JPH0729034A - 影付け処理装置および画像生成装置 - Google Patents

影付け処理装置および画像生成装置

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JPH0729034A
JPH0729034A JP17059293A JP17059293A JPH0729034A JP H0729034 A JPH0729034 A JP H0729034A JP 17059293 A JP17059293 A JP 17059293A JP 17059293 A JP17059293 A JP 17059293A JP H0729034 A JPH0729034 A JP H0729034A
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JP
Japan
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polyhedron
light source
shadow
illuminance
target point
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JP17059293A
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Inventor
Hiroshi Komazaki
弘 駒崎
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】正確な影を求め、より写実的な画像生成を可能
とする影付け処理を行う。 【構成】交差領域判定部1は、線光源データおよびデー
タベース3に格納された多面体の形状データに基づい
て、線光源から対象点に向かう光が前記多面体と交差す
る領域を求める。影照度計算部2は、交差領域判定部1
で求められた交差領域の情報と前記多面体の影を考慮し
ない場合の前記対象点の照度の情報に基づいて前記多面
体により遮られない前記線光源の光の割合に応じた前記
対象点の照度を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばコンピュータグ
ラフィックスにおける画像生成および画像表示に関する
技術の分野に係り、特に三次元空間に存在する物体が線
光源によって照射されたときに形成される影の画像を正
しく求めるための影付け処理装置および画像生成装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータグラフィックス(以
下、「CG」と称する)等を用いて正確で且つ写実的な
画像生成および画像表示が要求されるようになってき
た。線光源とは、理論上、一本の(数学的な)線分から
なる光源であり、CGにおいては蛍光灯(特に、真っ直
ぐな蛍光灯、いわゆる直管)からなる光源を表現するた
めにしばしば用いられる。しかし、平行光線や点光源と
異なり、線光源は大きさを有する光源であるため、物体
上のある点から線光源を眺めた場合を考えると次の3つ
の状態が存在する。
【0003】(1) 線光源が全く見えない状態 (2) 線光源の一部が見える状態 (3) 線光源の全部が見える状態 前記(1) の状態の場合、前記物体上のある点は線光源に
よって作られた本影(umbra)の中にあるといい、前記(2)
の状態の場合、その点は線光源によって作られた半影
(penumbra)の中にあるという。そして、前記(3) の場合
は、その点は影の中にはなく、単に上記光源によって照
らされている点である。したがって、線光源による影を
求める場合、前記(2) の状態に該当する半影をどのよう
に求めるかがポイントとなる。
【0004】従来、上述のような線光源による影を求め
る方法には、例えば「3次元コンピュータグラフィック
ス」(中前栄八郎・西田友是共著、昭和61年、昭晃
堂)に記載された手法がある。この手法では、光源と影
を落とす物体と影を落とされる物体の各頂点との位置関
係から、まず半影の領域を求め、それら半影の共通領域
として本影の領域を求める。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の方法を
用いて線光源による影を求める場合、画像を生成する前
に、空間の全ての物体に対して、それらの物体の位置関
係を把握し、影を落とす物体と影が落とされる物体とを
判定して影の領域を求めなければならず、しかも、その
ようにして求められる影の領域を予め記憶しておかなけ
ればならなかった。更に、影の領域を半影の領域にのみ
分けているので、あまり正確な影を求めることはできな
かった。
【0006】そこで、本発明は、画像の生成時に影を求
める点の座標と、その点における線光源の影の影響を無
視した照度に基づき、線光源による影の影響を考慮した
照度を求めて、正確な影を求めることを可能とし、より
写実的な画像生成を可能とする影付け処理装置および画
像生成装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために、画像の生成時に影を求める点の座標と、
その点における線光源の影の影響を無視した照度から、
線光源による影の影響を考慮した照度を求めるようにし
て、事前の処理を省略または簡素化し、更に正確な影を
求めることにより、一層写実的な画像生成を可能とする
影付け処理装置および画像生成装置として下記のように
構成した。
【0008】図1は、本発明の基本となる第1の原理に
よる影付け処理装置の原理的構成図である。図1に示す
影付け処理装置は、交差領域判定部1、影照度計算部2
およびデータベース3を有している。交差領域判定部1
は、線光源データおよびデータベース3に格納された多
面体の形状データに基づいて、線光源から対象点に向か
う光が前記多面体と交差する領域を求める。影照度計算
部2は、交差領域判定部1で求められた交差領域の情報
と前記多面体の影を考慮しない場合の前記対象点の照度
の情報に基づいて前記多面体により遮られない前記線光
源の光の割合に応じた前記対象点の照度を求める。デー
タベース3は、多面体の形状データを格納する記憶装置
であり、例えば半導体メモリ、ハードディスク装置等を
用いて構成する。
【0009】このような影付け処理装置を用いた画像生
成装置は、前記影付け処理装置を構成する構成交差領域
判定部1、影照度計算部2およびデータベース3に加え
