JPH07289249A - 神経細胞用培地及びその培養方法 - Google Patents

神経細胞用培地及びその培養方法

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JPH07289249A
JPH07289249A JP6110472A JP11047294A JPH07289249A JP H07289249 A JPH07289249 A JP H07289249A JP 6110472 A JP6110472 A JP 6110472A JP 11047294 A JP11047294 A JP 11047294A JP H07289249 A JPH07289249 A JP H07289249A
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JP
Japan
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medium
culture
serum
culture supernatant
nerve cells
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JP6110472A
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English (en)
Inventor
Tamotsu Orihara
保 織原
Yoshiaki Watanabe
芳明 渡辺
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BIO MATERIAL KENKYUSHO KK
Original Assignee
BIO MATERIAL KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 神経細胞用培地及びその培養方法を提供す
る。 【構成】 株化肝細胞を無血清培養して得られる培養上
清を特定の温度で加熱することにより得られる長期間、
培地交換が不要な神経細胞用培地及び該培地を用いた神
経細胞の培養方法。 【効果】 神経細胞の生存を長期に亘って維持し、神経
突起伸長を促し、従来の神経細胞用培地よりも単位体積
当たりの活性が強く、長期間培地交換が不要であるとい
う効果がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、神経細胞の長期生存を
可能にする神経細胞用培地、及び神経細胞の長期生存に
有用な神経細胞の培養方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、神経細胞を培養する際には神経栄
養因子と呼ばれる生理活性物質を添加した培地が使用さ
れている。この神経栄養因子としてよく知られているも
のに神経成長因子があるが、該因子は、末梢神経には有
効でも中枢神経では一部の細胞を除いて効果が認められ
ない。そこで、一般的には血清を添加して培養を行う方
法が採用されている。しかしながら、血清はロット間の
性能差が大きく、適するロットの選定に多大な労力を必
要とする等の問題点がある。また、神経細胞採取時に混
入した増殖性のグリア細胞が徐々に増殖し、非増殖性の
神経細胞よりも優勢になってしまう等の問題点がある。
しかも血清中には未知物質が多数含まれているため培養
目的によってはこれらの未知物質が障害になることもあ
る。
【0003】その他、神経細胞の培養方法として、動物
組織抽出物や各種細胞の培養上清液を添加する方法もし
ばしば用いられるが、その中に含まれる有効成分を同定
するには至っていない。また、これらの物質は共存する
プロテアーゼ類によって分解されることなどのため、徐
々に活性を失っていくのが通例である。このような状況
下にあって、本発明者等は、神経細胞の培養技術につい
て種々検討を重ねる中で、先に、無血清培養した株化肝
細胞の培養上清に関して特許出願を行った(特開平5−
111381号公報)。しかしながら、当該特開平5−
111381号公報に開示されている無血清培養した株
化肝細胞の培養上清を用いると、血清添加系で認められ
るグリア細胞の増殖も少なく神経細胞の生存が維持され
るが、単位体積当たりの活性が比較的弱く2〜3日に1
度の割合で培地を交換しなければ好適な培養を達成する
のが難しいという点でやや問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般に、神
経毒性や神経疾患などの細胞レベルの研究にはグリア細
胞の混在のない神経細胞の培養が必要とされている。前
記した如く、一般に、神経細胞の培養には血清添加培地
が使用されるが、このような血清添加培地を用いるとグ
リア細胞が増殖してしまうという問題点がある。また、
これらの研究には未知の成分ができるだけ含まれていな
い培養液を使用するのが望ましいが、血清には必然的に
未知成分が多量に含まれている。このような状況の中
で、本発明者等は、前記したように、血清不含にて神経
