JPH07289271A - プラスミドベクターおよび異種タンパク質を製造するためのその使用 - Google Patents

プラスミドベクターおよび異種タンパク質を製造するためのその使用

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JPH07289271A
JPH07289271A JP7115212A JP11521295A JPH07289271A JP H07289271 A JPH07289271 A JP H07289271A JP 7115212 A JP7115212 A JP 7115212A JP 11521295 A JP11521295 A JP 11521295A JP H07289271 A JPH07289271 A JP H07289271A
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JP
Japan
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plasmid vector
plasmid
gene
protein
escherichia coli
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JP7115212A
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English (en)
Inventor
Gianni Frascotti
ジャンニ、フラスコッティ
Guido Grandi
グイド、グランディ
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Eni Tecnologie SpA
Original Assignee
Eniricerche SpA
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Publication date
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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/74Vectors or expression systems specially adapted for prokaryotic hosts other than E. coli, e.g. Lactobacillus, Micromonospora
    • C12N15/75Vectors or expression systems specially adapted for prokaryotic hosts other than E. coli, e.g. Lactobacillus, Micromonospora for Bacillus

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Abstract

(57)【要約】 【構成】 Escherichia coliおよびBacillus subtilis
中で操作可能な新規なプラスミドベクターであって、異
種遺伝子を極めて効率的に制御しながら発現することを
指令することができる合成プロモーターを含んでなるプ
ラスミドベクターを記載する。 【効果】 このベクターは形質転換した菌株中で高い安
定性を有し、Escherichia coliおよび/またはBacillus
subtilis 中で異種タンパク質を産生するのに特に有用
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】発明の分野 本発明は、プラスミドベクター、このベクターで形質転
換した微生物、および異種タンパク質の製造のためのそ
れらの使用に関する。更に詳細には、本発明は、Escher
ichia coliおよびBacillus subtilis 中で安定なプラス
ミドベクターであって、異種遺伝子を制御しながら極め
て効率的に発現させることができる合成プロモーターを
含んでなる、プラスミドベクターに関する。
【0002】背景技術 当該技術分野では、特定の産生系を用いる発酵法により
タンパク質を製造することは以前から知られており、こ
の特定の産生系という用語はタンパク質をコード化する
遺伝子を含む発現ベクターとタンパク質を含む宿主との
組み合わせを意味するものである。
【0003】工業的観点からは、理想的な産生系は、容
易に精製することができる組換え生成物を、高収率で、
天然のタンパク質の生物学的活性と同等な生物学的活性
を有しかつ経済的に興味ある経費で製造することができ
るものであるべきである。
【0004】このような系は、(1) 強力な制御要素
(プロモーター、RBS、およびターミネーター)、す
なわち異種遺伝子を効率的に発現させることができる要
素を含み、多重コピーで細胞に含まれ、これらの細胞内
部で安定に維持され、特定の生成物を多量に産生するこ
とができるベクター、および(2) 異種遺伝子の供給さ