て、多面体の形状データに基づいて前記多面体の画像デ
ータを形成するための多面体画像生成手段、線光源デー
タに基づいて前記多面体の影を考慮しない場合の対象点
の照度を求めるための照度計算手段、および照度ならび
に前記線光源データに基づいて前記多面体に関わる前記
線光源による影情報を生成する影情報生成手段を設けて
構成する。この画像生成装置では、前記照度計算手段で
得られる前記多面体を考慮しない場合の前記対象点の照
度の情報を影照度計算部2に与え、前記照度計算手段お
よび影照度計算部2で得られる照度ならびに前記線光源
データを前記影情報生成手段に与える。
【0010】前記画像生成装置における多面体画像生成
手段は、バッファ手段と隠面消去処理手段とを設けて、
いわゆるZバッファ隠面消去法による隠面消去を行う構
成としてもよい。バッファ手段は、いわゆるZバッファ
であり、多面体画像データのピクセルの視線方向につい
ての位置に応じた情報(視点からの奥行き情報)である
Z値を格納する。隠面消去処理手段は、前記多面体画像
データのピクセルが重複する場合に、前記Z値を比較
し、前記バッファ手段に視点に最も近いピクセルの情報
を格納させることにより隠面消去を行う。
【0011】前記画像生成装置における多面体画像生成
手段は、光線追跡処理手段を設けて、いわゆる光線追跡
法(ray-tracing)による隠面消去を行う構成としてもよ
い。光線追跡処理手段は、多面体画像データに基づき視
点から視線方向に沿う光線追跡処理を行って視点に最も
近い多面体との交点を求めることにより隠面消去を行っ
て多面体画像を生成する。
【0012】図9は、図1の影付け処理を改良した本発
明の第2の原理による影付け処理装置の原理的構成図で
ある。図9に示す影付け処理装置は、図1とほぼ同様の
交差領域判定部1、影照度計算部2およびデータベース
3に加えて、前処理部901、データ格納部902およ
び領域弁別部903を有している。前処理部901は、
データベース3に格納された多面体の形状データに基づ
いて、多面体を包含する単純形状の立体図形からなる包
含図形を設定し、この包含図形のデータを含む多面体の
形状データをデータ格納部902に格納する。領域弁別
部903は、線光源データおよび包含図形のデータに基
づいて、線光源から対象点に向かう光が前記包含図形と
交差しない領域(すなわちこの包含図形と交差しない領
域は当然前記多面体と交差しない)か否かを予め弁別す
る。この場合、交差領域判定部1は、線光源データおよ
び領域弁別部903の弁別の結果得られる前記包含図形
と交差する領域について、線光源から対象点に向かう光
が前記多面体と交差する領域を求める。影照度計算部2
は、交差領域判定部1で求められた交差領域の情報と前
記多面体の影を考慮しない場合の前記対象点の照度の情
報に基づいて前記多面体により遮られない前記線光源の
光の割合に応じた前記対象点の照度を求める。
【0013】前記影付け処理装置における前処理部90
1は、多面体の頂点座標の最大値および最小値を3次元
座標軸の各座標軸について求めこれらの値により境界面
を形成するバウンディングボックスを包含図形として形
成するバウンディングボックス形成手段を含んでいても
よい。さらに、前記影付け処理装置における領域弁別部
903は、線光源と対象点とがなす三角形の頂点座標の
最大値と最小値とを求め、これら三角形の頂点座標の最
大値および最小値とバウンディングボックスの境界面の
座標の最大値および最小値とをそれぞれ比較することに
より、線光源から対象点に向かう光が前記多面体と交差
しない領域を簡易に求めるミニマックステスト処理手段
を含んでいてもよい。
【0014】このような影付け処理装置を用いた画像生
成装置は、前記影付け処理装置を構成する交差領域判定
部1、影照度計算部2、データベース3、前処理部90
1、データ格納部902および領域弁別部903に加え
て、多面体の形状データに基づいて前記多面体の画像デ
ータを形成するための多面体画像生成手段、線光源デー
タに基づいて前記多面体の影を考慮しない場合の対象点
の照度を求めるための照度計算手段、および照度ならび
に前記線光源データに基づいて前記多面体に関わる前記
線光源による影情報を生成する影情報生成手段を設けて
構成する。この画像生成装置では、前記照度計算手段で
得られる前記多面体を考慮しない場合の前記対象点の照
度の情報を影照度計算部2に与え、前記照度計算手段お
よび影照度計算部2で得られる照度ならびに前記線光源
データを前記影情報生成手段に与える。
【0015】前記画像生成装置における多面体画像生成
手段は、バッファ手段と隠面消去処理手段とを設けて、
いわゆるZバッファ隠面消去法による隠面消去を行う構
成としてもよい。バッファ手段は、いわゆるZバッファ
であり、多面体画像データのピクセルの視線方向につい
ての位置に応じた情報であるZ値を格納する。隠面消去
処理手段は、前記多面体画像データのピクセルが重複す
る場合に、前記Z値を比較し、前記バッファ手段に視点
に最も近いピクセルの情報を格納させることにより隠面
消去を行う。
【0016】前記画像生成装置における多面体画像生成
手段は、光線追跡処理手段を設けて、いわゆる光線追跡
法による隠面消去を行う構成としてもよい。光線追跡処
理手段は、多面体画像データに基づき視点から視線方向
に沿う光線追跡処理を行って視点に最も近い多面体との
交点を求めることにより隠面消去を行って多面体画像を
生成する。
【0017】
【作用】本発明による影付け処理装置では、まず第1の
原理では、図1に示すごとく、交差領域判定部1が、影
を求める対象点の座標、データベース3に格納された多
面体の形状データ、および線光源情報を用いて、その対
象点が影になるかどうか、影になるならばどのような状
態の影になるかを判定する。線光源情報としては、線光
源の両端の座標等の情報が必要であるが、これらは多面
体形状データなどと同様に予め用意されているものとす
る。交差領域判定部1は、対象点が影になるかどうか、
影になるならばどのような状態の影になるかを知るた
め、線光源から対象点に向かう光が前記多面体と交差す
る領域を判定し、前記線光源の光が前記多面体により遮
られない部分を調べる。
【0018】次に、影照度計算部2が、交差領域判定部
1で判定された結果と、線光源による影を求める対象点
の照度(影の影響を無視した照度)とから、線光源によ
る影の影響を考慮した対象点の照度を求める。なお、複
数の線光源がある場合には、各線光源毎の対象点の照度