細胞を培養できる培地を特開平5−111381号公報
に示される如く既に開発するに至っている。しかしなが
ら、神経細胞に対する単位体積当たりの活性が比較的弱
く、そのため培地を交換しないと5日以降には神経細胞
は大半が死滅してしまい、従って、好適な培養を維持す
るには、頻繁に培地を交換をしなければならないという
点でやや問題が有り、その改善が望まれている状況にあ
った。本発明者等は、このような状況を踏まえて、上記
のような従来技術の有する各種の問題点を解決すべく鋭
意研究を進めた結果、神経細胞用培地として、無血清培
養して得られる株化肝細胞の培養上清に特定の処理を施
したものを用いることによって所期の目的を達成し得る
ことを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は以下のような技
術的手段から構成されるものである。 (1)無血清培養して得られる株化肝細胞の培養上清を
45℃以上100℃以下に加熱したことを特徴とする神
経細胞用培地。 (2)無血清培養して得られる株化肝細胞の培養上清を
45℃以上100℃以下に加熱した後該培養上清を培地
として使用することを特徴とする長期生存可能な神経細
胞の培養方法。 (3)神経細胞の培地中に占める該加熱培養上清の濃度
が50%以上100%以下であることを特徴とする上記
(2)記載の神経細胞の培養方法。
【0006】本発明における株化肝細胞は、特に限定さ
れるものではないが、例えば、Chang Live
r,NTCCクローン1499、N−MULi、クロー
ン9、H4−II−E−C3、H4TC、McA−RH
7777、McA−RH8994などの株化肝細胞を好
適なものとして用いることが可能であり、基本的には、
株化肝細胞であればその種類を問わず用いることができ
る。
【0007】株化肝細胞の培養上清の採取は、例えば、
次のように実施される。即ち、DMEM、MEM、F−
12などの培地に牛胎児血清を5〜20%(V/V)添
加した培地に、株化肝細胞を播種し、コンフルエントに
達するまで常法により培養する。コンフルエントに達し
た後、培地を血清不含の同培地に交換する。次いで、無
血清で24〜72時間培養した後、その培養上清を回収
する。株化肝細胞の培養上清の採取は、上記の方法に限
らず、これと同効の方法であればいずれのものであって
もよい。
【0008】本発明においては、無血清培養して得られ
る株化肝細胞の培養上清を加熱処理するが、本発明にお
ける株化肝細胞の培養上清の加熱処理温度は45℃〜1
00℃が好ましく、45℃未満でも100℃を超えても
所期の効果は得られ難い。また、加熱時間は5〜30分
が好ましく、5分未満でも30分を超えても所期の効果
は得られ難い。また、加熱温度が高くなるほど加熱時間
は短い方が好ましく、100℃付近は5分程度にとどめ
ておくのが望ましい。本発明においては、かかる温度及
び時間の範囲で培養上清を加熱処理することが重要であ
る。
【0009】本発明における神経細胞の培地中に占める
該加熱培養上清の濃度は50〜100%が好ましい。最
も良好な培養条件は、該加熱培養上清を100%で用い
ることであるが、最低でも50%添加すればその効果は
十分に得られる。
【0010】本発明においては、株化肝細胞の培養上清
を加熱したものを使用することによって、培地交換をし
なくとも7〜10日間の長期に亘って神経細胞を生存さ
せることが可能である。その理由は今のところ明確では
ないが、以下のようなことが考えられる。即ち、本発明
者等の知見によれば、(1)培養上清中の未知の生理活
性物質がきわめて熱安定性に優れていること、(2)株
化肝細胞が放出したプロテアーゼが加熱により失活し上
記の未知の生理活性物質の分解が抑制されること、など
によるものと推定される。本発明者等は、その理由を解
明すべく、目下、本生理活性物質の同定を急いでいる状
況にある。
【0011】
【実施例】以下、実施例によって、本発明を具体的に説
明するが、本発明は該実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 ラット由来の株化肝細胞H4TCを10%牛胎児血清含
有DMEM/F12の等比混合培地にて37℃、5%C
2 雰囲気下で培養した。コンフルエントに達した後、
培地を血清不含のDMEM/F12培地に交換し、さら
に2日間培養した。培養上清を回収し、遠心をかけて浮
遊物を除去し、95℃で10分間加熱して、本発明の神
経細胞用培地を得た。
【0012】妊娠17日目のラット胎児大脳皮質を細断
し、0.1%トリプシン/0.01%DNaseIのP
BS(−)溶液にて37℃、15分間消化した。酸素溶
液を除去し、DMEM/F12培地を加え、Eベットで
培地を攪拌して細胞を分散した。
【0013】本発明の培養上清80%、DMEM/F1
2培地20%の混合液にトランスフェリン5mg/I、
インシュリン5mg/I、プロゲステロン20nM、亜
セレン酸ナトリウム5ng/Iを添加し、神経細胞培養
用培地を調製した。先に分取した大脳皮質由来の細胞を
