JPH07299590A - 複合半田材料の製造方法 - Google Patents

複合半田材料の製造方法

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JPH07299590A
JPH07299590A JP9657194A JP9657194A JPH07299590A JP H07299590 A JPH07299590 A JP H07299590A JP 9657194 A JP9657194 A JP 9657194A JP 9657194 A JP9657194 A JP 9657194A JP H07299590 A JPH07299590 A JP H07299590A
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solder
filler
billet
composite
wire
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JP9657194A
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Koichi Kishimoto
浩一 岸本
Tamotsu Koizumi
保 小泉
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Tanaka Denshi Kogyo KK
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Tanaka Denshi Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】半導体実装作業中における溶断性が良好である
と共に、半導体チップを基板上に水平に固着させること
が出来、且つ半田の広がり性を良好に維持することが出
来、更にワイヤー又はテープ状に伸線,圧延加工する際
の断線トラブルを大幅に低減することが可能な複合半田
材料の製造方法を提供する。 【構成】Pb-Ag-Snからなる半田材料を用いて鋳造した半
田ビレットaの一端から設けた空洞部a1 に、冷間加工
後の複合半田材料中のフィラー含有量が0.001〜0.6 重
量%になるよう、フィラー(Ni粉末)bを自重により
充填した。空洞部a1 の入口は半田ビレットaと同質の
半田材料a2 で栓をし、複合半田ビレットa’を作製し
た。この複合半田ビレットa’を150 ℃に加熱して押出
しに供し、直径1mmの押出材を得、更に伸線機を用いて
直径0.3 mmの複合半田ワイヤーを得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はパワートランジスタ等に
おける電子部品の接続に用いる接続材料の製造方法、詳
しくは半導体チップの基板への固着に用いる冷間加工し
てなるワイヤー又はテープ状複合半田材料の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】従来から、半導体チップを
基板に固着する際の接続材料として、半田にフィラーを
混入させた複合半田が知られている。例えば、特開平2
−151389号公報には、チップ部品を回路基板に接
続する際の半田の凝集分離を防止する為に、半田に微細
導電性物質を混合した半田クリームが開示されている。
また特開昭63−58945号公報には、半導体チップ
とリードフレームを接続する際の半田のクリープ寿命,
疲労寿命向上の為に、固体粒子が分散した溶融半田を接
触させた半田バンプ形成方法が開示されている。
【0003】一方、半導体チップを基板に固着する際、
フィラーを混入させない通常の合金半田をワイヤー又は
テープ状に加工して半導体実装用に供し、所定量に溶断
しながら半導体チップと基板の接続に用いている。しか
し乍らこの場合、ワイヤー又はテープの所定量をチップ
と基板の間に供給して固化させた時、チップの水平度が
悪いという欠点を有する。ここで、溶融半田の固化後の
厚みを一定に保つことによりチップの水平度を保つこと
は、その接続部分において所定の耐熱サイクル性が保持