を求め、それらを合成して対象点の照度を得る。
【0019】こうして、対象点についての的確な照度を
算出することができる。また、第2の原理では、図9に
示すごとく、前処理部901では、データベース3に格
納された多面体の形状データに基づき、多面体を包含す
る単純形状の立体図形からなる包含図形を設定し、デー
タ格納部902に格納する。領域弁別部903では、線
光源データおよび包含図形のデータに基づいて、線光源
から対象点に向かう光が前記包含図形と交差しない領域
か否かを予め弁別することにより、明らかに前記多面体
と交差しない領域を予め求めておく。したがって、この
場合の交差領域判定部1は、線光源データおよび領域弁
別部903の弁別の結果得られる前記包含図形の内部に
ついてのみ、線光源から対象点に向かう光が前記多面体
と交差する領域を検証すればよい。
【0020】すなわち、この本発明の第2の原理の場合
の交差領域判定部1における処理は、前記包含図形内部
のみと、検証すべき対象領域が非常に狭くてすむので、
前記多面体と交差する領域の検証に要する処理を非常に
簡略化することができる。このため、上述した本発明の
第1の原理の場合に比して、処理中のデータを格納する
ための記憶容量等は多く必要となるが、全体の処理自体
を簡略化し、高速化することができる。
【0021】
【実施例】
〈実施例1〉以下、本発明に係る影付け処理の第1の原
理に基づく影付け処理装置の一実施例を説明する。図1
に示す影付け処理装置は、交差領域判定部1、影照度計
算部2およびデータベース3を具備している。データベ
ース3は、多面体の形状データを格納する記憶装置であ
り、例えば半導体メモリ、ハードディスク装置等を用い
て構成する。
【0022】交差領域判定部1では、線光源データおよ
びデータベース3に格納された多面体の形状データに基
づき、次のようにして、線光源から対象点に向かう光が
前記多面体と交差する領域を求める。まず、図2のよう
に、影を求める対象点Cと、線光源の両端点ABの座標
から構成される三角形ABCを仮定する。以下、説明の
便宜のため影を落とす(かも知れない)多面体(Va
する)を一つとし、その多面体は凸多面体(凹んだとこ
ろのない多面体)であるとする。これは、凸多面体と凹
多面体が混在すると、処理がかなり複雑になるためであ
る。また、多面体の各面を構成する多角形の法線ベクト
ルは、常に多面体の外側に向いているように設定されて
いるものとする。
【0023】次に、この△ABCと、多面体Va との位
置関係を判定する。三角形と多面体の位置関係には、次
の3つの場合がある。 (1) 互いに独立(交差しない):図3(a) (2) 交差する :図3(b) (3) 多面体が三角形を包含する:図3(c) ここで、ある平面(この場合は多角形ではなく、例えば
無限平面と考えてもよい)Sと、ある多面体V(その頂
点座標はPk (k=1,2,…,e)とする)につい
て、関数H(S,V)を数1のように定義する。
【0024】
【数1】
【0025】ここで、∀は『すべての〜に対して』を意
味する。数1における関数F(S,Pk )は、数2のよ
うに定義される。
【0026】
【数2】
【0027】ただし、点Pk の座標を(xk ,yk ,z
k)とし、ax+by+cz+d=0を、面Sの方程式
とする。ちなみに、F(S,Pk )>0 の時、点Pk
は面Sの正領域にあるといい、F(S,Pk )<0 の
時、点Pk は面Sの負領域にあるといい、F(S,P
k )=0 の時、点Pk は面S上にあるという。
【0028】次に、これらの関数を使って、△ABCと
多面体Va との位置関係を大まかに判定する。多面体V
a は多角形Si (i=1,2,…,n)から構成される
ものとし、△ABCを多角形Sb と呼ぶことにすると、
次のように場合分けすることができる。
【0029】(a) ∃Si ,H(Si ,Sb )>0 また
は、Sb ,H(Sb ,Va )>0 の時は、Va とSb
とは交差しない。なお、ここで、∃は『ある〜に対し
て』を意味し、またH(S1 ,Sb )については、数1
では、関数Hの第2引数は多面体であったが、この(a)
では、△ABC(多角形Sb )の頂点座標を、数1と同
様にPk (k=1,2,3)とすることで、数1の場合
と同様に考えることが可能となる。 (b) ∀Si ,H(Si ,Sb )<0 の時は、Va がS
b を包含する。 (c) Sb ,H(Sb ,Va )<0 の時は、Va とSb
とは交差しない。 (d) 上記(a)〜(d)以外の場合は、Va とSb とは交差す
る。
【0030】上述において、(a) および(c) の場合、影
付けの対象点Cは、線光源ABからの光が多面体Va
よって遮られることがないため、影の中には入らない。
(b)の場合、影付け対象点Cは、多面体Va の中で線光
源ABから照らされていることになる。この場合も、点
Cは多面体Va によって線光源ABからの光を遮られる
ことはないため、影の中には入らない。この場合に点C
の照度を求めるか否かは本発明とは別問題である(必要
であれば、この場合でも対象点Cの照度を求めなければ
ならないことになる。ちなみに、例えば、見る人の位置
つまり視点が多面体Va 内に入る場合、あるいは、多面
体Va が透明な場合等においては対象点Cの照度を求め
ることが必要となる考えられる)。
【0031】次に、線光源の両端点AおよびBが、多面
体Va 内に入っているかどうかを判定する。これは、多
面体が凸である場合、線分の両端点が共に多面体内に存
在する状態、すなわちその線分全体が多面体内に存在す
る状態か否かを判定していることになる。ある点Pの座
標を(Px ,Py ,Pz)とした場合、多面体Va の構
成平面はSi (i=1,2,…,n)であるので、 ∀Si ,F(Si ,P)<0 であるならば、点Pは多面体Va の内部に存在する。こ
の判定を、点AとBとの両方に対して行う。両端点とも
多面体Va の内部に存在するならば、影付け対象点Cは
多面体Va の外部に存在しているので、対象点Cは線光
源からの光を受けられなくなり、影となる(△ABCの
全ての頂点が内部に存在する場合については、既に考慮
されているため、この場合は考える必要はない)。
【0032】次に、△ABCと多面体Va の位置関係で
最も複雑な場合、すなわち両者が交差する場合について
考える。本発明では、線光源による影を正しく求めるた
めに、△ABCの辺と多面体Va との交点だけではな
