JPH07289263A - 遺伝子発現用プロモーター - Google Patents

遺伝子発現用プロモーター

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JPH07289263A
JPH07289263A JP6084526A JP8452694A JPH07289263A JP H07289263 A JPH07289263 A JP H07289263A JP 6084526 A JP6084526 A JP 6084526A JP 8452694 A JP8452694 A JP 8452694A JP H07289263 A JPH07289263 A JP H07289263A
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promoter
nucleic acid
gene
vascular endothelial
endothelial cells
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JP6084526A
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English (en)
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Masashi Shibuya
正史 渋谷
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Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
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Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 配列表の配列番号1に示される核酸配列の核
酸番号-229〜+8により特定される核酸配列又はその一部
を含むヒト受容体型チロシンキナーゼ遺伝子fltのプロ
モーター、血管内皮細胞で特異的に機能する上記プロモ
ーター、上記プロモーターと該プロモーターの下流に連
結された構造遺伝子とを含む組換えDNA を含む組換えベ
クター用いて血管内皮細胞において特異的にポリペプチ
ドを発現させる方法。 【効果】 血管内皮細胞において特異的に作用するプロ
モーターが提供される。このプロモーターを用いること
により、血管内皮細胞において特異的に目的のポリペプ
チドを発現させることができるので有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は遺伝子発現用プロモータ
ー及びその用途に関する。さらに詳しくは、本発明は細
胞特異的に遺伝子を発現させることのできる遺伝子発現
用プロモーター及びその用途に関するものである。
【0002】
【従来の技術】遺伝子DNA を鋳型にしてmRNA転写の開始
を制御する塩基配列はプロモーターと呼ばれており、RN
A ポリメラーゼはこのようなプロモーター配列を認識し
てmRNAの合成を開始することが知られている。プロモー
ターは mRNA 転写の効率を決定しており、転写効率の高
いプロモーターの下流に存在する遺伝子の mRNA は大量
に合成される。このような理由から、遺伝子工学的手法
によって有用な蛋白を大量かつ経済的に製造するために
は、通常、転写効率の高いプロモーターが利用されてい
る。このようなプロモーターとしては、例えば、ラクト
ースオペロンのプロモーター(lac) 、トリプトファンオ
ペロンのプロモーター(trp) 、ラムダファージの PL
ロモーターなどが知られている。
【0003】プロモーターは、発生や分化の特定の時期
に特定の蛋白を誘導するための転写誘導系に関与してい
ることも知られている。このような発現時期特異性を示
すプロモーターとして、例えば、特開平5-317049号公報
に記載されたプロモーター、あるいは筋細胞の分化に関
与する MyoD プロモーター等が提案されている。また、
プロモーターは特定の細胞内でのみ特異的に発現する遺
伝子の制御に関与している可能性が示唆されている。こ
のような細胞特異的プロモーターとしては、例えば、眼
の水晶体(レンズ)のみで発現するクリスタリン遺伝子
等が知られている。このようなプロモーターを用いて水
晶体細胞で特異的に特定の遺伝子を発現させた例として
は、岡崎らの方法 (Okazaki, K., et al., EMBO J., 4,
2589-2595, 1985) 等が知られている。また、インター
ロイキン-2ベーター鎖遺伝子プロモーターを用いてクロ
ラムフェニコール・アセチル・トランスフェラーゼをT
細胞株で発現させた例 (Jian-Xin Lin et al., Molecul
ar and Cellular Biology,13, 6201, 1993)、およびブ
タの Uteroferrin (経胎盤鉄トランスポート蛋白)遺伝
子のプロモーターを用いてクロラムフェニコール・アセ
チル・トランスフェラーゼを子宮内膜細胞で発現させた
例 (Albert E. Fliss et al., Endocrynology, 129, 69
7, 1991)もある。
【0004】一方、細胞の増殖や分化、あるいは癌化に
関与する遺伝子の1つとして、EGF受容体などの受容体
型チロシンキナーゼの存在が知られている。このような
受容体型チロシンキナーゼ群の一つとして、ヒト受容体
型チロシンキナーゼ遺伝子 flt (Shibuya, M, et al.,
Oncogene, 5, pp.519-524, 1990)が報告されている。こ
の遺伝子産物(受容体キナーゼ Flt) は、血管内皮細胞
増殖因子 (vascular endothelial growth factor: VEG
F; Leung, D.W. et al., Science, 246, pp.1306-1309,
1989) の受容体であることが解明されている (Vries,
C.D., et al., Science, 255, pp.989-991, 1992)。
【0005】最近になって、受容体キナーゼ Fltが血管
内皮細胞に特異的に発現していることが明らかにされた
(Plate, K.H., et al., Nature, 359, 845-848, 1992;
総説として、渋谷正史、実験医学 Vol.10, No.12, p
p.1513-1515, 1992を参照) 。また、受容体キナーゼ Fl
tのリガンドであるVEGFは、固形癌の血管新生を誘導し
ており、その受容体である受容体型チロシンキナーゼFl
t が腫瘍血管において強く発現していることが報告され
ている。真核生物における細胞性遺伝子の発現は、転
写、RNA プロセッシング、翻訳、及び翻訳後プロセッシ
ング等の複数の段階において調節されていることが知ら
れている。これらの調節段階のうち、転写段階における
調節は遺伝子発現全体に対して大きな影響を与えてい
る。受容体キナーゼ Fltの発現は、転写段階において調
節され、血管内皮細胞において特異的に作用するプロモ
ーターによって制御されている可能性があるが、従来、
そのようなプロモーターの存在は証明されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、特定の細胞において特異的に作用するプロモーター
を提供することにある。より具体的にいえば、本発明の
目的は、血管内皮細胞において特異的にポリペプチドを
発現させることができるプロモーターを提供することに
ある。さらに本発明の他の目的は、上記のプロモーター
を用いて、血管内皮細胞特異的に目的のポリペプチドを
発現させる方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のヒト
受容体型チロシンキナーゼ遺伝子flt の血管内皮細胞に
