固着される。図示されていないが圧電素子6は圧
電性のある圧電材とそれを挟持する電極からなる。圧電
素子6の構造や種類は公知のものであるが、本実施例で
は圧電素子6に入力されるAE波の周波数を含んだ帯域
を有するものであればよい。
【0015】信号検出器8は圧電素子6からのAE波に
応じた電気信号を増幅するアンプ13と、デジタルオシ
ロスコープ14と、コンピュータ15等から構成され
る。デジタルオシロスコープ14はある振幅の電気信号
が入力された時にその信号波形を測定するように設定さ
れる。また、コンピュータ15はデジタルオシロスコー
プとデータのやり取り可能に接続される。なお、コンピ
ュータ15はAE波の発生回数,大きさ,波形等を読み
取り記憶する。また、信号検出器8側にはAE波の発生
を点燈表示をするための図略の表示ランプ等が付設され
る。AE波の波形を記録するのは例えば被検体2にクラ
ックが発生したのか剥離が生じたのかを区分して評価す
るためである。
【0016】図2に示すように、加圧膜体9は、上方に
開口部を有する容器16と、容器16の前記開口部を閉
止するゴム膜等からなるフィルム17と、容器16内に
充填収納される流動体18等からなる。フィルム17は
バンド19により容器16に固定されると共に表面を張
架保持される。なお、フィルム17はそれ自体としてA
E信号を発性しないものが必要であり、また、対物面1
0に沿って接触追従し得る柔軟性を有するものが望まし
い。また、フィルム17はゴム膜のように延伸自在のも
のが望ましく、その弾性インピーダンスが被検体と異な
るものが良い。流動体18は気体,液体,ゲル状体のい
ずれでもよいが、その弾性インピーダンス(密度×音
速)が被検体2を構成する材料の弾性インピーダンスと
異なるものが望ましい。流動体18の弾性インピーダン
スが被検体2のものに近い場合には被検体2内で発生し
たAE波が遅延材12や圧電素子6側よりも容器16側
に多く洩れ圧電素子6側へのAE波の入射量が小さくな
るためである。この点において流動体18は例えば密度
の低い気体を用いた方が望ましい。
【0017】図4は別の柱状体5aを示す。この柱状体
5aは先端側が半円筒面に加工され、これに伴ってPV
DFの有機の圧電素子6aを固着するもので、圧電素子
6aの表面が曲率半径rの対物面10aを形成するもの
である。この場合圧電素子6aの検出したAE波は柱状
体5a内を通過しないため遅延材としては機能しない。
【0018】図5は他の柱状体5bを示す。この柱状体
5bはロッドからなりその先端には圧電素子6bが固着
される。圧電素子6bは曲率半径rの半円筒面を有する
圧電材20と、それを挟持する電極21,22からな
る。圧電材20の下面に固着する電極22の表面には曲
率半径rの対物面10bが形成される。なお、電極2
1,22は信号検出器8に連結される。
【0019】図6に示す柱状体5cは導電性のロッドか
らなる。この場合、図5に示した電極21が不要とな
る。
【0020】図7は図1および図2の実施例と柱状体押
圧手段7aのみが相異する薄膜強度測定装置1aを示
す。図において図1および図2と同一符号のものは同一
物又は同一機能の構成要素を示し、その説明を省略す
る。柱状体押圧手段7aは加圧膜体9aと流動体出入手
段23からなる。加圧膜体9aは流動体18を充填収納
