JPH07294148A - 回転溶融炉の制御方法 - Google Patents

回転溶融炉の制御方法

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JPH07294148A
JPH07294148A JP9134894A JP9134894A JPH07294148A JP H07294148 A JPH07294148 A JP H07294148A JP 9134894 A JP9134894 A JP 9134894A JP 9134894 A JP9134894 A JP 9134894A JP H07294148 A JPH07294148 A JP H07294148A
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furnace
gas
furnace body
melting
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JP9134894A
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Haruyoshi Hirano
春好 平野
Hidetoshi Hirai
秀敏 平井
Yuji Kamiya
雄二 神谷
Hiroshi Kobayashi
宏 小林
Hiroichi Shirakawa
博一 白川
Tsutomu Kizaki
勉 木崎
Yuji Okada
裕二 岡田
Yasuo Takeuchi
康夫 竹内
Hiroyuki Tsuruoka
洋幸 鶴岡
Makoto Chokai
誠 鳥海
Minoru Takahane
年 高羽
Hiroyuki Tanaka
博之 田中
Yutaka Takimoto
豊 滝本
Hirotoshi Murata
博敏 村田
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Toyota Industries Corp
Teisan KK
Toyota Motor Corp
Naniwa Roki Co Ltd
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Teisan KK
Toyota Motor Corp
Naniwa Roki Co Ltd
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
  • Muffle Furnaces And Rotary Kilns (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】炉体内面の摩耗や損傷を低減するとともに、耐
火煉瓦層の寿命向上を実現する回転溶融炉の制御方法を
提供する。 【構成】回転溶融炉1において、原料の鉄材を溶融する
溶融工程よりも、溶湯を昇温するその後の昇温工程にお
いて炉体2を高速回転する。このようにすれば、炉体2
の内面から原料又は溶湯への熱伝達が促進されるととも
に、原料が溶融する前は低速回転により炉体2の内面の
摩耗や損傷を低減することができ、原料の溶融後は高速
回転により耐火煉瓦層から溶湯への伝熱効率を向上して
その寿命を延長することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転溶融炉を用いた鋳
鉄用溶湯の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高炉から産出された銑鉄材を回転溶融炉
により溶融して鋳鉄用溶湯を製造することが行われてい
る。この回転溶融炉は、両端開口の炉体を水平な回転軸
心を中心として回転しつつ、一方の開口側からLNG及
び酸素ガスを吹出して燃料を燃焼させ、他方の開口から
排気し、得られた燃焼熱により銑鉄材を溶融するもので
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した回転溶融炉で
の問題を以下に説明する。説明を簡単とするために操業
プロセスを便宜上、原料投入後の燃焼開始から鉄の溶融
