JPH0730067B2 - γ−ピロン誘導体の製造法 - Google Patents

γ−ピロン誘導体の製造法

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JPH0730067B2
JPH0730067B2 JP11634586A JP11634586A JPH0730067B2 JP H0730067 B2 JPH0730067 B2 JP H0730067B2 JP 11634586 A JP11634586 A JP 11634586A JP 11634586 A JP11634586 A JP 11634586A JP H0730067 B2 JPH0730067 B2 JP H0730067B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は4−オキソ−4H−ピラン−3−カルボキサミ
ド化合物の新規な製造法に関するものである。この発明
によって得られる化合物は医薬、農薬あるいはそれらの
合成中間体として有用である。
(従来技術) この発明に係る4−オキソ−4H−ピラン−3−カルボキ
サミド化合物を製造する方法としては、従来幾つかの方
法が報告されている。エイ.マラムス(A.Mallams)等
はアセトアセトアニリド誘導体のあるものが、ポリリン
酸と加熱下に処理することによって、対応する2,6−ジ
メチル−4−オキソ−4H−ピラン−3−カルボキサミド
化合物を与えることを見出している[ジャーナル,オ
ブ,オルガニック,ケミストリー(J.Org.Chem.),29,
3548および3555(1964)参照]。アール.ガーナー(R.
Garner)等[ジャーナル,オブ,ザ,ケミカル,ソサエ
ティ(J.Chem.Soc.)(C)、186(1966)参照]はマラ
ムス等の報告が電子吸引性の置換基を有するアセトアセ
トアニリド誘導体に特徴的な反応性であることを支持し
ている。しかし、この方法によると、アセトアセトアニ
リドそのものを用いると、2−ヒドロキシキノリン誘導
体を与え、ピロン化合物は生成すら認められていない。
特公昭45−31663号公報はイソシアナート類とジケトン
とを酸性触媒の存在下反応させることを特徴とする、3,
4−ジハイドロ−2,4−ジオキソ−6−メチル−2H−1.3
−オキサジン類および(又は)2,6−ジメチル−4−オ
キソ−4H−ピラン−3−カルボキサミト類(上記公報に
は3−カルバミル−2.6ジメチル−4−ピロン類として
いる)の製造法を記載しており、この併発反応において
O−クロロフェニルイソシアナート、O−ニトロフェニ
ルイソシアナート等のオルト置換体、m−ニトロフェニ
ルイソシアナート等のメタ置換体は後者の2.6−ジメチ
ル−4−オキソ−4H−ピラン−3−カルボキサミド類へ
の反応が優勢であると観測している。この方法は原料の
イソシアナートが容易に入手出来る場合には有効である
が、イソシアナートの構造が反応選択性に重大な影響を
有している結果、一般的に応用できる方法であるとは言
い難い。
また、ジケテンと第1級アリールアミン類との反応成績
体として、2,6−ジメチル−4−オキソ−4H−ピラン−
3−カルボキサミド化合物が得られることは知られてお
り、次記のごとくアニリン誘導体、アミノトロポン類、
アミノピリジン類についてその反応が詳細が報告されて
いる。
加藤等[薬学雑誌、87.1212(1967)参照]はジケテン
とアニリン誘導体との反応を検討し、塩基性触媒の存在
下ではピリドン型閉環体が得られることを報告してお
り、例外として、p−ニトロアニリンは2.6−ジメチル
−N−(4−ニトロフェニル)−4−オキソ−4H−ピラ
ン−3−カルボキサミドを与えることを明らかにしてい
る。
エイチ.トダ(H.Toda)等[ケミカル、アンド、ファー
マシューティカル、ブリティン(Chem.Pharm.Bull),1
9、1477(1971)参照]はアミノトロポン類のジケテン
との反応を報告しているが、4−アミノトロポンおよび
2−アミノトロポンを用いた場合には4−ピロン体が得
られ、5−アミノトロポロンを用いた場合にはピリドン
閉環体が得られている。アミノピリジン類の反応の検討
の結果[ティ.カトー(T.Kato)等、Chem.Pham.Bull.,
20、133(1972)参照]、2−アミノおよび4−アミノ
ピリジン誘導体は主として4−ピロン体を生成し、3−
アミノピリジン誘導体では主としてピリドン型閉環体を
生成することが明らからされた。また、異項環アミンの
反応性については知見はアール、エフ、ローエル(R.F.