する容器16aと、その開口部を閉止するフィルム17
等からなり容器16aには出入口24が形成される。流
動体出入手段23は出入口24を介して容器16a内に
流動体18を出入させる加圧手段25と、これに連結す
る加圧源26等からなる。加圧手段25は容器16a内
に流動体18を圧入しフィルム17側に押圧力を付加す
るものであり、流動体18の出入量を加減して押圧力の
微細調整を可能にするように構成される。加圧手段25
としては、例えば、ポンプや注射具等が採用されるが勿
論それ等に限定するものではない。開口部を閉止するフ
ィルム17および流動体18は前記したように被検体2
と弾性インピーダンスの相異する媒体、特に気体が望ま
しい。また、容器16aに圧力計(図略)を設け作動圧
をコントロールするようにしてもよい。
【0021】次に、本実施例の作用を図1、図2および
図7により説明する。柱状体5と加圧手段7のフィルム
17間で被検体2を挟持する。フィルム17は被検体2
の図略の基材側を全面支持すると共に柱状体5の曲率半
径rの対物面10が被検体2のコーティング層に接触す
る。図1および図2の実施例の場合は、手動又は図略の
微動昇降手段等により柱状体5を序々に被検体2側に押
しつけて曲率半径rに応じた凹部を被検体2に屈曲形成
する。被検体2は曲率半径rに見合った安定形状の凹部
が序々に形成される。一方、図7の場合には流動体出入
手段23により流動体18を容器16a内に序々に導入
し、フィルム17を介して被検体2を柱状体5側に押圧
する。その結果、前記と同様に被検体2には曲率半径r
に見合った凹部が確実に、かつ序々に形成される。前記
凹部がある程度の形状まで進むと被検体2からAE波が
出力される。AE波は柱状体5の遅延材12を通り圧電
素子6に入り電気信号として出力され信号検出器8に入
力される。検出信号はアンプ13により増幅された後、
デジタルオシロスコープ14およびコンピュータ15に
より所定の処理が行われる。すなわち、AE波が生じた
瞬間における柱状体5の押圧力又はストロークや、AE
波の発生回数や、大きさおよび波形等が読み取られ、か
つ記録される。また、表示手段が付設される場合は必要
のデータが表示される。以上により、特定の屈曲形状に
おける被検体2の程度が正確に把握される。また、曲率
半径rの相異する柱状体5を用意することにより種々の
屈曲形状における膜強度を求めることが可能になる。本
実施例は従来技術のようにクサビ等による極部的な強度
を測定するものではなく、水を媒体とした超音波センサ
を使用せず、かつ圧電素子を被検体に直接固着するもの
ではないため、小形の被検体2に対しても屈曲時におけ
る膜強度を正確に測定することが出来る。
【0022】図4の柱状体5aの場合には前記したよう
に曲率半径rの圧電素子6aを直接被検体2に接触され
るもので前記のものに較べて遅延材12を必要とせず、
かつ直接AE波に応じた検出信号を信号検出器8側に送
ることが出来るため高いSN比をもつ信号検出が可能に
なる。但し、数種類の柱状体5aを準備する場合にはそ
れに見合ったロッドおよび圧電素子6aを作る必要があ
り、前記のものよりやや面倒である。
【0023】次に、本実施例の具体的実験例を説明す
る。被検体2としては厚み12[μm]のPETに0.