く、両者の交差している領域(交線)を求める必要があ
る。一般に多角形と多面体との交差領域は、多面体の表
面上の線分になるため、交線を求めるということは、そ
の線分の両端点を求めることになる。
【0033】このような交線は、次のようにして比較的
単純な操作で求めることができる。 (1) △ABCを完全に含む平面Sと、多面体Va の各面
を構成する多角形を完全に含む平面Si との交線(直
線)の方程式を求める。これは、2つの平面の方程式を
連立させるだけで求めることができる。 (2) この直線が、平面Si に対する多面体Va (の面)
を構成する多角形の辺ならびに△ABCの辺と交差する
点を求める。これも、(1) の直線の方程式と、辺を完全
に含む直線の方程式とを連立させることにより求めるこ
とができる。交点は2つ存在するか、もしくは交点は存
在しない。ここでは、△ABCの辺と多面体Va を構成
する多角形との交点も求め、この情報は保持しておく
(多面体V a を構成する多角形が△ABCのどの辺と交
点を持つかという情報も後に必要となるので保持してお
く)。
【0034】(3) これら2つの交点を結ぶ直線が、△
ABCと多面体Va との交線である。 (4) 多面体Va を構成する他の多角形についても、上
述と同様に処理を行って、△ABCと多面体Va とのす
べての交線を求める。次に、これらの交点に対し、△A
BCのある辺に最も近い交点を探索する。三角形と多面
体との交差状況には、次の8つの場合が存在すると考え
られるので、それぞれの場合において、近い辺と探索方
法を説明する。
【0035】[1] △ABCの一辺が多面体と交差する場
合(その1):〈図4(a) 参照〉 △ABCの三辺のうち、線光源の両端点ABのうちいず
れか一方と、影付け対象点Cとの間の辺が、多面体Va
と交差している場合について述べる。この時、探索は交
差している辺と多面体Va との2つの交点のうちいずれ
かから出発し、交差していない辺に最も近い交点を探索
する。例えば、辺ACが多面体Va と交差する場合は、
辺BCに最も近い交点を探索する。この場合、探索の結
果保持する交点は1つである。 [2] △ABCの一辺が多面体と交差する場合(その
2):〈図4(b) 参照〉 △ABCの三辺のうち、線光源ABが多面体Va と交差
している場合について述べる。この場合は、処理がやや
複雑になる。まず、図4(b) に示すように、線光源AB
と多面体Va との交点のうち、点Aに近い方の交点を点
D、点Bに近い方の交点を点Fとする。次に、これらの
交点DおよびFと点Cとを結んだ線分を考え、これらの
線分が多面体Va と交差するかどうかを判定する。もし
交差しなければ、最初に選んだ点を保持する(図4(b)
では、点Dがそれに該当する)。もし交差するならば、
その隣の△ABCと多面体Va との交点(図4(b) では
点Gがそれに該当する)を求め、この交点(G)と点C
とを結んで線分を作り、この線分が多面体Va と交差す
るか否かを判定する。このようにして、交点と点Cを結
んだ線分が多面体Va と交差する場合は、順次、多面体
a と交差しなくなるまで△ABCと多面体Va との交
点を用いて、点Cから見た時のいわば「地平線」あるい
は「地平点」を探索する。そして、探索された交点に向
かって点Cから直線を引き、それと線分ABとの交点を
求めて、その交点(図4(b) では点Eがそれに該当す
る)を保持する。この場合、保持する交点は2つ(図4
(b) では点DおよびE)である。 [3] △ABCの二辺が多面体と交差する場合(その
1):〈図4(c) 参照〉 △ABCの三辺のうち、線光源を構成していない二辺
(辺ACおよび辺BC)が多面体Va と交差する場合に
は、影付け対象点Cから線光源ABは全く見えないの
で、点Cは完全に影となる。よって、この場合は探索は
不要である。 [4] △ABCの二辺が多面体と交差する場合(その
2):〈図4(d) 参照〉 △ABCの三辺のうち、線光源ABの辺と他の一辺が多
面体Va と交差する場合について述べる。この場合は、
前述の[2] 項と同じような処理を行う。すなわち、辺A
Bと多面体Va との交点(2つある)のうち、多面体V
a と交差していない他の辺の側に存在している交点と点
Cを結んだ線分から始めて、[2] 項の処理と同様に多面
体Va との交差判定を行い、点Cから見た時の「地平線
(地平点)」を探索し、その探索された交点に向かって
点Cから直線を引き、それと線分ABとの交点を求め、
その交点(図4(d) では点Dがそれに該当する)を保持
する。この場合は、[2] 項の場合とは異なり保持する交
点は1つである。 [5] △ABCの三辺が多面体と交差する場合(その
1):〈図4(e) 参照〉 △ABCの3つの頂点がともに、多面体Va の外に存在
する場合について述べる。この場合は、影付け対象点か
ら線光源ABは見えない。よって、点Cは完全に影とな
り、探索は不要である。 [6] △ABCの三辺が多面体と交差する場合(その
2):〈図4(f) 参照〉 線光源の端点AとBが多面体Va 外にあり、点Cだけが
多面体Va 内に存在する場合について述べる。この場合
は、点Cは影になることは無い。しかし、点Cは、線光
源の多面体Va 内に『めり込んでいる』部分によっての
み照らされることになるので、その分照度が落ちる。こ
の場合、保持する交点は、線光源ABと多面体Va との
交点2つ(図4(f) の場合は点DおよびE)である。 [7] △ABCの三辺が多面体と交差する場合(その
3):〈図4(g) 参照〉 線光源の端点の一方、例えばA(またはB)が多面体V
a 外にあり、端点B(またはA)と点Cとが多面体Va
内に存在する場合について述べる。この場合も点Cは影
になることはない。しかし、点Cは、線光源の多面体V
a 内にめり込んでいる部分によってのみ照らされること
になるので、その分照度が落ちる。保持する交点は、線
光源ABと多面体Va との交点1つ(図4(g) の場合は
点D)である。 [8] △ABCの三辺が多面体と交差しない場合:〈図4
(h) 参照〉 この場合は、どの交点から探索を始めても良く、単に辺
ACおよび辺BCに最も近い交点(各1つずつ2つあ
る)をそれぞれ求めることになる。そして、これらの2
つの交点に向かって点Cから直線を引き、線分ABとの
交点を求める。この場合は、2つの交点(図4(h) の場
合は点DおよびE)を保持する。
【0036】以上の各々の場合では、探索が不要な場合
を除き、探索で見つけられた交点と、影付け対象点Cと
