JPH07284706A - 超音波振動子および超音波霧化装置 - Google Patents

超音波振動子および超音波霧化装置

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Publication number
JPH07284706A
JPH07284706A JP3631095A JP3631095A JPH07284706A JP H07284706 A JPH07284706 A JP H07284706A JP 3631095 A JP3631095 A JP 3631095A JP 3631095 A JP3631095 A JP 3631095A JP H07284706 A JPH07284706 A JP H07284706A
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JP
Japan
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ultrasonic
emitting surface
ultrasonic wave
atomization
wave emitting
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Application number
JP3631095A
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English (en)
Inventor
Hirobumi Matsuda
博文 松田
Hidekazu Kameda
英一 亀田
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Daishinku Corp
Original Assignee
Daishinku Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 霧化媒体が超音波放射面に滞留したり、霧化
されずに滴下してしまうことのない、効率よくかつ安定
した霧化の行える超音波振動子および超音波霧化装置を
提供する。 【構成】 超音波霧化装置は、超音波振動子1とこれを
取り付ける本体ケース3と霧化媒体を供給する液供給ポ
ンプ4と超音波振動子を駆動する発振器5とからなる。
この超音波振動子1の超音波放射面11aには貫通孔2
1b,21c,22b,22c,23b,23c,24
b,24cを有する網目状金属板2が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として病院や医院等
において手等を消毒殺菌するための消毒液を霧化する等
の用途に用いられる超音波振動子および該超音波振動子
を用いた超音波霧化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】医療用として消毒液を霧化して手等に噴
出し消毒を行い、かつ手拭きの必要としない装置として
超音波霧化装置が要望されており、最近においていくつ
かの装置が開発されている。現在、液体を霧化するのに
超音波を利用する手段が一般的に採用されている。その
理由は、霧化量と霧化粒径とをそれぞれ超音波振動子へ
の供給電力および超音波周波数を可変することにより個
々に独立してコントロールできる利点を有しているため
である。従来の超音波霧化装置の構成例を図22,図2
3とともに説明する。図22は従来の超音波霧化装置に
用いる超音波振動子の構成を示す分解斜視図であり、図
23は超音波振動子を用いた超音波霧化装置の一部破断
正面図である。前面(手前側)が一部開口した本体ケー
ス3内に、ボルト締めランジュバン型超音波振動子8
(以下超音波振動子8とする)が本体ケース3の側面を
貫通して内方に突設されてた複数本の支持体31,32
の各先端で圧接され、後述する放射金属ブロックの超音
