JPH07300099A - 飛行機の座席 - Google Patents

飛行機の座席

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JPH07300099A
JPH07300099A JP6317286A JP31728694A JPH07300099A JP H07300099 A JPH07300099 A JP H07300099A JP 6317286 A JP6317286 A JP 6317286A JP 31728694 A JP31728694 A JP 31728694A JP H07300099 A JPH07300099 A JP H07300099A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 航空機、特に回転翼飛行機の座席に座った搭
乗者に、事故時に作用する加速度を、搭乗者の大きさに
よらず、人間が耐えられる限界内にすることを目的とす
る。 【構成】 前記座席は、前記搭乗者を受け入れるパン又
はブラケット(16)の高さの調整と、エネルギー吸収
手段(38)の傾斜を変える効果とを備える。さらに、
前記アブソーバにより前記パン(16)に作用する保持
荷重の垂直方向の成分が、望むべき結果を引き出すよう
に、搭乗者の大きさに応じて小さくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、垂直方向の成分が座席
の高さ調整の際に自動的に調整されるエネルギー吸収手
段を備えた、飛行機特に回転翼飛行機の座席に関する。
【0002】
【従来の技術】ヘリコプターの事故において、例えばパ
イロットの座席は、図1中の実線の形状(曲線A)で示
すように、時間65msの間に最大加速度48gに相当
する三角形状のピークを有する形状となる、下方への加
速度のピークを受ける。
【0003】図1において示す点線の形状(曲線B)の
最大値は、深刻な損害を受けることなく人間が耐えるこ
とができるような下方への加速度の最大値を示す。この
形状は、おおよそ時間200msの間におおよそ20g
に対応する。
【0004】図1中の実線の曲線Aと点線の曲線Bとの
比較は、床面に座席を固定するために使用されるフレー
ムに関しては、事故時のヘリコプターの座席の搭乗者の
保護は、搭乗者を受け入れる座席の統制された垂直に配
置された平なべ状部材及びブラケットに依存しているだ
けであることを示す。搭乗者によって耐えることができ
る垂直方向の加速度には許容できる限界が依然あるの
で、エネルギー吸収手段により統制される配置は、衝撃
の耐えられる部分となっている。
【0005】さらに、パイロットの座席においては、た
とえだれでもあってもパイロットの視線が常に適切な高
さに保持されるために、フレームに対して平なべ状部材
の高さを調整するための手段が設けられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】従来においてまたはUS−A−39853
88に記載されているように、前記エネルギー吸収手段
と高さを調整する手段とは、一般的に、平なべ状部材及
びシートフレームとの間を連結する連結構造に設けられ
ている。さらに、シートパンの高さを調整するための手
段は、エネルギー吸収手段を介して前記シートパンに設
けられている。この結果、エネルギー吸収手段の特徴
は、前記パンの高さを調整するときに、不変であること
にある。
【0008】さらに、前記パンとフレームとを連結する
連結構造内に、それぞれ設けられたパンの高さを調整す
る手段とエネルギー吸収手段との一連の配置は、エネル
ギー吸収手段の垂直方向の成分と、前記パンを底部に配
置したときに、床とパンとの間の最小距離を限定する必
要を生じさせる。このように、エネルギー吸収手段は、
事故時に重い搭乗者に伝達される垂直方向の加速度を、
このように限られた垂直方向の配置により完全に吸収す
るために、通常設計されている。
【0009】しかしながら、前記通常の配置は、軽い組
立物の加速に関して、非常に不利である。このように、
一般的なエネルギー吸収手段を、一定の荷重または応力
状態で使用するとき、重い搭乗者が比較的小さな加速度
に耐えられ、考えられる配置の増大が必要であり、この
場合、軽い搭乗者は、厳しい加速度に曝され、かつ、小
さな配置でよくなる。
【0010】これらの欠点を取り除くため、及び、US
−A−4408738に記載されているように、一定の
荷重の下で使用される一般的なエネルギー吸収手段は、
荷重が変更可能なエネルギー吸収手段によって取って代