おける発現を研究するうち、この遺伝子の発現が、上流
に存在する特定の塩基配列により制御されていること、
並びにその塩基配列がプロモーター領域としての特徴を
具備していることを見出した。さらに本発明者は、この
プロモーターの機能解明を進め、このプロモーターが血
管内皮細胞において特異的に作用することを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、配列表の配列番号1に
示される核酸配列の核酸番号-229〜+8により特定される
核酸配列又はその一部を含むプロモーターを提供するも
のである。この発明の好ましい一態様としては、配列表
の配列番号1に示される核酸配列の核酸番号-229〜+8に
より特定されるプロモーターが提供される。別の観点か
らいえば、本発明は、配列表の配列番号1に示される核
酸配列の核酸番号-229〜+8により特定される核酸配列ま
たはその一部を含むヒト受容体型チロシンキナーゼ遺伝
子flt のプロモーターを提供するものである。その発明
の好ましい一態様としては、配列表の配列番号1に示さ
れる核酸配列の核酸番号-229〜+8により特定されるヒト
受容体型チロシンキナーゼ遺伝子flt のプロモーターが
提供される。また、本発明により、血管内皮細胞で特異
的に作用する上記の各プロモーターが提供される。
【0009】さらに本発明によれば、上記の各プロモー
ターを含む組換えDNA 、並びに上記プロモーターの下流
に連結された構造遺伝子を含む上記組換えDNA が提供さ
れる。この組換えDNA の一態様として、血管内皮細胞で
特異的にポリペプチドを発現する組換えDNA が提供され
る。本発明の他の観点からは、上記の各組換えDNA を含
むポリペプチド発現用の組換えベクター、並びに組換え
ベクターあるいはポリペプチド発現用の組換えベクター
を含む形質転換体が提供される。また、上記のポリペプ
チド発現用組換えベクターを用いて血管内皮細胞におい
て特異的にポリペプチドを発現させる方法が提供され
る。さらに、上記組換えベクターにより形質転換された
動物、その一態様として病態モデル動物である形質転換
動物、および上記のベクターを有効成分として含有する
遺伝子欠損に基づく疾患の治療剤が提供される。
【0010】本発明のプロモーターは、配列表の配列番
号1に示される核酸配列の核酸番号-229〜+8により特定
される核酸配列を含むか、あるいは核酸番号-229〜+8に
より特定される核酸配列の一部を含むものである。この
プロモーターの塩基配列の具体例としては、配列表に示
された核酸番号-229〜+8の核酸配列を挙げることがで
き、この核酸配列は本発明のプロモーターの好ましい一
例である。この特定の態様のプロモーターはヒト受容体
型チロシンキナーゼをコードする遺伝子flt の上流に位
置しており、この受容体の発現調節に関与しているプロ
モーターである。なお、本明細書においてヒト受容体型
チロシンキナーゼFlt とは、渋谷ら (Shibuya, M, et a
l., Oncogene, 5, pp.519-524, 1990)により報告されて
いる受容体のことをいう。そのアミノ酸配列およびヒト
受容体型チロシンキナーゼ遺伝子flt の塩基配列は、上
記の文献に明らかにされている。
【0011】本発明のプロモーターは血管内皮細胞、好
ましくはヒト血管内皮細胞において特異的に機能する。
従って、本発明のプロモーターの下流にポリペプチドを
コードする構造遺伝子を連結した組換えDNA を用いるこ
とにより、血管内皮細胞において特異的に所望のポリペ
プチドを発現させることができる。本発明により発現さ
れるポリペプチドとしては、低分子量のポリペプチド、
オリゴペプチド、および蛋白を挙げることができる。こ
のような目的のために、本発明のプロモーターを含むDN
A 断片を含む組換えDNA を製造した後、ベクターに導入
することができる。また、このような組換えベクターを
製造した後、上記プロモーターの下流に存在する適当な
制限酵素切断部位を切断して、構造遺伝子が正しく転写
される方向に連結することにより、ポリペプチド発現に
用いるための組換えベクターを製造することができる。
さらに、本発明のプロモーターの上流にエンハンサー領
域等の転写調節領域を導入したベクターを製造してもよ
い。
【0012】上記の組換えベクターの製造に用いるベク
ターとしては、例えば、動物細胞用のベクターである p
CDベクター、cDM8ベクター (Aruffo, A. and Sed, B.,
Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 84, pp.8573-8577, 198
7) 、レトロウイルスベクター(Cone, R.D. and Mulliga
n, R.C., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81, pp.6349-6
353, 1984)、アデノウイルスベクター、ヘルペスウイル
スベクター、アデノアソシエイトウイルスベクターなど
を挙げることができる。また、細菌用のベクターである
pUC (Vieira, J. and Messing J., Methods in Enzymo
logy, 153, pp.3-11, 1987) などを用いてもよい。もっ
とも、ベクターはこれらに限定されることはなく、当業
者に利用可能なベクターを適宜用いることができる。本
発明のプロモーターを含む組換えDNA を製造し、上記の
ベクターの一例に導入する方法の具体例を以下の実施例
に詳細に記載したが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れることはない。
【0013】プロモーターの下流に連結される構造遺伝
子としては、例えば、炎症、免疫に関与する ICAM-1 、
ICAM-2、またはセクレチン等のポリペプチドをコードす
る遺伝子あるいはそれらのミュータント;内皮細胞増殖
因子受容体の遺伝子であるflt (flt-1と呼ばれることも
ある)又はその関連遺伝子(KDRまたはflt-4)、fgfr-1、
fgfr-2、EGFR遺伝子またはそれらのミュータント;正常
または変異型VEGFとその関連遺伝子、 TGFβ、TNF など
細胞障害や細胞増殖抑制物質の遺伝子;細胞の運動制御
作用に関与するカルポリン遺伝子またはそれらのミュー
タント;バリセラ・ゾスター・ウイルス・チミジンキナ
ーゼ (varicella zoster virus thymidine kinase: VZV
-TK)、単純ヘルペス・ウイルス・チミジンキナーゼ (HS
V-TK) 、シトシンデアミナーゼ (CD) 、あるいはβ−グ
ルコシダーゼなどの非哺乳類の酵素をコードする遺伝子
またはそれらのミュータントなどを挙げることができ
る。また、クロラムフェニコール・アセチルトランスフ
ェラーゼ (CAT)遺伝子、アルカリフォスファターゼ遺伝
子、β−ガラクトシダーゼ遺伝子等、遺伝子転写の機能
解析などに用いられる構造遺伝子を用いることも可能で
ある。もっとも、本発明に用いられる構造遺伝子は上記
のものに限定されることはなく、いかなるものを用いて
もよい。
【0014】このようにして製造された構造遺伝子を含
む発現用の組換えベクターを用いて、宿主である動物細
胞、好ましくは血管内皮細胞、特に好ましくはヒト血管
内皮細胞を形質転換することにより、構造遺伝子により
コードされる目的のポリペプチドを形質転換体において
発現させることができる。また、受精卵を形質転換する
ことによりトランスジェニック動物を作成することがで
きる。形質転換法としては、例えば、リン酸カルシウム
法、エレクトロポーション法、マイクロインジェクショ
ン法、リポフェクチン法、またはレーザーを用いる方法
など当業者に周知の方法を用いることができる。また、
形質転換体の培養はそれ自体公知の方法で行うことがで
きる。例えば、培地として約 5〜20% の牛血清を含む M