れた指示を正確に実行して、天然物と同じ生成物を得る
ことができ、商業的規模での培養に適しており、すなわ
ち耐性を有し、高濃度で増殖することができ、栄養素の
要件に関しては要求が少ない宿主とからなっている。
【0005】
【発明の概要】今般、既存技術のこれらの要件を、本発
明によるプラスミドベクターによって満足させることが
できることを見出した。
【0006】これによれば、本発明の第一の態様は、Es
cherichia coliおよびBacillus subtilis 中で安定なプ
ラスミドベクターであって、極めて効率的に異種遺伝子
の発現を指示することができる合成プロモーターを含む
ことを特徴とするプラスミドベクターに関する。本発明
のもう一つの態様は、前記のプラスミドベクターで形質
転換された、Escherichia coliまたはBacillus subtili
s から選択される微生物に関する。本発明の更にもう一
つの態様は、前記のプラスミドベクターで形質転換され
たEscherichia coliまたはBacillus subtilis から選択
される微生物の発酵によって特定の異種タンパク質を産
生する方法に関する。
【0007】特に、本発明のプラスミドベクターは、 1. B. subtilis およびE. coli 中で作動可能な複製
起源と、 2. 前記のプラスミドベクターで形質転換された菌株
の選択をコードする遺伝子と、 3. 下記の配列を有する合成プロモーターと、
【化1】 4. リボソーム結合部位と、 5. 異種遺伝子を挿入するのに有用なプロモーターの
下流の多重クローニング部位と、そして 6. ラムダバクテリオファージのターミネーターt
とを含んでなる。
【0008】本発明によるプラスミドベクター(以後、
「pSM671」と呼ぶ)は、下記の方法から得られ
る。すなわち、(a) 上記配列を有する合成プロモー
ターと、リボソームにおけるmRNAの結合部位(RB
S)と、そしてプラスミドpUC18の多重クローニン
グ部位とを含んでなるポリヌクレオチドを合成し、
(b) プラスミドpSM143から、E. coli および
B. subtilis 中で作動可能な複製起源およびカナマイシ
ン耐性遺伝子を含む約5700bpのフラグメントHi
ndIII−XbaIを単離し、(c) 工程(b)で
得たフラグメントに、上記ポリヌクレオチドを連結さ
せ、プラスミドpSM143−Aを単離し、(d) プ
ラスミドpSM143−Aの多重クローニング部位の下
流に、Cat遺伝子(クロラムフェニコールアセチルト
ランスフェラーゼ)とラムダバクテリオファージの合成
ターミネーターtを含む約1000bpのフラグメン
トを導入し、最後に(e) 工程(d)で得たリガーゼ
混合物で形質転換されたE. coli を選択することによっ
てプラスミドベクターpSM671を単離することから
なる方法によって得られる。
【0009】
【発明の具体的説明】本発明のポリヌクレオチドは、下
記の配列を有する。
【化2】
【0010】pSM143(ATCC 53038)か
ら単離されたフラグメントとの結合に有用な制限部位を
含んでなる前記ポリヌクレオチドは、常法に従って作動
する市販の装置を用いて合成した。
【0011】ベクターpSM143を制限酵素Hind
IIIおよびXbaIで消化して、それぞれ約5700
bpおよび1650bpの2個のフラグメントを得た。
後者はpE194のエリスロマイシンに耐性のプロモー
ター領域とアンピシリン耐性を生じるBla遺伝子とを
含むものである。
【0012】次に、E. coli およびB. subtilis 中で作
動可能な複製起源と、カナマイシン耐性を生じるための
遺伝子とを含む5700bpフラグメントを精製して、
単一フラグメントのポリヌクレオチドのそれぞれの分子
への縮合を促進するような条件下で前記配列を有する合
成ポリヌクレオチドに連結した。連結反応は、酵素T4
DNAリガーゼの存在下にて従来の手法を用いて行っ
た。リガーゼ混合物を用いて、例えばDagert, M. and E
hrlich (Gene (1979), 6:23)によって報告されたように
コンピテントにしたE. coli 細胞を形質転換した。
【0013】プラスミドDNAを、Sanger F. らの方法
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1977), 74: 5463)に従
ってカナマイシンを含む培地で選択した陽性コロニーの
一つから抽出して、配列決定した。
【0014】従って、エリスロマイシン耐性のプロモー
ターとBla遺伝子とからなる領域の位置におけるpS
M143中に合成フラグメントが精確に挿入されること
を立証することができた。新規なプラスミドをpSM1
43−Aと命名した。
【0015】クロラムフェニコール耐性を与えるCat
遺伝子を含み、それ自身のプロモーターおよびラムダバ
クテリオファージのターミネーターtを持たない約1
000bpのDNAフラグメントを、イタリア国特許第
19,551A/87号明細書に記載のプラスミドpS
M213から単離した。このフラグメントを、制限酵素