が完了するまでの溶融モードと、その後、溶湯を昇温さ
せる昇温モードとに区分する。昇温モードは、融点温度
の溶湯をそのまま出湯すると、その後の温度低下により
一部の溶湯が凝固してしまい出湯作業やその後の鋳造作
業に支障をきたすために溶湯を昇温するプロセスであ
る。
【0004】上記した従来の回転溶融炉では、燃焼中に
炉体を回転させることにより、燃料ガスにより加熱され
た炉体内面(特に過熱された炉体内面上部)の熱を原料
や溶湯に伝達している。しかしながら、この炉体の回転
による熱伝達方式は、原料と炉体内面との摩擦により炉
体内面が摩耗するという問題や、原料(特にその角部)
が炉体内面を擦過することにより炉体内面を損傷させる
という問題を発生する。
【0005】一方、炉体内面の摩耗や損傷の低減のため
に回転速度を低下させると、炉体内面が過熱し、耐火煉
瓦層の寿命が低下するという不具合があった。本発明は
上記問題点に鑑みなされたものであり、炉体内面の摩耗
や損傷を低減するとともに、耐火煉瓦層の寿命向上を実
現する回転溶融炉の制御方法を提供することを、その解
決すべき課題としている。
【0006】
【課題を解決する手段】本発明の回転溶融炉の制御方法
は、略水平に保持された円筒状の炉体を軸心を中心とし
て回転させつつ前端側から炉内に燃料及び酸素ガスを吹
き込んで前記燃料を燃焼させるとともに後端開口から燃
焼ガスを排気して原料を溶融する溶融工程と、その後、
前記炉体の回転及び前記燃焼を持続しつつ溶湯を昇温す
る昇温工程と、その後、前記炉体から前記溶湯を出湯す
る出湯工程とを備え、前記溶融工程よりも前記昇温工程
において前記炉体の回転速度を増大させることを特徴と
している。
【0007】第1態様において、前記溶融工程の初期よ
りも前記溶融工程の終期において前記回転速度を増大さ
せる。第2態様において、前記両工程の切り換えは、前
記溶融工程開始から所定時間経過後、実施される。第3
態様において、前記燃焼ガス中の所定のガス成分の濃度
を検出し、前記ガス成分の濃度変化に基づいて前記両工
程の切り換えを実施する。
【0008】本明細書において、酸化雰囲気の燃焼と
は、原材料中の鉄以外の不純物成分が酸化可能な雰囲気
での燃焼をいう。また、還元雰囲気の燃焼とは、前記酸
化雰囲気燃焼よりも酸素流量が少ない状態での燃焼をい
う。燃焼ガス中の上記所定ガス成分はCO、NOX、O
2 の内、少なくとも一つ又は複数の組合せからなる。成
分ガス濃度の検出は、炉内から導出した燃焼ガス中のガ
ス成分をガスセンサで測定することが好ましい。
【0009】好適な態様において、酸素ガスは、80m
ass%、好ましくは95mass%以上の酸素含有率
を有する。好適な態様において、燃料の完全酸化に要す
る酸素ガス流量に対する実際の酸素ガス流量の比率であ
る酸素/燃料流量比率は溶融工程において1.0〜1.
3とされ、その後の昇温工程において0.8〜0.99
とされる。なお、酸素/燃料流量比率が一定でも、原料
の温度及び性状により加炭材を含む原料の酸素消費量が
変化し、これにより炉内雰囲気は変動する。また、酸素
/燃料流量比率を1とし、炉内の後部の雰囲気がほぼ酸
素0の状態であっても、炉内の前部では大量の酸素ガス
の吹き出しがあり、酸素ガスなどが燃料ではなく原料を
酸化したり、又は溶湯中に飛び込んだりすることがあり
得る。ただし、酸素/燃料流量比率を例えば0.9未満
といった強い還元雰囲気側にシフトすると、炉内が強く
還元性となり、原料又は溶湯の酸化が抑止される。
【0010】原料としては、鋳鉄屑、鋼屑、銑鉄などの
鉄材を採用できる。回転溶融炉は、例えば、円筒状の外
筒部及びこの外筒部の内面にライニングされた耐火材層
とを有する炉体と、炉体をその軸心を中心として回転さ
せる回転機構と、炉体の軸方向中央部にて軸心と直角な
水平方向に配設された傾動軸を中心として炉体及び回転
機構を傾動させる傾動機構とを備えている。
【0011】また、回転溶融炉は、炉体の前端側(燃焼
側)に軸心を中心とする燃焼側の開口を有し、炉体の後
端側(排気側)に軸心を中心とする排気口を有する。更
に、回転溶融炉は、燃焼側の開口を開閉する蓋部を有す