され、半導体の発熱に伴う温度変化による半導体チップ
の剥離やそれに伴う導通不良を防ぐ点で有用である。
【0004】この対応として半導体チップと基板を接続
する際、半導体チップを水平に維持する為、半田にフィ
ラーを混入させて冷間加工を行い必要な形状寸法に仕上
げたワイヤー又はテープ状の複合半田を用いることが検
討されている。ここで、ワイヤー又はテープ状にした複
合半田を用いた半導体チップを基板に固着する方法を図
3を参照して説明する。テープ又はワイヤー状の複合半
田材料Aは、半田本体100 の先端部分を所定の送り量を
もって加熱基板B方向へ送りながら溶融せしめて非溶融
半田を引き離すことにより、適量の溶融半田101 を基板
B上に載せ該溶融半田101 中のフィラー110 の各粒子11
1 により溶融半田101 の厚みを一定に保持して、溶融半
田101 上にセットする半導体チップCを基板B上に水平
に固着させようとするものである。
【0005】本出願人は特願平4−285968号にお
いて、ワイヤー状複合半田の製造方法の一例を先に提案
した。これを図4で説明する。この方法は、周知の半田
材料を用いて所定径の筒状に成形した半田管200 の管路
201 内に粉末210 を適量入れ、その半田管200 を伸線加
工するをもって複合半田本体A’を成形すると同時に、
該半田本体A’の断面中央部分に粉末210 を充填せしめ
る方法である。この方法では伸線中に断線が多いという
欠点を有すると共に、粉末210 が均一に分散しないため
半導体チップの水平度を保つことの信頼性に欠けるとい
う欠点が生じていた。前記伸線中の断線を防止する目的
で上記粉末に代えて金属線を用いることも考えられる
が、この場合、半導体実装作業中に複合半田材料の溶断
が出来ないという欠点を有する。
【0006】特開昭63−112091号公報には、半
田粉末に10重量%のNi粉末を添加して押出しにより
ワイヤー状複合半田を作ることが開示されている。しか
し乍らこれにより得られた複合半田は、半田の広がり性
が悪いという欠点を有すると共に、半導体実装作業中の
複合半田材料の溶断性及び半導体チップの水平度を保つ
ことに不十分である。またワイヤーに伸線中、断線が多
いという欠点を有する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ここに本発明は、下記
(1)〜(4)に記載される目的を同時に達成し得る複
合半田材料を提供することを目的とする。 (1)半導体実装作業中における複合半田材料の溶断性
が良いこと。ワイヤー又はテープ状複合半田材料を加熱
基板方向へ送りながら溶融せしめて非溶融半田を引き離
す際、フィラーが連結していると種々のトラブルが生じ
る。極端な場合には溶断が不可能となる。この為、溶断
性が良いことを目的とする。 (2)半導体実装作業中、半導体チップが基板上で水平
に固着すること。半導体チップが基板上で水平に固着す
ることは、その接続部分において所定の耐熱サイクル性
が保持され、半導体の発熱に伴う温度変化による半導体
チップの剥離やそれに伴う導通不良を防ぐ点で有用であ
る。この為、半導体チップが基板上で水平に固着するこ
とを目的とする。 (3)半田広がり性が良いこと。ワイヤー又はテープ状
複合半田材料中にフィラーを含有させると半田広がり性
が低下してくる。この時、半導体チップの必要箇所に半
田材料が供給されずトラブルが発生する。この為、半田
広がり性が良いことを目的とする。 (4)冷間加工性が良好なこと。ワイヤー又はテープ状
複合半田材料を製造するに際して、フィラーを含有して
いるため伸線又は圧延加工中に材料が切断するというト
ラブルが発生する。この為、冷間加工性が良好なことを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等が鋭意研究を
重ねた結果、フィラーを含有した複合半田ビレットを所
定の方法により作製して押出工程に供すること、及び、
複合半田材料中のフィラー含有量を所定の範囲内に設定
することにより、コンテナー内での複合半田材料の流動
効果と相俟って前述の目的(1)〜(4)を同時に達成