XhoIおよびHindIIIで消化したプラスミドp
SM143−Aに連結した。リガーゼ混合物を用いて、
例えばDagert, M.およびEhrlich(Gene (1979),6:23)に
よって報告された方法によってコンピテントにしたE. c
oli 細胞を形質転換した。
【0016】プラスミドをカナマイシンおよびクロラム
フェニコールを含む培地で選択した陽性コロニー(Km
Cm)の一つから抽出し、配列分析を行ったとこ
ろ、これは予想された特徴を示し、すなわち合成プロモ
ーター、RBS部位、pUC18の多重クローニング部
位、Cat遺伝子、ラムダターミネーターt、および
抗生物質カナマイシンおよびクロラムフェニコールに対
する二重耐性の存在を示した。
【0017】このプラスミドをpSM671と呼ぶこと
とした。E. coli およびB. subtilis 中でのベクターp
SM671の分離および構造安定性を、実施例2と同様
に操作して測定した。これらの結果は、このプラスミド
が培養を更に継続した後でも細胞個体数の95%以上に
保持されていることを示しており、従ってかなりの分離
安定性を示していた。
【0018】更に、形質転換した菌株から単離したプラ
スミドを分析したところ、様々な世代の液体培養を行っ
た後でも、前記プラスミドはE. coli およびB. subtili
s のいずれでも構造安定性を保持していることを示して
いた。
【0019】本発明のプラスミドベクターpSM671
を用いて、例えばヒダントイナーゼ、カルバミラーゼ、
α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、イソアミラーゼなど
の酵素から選択される原核性ポリペプチド、または例え
ばインターロイキン、IL−1βの天然拮抗物質、成長
ホルモン、インターフェロン組換え抗体などから選択さ
れる真核性ポリペプチドをコードする遺伝子を発現させ
ることができる。
【0020】下流に置かれた異種遺伝子の高発現を指令
するプロモーターの能力は、カルバミラーゼ、組換え一
本鎖抗体、ヒト成長ホルモン(hGH)、インターロイ
キン−1β(IL−1β)およびIL−1βの天然の拮
抗物質(IL−1rα)などの目的とするタンパク質を
コードする遺伝子の多重クローニング部位(MCS)へ
の挿入によって立証された。次に、前記の組換えDNA
分子で形質転換したB.subtilis およびE. coli の菌株
を培養した。これらの結果は、2種類の微生物で多量に
発現している(総タンパク質の>5%)これらの異種タ
ンパク質の存在を示していた。
【0021】プラスミドベクターpSM671はCentra
albureau Voor SchimmelculturesにEscherichia coli S
MC309 として寄託され、CBS 205.94という寄託番号を受
けた。
【0022】
【実施例】下記の実験例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明を制限するものではない。実施例1 クローニングベクターpSM671の構築 A) pSM143への合成プロモーターおよびpUC
18の多重クローニング部位の挿入 プラスミドpSM143(ATCC 53038)(図
1A)1μgを、10mM Tris−HCl pH
8.0、5mM MgCl、100mM NaCl、
1mM β−メルカプトエタノール、制限酵素XbaI
およびHindIII(Boehringer)をそれぞれ2Uを含
む緩衝液20μlに再懸濁した。反応は37℃で1時間
行った後、65℃で10分間不活性化した。
【0023】このように操作を行い、それぞれ約570
0bpおよび1650bpの2種類のフラグメントを得
たが、後者はpE194のエリスロマイシン耐性のプロ
モーター領域と、アンピシリン耐性を生じるBla遺伝
子とを含んでいた。5700bpのフラグメントを、ア
ガロースゲル上で電気溶出(electroelution)により0.
8%で精製した(Sambrook et al., Molecular Clonin
g: a laboratory manual, 1989)。同時に、下記の配列
を有するポリヌクレオチドを合成した。
【0024】
【化3】
【0025】この合成ポリヌクレオチドは、次を含んで
なる。すなわち、(i) メッセンジャーRNAの転写
を効率的に指令することができる強力なプロモーターと
して作用する配列、(ii) リボソーム(RBS)お
よびプラスミドpUC18(Boehringer)の多重クローニ
ング部位へのmRNAの結合部位。
【0026】5700bpのフラグメントXbaI−H
indIII10ngと合成ポリヌクレオチド10ng
とを、66mM Tris−HCl pH7.5、5m
MMgCl、1mMジチオトレイトール(DTT)、
1mM ATPを含む緩衝液20μlに懸濁させ、T4
DNAリガーゼ0.1Uの存在下で16℃で18時間
反応を行った。
【0027】MandelとHigaが報告した方法(1970)(J. Mo
l. Biol., 53:159-162) に従ってコンピテントにしたE.