わられている。この荷重の変更は、でっぷり太った搭乗
者を検出する電気的な装置によって行われる。これは搭
乗者の胴体の周りに沿わされた調整可能なベルトの伸張
により決定される。
【0011】US−4408738に記載された配置
は、だいたいにおいて、たとえ搭乗者の肥満しているか
にかかわらずいずれかの搭乗者に実質的に同じ垂直方向
の加速度を作用させることができることを考慮されてい
るが、いまだ複雑でかつ高価な装置である。このよう
に、本装置は、シートベルトのセンサの存在や、複雑な
電気機械的なが装置の使用や、各種の荷重エネルギを吸
収する手段の使用が必要である。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、特に、飛行機
の座席に関し、その独特の設計は、搭乗者の大きさの要
素や、事故時に前記エネルギー吸収手段によって後者に
働く保持荷重を修正することができる。この結果、セン
サのみならず各種の荷重を吸収する手段をも使用しない
特に簡単な機構によって、搭乗者は彼の大きさによらず
実質的に同一の垂直方向の加速度に曝される。
【0013】本発明によれば、前記結果は飛行機の座席
により得られる。本発明の座席は、搭乗者を受け入れる
パンやブラケットと、飛行機の床に固定されるフレーム
と、前記パンとフレームとの間に設けられた連結構造と
を備え、パンの高さを調整する手段とエネルギー吸収手
段が一体化され、前記エネルギー吸収手段はパンを保持
する荷重を発生させるもので、前記エネルギー吸収手段
の傾斜を調整するように前記調整手段は前記エネルギー
吸収手段に作用し、このようにして、前記調整手段が作
動している間、保持荷重の垂直方向の成分は前記床と前
記パンとの距離とは反対に変化する。
【0014】前記パンの高さを調整する手段もまた、エ
ネルギー吸収手段の傾斜を調整する効果を持ち、前記保
持荷重の垂直方向の成分は、事故時に大柄の搭乗者より
も小柄の搭乗者ほうが大きくなるように搭乗者に作用す
る。しかしながら、搭乗者においてされた静的な研究
は、搭乗者の大きさと同様に彼らの体重が変化すること
を示す。このように、本発明の座席は、搭乗者の体重に
よらず、事故時に、人間にとって許容できる眼界以内の
加速度を搭乗者に与える目的を達成することができる。
【0015】本発明の実施例によれば、前記パンの高さ
以外の他の調整を必要とせずに、前記エネルギー吸収手
段は前記パンに一定の保持荷重を作用させる。
【0016】本発明の実施例によれば、前記エネルギー
吸収手段は、座席の中央垂直面に対して実質的に対称に
配置された少なくとも一対のアブソーバを備え、前記ア
ブソーバの一対の第1の端部は一定の距離離れており、
また、前記アブソーバの他の端部は、前記調整手段の作
動している間その距離が変化可能に離れて配置される。
【0017】この場合、前記フレームは平行であり、前
記パンが摺動的に取り付けられる側方ガイドを備えるこ
とが有利である。そして、前記一対のアブソーバの第1
の端部は前記ガイドに連結され、前記アブソーバの他の
端部が、前記調整手段に含まれる2つの折れ曲がったレ
バーにより前記パンの後ろに連結され、前記各レバーは
前記座席の中央鉛直面に対して対称となっている。
【0018】また、前記各レバーは、アブソーバの他の
端部と、前記背部に固定された連結部材とに連結されて
いる。
【0019】前記パンの高さを調整する手段は、与えら
れた位置に前記パンをロックする手段を備えていること
が好ましい。
【0020】前記レバーは、前記アブソーバの第1の端
部と、前記連結部材の中央位置と、前記ロック手段が一
体にされた、長さを可変でき、前記レバーの第2の端部
に連結されるリンクとに連結されている。
【0021】好ましくは、前記座席は、上部に向けて前
記パンを自動的に上昇させるための手段をもつことが好
ましい。この自動パン上昇手段は、前記レバー間に設け
ることが有利である。
【0022】
【実施例】本発明は、以下に限定的でない実施例につい
て、図面を参照して、より詳細に説明されるであろう。
【0023】図1は、既に記載されたもので、時間要素
(ms)に対する、事故の場合にヘリコプターが曝され
る垂直方向の加速度のピークA(実線で示す形状)及び
人間が耐えられる加速度B(点線で示す形状)を記載す
る。図2は、本発明による飛行機用座席を示す側面図で
ある。図3は、図2の飛行機用座席の後面図である。図
4は、図3と比較される図であり、平なべ状部材(パ
ン)と座席のフレームとの連結構造の拡大図を示し、シ
ートパンが上位置にある時(図中の実線で示す形状)及
びシートパンが下位置にある時(図中の破線で示す形