EM培地、DMEM培地、PRMI 1640 培地、199 培地等を用
い、pHを約 6〜8 、温度を約 30 〜40℃程度に調節して
必要により通気や攪拌を加えつつ約 15 〜60時間程度培
養を行えばよい。
【0015】本発明のプロモーターは血管内皮細胞にお
いて特異的に機能する性質を有しているので、上記の組
換えベクターを導入すべき宿主として血管内皮細胞を用
いた場合には所望のポリペプチドが産生されるが、一
方、宿主として血管内皮細胞以外の細胞を用いた場合に
は、ポリペプチドの生産が非常に少ないか、あるいは全
くポリペプチドが発現されない。従って、本発明のポリ
ペプチド発現用組換えベクターを用いることにより、血
管内皮細胞において特異的に上記のポリペプチドを産生
させることができる。例えば、生体の血管内腔内壁に存
在する血管内皮細胞において、特異的にポリペプチドを
産生させることが可能である。あるいは、培養細胞であ
る血管内皮細胞を用いてポリペプチドを大量に発現させ
分離・採取することも可能である。
【0016】例えば、上記構造遺伝子が血管内に分泌さ
れるポリペプチドをコードするものである場合、本発明
のベクターをマウス、ラット、イヌ、ネコ、ヒト等の哺
乳動物に移入することにより、血管内皮細胞において特
異的に目的とするポリペプチドを発現させ、該ポリペプ
チドを血中に分泌させることができる。従って、この方
法によれば、例えば、特定の生理活性ポリペプチドが遺
伝的に全く産生されないか、あるいはその産生が異常に
低いことを原因とする各種の疾患の治療を行うことがで
きる。また、各種疾患の治療を目的として、治療に有用
な生理活性ポリペプチドを血管内皮細胞で発現させ該ポ
リペプチドの血中濃度を持続的に高めることもできる。
さらに、本発明のベクターは、それに連結された構造遺
伝子の生体内での役割の解明や、ヒト以外の哺乳動物を
用いた病態モデル動物の作成に利用することができる。
【0017】生理活性ポリペプチドの減少や欠損を原因
とする疾患としては、例えば、血友病、第II、V、VII
、X因子欠乏症等の遺伝的疾患、例えばホルモン等の
減少による下垂体性小人症、甲状腺機能低下症、糖尿病
等を挙げることができる。また、治療に有用な遺伝子と
しては、グリシン開裂酵素遺伝子(高グリシン血症の治
療)、PAF アセチルヒドラーゼ遺伝子(気管支喘息の治
療)、スフィンゴリピッド加水分解酵素遺伝子(Gauche
r 病の治療)、N-アセチルガラクトサミン6 硫酸スルフ
ァターゼ遺伝子(ムコ多糖代謝異常症IV型:モルキオ病
の治療)、色素性乾皮症遺伝子(色素性乾皮症患者の治
療およびその患者における発癌予防)を挙げることがで
きる。さらに、治療に有用なポリペプチドとして、例え
ば、エンドテリン拮抗ペプチド、レニン・アンギオテン
シン阻害ペプチド等のポリペプチドを高血圧等の治療に
用いたり、あるいはグルコセレブロジダーゼを Gaucher
病の治療に用いることができる。このような目的のため
には、所望のポリペプチドをコードする構造遺伝子を含
むベクターを血管内に直接投与するか、あるいは培養し
た血管内皮細胞に上記のベクターを導入した後に、形質
転換された血管内皮細胞を血管内に移植すればよい。先
天性疾患の遺伝子治療のためには、例えば、臨床医 Vo
l.20, No.4, 460-464, 1994に記載された方法などを利
用することが可能である。
【0018】また、配列表に示された核酸番号-229〜+8
の核酸配列により特定されるプロモーターはヒト受容体
型チロシンキナーゼをコードする遺伝子flt の発現調節
に関与している。上記のとおり、ヒト受容体型チロシン
キナーゼflt は血管内皮増殖因子 VEGF の受容体として
機能していることが明らかにされており、このプロモー
ターの機能を調節する物質をプロモーター機能調節剤と
して用いれば、血管内皮細胞の特性を特異的に制御する
ことが可能である。血管内皮細胞は、血管内腔内壁を形
成する唯一の細胞であり、血液凝固、免疫、移植、ある
いは炎症を制御する他、血管新生を伴う各種の生理的状
態(例えば、固体発生、成長、排卵、創傷治癒等)ある
いは病的状態(リウマチ、固形癌の増殖・転移等)を制
御している重要な細胞である。従って、血管内皮細胞の
増殖を亢進あるいは抑制することにより、各種の疾患の
治療および予防が可能となる。このような疾患として、
例えば、リウマチ様関節炎、固形癌、網膜症、乾癬症な
どを挙げることができる。さらに、VEGF-flt受容体系
は、血管透過性にも重要な役割を果たすことが報告され
ているので、flt プロモーターを利用して血管内皮細胞
の機能を制御することにより、胸水や腹水などに対する
治療も期待できる。
【0019】血管内皮細胞の特性を特異的に抑制するた
めには、例えば、本発明のプロモーターを含むプロモー
ター領域に特異的に結合するアンチセンスDNA あるいは
RNAなどを利用することができる。VEGFは固形癌の血管
新生を誘導しており、その受容体である受容体型チロシ
ンキナーゼflt は腫瘍血管において強く発現しているこ
とが報告されている。従って、上記のようなアンチセン
ス核酸は、例えば、血管新生阻害剤として用いることが
期待できる。このようなアンチセンスDNA としては、例
えば、本発明のプロモーターの核酸配列に存在する調節
領域であるGGAAG 配列 (-147〜-143、-130〜-125、-54
〜-50)に結合する核酸などを例示することができるが、
これらに限定されることはない。
【0020】上記構造遺伝子を連結した組換えベクター
やアンチセンス核酸を、例えば癌の治療や予防、あるい
は血友病の治療等を目的として用いる場合、経口的ある
いは非経口的、好ましくは非経口的に患者に投与すれば
よい。投与にあたり、薬理学的、製剤学的に許容しうる
添加物を添加したり、あるいはリポソーム等を利用する
ことにより、当業者に周知な形態の製剤を製造すること
ができる。例えば、薬理学的、製剤学的に許容しうる添
加物として、賦形剤、崩壊剤ないし崩壊補助剤、結合
剤、滑沢剤、コーティング剤、色素、希釈剤、基剤、溶
解剤ないし溶解補助剤、等張化剤、pH調節剤、安定化
剤、湿潤剤、懸濁補助剤、甘味剤、芳香剤、着色剤、保
存剤、噴射剤、及び粘着剤等を用いることができる。経
口投与に適する製剤の例としては、例えば、錠剤、カプ
セル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、液剤、又はシロップ剤
等を挙げることができ、非経口投与に適する製剤として
は、例えば、注射剤、点滴剤、坐剤、吸入剤、点眼剤、
点鼻剤、軟膏、又は貼付剤等を挙げることができる。投
与量は年齢、病態、症状により適宜増減することでき
る。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定され
ることはない。 (a) 組織及び細胞株中のヒトflt 遺伝子の発現 組織及び細胞株中のヒトflt 遺伝子の発現を調べるため
に、各種ヒト組織及び細胞株をノーザンブロッティング
により分析した。ヒト絨毛上皮腫BeWo細胞, アデノウイ
ルスタイプ5で形質転換したヒト胎児腎臓細胞, 293 細
胞及び 293E1細胞(上記 293由来の細胞:アデノウイウ
スタイプ12のE1A 領域をトランスフェクトしたもの)、
および各種癌細胞を用いた。ヒト分娩胎盤は佐藤博士
(虎の門病院、東京)から入手したものを用い、その他
の組織類は谷博士(東京大学医科学研究所、東京)から
入手したものを用いた。
【0022】ノーザンブロッティングは以下のとおり行
った。RNA はチーグインら (Chirgwin et al. Biochemi
stry, 18, 5294-5299, 1977)の方法に従い、グアニジウ
ム−チオシアネート/CsCl密度勾配遠心により調製し
た。Poly (A)+ RNA はオリゴ(dT)セルロースカラムクロ
マトグラフィーによって選択し、50% ホルムアミド/ 2.