神経細胞培養用培地に懸濁し、ポリ−L−リジンをコー
トしたポリスチレンシャーレに3×104 個/cm2
細胞密度で播種した。培養の2日後に観察したところ、
神経細胞は生存し、神経突起の伸長が認められた。その
まま途中培地交換をしないで培養を続けたところ、培養
7日後でも神経細胞は生存し、神経突起を伸展してい
た。
【0014】実施例2 株化肝細胞クローン9を5%牛胎児血清含有DMEM培
地を用いて培養した。コンフルエントに達した後、血清
不含の培地に交換した。無血清で2日間培養したあと、
培養上清を回収した。回収した培養上清を遠心にかけ、
浮遊物を除去し、50℃にて30分加熱して、本発明の
神経細胞用培地を得た。実施例1記載の方法で得た大脳
皮質由来の細胞を当加熱培養上清80%及びDMEM2
0%の混合培地を使用して培養したところ、実施例1と
同様、培養7日後でも神経細胞は生存し、神経突起を伸
展していた。
【0015】比較例1 実施例1に記載のように、H4TCを培養し、コンフル
エントに達した後、2日間無血清培養を行い、培養上清
を回収した。実施例1記載の方法で得た大脳皮質由来の
細胞を当培養上清80%及びDMEM/F12培地20
%の混合培地を使用して、途中培地交換をしないで培養
したところ、培養2日後には神経細胞は生存し、神経突
起を伸長していたのが、培養7日後にはほとんどの神経
細胞は神経突起を消失し、死滅していた。
【0016】以下の表1に、実施例1、実施例2及び比
較例1の結果をまとめて示す。 表1 神経細胞の状態 ───────────────────────────── 培養2日後 培養7日後 ───────────────────────────── 実施例1 生存、突起伸展 生存、突起伸展 実施例2 生存、突起伸展 生存、突起伸展 比較例1 生存、突起伸展 ほぼ全細胞死滅 ─────────────────────────────
【0017】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明は、無血清
培養して得られる株化肝細胞の培養上清を45℃以上1
00℃以下に加熱したことを特徴とする神経細胞用培
地、及び該培地を用いた神経細胞の培養方法に係るもの
であり、本発明の培地を用いて神経細胞を培養すること
により、従来、長期生存が困難であった神経細胞を長期
に亘って生存させることが可能になった。本発明の培地
によれば、加熱処理を施さない培養上清よりも神経細胞
に対する培養上清単位体積当たりの活性度が高いという
効果が得られる。また、活性度が高まったことにより、
従来のものより培地交換の頻度が少なくて済むという顕
著な効果が得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無血清培養して得られる株化肝細胞の培
    養上清を45℃以上100℃以下に加熱したことを特徴
    とする神経細胞用培地。
  2. 【請求項2】 無血清培養して得られる株化肝細胞の培
    養上清を45℃以上100℃以下に加熱した後、該培養
    上清を培地として使用することを特徴とする長期生存可
    能な神経細胞の培養方法。
  3. 【請求項3】 神経細胞の培地中に占める該加熱培養上
    清の濃度が50%以上100%以下であることを特徴と
    する請求項2記載の神経細胞の培養方法。
JP6110472A 1994-04-26 1994-04-26 神経細胞用培地及びその培養方法 Pending JPH07289249A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001004332A1 (en) * 1999-07-08 2001-01-18 Burkhard Hennemann Method to improve viral infection
US7312025B2 (en) 2002-07-12 2007-12-25 University Of Washington Methods and systems for extended in vitro culture of neuronal cells
CN104611294A (zh) * 2015-02-11 2015-05-13 中国人民解放军第三军医大学第一附属医院 一种视皮层神经元体外培养方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001004332A1 (en) * 1999-07-08 2001-01-18 Burkhard Hennemann Method to improve viral infection
US7312025B2 (en) 2002-07-12 2007-12-25 University Of Washington Methods and systems for extended in vitro culture of neuronal cells
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