波放射面81aが水平に吊り下げ支持されている。超音
波振動子8は放射金属ブロック81とリア金属ブロック
82との間に2個の円環状の圧電素子83,84とを介
在させるとともに、放射金属ブロック81と圧電素子8
3、圧電素子83と圧電素子84それぞれの間に電極板
85、86を介在させている。各金属ブロック81,8
2はその中央部分にネジ孔が貫通して形成されており、
また電極板85,86の一部にも貫通孔が設けられてお
り、これら各孔にボルト87を螺入することにより各構
成要素が締め付け固定されている。この超音波振動子8
は、圧電素子83,84の引張応力が圧縮応力よりも弱
いことからボルトで引っ張り応力を持たせて大きなパワ
ーを入力する超音波発生源として使用される。超音波振
動子の放射金属ブロックの下端面である超音波放射面8
1aには、網目状金属板9が接合固定されている。この
網目状金属板は同出願人が先に出願した特願平5−68
328号に媒体拡散部として開示したものであり、これ
により液体の霧化が促進される。
【0003】また、網目状金属板9あるいは放射金属ブ
ロック81の側面に消毒液を供給するための液供給ノズ
ル41,43が、各々の先端の液供給口を網目状金属板
の上方に位置するように本体ケースに貫通固定されてい
る。この各液供給ノズル41,43には液貯留タンク
(図示せず)の消毒液が液供給ポンプ4の駆動によりチ
ューブ42,44を通じて供給され、各々の液供給口か
ら網目状金属板9上あるいは放射金属ブロック81の側
面に滴下される。一方、超音波振動子はこれの各電極板
85,86を通じ圧電素子83,84に発振器5から所
定周波数の電圧が給電されることによって機械的振動が
生じ、これが両金属ブロック81,82に伝わり、それ
によって発生する定在波により共振が起こる。なお、図
示していないが、本体ケース3の前面下部にはこれの開
口部から内部に手が入れられたのを非接触で検出するス
イッチング用光電センサが配設されている。
【0004】このような構成の超音波霧化装置に、本体
ケース3の前面開口部から本体ケース内部に手を入れる
と、これを光電センサが検出し、このスイッチングによ
り液供給ポンプ4および発振器5が共に駆動する。超音
波振動子8は発振器から供給される所定周波数の電気エ
ネルギーを機械振動エネルギーに変換し、この振動によ
り網目状金属板9も励振されて振動し、液供給ノズルか
ら供給される消毒液が霧化されて手に噴出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記超音波霧化装置
は、網目状金属板等の霧化促進部を有する超音波振動子
を用いることにより、このような工夫がなされない従来
の超音波霧化装置に較べて飛躍的に霧化効率が向上して
いる。図24は上記従来の構成で用いた網目状金属板9
(霧化促進部)の霧化部分の分布を記載したものであ
り、この網目状金属板には固定ネジ貫通孔91,92,
93,94が用いられている。図中細点で塗りつぶされ
た領域が霧化領域であり、網目状金属板の固定部分から
離れた外周近傍でのみ霧化している。このような超音波
振動子を用いた超音波霧化装置において、霧化条件が良
いときは霧化効率が良好であるが、供給される液がチク
ソ性が高い場合、あるいは供給量が多い場合、あるいは
周囲温度が低い場合等霧化条件が悪い場合、霧化効率が
低下し、液が超音波放射面に滞留したり、霧化されずに
滴下してしまうことがあった。また、このような液の滞
留にも関連するが、温度の高低等の使用環境によっては
超音波放射面において液が霧化される領域が偏る場合が
あり、所望の位置、範囲への霧化が困難な場合があっ
た。
【0006】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたもので、液の霧化効率が供給される液の種類(チク
ソ性の高い低い等)、液の供給量、あるいは周囲温度に
影響されることなく、使用条件によっては液が超音波放
射面に滞留したり、霧化されずに滴下してしまうことの