coli HB101 細胞(BRL)をライゲーション混合物2
μlで形質転換し、形質転換体をカナマイシン5μl/
mlを含むLB寒天プレート(Bacto Triptone10g/
l、酵母エキス5g/l、NaCl 10g/l、寒天
16g/l)上で選別した。プラスミドDNAをKm
から抽出し、Sanger F. らの方法(1977)(Proc. Natl. A
cad. Sci. USA, 74: 5463)に従って配列決定を行った。
【0028】従って、合成ポリヌクレオチドをpSM1
43のpE194のエリスロマイシン耐性のプロモータ
ーとBla遺伝子とからなる領域の位置に正確に挿入さ
れていることを証明することができた。新規なプラスミ
ドをpSM143−Aと命名した。
【0029】B) CAT遺伝子と合成ターミネーター
ラムダを含むpSM213のDNAフラグメントの
pSM143−Aへの挿入 イタリア国特許出願第19,551A/87号明細書に
記載されているプラスミドpSM213(図1B)10
μgを、10mM Tris−HCl pH8.0、5
mM MgCl、100mM NaCl、1mM β
−メルカプトエタノールを含む緩衝液100μl中で、
BamHI酵素(Boehringer)30Uを用いて37℃で1
時間消化した。
【0030】等容のフェノール−クロロホルムおよびイ
ソアミルアルコール−クロロホルムで消化混合物を抽出
することによって、反応を不活性化した後、DNAを沈
澱させ、分離して、真空で乾燥した。
【0031】このようにして得たDNAを50mM T
ris−HCl pH7.2、10mM MgSO
0.1mM DTT、50μg/mlBSA、80μM
dGTP、80μM dATP、およびポリメラーゼ
クレノウDNA10Uを含む緩衝液250μlに再懸濁
した。生成する混合物を室温(20〜25℃)で30分
間インキュベーションした後、25mM EDTAで不
活性化し、タンパク質をフェノール−クロロホルムおよ
びイソアミルアルコール−クロロホルムで抽出した。
【0032】DNAを水性相から沈澱させ、遠心分離に
よって分離し、真空で乾燥し、最後に10mM Tri
s−HCl pH8.0、10mM NaCl、5mM
MgCl、1mM β−メルカプトエタノールおよ
び制限酵素HindIII(Boehringer) 20Uを含む
緩衝液200μlに再懸濁させた。消化反応を37℃で
1時間行った後、65℃で10分間不活性化した。
【0033】次に、全消化混合物を6%でポリアクリル
アミドゲル上に仕込み、120ボルトで3時間泳動させ
た。約1000bpのバンドに対応し、Cat遺伝子を
含み、そのプロモーターおよびラムダバクテリオファー
ジのターミネーターtは含まないDNAフラグメント
を、Maxam とGilbert (Methods in Enzymology (1980),
vol. 65, 499-560)が報告した方法に従って電気溶出し
た。
【0034】同時に、pSM143−A 10μgを、
50mM Tris−HCl pH7.52、10mM
MgCl、100mM NaCl、1mM DTT
を含む緩衝液100μl中で、制限酵素XhoI(Boehr
inger)30Uで、37℃で1時間消化した。反応を65
℃で10分間不活性化した後、DNAを沈澱させ、分離
した後、50mM Tris−HCl pH7.2、1
0mM MgSO、0.1mM DTT、50μg/
ml BSA、80μM dGTP、80μMdATP
およびポリメラーゼクレノウDNA 10Uを含む緩衝
液250μlに再懸濁した。生成する混合物を室温(2
0〜25℃)で30分間インキュベーションした後、2
5mM EDTAで不活性化し、タンパク質をフェノー
ル−クロロホルムおよびイソアミルアルコール−クロロ
ホルムで抽出した。DNAを水性相から沈澱させ、遠心
分離によって分離し、真空で乾燥し、最後に10mM
Tris−HCl pH8.0、10mM NaCl、
5mM MgCl、1mM β−メルカプトエタノー
ルおよび制限酵素HindIII 20Uを含む緩衝液
200μlに再懸濁した。消化反応を37℃で1時間行
った後、65℃で10分間不活性化した。
