JPH07291399A - タンクローリ車の荷卸し非常停止方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 配送先の貯蔵タンク内の油類が満杯になると
タンクローリ車の荷卸し非常停止方法を提供する。 【構成】 タンクローリ車１に運行管理装置６および受
信機１ｆを搭載し、運行管理装置６に受信機１ｆの受信
信号が出力されるとタンクローリ車１の貯蔵室１ａに接
続される開閉弁１ｄを非常閉止するように構成されてい
る。一方、配送先の貯蔵タンク３のマンホール蓋８には
超音波式検出センサ９ｂと送信アンテナ９ｃを持つ送信
機９ｄとを有する液面レベル検出装置９が取り付けられ
ており、超音波式検出センサ９ｂが貯蔵タンク内の液面
の満杯位置を検出すると、所定周波数の出力信号を送信
機９ｄから送信するように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ガソリン、軽油、灯油
等の液体燃料や、複数種の化学薬品を製造プラント近く
の貯蔵所の貯蔵タンクからタンクローリ車を使用してガ
ソリンスタンド、あるいは顧客の貯蔵タンクに配送する
際に、貯蔵タンクの満杯を検出して液体の荷卸しを停止
するように構成したタンクローリ車の荷卸し非常停止方
法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ガソリン、軽油、灯油等の異種燃
料や、複数種の化学薬品（以下、液体という）を製造プ
ラント近くの貯蔵所の貯蔵タンクからガソリンスタン
ド、あるいは顧客の貯蔵タンクに配送する際に、仕切り
壁で仕切られた複数の貯蔵室を持つタンクを備えたタン
クローリ車が使用され、希望の配送先に複数種類の液体
が配送されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、タンクロー
リ車からガソリンスタンドあるいは配送先の貯蔵タンク
に液体の荷卸しを行う際に、荷卸しの途中で貯蔵タンク
内の液体が満杯となることがあるが、これを検出する装
置がタンクローリ車に搭載されてないのが実情であっ
た。そのため、荷卸し作業中の作業者が貯蔵タンク内の
液体の液面を監視してこれが満杯位置に達すると、これ
を運転手に知らせて、運転手が開閉弁を緊急閉止して液
体の荷卸しを中止しているが、作業者の不注意により液
体が貯蔵タンクから溢れ出る等の不具合が発生してい
る。

【０００４】本発明は、上記欠点の除去を目的として発
明されたもので、配送先の貯蔵タンク内の液体が満杯に
なるとこれを検出して無線でタンクローリ車側に知らせ
て荷卸しの非常停止を行うタンクローリ車の荷卸し非常
停止方法を提供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】液体が積み込まれた貯蔵
室に設けられた液体積込み用のハッチと貯蔵室に開閉弁
を介して接続された供給ホースとを持つタンクローリ車
に、その運転状況を検出してこれを運行記録カードに記
憶させる制御部を備えた運行管理装置と、受信アンテナ
を持つ受信機とが搭載されている。

【０００６】一方、液体の貯蔵タンクのマンホール蓋に
は、電源装置に接続された液面レベル検出装置と、この
液面レベル検出装置の満杯検出時に所定周波数の出力信
号を送信アンテナから送信する送信機とが防爆構造とし
て取り付けられており、前記貯蔵タンクの注入口に供給
ホースを接続してタンク内の液体を貯蔵タンクに荷卸し
する際に満杯検出時に送信機から送信される出力信号を
受信機により受信してこの受信信号が運行管理装置に出
力されると、運行管理装置から供給ホースに設けられた
開閉弁の閉止指令信号を出力し、液体の供給を停止する
ように構成されている。

【０００７】また、前記マンホール蓋を配送先の貯蔵タ
ンクのマンホールに合致する形状としてタンクローリ車
に取り外し可能に搭載してもよく、液体荷卸し時に配送
先の貯蔵タンクのマンホール蓋と置き換えれば、同様に
貯蔵タンク内の液体が溢れ出るのを防止することができ
る。

【０００８】

【作 用】前記タンクローリ車では、運行管理装置に運
行記録カードが挿入された後、液体の荷卸し作業が行わ
れる。この時、タンクローリ車の供給ホースが配送先の
貯蔵タンクの注入口に接続され、荷卸し予定の液体が配
送先の貯蔵タンクに荷卸しされる。これにともない、貯
蔵タンク内の液面が上昇し、この液面が液面レベル検出
装置により検出され、送信機から一定の周波数の出力信
号が送信される。この出力信号はタンクローリ車に搭載
された受信機で受信されて運行管理装置に出力される
が、開閉弁の閉止信号は出力されない。