9 M ホルムアルデヒド/ 10 mMリン酸ナトリウムバッフ
ァー pH 7.4/0.5 mM EDTA 中、65℃で変性させ、1.1 M
ホルムアルデヒドを含む 1% アガロースゲルで電気泳動
した。電気泳動後、RNA をニトロセルロースフィルター
(S&S 、ドイツ)に移動させ、プローブにハイブリダイ
ズさせた。
【0023】ハイブリダイゼーションのプローブとして
は、ヒトflt cDNAクローン # 3-7 (Shibuya, M., et a
l., Oncogene, 5, 519-524, 1990)の 5.7 kb EcoRI
EcoRIフラグメント、及び 0.5 kb EcoRI−Ps
Iフラグメントを、ランダムプライマー法(Feinberg
and Vogelstein, Anal. Biochem., 132, 6-13, 1983)
によりα−32P-dCTP(アマシャム、>3000 Ci/mmol)で
ラベルして用いた。ハイブリダイゼーション後、フィル
ターを3× SSC及び 0.1 % SDS、37℃、及び 0.1× SSC
及び 0.1 % SDS、50℃で洗浄した。乾燥させたフィルタ
ーをデュポン・クロネックスX線フィルムに -70℃で増
感剤(デュポン・ライトニングプラス)を加えて感光さ
せた。
【0024】プローブとして完全なコード領域を含む約
5.7 kbのヒトflt cDNAフラグメントを用いると、4本の
バンド(8.0, 7.5, 3.0, 2.2 kb)が胎盤組織、293 細
胞、293E1 細胞、及び BeWo 細胞について検出された。
肝臓、腎臓及び筋肉については2本の微弱バンド(8.0,
7.5kb) が検出された。上皮癌及び造血系統を含む他の
細胞株にはバンドは検出されなかった。検出された組織
・細胞は、腎臓、肝臓、筋肉、293 細胞、293E1 細胞、
及び絨毛上皮腫 BeWo 細胞であり、検出されなかった細
胞は、Hela (Epitheloid carcinoma) 、KB (Epidermoid
carcinoma) 、A431 (Epidermoid carcinoma) 、KATOII
I (Gastric carcinoma) 、ITO-II (Testicular tumor)
、Namalwa (Burkitt's lymphoma)、Daudi (Burkitt's
lymphoma)、Raji (Burkitt's lymphoma) 、U937 (Histi
ocytic lymphoma) 、K562 (CML)、MOLT-4 (ALL)、およ
び HL-60 (Promyelocytic leukemia) であった。
【0025】以上のノーザンブロット分析は、ヒトflt
遺伝子から胎盤において4種のmRNAが高レベルに発現さ
れており、肝臓、腎臓、及び筋肉において2種のmRNAが
低レベルに発現されることを示している。このように異
なる発現パターンが得られることは、mRNAの選択的スプ
ライシング、プレマチュア終止、あるいは転写後の調節
によるものである可能性がある。これらの結果はまた、
ヒトflt 遺伝子の発現が組織又は細胞特異的な様式で厳
密に調節されていることを示している。
【0026】(B) 5´フランキング領域を含むヒトflt
ゲノム性クローンの単離 ノーザンブロット分析により、ヒトflt 遺伝子が組織特
異的に発現している可能性が示唆された。この組織特異
性に関与するプロモーター及びエンハンサー領域を調べ
るために、ヒトflt 遺伝子の5´フランキング領域を含
むクローンをヒト胎盤ゲノム性ライブラリー (Matsushi
me, H., et al., Mol. Cell. Biol., 6,3000-3004, 198
6) から作成した。
【0027】ライブラリーをヒトflt cDNAクローン#3-7
の 0.5 kb EcoRI−PstIフラグメントをプローブ
としてスクリーニングし、8個のポジティブクローンを
単離した。組換えファージDNA をマニアチスらの標準的
方法により精製し、インサートの制限酵素地図を各種制
限酵素(タカラ酒造、京都、日本)を用いて作成した。
これらのクローンのうちの2個(FLT26 、FLT41)は同じ
制限地図を有していた(図1)。推定エクソン1を含む
ポジティブフラグメントを後の分析に用いるためにプラ
スミドpUC19 中にサブクローニングした。
【0028】EcoRI−PstI 0.5 kb プローブを用
いてゲノムDNA に対するサザンブロッティングを行っ
た。DNA を標準的方法によりヒト胎盤から精製し、切断
したDNA を 0.8 %アガロースゲル中で分画した後、ニト
ロセルロースペーパー(S&S 、ドイツ)に写し取り、上
記のプローブでハイブリダイズさせた。フィルターを洗
浄し、乾燥させて、X線フィルムに感光させた。この結
果、このプローブはゲノム性DNA がPstIで切断され
た時に 4.0及び 4.3 kb フラグメントとハイブリダイズ
することが示された。このプローブとハイブリダイズし
た FLT26の 4.0 kb PstI−PstIフラグメントを
以降の分析に用いた。他のクローンもこのプローブとハ
イブリダイズしたが、制限酵素地図が FLT26とオーバー
ラップしていなかった。この結果並びにプローブとして
1.9 kb PstI-NcoI(-1629 から+280) ゲノム性フ
ラグメントを用いたゲノム性サザンブロッティングの結
果から、エクソン1及びエクソン2の間には最低 5Kbの
イントロン配列が存在することが示された。
【0029】(C) 推定エクソン1及びその上流領域の配
列分析 上記のcDNAクローンの配列分析の結果から、cDNAクロー
ンの5´末端は核酸番号 +10から +32の領域に集中して
いることが示された。この集中領域はヒトflt遺伝子の