【0035】このようにして5600bpおよび250
bpの2種類のDNAフラグメントを得たが、後者はバ
クテリオファージfdのターミネーターを含み、560
0bpのフラグメントはアガロースゲル上で電気溶出に
よって0.8%で精製した。このフラグメント2μg
を、pSM213に由来の1000bpのフラグメント
1μgと連結した。反応は、66mM Tris−HC
l pH7.5、5mM MgCl、1mMジチオト
レイトール(DTT)、1mM ATPを含む緩衝液1
00μl中で行い、T4 DNAリガーゼ2.0Uの存
在下にて16℃で18時間結合させた。
【0036】E. coli 71/18(Messing, J. B. et al. (1
977) Proc. Natl. Acad. Sci. USA,74: 3642)のコンピ
テント細胞を様々な量のライゲーション混合物で形質転
換し、形質転換体をカナマイシン5μg/mlおよびク
ロラムフェニコール20μg/mlを含むLB寒天のプ
レート上で選別した。
【0037】制限地図が画定されているプラスミドを、
KmCmコロニーから迅速法によって単離した。
【0038】このプラスミドの配列分析を行ったとこ
ろ、予想された特徴が示され、または合成プロモータ
ー、RBS部位、pUC18の多重クローニング部位、
Cat遺伝子、ラムダターミネーターtおよび抗生物
質カナマイシンおよびクロラムフェニコールに対する二
重耐性が存在することを示した。これプラスミドをpS
M671(図2)と命名した。前記プラスミドを含むE.
coli のクローンを略号SMC309で表した。
【0039】次に、プラスミドpSM671を用いて、
B. subtilis SMS003 NRLLB 15897の細胞を形質転換し、
Contenete とDubnau (1979) (Mol. Gen. Genet., 167,
251-258)により記載された方法でコンピテントにした。
形質転換体の選別は、カナマイシン5μg/mlおよび
クロラムフェニコール5μg/mlを含むDIFCO 社製の
Triptose Blood Agar Base (TBAB) 上で細胞培養するこ
とによって行った。
【0040】実施例2 ベクターpSM671の分離および構造安定性の制御 A) 分離安定性 この実験の目的は、長時間の培養を行った後のE. coli
およびB. subtilis の形質転換した菌株におけるpSM
671の安定性を立証することである。E. coli SMC309
の3種類の独立なクローンを、クロラムフェニコール2
0mg/mlを含むLB培地(Bacto Triptone 10g
/l、酵母エキス 5g/l、NaCl 10g/l)
10mlが入っている100mlフラスコ中で、37
℃、200rpmで16時間培養した。
【0041】いずれの微生物についても3つの培養物
(0.1ml)を用いて、同じ培地に抗生物質を加えた
もの更に10mlを接種した。新たな培養物を37℃、
200rpmで16時間培養し、この工程を更に2回繰
り返した。600nmで測定した光学濃度(O.D.
600 )の増加として細胞の成長を追跡した。
【0042】実験の最後に、培養物の一部を取り出し、
適当に希釈した後、下記の培地上で細胞培養を行った。 LB寒天±20mg/mlクロラムフェニコール(E. c
oli) VY寒天±5mg/mlクロラムフェニコール(B. sub
tilis)
【0043】これらのプレートを37℃で16時間イン
キュベーションした後、抗生物質の存在下または非存在
下で成長したコロニー(CFU/ml)を計数した。こ
の方法では、プラスミドを保持した細胞の割合、それ故
Cmを決定することができた。
【0044】
【表1】
【0045】第1表(3回の実験の平均値±SD)に示
されているように、プラスミドは細胞個体数の95%以
上で保持されており、従って更に培養を行った後でもか
なりの分離安定性を示している。
【0046】B) 構造安定性 それぞれの1回の実験の終了時(培養16時間)に、E.
coli およびB. subtilis のそれぞれの培養物の一部を
回収して、O.D.600 について規格化した。O.D.