を結び、それを線光源方向に延長して、線光源ABとの
交点を求める。求める交点の数は、探索で保持した交点
の数と同じである([1] および[4] 項では1つ、[2] お
よび[6] 項では2つである)。この交点を出力とする。
【0037】交差領域判定部1では、以上の方法を用い
て、空間に存在する1つ以上の多面体Va の各々と一つ
の線光源との探索を行い、線光源上の交点を影照度計算
部2に送る。影照度計算部2では、交差領域判定部1か
ら送られてきた交点と線光源の情報から、影付け対象点
Cからどの位の割合で線光源が見えているかを求める。
この際、図5に示すように、交差領域判定部1からは、
多面体が複数ある場合にも多面体による線光源上の交点
による影の領域が順次求められるので、影照度計算部2
では、それらの「論理和」の部分を求めるようにして、
影付け対象点Cから本当に見えている線光源の部分を求
める必要がある。
【0038】次に、影照度計算部2では、入力された影
付け対象点Cの各線光源ごとの「影を考慮しない照度」
に、今求めた線光源の見えている割合をかけて、各線光
源ごとの「影を考慮した照度」を計算して、出力とす
る。すなわち、影照度計算部2は、交差領域判定部1で
求められた交差領域の情報と前記多面体の影を考慮しな
い場合の前記対象点の照度の情報に基づいて前記多面体
により遮られない前記線光源の光の割合に応じた前記対
象点の照度を求める。
【0039】なお、線光源が複数存在する場合にも、上
述と同様にして、対象点について各線光源毎の照度を求
めて合成すればよい。以上のようにして、線光源による
影による照度を正しく求めることが可能となる。上述し
た図1の影付け処理装置における処理の流れの概略を図
6を参照して説明する。
【0040】処理が開始されると、まず多面体Va と△
ABCすなわち多角形Sb とが交差するか否かを判定す
る〈ステップS1〉。このステップS1の処理は、上述
した(a) 〜(d) の判定を行うもので、(a) 〜(c) の場合
は、多面体Va と多角形Sbとが交差せず、影付け対象
点は影の中に入らないので、影付け処理は不要である。
これに対して、(d) の場合は、多面体Va と多角形Sb
とが交差するので、影付け処理が必要となる。
【0041】ステップS1で、多面体Va と多角形Sb
とが交差する、すなわち(d) と判定された場合は、線光
源の両端点AおよびBが、ともに多面体Va 内にあるか
否かを判定する〈ステップS2〉。ステップS2で、両
端点AおよびBがともに多面体Va 内に存在すると判定
された場合は、影付け対象点は完全に影となり、影付け
対象点の影となる割合は100%である。
【0042】ステップS2で、否と判定された場合、す
なわち両端点AおよびBの少なくとも一方が多面体Va
外に存在すると判定された場合は、△ABCと多面体V
a との交線を求める〈ステップS3〉。ステップS3で
求められた交線に対して、ACおよびBC、またはA
C,BCおよびABが多面体Va と交差するか否かを判
定する〈ステップS4〉。すなわち、このステップS4
では、上述した探索方法における[1] 〜[8] の場合に分
けて交線の探索を行い、所要の交点を求める。探索方法
の[3] および[5] の場合には、いずれも影付け対象点C
から線光源ABが見えないので、対象点Cは本影の中に
あり、「影となる割合」は100%となる。それ以外の
場合、つまり[1] ,[2] ,[4] ,[6] 〜[8] の場合は、
それぞれの状況に応じて影となる割合が変化する。
【0043】ステップS4で、ACおよびBC、または
AC,BCおよびABが多面体Vaと交差しないと判定
された場合、すなわち[1] ,[2] ,[4] ,[6] 〜[8] の
場合は線A−B(つまり線光源)上で影となる領域の割
合を求める〈ステップS5〉。以上のステップS1〜S
5の処理は図1の交差領域判定部1で行われる。
【0044】ステップS5で影となる領域の割合が求め
られた後、ステップS1で、多面体Va と多角形Sb
が交差しないと判定された場合、ステップS2で、否、
すなわち両端点AおよびBの少なくとも一方が多面体V
a 外に存在すると判定された場合、あるいはステップS
4で、ACおよびBC、またはAC,BCおよびABが
多面体Va と交差する探索方法の[3] および[5] の場合
には、図1の影照度計算部2で対象点Cの照度が計算さ
れる〈ステップS6〉。ステップS6の照度計算におい
ては、ステップS5で影となる領域の割合が求められた
後は、その多面体Va による影の領域の割合に応じて、
別途に与えられる線光源についての影を考慮しない照度
に基づき、影を考慮した対象点の照度を求める。また、
ステップS1で、多面体Va と多角形Sb とが交差しな
いと判定された場合、ステップS2で、否、すなわち両
端点AおよびBの少なくとも一方が多面体Va 外に存在
すると判定された場合、あるいはステップS4で、AC
およびBC、またはAC,BCおよびABが多面体Va
と交差する探索方法の[3] および[5] の場合には、影を
考慮しない照度をそのまま対象点の照度とする。なお、
線光源が複数ある場合には対象点の照度を各線光源毎に
求め、合成して対象点の照度とし、多面体が複数ある場
合には、対象点について、各多面体により形成される影
の領域部分の論理和を影の領域とする。
【0045】〈実施例2〉次に上述のような本発明の影
付け処理の第1の原理に基づく影付け処理装置を用いた
画像生成装置の第1の実施例を説明する。図7の画像生
成装置は、影付け処理部10、セグメントバッファ70
0、セグメント管理部701、座標変換部702、クリ
ッピング部703、面塗り部704、DDA(ディジタ
ルディファレンシャルアナライザ)部705、隠面消去
部706、照度計算部707、ライティング部708、
フレームバッファ709、CRT710およびZバッフ
ァ711を備えている。
【0046】影付け処理部10は、図1の影付け処理装
置に相当する部分である。セグメントバッファ700に
格納された多面体データは、セグメント管理部701に
よって逐次1個ずつ取り出され、座標変換部402に与
えられる。座標変換部402では、ユーザの指定に応じ
て、多面体の移動・回転等の多面体データに対する操作
を行う。次に、クリッピング部703で視野に入らない
部分を取り除き、視野に入る部分のみを抽出する。面塗
り部704は、クリッピングされた多面体の形状データ