5´非コード領域に対応しているので、この4.0 kbPs
Iゲノム性DNA は推定エクソン1の5´境界を含むと
考えられる。そこで、ヒトflt 遺伝子及びその上流領域
のゲノム構造を分析するために、推定エクソン1を含む
2.2 kbDNA の配列を、pUC19 ベクター中にサブクロー
ニングしたPstI−PstI 4.0 kb フラグメントの
欠失クローンを用い、ジデオキシ連鎖停止法 (Sanger e
tal.)により以下のようにして決定した。配列決定のた
めの欠失変異体シリーズプラスミドを両方向からキロデ
リーションキット(タカラ酒造、京都、日本)のExo
III ヌクレアーゼ及びマング・ビーンヌクレアーゼを用
いて製造した。配列決定のための鋳型として用いるプラ
スミドDNA はアルカリ変性法(マニアチスら(Maniatis
et al.) 、1982年)により調製した。配列決定反応は製
造元が推奨する条件下で行った(タカラ酒造、京都、日
本)。
【0030】推定エクソン1を含む 2.2 kb DNA の配列
を配列表の配列番号1に示す。ヒトflt cDNA配列 (Shib
uya, M, et al., Oncogene 5, 519-524, 1990)と比較す
ることにより、推定エクソン1及びイントロン接合部位
は核酸番号 +345 であると決定された。また、この接合
部位にはスプライスドナー配列GTGAGGが続いていた。短
サイズ cDNA の5´配列の結果と比較すると、この推定
エクソン1はシグナルペプチドに対応する 21 アミノ酸
をコードしていることが見出され、最低 272 bp の極め
てGCリッチな(約80%)5´非コード領域を含んでいた。
【0031】推定エクソン1より上流領域はGCリッチな
配列(約70%)、TATAボックス(-28から-33)及び、転写活
性化蛋白 Sp1に結合する4個のGCボックス、すなわち G
GGCGG 又は CCGCCC (-17から-22 、-165から-170、-359
から-365、-408から-413)を含んでいたが、CAATボック
スは含まれていなかった。これらの配列モチーフは他の
既知の真核生物遺伝子の典型的なプロモーター領域にも
存在することから、flt 遺伝子中の推定エクソン1の上
流配列は真核生物プロモーター領域の構造的特徴を有す
ることが明らかである。
【0032】上記の配列分析から、転写を活性化する別
cisエレメントの存在が明らかにされた。サイクリ
ックAMP 反応性エレメント(CRE) と呼ばれる配列 TGACG
TCA(-83から-76)は TATA ボックスの 50 bp上流に位置
している。このエレメントはエンハンサーエレメントと
して機能することが知られており、細胞内サイクリック
AMP の濃度に応じて転写誘導性を与えるものである。さ
らに、TATAボックスの上流領域には2個の正反復及び2
個の逆反復が見出された。正反復-Iは -210 から -198
、及び -189 から -177 に位置しており、正反復-II
は -134 から -119 、及び -113 から -97に位置してい
た。逆反復-Iは -487 から -461 に位置しており、逆反
復-II は -249 から -232 に位置していた。
【0033】(D) S1 ヌクレアーゼマッピング flt 遺伝子中のエクソン1の5´末端及び転写開始部位
を決定するため、 S1ヌクレアーゼ分析をマニアチスら
(Maniatis et al., Science, 236, 1237-1245, 1987)
の方法にしたがって行った。ウシ腸アルカリフォスファ
ターゼ(ベーリンガー−マンハイム、ドイツ)で脱リン
酸化した後、T4ポリヌクレオチドキナーゼ(タカラ酒
造、京都、日本)及びγ−32P-ATP (アマシャム、>50
00 Ci/mmol)で5´末端をラベルした 365 bp SmaI-
SmaI (-232 から+133) フラグメントに対して、30μ
l の 80 % ホルムアミド/0.4 M NaCl/40 mM Pipes, p
H 6.4 /1 mM EDTA 中、55℃で3時間にわたり、ヒト胎
盤、HL60、及び U937 の全RNA 及びポリ(A) 選択RNA を
ハイブリダイズさせた。
【0034】その後 S1 ヌクレアーゼ(ファルマシア、
スウェーデン)で 45 ℃、30分間切断した。サンプルを
8% シーケンスゲルで電気泳動し、その後、ゲルを乾燥
させて増感剤なしにX線フィルムに -70℃で感光させた
ところ、胎盤RNA を用いた場合に2個の保護されたバン
ドが検出された。これらのバンドのサイズは 133及び13
4ヌクレオチド長であった。これらのサイズは TATA ボ
ックスの 35 、36 bp下流に対応しており、 TATA ボッ
クス及び転写開始部位の間の塩基長に対応するものであ
った。
【0035】(E) プライマー伸長分析 S1 マッピングの結果を確認するために、プライマー伸
長分析を行った。プライマー伸長分析は石井ら(Ishii e
t al.)の方法に従って行い、2個の 30mer合成オリゴヌ
クレオチドをプライマーとして用いた。プライマー1及
びプライマー2は、それぞれ +203 から +232 及び +32
から +61に対応するものである。各プライマーを T4 ポ
リヌクレオチドキナーゼを用いて5´末端を32P-ラベル
し、ポリ(A) 選択RNA に対して 20 μl の 50 % ホルム
アミド/0.4 M NaCl/40 mM Pipes, pH 6.4 /1 mM EDT
A 中、50℃で一晩ハイブリダイズさせた。その後エタノ
ールで沈澱させた後、33 uの AMV逆転写酵素(生化学工
業、東京、日本)を含む反応バッファー中、42℃で1時
間インキュベートした。サンプルを上記のように電気泳