5[μm]のSiO2コーティング層を形成したものを
使用し、その縦,横寸法は20[mm]×5[mm]の
短冊状のものを用いた。また、柱状体5は10[mm]
×10[mm]の正方形断面で高さ約10[mm]のブ
ロック状の溶融石英からなる遅延材12を用いた。ま
た、その先端側に形成される対物面10の曲率半径rは
1[mm]とした。圧電素子6はZnOの材質のものを
用い、2[mm]×3[mm]で帯域10[MHz]乃
至100[MHz]のものを採用した。信号検出器8の
アンプ13は30dBの増幅率を有するものを用い、デ
ジタルオシロスコープ14では3[mV]以上の振幅の
電気信号が入力された時にその信号を測定するように
し、コンピュータ15はデジタルオシロスコープ14と
データのやり取りを可能にし、新たな信号が入力された
かを常に観測しながらその都度AE波形情報を読み取っ
て波形の入力回数や大きさおよび波形等を記録,表示す
るようにした。一方、加圧手段7のフィルム17は厚さ
0.5[mm]のゴム膜を用い、容器16は金属容器と
し流動体18は空気を用いた。
【0024】以上のものを用いて柱状体5を手動又は図
7の流動体出入手段23等を用いて被検体2に序々に押
圧した。なお、実験では同一形状であるが製法の異なる
A,Bの2種類の被検体2を用いた。その結果、同一条
件の押圧力において検出された信号の回数を測定したと
ころ、被検体Aは26回の信号数を記録し、被検体Bは
41回の信号数を記録した。次に、被検体A,Bの凹部
を電子顕微鏡で観測したところ、前記凹部の約0.5
[mm]の範囲内において被検体Bは被検体Aよりも多
数のクラックが発生していることがわかった。なお、こ
のクラック数と前記の検出信号数とはほぼ一致した。以
上により、曲率半径rが1[mm]の対物面を有する柱
状体5を被検体2に押出し屈曲させた際に発生するクラ
ックは、信号検出器8に取り込まれた信号数を記録する
ことにより把握されることがわかり、本実施例の確実性
を証明することが出来た。
【0025】前記した実験例の厚み0.5[mm]のフ
ィルム17では剛性のある例えば厚み200[μm]の
被検体2を曲率半径rが1[mm]の対物面により屈曲
変形させることは難しい。そこで、フィルム17を1
[mm]の厚みのゴム膜とし、図7の加圧手段7aを採
用し、流動体18として水を使用した。流動体出入手段
23として水ポンプを用い、スイッチにより水ポンプを
ON−OFF動作するようにした。容器16a内に水を
出入させ水を介してフィルム17を押圧することにより
前記被検体2を屈曲させてAE波を発生させることが実
験時に出来た。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、次のような顕著な効果
を奏する。 1)被検体を一定の屈曲形状に変形させ、その際に発生
するAE波により被検体の膜強度を測定するように構成
したため、被検体の強度測定が正確に行われる。 2)曲率半径rを変化させることにより各種の屈曲時に
おける膜強度の評価が可能になる。 3)手動又は特定の加圧手段により曲率半径rの対物面
を序々に被検体に押圧するためAE波が確実に把握され
る。 4)圧電素子を直接被検体に固着しないため、小形の被
検体の強度測定が可能である。 5)搬媒体として水を使用しないため微弱なAE波の検
出が正確に行われる。また、水に影響されることなく被
検体の測定が出来る。 6)圧電素子を被検体に直接接触させる構造を採用する
ことにより高いSN比で信号を検出することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体構成図。
【図2】図1の主要部の縦断面図。
【図3】図1,図2の柱状体の断面図。
【図4】柱状体の他の実施例の断面図。
【図5】圧電素子の構造を示すための柱状体の断面図。
【図6】他の圧電素子の構造を示すための柱状体の断面
図。
【図7】本発明の加圧手段の一実施例を設けた薄膜強度
測定装置の全体構成図。
【図8】従来の薄膜評価手段の一例を示す断面図。
【図9】図8における被検体の膜破壊を示す断面図。
【図10】従来の薄膜評価手段の他の例を示す断面図。
【図11】従来の薄膜評価手段の具体例を示す構成図。
【図12】超音波センサを用いた従来の薄膜評価手段の
他の例を示す構成図。
【図13】圧電素子を直接被検体に装着した従来の薄膜
評価手段の別の例を示す構成図。
【符号の説明】
1 薄膜強度測定装置 1a 薄膜強度測定装置 2 被検体(薄膜の被測定物) 3 コーティング 4 基材 5 柱状体 5a 柱状体 5b 柱状体 5c 柱状体 6 圧電素子 6a 圧電素子 6b 圧電素子 6c 圧電素子 7 柱状体押圧手段 7a 柱状体押圧手段 8 信号検出器 9 加圧膜体 9a 加圧膜体 10 対物面 10a 対物面 11 半円筒面 12 遅延材 13 アンプ 14 デジタルオシロスコープ 15 コンピュータ 16 容器 16a 容器 17 フィルム 18 流動体 19 バンド 20 圧電材 20c 圧電材 21 電極 22 電極 22c 電極 23 流動出入手段 24 出入口 25 加圧手段 26 加圧源

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄膜の被測定物を被検体としてその屈曲
    時における強度を評価するための強度測定装置であっ
    て、前記被検体に当接する対物面が所定の曲率半径rを
    有する半円筒面から形成される柱状体と、該柱状体に固
    着され薄膜に対物面を圧接して屈曲させたとき前記被検
    体から発生するAE波を受信する圧電素子と、該圧電素
    子の検出信号に基づきAE波の発生回数,大きさ又は波