Lauer)等,ジャーナル,オブ,ヘテロサイクリック,
ケミストリー(J.Heterocyclic Chem.)13、291(197
6)参照]の報告にも見出すことができ、2−アミノ−
1,3,4−チアジアゾールが収率は不明ながら4−ピロン
体を与える。以上のことから明らかなように、ジケテン
と第1級アリールアミン類との反応は、アリールアミン
の構造が反応の選択性に重要な影響を及ぼし、原料とし
て1級のアリールアミン類を用いる限り、この選択性を
4−ピロン体生成に有利となるように変化させることは
従来不可能であった。
同様にして、前記の方法で反応中間体と考えられるアリ
ールアミン類のアセトアセチル誘導体をジケテンと処理
した場合もアリールアミンの構造によってピリドン閉環
体が得られる場合および4−ピロン体が得られる場合が
報告されている。特筆すべきは、ピリドン閉環体の生成
が不可能である第2級アリールアミンであるN−メチル
アニリンの場合は、4級アンモニウムクロライドを触媒
としてほぼ定量的に4−ピロン体が得られる事実である
[エー.ファウ.デームロウ(E.V.Dehmlow)、アー.
エル.シェモウト(A.R.Shamout)、リービッヒス、ア
ンナーレン、デア、ヒエミー(Liebigs Ann.Chem.),20
62(1982)参照]。
また、2,2,6−トリメチル−1,3−ジオキシン−4−オン
を用いて4−ピロン体を得る反応は知られている。デ
ィ.カトー等[Chem.Pharm.Bull.,30,1315(1982)参
照]は、アミド類ならびにそのアセトアセチル体と、2,
2,6−トリメチル−1,3−ジオキシン−4−オンとの反応
を検討しており、その中でN−ホルミルアセトアセトア
ミドはN,N−ジメチルアニリン存在下、2,2,6−トリメチ
ル−1,3−ジオキシン−4−オンと反応し、主生成物と
してピリドン型閉環体を、副生成物として4−ピロン体
を与えることを報告している。
上述した範囲の4−オキソ−4H−ピラン−3−カルボキ
サミド化合物を製造する従来法は、出発物質の構造によ
って選択率が影響をうける点で共通した特徴を有してお
り、一般的に応用しうる方法ではない。この困難さを回
避する方法も従来知られており、加藤等[薬学雑誌、10
1、40(1981)参照]は3−モルホリノクロトンアニリ
ド誘導体とジケテンとを加熱反応すると、対応する4−
ピロン体が得られることを報告しており、3−モルホリ
ノクロトンアニリド誘導体の構造の変化は、収率に重大
な影響を与えないように推測される。この方法は、しか
しながら、3−ベンジルアミノクロトンアニリド誘導体
を用いた場合には、ピリドン閉環体の混合物を生成して
しまう。
(発明の目的) この発明は、4−オキソ−4H−ピラン−3−カルボキサ
ミド化合物を製造するために、一般的に応用可能な方法
を示すものであり、従来の知見から予測される結果とは
相異なる観察に基いて完成したものである。
(発明の構成) この発明は一般式(I)、(I′)、(I″)、(I
)または(I′): [R1、R2およびR2′は同一もしくは異って、水素原子,
アルキル基,シクロアルキル基,アリール基,アラルキ
ル基または異項環基;R3はアルキル基,低級アルケニル
基、低級アルキニル基、シクロアルキル基、低級アルコ
キシアルキル基,アラルキル基,ハロゲン化低級アルキ
ル基,異項環基またはアリール基を表わす]で表される
化合物を、 一般式(II): (R4,R5は水素原子,アルキル基あるいはフェニル基ま
たはR4およびR5が共にアルキル基のときシクロアルキル
基を形成してもよい。]で表される化合物またはジケテ
ンの存在または非存在下に第3級有機塩基で処理して、
一般式(III): [式中R1,R3は上記と同じ]の化合物を得ることを特徴
とするγ−ピロン誘導体の製造法を要旨する。
この発明の方法で原料として用いられる一般式(I)、
(I′)、(I″)、(I)または(I′)の化合
物は、 一般式(IV): R3−COCH2CONH−R1 (IV) [式中R1,R3は上記と同じ]の化合物と一般式(V): R2R2′NH (V) [式中R2、R2′は上記と同じ]の化合物との脱水縮合反
応の方法などによって得られる一般式 (VI): [式中R1、R2、R2′、R3は上記と同じ]の化合物あるい