動及びオートラジオグラフィーにかけ、伸長産物をポリ
アクリルアミドゲル電気泳動により分析した。
【0036】プライマー1を用いた場合、約 240ヌクレ
オチドの産物が胎盤のレーンにのみ検出された。伸長産
物の長さは S1 マッピングの結果と若干異なっていたの
で、伸長産物の正確な長さを測定するためにプライマー
2を用いた。この条件では、2個の伸長産物がポリ(A)
選択胎盤RNA を用いた場合に検出された。伸長産物の長
さは61及び62ヌクレオチドであり、これはそれぞれ +1
及び -1 に対応していた。 S1 マッピング法及びプライ
マー伸長法の結果の間の違いはわずか1塩基対であるの
で、核酸番号 -1 或いは +1 、又はその両方が転写の開
始部位であると考えられる。
【0037】(F) 以上のとおり、ヒトflt 遺伝子の5´
フランキング領域の構造的分析から、TATAボックス及び
GCボックスはこの領域中に存在するが、CAATボックスは
存在しないことが明らかになった。TATAボックスは転写
開始部位を固定させるものと考えられる。flt 遺伝子の
S1 マッピング及びプライマー伸長分析により、TATAボ
ックスの約 30 bp下流に転写開始部位が同定された。GC
ボックスは、受容体型チロシンキナーゼ遺伝子を含む細
胞性遺伝子、EGF 受容体 (Ishii et al., Proc.Natl. A
cad. Sci. USA, 84, 4374-4378, 1987)及びインシュリ
ン受容体(Arakiet al., Cell, 49, 729-739, 1987)等
のプロモーター領域、並びに SV40 初期遺伝子のプロモ
ーター領域 (Briggs et al., Science, 234, 47-52, 19
86) 中に見出されている。
【0038】さらに、このプロモーター中にCAATボック
スが存在しないことから、c-erbB-2遺伝子(CAATボック
ス:−)(Ishii et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA,
84,4374-4378, 1987)とは異なる転写調節メカニズムで
あるが、EGF 受容体及びインシュリン受容体(CAATボッ
クス:+)に類似する転写調節であることが示唆され
る。従って、次にCAT (chloramphenicol acetyltransfe
rase) アッセイ (Gormanet al., Mol. Cell. Biol., 2,
1044-1051, 1982)により、ヒトflt 遺伝子の5´フラ
ンキング領域の機能性領域を調べた。以下の試験例にお
いて、酵素、リンカー、及びキットは市販のもの(タカ
ラ酒造、京都)を用いた。
【0039】(G) CAT アッセイ CAT アッセイのバックグラウンドを減少させるために、
プロモーター配列より上流に転写終止シグナルがある p
UCOOCAT プラスミド(図2)を以下のように作製した。
CAT アッセイ用のオリジナルプラスミド pSV2CAT (Gorm
an et al.)をEcoRIで部分的に切断し、クレノウ酵素
により充填した後 8 bp HindIII リンカーに結合
し、さらにHindIII で再切断した。得られた細菌性
クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CA
T) 遺伝子を含む 2.4 kb HindIII-HindIII フ
ラグメントを pUC19のHindIII 部位に挿入した。挿
入したフラグメントの定位を制限マッピングにより決定
し、同じ定位のCAT 遺伝子及びポリリンカー領域(Ec
RIからHindIII まで)を含むプラスミドを pUCCA
T と命名した。
【0040】pUCOOCATを作製するために、SV40初期領域
(Araki et al.) のポリ(A) 付加シグナル配列を含む p
SVOCATのHpaI−BamHI(135 bp)フラグメントを
クレノウ酵素により平滑末端とした後、Pvu部分切断
pUCCAT プラスミドに結合させた。CAT 遺伝子の5´上
流領域の最も近位に正しい方向でHpaI−BamHI
フラグメントを含むプラスミドを制限マッピングにより
決定した。
【0041】CAT アッセイ用の種々の5´欠失クローン
を、ヒトflt 5´フランキング領域の 1905 bpフラグメ
ントを含むプラスミド pPNOOCAT を用いることにより製
造した。ExoIII ヌクレアーゼ及びマング・ビーンヌ
クレアーゼを用いて欠失を導入した。幾つかのアッセイ
プラスミドにおいては、ヒトflt 5´フランキング領域
の3´末端の 268 bp(+9から+276)配列を欠失させた。
欠失変異のサイズ及びインサートの5´末端及び3´末
端を制限マッピング及び配列決定により決定した。ま
た、適当な制限酵素部位、すなわち、NaeI (+276)、
SmaI (+189)、BanI (+133)、SstII (+8) 、
atII (-62)、及びApaI (-82) を用いることにより
種々の3´欠失クローンを製造した。各3´欠失変異体
プラスミドのインサートサイズは制限フラグメントサイ
ズから決定した。
【0042】293E1 、A431、及びJEG-3 細胞を 2×106
細胞/100 mmディッシュでプレート培養した。HeLa細胞
は 4×105 細胞/100 mmディッシュでプレート培養し
た。293E1 は上記と同様に培養したものを用い、HeLa、
A431、及びJEG-3 の各細胞は10%FCS を加えたダルベッ
コの改良イーグル培地中で継代培養したものを用いた。
24時間後、細胞を20μg の試験プラスミド及び1μg の
内部対照プラスミドpRSV-SR-ベータGal (Ishii et al.)