ることができ、この蓋部の内側に燃料(例えばLNGや
LPG)及び酸素を吹出すためのノズルを突設すること
ができる。
【0012】好適な態様において、蓋部は炉体が略水平
に保持された状態で着脱機構に駆動されて炉体の燃焼側
の開口を開閉する。一例において、蓋部が炉体の燃焼側
の開口を閉鎖した状態で炉体が回転しても蓋部は回転し
ない。好適な態様において、炉体の端壁部には出湯孔が
貫設される。この出湯孔は、出湯時まで封栓されてお
り、出湯孔の開口後、出湯孔が溶湯の液面より下に位置
すれば出湯が行われる。出湯停止は炉体を回動させて出
湯孔を溶湯の液面より上方へ変位させて行われる。
【0013】好適な態様において、炉体への原料の投入
は、排気側開口が上、燃焼側開口が下となるように炉体
を傾動させた状態で、排気口から行われる。この時、原
料が燃焼側の開口から脱出するのを防止するために、燃
焼側の開口は臨時の遮蔽板により一時的に遮蔽される。
原料の投入が終了すると、炉体が傾動してその軸心は略
水平となり、両開口からの原料の脱出は阻止される。
【0014】
【作用及び発明の効果】本発明によれば、原料の鉄材を
溶融する溶融工程よりも、溶湯を昇温するその後の昇温
工程において、炉体を高速回転する。このようにすれ
ば、炉体内面から原料又は溶湯への熱伝達が促進される
とともに、原料の溶融前は低速回転により炉体内面の摩
耗や損傷を低減することができ、原料の溶融後は高速回
転により耐火煉瓦層から溶湯への伝熱効率を向上してそ
の寿命を延長することができる。
【0015】また、回転溶融炉の回転により溶湯が流動
(循環)するので、溶湯中の不純物が液面に浮かんで酸
化されやすく、溶湯中の不純物の減耗が促進される。更
に、溶湯中の酸素ガスと鉄との反応が促進され、溶湯の
酸素含有率が低減できる。したがって、溶融後は回転溶
融炉の回転数は高い方が好ましい。なお、溶融工程の終
期には、鉄材の相当量が大部分溶解しており、この段階
では炉体の回転数を増加しても炉壁内面が損傷すること
がなく、溶湯の加熱効率が向上し、炉体内面の冷却性を
向上できる。
【0016】
【実施例】
(実施例1)本発明の鋳鉄用溶湯の製造装置の構造を図
1〜図3を参照して説明する。図1はその側面図、図2
はその正面図、図3はその前部平面図、図4は炉体2の
略縦断面図である。
【0017】回転溶融炉1は両端開口の円筒形状を有す
る炉体2を有し、炉体2は軸方向と直角な断面がコ字状
の傾動台3に自転自在に架装されている。傾動台3は、
一対の基台4に傾動自在に軸支されている。炉体2の後
方に隣接して排気ダクト5が配設され、排気ダクト5の
吸入口50は炉体2の後端に開口された排気口20に対
面している。排気ダクト5には回転溶融炉1の略軸心に
沿って後方へパイプ挿入筒部51が突設されており、パ
イプ挿入筒部51にはガス導入筒6が進退自在に挿入さ
れている。ガス導入筒6の先端は炉体2の排気口20か
ら炉内に挿入されており、ガス導入筒6の末端はフレキ
シブルチューブ60及びガス冷却装置61を通じてガス
センサ7に接続されている。
【0018】8は制御盤であり、ガスセンサ7からの信
号及び盤上の各種操作スイッチからの操作信号に基づい
て後述する回転溶融炉1の各種アクチエータを駆動制御
する。床面Fには方形溝90が凹設されており、その底
面には台車91が配置されている。
【0019】以下、装置各部について更に詳しく説明す
る。図2及び図4を参照して炉体2を説明する。炉体2
は、ステンレス厚板からなる略円筒形状の基筒(図4で
は実線で略示されている)21と、基筒21の内面に厚
くライニングされた耐火煉瓦層22とからなる。炉体2
の前端壁部2aの中央には、厚肉円盤状の蓋部23が嵌
め込み可能な円形の開口24が形成され、炉体2の後端
壁部の中央部には排気口20が形成されている。また、
炉体2の前端壁部2aから互いに180度対称に一対の
出湯筒部25が軸心に対しやや斜めに突出しており、出
湯筒部25には炉内に連通する出湯孔26が形成されて
いる。なお、出湯孔26は、炉内への原料投入前に粘土
状の封止材により閉塞される。また、基筒21の中央部
には互いに一定間隔を隔てて円鍔部27が巻着されてい