は、R2、R2,の少なくとも1つが水素原子である場合に
は、その互変異性体と、ジケテンとを無溶媒または不活
性有機溶媒中、ジケテンを活性化しうる含窒素有機化合
物の存在下に、好ましくは60℃以下の温度で処理するこ
とによって容易に得られるジケテン付加体である。この
うち、一般式(I′)、(I″)、(I′)、の化合
物は、一般式(VI)におけるR2′が水素原子である場合
に得られる。ここで、用いられる含窒素有機化合物とし
ては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイ
ソブチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−
ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N′,N′−テトラ
メチルエチレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチル
−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,
N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−o−トルイジ
ン、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコ
リン、4−ジメチルアミノピリジン、4−ピロリジノピ
リジン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジ
ン、N,N′−ジメチルピペラジン、N−メチルモルホリ
ン、1,4ジアザビシクロ[2.2.0]オクタン、1,5−ジア
ザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−5などの脂肪族、芳
香族もしくは複素環式の第3級有機塩基;テトラメチル
アンモニウムクロライド、テトラプロピルアンモニウム
ブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、ト
リオクチルメチルアンモニウムクロライド、ベンジルト
リメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチル
アンモニウムクロライド、N−ラウリルピリジウムクロ
ライド、N−ベンジルポコリウムクロライドなどの第4
級アンモニウム塩;アンバーリストA−21、アンバーリ
ストA−26(Cl-形)、アンバーリストA−27(Cl
-形)、ダイアイオンWA30などの交換基が第3級アミノ
基または第4級アンモニウム塩である陰イオン交換樹
脂:イミダソール、1,3−チアゾリジン−2−チオン、
1,3−オキサゾリン−2−オン、1,3−オキサゾリジン−
2−オン、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロ
キシフタル酸イミド、2−ピリジンチオールなどの活性
アミド、活性エステル、もしくは活性チオールエステル
を形成しうる複素環化合物などが挙げられる。
なお、このようにして、得られる一般式(I)、
(I′)、(I″)、(I)または(I′)の化合
物は互変異性にもとずく他の異性体構造式をとりうる。
これらの化合物の生成比率は、原料である(VI)の種
類、用いる溶媒及び含窒素有機化合物の種類、量、反応
温度、反応時間などによって異なる。又、これらの化合
物は、塩基性物質なおの存在で相互に変換しうるもので
ある。
R1、R2およびR2′の定義において、アルキル基としては
メチル、エチル、プロピル、第3級ブチル、ペンチル、
オクチル、ドデシルのような炭素1〜12のアルキル基;
シクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロヘ
キシルのような炭素数3〜7のシクロアルキル基;アリ
ール基としては塩素、臭素、弗素のようなハロゲン原
子、メチル、エチルまたはプロピルのような低級アルキ
ル基:メトキシ、エトキシまたはプロポキシのような低
級アルコキシ基:フェノキシ基、メトキシカルボニル又
はエトキシカルボニルのような低級アルコキシカルボニ
ル基:シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基で任