し得ることを知見し、本発明を完成させるに至った。こ
こに本発明は次の通りである。 (第1発明)半田材料中にフィラーを含有した複合半田
ビレットを押出加工したのち冷間加工する複合半田材料
の製造方法において、前記複合半田ビレットが半田ビレ
ットの軸方向に設けた空洞部にフィラーを充填してな
り、冷間加工した複合材料中のフィラー含有量が0.0
01〜0.6重量%であることを特徴とするワイヤー又
はテープ状複合半田材料の製造方法。 (第2発明)上記第1発明における空洞部へのフィラー
充填量が、自重充填量の1.1倍以上6倍以下であるこ
とを特徴とする複合半田材料の製造方法。
【0009】(第3発明)半田材料中にフィラーを含有
した複合半田ビレットを押出加工したのち冷間加工する
複合半田材料の製造方法において、前記複合半田ビレッ
トが、半田ビレットの軸方向に設けた空洞部に半田粉末
とフィラーの混合粉を充填してなり、冷間加工した複合
材料中のフィラー含有量が0.001〜0.6重量%で
あることを特徴とするワイヤー又はテープ状複合半田材
料の製造方法。 (第4発明)上記第3発明における空洞部への半田粉末
とフィラーの混合粉の充填量が、自重充填量の1.1倍
以上であることを特徴とする複合半田材料の製造方法。
【0010】(第5発明)半田材料中にフィラーを含有
した複合半田ビレットを押出加工したのち冷間加工する
複合半田材料の製造方法において、前記複合半田ビレッ
トが半田粉末とフィラーの混合粉を加圧成形してなり、
複合半田ビレット中のフィラー含有量が0.001〜
0.6重量%であることを特徴とするワイヤー又はテー
プ状複合半田材料の製造方法。
【0011】
【作用】以下、本発明の更に詳細な構成とその作用につ
いて説明する。 (1)フィラー (a)ここでいうフィラーとは、使用する半田材料より
高融点(少なくとも50℃以上)のものをいう。 (b)材質の例示 金属粒子:Cu、Ni、Mo、W 酸化物:Al2 3 、TiO2 、Cr2 3 、ZrO
2 その他:炭化物、窒化物、ホウ化物、等が挙げられ
る。 尚、半田との濡れ性の点から金属粒子、酸化物が好まし
く用いられる。 (c)形状、寸法 寸法:5〜100μmのものが好ましく使用される。 形状:不定型及び球状のものが使用出来るが球状の方が
好ましい。
【0012】(2)半田 Pb−Sn、Pb−Ag−Sn等の周知の半田材料が使
用出来る。 (3)空洞部へ充填するフィラーと半田粉末の混合粉末
の調合 フィラー100重量部に対して半田粉末1重量部〜8×
103 重量部の範囲で好ましく用いられる。 (4)冷間加工後の複合半田材料中のフィラー含有量
は、0.001〜0.6重量%であることが必要であ
る。フィラー含有量が0.001重量%未満ではフィラ
ーの含有効果が小さく、半導体チップを基板上に固着し
たとき半導体チップの水平度が悪くなる。フィラー含有
量が0.6重量%を超えると、半田の濡れ広がり性が劣
化する。更に、複合半田材料の溶断性、半導体チップの
水平度の点でも効果が低下してくる。この理由は、フィ
ラーの分散性が悪くなりフィラー同士が連結して前記ト
ラブルを引き起こしているものと考えられる。
【0013】(5)ワイヤー又はテープ 本発明においてワイヤーとは伸線加工を施したものをい
い、断面形状が丸、六角、四角、その他異形の形状のも
のをいう。またテープとは圧延加工を施されたものをい
い、断面形状は一般的には長方形のものである。
【0014】(6)第1発明 (a)半田ビレットの軸方向にドリルにて1本以上の非
貫通穴を空ける。通常は1本で十分である。 (b)該軸穴の入口に若干の高さを残してフィラーを充
填する。未充填の高さは10mm程度が好ましい。 (c)未充填の入口部分にはその高さに対応した栓をす
るが、該栓は半田ビレットと同材質が好ましい。 (d)上記のようにして得られた複合半田ビレットを常
法に従って押出加工した後に伸線又は圧延加工を行い、
外径又は厚みが30〜300μmの複合半田ワイヤー又
はテープを得ることが出来る。
【0015】(7)第2発明 (a)第1発明におけるフィラーの充填方法に関し、フ
ィラーを加圧してフィラーの充填量が自重充填量の1.