る(図4では図示省略する)。
【0020】96は床面F上のベース97に旋回可能に
立設された旋回軸であり、旋回軸96の上部に水平方向
に伸びるアーム98が固定されており、アーム98の先
端は蓋部23に固定されている。99はアーム旋回用の
油圧シリンダであり、その作動により蓋部23は旋回し
て炉体2の前端側の開口24を開閉する。蓋部23の内
側円盤面には不図示の酸素ガスノズルと燃料ガスノズル
がそれぞれ複数本突設されており、酸素ガスノズルは不
図示の流量制御弁を通じて酸素ガスを供給されている。
また、燃料ガスノズルも不図示の流量制御弁を通じてプ
ロパンガスを供給されている。
【0021】傾動台3は、底板部3aとその左右端から
垂直に立設された壁部3bとからなる枠体であり、底板
部3aには前後左右合計4個のローラ(図2には前部の
一対だけが図示されている)30が回転自在に支承され
ており、各ローラ30は炉体2の外周面を回転自在に支
持している。また、傾動台3の底板部3aには、これら
4個のローラ30の内、左側の一対を駆動するモータ3
1が配設されており、モータ31のトルクがローラ30
を通じて炉体2の外周面に伝達されて炉体2を回転させ
る。更に、壁部3bの前後端部には図3に示すように前
後左右合計4個の支持ローラ32が回転自在に支持され
ており、各支持ローラ32は、炉体2の傾動時に炉体2
の円鍔部27に回転自在に当接して、炉体2の脱落を阻
止する。
【0022】基台4は、方形溝90を挟みつつ床面Fか
ら立設されており、基台4の上部には、傾動台3を傾動
自在に支持する傾動軸40が水平方向に枢支されてい
る。そして、方形溝90の後部には、油圧シリンダ9の
基端部が前後方向傾動自在に枢支されており、油圧シリ
ンダ9のピストンロッド95の先端は傾動台3の底部に
前後方向傾動自在に枢支されている。したがって、この
ピストンロッド95が伸びると傾動台3及び炉体2は傾
動軸40の回りを傾動(傾動)する。なお、炉体2が傾
動して斜め姿勢となっても、炉体2の自重は円鍔部27
を通じて支持ローラ32に担持され、これにより炉体2
は斜め姿勢でも回転可能となっている。
【0023】ガス導入筒6は、ステンレスからなる長筒
形状を有し、その外表面は耐火材層で被覆されている。
もちろん、ガス導入筒6をその外側に水冷筒部を設けた
二重管構造としてもよい。ガス導入筒6は、炉内に常時
挿入されてもよく、また、定期的に又は所定の期間のみ
挿入してもよい。ガス冷却装置61は水冷式直接熱交換
器からなり、装置61の天井に冷却水をスプレーするノ
ズル(図示せず)が設けられている。装置61内に導入
された燃焼ガスは冷却水により冷却され、また燃焼ガス
中の水蒸気はここで凝縮して燃焼ガスから分離される。
装置61の底部には排水用の管(図示せず)が接続され
ている。したがって、ガス冷却装置61から導出される
燃焼ガスは、ほぼ炭酸ガスと一酸化炭素ガスとからな
る。
【0024】ガスセンサ7は、ガス冷却装置61から導
出された燃焼ガス中の一酸化炭素ガス(COガス)の濃
度を測定して、濃度に比例した濃度信号電圧Vsを出力
するCOガスセンサからなる。なお、COガスセンサの
代わりに、酸素ガス(O2 )センサや窒素酸化物(NO
X)センサを採用してもよい。制御盤8は、マイコンを
内蔵しており、操作信号や濃度信号電圧Vsに応じてモ
ータ2や上記比例制御弁を制御する。また、異常検出時
に警報を発する。
【0025】なお、図1において、94は原料投入用の
シュートである。次に上記した装置の基本動作を説明す
る。原料投入 まず油圧シリンダ9を作動させて、傾動台3及び炉体2
を軸線A(図1参照)まで傾斜させる。これにより、排
気口20はシュート94に面することになる。
【0026】この時、蓋部材23は炉体2の開口24か
ら離脱され、その代わりに、開口24は遮蔽板で閉鎖さ
れる。次に、原料が上方の原料ヤード(図示せず)から
このシュート94を通じて炉体2の排気口20へ投入さ
れる。初期燃焼 次に油圧シリンダ9を操作スイッチ(図示せず)のオン
により作動させて、傾動台3及び炉体2を水平姿勢に復
帰させ、遮蔽板を取り外す。次に、操作スイッチ(図示