意に置換されてもよいフェニル基またはナフチル基;ア
ラルキル基としては、上記に示したアリール基で置換さ
れた低級アルキル基などが挙げられる。また異項環基と
しては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、から選択され
たヘテロ原子を1〜3個含有する5もしくは6員の異項
環基が含まれる。例えばフリル、テトラヒドロフリル、
チエニル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリ
ル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリルなど
の5員環の基:およびピリジル、ピリミジル、ピラジニ
ル、ピリダジニル、モルホリノ、などの6員環が挙げら
れる。これらの基はメチル又はエチルのようなアルキル
基:メトキシまたエトキシのようなアルコキシ基:ハロ
ゲン原子またはフェニル基で置換されてもよい。フェニ
ル基で置換された場合、環内の2つの炭素原子と結合し
て縮合環を形成してもよい。縮合環を形成した場合の例
としては、ベンゾチアゾリル、ベンゾフリル、キナゾニ
リル、キノキサリニル基などが挙げられる。またR2およ
びR2′が共にアルキル基の場合は、それらが結合するア
ミノ基の窒素原子及び場合により他の異原子と共に、異
項環基を形成してもよい。この様な異項環基の具体例と
しては、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、
モルホリン環などが挙げられる。R3の定義において、ア
ルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、異項環基
またはアリール基としては、R1における例示と同じもの
が含まれる。
また低級アルケニル基及び低級アルキニル基にはビニ
ル、アリル、イソプロペニル、2−ブテニル、1.3−ブ
タジエニル、2−ペンテニル、1.4−ペンタジエニル、
1.6−ヘプタジエニル、1−ヘキセニル、エチニル、2
−プロピニルなどが含まれる。
低級アルコキシアルキル基にはメトキシメチル、エトキ
シメチル、プロポキシメチル、ブトキシメチル基などが
含まれる。
ハロゲン化低級アルキル基にはトリフルオロメチル、ジ
フルオロメチル、フルオロメチル、クロロメチル、2−
クロロエチル、3−クロロプロピル、2−プロモエチ
ル、4−クロロブチルなどが含まれる。
一方、一般式(II)で表わせる化合物はジケテントケト
ンあるいはアルデヒドとの付加物で、従来既知の方法で
製造することができる[エム.エフ.キャロル(M.F.Ca
rrol)、エー.アール.べーダー(A.R.Bader)、ジェ
ー.アメリカン.ケミカル.ソサエティー(J.Amer.Che
m.Soc,74、6305(1952);同上,75、5400(1953);イ
ー.ブイ.デムロフ(E.V.Dehmlow)、エー.アール.
シャモウト(A.R.Shamout)、リービィヒス.アナーレ
ン.デル.ヘミー(Liebigs Ann.Chem.,1753(1982)参
照]。
一般式(II)におけるR4とR5は水素原子、アルキル基あ
るいはフェニル基を意味し、又はR4とR5が共にアルキル
基のとき両者が結合してシクロアルキル基を形成してい
てもよい。これらのR4とR5は、目的物に導入されない基
であり、入手容易で安価なものを選択利用するのが望ま
しい。一般式(II)の好ましい化合物としては、2,2,6
−トリメチル−4H−1,3−ジオキシン−4−オンが挙げ
られる。
第3級有機塩基としては、脂肪族もしくは芳香族第3級
アミンおよび窒素含有複素環塩基が含まれる。脂肪族第
3級アミンとしては、トリエチルアミン、トリプロピル
アミン、トリイソブチルアミン、N,N−ジメチルベンジ
ルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,
N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N′,N′
−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、など、芳香
族第3級アミンとしては、N,N−ジメチルアニリン、N,N
−ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−o−トルイジン
など、窒素含有複素環塩基としては、ピリジン、N−メ
チルピロリジン、N−メチルピペリジン、N,N′−ジメ
チルピペラジン、N−メチルモルホリン、1,4−ジアザ
ビシクロ[2.2.2]オクタンなどが挙げられる。
この発明において一般式(I)、(I′)、(I)ま
たは(′)の化合物は、単離して用いもよいが、一般
式(VI)の化合物とジケテンとの反応混合物のまま、あ
るいは、その反応混合物を濃縮、溶媒交換、濾過等の処
理を施したものを用いることも可能である。
この発明における反応溶媒としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ヘキサンなどの炭化水素;クロロホル
ム、ジクロロエタンなどのハロゲン化合物;テトラヒド
ロフラン、ジオキサン、アニソールなどのエーテル等が
用いらねるが、無溶媒下で行うことも可能である。
反応温度は、−20℃〜200℃の範囲で選ぶことができる
が、特に一般式(II)の化合物を用いる場合にはその熱
分解温度を目安として、約100℃から150℃の範囲を行う
のが好ましい。
本発明において一般式(II)で表される化合物またはジ
ケテンは必要不可欠ではないが、一般式(I)、
(I′)(II″)、(I)又は(′)の化合物に対
して、0.2当量以上用いると好結果が得られる。特に好
ましくは0.5〜4.0当量の範囲である。4当量を越えて用
いてもよいが、より大きな効果はなく経済的に不利であ
る。第3級有機塩基の使用量は、一般式(I)、
(I′)(II″)、(I)又は(I′)の化合物に
対して0.5当量以上、好ましくは1当量以上用いた場合
に好結果が得られる。この第3級有機塩基を溶媒として
用いることも可能である。第3級有機塩基は上記に例示
したものから適宜選択利用すればよいが、トリエチルア
ミン、N,N,N′、N′−テトラメチルエチレンジアミ
ン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジンな
どの使用が望ましい。
(発明の効果) この方法によると、従来選択的な合成が不可能であった
4−オキソ−4H−ピラン−3−カルボシサミド化合物
が、入手しやすい原料を用い、簡単な操作によって、収
率よく得るとができるようになった。
以下実施例によって、この発明をさらに具体的に説明す
る。
実施例1 2,6−ジメチル−4−オキソ−N−フェニル−4H−ピラ
ン−3−カルボキサミド 3−ベンジルアミノクロトンアニリド1.33g(5mmol)、
イミダゾール0.17g(2.5mmol)およびトルエン7mlの混
合物に、氷冷下、ジケテン0.5g(6mmol)のトルエン(3
ml)溶液を5分かけて滴下し、さらに氷冷下、3時間攪
拌した。析出した結晶を濾別洗浄し、減圧下に乾燥する
と、1,4,5,6−テトラヒドロ−6−ヒドロキシ−2,6−ジ
メチル−4−オキソ−N−フェニル−1−フェニルメチ
ル−3−ピリジンカルボキサミド1.09g(収率62.4%)
が得られた。
融点:82.0〜83.0℃ IR(KBrディスク):νc=01630cm-1 NMR(CDCl3)δ値: 1.38(s,3H)、2.40(s,3H)、2.79(q,2H)、4.69(q,
2H)、5.35(br,1H)、6.50−7.70(m,10H)、11.46
(s,1H) 上記化合物1.05g(3mmol)、トリエチルアミン1.82g及
びトルエン4.6mlの混合物を加熱還流させながら、2,2,6
−トリメチル−4H−1,3−ジオキシン−4−オン(6mmo
l)のトルエン溶液3mlを10分かけて滴下し、さらに1時
間加熱還流を続けた。溶媒を留去した残渣をトルエンと
エーテルの混合物から晶折し題記化合物620mg(収率85
%)を得た。
融点:148.5〜149℃ IR(KBrディスク):1652,1682cm-1 NMR(CDCl3)δ値:2.24(s,3H)、2.82(s,3H)、6.20
(s,1H)、6.80〜7.80(m,5H)、11.97(br,1H)。
実施例2 2,6−ジメチル−4−オキソ−N−フェニル−4H−ピラ
ン−3−カルボキサミド 第3級有機塩基として、N,N,N′,N′−テトラメチルエ