1倍以上6倍以下となるようにして密度を高める。次の
方法が例示出来る。 フィラーを充填する際、間欠的に逐次人力で加圧して
充填量を大きくする。 所要全長を複数に分割してプレスを用いて加圧して、
該加圧品を半田ビレットの非貫通穴に積層充填して充填
量を大きくする。 加圧の程度は、半導体チップの水平度向上の面および
ワイヤーに伸線加工するときの断線トラブルの面から、
自重充填量の1.1倍以上であることが好ましい。また
フィラーの分散性を維持する点から、自重充填量の6倍
以下であることが好ましい。 (b)機構の推定 半田ビレットに充填したフィラーを加圧して自重充填量
の1.1〜6倍にすることにより、押出工程を経て複合
半田材料中でのフィラーの分散性が特に良好になってい
ると考えられる。ワイヤー中のフィラーの濃淡が激しく
なると、フィラーの淡い部分ではフィラー含有効果が小
さく半導体チップの水平度が悪くなり、フィラーの濃い
部分では溶断性、濡れ広がり性、冷間加工性においてト
ラブルの基になるものと考えられる。
【0016】(8)第3発明 (a)第1発明においてフィラーのみを充填する方法に
代えて、半田粉とフィラーの混合粉を充填する。混合粉
における半田粉の割合は、フィラー100重量部に対し
半田粉1重量部〜8×103 重量部が好ましい。この範
囲の時、複合半田材料中でのフィラーの均一な分散の点
で好ましい。 (9)第4発明 (a)第3発明で用いた半田とフィラーの混合粉を、第
2発明で用いた加圧方法を用いて空洞部へ充填する。加
圧力は自重充填量の1.1倍以上6倍以下であることが
好ましい。
【0017】(10)第5発明 (a)複合半田ビレット作製に際して、フィラーと半田
粉末の混合粉末を十分に混合した後加圧して、複合半田
ビレットを成形する。加圧方法としてラバープレス等が
好適に用いられる。
【0018】
【実施例】
(実施例1)まず図1-(1)に示すように、2.5重量%
Ag、5重量%Sn、残部Pbからなる半田材料を用い
て直径30mm×長さ100mmの半田ビレットaを鋳造し
た。この半田ビレットaの一端から直径3mm×長さ90
mmの軸穴を1本、ドリルを用いて加工し空洞部a1 を形
成した。次に、冷間加工後の複合半田材料のフィラー含
有量が表1記載量となるよう、図1-(2)〜(3) に示すよ
うに空洞部a1 にフィラー(ここではNi粉末)bを自
重により充填し、空洞部a1 の入口部分は半田ビレット
aと同一組成の厚さ10mmの半田材料a2 で栓をして、
図1-(4)に示す複合半田ビレットa’を作製した。さら
に、この複合半田ビレットa’を150℃に加熱して押
出しに供し、直径1mmの押出材を得た。更に伸線機を用
いて直径0.3mmの複合半田ワイヤーを得た。この伸線
加工時の断線回数を測定すると共に、ここで得られた複
合半田ワイヤーを用いて前述した図3に示す手順で半導
体チップを基板上に固着し、その際の加熱による溶断の
良否を判定した溶断テスト、チップが固化したときの水
平度の良否を判定した半導体チップの水平度テスト、複
合半田の広がり性の良否を判定した半田広がり性試験を
行った。結果を表3に示す。
【0019】(実施例2〜4)フィラー(Ni粉末)b
の充填に際しフィラー充填量が自重充填量の1.1倍、
4.0倍、6.0倍となるように加圧したこと、ビレッ
ト空洞部a1 の径を変えて複合半田材料中のフィラー含
有量を表1記載のように調整したこと以外は実施例1と
同様にして複合半田ワイヤーを得て測定に供した。結果
を表3に示す。
【0020】(実施例5〜11)フィラーbの充填に際
しNi粉末と半田粉末の混合粉を用い、且つNi粉末1
00重量部に対する半田粉末の量を表1に示す量となる
ようにしたこと、混合粉の加圧程度を表1に示すように
したこと、ビレット空洞部a1 の径を変えて複合半田材
料中のフィラー含有量を表1のように調整したこと以外
は実施例1と同様にして複合半田ワイヤーを得て測定に
供した。結果を表3に示す。
【0021】(実施例12)図2-(1)〜(3) に示すよう
に、複合半田ビレット作製に際して、フィラー(Ni粉
末)bを100重量部に対して実施例1と同じ組成の半
田粉末cを2×10 5 重量部を十分に混合した後、ラバ
ープレス機dを用いて直径30mm×長さ100mmの複合