を入力とし、この形状データをスクリーンの水平スキャ
ンライン単位の水平エッジ(これを「スパン」と称す
る)に分割する。その際、各スパンの両端のX座標およ
びZ値を、多角形の頂点のX座標およびZ値から線型補
間によって求める。また、照度計算やライティングの処
理に必要な法線ベクトルは、まず各スパンの両端におけ
る法線ベクトルを、多面体の頂点の法線ベクトルに基づ
いて線型補間によって求める。次に、奥行き方向の値
(Z値)を求めるDDA部705が、各スパンを各ピク
セル(画素)に展開する。DDA部705では、Z値を
求める際に、各ピクセルのZ値を、スパンの両端のZ値
から線型補間によって求めていく。各ピクセル毎の法線
ベクトルも同様に、スパンの両端の法線ベクトルに基づ
いて線型補間によって求める。DDA部705によって
展開された結果は、隠面消去部706に与えられ、隠面
消去部706は、展開されたピクセルのZ値とZバッフ
ァ711に格納されているZ値とを比較し、この展開さ
れたピクセルのZ値が、ピクセルを表示することのでき
る可能性の高いZ値であると判断された(例えば「Z値
が小さい方が手前である」とあらかじめ決めておき、実
際にZ値が小さい)場合は、Zバッファの該当する箇所
のZ値を、展開されたピクセルのZ値に書き換える。全
ての多面体データについての処理が終了すると、Zバッ
ファには最も手前のピクセルのZ値が書き込まれること
になり、影になる部分が消去される(これをZバッファ
隠面消去という)。なお、最終的には、各ピクセル毎に
そのピクセルがどの多面体上の点に対応するかという情
報、また後のライティング処理に必要な各ピクセル毎の
法線ベクトルの情報をも残しておく必要がある。
【0047】続いて、照度計算部707では、各ピクセ
ルの法線ベクトルおよび線光源情報等に基づいて、各点
の影を無視した照度を計算する。その計算結果は、図1
に示したのと同様の構成を有する影付け処理部10に送
られて、影を考慮した照度が計算され、更にライティン
グ部708にて、各多面体の色などの属性情報、および
光源情報等に基づき、光源の光の明るさおよび色等を考
慮したその対象点における色を求める。その際のライテ
ィング処理には、次のような式で計算されるPhong の手
法と称される手法が使用される。すなわち、ライティン
グされる点Pの波長kにおける分光反射輝度(各波長毎
の点の明るさ=輝度)Ckは、数3〜数6によって表さ
れる。
【0048】
【数3】
【0049】
【数4】
【0050】
【数5】
【0051】
【数6】
【0052】ここで、 CAk, Dk, Sk:点Pにおける環境・拡散・鏡面の各
反射光による分光反射輝度; ka , d , s :点Pの属する物体の環境・拡散・鏡
面の各反射係数; Cdk, sk :点Pの属する物体の分光拡散・鏡面
反射率(すなわち各物体固有の色); m :光源の数; CLjk :j番面の光源の分光密度(光源固有
の色); IIj :座標点での、j番目の光源による照
度; j :j番目の光源からの光が、この点で
反射してできたベクトル(反射ベクトル)であり、線光
源の場合は、長さが有るので光源の中心点からの光がこ
の点で反射してできたベクトルとする; :点Pに立つ法線ベクトル; :点Pから視点へ向かうベクトル;お
よび n :Phongの指数 である。
【0053】ここで用いた式は、Phongのライティ
ングモデルと称されるもので、点の輝度を求める際にし
ばしば用いられるものである。このモデルの特徴は、環
境・拡散・鏡面の三成分が入っていることである。環境
の成分とは、光源からの光が直接当たらない所でも、様
々な経路で乱反射した光が届いている状態を近似したも
のであり、拡散成分は、光源からの光が物体表面の微細
な凹凸で乱反射し、結果として表面から一様に放射され
た状態を表したものであり、さらに鏡面成分は、光源か
らの光が「つや」を持った面に当たった場合、主にその
光の正反射方向に多くの光が反射されて、結果として
「ハイライト」が付いた状態で表示されていることを表
したものである。
【0054】ライティング部708で計算された結果
は、フレームバッファ709に書き込まれ、このフレー
ムバッファ709に書き込まれた画像は、CRT710
に表示される。
【0055】〈実施例3〉次に本発明の第1の原理に基
づく影付け処理装置を用いた画像生成装置の第2の実施
例を説明する。図8の画像生成装置は、図7と同様の、
影付け処理部10、セグメントバッファ700、セグメ
ント管理部701、座標変換部702、照度計算部70
7、ライティング部708、フレームバッファ709お
よびCRT710に加えて、交差判定/交点計算/隠面
消去部801を備えている。図8の画像生成装置では、
隠面消去法としてレイトレーシング(ray tracing:光
線追跡法)を用いている。レイトレーシングとは、視点
からスクリーンのピクセルに向けて仮想的に光線(すな
わち「レイ」、言い換えれば単なる直線)を発射し、こ
のレイに対し空間中に存在する物体が交差するか否かを
各物体について判定し、もしも交差するならば視点から
の距離を求め、最も視点に近い交点を求める。この処理
を行うのが交差判定/交点計算/隠面消去部801であ
る。ここでは、座標変換を受けた多面体を対象にして、
レイとの交差判定を行い、視点に最も近い交点を算出
し、同時に交点の放線ベクトルと交点の存在する多面体
も求め、照度計算部707に与える。
【0056】レイトレーシングでは、実施例2(図7)
に述べたZバッファ隠面消去法と異なり、鏡のような反
射による写り込み、あるいはアクリル樹脂のような透明
体による屈折等も表現することができる手法であるが、
それ自体は、線光源のように大きさのある光源による影
付けにはあまり向いていない。そこで、このレイトレー
シングを本発明に係る影付け処理と組み合わせること
で、より効果的な画像の生成が可能となる。
【0057】〈実施例4〉次に、本発明に係る影付け処
理の第2の原理に基づく影付け処理装置の一実施例を説
明する。図9に示す影付け処理装置は、図1とほぼ同様
の、交差領域判定部1、影照度計算部2およびデータベ
ース3に加えて、前処理部901、前処理済多面体デー
タベース902およびミニマックステスト部903を具
備している。影付け処理の第1の原理による影付け処理
においては、多面体と、線光源と影付け対象点がなす三
角形との位置関係を把握するために、処理時間の多くを
費やしている。そこで、その処理を高速化するために、
