JPH0729669B2 - 樹脂ボトルの密封装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は樹脂ボトルの密封装置に
関するもので、より詳細には、ボトル支持金型によるボ
トルの支持固定を確実に行わせて、キャップ打栓時の密
封不良が防止される装置に関する。

【０００２】

【従来の技術及びその問題点】樹脂ボトルは、キャップ
打栓時の荷重で座屈や変形を生じる傾向があるので、ボ
トルの厚肉の首部に対して、キャップ締結部の下方に打
栓荷重支持用フランジを設け、このフランジをボトル支
持金型上に載せ、密封に必要な打栓圧乃至は密封トルク
を与えるようにしている。

【０００３】しかしながら、ボトル首部へのキャップの
螺着に際して、樹脂ボトルのフランジと支持金型との間
で屡々滑りを生じ、このため所定の密封トルクが得られ
るように、キャップの打栓を行うことが屡々困難とな
る。通常のガラス製ボトルでは、胸部を回転不能に保持
することは容易であるが、樹脂ボトルではこのような握
持圧で容易に変形をし易く、この方式を適用することは
できない。

【０００４】従って、本発明の目的は、ボトルの荷重支
持用フランジのボトル支持金型による支持固定を確実に
行わせて、キャップ螺着に際して、内容物の密封保持に
必要な密封トルク乃至は打栓圧が確実に得られる密封装
置を提供するにある。本発明の他の目的は、樹脂ボトル
に対して、リジッドな樹脂キャップ或いは金属キャップ
の適用が容易に且つ確実に行い得る密封装置を提供する
にある。

【０００５】

【問題点を解決するための手段】本発明によれば、回転
されるターレット、回転ターレットに等間隔で複数個取
付けられた回転ハンガー、ターレットの周囲に周状に固
定された固定ハンガー、回転ハンガーに設けられ固定ハ
ンガーと協動して樹脂ボトルのフランジを支持する切欠
部、回転ハンガーに対応して径方向に移動可能に設けら
れたフランジ係合用部材、フランジ係合用部材に設けら
れ、ボトルフランジの周縁部から付根部に至る任意の部
分の回転防止用、凹部または凸部と係合する係合部、フ
ランジ係合用部材を径外方に付勢する弾性機構、フラン
ジ係合用部材の径方向位置を規制するカム機構及び、各
回転ハンガーに対応して設けられた打栓プランジャーか
ら成り、フランジ係合用部材をボトルフランジと係合さ
せた後、打栓プランジャーを動作させることを特徴とす
る樹脂ボトルの密封装置が提供される。

【０００６】

【作用】本発明を、添付図面に示す具体例に基づき以下
に詳細に説明する。本発明の密封装置を示す図１乃至図
４において、内容物を充填したボトル１ａを導入するた
めの導入側シュート２５と密封ボトル１ｂを排出する搬
送コンベア４９との間には、導入側スプロケット２７及
び排出側スプロケット２８を介して、全体として２９で
示す打栓ステーションが設けられる。打栓ステーション
２９は、回転されるターレット３０と回転ターレット３
０に対して、等間隔で複数個取付けられた回転ハンガー
３１と、ターレットの周囲の機枠３２に周状に固定され
た固定ハンガー３３とから成っている。回転ハンガー３
１はボトル首部５が挿入される切欠部３４を備えてお
り、この切欠部３４の形状及び寸法は、回転ハンガー３
１と固定ハンガー３３との上にボトルフランジ９が載せ
られて、これらによりボトルフランジ９が支持される関
係となっている。

【０００７】打栓ステーション２９の導入側には、前述
した導入側スプロケット２７と対をなして、導入ガイド
３５とボトルの重量を支持するテーブル３６が位置して
おり、また打栓ステーション２９の排出側にも、排出側
スプロケット２８と対をなして排出ガイド３７とボトル
重量を支持するテーブル３８とが位置している。回転タ
ーレット３０とスプロケット２７及び２８とは同期した
速度とタイミングとで駆動回転されており、テーブル３
６及び３８と、ボトルフランジ支持金型、即ち固定ハン
ガー３３及び回転ハンガー３１とは、テーブル３６上の
ボトル１ａが次第に固定及び回転ハンガー３１及び３３
によりフランジ９の部分で支持されてテーブル３６から
離陸し、また固定及び回転ハンガー３１及び３３により
フランジ９の部分で支持されたボトル１ｂが次第にテー
ブル３８上に着陸する関係にある。

【０００８】回転ターレット３０及び移動フランジ３１
の上側には、回転ハンガー３１に対応してフランジ係合
用部材３９が設けられる。このフランジ係合用部材３９
は、ボトル支持用フランジ９の外周縁に対応する切欠部
４０を有している。