ない、効率よくかつ安定した霧化の行える超音波振動子
および該超音波振動子を用いた超音波霧化装置を提供す
ることを目的とするものである。また、使用環境によっ
て霧化領域が偏ることのない超音波振動子および該超音
波振動子を用いた超音波霧化装置を提供することを目的
とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1の発明は、超音波放射面あるいは超音波
放射面の近傍に霧化媒体を供給し、超音波振動により当
該霧化媒体を霧化する超音波振動子であって、前記超音
波放射面の下方の少なくとも一部に霧化媒体の霧化を促
進する霧化促進部を設けるとともに、この霧化促進部の
前記超音波放射面との固定部分近傍に振動分離部を設け
たことを特徴とする超音波振動子である。なお、振動分
離部は、特許請求項2に示した貫通孔のほか薄肉部分を
形成する、山折りあるいは谷折りされた屈曲部分を形成
する等が挙げられる。
【0008】請求項2の発明は、請求項1の構成におい
て、振動分離部が貫通孔であることを特徴とする超音波
振動子である。
【0009】請求項3の発明は、超音波放射面あるいは
超音波放射面の近傍に霧化媒体を供給し、超音波振動に
より当該霧化媒体を霧化する超音波振動子であって、前
記超音波放射面の下方の少なくとも一部に霧化媒体の霧
化を促進する霧化促進部を設けるとともに、この霧化促
進部と前記超音波放射面との間隔を5μmから400μm
としたことを特徴とする超音波振動子である。
【0010】請求項4の発明は、超音波放射面あるいは
超音波放射面の近傍に霧化媒体を供給し、超音波振動に
より当該霧化媒体を霧化する超音波振動子であって、前
記超音波放射面の下方の少なくとも一部に霧化媒体の霧
化を促進する霧化促進部を設けるとともに、この霧化促
進部の端面の少なくとも一部を超音波放射面側に屈曲さ
せ、この屈曲部分の少なくとも一部を超音波放射面の端
面近傍に接触させたことを特徴とする超音波振動子であ
る。なお、この屈曲形成された領域は、霧化促進部の全
周にわたって形成してもよいし、一部に形成してもよ
い。
【0011】請求項5の発明は 超音波放射面あるいは
超音波放射面の近傍に霧化媒体を供給し、超音波振動に
より当該霧化媒体を霧化する超音波振動子、前記超音波
放射面の下方の少なくとも一部に霧化媒体の霧化を促進
する霧化促進部を設けるとともに、この霧化促進部の端
面の少なくとも一部に超音波放射面側に突出する突出部
を設け、この突出部の少なくとも一部を超音波放射面の
端面近傍に接触させたことを特徴とする超音波振動子で
ある。
【0012】請求項6の発明は、超音波放射面あるいは
超音波放射面の近傍に霧化媒体を供給し、超音波振動に
より当該霧化媒体を霧化する超音波振動子であって、前
記超音波放射面の下方の少なくとも一部に霧化媒体の霧
化を促進する霧化促進部を設けるとともに、霧化促進部
の端部を超音波放射面に接触させ、かつ当該中央部分を
超音波放射面と接触させないことを特徴とする超音波振
動子である。
【0013】請求項7の発明は、超音波放射面あるいは
超音波放射面の近傍に霧化媒体を供給し、超音波振動に
より当該霧化媒体を霧化する超音波振動子であって、前
記超音波放射面の下方の少なくとも一部に霧化媒体の霧
化を促進する霧化促進部を設けるとともに、霧化促進部
の中央部分を超音波放射面に接触させ、かつ当該端部を
超音波放射面と接触させないことを特徴とする超音波振
動子である。
【0014】請求項8の発明は、超音波放射面あるいは
超音波放射面の近傍に霧化媒体を供給し、超音波振動に
より当該霧化媒体を霧化する超音波振動子であって、前
記超音波放射面の下方の少なくとも一部に霧化媒体の霧
化を促進する霧化促進部を設けるとともに、この霧化促
進部と超音波放射面間に少なくとも一部にスペーサを設
けることを特徴とする超音波振動子である。このスペー
サは超音波放射面を一体的に加工した一体化構成でもよ