本実施例の図9の影付け処理装置においては、ミニマッ
クステスト(mini-max テスト)という手法を用いてい
る。
【0058】まず、前処理部901が、データ格納部で
ある多面体データベース3に収容されたデータに基づく
多面体に対して、その多面体を包含し、且つ各面が3次
元直交座標系の各座標軸に垂直な直方体(バウンディン
グボックス:以下、「BB」と略称する)を設定する。
このBBの設定は簡単で、包含される多面体の頂点座標
の最大値と最小値を各座標軸方向について求め(最大値
をxamax,yamax,z amax、最小値をxamin,yamin
aminとする)、これらの値を持つ平面をBBの境界面
にすればよい。このように、多面体およびそれに対応す
るBBのデータは相互に関連づけられて、前処理済デー
タ格納部である前処理済多面体データベース902に格
納される。
【0059】前処理済多面体データベース902に格納
された多面体およびそのBBのデータは、多面体と先に
述べた線光源と対象点とのなす三角形との位置関係を判
定するのに用いられる。すなわち、上述した多面体と前
記三角形が独立である場合の判定を行う際に、前記三角
形の頂点座標の最大値(xbmax,ybmax,zbmax)と最
小値(xbmin,ybmin,zbmin)を求める。
【0060】そして、領域弁別部であるミニマックステ
スト部903では、数7のようなテストを行う。
【0061】
【数7】
【0062】数7の不等式のうち、どれか一つが成り立
つ場合、前記三角形は多面体のBBとは独立であるの
で、当然BB内部の多面体とも独立である。このように
して、より簡単な手続きと前処理で、多面体と前記三角
形が独立であることが判別できることから、処理の高速
化を図ることが可能となる。 〈実施例5〉上述した本発明の影付け処理の第2の原理
も上述と同様にして画像生成装置に適用することができ
る。そこで、上記第2の原理に基づく影付け処理装置を
用いた画像生成装置の第1の実施例を説明する。図10
の画像生成装置は、図7の第1の原理の影付け処理部1
0に代えて、図9の影付け処理装置に相当する第2の原
理の影付け処理部20を用いる他は図7の画像生成装置
と全く同様である。すなわち、図10の画像生成装置で
は、隠面消去部706を中心とした部分でZバッファ隠
面消去法を用いた隠面消去により画像の生成を行い、且
つ影付け処理部20が上述の影付け処理の第2の原理を
用いて影付け処理を行う。
【0063】〈実施例6〉次に、上記第2の原理に基づ
く影付け処理装置を用いた画像生成装置の第2の実施例
を説明する。
【0064】図11の画像生成装置は、図7の第1の原
理の影付け処理部10に代えて、図9の影付け処理装置
に相当する第2の原理の影付け処理部20を用いる他は
図8の画像生成装置と全く同様である。すなわち、図1
1の画像生成装置では、交差判定/交点計算/隠面消去
部801を中心とした部分でレイトレーシングを用いた
隠面消去により画像の生成を行い、且つ影付け処理部2
0が上述の影付け処理の第2の原理を用いて影付け処理
を行う。
【0065】以上説明したように、線光源の多面体によ
る影、すなわち本影および半影をより適切に算出するこ
とができ、コンピュータグラフィックス(CG)を用い
た画像生成、特にリアリティを追求する画像生成に最適
な画像を生成することが可能となる。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
画像の生成時に影を求める点の座標と、その点における
線光源の影の影響を無視した照度に基づき、線光源によ
る影の影響を考慮した照度を求めて、正確な影を求める
ことが可能となり、より写実的な画像生成を行うことが
可能な影付け処理装置および画像生成装置を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の影付け処理の原理および実施例を示す
図である。
【図2】本発明の説明図である。
【図3】本発明の説明図である。
【図4】本発明の説明図である。
【図5】本発明の説明図である。
【図6】本発明の影付け処理のフローチャートである。
【図7】本発明の実施例を示す図である。
【図8】本発明の実施例を示す図である。
【図9】本発明の影付け処理の原理および実施例を示す
図である。
【図10】本発明の実施例を示す図である。
【図11】本発明の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1…交差領域判定部 2…影照度計算部 3…データベース 10,20…影付け処理部 700…セグメントバッファ 701…セグメント管理部 702…座標変換部 703…クリッピング部 704…面塗り部 705…DDA部 706…隠面消去部 707…照度計算部 708…ライティング部 709…フレームバッファ 710…CRT 801…交差判定/交点計算/隠面消去部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線光源データおよび多面体の形状データ
    に基づいて、線光源から対象点に向かう光が前記多面体
    と交差する領域を求めるための交差領域判定手段(1)
    と、交差領域判定手段(1)で求められた交差領域の情
    報と前記多面体の影を考慮しない場合の前記対象点の照
    度の情報に基づき前記多面体により遮られない前記線光
    源の光の割合に応じた前記対象点の照度を求めるための
    影照度計算手段(2)とを具備することを特徴とする影
    付け処理装置。
  2. 【請求項2】 多面体の形状データに基づいて前記多面
    体の画像データを形成するための多面体画像生成手段
    と、線光源データに基づいて前記多面体の影を考慮しな
    い場合の対象点の照度を求めるための照度計算手段(7
    07)と、前記線光源データおよび多面体の形状データ
    に基づいて、線光源から前記対象点に向かう光が前記多
    面体と交差する領域を求めるための交差領域判定手段
    (1)と、交差領域判定手段(1)で求められた交差領
    域の情報と前記照度計算手段(707)で得られる前記
    多面体を考慮しない場合の前記対象点の照度の情報に基
    づき前記多面体により遮られない前記線光源の光の割合
    に応じた前記対象点の照度を求めるための影照度計算手
    段(2)と、前記照度計算手段(707)および影照度