【０００９】フランジ係合用部材を拡大して示す図２に
おいて、この切欠部４０は適用するボトルのフランジ形
状すなわちフランジの周縁部から付根部に至る任意部分
の形状に対応した係合部２６が形成されている。フラン
ジ係合用部材３９は回転ターレット３０のボス４１に対
して押スプリング４２のような弾性機構を介してガイド
４２ａに沿って径方向に移動可能に設けられており、常
時径外方に付勢されている。また、フランジ係合用部材
３９には、ピン４３が締結機構４４により固定され、ピ
ン４３にはカムローラ４５が枢着されている。更に、打
栓ステーション２９のボトル導入側及び排出側をまたぐ
様に、カムローラ４５と接触する円弧状のカム板４６が
設けられている。

【００１０】また、回転ターレット３０には、各回転ハ
ンガー３１に対応して打栓プランジャー４７が設けられ
ている。（図４参照）。この打栓プランジャー４７は、
キャップ１４を吸引等により保持する保持部４８を有し
ている。打栓プランジャー４７は昇降動可能であり、且
つ回転ターレット３０と同期して公転されると共に、打
栓時にはキャップ１４をボトル首部６に締結させるよう
に自転可能となっている。

【００１１】次に、本発明装置による打栓操作を説明す
る。内容物を充填したボトル１ａは、導入側シュート２
５の位置で、導入側スプロケット２７の切欠部に把持さ
れ、ガイド３５に沿って打栓ステーション２９に送られ
る。送られたボトル１ａは、回転ハンガー３１及び固定
ハンガー３３によりフランジ９の部分で保持される。こ
の状態では、図３（但しキャップ１４は未だ締結されて
いない）に示す通り、カムローラ４５がカム板４６と係
合しており、従ってフランジ係合用部材３９は径方向中
心方向に後退した状態にある（図１位置Ｉ）。

【００１２】次いで、カムローラ４５がカム板４６との
係合状態から解除される。これにより図４に示す通り、
押スプリング４２が圧縮状態から解放され、フランジ係
合用部材３９は径方向且つ外方向に移動し、押スプリン
グ４２の押圧力により、ボトルフランジ９のナール１３
と係合用部材３９のナール２６とが緊密に係合する。こ
の状態で打栓用プランジャー４７が下降し且つ同時に自
転して、保持するキャップ１４をボトル首部６に螺着せ
しめる（図１位置II以降）。この際、滑り易いプラスチ
ックボトルでも、フランジ係合用部材３９とボトルフラ
ンジ７とがそれらのナール同志で噛み合って、ボトルの
回転が抑制されるので、打栓用プランジャー４７に予め
与えられた所期の打栓トルクでキャップ１４の締結密封
が確実に行われることになる。

【００１３】図１の位置III を、回転ターレット３０が
通り過ぎると、カムローラ４５がカム板４６と係合す
る。これにより、フランジ係合用部材３９は径中心方向
に後退し、フランジ係合用部材３９とボトルフランジ９
とのナール同志での係合状態が解除される（図３）。次
いで、キャップ１４で、密封されたボトル１ｂは排出側
スプロケット２８の切欠部で保持され、ガイド３７に沿
って排出コンベヤ４９に送られる。

【００１４】次に本発明の装置に好適に使用できる樹脂
ボトル及びキャップについて説明する。図５において、
このボトル１は、例えばポリエチレンテレフタレート等
の熱可塑性ポリエステルの延伸ブロー成形で一体に形成
されたものであり、二軸方向に分子配向された薄肉の胴
部２、胴部２の上端に連なる台錐状の肩部３、胴部２の
下端に連なる閉塞底部４、及び肩部３に連なる厚肉の首
部５から成っている。首部５には、後述するキャップの
ガスケットに係合する開口端部６があり、且つ首部外周
にはキャップのネジと係合する雄ネジ７、キャップを係
合固定させるための段肩部８及び打栓荷重支持用のフラ
ンジ９が設けられている。勿論、本発明の樹脂ボトルは
熱可塑性ポリエステルで製造されたものに限定されず、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ハイニ
トリル樹脂、ポリプロピレンとエチレン−ピニルアルコ
ール共重合体との積層体の各種樹脂から成るものでもよ
い。また、首部５の構造もこれに限定されず、打栓荷重
支持用フランジ９を備え、キャップを螺着可能なもので
あれば、任意の構造のものであってよい。