いし、接合材等で後から接合した構成であってもよい。
また、霧化促進部に予め形成しておく構成でもよいし、
さらには超音波放射面と霧化促進部との間で挟持する構
成であってもよい。
【0015】請求項9の発明は、超音波放射面あるいは
超音波放射面の近傍に霧化媒体を供給し、超音波振動に
より当該霧化媒体を霧化する超音波振動子であって、前
記超音波放射面の下方の少なくとも一部に霧化媒体の霧
化を促進する霧化促進部を設けるとともに、前記超音波
放射面の霧化促進部との取付部分に突出部を設けること
により、少なくとも霧化促進部の一部を前記超音波放射
面と所定の間隔に設定した構成であることを特徴とする
超音波振動子である。
【0016】請求項10の発明は、特許請求項3項乃至
9項において、超音波放射面あるいは超音波放射面の近
傍に霧化媒体を供給し、超音波振動により当該霧化媒体
を霧化する超音波振動子であって、前記超音波放射面の
下方の少なくとも一部に霧化媒体の霧化を促進する霧化
促進部を設けるとともに、この霧化促進部の前記超音波
放射面との固定部分近傍に振動分離部を設けたことを特
徴とする超音波振動子である。
【0017】請求項11の発明は、振動分離部が貫通孔
であることを特徴とする請求項10記載の超音波振動子
である。
【0018】請求項12の発明は、特許請求項1項乃至
11項記載の超音波振動子の超音波放射面あるいは超音
波放射面の近傍に霧化媒体を供給し、超音波振動により
当該霧化媒体を霧化する超音波霧化装置である。
【0019】
【作用】本発明によれば、請求項1乃至12の各構成に
より、超音波放射面において霧化媒体の滞留を防止し、
駆動インピーダンスを低くし、かつ霧化効率を向上させ
ることができる。
【0020】請求項1,2の発明によれば、超音波放射
面の下方の少なくとも一部に霧化媒体の霧化を促進する
霧化促進部を設けるとともに、この霧化促進部の前記超
音波放射面との固定部分近傍に振動分離部を設けている
ので、この固定部分等に霧化媒体が滞留しにくくなり、
霧化がより促進される。
【0021】図24は従来例の超音波振動子構成により
霧化媒体を霧化した場合の霧化促進部における霧化領域
を示す図であり、図3(b)は図3(a)の構成による
霧化促進部の霧化領域を示す図(第1の実施例)であ
り、図4(b)は図4(a)の構成による霧化促進部の
霧化領域を示す図(第2の実施例)である。いずれも霧
化促進部はステンレススチールからなる網目状金属板か
らなり、振動分離部は直径1mmの貫通孔で構成されてい
るとともに、消毒液を含んだアルコールを霧化媒体とし
て用い、周囲温度0℃、供給量3cc/7秒、駆動電力
15W、周波数33KHzで駆動するという条件で実験
している。なお、細点で塗りつぶした領域が霧化領域で
ある。振動分離部を持たない従来例では霧化領域が超音
波放射面の端部のみに偏っており、霧化促進部の固定部
分近傍に貫通孔からなる振動分離部を設けた本発明の構
成では、霧化領域が超音波放射面の端部から中心部方向
に広がっており、供給される霧化媒体の霧化比率が向上
している。さらに、図4(b)で示す霧化促進部の構成
では、さらに霧化領域が広がっており、効率の良い霧化
が可能となっている。なお、霧化領域が狭いとこれに比
例して霧化媒体は霧化領域以外の部分に滞留して、さら
に霧化媒体の供給を続けると霧化媒体が滴下するように
なり、霧化装置としての役割を果たさなくなる。
【0022】請求項3の発明によれば、霧化促進部と前
記超音波放射面との間隔を5μmから400μmとしてい
るので、霧化促進部の振動が阻害されず、また霧化媒体
が霧化促進部に滞留することなく、駆動インピーダンス
を低くすることができ、霧化がより促進される。
【0023】図25は、霧化促進部と前記超音波放射面
との間隔を0μmから1000μmと変化させた場合の、
超音波振動子の駆動インピーダンスを示す図である。超
音波放射面に霧化媒体が滞留してくると駆動インピーダ
ンスが通常より高くなる。逆に言えば、駆動インピーダ