600 =3.0で培養物1.5mlと同等なものから、プ
ラスミドDNAをアルカリリーシスにより抽出した後
(Sambrook et al., Molecular Cloning:a laboratory
manual, 1989)、QIAGEN型20本のカラム(Promega)
上で精製した。得られたDNAを、10mM Tris
−HCl pH8.0、5mM MgCl、100m
M NaCl、1mM β−メルカプトエタノールを含
む緩衝液10μl中で酵素BamHI(Boehringer)1U
で消化した。反応を37℃で1時間行った後、65℃で
10分間不活性化した。
【0047】消化したプラスミドを寒天ゲル上に仕込
み、90V、90mAで2時間泳動し、ゲルを臭化エチ
ジウム1mg/mlで着色した後、トランスイルミネー
ター上でUV光線で可視化した。図3Aおよび図3Bに
示されるように、制限酵素BamHIで切断すると、多
数の世代の液体培養を行った後でも約4300bpおよ
び2300bpの予想されたバンドを生じ、pSM67
1がE. coli およびB. subtilis のいずれにおいても構
造的に安定であることを示している。
【0048】実施例3 B. subtilis における組換えタンパク質の発現 このベクターの発現能力を立証するため、Agrobacteriu
m radiobacter カルバミラーゼ、組換え抗ヒト絨毛膜α
−ゴナドトロピン一本鎖抗体(hGH)、インターロイ
キン−1β(IL−1β)およびIL−1βの天然の拮
抗物質(IL−1rα)をコード化する遺伝子を、pS
M671の制限部位EcoRI/HindIIIまたは
EcoRI/PstIでクローニングした。得られた組
換えベクターを用いてB. subtilis SMS003の細胞を形質
転換した。次に、実施例1に記載した方法で選別したC
形質転換体を、クロラムフェニコール5μg/ml
を加えたVY培地10ml中で培養した。フラスコを攪
拌下(200rpm)にて、37℃で16時間インキュ
ベーションした。
【0049】それぞれの形質転換体について培養物1m
lを遠心分離(12,000rpm、4℃で2分間、ミ
クロ遠心分離機中)によって回収した。細胞を20mM
Tris−HCl pH7.5、2mM EDTA
1mlで洗浄した後、50mMTris−HCl pH
7.2、15%スクロース、1〜2mg/mlのリゾチ
ームをふくむもの150mlに再懸濁した。次に、「SA
MPLE BUFFER 2x) (125mM Tris−HCl p
H6.8、20%グリセロール、4%ドデシル硫酸ナト
リウム(SDS)、4%β−メルカプトエタノール、
0.02%ブロモフェノールブルー(BBF))を細胞
懸濁液に加えた。試料を5分間煮沸した後、抽出物20
ml(培養物67mlに等しい)をポリアクリルアミド
ゲルに充填して12.5%とし、SDS−PAGE(La
emmli, U.K. (1970) Nature, 227:680)によって30m
Aで3時間分離した。
【0050】電気泳動の後、ゲルをコマシーブリリアン
トブルーR250で着色することにより、目的のタンパ
ク質の発現を図4に示すようにして立証した。
【0051】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ: 49塩基対 配列の型: 核酸 鎖の状態:一本鎖 トポロジー:線状 配列の種類:DNA 配列の特徴: 特徴を表す記号:プロモーター 配列 CTAGAAAAAT TTATTTGCTT TCAGGAAAAT TTTTTATGTA TAATAGATT 49
【0052】配列番号:2 配列の長さ: 125塩基対 配列の型: 核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:線状 配列の種類:DNA 配列 CTAGAAAAAT TTATTTGCTT TCAGGAAAAT TTTTTATGTA TAATAGATTC ATAAATTTGA 60 GAGCTCAAAG GAGGAATTCG AGCTCGGTAC CCGGGGATCC TCTAGAGTCG ACCTGCAGGC 120 ATGCA 125
【図面の簡単な説明】
【図1】図1AはプラスミドpSM143の制限地図
を、図1BはプラスミドpSM213の制限地図を示
す。
【図2】プラスミドpSM671の制限地図を示す。
【図3】図3Aは、E. coli 71/18 の3種類のクローン
を16時間培養した後に抽出し、制限酵素BamHIで
切断したプラスミドDNAの電気泳動分析の結果を示す
写真であり、 1〜14)1Kb DNAラダー;2〜4)クローン
1、2および3:前培養;5〜7)クローン1、2およ
び3:I培養;8〜10)クローン1、2および3:I
I培養;11〜13)クローン1、2および3:III
培養。図3Bは、B. subtilis SMS003の3種類のクロー
ンを16時間培養した後に抽出し、制限酵素BamHI
で切断したプラスミドDNA、 1〜14)1Kb DNAラダー;2〜4)クローン
1、2および3:前培養;5〜7)クローン1、2およ