を含むリン酸カルシウム沈澱とともに37℃で4時間イン
キュベートし、15% グリセロール/HBS で 293E1につい
ては2分間、A431及びJEG-3 については1分間、あるい
は HeLa については 30 秒間にわたり室温で衝撃を与
え、さらに37℃で48時間インキュベートした。
【0043】また、U937細胞を、500 μg DEAE−デキス
トラン/ml トリス緩衝食塩水(TBS)中で10μg の試験プ
ラスミド及び 0.5μg のpRSV-SR-ベータGal と共に室温
で30分間インキュベートした。インキュベート後、細胞
を TBSで3回洗浄した後、37℃で48時間インキュベート
した。CAT アッセイはゴールマンらの方法に準じて、以
下のように行った。細胞抽出物は凍結及び解凍を3回行
うことにより調製し、蛋白濃度はバイオ−ラッド・ラボ
ラトリーの蛋白アッセイ試薬 (Bradford) により測定し
た。200 μg の蛋白、0.1 μCiの[14C]-クロラムフェニ
コール(アマシャム、50-60 mCi/mmol) 及び 4mM アセ
チル・コエンザイム Aを含む反応混合液を37℃で4時間
インキュベートした。クロラムフェニコールを酢酸エチ
ルで抽出し、TLC ペーパー上でクロマトグラフィーにか
けた後、X線フィルムに感光させた。
【0044】(H) ヒトflt 遺伝子の5´フランキング領
域が支配するクロラムフェニコールアセチルトランスフ
ェラーゼの 293E1細胞における発現 初めに、CAT 遺伝子のすぐ上流のpUCOOCATのPstI-
indIII 部位に挿入されている最も長い5´flt フラ
ンキング領域 (-1629 から+8) を含むプラスミドpPSOOC
ATを用いて CAT活性を検出した。この結果は、このフラ
グメント中にプロモーターエレメントが存在する可能性
を示していた。プロモーター活性を含む正確な領域の位
置を決定するために、ヒトflt 遺伝子の5´フランキン
グ領域中に5´側欠失をもたらすプラスミドを用いてア
ッセイしたところ、核酸番号-1629 から-435までが欠失
した場合にCAT 活性は約2倍に上昇した。この CAT活性
レベルは5´側領域が-229まで欠失されても変化しなか
った。さらに-77 まで欠失すると、 CAT活性はほとんど
バックグラウンドレベルまで減少した。従って、 CAT活
性を発現するために必要な最小領域は、TATAボックス及
び2個のGCボックスを含む領域である-229から+8までの
領域と考えられた。-435までの欠失により CAT活性が上
昇することは、-1629 から-435の間にマイナスの調節エ
レメントが存在する可能性を示唆するものと思われる。
【0045】5´領域フラグメント(-1629から+276) を
含むプラスミドpPNOOCATを3´末端から欠失させたプラ
スミドを用いて、プロモーター活性に必要な3´領域を
決定した。pPNOOCAT(-1629から+276) の CAT活性はpPSO
OCAT(-1629から+8) の CAT活性と比較すると顕著に高か
ったが、この高レベルの CAT活性は-1629 から+276の3
´領域を欠失させると低下した。3´配列が+8まで欠失
した場合には CAT活性は顕著に減少した。また、3´欠
失がTATAボックスの範囲(-33から-28)より先に及んだ場
合には CAT活性は検出されなかった。従って、flt 遺伝
子プロモーターがその活性を発現するためには、TATAボ
ックス、1GCボックス、及び CREを含む-62から+8の領
域が重要な役割を担っていることが示唆された。エクソ
ン1の非コード領域を含むプラスミドの CAT活性が高い
ことは、この領域に転写促進作用を持つ可能性を示唆し
ている。
【0046】flt 遺伝子の5´非コード領域中のプロモ
ーター活性を確認するために、2個のフラグメント(-2
29から+8、及び-77 から+8)を CAT遺伝子の5´側にそ
れぞれ逆方向に挿入して CAT活性を測定した。-229から
+8のフラグメントを含むプラスミドの CAT活性は、正方
向で含むプラスミドの約2分の1に減少した。本来、転
写プロモーターは正方向で機能するが、上記の結果はそ
れに反する事実を示している。本発明のプロモーター中
には、定位とは無関係に機能するGCボックス(-165 から
-170) が存在しており、あるいはエンハンサーエレメン
トが関与している可能性がある。
【0047】上記のように、293E1 細胞における CAT活
性は、ヒトflt 遺伝子の5´フランキング領域中に転写
調節に影響を及ぼす複数のエレメントが存在することを
示唆している。この領域がflt 遺伝子発現の特異性を調
節しているのかどうかを調べるために、4種類のプラス
ミド (pPH00CAT: -1629 − +276-CAT; pPS00CAT: -1629
− +8; p5'AN00CAT: -229 − +276; p5'AS00CAT: -229
− +8)を5種の細胞株(293E1, HeLa, A431, JEG-3, 及
びU937)に導入してアッセイした。
【0048】これらのプラスミドを293E1 に導入した場
合、p5'ANOOCAT(-229 から+276) が最高の CAT活性を発
現した。p5'ANOOCAT(-229 から+276) の+9から+276が欠
失したp5'ASOOCAT(-229 から+8) のCAT 活性は低下して
いた。pPNOOCAT(-1629から+276) 及びpPSOOCAT(-1629か
ら+8) を用いた場合にも同様の関係が観察された。pPNO
OCAT(-1629から+276) の CAT活性をp5'ANOOCAT(-229 か
ら+276) のCAT 活性と比較した場合、並びにpPSOOCAT(-
1629から+8) の CAT活性をpASOOCAT(-229 から+8) のCA
T 活性と比較した場合、これらのプラスミドの CAT活性
は相対的に低かった。これらのデータはさらに、+9から
+276の領域にプラスの調節エレメントが存在しており、
かつ-1629 から-229の領域にマイナスの調節エレメント
が存在していることを支持するものである。
【0049】CAT活性はHeLa、A431、及びU937におい
て、p5'ANOOCAT(-229 から+276) がこれらの細胞株に導
入された際に検出された。他のプラスミドを導入した場
合には4種の細胞株のいずれも検出可能な活性を示さな
かった。上記のとおり、flt 遺伝子の転写はHeLa、A43
1、及びU937において検出されておらず、従って、-1629
から+276の領域はこれらの細胞株においてマイナスの調
節作用を担うことが示唆される。また、+9から+276の領
域は、少なくともHeLa、JEG-3 及びU937においてもプラ
スの調節作用を示した。293E1 に CAT活性を導入するた
めの最小領域を含むプラスミドp5'ASOOCAT(-229 から+
8) は、他の4種の細胞株に CAT活性を導入できなかっ
た。従って、この領域(-229 から+8) は flt遺伝子の細
胞型特異的発現に関与していると結論される。
【0050】(I) flt 遺伝子プロモーターの血管内皮細
胞系における作用 293E1 細胞にかえてヒト血管内皮細胞におけるflt 遺伝
子プロモーターの作用を検討した。ヒト血管内皮細胞
(血管腫由来細胞)を培養し、さらにT抗原を導入して
ヒト血管内皮細胞系 AG-1 を樹立した。培養およびT抗
原の導入はポリブレン・DMSO法に従って行った。この細
胞はヒト受容体キナーゼ fltを弱〜中程度発現してい
る。この細胞にリン酸カルシウムとグリセロールを用い
た上記方法によりプラスミドを導入し、上記の方法に準
じてCAT アッセイを行った。結果を以下の表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】表1に示されるとおり、-250から+8の領域
に血管内皮細胞におけるプロモーター活性が認められ
た。上記のとおり、Hela、A431などヒト受容体キナーゼ
fltを発現していない細胞ではこの領域にプロモーター
活性が認められないので、上記の結果は、この塩基配列
内にヒト血管内皮細胞における基本的な転写調節部位が
存在することを示している。血管内皮細胞系では ets-
1、ets-2 などの転写因子 (Ets)が発現しており、これ
らが血管内皮細胞に特異的な遺伝子発現に関与している
こが報告されている (Wernert, N., et al., Amer. J.