チレンジアミン9mmolを、また2,2,6−トリメチル−4H−
1,3−ジオキシン−4オンのかわりにジケテン3mmolを用
いた他は実施例1と同様の操作を行い、題記化合物562m
g(収率77%)を得た。
融点:148.5〜149℃ 実施例3 2,6−ジメチル−4−オキソ−N−フェニル−4H−ピラ
ン−3−カルボキサミド 第3級有機塩基として、N,N,N′,N′−テトラメチル−
1,3−プロパンジアミン12mmolを、また2,2,6−トリメチ
ル−4H−1,3−ジオキシン−4オンのかわりに、2−エ
チル−2,6−ジメチル−4H−1,3−ジオキシン−4−オン
4.5mmolを用いた他は実施例1と同様の操作を行い、題
記化合物606mg(収率83%)を得た。
融点:148.5〜149℃。
実施例4 N−(2,6−ジエチルフェニル)−2,6−ジメチル−4−
オキソ−4H−ピラン−3−カルボキサミド 2,6−ジエチルアセトアセトアニリド2.33g(10mmol)、
ブチルアミン0.80g(11mmol)およびトルエン27mlの混
合物に酢酸1滴を加え、50℃で1時間攪拌した後、1時
間加熱環流し、その間に生成した水と未反応のブチルア
ミンをトルエン約10mlと共に留去した。この反応混合物
に、イミダゾール0.07g(1mmol)を加えた後、氷冷下に
ジケテン1.01g(12mmol)のトルエン(5ml)溶液を10分
間かけて滴下し、さらに氷冷下、7時間攪拌した。エー
テル約10mlを加えた後、折出した結晶を濾別洗浄し、減
圧下に乾燥すると、1−ブチル−N−(2,6−ジエチル
フェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−6−ヒドロキシ
−2,6−ジメチル−4−オキソ−3−ピリジンカルボキ
サミドが2.46g(収率66.0%)得られた。
融点:121.5〜123.0℃ IR(KBrディスク):νc=01630cm-1 NMR(CDCl3)δ値: 1.17(t,6H)、1.28(s,3H)、0.50−1.90(m,7H)、2.
52(s,3H)、2.00−3.00(m,6H)3.00−3.70(m,2H)5.
67(s,1H)、7.02(s,3H)、10.85(s,1H) 上記化合物トリエチルアミン及び2,2,6−トリメチル−4
H−1,3−ジオキシン−4−オンを用い実施例1に準じて
反応を行った。得られた反応混合物から溶媒を留去し、
その残渣をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィ
ーに付した後、ヘキサンから再結晶操作を行い、題記化
合物を収率85%で得た。
融点:83.5〜84.5℃ IR(KBrディスク):1655,1675cm-1 NMR(CDCl3)δ値:1.17(t,6H)、2.29(s,3H)、2.61
(q,4H)、2.80(s,3H)、6.24(s、1H)、7.08(s,3
H)、11.0(br,1H) 実施例5 N−(2,6−ジエチルフェニル)−2,6−ジメチル−4−
オキソ−4H−ピラン−3−カルボキサミド 2,6−ジエチルアセトアセトアニリド2.33g(10mmol)、
β−フエネチルアミン1.21g(10mmol)およびトルエン1
7mlの混合物に酢酸1滴を加え、1時間加熱還流し、そ
の間に生成した水をトルエン約10mlと共に留去した。こ
の反応混合物に、トリエチルアミンを1.01g(10mmol)
および塩化メチレン2ml加え、これに氷冷下、ジケテン
1.18g(14mmol)のトルエン(3ml)溶液を10分間かけて
滴下し、さらに氷冷下、6時間攪拌した。塩化メチレン
を減圧下に留去した後、エーテルを約10ml加えた。折出
した結晶を濾別洗浄し、減圧下に乾燥すると、N−(2,
6−ジエチルフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−6−
ヒドロキシ−2,6−ジメチル−4−オキソ−1−(2−
フェニルエチル)−3−ピリジンカルボキサミド3.62g
(収率86.1%)が得られた。融点:121.0〜122.0℃ IR(KBrディスク):νc=0′1620cm-1 NMR(CDCl3)δ値: 1.15(t,6H)、1.27(s,3H)、2.57(s,3H)、2.10−3.