半田ビレットa’を加圧成形したこと以外は実施例1と
同様にして複合半田ワイヤーを得て測定に供した。結果
を表3に示す。
【0022】(実施例13〜15)フィラーbの材質を
Ni粉末に代えてCu粉末、Al2 3 粉末、TiO2
粉末を用いたこと以外は実施例9と同様にして複合半田
ワイヤーを得て測定に供した。結果を表3に示す。
【0023】(実施例16〜18)ワイヤーに代えて厚
さ1.0mmのテープに押出し、厚さ0.3mmに圧延した
こと以外は実施例2、実施例8、実施例12と同様にし
て複合半田テープを得て測定に供した。結果を表3に示
す。
【0024】(比較例1〜4)半田ビレットに代えて所
定内径を有し外径30mm×長さ500mmの半田管を用い
たこと、押出しに代えてドローベンチで直径1mm迄加工
したこと、充填粉末としてフィラーと半田の混合粉の割
合を表2のようにしたこと、空洞部への充填粉末の加圧
を表2のようにしたこと、冷間加工した複合半田材料中
のフィラーの含有量を表2のようにしたこと以外は実施
例1と同様にしてワイヤー状複合半田材料を得て測定に
供した。結果を表3に示す。
【0025】(比較例5)充填粉末に代えて金属線を用
いたこと以外は比較例1〜4と同様にしてワイヤー状複
合半田材料を得て測定に供した。結果を表3に示す。
【0026】(比較例6)空洞部にフィラーを充填する
ことに代えて空洞部のない半田ビレットを用いること以
外は実施例1と同様にしてワイヤー状複合半田材料を得
て測定に供した。結果を表3に示す。
【0027】(比較例7)半田ビレットの空洞部にフィ
ラーのみ充填する方法において空洞部への充填粉末の加
圧を表2のようにしたこと、冷間加工した複合半田材料
中のフィラーの含有量を表2のようにしたこと以外は実
施例1と同様にしてワイヤー状複合半田材料を得て測定
に供した。結果を表3に示す。
【0028】(比較例8〜9)半田ビレットの空洞部に
フィラーと半田粉末の混合粉を充填する方法において充
填粉末としてフィラーと半田の混合粉の割合を表2のよ
うにしたこと、空洞部への充填粉末の加圧を表2のよう
にしたこと、冷間加工した複合半田材料中のフィラーの
含有量を表2のようにしたこと以外は実施例5と同様に
してワイヤー状複合半田材料を得て測定に供した。結果
を表3に示す。
【0029】(比較例10〜11)混合粉を加圧成形し
て複合半田ビレットを作製する方法においてフィラーと
半田の混合粉の割合を表2のようにし、これに伴い冷間
加工した複合半田材料中のフィラーの含有量を表2のよ
うにしたこと以外は実施例12と同様にしてワイヤー状
複合半田材料を得て測定に供した。結果を表3に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】測定方法は以下の通りである。 [冷間加工性]ワイヤーの場合、直径1mmから0.3mm
迄に伸線加工する際の重量1Kg当りの断線回数を示す。
テープの場合、圧延に際して特段の不都合が生じない場
合、良好と評価した。
【0034】[溶断性]370℃に加熱した銅製リード
フレームに、ワイヤー又はテープを押し付けた後引上げ
操作を行い溶融部を残す方法でワイヤー又はテープを1
0カ所溶断し、溶断の可否を調べ、以下のように評価し
た。 ○:全て溶断性良好なもの △:1カ所でもフィラーが連結し半田から露出して溶断
されたもの ×:1カ所でも溶断不可能なもの
【0035】[半導体チップの水平度テスト]複合半田
ワイヤー又はテープを所定長さに溶断した後、銅製リー
ドフレームと一定寸法の半導体チップを図3の通り接合
した。固化した後、工具顕微鏡を用いて水平に対する半
導体チップの傾き量を水平度として10個測定し、以下
のように評価した。 ◎:全て傾き量が0.1mm未満のもの ○:全て傾き量が0.2mm未満のもの ×:1個でも傾き量が0.5mm以上のもの △:水平度が○と×の中間のもの
【0036】[半田広がり性]370℃に加熱した銅製
リードフレームにワイヤー又はテープを押し付け、送り
量を3mmとした時の半田広がり面積を10個測定し、以
下のように評価した。 ○:全て30mm2 以上のもの ×:1個でも20mm2 以下のものがあるとき △:○と×の中間のもの
【0037】表1,2,3から明らかなように、冷間加
工後の複合材料中のフィラー含有量が0.001〜0.