状)に前記構造により受け入れられる部分を示す。図5
は、図4と比較される図であり、事故後の状態を示し、
事故時の連結構造の状態は、前記シートパンが最初に上
位置に位置している状態(図中実線で示す形状)及びー
トパンが最初の下位置に位置している状態(図中の鎖線
で示す形状)を示す。図6は、搭乗者の大きさの要素に
対する、事故時のgで示される加速度、従来の座席の場
合(図中で破線で示す)と、本発明の座席の場合(図中
で実線で示す)を示す。
【0024】図2及び図3に、本発明に係る、回転翼飛
行機のような飛行機に装備されたパイロットシートを示
す。これらの図面中の符号10は、飛行機の床を示す。
この床には、符号12で総称される、これから記載され
る実施例に係るシートフレームが固定されている。
【0025】前記フレーム12はしっかりとした、主と
してアルミニウム製のロッド及び機械加工された部品に
よって組立てられたチューブから形成される。これは、
床10に両端部で固定された2本のチューブ14の連結
されている。このようにして、前記チューブ14にロッ
クできるようにすることができる。前記チューブ14は
飛行機の長さ方向の軸に平行に配置されている。このよ
うにして、この配置により、前記軸に沿って前記座席の
位置を調整することができる。
【0026】前記フレーム12は、搭乗者を受け入れる
ための座席の要素を構成する平なべ状部材(パン)また
はブラケット16を支持する。この端部に向けて、前記
フレーム12は、前記パン16の鉛直方向の案内を確実
にするための、側方ガイドを形成する2本のチューブ1
8を具備する。これらのチューブ18は、前記水平ガイ
ドチューブの上方に互いに平行に配置されている。チュ
ーブ18は実質的に上方にかつわずかに後方に傾斜して
延びている。各垂直ガイドチューブ18の後方に向かっ
て、前記フレーム12は、アルミニウム製のロッドによ
り構成されたストラス20を具備している。連結部分2
2は、垂直ガイドチューブ18の中央位置に、前記各ス
トラス20の上端部を取り付けるために用いられる。
【0027】前記フレーム12の剛性を高めるために、
各垂直ガイドチューブ18の下端は、ガイド垂直ガイド
チューブの後方に位置し、前記水平ガイドチューブ14
の上方に位置した水平タイ24を介して、ストラス20
の下部に連結されている。
【0028】座席の捻れや側方の傾斜を防止するため
に、前記フレーム12もまた、2本のXロッドからなる
2組のセットを備える。Xロッド26からなる第1のセ
ットは、各ストラス20の上端に連結されるとともに他
のストラスの下端に連結されている。Xロッド28から
なる第2のセットは、各タイ24の前端に連結されると
ともに他のタイの後端に連結されている。
【0029】そして、垂直ガイドチューブ10及び前記
ストラス20の下端に装着された4個のガイド部品30
は、水平ガイドチューブ14への前記フレーム12の連
結を確実としている。これらのガイド部品は、チューブ
14に沿って前記フレームがス確実にスライドできるよ
うに設けられた低摩擦を有するベアリングと、好ましく
は所望の位置で前記フレームをロックすることができる
ようにするロック手段とが一体化されて構成される。
【0030】各垂直ガイドチューブ18の上端は、連結
構造のアタッチメントのための連結部材32が取り付け
られ、これにより前記フレーム12に前記パン16が連
結されている。この連結構造34は、後で更に詳しく記
載するが、前記パン16とエネルギー吸収手段38の高
さを調整するための、周知の一体化手段36を有してい
る。
【0031】図2及び図3に図示された前記シートパン
16は、搭乗者Oが座るクッショ40が支持されたシー
トメンバー42を装備した背部40を有する。後者は、
服部ベルトと2本の肩ストラップと足間に設けられスト
ランドとを有するハーネス46により前記パン16に係
止される。
【0032】前記フレーム12への前記パン16の設置
を確実にするために、その高さの調整及び事故時のエネ
ルギ吸収を許容するために、前記パンの垂直方向の配置
がいまだ許容されている。前記パン16の背部40は、
その後面に2つの支持用部品48をもっている。これら
の支持用の部品48は、垂直ガイドチューブ18の一方
に摺動的に取り付けられている。
【0033】前記フレーム12に前記パン16を取り付
ける前記連結構造34は、図4及び図5に詳細に記載さ
れる。これらの図面に記載されるように、前記連結構造
34は前記座席の垂直方向の中央面の対して対称となっ
ている。これは、前記背部40の後ろでかつ前記垂直ガ
イドチューブ18の間に位置している。
【0034】本実施例においては、前記連結構造34