Pathol., 140, 119-127, 1992)。そこで、この-250から
+8の領域におけるEts 結合モチーフを検索した。その結
果、Ets コアモチーフを含む GGAAG配列が-147〜-143、
-130〜-125、-54 〜-50 の3カ所に見出された。従っ
て、これらがヒト受容体キナーゼ fltの発現調節に作用
しているものと考えられる。
【0053】
【発明の効果】本発明により、血管内皮細胞において特
異的に作用するプロモーターが提供された。上記のプロ
モーターを用いることにより、血管内皮細胞において特
異的に目的のポリペプチドを発現させることができるの
で有用である。
【0054】
【配列表】
配列番号 : 1 配列の長さ: 840 配列の型 :核酸 鎖の数 :二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列 CCGGACTGCG CCTCAGTCCT CCGTGCCAAG AACACCGTCG CGGAGGCGCG GCCAGCTTCC -430 CTTGGATCGG ACTTTCCGCC CCTAGGGCCA GGCGGCGGAG TTCAGCCTTG TTCCTTCCCA -370 GTTTCGGGCG GCCCCCAGAG CTGAGTAAGC CGGGTGGAGG GAGTCTGCAA GGATTTCCTG -310 AGCGCGATGG GCAGGAGGAG GGGCAAGGGC AAGAGGGCGC GGAGAAAGAC CCTGAACCTG -250 CCGGGGCCGC GCTCCCGGGC CCGCGTCGCC AGCACCTCCC CACGCGCGCT CGGCCCCGGG -190 CCACGCGCCC TCGTCGGCCC CCGCCCCTCT CCGTAGCCGC AGGGAAGCGG AGCCTGGGAG -130 GAAGAAGAGG GTAGGTGGGG AGGCGGATGA GGGGTGGGGG ACCCCTTGAC GTCACCAGAA -70 GGAGGTGCCG GGGTAGGAAG TGGGCTGGGG AAAGGTTATA AATCGCCCCC GCCCTCGGCT -10 . GCTCTTCATC GAGGTCCGCG GGAGGCTCGG AGCGCGCCAG GCGGACACTC CTCTCGGCTC 51 +1 CTCCCCGGCA GCGGCGGCGG CTCGGAGCGG GCTCCGGGGC TCGGGTGCAG CGGCCAGCGA 111 GCGCTGGCGG CGAGGATTAC CCGGGGAAGT GGTTGTCTCC TGGCTGGAGC CGCGAGACGG 171 GCGCTCAGGG CGCGGGGCCG GCGGCGGCGA ACGAGAGGAC GGACTCTGGC GGCCGGGTCG 231 TTGGCCGGGG GAGCGCGGGC ACCGGGCGAG CAGGCCGCGT CGCGCTCACC 281 ATG GTC AGC TAC TGG GAC ACC GGG GTC CTG CTG TGC GCG CTG CTC 326 Met Val Ser Tyr Trp Asp Thr Gly Val Leu Leu Cys Ala Leu Leu AGC TGT CTG CTT CTC ACA 344 Ser Cys Leu Leu Leu Thr GGTGAGG 351
【図面の簡単な説明】
【図1】 ヒトflt cDNAクローン#3-7の 0.5 kb Eco
RI−PstIフラグメントをプローブとしてスクリーニ
ングして得られたポジティブクローン(FLT26 およびFL
T41)の制限酵素地図を示す図である。
【図2】 プロモーター配列より上流に転写終止シグナ
ルがあるCAT アッセイプラスミドである pUCOOCAT プラ
スミドの構造を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 5/10 C12P 21/02 C 9282−4B // C07H 21/04 Z C12Q 1/68 A 9453−4B (C12N 5/10 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:91) (C12N 5/00 B C12R 1:91)

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列表の配列番号1に示される核酸配列
    の核酸番号-229〜+8により特定される核酸配列又はその
    一部を含むプロモーター。
  2. 【請求項2】 配列表の配列番号1に示される核酸配列
    の核酸番号-229〜+8により特定される請求項1記載のプ
    ロモーター。
  3. 【請求項3】 配列表の配列番号1に示される核酸配列
    の核酸番号-229〜+8により特定される核酸配列またはそ
    の一部を含むヒト受容体型チロシンキナーゼ遺伝子flt
    のプロモーター。
  4. 【請求項4】 配列表の配列番号1に示される核酸配列
    の核酸番号-229〜+8により特定される請求項3記載のヒ
    ト受容体型チロシンキナーゼ遺伝子flt のプロモータ
    ー。
  5. 【請求項5】 血管内皮細胞で特異的に機能する請求項
    1ないし4のいずれか1項に記載のプロモーター。
  6. 【請求項6】 ヒト血管内皮細胞で特異的に機能する請
    求項5記載のプロモーター。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれか1項
    記載のプロモーターを含む組換えDNA 。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の組換えDNA を含むベクタ
    ー。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のベクターにより形質転換
    された形質転換体。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし請求項6のいずれか1
    項記載のプロモーターと該プロモーターの下流に連結さ
    れた構造遺伝子とを含む組換えDNA 。
  11. 【請求項11】 血管内皮細胞で特異的にポリペプチド
    を発現する請求項10記載の組換えDNA 。
  12. 【請求項12】 血管内皮細胞がヒト血管内皮細胞であ
    る請求項11記載の組換えDNA 。
  13. 【請求項13】 請求項10ないし12のいずれか1項に記
    載の組換えDNA を含む組換えベクター。
  14. 【請求項14】 請求項13記載のベクターを用いて血管
    内皮細胞を形質転換する方法。
  15. 【請求項15】 請求項13記載のベクターを用いて血管
    内皮細胞において特異的にポリペプチドを発現させる方
    法。
  16. 【請求項16】 請求項13記載のベクターにより形質転
    換された形質転換体。
  17. 【請求項17】 血管内皮細胞である請求項16記載の形
    質転換体。
  18. 【請求項18】 請求項17記載の形質転換体を培養した
    培養物から構造遺伝子によりコードされるポリペプチド
    を分離・採取するポリペプチドの製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項13記載のベクターにより形質転
    換された動物。
  20. 【請求項20】 病態モデル動物である請求項19記載の
    動物。
  21. 【請求項21】 請求項13記載のベクターを有効成分と
    して含有する遺伝子欠損に基づく疾患の治療剤。
  22. 【請求項22】 請求項1ないし請求項6のいずれか1
    項記載のプロモーターの機能調節剤。
  23. 【請求項23】 アンチセンス核酸である請求項22記載
    の機能調節剤。
  24. 【請求項24】 請求項22または請求項23に記載の機能
    調節剤を有効成分として含有する血管新生阻害剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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FR2756570A1 (fr) * 1996-12-03 1998-06-05 Commissariat Energie Atomique Promoteur de la ve-cadherine et ses utilisations
US5916763A (en) * 1995-11-09 1999-06-29 The Regents Of The University Of California Promoter for VEGF receptor

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