せず)のオンにより蓋部23の上記両ノズルから燃料及
び酸素ガスを吹き出し、人手により着火する。
【0027】次に、蓋部23を閉め、初期燃焼を行う。
この時の燃料ガス及び酸素ガスの流量はその後の本格燃
焼の半分以下とする。これは炉体2の各部の熱ストレス
を緩和しつつ炉体2を加熱するためである。溶融燃焼(溶融モード) 次に、溶融燃焼に入り、燃料ガス及び酸素ガスの流量を
増大させて原料の加熱、溶融を行う。なお、酸素/燃料
流量比率は1以上(この実施例では1)に設定される。
この時、炉体2の内周面の上半部が過熱されるのを防止
するために、低速で炉体2を回転させる。回転速度は1
分に30度の割合とされる。このような低速回転するの
は、原料との摩擦などにより耐火煉瓦層22が損傷する
のを抑止するためである。
【0028】所定ガス成分の濃度検出 次に、ガス導入筒6を炉内へ挿入して炉内の燃焼ガスを
ガス冷却装置61を通じてガスセンサ7に導入する。こ
の実施例では、炉内の燃焼ガスの吹き出し圧力によりガ
スセンサ7に燃焼ガスを自然導入する方式を採用してい
るが、ガスセンサ7から燃焼ガスを排出する排気管70
に排風手段を設けてもよい。ガス導入筒6を炉内へ挿入
するのは溶融燃焼開始から数十分後とされる。
【0029】ここで、上記溶融燃焼(溶融モード)後期
における上記所定ガス成分の濃度変化の原因について説
明する。いま酸素/燃料流量比率を1として上記溶融燃
焼を行っても、蓋部23と炉体2との隙間からの空気の
流入もあり、また炉内の燃料ガスが高温かつ非定常な状
態(一部では解離状態)となっているので、原料が高温
となると(特に鉄材が溶融し始めると)、原料や加炭材
の酸化が促進され、その分、酸素不足となって、燃料ガ
ス中のCOガスが増加し、逆に酸素ガス及び窒素酸化物
が減少する。すなわち、回転溶融炉ではこれらのガス成
分の変化を検出することにより、原料鉄材の溶融状況を
モニタできることになる。
【0030】またこの実施例では、COガス濃度が所定
の基準値を超過した上記時点から第1の所定時間経過
後、炉体2の回転速度を2分あたり180度に増加す
る。これは溶融が開始され、炉底に貯溜された溶湯が炉
体2の回転による炉壁の損傷を抑止すると考えることが
できるためである。昇温燃焼(昇温モード) COガス濃度が所定の基準値を超過した時点から原料の
量及び組成に応じて予め決定された第2の所定時間が経
過すると、炉内雰囲気を変更する。すなわちこの実施例
では、酸素/燃料流量比率を0.89とする。また、第
2の所定時間は、原料がほぼ溶融したとみなせる時点に
設定する。
【0031】このようにすれば、元々、原料の酸化によ
り還元雰囲気となっているところへ酸素ガス流量が削減
されるため強い還元雰囲気となり、溶湯の酸化が抑止さ
れ、溶湯の酸素含有率が減少する。この実施例では、昇
温燃焼時間は、原料の量及び組成に応じて予め決定され
た時間とされている。これにより、溶湯の温度は融点よ
り所定温度(例えば数十度)上昇した値となり、次の出
湯中に凝固が生じることが防止される。
【0032】また、この昇温モード中は、もはや炉内に
は溶湯及びノロのみであると想定できるので、炉壁損傷
の不安無しに炉体2を更に高速回転して伝熱効率を向上
できる。出湯 次に、炉体2の回転を停止し、下側に位置する出湯孔2
6に詰められた粘土状の封止材をつついて除去し、台車
91上の取鍋に出湯を行う。取鍋が一杯になったら、炉
体2を90度回動して出湯孔26を溶湯液面の上方に持
ち上げ、その間に取鍋を空のものと交換する。
【0033】この出湯期間中も、燃料ガス及び酸素ガス
を大幅に削減した状態で燃焼を持続し、溶湯の温度低下
を防ぐ。また、この時の酸素/燃料流量比率は約0.9
程度とし、溶湯への酸素飛び込みを防ぐ。ノロ排出 次に、燃料ガス及び酸素ガスを遮断し、蓋部23を開い
て炉体2から退避させ、炉体2の軸心が図1に示す軸線
Bに一致するまで、傾動台3を傾動させる。これによ
り、炉内のノロが開口24から台車91上のノロ受け
(図1参照)に排出される。ノロ排出後、再び炉体2を
水平位置に復帰させるか、又は軸線Aの位置に傾動し、
次のサイクルに入る。
【0034】上記した所定ガス成分の濃度検出による炉