は、前記座席の中央垂直面に対して対称に配置され、そ
れにはエネルギー吸収手段38を構成する2つのエネル
ギーアブソーバが一体化されている。前記各エネルギア
ブソーバ50には、前記シートパン16に作用する一定
の保持荷重が等しく作用する。これら、本発明の範囲内
で、外側に通過することのない適宜の形式を使用するこ
とができる。これらは、一般的に、それらに伸びを生じ
させる事故の間に永久変形させるための機構からなる。
【0035】前記各エネルギアブソーバ50の上端は、
ピン52により前記垂直ガイドチューブ18の上端に配
置された一の連結部材32に連結されている。さらに、
前記ピボットピン52は、前記チューブ18と各エネル
ギアブソーバ50の軸線を通った面に対して垂直に位置
している。前記各エネルギアブソーバ50の上端間の空
間は、必然的に、前記ピボットピン52の距離により決
定される一定間隔となっている。
【0036】前記各エネルギアブソーバ50の下端は、
ピン54によりV字形状のレバー56の上端に連結され
ている。前記ピボットピン54は、前記ピボットピン5
2に対して平行に位置している。前記各レバー56は、
前記垂直ガイドチューブ18及び前記エネルギアブソー
バ50の軸を含む面に対して平行に位置している。
【0037】前記パン16の背部40の後ろに固定され
た連結部材60に、ピボットピン58により前記レバー
56が、前記V字の端部に対して中央部分において、連
結されている。前記ピボットピン58は前記ピボットピ
ン52,54に対して平行となっている。前記レバーは
前記座席の中央垂直面に対して対称に配置され、前記レ
バーによりV字状に形成された端部は、外側に向かって
いる。
【0038】前記各レバー56の下端は、1個のリンク
62により連結されている。さらに、前記リンク69の
端部は、前記レバー56に、前記ピボットピン52,5
4,58と平行に配置されたピボットピン64により連
結されている。前記リンク62は、その長さが各種の長
さに調整できるようになっている。すなわち、前記リン
クの各種の長さに保持することができるようにロックす
るボルト66が一体にされている。
【0039】このように、リンク62は、前記シートパ
ン16の高さを調整するための手段36を形成する。こ
のように、前記リンク62の長さを最大値に向けて増加
させると、図4中の実線で示すように、前記レバー56
は、前記リンク62に連結された各下端間の空間に相当
するだけ、直接的にピン58を中心として揺動する。前
記レバー56のV形状の中央で支持されているので、こ
の支持は、前記連結部材からレバー56の上端が離間し
た垂直方向の距離が、前記端部が同時に移動して、減少
させられる。
【0040】前記エネルギアブソーバ50の長さは通常
の飛行状態では一定であり、前記エネルギアブソーバ5
0の上端は前記フレーム連結部材32に連結されている
ので、前記リンク62の伸張は、必然的に前記連結部材
60及びこの連結部材が固定されたパン16の上昇をも
たらす。図4中で実線で示されるリンク62の最大伸張
状態は、小柄な人間が座席に搭乗した状態に相当する。
【0041】逆に、前記リンク62が最小値に向かって
短くなったときは、図4中破線で示めされるが、前記レ
バー56の上端は一緒に移動し、ピボットピン50の周
りの前記レバーを揺動させ、この結果、これらの上端
は、常に、連結部材及び他の部材に対して動かされる。
このように、連結部材32と連結部材60との間の垂直
方向の距離は増大し、これは、前記パン16が低くなる
ように作用し、大柄の人間が座席に搭乗した状態に相当
する。
【0042】本発明に係る連結構造34においては、前
記エネルギアブソーバ50は、前記リンクに連結されて
いるゆえ、前記リンク62の与える長さの要素としての
各種の傾きを示す。詳しくは、図4に示すように、前記
エネルギアブソーバ50の傾きは、前記パン16が図中
実線で示される上部位置を占めるときに、最大になり、
さらに、エネルギアブソーバ50の傾きは、前記パンが
図中破線で示される下部位置を占めるときに、最小とな
る。
【0043】前記パンに取り付けられたエネルギアブソ
ーバにより働く保持荷重の垂直成分は、前記パン16が
低い位置となることにより増大する。他方、前記パンの
高さ調整手段36が作動させたときに、前記保持荷重の
垂直な成分は、前記床10と前記パン16との距離とは
反対に変化する。
【0044】図5は、図4に示した連結構造3の事故後
の状態を示す。図5は、前記パン16が最初に上部(図
中実線で示す形状)にあった場合と、前記パンが最初に
下部(図中破線で示す形状)あった場合を示す。
