JPH0729366Y2

JPH0729366Y2 - 微粉炭三段燃焼装置

Info

Publication number: JPH0729366Y2
Application number: JP1987084876U
Authority: JP
Inventors: 善利関口; 邦夫佐々木; 英雄下谷
Original assignee: Hitachi Zosen Corp
Current assignee: Hitachi Zosen Corp
Priority date: 1987-05-29
Filing date: 1987-05-29
Publication date: 1995-07-05
Anticipated expiration: 2002-05-29
Also published as: JPS63197909U

Description

【考案の詳細な説明】産業上の利用分野この考案は、一次燃料を燃焼させるための微粉炭バーナ
とNOx還元用の二次燃料供給ノズルとを備えた微粉炭三
段燃焼装置の改良に関する。

従来技術およびその問題点従来の微粉炭三段燃焼装置では、第６図に示すように、
石炭をミル（51）で粉砕して得た微粉炭を、その一部は
火炉（52）の微粉炭バーナ（53）に一次燃料として気送
用空気で供給し、残部は配管途中の分岐管によって二次
燃料ノズル（54）に供給していた。

しかし、この構造の燃料装置を用いた場合、微粉炭の未
燃分が多くて燃焼効率が充分でなく、またNOx発生の抑
制効果も満足のいくものではなかった。

この考案は、上記の如き実情に鑑み、燃焼効率を大幅に
向上させ、かつNOxの発生も効率よく抑制することので
きる微粉炭三段燃焼装置を提供することを目的とする。

問題点の解決手段この考案による微粉炭三段燃焼装置は、一次燃料を燃焼
させるための微粉炭バーナ（３）とNOx還元用の二次燃
料供給ノズル（４）とを備えた微粉炭三段燃焼装置であ
って、微粉炭バーナ（３）の一次燃料供給筒（９）の後
流端に微分炭分級用の旋回室（11）が設けられ、同室
（11）の入口（11a）に微粉炭流れ方向調整用の角度可
変案内羽根（12）が設けられ、微粉炭旋回室（11）の中
心部（11b）に、粒度の小さい分級部分よりなる二次燃
料の抜き出し口（13）が設けられて、同口（13）から二
次燃料供給ノズル（４）へ二次燃料供給管（14）が配設
されていることを特徴とするものである。

この考案の好適な実施モードにおいては、二次燃料供給
管（14）に二次燃料流量調整用のダンパ（15）が設けら
れて、旋回室（11）と一次燃料供給筒（９）の間に、先
細りコーン状の整流用の絞り部（16）が設けられてい
る。

微粉炭三段燃焼は、一次燃料を過剰の空気で高温酸化雰
囲気で燃焼して一次燃焼ゾーンを形成し、同ゾーンの後
流側に二次燃料を供給して上記空気の余剰分で還元雰囲
気で燃焼して二次燃焼ゾーンを形成し、同ゾーンの後流
側にさらに空気を供給して二次燃料の未燃分を低温酸化
雰囲気で緩慢に燃焼して三次燃焼ゾーンを形成するもの
である。

実施例つぎに、この考案の実施例について図面を基に具体的に
説明する。

第１図〜第３図において、この考案による微粉炭三段燃
焼装置は、石炭をミル（１）で粉砕して得た微粉炭を、
一次燃料として火炉（２）の微粉炭バーナ（３）に気送
用空気で供給し、同バーナ（３）に二次空気を供給し、
微粉炭バーナ（３）から二次燃料供給ノズル（４）に二
次燃料を供給するように構成されたものである。火炉
（２）の前壁（６）において二次燃料供給ノズル（４）
の上方には空気供給ノズル（21）が設けられている。

微粉炭バーナ（３）は、第１図および第２図に示すよう
に、軸心部の着火用油バーナ筒（７）と、これの外側の
油バーナ用空気供給筒（８）と、これの外側の一次燃料
供給筒（９）と、これの外側の二次空気供給筒（10）と
が同心状に設けられて構成されたものである。そしてこ
の構成の微粉炭バーナ（３）が、火炉（２）の前壁
（６）に炉内向きに設けられている。

一次燃料供給筒（９）の後流端には、同筒（９）より径
大の微粉炭旋回室（11）が設けられ、同室（11）の入口
（11a）には、微粉炭流れ方向調整用の角度可変案内羽
根（12）が設けられている。また微粉炭旋回室（11）の
中心部（11b）には、空気供給筒（８）の外側にこれと
同心状に二次燃料抜き出し口（13）が設けられている。
そして同口（13）から二次燃料供給ノズル（４）へ二次
燃料供給管（14）が配設され、同管（14）の途中には二
次燃料流量調整用のダンパ（15）が内装されている。旋
回室（11）と一次燃料供給筒（９）の間には、先細りコ
ーン状の整流用の絞り部（16）が設けられている。

二次空気供給筒（10）の後流端には風箱（17）が設けら
れ、一次空気供給筒（８）および二次空気供給筒（10）
にはそれぞれ旋回翼（18）（19）が設けられている。ま
た火炉（２）の内面には受熱用の水管（20）が配設され
ている。

上記構成の燃焼装置において、ミル（１）から気送用空
気で旋回室（11）へ送られて来た微粉炭は、その流れ方
向に対して角度（θ）で傾斜する案内羽根（12）によっ
て旋回室（11）内へ旋回方向に案内され、同室（11）内
で旋回させられる。微粉炭の旋回の結果、その遠心力に
よって、供給された微粉炭のうち粒度の大きい部分は、
旋回室（11）の外周部に集められ、そこから一次燃料供
給筒（９）を経て、未燃分の発生量の少ない一次燃焼ゾ
ーンへ供給される。他方、粒度の小さい部分は、旋回室
（11）の中心部から燃料抜き出し口（13）に入り、そこ
から二次燃料供給管（14）を経て、未燃分の発生量が多
い二次燃焼ゾーンへ供給される。こうして微粉炭はその
旋回による遠心力で粒度の異なる２つの部分に分割され
て、各部分が別々のバーナに供給される。