内雰囲気の自動変更に関係する制御動作を図5のフロー
チャートを参照して説明する。燃焼開始から所定時間
後、ガス導入筒6を炉内へ挿入した後、制御盤8に設置
された起動スイッチをオンして図5のルーチンを開始す
る。まず、初期設定を行い(200)、予め操作スイッ
チの操作により入力されている投入原料のデータ(組成
及び量)に基づいて、後で実施する炉内雰囲気変更時点
の決定に用いる基準濃度値を選択する(202)。な
お、この選択は、予め記憶装置に記憶している投入原料
のデータ(組成及び量)と基準濃度値とのテーブルに上
記操作スイッチから入力された投入原料のデータ(組成
及び量)を入力して求める。
【0035】次に、COガスセンサ7の出力が安定する
まで所定時間待機後(204)、COガスセンサ7から
COガス濃度を読み込み(206)、読み込んだCOガ
ス濃度を平均化処理し(208)、読み込んだCOガス
濃度の検出値と上記基準濃度値とを比較し(210)、
検出値が基準濃度値未満であれば、ルーチンスタートか
らの時間が所定の最大許容時間ΔTmaxを超過したか
どうかを調べ(212)、超過していなければステップ
210にリターンし、超過したら警報を発してルーチン
を終了し、以後は手動操作を要請する。
【0036】一方、ステップ210にて検出値が基準濃
度値を超過すれば、それを表示してガス導入筒6を炉内
から抜き出すことを要請し(216)、所定時間(ここ
では数分)ΔT1だけ待機した後(218)、モータ3
1の回転数を2倍にアップし(220)、所定時間(こ
こでは数分)ΔT2だけ待機する(222)。所定時間
ΔT2が経過すれば、溶融がほぼ完了したか又は溶融が
充分満足できる水準まで進行した時点すなわち炉内雰囲
気変更時点であると判定して、酸素ガスの流量を削減し
て酸素/燃料流量比率λを所定値(ここでは0.89)
とする(224)。
【0037】次に、酸素/燃料流量比率λの変更(ステ
ップ224)から所定時間ΔT3(例えば60分)待機
し(226)、待機を終了したら昇温完了と判断して上
記出湯工程を開始する(228)。なお、ステップ20
2では原料の組成及び量により上記各基準値を変更す
る。これは、原料に応じてCOガス濃度の変化特性に差
が生じるからである。したがって、制御盤8内の記憶装
置には予め原料の組成及び量に対する最適な上記基準値
が記憶されている。 (変形態様)検出する所定のガス成分としてCOガスの
代わりに、酸素ガス又は窒素酸化物でもよい。所定のガ
ス成分の絶対濃度値の代わりに、基準変化量又は基準変
化速度を記憶することもできる。そして、溶融モード初
期のガス成分の濃度値に対する変化量がこの基準変化量
を超過するか否か、又は、ガス成分の濃度の変化速度が
この基準変化速度量を超過するか否かによりステップ2
08の判定すなわち溶融開始又は溶融中又は溶融完了の
判定を行うこともできる。 (実施例2)他の実施例を図6を参照して説明する。
【0038】この実施例では、制御盤8内の記憶装置に
は原料の組成及び量に対する最適な所定時間ΔT1、Δ
T2、ΔT3を予め記憶しておき、ステップ202、2
04の間で、予め入力された原料データに基づいて所定
時間ΔT1、ΔT2、ΔT3を決定するステップを行う
(203)。更に詳しく説明すると、原料の組成や量に
より最適な所定時間ΔT1、ΔT2、ΔT3は変動す
る。例えば、量が少なければ当然、これらの値は小さく
なる。
【0039】また、高張力鋼板屑などMnなどの減耗し
たい不純物を多く含む原料の場合、ΔT2を延長してλ
の切替え(ステップ216)を遅延することにより、M
nの減耗を促進することができる。図7〜図14に試験
データを示す。なお、図中、破線aは溶湯表面の目視に
よる溶融完了の判定に基づく昇温モードへの移行時点
(本発明でいう炉内雰囲気変更時点)である。 (試験1)図7に原料の組成及び量と、操業プロセスと
を示し、図8(a)にCOガス濃度及びO2 ガス濃度を
示し、図8(b)にNOXガス濃度を示す。 (試験2)図9に原料の組成及び量と、操業プロセスと
を示し、図10(a)にCOガス濃度及びO2 ガス濃度
を示し、図10(b)にNOXガス濃度を示す。 (試験3)図11に原料の組成及び量と、操業プロセス