ンスが通常より高くなると、超音波放射面に霧化媒体が
滞留していることを示している。実験に使用した超音波
振動子にはステンレススチールからなる網目状金属板か
らなる霧化促進部が取り付けられており、図中Aで示す
グラフは消毒液を含んだアルコールを霧化媒体として用
い、周囲温度5℃、供給量3cc/7秒、駆動電力15
W、周波数33KHzで駆動するという条件で、霧化促
進部と前記超音波放射面との間隔を漸次変化させた場合
の駆動インピーダンスを示し、図中Bで示すグラフは消
毒液を含んだアルコールを霧化媒体として用い、周囲温
度0℃、供給量3.5cc/7秒、駆動電力15W、周
波数33KHzで駆動するという条件で、霧化促進部と
前記超音波放射面との間隔を漸次変化させた場合の駆動
インピーダンスを示している。図19のいずれのグラフ
も、5μm以下の間隔であると駆動インピーダンスが高
くなっており、400μm以上の間隔であっても同じよ
うに駆動インピーダンスが高くなっている。5μmから
400μmの間隔では、駆動電力が15Wと低電力でも
実用上充分な霧化が行えているが、この範囲外では駆動
インピーダンスが高くなり、霧化媒体の滞留の影響が顕
著に現れていることが明らかに理解できる。
【0024】請求項4の発明によれば、霧化促進部の端
面の少なくとも一部を超音波放射面側に屈曲させ、超音
波放射面の端面近傍に接触させた構成であるので、当該
部分から霧化がより促進される。
【0025】請求項5の発明によれば、霧化促進部の端
面の少なくとも一部に超音波放射面側に突出する突出部
を設け、この突出部先端を超音波放射面の端面近傍に接
触させた構成であるので、当該部分から霧化がより促進
される。
【0026】請求項6の発明によれば、霧化促進部の端
部を超音波放射面に接触させ、かつ当該中央部分を超音
波放射面と接触させない構成であるので、当該部分から
霧化がより促進される。
【0027】請求項7の発明によれば、霧化促進部の中
央部分を超音波放射面に接触させ、かつ当該端部を超音
波放射面と接触させない構成であるので、供給された霧
化媒体は超音波放射面の中央部分で霧化され易くなり、
霧化された霧化媒体は指向性をもって放射される。
【0028】請求項8の発明によれば、この霧化促進部
と超音波放射面間設けたスペーサにより、少なくとも霧
化促進部と前記超音波放射面の一部に所定の間隔を確保
することができる。
【0029】請求項9の発明によれば、前記超音波放射
面の霧化促進部との取付部分に突出部を設けることによ
り、少なくとも霧化促進部と前記超音波放射面の一部に
所定の間隔を確保することができる。
【0030】請求項10の発明によれば、特許請求項3
項乃至9項の構成に付加して、この霧化促進部の前記超
音波放射面との固定部分近傍に振動分離部を設けた構成
であるので、霧化媒体の霧化をより効率よく行うことが
できる。
【0031】請求項11の発明によれば、特許請求項3
項乃至9項の構成に付加して、この霧化促進部の前記超
音波放射面との固定部分近傍に振動分離作用を行う貫通
孔を設けた構成であるので、霧化媒体の霧化をより効率
よく行うことができる。
【0032】請求項12の発明によれば、特許請求項1
項乃至11項記載の超音波振動子の超音波放射面あるい
は超音波放射面の近傍に霧化媒体を供給し、超音波振動
により当該霧化媒体を霧化する超音波霧化装置であるの
で、駆動インピーダンスが低く、かつ霧化媒体を効率よ
く霧化できる。
【0033】
【実施例】本発明の第1の実施例について、図面を参照
して説明する。図1は超音波霧化装置に用いる超音波振
動子の構成を示す斜視図であり、図2は図1で示す超音
波振動子を用いた超音波霧化装置の一部破断正面図であ
り、図3(a)は霧化促進部を示す平面図であり、図3
(b)は駆動時の霧化促進部における霧化領域を示す図
(網目の図示は省略している)である。なお、一部従来
例と同じ構造部分については同番号を付与して説明して
いる。ボルト締めランジュバン型超音波振動子1(以下