また、微粉炭流入方向に対する案内羽根（12）の傾斜角
度（θ）を変えると、微粉炭の旋回による遠心力を調整
することができる。したがって、たとえば比較的燃料比
が大きくて着火性が悪い石炭や、窒素分の含有率が高く
てNOxが発生し易い石炭を使用する場合には、案内羽根
（12）の傾斜角度（θ）を大きくとる。その結果、旋回
速度が高速化して遠心力が増大し、二次燃料は粒度の小
さいものとなる。したがって、火炉（２）内に形成され
る二次燃焼ゾーンにおいて、二次燃料の燃焼を早く完結
させることができ、燃焼効率の低下および燃焼後の未燃
分の増加を抑制し、また還元物質の発生量を増大させ
て、一次燃焼ゾーンで発生したNOxを効果的に還元させ
ることができる。

他方、旋回室（11）における微粉炭の旋回速度を高速化
すると、微粉炭の大部分は旋回室（11）の外周部に集ま
って一次燃料として微粉炭バーナ（３）の開口部へ送ら
れてしまい、二次燃料の流量が少なくなって、NOxの発
生抑制効果が低下する。そこで、これを防ぐために、二
次燃料供給管（14）のダンパ（15）によって、二次燃料
の流量が調整できるようになされている。

また旋回室（11）と一次燃料供給筒（９）の間に設けら
れた絞り部（16）は、一次燃料の流れを整流して、これ
を火炉（２）内に均一に分散状に供給させ、燃焼性を向
上させる役目を果たす。

試験つぎに、この考案による装置を用いて微粉炭三段燃焼を
行ない、燃焼の負荷と、灰分中に含まれる未燃分および
NOx発生量との関係を求める試験（試験１）、ならびに
燃料比と未燃分の関係を求める試験（試験２）を行なっ
た。

試験１この試験において、炭種はオプチマム炭（Ａ炭）、燃焼
量は2t/h（100％負荷）、総空気比は1.25、一次空気比
は0.65、二次燃料比は30％とした。またこの条件と同じ
条件で、本書冒頭で説明した従来技術による試験も行な
った。この試験の結果を第４図に示す。同図から明らか
なように、この考案による場合、従来技術による場合に
比べて、イグニッションロスが少なく（すなわち灰分中
の未燃分が低く）、かつNOxの発生量が少ない。

試験２この試験において、炭種としてＡ炭、Ｂ炭およびＣ炭を
用い、燃焼量は2t/h、総空気比は1.25、一次空気比は0.
65、二次燃料比は30％とした。またこの条件と同じ条件
で、本書冒頭で説明した従来技術による試験も行なっ
た。この試験の結果を第５図に示す。同図から明らかな
ように、この考案による場合、従来技術による場合に比
べて、イグニッションロスが少ない（すなわち灰分中の
未燃分が低い）。

考案の効果この考案の微粉炭三段燃焼装置によれば、微粉炭を旋回
室内で旋回させることにより粒度の異なる２つの部分に
分割して、粒度の大きい部分を未燃分の発生量の少ない
一次燃焼ゾーンへ供給し、粒度の小さい部分を未燃分の
発生量の多い二次燃焼ゾーンへ供給することができる。
したがって本書冒頭で述べた従来技術に比べて、燃焼効
率を大幅に向上させることができる。

また二次燃焼ゾーンでは、粒度の小さい微粉炭が多く供
給される結果、微粉炭の熱分解速度および燃焼速度が速
まり、強い還元雰囲気が形成されて、NOxの発生が効率
よく抑制せられる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示す微粉炭三段燃焼装置の
要部の垂直縦断面図、第２図は第１図中のII−II線に沿
う断面図、第３図はこの考案の装置を用いるフローシー
ト、第４図は試験１の結果を示す負荷とイグニッション
ロスおよびNOxとの関係のグラフ、第５図は試験２の結
果を示す燃料比とイグニッションロスの関係のグラフ、
第６図は従来技術を示すフローシートである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献特開昭58−164910（ＪＰ，Ａ) 特開昭61−285306（ＪＰ，Ａ) 実開昭61−192113（ＪＰ，Ｕ)

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】一次燃料を燃焼させるための微粉炭バーナ
（３）とNOx還元用の二次燃料供給ノズル（４）とを備
えた微粉炭三段燃焼装置であって、微粉炭バーナ（３）
の一次燃料供給筒（９）の後流端に微粉炭分級用の旋回
室（11）が設けられ、同室（11）の入口（11a）に微粉
炭流れ方向調整用の角度可変案内羽根（12）が設けら
れ、微粉炭旋回室（11）の中心部（11b）に、粒度の小
さい分級部分よりなる二次燃料の抜き出し口（13）が設
けられて、同口（13）から二次燃料供給ノズル（４）へ
二次燃料供給管（14）が配設されていることを特徴とす
る、微粉炭三段燃焼装置。
【請求項２】二次燃料供給管（14）に二次燃料流量調整
用のダンパ（15）が設けられている、実用新案登録請求
の範囲第１項記載の装置。
【請求項３】旋回室（11）と一次燃料供給筒（９）の間
に、先細りコーン状の整流用の絞り部（16）が設けられ
ている、実用新案登録請求の範囲第１または第２項記載
の装置。