とを示し、図12(a)にCOガス濃度を示し、図12
(b)にNOXガス濃度を示す。 (試験4)図13に原料の組成及び量と、操業プロセス
とを示し、図14(a)にCOガス濃度を示し、図14
(b)にNOXガス濃度を示す。なお、試験4は試験3
に連続して行った。
【0040】これらの試験結果から、溶融完了に先行し
てCOガス濃度、酸素ガス濃度及びNOXガス濃度が変
化することがわかる。 (実施例3)他の実施例を図15のフローチャートを参
照して説明する。まず、原料を炉内に投入して着火後、
初期設定を行い(300)、予め操作スイッチの操作に
より入力されている投入原料のデータ(組成及び量)に
基づいて各タイマ(図示せず)の遅延時間を設定し(3
02)、制御盤8上の起動スイッチ(図示せず)をオン
し(304)、各タイマをスタートする(306)。
【0041】次に、第1のタイマが所定遅延時間Taだ
け経過するまで待機し(308)、その後、炉体2を回
転数N1(この実施例では1rpm)で回転させる(3
10)。次に、第2のタイマがステップ310の実施時
点から所定遅延時間Tb(この実施例ではほぼ溶融進行
中の時点)だけ経過するまで待機し(312)、その
後、炉体2を回転数N2(この実施例では2rpm)で
回転させる(314)。
【0042】次に、第3のタイマがステップ314の実
施時点から所定遅延時間Tcだけ経過するまで待機し
(316)、その後、酸素/燃料流量比率λを1から
0.89に切替えれ昇温モードに移行するとともに、炉
体2を回転数N2(この実施例では8rpm)で回転さ
せる(318)。次に、第4のタイマがステップ318
の実施時点から所定遅延時間Tdだけ経過するまで待機
し(320)、タイムオーバーとなれば、昇温完了と判
断して上記出湯工程を開始する(228)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鋳鉄用溶湯の製造装置の側面図であ
る。
【図2】図1の装置の正面図である。
【図3】図1の装置の前部平面図である。
【図4】図1の炉体2の略縦断面図である。
【図5】炉内雰囲気変更動作を示すフローチャートであ
る。
【図6】実施例2を示すフローチャートである。
【図7】試験例1の原料の組成及び量と、操業プロセス
とを示す図である。
【図8】試験例1におけるCOガス濃度、酸素ガス濃度
及びNOXガス濃度の変化を示す濃度−時間図である。
【図9】試験例2の原料の組成及び量と、操業プロセス
とを示す図である。
【図10】試験例2におけるCOガス濃度、酸素ガス濃
度及びNOXガス濃度の変化を示す濃度−時間図であ
る。
【図11】試験例3の原料の組成及び量と、操業プロセ
スとを示す図である。
【図12】試験例3におけるCOガス濃度及びNOXガ
ス濃度の変化を示す濃度−時間図である。
【図13】試験例4の原料の組成及び量と、操業プロセ
スとを示す図である。
【図14】試験例4におけるCOガス濃度及びNOXガ
ス濃度の変化を示す濃度−時間図である。
【図15】実施例3を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2は炉体、7はCOガスセンサ(濃度検出手段)、8は
制御盤(炉内雰囲気変更時点設定手段、流量比率変更手
段、記憶手段、基準値決定手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 591181089 株式会社ナニワ炉機研究所 大阪府八尾市上尾町5丁目1番地の8 (72)発明者 平野 春好 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 平井 秀敏 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 神谷 雄二 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 小林 宏 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 白川 