び3:I培養;8〜10)クローン1、2および3:I
I培養;11〜13)クローン1、2および3:III
培養。
【図4】様々な異臭タンパク質をコード化する遺伝子を
含むpSM671で形質転換したB. subtilis SMS003か
ら抽出した総タンパク質の電気泳動分析の結果を示す写
真であり、図4Aは、pSM671+A. radiobacterの
カルバミラーゼの遺伝子: (1) 精製したカルバミラーゼ、(2) SMS00
3(pSM671/カルバミラーゼ)、図4Bは、pS
M671+組換え抗αhCG ScFv抗体の遺伝子: (1) 精製した抗αhCG ScFv、(2) SM
S003(pSM671)、(3) SMS003(p
SM671/抗αhCG S cFv)、図4Cは、p
SM671+ヒト成長ホルモン(hGH): (1) SMS003(pSM671)、(2) 精製
したhGH、(3) SMS003(pSM671/h
GH)、図4Dは、pSM671+インターロイキン−
1β(IL−1β)の遺伝子: (1) SMS003(pSM671)、(2) 標準
分子量、(3) 精製したIL−1β、(4) SMS
003(pSM671/IL−1β)、図4Eは、pS
M671+IL−1βの天然の拮抗物質(IL−1r
α)の遺伝子: (1) SMS003(pSM671)、(2) SM
S003(pSM671/IL−1rα)、目的のタン
パク質は矢印で示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/02 C 9282−4B (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 1/21 C12R 1:125) (C12P 21/02 C C12R 1:19) (C12P 21/02 C C12R 1:25)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Escherichia coliおよびBacillus subtili
    s 中で安定なプラスミドベクターであって、異種遺伝子
    を制御しながら高発現させることができる合成プロモー
    ターを含んでなり、Centraalbureau Voor Schimmelcult
    ure に寄託され、寄託番号CBS 205.94であ
    る、プラスミドベクター。
  2. 【請求項2】異種遺伝子が、ヒダントイナーゼ、カルバ
    ミラーゼ、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、もしくは
    イソアミラーゼである酵素から選択される原核性ポリペ
    プチド、またはインターロイキン、インターフェロン、
    ホルモン、もしくは組換え抗体から選択される真核性ポ
    リペプチドをコードするものであることを特徴とする、
    請求項1に記載のプラスミドベクター。
  3. 【請求項3】請求項1のプラスミドベクターで形質転換
    されたEscherichia coliおよびBacillus subtilis から
    選択される、微生物。
  4. 【請求項4】Escherichia coli SMC309 CBS 205.94であ
    る、請求項3に記載の微生物。
  5. 【請求項5】異種タンパク質の製造法であって、請求項
    1に記載のプラスミドベクターで形質転換したBacillus
    subtilis および/またはEscherichia coliの菌株を用
    いることを特徴とする、方法。
JP7115212A 1994-04-15 1995-04-17 プラスミドベクターおよび異種タンパク質を製造するためのその使用 Pending JPH07289271A (ja)

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ITMI940727A IT1274168B (it) 1994-04-15 1994-04-15 Vettore plasmidico e suo impiego per la produzione di proteine eterologhe
IT94A000727 1994-04-15

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JP (1) JPH07289271A (ja)
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EP0681027A3 (en) 1999-06-30
EP0681027A2 (en) 1995-11-08
ITMI940727A1 (it) 1995-10-15
ITMI940727A0 (it) 1994-04-15
IT1274168B (it) 1997-07-15
US5721137A (en) 1998-02-24

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