【0045】前記パン16の最初の位置がどうであって
も、前記レバー56と、前記連結部材60と、リンク6
2によって構成される前記連結構造34の下部は、クラ
ッシュの間、変形しないで耐えるようになっている。な
ぜなら、前記リンク62の長さは、搭乗者によってボル
ト66を利用して最初の設定された値にロックされたま
まである。しかしながら、飛行機が墜落したときに、前
記座席が耐えられる垂直方向で、かつ、下方に向かう加
速度は、衝撃を吸収する部分を構成する前記エネルギア
ブソーバ50を伸張させる。
【0046】この伸張の効果の下で、図4及び図5を比
較すると、前記エネルギアブソーバ50の傾きは、伸張
の間で、減少させられる。それゆえ、前記シートパン1
6の初期の高さ調整がどのようであっても、前記エネル
ギアブソーバ50により前記パンに作用する保持荷重の
垂直応力は、事故の間に増加する。前記搭乗者の耐えら
れる加速度は、前記荷重に直接的に比例するのだが、前
記事故の間で、必然的に、わずかに、かつ、調整的に、
増加する。
【0047】この特徴は、前記座席の不適切に使用する
場合、すなわち、体重の重い搭乗者のために上部に、又
は、体重の軽い搭乗者のため下部に、前記パンが設置さ
れたときにも、有望である。このように、搭乗者を保護
のため、搭乗者が耐えられる最大加速度は両者の場合
に、両立する。
【0048】図4及び図5に示すように、前記連結構造
34は、前記パン16の自動的な上昇のための手段が一
体化される。すなわち、この手段は、前記連結部材60
と前記リンク62の間に水平に位置し、その端部が前記
レバー56にピン70により連結された装置68により
構成される。前記ピン70は、前記ピボットピン52,
54,64と平行に設けられている。前記装置68は、
常時レバー56に前記ピン70間で移動させる荷重を働
かす、いずれかのスプリング装置(ガス、金属等)によ
り構成されている。
【0049】前記ボルト66を緩めると、前記装置68
は、図4中で実線で示す形状の上部の位置に前記パン1
6を自動的にもっていくために、前記レバー56を前記
ピボットピン58に対して揺動させるものである。前記
パンの高さを調整するためには、搭乗者は、前記装置6
8に抗して所望のレベルとなるようにパンを下げるたけ
でよい。そして、前記セット状態を維持するために、前
記ボルト66を利用して前記リンク62をロックする。
【0050】明かに、本発明は、図2〜図5に記載され
た実施例には限定されない。このように、エネルギー吸
収手段38は、前記アブソーバ50と同様なエネルギー
吸収手段のいくつかの組を一体化できることは明かであ
る。同様に、前記パン16の高さを調整することが可能
な機構は、本発明の範囲を逸脱しない限り、異なるもの
とすることができる。最後に、パンの高さを調整するた
めの手段の動作の間に、前記アボソーバの傾斜変化は、
2つの任意で分かれた面に置き換えてもよい。
【0051】図6は、前記US−A−3985388
(点線の曲線C)と同様な、従来のヘリコプタの座席に
おいて搭乗者が耐えられる図中gで示す加速度を示すと
ともに、搭乗者の大きさを要素として、本発明の座席に
座った搭乗者が耐えることができる加速度(実線の曲線
D)を示す。
【0052】以上示したように、従来の座席(曲線C)
では、事故時には、小柄の搭乗者が、ひどい損傷を蒙る
ことなく人間が耐えることができる限界(図1中の曲線
B)を越えた高い加速度(25gまで)に曝される。
【0053】しかしながら、本発明の座席(曲線D)で
は、事故時においても、搭乗者の大きさによらず、加速
度は人間が許容できる限界を越えない。
【0054】本発明の座席によれば、例えば、もし希望
するならば前記パン16に遮閉(shielding)を設ける等
により、エネルギアブソーバ50を変更することによ
り、搭乗者の大きさや体重の範囲に対応させることがで
きる。さらに、大きさや体重の範囲は、前記パン16と
前記フレームとの間に設けられる連結構造34を形成す
る各部品の相対的な寸法を調整することにより、広くす
ることができる。
【0055】以上に述べた2つの変形例は、前記座席に
より吸収できる加速度のピークを調整することができる
といった効果を備える。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、既に記載されたもので、時間要素(m
s)に対する、事故の場合にヘリコプターが曝される垂
直方向の加速度のピークA(実線で示す形状)及び人間
が耐えられる加速度B(点線で示す形状)を記載する。
【図2】図2は、本発明による飛行機用座席を示す側面
図である。