博一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 木崎 勉 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 岡田 裕二 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 竹内 康夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 鶴岡 洋幸 東京都江東区東雲1丁目9番1号 テイサ ン株式会社本社分室内 (72)発明者 鳥海 誠 東京都江東区東雲1丁目9番1号 テイサ ン株式会社本社分室内 (72)発明者 高羽 年 名古屋市中区正木4丁目8番7号(れんが 橋ビル4F) テイサン株式会社中部事業 所内 (72)発明者 田中 博之 名古屋市中区正木4丁目8番7号(れんが 橋ビル4F) テイサン株式会社中部事業 所内 (72)発明者 滝本 豊 東京都江東区東雲1丁目9番1号 テイサ ン株式会社本社分室内 (72)発明者 村田 博敏 大阪府八尾市上尾町5丁目1番地の8 株 式会社ナニワ炉機研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】略水平に保持された円筒状の炉体を軸心を
    中心として回転させつつ前端側から炉内に燃料及び酸素
    ガスを吹き込んで前記燃料を燃焼させるとともに後端開
    口から燃焼ガスを排気して原料を溶融する溶融工程と、
    その後、前記炉体の回転及び前記燃焼を持続しつつ溶湯
    を昇温する昇温工程と、その後、前記炉体から前記溶湯
    を出湯する出湯工程とを備え、 前記溶融工程よりも前記昇温工程において前記炉体の回
    転速度を増大させることを特徴とする回転溶融炉の制御
    方法。
  2. 【請求項2】前記溶融工程の初期よりも前記溶融工程の
    終期において前記回転速度を増大させる請求項1記載の
    回転溶融炉の制御方法。
  3. 【請求項3】前記両工程の切り換えは、前記溶融工程開
    始から所定時間経過後、実施される請求項1記載の回転
    溶融炉の制御方法。
  4. 【請求項4】前記燃焼ガス中の所定のガス成分の濃度を
    検出し、前記ガス成分の濃度変化に基づいて前記両工程
    の切り換えを実施する請求項1記載の回転溶融炉の制御
    方法。
JP9134894A 1994-04-28 1994-04-28 回転溶融炉の制御方法 Pending JPH07294148A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5887670A (en) * 1996-05-16 1999-03-30 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Vehicle power transmitting system having devices for electrically and mechanically disconnecting power source and vehicle drive wheel upon selection of neutral state
US5923093A (en) * 1996-07-02 1999-07-13 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Hybrid vehicle drive system adapted to assure smooth brake application by motor/generator or engine
JP2006275335A (ja) * 2005-03-28 2006-10-12 Osaka Gas Co Ltd 溶解炉用のバーナ及び溶解炉
CN102798287A (zh) * 2012-08-13 2012-11-28 中国有色(沈阳)冶金机械有限公司 一种焙烧短窑

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