【０００９】その後、貯蔵タンク内の液面が上昇して満
杯位置に達すると、満杯検出信号が送信機に出力され、
送信機はそれまでとは異なる所定周波数の出力信号を送
信アンテナからタンクローリ車に出力する。そのため、
この出力信号がタンクローリ車に搭載された受信機によ
り受信されて、受信機の受信信号が運行管理装置に出力
される。運行管理装置は、前記受信信号を受信すると、
タンクローリ車の貯蔵室に接続される開閉弁の非常閉止
信号を出力し、液体の荷卸しを即座に停止することがで
きる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図１および図２において、１はタンクローリ車であ
り、液体の一例のガソリン、軽油、灯油等油類をそれぞ
れ貯蔵タンク（図示せず）で貯蔵する貯蔵所と、これら
油類を地下の貯蔵タンク３に貯蔵するガソリンステーシ
ョンとの間を往復して複数種類の油類を一度に配送する
異種液体配送システムを構成している。

【００１１】前記貯蔵所の各貯蔵タンクにはそれぞれ内
部の油類を外部に取出すローディングアーム（以下、ア
ームという。図示せず）が接続されており、このアーム
の一端は貯蔵タンクに接近して停止するタンクローリ車
１の上方に位置可能に取付けられている。また、前記貯
蔵タンクには内部の油類の油種データが記憶された油種
メモリカード（以下、油種カードという。図示せず）を
一枚毎取り出すカード取出部（図示せず）が設置されて
おり、この油種カードが後記するタンクローリ車１の各
貯蔵室１ａ毎に例えば後記するハッチ１ｂに設置された
ハッチ用カードリーダ２に挿入されて保管されるように
構成されている。また、前記油種カードは油類の荷卸し
時に後記するホース用カードリーダ（以下、ホースリー
ダという）５により、貯蔵タンク３の注入口３ａに吊り
下げられたタンク種メモリカード４（以下、タンク種カ
ードという）と照合されるように構成されている。

【００１２】前記タンクローリ車１は各油類が混ざらな
いように仕切り壁で仕切られた複数の貯蔵室１ａを持っ
ており、各貯蔵室１ａにはそれぞれ上部に位置して前記
アームが接続可能なハッチ１ｂが、また貯蔵室１ａの下
部にはそれぞれ開閉弁１ｄを介して前記ガソリンステー
ションの貯蔵タンク３の注入口３ａに接続可能な供給ホ
ース１ｃが取り付けられている。前記ハッチ１ｂにはそ
れぞれアームの一端が接続されると開閉可能な開閉弁
（図示せず）が設けられており、作業者が手動でこれを
開閉するように構成されている。また、前記供給ホース
１ｃの一端には、前記油種カードが挿入される検出部を
なす第１コネクタ部（図示せず）およびタンク種カード
４が挿入される第２コネクタ部（図示せず）を持つホー
スリーダ５が設けられており、このホースリーダ５は油
種カードに記憶された油種データとタンク種カード４に
記憶された貯蔵油種データとをカードリーダインタフェ
イス５ａを介して後記する運行管理装置６に出力するよ
うに構成されている。

【００１３】さらに、前記タンクローリ車１の運転席に
はその運転状況を管理する運行管理装置６が設置されて
おり、この運行管理装置６は各種データを記録する運行
記録カード６ａ（以下、運行カードという）、走行セン
サ、エンジン回転センサ等の各種検出センサ７からその
運転状況を検出してこれを運行カード６ａに記憶させる
とともに運行カード６ａに記憶された各種情報を表示部
６ｂで表示させる制御部６ｃ、各種情報あるいは油種選
択信号を入力する入力部６ｄおよびこれら情報を一時記
憶する記憶部６ｅを有している。前記制御部６ｃは、割
り込み指令によりタンクローリ車１の運転状況を検出す
る各種検出センサ７からセンサインタフェイス７ａを介
して出力される各種データを処理するとともに、都度油
種カードとタンク種カード４とを照合して貯蔵室１ａへ
の油類の積込み、荷卸し作業を制御するように構成され
ている。

【００１４】一方、前記油類が配送されるガソリンステ
ーションの配送先の貯蔵タンク３には、マンホール蓋８
が設置されており、このマンホール蓋８には防爆構造の
液面レベル検出装置９が取付けられている。この液面レ
ベル検出装置９は、電源部９ａからパワー供給を受けて
作動する液面検出センサの一例の超音波式液面検出セン
サ９ｂと、前記電源部９ａからパワー供給を受けて送信
アンテナ９ｃから異なる２種類の周波数の出力信号を送
信する送信機９ｄとからなっている。また、前記超音波
式液面検出センサ９ｂは超音波を送信してこれが貯蔵タ
ンク３内の油類の液面に反射してこれを受信するまでの
時間から液面までの距離を検出し、この距離が所定値以
下となると、満杯検出信号を送信機９ｄに出力するよう
に構成されている。さらに、前記送信機９ｄは超音波式
液面検出センサ９ｂの満杯検出信号を受信するまでは一
定の周波数の出力信号をタンクローリ車１に送信する一
方で、満杯検出信号を受信すると、それまでとは異なる
所定周波数の出力信号をタンクローリ車１に送信するよ
うに構成されている。尚、前記送信機９ｄは液面までの
距離に応じた周波数を送信するようにしてもよい。この
場合、運行管理装置６は油類の荷卸しにともなう液面上
昇を検出でき、荷卸しを開始してから液面の上昇が見ら
れない時には荷卸しの異常を検出することができる。