    形を読み取り表示すべく前記圧電素子に連結される信号
    検出器を設けることを特徴とする薄膜強度測定装置。
  2. 【請求項2】 前記柱状体は超音波センサの遅延材から
    なり、その一端が半円筒面に加工され対物面を構成し前
    記対物面と反対側の他端に前記圧電素子が固着されてな
    る請求項1の薄膜強度測定装置。
  3. 【請求項3】 前記柱状体はロッドからなり、該ロッド
    の先端は半円筒面に加工され、これに沿って前記圧電素
    子が固着し対物面を構成するものである請求項1の薄膜
    強度測定装置。
  4. 【請求項4】 前記柱状体はロッドからなり、前記ロッ
    ドの先端に固着された圧電素子は半円筒面から形成され
    前記対物面を構成するものである請求項1の薄膜強度測
    定装置。
  5. 【請求項5】 柱状体押圧手段を備えており、前記被検
    体を挾んで前記柱状体と対峙する加圧膜体と、前記柱状
    体側又は加圧膜体側を被検体側に移動させる手段から構
    成されるものである請求項1の薄膜強度測定装置。
  6. 【請求項6】 前記加圧膜体は、流動体を充填収納する
    容器と、該容器の開口部を閉止するフィルムとからな
    り、前記手段が容器内に充填される前記流動体を出入さ
    せる流動体出入手段からなる請求項5の薄膜強度測定装
    置。
  7. 【請求項7】 前記柱状体は異なる曲率半径の対物面を
    有する複数個のセットものから形成されてなる請求項1
    の薄膜強度測定装置。
  8. 【請求項8】 所定の曲率半径を有する半円筒面からな
    る対物面を備えた超音波センサを薄膜被検体に押し当
    て、屈曲変形に伴って薄膜被検体から発生するAE波に
    応じた検出信号を信号検出器側に取り込み、AE波の発
    生回数,大きさ又は波形を分析して薄膜被検体の強度を
    評価することを特徴とする薄膜強度測定方法。
JP9280394A 1994-05-02 1994-05-02 薄膜強度測定装置と測定方法 Pending JPH07301588A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9280394A JPH07301588A (ja) 1994-05-02 1994-05-02 薄膜強度測定装置と測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9280394A JPH07301588A (ja) 1994-05-02 1994-05-02 薄膜強度測定装置と測定方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07301588A true JPH07301588A (ja) 1995-11-14

Family

ID=14064579

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9280394A Pending JPH07301588A (ja) 1994-05-02 1994-05-02 薄膜強度測定装置と測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07301588A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013524231A (ja) * 2010-04-06 2013-06-17 バレル ユーロプ ソシエテ パ アクシオンス シンプリフィエ Pdc、pcbn、または他の高硬度もしくは超高硬度のインサート材のための音響放射靱性試験
JP2013524234A (ja) * 2010-04-06 2013-06-17 バレル ユーロプ ソシエテ パ アクシオンス シンプリフィエ Pdc、pcbn、または他の高硬度もしくは超高硬度の材料のための音響放射靱性試験
US9086348B2 (en) 2010-04-06 2015-07-21 Varel Europe S.A.S. Downhole acoustic emission formation sampling
US9249059B2 (en) 2012-04-05 2016-02-02 Varel International Ind., L.P. High temperature high heating rate treatment of PDC cutters
US9297731B2 (en) 2010-04-06 2016-03-29 Varel Europe S.A.S Acoustic emission toughness testing for PDC, PCBN, or other hard or superhard material inserts
JP2016183926A (ja) * 2015-03-26 2016-10-20 三菱日立パワーシステムズ株式会社 超音波探傷子、超音波探傷装置及び超音波探傷方法
US10444131B2 (en) 2016-11-23 2019-10-15 Samsung Electronics Co., Ltd. Evaluating device of flexural property of material, and evaluation method using the same

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013524231A (ja) * 2010-04-06 2013-06-17 バレル ユーロプ ソシエテ パ アクシオンス シンプリフィエ Pdc、pcbn、または他の高硬度もしくは超高硬度のインサート材のための音響放射靱性試験