【００１５】本発明に用いるボトルにおいては、この打
栓荷重支持用フランジ９に対して、その周縁部から付根
部に至る面に周状に回転防止用の凹部または凸部を設け
る。このフランジ部に設ける回転防止用の凹部または凸
部の一例に示す。図６及び図７において、このフランジ
９は円周状の周縁部１０、付根部１１ａ、１１ｂを有し
ており、それらの間にリング状の上面１２ａ及びリング
状の下面１２ｂを有している。図６及び図７に示す具体
例では、回転防止用の凹部または凸部おいて周縁部１０
に対して、フランジ９の直角方向（ボトル軸方向）に延
びる溝から成るナール１３が設けられている。他の態様
を示す図８及び図９では、フランジ９の付根部１１ａ、
１１ｂに対して、フランジ９の径方向に放射状に延びる
溝から成るナール１３が設けられている。

【００１６】これらの回転防止用ナール１３は、周縁部
１０或いは付根部１１の上方に設けてもよいことが理解
されるべきである。また、図示していないが、このナー
ルはフランジ９の上面１２に設けることができることが
理解されるべきである。図面に示す具体例では、凹凸部
としてナール１３が示されている。このナール１３は、
任意の回転位置において後述するボトル支持金型との係
合が行われること、即ち樹脂ボトルの固定がロスタイム
なしに迅速に且つ行われることから好ましいものであ
り、また樹脂ボトルの美観の点からも好ましいものであ
るが、勿論、ボトルの回転防止という見地からは、リブ
状突起や溝等の他の凹凸部をも用い得ることが理解され
るべきである。

【００１７】設けるナール１３の寸法は、特に制限され
ないが、山−谷の高さが０．１乃至１０ｍｍ、特に０．
５乃至５ｍｍで、ピッチが０．１乃至１０ｍｍ、特に
０．５乃至５ｍｍの範囲にあるものがよい。本発明に使
用し得るキャップの一例を示す図１０において、このキ
ャップ１４は、例えば合成樹脂で形成されており、頂板
部１５とその周囲から垂下したスカート部１６とを備え
ており、頂板部１５の内面側にはボトル口部を密封する
ためのガスケット１７が設けられている。スカート部１
６の内面側にはボトルのネジと係合される雌ネジ１８が
設けられている。図示した具体例では、スカート部１６
の雌ネジ１８よりも下方には、ミシン状切目１９と橋絡
部２０とから成るピルフアープルーフ機構２０ａが設け
られており、その下方には、キャップのスカート部下方
をボトル首部に対して固定するためのフラップ片２１が
設けられている。勿論、本発明に使用するキャップは、
この例に限定されず、上述した以外でそれ自体公知のピ
ルフアープルーフ機構を備えた樹脂キャップでもよい
し、また金属製キャップでもよい。

【００１８】

【発明の効果】本発明によれば、ボトルフランジの周縁
部から付根部に至る任意の部分の回転防止用凹部または
凸部と係合するフランジ係合用部材を設けることによ
り、胴部が薄肉で変形を受け易い樹脂ボトルにおいても
ボトルを回転不能に支持することができ、キャップの螺
着を必要な密封トルクで行うことが可能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の密封装置の平面配置図である。

【図２】図１のフランジ係合用部材の拡大図である。

【図３】図１の位置III における回転ターレットの状態
を示す側面断面図である。

【図４】図１の位置IIにおける回転ターレットの状態を
示す側面断面図である。

【図５】本発明に使用する樹脂ボトルの一例の側面図で
ある。

【図６】回転防止用凹凸部（ナール）の一例を示すボト
ル首部の拡大側面断面図である。

【図７】図６のボトル首部の上面図である。

【図８】回転防止用凹凸部（ナール）の他の例を示すボ
トル首部の拡大側面断面図である。

【図９】図８の線II−Ｂ−II−Ｂから見た図である。

【図１０】キャップの一例を示す側断面図である。

【符号の説明】

３０ 回転ターレット ３１ 回転ハンガー ３３ 固定ハンガー ３９ フランジ係合用部材 ４０ 切欠部 ４２ 弾性機構 ４７ 打栓プランジャー

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転されるターレット、 回転ターレットに等間隔で複数個取付けられた回転ハン
   ガー、 ターレットの周囲に周状に固定された固定ハンガー、 回転ハンガーに設けられ固定ハンガーと協動して樹脂ボ
   トルのフランジを支持する切欠部、 回転ハンガーに対応して径方向に移動可能に設けられた
   フランジ係合用部材、 フランジ係合用部材に設けられ、ボトルフランジの周縁
   部から付根部に至る任意の部分の回転防止用凹部または
   凸部と係合する係合部、 フランジ係合用部材を径外方に付勢する弾性機構、 フランジ係合用部材の径方向位置を規制するカム機構、 及び、 各回転ハンガーに対応して設けられた打栓プランジャー
   から成り、フランジ係合用部材をボトルフランジと係合
   させた後、打栓プランジャーを動作させることを特徴と
   する樹脂ボトルの密封装置。