6重量%であって、(1).フィラーを空洞部に充填した複
合半田ビレットを冷間加工してなる第1発明の実施例
1、(2).前記第1発明における空洞部へのフィラー充填
量が自重充填量の1.1倍以上6倍以下である第2発明
の実施例2〜4,16、(3).フィラーと半田粉末の混合
粉を空洞部に充填した複合半田ビレットを冷間加工して
なる第3発明の実施例5〜7、(4).前記第3発明におけ
る空洞部へのフィラー充填量が自重充填量の1.1倍以
上である第4発明の実施例8〜11,13〜15,1
7、(5).フィラーと半田粉末の混合粉を加圧成形した複
合半田ビレットを冷間加工してなる第5発明の実施例1
2,18は何れも、半導体実装作業中における溶断性が
全て良好、半導体チップの傾き量が0.5mm未満、半田
広がり性が30mm2 以上であると共に、冷間加工時のワ
イヤー断線回数も2回以下と良好であることが判る。
【0038】また上記第2〜第5発明の実施例におい
て、半導体チップの傾き量が0.2mm未満であると共
に、冷間加工時のワイヤー断線回数が1回以下とより良
好であることが判る。さらに第4発明の実施例におい
て、半導体チップの傾き量が0.1mm未満であると共
に、冷間加工時のワイヤー断線回数が0回と極めて良好
であることが判る。
【0039】これに対し、複合材料中のフィラー含有量
が本発明の範囲内(0.001〜0.6重量%)であっ
ても、押出加工を行わない比較例1〜4においては、半
導体実装作業中における溶断性に劣り、半導体チップの
傾き量が0.5mm以上、半田広がり性が20〜30mm2
であると共に、冷間加工時のワイヤー断線回数も5回以
上であることが判る。
【0040】また、フィラーに代えて金属線を充填した
比較例5にあっては冷間加工性には優れるものの実装作
業中の溶断が不可能であり、フィラーを含有しない比較
例6にあっては実装作業中の溶断性,半田広がり性,冷
間加工性には優れるものの半導体チップの傾き量が0.