【００１５】上記タンクローリ車では、貯蔵所の貯蔵タ
ンクから各貯蔵室１ａに所望油類が積み込まれると、運
行管理装置６の表示部６ｂで積込み完了表示がなされる
とともに、各貯蔵タンク内の油類の種類を記憶する油種
カードが各貯蔵室１ａごとに保管される。前記運行管理
装置６は各種検出センサ７からの情報を所定割り込み時
間間隔で読み込み、これら情報が運行カード６ａに記憶
される。

【００１６】一方、前記タンクローリ車１が配送先のガ
ソリンステーションに到着し、作業者が運行管理装置６
の入力部６ｄの荷卸し開始スイッチ（図示せず）を押す
と、荷卸し開始信号が出力され、各種検出センサ７から
の情報の読み込みが停止される。これにともなって、配
送予定の油種が表示部６ｂで表示される。作業者は、配
送先の貯蔵タンク３の注入口３ａにタンクローリ車１の
供給ホース１ｃを接続した後、入力部６ｄから油種選択
信号を入力してこの表示部６ｂで任意の油種を選択する
とともに、希望の油類が貯蔵される貯蔵室用の油種カー
ドと配送先の貯蔵タンク３の注入口３ａに吊り下げられ
たタンク種カード４とをホースリーダ５で照合する。こ
れらの油種が一致するときには、これが作業者に知らさ
れ、作業者は油種カードに対応する貯蔵室１ａに接続さ
れた開閉弁１ｄを開放し、貯蔵室１ａ内の油類をガソリ
ンステーションの貯蔵タンク３に供給してこの油類の荷
卸しを行うことができる。

【００１７】この時、配送先の貯蔵タンク３内の油類の
液面が上昇するが、液面レベル検出装置９の超音波式検
出センサ９ｂから超音波が発信され、液面までの距離が
検出される。この距離が所定距離よりも長く、満杯検出
信号が出力されない時には、送信機９ｄから一定の周波
数の出力信号が送信アンテナ９ｃからタンクローリ車１
に送信される。

【００１８】その後、前記超音波式液面検出センサ９ｂ
により検出される液面までの距離が所定距離よりも短く
なると、超音波式液面検出センサ９ｂから満杯検出信号
が送信機９ｄに出力される。そのため、送信機９ｄはそ
れまでとは異なる所定周波数の出力信号を送信アンテナ
９ｃからタンクローリ車１に送信する。

【００１９】前記タンクローリ車１は受信アンテナ１ｅ
により送信機１ｄの出力信号を受信し、これを運行管理
装置６に出力する。この受信信号の周波数により、満杯
検出信号時の受信信号が検出され、開閉弁１ｄの非常閉
止信号が発信され、開閉弁１ｄを閉じて、油類の荷卸し
を中止することができる。

【００２０】尚、実施例では、液面レベル検出装置９が
取り付けられたマンホール蓋８は配送先の貯蔵タンク３
に設置されているが、このマンホール蓋８をタンクロー
リ車１に取り外し可能に搭載してもよい。この場合、マ
ンホール蓋８は配送先の貯蔵タンクのマンホール（図示
せず）に合致する形状をなしており、しかも液面レベル
検出装置９の電源装置９ちは充電式の電池で構成され、
タンクローリ車１に液面レベル検出装置９が搭載されて
いる時に、タンクローリ車１のバッテリー（図示せず）
から充填されるように構成されている。このマンホール
蓋８を用いて、油類を荷卸しする際には、このマンホー
ル蓋８をタンクローリ車１から取り外して、配送先の貯
蔵タンク３のマンホール用の蓋（図示せず）と置き換え
て、油類の荷卸しを開始すれば、貯蔵タンク３内の満杯
が検出可能となり、油類が貯蔵タンク３から溢れ出るの
を防止することができる。