    計算手段(2)で得られる照度ならびに前記線光源デー
    タに基づいて前記多面体に関わる前記線光源による影情
    報を生成する影情報生成手段とを具備することを特徴と
    する画像生成装置。
  3. 【請求項3】 多面体画像生成手段は、多面体画像デー
    タのピクセルの視点方向についての位置に応じた情報を
    格納するためのバッファ手段(711)と、前記多面体
    画像データのピクセルが重複する場合に前記バッファ手
    段(711)に視点に最も近いピクセルの情報を格納さ
    せることにより隠面消去を行うための隠面消去処理手段
    (706)とを含むことを特徴とする請求項2に記載の
    画像生成装置。
  4. 【請求項4】 多面体画像生成手段は、多面体画像デー
    タに基づき視点から視線方向に沿う光線追跡処理を行っ
    て視点に最も近い多面体との交点を求めることにより隠
    面消去を行って多面体画像を生成するための光線追跡処
    理手段(801)を含むことを特徴とする請求項2に記
    載の画像生成装置。
  5. 【請求項5】 多面体の形状データに基づいて、多面体
    を包含する単純形状の立体図形からなる包含図形を設定
    する前処理手段(901)と、線光源データおよび包含
    図形のデータに基づいて、線光源から対象点に向かう光
    が前記包含図形と交差しない領域か否かを予め弁別する
    ための領域弁別手段(903)と、領域弁別手段(90
    3)で求められた交差しない領域以外の交差する可能性
    のある領域について線光源データおよび多面体の形状デ
    ータに基づいて、線光源から対象点に向かう光が前記多
    面体と交差する領域を求めるための交差領域判定手段
    (1)と、交差領域判定手段(1)で求められた交差領
    域の情報と前記多面体の影を考慮しない場合の前記対象
    点の照度の情報に基づき前記多面体により遮られない前
    記線光源の光の割合に応じた前記対象点の照度を求める
    ための影照度計算手段(2)とを具備することを特徴と
    する影付け処理装置。
  6. 【請求項6】 前処理手段(901)は、多面体の頂点
    座標の最大値および最小値を3次元座標軸の各座標軸に
    ついて求めこれらの値により境界面を形成するバウンデ
    ィングボックスを包含図形として形成するバウンディン
    グボックス形成手段を含むことを特徴とする請求項5に
    記載の影付け処理装置。
  7. 【請求項7】 領域弁別手段(903)は、線光源と対
    象点とがなす三角形の頂点座標の最大値と最小値とを求
    め、これら三角形の頂点座標の最大値および最小値とバ
    ウンディングボックスの境界面の座標の最大値および最
    小値とをそれぞれ比較することにより、線光源から対象
    点に向かう光が前記多面体と交差しない領域を簡易に求
    めるミニマックステスト処理手段を含むことを特徴とす
    る請求項6に記載の影付け処理装置。
  8. 【請求項8】 多面体の形状データに基づいて前記多面
    体の画像データを形成するための多面体画像生成手段
    と、線光源データに基づいて前記多面体の影を考慮しな
    い場合の対象点の照度を求めるための照度計算手段(7
    07)と、多面体の形状データに基づいて、多面体を包
    含する単純形状の立体図形からなる包含図形を設定する
    前処理手段(901)と、線光源データおよび包含図形
    のデータに基づいて、線光源から対象点に向かう光が前
    記多面体と交差しない領域か否かを予め弁別するための
    領域弁別手段(903)と、領域弁別手段(903)で
    求められた交差しない領域以外の交差する可能性のある
    領域について線光源データおよび多面体の形状データに
    基づいて、線光源から対象点に向かう光が前記多面体と
    交差する領域を求めるための交差領域判定手段(1)
    と、交差領域判定手段(1)で求められた交差領域の情
    報と前記多面体の影を考慮しない場合の前記対象点の照
    度の情報に基づき前記多面体により遮られない前記線光
    源の光の割合に応じた前記対象点の照度を求めるための
    影照度計算手段(2)と、前記照度計算手段(707)
    および影照度計算手段(2)で得られる照度ならびに前
    記線光源データに基づいて前記多面体に関わる前記線光
    源による影情報を生成する影情報生成手段(708)と
    を具備することを特徴とする画像生成装置。
  9. 【請求項9】 多面体画像生成手段は、多面体画像デー
    タのピクセルの視点方向についての位置に応じた情報を
    格納するためのバッファ手段(711)と、前記多面体
    画像データのピクセルが重複する場合に前記バッファ手
    段(711)に視点に最も近いピクセルの情報を格納さ
    せることにより隠面消去を行うための隠面消去処理手段
    (706)とを含むことを特徴とする請求項8に記載の
    画像生成装置。
  10. 【請求項10】 多面体画像生成手段は、多面体画像デ
    ータに基づき視点から視線方向に沿う光線追跡処理を行
    って視点に最も近い多面体との交点を求めることにより
    隠面消去を行って多面体画像を生成するための光線追跡
    処理手段(801)を含むことを特徴とする請求項8に
    記載の画像生成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002535759A (ja) * 1999-01-15 2002-10-22 インテル・コーポレーション 3dパイプラインを使用したストレッチ・ブリッティングのための方法および装置
US6717575B2 (en) 2000-02-17 2004-04-06 Sony Computer Entertainment Inc. Image drawing method, image drawing apparatus, recording medium, and program
CN116824029A (zh) * 2023-07-13 2023-09-29 北京弘视科技有限公司 全息影像阴影生成的方法、装置、电子设备和存储介质

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