JP2013524234A (ja) * 2010-04-06 2013-06-17 バレル ユーロプ ソシエテ パ アクシオンス シンプリフィエ Pdc、pcbn、または他の高硬度もしくは超高硬度の材料のための音響放射靱性試験
US9086348B2 (en) 2010-04-06 2015-07-21 Varel Europe S.A.S. Downhole acoustic emission formation sampling
US9297731B2 (en) 2010-04-06 2016-03-29 Varel Europe S.A.S Acoustic emission toughness testing for PDC, PCBN, or other hard or superhard material inserts
US9249059B2 (en) 2012-04-05 2016-02-02 Varel International Ind., L.P. High temperature high heating rate treatment of PDC cutters
JP2016183926A (ja) * 2015-03-26 2016-10-20 三菱日立パワーシステムズ株式会社 超音波探傷子、超音波探傷装置及び超音波探傷方法
US10444131B2 (en) 2016-11-23 2019-10-15 Samsung Electronics Co., Ltd. Evaluating device of flexural property of material, and evaluation method using the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7546769B2 (en) Ultrasonic inspection system and method
Soyama et al. A new calibration method for dynamically loaded transducers and its application to cavitation impact measurement
US5922961A (en) Time and polarization resolved acoustic microscope
JP2005221496A (ja) 基板に対する被覆の接着力を測定する方法
KR101955440B1 (ko) 초음파 음향속도 차이를 이용한 동탄성 계수 및 잔류응력 측정 시험평가 장치
CN105758511B (zh) 一种基于石墨烯的超声探测装置及其探测方法和用途
Bahr et al. Relationships between acoustic emission signals and physical phenomena during indentation
JPH07301588A (ja) 薄膜強度測定装置と測定方法
CN111473896A (zh) 一种基于软性硅膜片的光纤压力传感器及其检测方法
US4338820A (en) Method and apparatus for generating and detecting acoustic surface waves particularly useful in the non-destructive testing of materials
CN101251522A (zh) 一种基于激光冲击波薄板分层的检测方法和装置
JPH08136429A (ja) 衝撃破壊試験方法および装置
CN112304741A (zh) 基于折链高度非线性孤立波的杨氏模量测试装置及方法
KR101391772B1 (ko) 기능성 압입자를 이용한 분석 시스템 및 분석방법
Smith et al. Dynamic strain measurement using piezoelectric polymer film
Sarafianou et al. A feasibility study on relative humidity sensing using Silicon-on-Nothing pMUTs
US5193395A (en) Method and apparatus for determination of material residual stress
CN116295987B (zh) 一种基于空气耦合超声的高空间分辨率应力动态测量方法
JPH06258297A (ja) 超音波材料試験装置および超音波を用いた材料の試験方法
Briscoe et al. Polymer-gas interactions at high pressure: the application of ultrasonic techniques for material testing
CN106124630A (zh) 利用超声波测固体材料泊松比的方法
JPH04238208A (ja) 超音波センサー
US4236401A (en) Frequency response tester
Janssen Evaluation of an applied plane-stress tensor distribution using ultrasonic shear waves
Easterbrook et al. A device for the rapid determination of the equivalent stress—equivalent strain curve for sheet metals under balanced biaxial tensile stress conditions