超音波振動子1とする)は、下から放射金属ブロック1
1、円環状部分を有する電極板15、円環状の圧電素子
13、円環状部分を有する電極板16、円環状の圧電素
子14、リア金属ブロック12で構成されており、放射
金属ブロック11とリア金属ブロック12の中央部分に
はボルト孔が貫通して形成されている。放射金属ブロッ
ク11,リア金属ブロック12は、例えばアルミ合金か
らなっている。ボルト孔は工作処理上容易であるという
観点から、放射金属ブロックも貫通してボルト孔11b
が形成されている。なお、もちろんボルト孔は貫通させ
ず、ボルト17の寸法に適合した深さのボルト孔とする
ことも可能である。これら各孔にボルト17を螺入し、
ワッシャ19,ナット18により各構成要素が締め付け
固定される。超音波振動子1の放射金属ブロックの下端
面である超音波放射面11aには、霧化促進部である例
えばステンレスからなる網目状金属板2が固定ネジ2
1,22,23,24により固定されている。なお、超
音波放射面にはこれら固定ネジに対応する固定ネジ用穴
11cが設けられている。この網目状金属板2には、前
記固定ネジ貫通孔21a,22a,23a,24aのほ
かに、当該各固定ネジ貫通孔の両近傍にそれぞれ2ヶ所
の貫通孔21b,21c,22b,22c,23b,2
3c,24b,24cが設けられている。また、当該超
音波振動子1を吊り下げ支持する際の支持部分には弾性
リング12aがリア金属ブロックの外周に取り付けられ
ている。
【0034】図2に示すように、このような超音波振動
子1を超音波霧化装置の本体ケース3に設置する。本体
ケース3は、前面(手前側)下部には一部開口した開口
部3aを有しており、ケース内の上部には内方に突設さ
れた複数本の支持体31,32が設けられている。超音
波振動子はその超音波放射面が下方に位置するようこの
各先端で前記弾性リング12aが圧接され、音波放射面
が水平方向に位置するよう支持されている。また、放射
金属ブロック11あるいは網目状金属板2に消毒液を供
給するための液供給ノズル41,43が、各々の先端の
液供給口を網目状金属板の上方に位置するように本体ケ
ースに貫通固定されている。この各液供給ノズル41,
43には液貯留タンク(図示せず)の消毒液が液供給ポ
ンプ4の駆動によりチューブ42,44を通じて供給さ
れ、各々の液供給口から放射金属ブロック11あるいは
網目状金属板2上にそれぞれ滴下される。一方、超音波
振動子1にはこれの各電極板15,16を通じ、圧電素
子13,14に発振器5からリード線51,52を介し
て所定周波数の電圧が給電される。これにより逆圧電効
果に基づく機械的振動が励起され、これが機械的接触を
通じ両金属ブロック11,12に伝わり、それによって
発生する定在波により共振が起こる。なお、図示してい
ないが、本体ケース3の前面下部にはこれの開口部3a
から内部に手が入れられたのを非接触で検出するスイッ
チング用光電センサが配設されている。
【0035】従来例においても説明したように、このよ
うな構成の超音波霧化装置に、本体ケース3の前面開口
部から本体ケース内部に手を入れると、これを光電セン
サが検出し、このスイッチングにより液供給ポンプ4お
よび発振器5が共に駆動する。超音波振動子1は発振器
から供給される所定周波数の電気エネルギーを機械振動
エネルギーに変換し、この振動により網目状金属板2も
励振されて振動する。液供給ノズルから消毒液が超音波
放射面11aあるいは網目状金属板2に供給され、これ
が霧化されて手に噴出される。この網目状金属板2に設
けられた貫通孔21b,21c,22b,22c,23
b,23c,24b,24cの存在により、霧化媒体が
超音波放射面あるいは網目状金属板(霧化促進部)に滞
留することなく、効率よく霧化される。なお、消毒液等
の霧化媒体の供給は、放射金属ブロックの側面に対して
行ってもよい。この場合、霧化媒体が側面から超音波放
射面に流れて供給される。