5mm以上であり、夫々使用に供し得ないことが判る。
【0041】また、複合材料中のフィラー含有量が本発
明の範囲を越える(0.6重量%を越える)比較例7,
9,11にあっては、半導体チップの傾き量は0.5mm
未満であるものの、実装作業中の溶断性,半田広がり
性,冷間加工性に劣ることが判る。さらに、複合材料中
のフィラー含有量が本発明の範囲未満(0.001重量
%未満)である比較例8,10にあっては、実装作業中
の溶断性,半田広がり性,冷間加工性には優れるもの
の、半導体チップの水平度に劣ることが判る。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、半田ビレ
ットの空洞部にフィラーを充填した複合半田ビレットを
押出加工したのち冷間加工によりワイヤー状又はテープ
状に作製し、且つ冷間加工した複合材料中のフィラー含
有量が0.001〜0.6重量%である複合半田材料の
製造方法としたので、得られた複合半田ワイヤー又はテ
ープ中にフィラーを均一に分散して含有させることがで
きる。よって、半導体実装作業中における複合半田材料
の溶断性が良好であると共に半導体チップを基板上に水
平に固着させることが出来、且つ半田の広がり性を良好
に維持することが出来、更にワイヤー状に伸線加工する
際又はテープ状に圧延加工する際の断線トラブルを大幅
に低減することが可能となった。従って、電子部品の接
合や半導体チップの基板への固着に用いるに極めて有用
なワイヤー又はテープ状複合半田材料を効率よく製造し
得る方法として好適に利用出来る。
【0043】また、請求項2記載の如くビレット空洞部
へのフィラー充填量を自重充填量の1.1倍以上6倍以
下とした場合、並びに、請求項3記載の如くビレット空
洞部に半田粉末とフィラーの混合粉を充填した場合は、
固着させた半導体チップの水平度においてより優れた効
果が得られる。
【0044】また、請求項5記載の如く半田粉末とフィ
ラーの混合粉を加圧成形してなる複合半田ビレットを用
いた場合は、固着させた半導体チップの水平度、並び
に、冷間加工性においてより優れた効果が得られる。
【0045】さらに、請求項4記載の如くビレット空洞
部に半田粉末とフィラーの混合粉を充填し、且つその充
填量を自重充填量の1.1倍以上とした場合は、冷間加
工性においてより優れた効果が得られると共に、固着さ
せた半導体チップの水平度において極めて優れた効果が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法における複合半田ビレット成
形の一例を示す簡略図。
【図2】本発明の製造方法における複合半田ビレット成
形の他例を示す簡略図。
【図3】複合半田材料を用いて半導体チップを基板に固
着する手順を示す簡略図。
【図4】従来の複合半田材料を示す拡大斜視図。
【符号の説明】
a:半田ビレット a1 :空洞部 a’:複合半田ビレット b:フィラー c:半田粉末 A:ワイヤー状の複合半田材料 B:基板 C:半導体チップ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半田材料中にフィラーを含有した複合半
    田ビレットを押出加工したのち冷間加工する複合半田材
    料の製造方法において、前記複合半田ビレットが半田ビ
    レットの軸方向に設けた空洞部にフィラーを充填してな
    り、冷間加工した複合材料中のフィラー含有量が0.0
    01〜0.6重量%であることを特徴とするワイヤー又
    はテープ状複合半田材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記空洞部におけるフィラーの充填量が
    自重充填量の1.1倍以上6倍以下であることを特徴と
    する請求項1記載の複合半田材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 半田材料中にフィラーを含有した複合半
    田ビレットを押出加工したのち冷間加工する複合半田材
    料の製造方法において、前記複合半田ビレットが、半田
    ビレットの軸方向に設けた空洞部に半田粉末とフィラー
    の混合粉を充填してなり、冷間加工した複合材料中のフ
    ィラー含有量が0.001〜0.6重量%であることを
    特徴とするワイヤー又はテープ状複合半田材料の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 上記空洞部における半田粉末とフィラー
    の混合粉の充填量が自重充填量の1.1倍以上であるこ
    とを特徴とする請求項3記載の複合半田材料の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 半田材料中にフィラーを含有した複合半
    田ビレットを押出加工したのち冷間加工する複合半田材
    料の製造方法において、前記複合半田ビレットが半田粉
    末とフィラーの混合粉を加圧成形してなり、複合半田ビ
    レット中のフィラー含有量が0.001〜0.6重量%
    であることを特徴とするワイヤー又はテープ状複合半田
    材料の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021098231A (ja) * 2018-12-20 2021-07-01 株式会社タムラ製作所 成形はんだの製造方法

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