30(m,8H)、3.30−4.00(m,2H)4.30−5.70(br,1H)
6.85−7.60(m,8H)10.84(s,1H) 上記化合物、トリエチルアミン及び2,2,6−トリメチル
−4H−1,3−ジオキシン−4−オンを用い実施例1に準
じて反応を行った。得られた反応混合物から溶媒を留去
し、その残渣をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラ
フィーに付した後、ヘキサンから再結晶操作を行い、題
記化合物を収率83%で得た。
融点:83.5〜84.5℃ 実施例6 N−(2−クロロフェニル)−2,6−ジメチル−4−オ
キソ−4H−ピラン−3−カルボキサミド o−クロロアセトアニリド及びベンジルアミンを出発原
料とし、実施例5と同様の操作によりN−(2−クロロ
フェニル)−3−フェニルメチルアミノ−2−ブテンア
ミドのジケテン付加体(融点:161〜162℃)を得た。こ
の化合物と、トリエチルアミン及び2,2,6−トリメチル
−4H−1,3−ジオキシン−4−オンを用いて実施例1に
準じた操作を行い、題記化合物を収率92%で得た。
融点:206〜207℃。
IR(KBrディスク):1650,1695cm-1 NMR(CDCl3)δ値: 2.28(s,3H)、2.83(s,3H)、6.24(s,1H)、6.70−8.
60(m,4H)、12.42(br,1H)。
実施例7 N−(2,6−ジエチルフェニル)−6−メチル−4−オ
キソ−2−プロピル−4H−ピラン−3−カルボキサミド N−(2,6−ジエチルフェニル)−3−オキソヘキサン
酸アミド及びベンジルアミンを出発原料とし、実施例5
と同様の操作により、N−(2,6−ジエチルフェニル)
−1,4,5,6−テトラヒドロ−6−ヒドロキシ−6−メチ
ル−4−オキソ−1−フェニルメチル−2−プロピル−
3−ピリジンカルボキサミドを得た。融点:139〜140
℃。
この化合物とトリエチルアミン及び2,2,6−トリメチル
−4H−1,3−ジオキシ−4−オンを用いて実施例5に準
じた操作を行い、題記化合物を収率82%で得た。
融点:63〜69.5。
IR(KBrディスク):1627,1640,1670cmcm-1 NMR(CDCl3)δ値: 0.98(t,3H)、1.17(t,6H)、1.75(six,2H)、2.28
(s,3H),2.63(q,4H)、3.24(t,2H),6.24(s,1H)、
7.06(s,3H),10.98(br,1H) 実施例8 2,6−ジメチル−N−(1−メチル−1−フェニルエチ
ル)−4−オキソ−4H−ピラン−3−カルボキサミド N−(1−メチル−1−フェニルエチル)−3−オキソ
酪酸アミド及びメチルアミンを出発原料として、実施例
5に準じた操作を行い題記化合物を収率73%で得た(油
状物)。
NMR(CDCl3)δ値: 1.72(s,6H)、2.23(s,3H)、2.64(s,3H),6.15(s,1
H)、7.00−7.50(m,5H),9.89(br,1H)。
実施例9 N−シクロヘキシル−2,6−ジメチル−4−オキソ−4H
−ピラン−3−カルボキサミド N−シクロヘキシル−3−オキソ酪酸アミド及びベンジ
ルアミンを出発原料として、実施例5に準じた操作を行
い題記化合物を収率79%で得た。
融点:140〜142.5℃ NMR(CDCl3)δ値: 0.80−2.20(m,10H)、2.29(s,3H)、2.79(s,3H)、
3.90(br,1H)、6.22(s,1H)、9.62(s,1H)。
実施例10 2,6−ジメチル−N−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾ
ール−2−イル)−4−オキソ−4H−ピラン−3−カル
ボキサミド。
N−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イ
ル)−3−オキソ酪農アミド及びベンジルアミンを出発
原料として、実施例5に準じた操作を行い、題記化合物
を収率77%で得た。