【００２１】また、タンクローリ車１の油類の供給経路
に流量センサ（図示せず）を付設し、荷卸し量、貯蔵室
１ａ内の油類の残量を検出するように構成してもよい。
この場合、流量センサの流量信号が計測されても、液面
レベル検出装置９が液面の上昇を検出しない時は、マン
ホール蓋８の設置間違いを検出して即座に油類の供給を
停止することができる。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明はタンクロ
ーリ車にその運行状況を管理する運行管理装置と受信ア
ンテナを持つ受信機とを搭載し、運行管理装置に受信機
から受信信号が出力されるとタンクローリ車の貯蔵室に
接続される開閉弁を非常閉止するように構成する一方、
配送先の貯蔵タンクのマンホール蓋に液面検出センサと
送信アンテナを持つ送信機とを有する液面レベル検出装
置を取付け、液面検出センサが貯蔵タンク内の液面の満
杯位置を検出すると、所定周波数の出力信号を送信機か
らタククローリ車に送信するように構成しているため、
液体荷卸し中に貯蔵タンク内の液面が上昇して貯蔵タン
クの満杯が検出されると、自動的にタンクローリ車の貯
蔵室に接続される開閉弁を閉止することができ、タンク
ローリ車から液体の荷卸しを行う際に、液体が溢れ出す
ようなことは皆無となる等の利点がある。また、本発明
は液面レベル検出装置を取付けたマンホール蓋を配送先
の貯蔵タンクのマンホールに合致する形状とするととも
に、これをタンクローリ車に取り外し可能に搭載してい
るため、配送先の貯蔵タンクには特別の設備を施す必要
がなく、配送先に費用負担をかけることなく貯蔵タンク
からの液体が溢れ出るのを防止することができる等の利
点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る異種液体配送システムの要部概略
説明図である。

【図２】本発明の全体構成を示すブロック図である。

【符号の説明】

１ タンクローリ車 １ａ 貯蔵室 １ｂ ハッチ １ｃ 供給ホース １ｄ 開閉弁 １ｅ 受信アンテナ １ｆ 受信機 ２ ハッチ用カードリーダ ３ 地下の貯蔵タンク ３ａ 注入口 ４ タンク種メモリカード ５ ホース用カードリーダ ５ａ カードリーダインタフェイス ６ 運行管理装置 ６ａ 運行記録カード ６ｂ 表示部 ６ｃ 制御部 ６ｄ 入力部 ６ｅ 記憶部 ７ 検出センサ ７ａ センサインタフェイス ８ マンホール蓋 ９ 液面レベル検出装置 ９ａ 電源部 ９ｂ 超音波式検出センサ ９ｃ 送信アンテナ ９ｄ 送信機

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 液体が積み込まれた貯蔵室に設けられた
   液体積込み用のハッチと貯蔵室に開閉弁を介して接続さ
   れた供給ホースとを持つタンクローリ車に、その運転状
   況を検出してこれを運行記録カードに記憶させる制御部
   を備えた運行管理装置と受信アンテナを持つ受信機とを
   搭載する一方、 液体の貯蔵タンクのマンホール蓋に電源装置に接続され
   た液面レベル検出装置とこの液面レベル検出装置の満杯
   検出時に所定周波数の出力信号を送信アンテナから送信
   する送信機を防爆構造として取り付けるとともに、 前記貯蔵タンクの注入口に供給ホースを接続してタンク
   内の液体を貯蔵タンクに荷卸しする際に、満杯検出時に
   送信機から送信される出力信号を受信機により受信し、
   この受信信号が運行管理装置に出力されると、運行管理
   装置から供給ホースに設けられた開閉弁の閉止指令信号
   を出力し、液体の供給を停止することを特徴とするタン
   クローリ車の荷卸し非常停止方法。
2. 【請求項２】 液体が積み込まれた貯蔵室に設けられた
   液体積込み用のハッチと貯蔵室に開閉弁を介して接続さ
   れた供給ホースとを持つタンクローリ車に、その運転状
   況を検出してこれを運行記録カードに記憶させる制御部
   を備えた運行管理装置と受信アンテナを持つ受信機とを
   搭載する一方、 前記タンクローリ車に液体の貯蔵タンクのマンホールに
   合致するマンホール蓋を取り外し可能に搭載し、このマ
   ンホール蓋に電源装置に接続された液面レベル検出装置
   とこの液面レベル検出装置の満杯検出時に所定周波数の
   出力信号を送信アンテナから送信する送信機を防爆構造
   として取り付けるとともに、 前記貯蔵タンクの注入口に供給ホースを接続してタンク
   内の液体を貯蔵タンクに荷卸しする際に、満杯検出時に
   送信機から送信される出力信号を受信機により受信し、
   この受信信号が運行管理装置に出力されると、運行管理
   装置から供給ホースに設けられた開閉弁の閉止指令信号
   を出力し、液体の供給を停止することを特徴とするタン
   クローリ車の荷卸し非常停止方法。