【図3】図3は、図2の飛行機用座席の後面図である。
【図4】図4は、図3と比較される図であり、平なべ状
部材(パン)と座席のフレームとの連結構造の拡大図を
示し、シートパンが上位置にある時(図中の実線で示す
形状)及びシートパンが下位置にある時(図中の破線で
示す形状)に前記構造により受け入れられる部分を示
す。
【図5】図5は、図4と比較される図であり、事故後の
状態を示し、事故時の連結構造の状態は、前記シートパ
ンが最初に上位置に位置している状態(図中実線で示す
形状)及びートパンが最初の下位置に位置している状態
(図中の鎖線で示す形状)を示す。
【図6】図6は、搭乗者の大きさの要素に対する、事故
時のgで示される加速度、従来の座席の場合(図中で破
線で示す)と、本発明の座席の場合(図中で実線で示
す)を示す。
【符号の説明】
12 フレーム 16 パン 34 連結構造 36 パン高さ調整手段 38 エネルギー吸収手段

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搭乗者を受け入れるためのパンと、飛行
    機の床に固定されるフレームと、前記パンとフレームと
    を連結するための連結構造とが一体化された飛行機の座
    席であって、パンの高さを調整するための高さ調整手段
    と、エネルギー吸収手段とが一体化されており、前記エ
    ネルギー吸収手段は、前記パンに作用する保持荷重を用
    いるもので、前記調整手段によりその傾斜を調整される
    ようになっており、このようにして、前記調整手段の作
    動中に前記保持荷重の垂直方向の成分が前記床から前記
    パンとの間の距離と反対に変化する飛行機の座席。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の飛行機の座席において、
    前記エネルギー吸収手段は前記パンに一定の保持荷重を
    作用するようになっている飛行機の座席。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の飛行機の座席において、
    前記エネルギー吸収手段は、少なくとも前記座席の中央
    垂直面に対して実質的に対称に配置されたエネルギアブ
    ソーバを備え、エネルギアブソーバの第1の各端部が一
    定の距離だけ離れており、前記エネルギアブソーバの他
    の端部間の距離は、前記調整手段が作動している間、変
    化するようになっている飛行機の座席。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の飛行機に座席において、
    前記フレームは、前記パンが摺動できるように取り付け
    られた、2本の平行な側方ガイドを備えるとともに、前
    記アブソーバの第1の端部の各対は前記ガイドに連結さ
    れており、さらに、前記アブソーバの他の端部は、前記
    調整手段に連結されたレバーを介して前記パンの後方に
    連結されており、前記レバーは前記中央水平面に対して
    対称となっている飛行機の座席。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の飛行機の座席において、
    前記レバーは前記一対のアブソーバの他の端部が連結さ
    れるとともに、前記背部に沿わせて固定されている飛行
    機の座席。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の飛行機の座席において、
    前記調整部材は与えられた位置で前記パンをロックする
    ための手段を備える飛行機の座席。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の飛行機の座席において、
    前記レバーには、前記アブソーバの第1の端部が連結さ
    れ、中央部に連結手段が位置し、前記ロック手段が一体
    化された長さ可変のリンクが第2の端部に取り付けられ
    ている飛行機の座席。
  8. 【請求項8】 請求項5記載の飛行機の座席において、
    前記パンを自動的に上昇させる手段を備える飛行機の座
    席。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の飛行機の座席において、
    前記自動パン上昇手段は前記各レバーの間に配置されて
    いる飛行機の座席。
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