融点:203〜204℃ IR(KBrディスク):1655,1690cm-1 NMR(CDCl3)δ値: 2.33(s,3H)、2.68(s,3H)、2.85(s,3H)、6.27(s,
1H),12.50−14.50(br,1H) 実施例11 6−メチル−4−オキソ−N,2−ジフェニル−4H−ピラ
ン−3−カルボキサミド α−ベンゾイルアセトアニリド及びベンジルアミンを出
発原料として、実施例5に準じた操作を行い題記化合物
を収率81%で得た。
融点:222〜226℃ IR(KBrディスク): 1607,1655,1675cm-1 NMR(CDCl3)δ値: 2.36(s,3H)、6.28(s,1H)、6.80−7.80(m,10H)、1
0.23(br,1H) 実施例12 N−(2−クロロフェニル)−2,6−ジメチル−4−オ
キソ−4H−ピラン−3カルボキサミド o−クロロアセトアセトアニリド及びo−クロロアニリ
ンを出発原料とてし、酢酸のかわりに濃塩酸を用いる他
は実施例5に準じた操作を行い題記化合物を収率88%で
得た。
融点:206〜207℃。
実施例13 2,6−ジメチル−4−オキソ−N−フェニル−4H−ピラ
ン−3−カルボキサミド 2,2,6−トリメチル−4H−1,3−ジオキシン−4−オンを
用いないこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、題
記化合物を収率39%で得た。融点:148.5〜149℃。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 213/69 417/12 309

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式の(I)、(I′)、(I″)、
    (I)または(I′): [R1、R2およびR2′は同一もしくは異って、水素原子,
    アルキル基,シクロアルキル基,アリール基,アラルキ
    ル基または異項環基;R3はアルキル基,低級アルケニル
    基、低級アルキニル基、シクロアルキル基、低級アルコ
    キシアルキル基,アラルキル基,ハロゲン化低級アルキ
    ル基,異項環基またはアリール基を表わす]で表される
    化合物を、 一般式(II): (R4,R5は水素原子,アルキル基あるいはフェニル基ま
    たはR4,およびR5が共にアルキル基のときシクロアルキ
    ル基を形成してもよい。]で表される化合物またはジケ
    テンの存在または非存在下に第3級有機塩基で処理し
    て、一般式(III): [式中R1,R3は上記と同じ]の化合物を得ることを特徴
    とするγ−ピロン誘導体の製造法。
  2. 【請求項2】一般式(II)の化合物またはジケテンの存
    在下になされる特許請求の範囲第1項に記載の製造法。
  3. 【請求項3】一般式(II)の化合物が、ジケテンとアセ
    トン、メチルエチルケトンもしくはメチルイソブチルケ
    トンとの付加物である特許請求の範囲第1項または第2
    項に記載の製造法。
  4. 【請求項4】一般式(II)の化合物またはジケテンが、
    一般式(I)、(I′)、(I″)、(I)または
    (I′)の化合物に対し、0.5〜4.0当量用いられる特
    許請求第1〜第3項のいずれか1つに記載の製造法。
  5. 【請求項5】第3級有機塩基がトリエチルアミン,N,N,
    N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン,N,N,N′,N′
    −テトラメチル−1.3−プロパンジアミンである特許請
    求の範囲第1項〜第4項のいずれか1つに記載の製造
    法。
  6. 【請求項6】第3級有機塩基が一般式(I)、
    (I′)、(I″)、(I)または(I′)の化合
    物に対し、0.5当量以上用いられる特許請求の範囲第1
    項〜第5項のいずれか1つに記載の製造法。
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