【0036】本発明の第2の実施例について、図4
(a),図4(b)とともに説明する。図4(a)霧化
促進部の他の構成を示す平面図,図4(b)は駆動時の
霧化促進部における霧化領域を示す図(網目の図示は省
略している)であり、この霧化促進部は第1の実施例に
示した超音波放射面に取り付けられる。霧化促進部であ
る網目状金属板6には、固定ネジ貫通孔61a,62
a,63a,64aのほかに、当該各貫通孔の両近傍に
それぞれ2ヶ所の貫通孔61b,61c,62b,62
c,63b,63c,64b,64cが設けられ、かつ
固定ネジ貫通孔より内側でボックス上に4ヶ所の貫通孔
65,66,67,68が設けられている。これら固定
ネジ用貫通孔以外は振動分離部として機能する。このよ
うな貫通孔(振動分離部)は前述の作用の項でも記載し
たとおり、霧化領域を超音波放射面の端部から中心部方
向に広げることになり、供給される霧化媒体の霧化比率
に寄与する。
【0037】なお、貫通孔の形状、大きさ、配置は、超
音波振動子の仕様、使用環境によって適宜選択すればよ
い。上記作用の項で記載した実験では、貫通孔の形状は
正円形のほか楕円、長円、矩形形状等いろんな形状が採
用可能であるが、直径(長辺寸法)は0.5mm〜4mmの
範囲で良好な霧化状態を得ることができた。また、貫通
孔の配置は図5に示すように、円環状の圧電素子14等
が位置する部位に配置すると霧化状態が良好であった。
なお、図5は図1に示した貫通ネジ穴が形成された超音
波振動子場合において、超音波放射面を下方から見た図
であり、一点鎖線で円環状の圧電素子13(14)の位
置を表している。また振動分離部は、貫通孔のほか薄肉
部分を形成する、屈曲部分を形成する等が挙げられる。
【0038】本発明の第3の実施例について、図6
(a),図6(b)とともに説明する。図6(a)霧化
促進部の他の構成を示す平面図,図6(b)は駆動時の
霧化促進部における霧化領域を示す図(網目の図示は省
略している)であり、この霧化促進部はボルト孔が貫通
形成されていない超音波放射面に取り付けられる。な
お、それ以外の第2の実施例と同じ構造部分については
同番号で説明する。霧化促進部である網目状金属板6に
は、固定ネジ貫通孔61a,62a,63a,64a,
69のほかに、当該各貫通孔の両近傍にそれぞれ3ヶ所
の貫通孔61b,61c,61d,62b,62c,6
2d,63b,63c,63d,64b,64c,64
dが設けられ、かつ固定ネジ用の貫通孔より内側でボッ
クス上に4ヶ所の貫通孔65,66,67,68が設け
られている。これら固定ネジ貫通孔以外は振動分離部と
して機能する。このような貫通孔(振動分離部)を用い
た超音波振動子を駆動させると、図6(b)に示す霧化
領域となり、前述の作用の項でも記載したとおり、霧化
領域を超音波放射面の端部から中心部方向に広がり、供
給される霧化媒体の霧化比率に寄与する。
【0039】本発明の第4の実施例について、図7とと
もに説明する。図7は第4の実施例を示す超音波振動子
の正面図である。なお、第1の実施例と同じ構造部分に
ついては同番号を付して説明する。超音波振動子1は、
下から放射金属ブロック11、円環状部分を有する電極
板15、円環状の第1の圧電素子13、円環状部分を有
する電極板16、円環状の第1の圧電素子14、リア金
属ブロック12で構成されており、放射金属ブロック1
1とリア金属ブロック12の中央部分にはボルト孔が貫
通して形成されている。ボルト孔は、工作処理上容易で
あるという観点から、放射金属ブロックも貫通して形成
されており、これにより超音波放射面11aにおいては
ボルト孔11bが形成されている。これら各孔にボルト
17を螺入し、図示していないがワッシャ,ナットによ
り各構成要素が締め付け固定される。超音波振動子1の
放射金属ブロックの下端面である超音波放射面11aに
は、網目状金属板2が固定ネジ21,23等により固定
されている。この網目状金属板2は前述のとおり消毒液
等の霧化媒体を効率よく霧化させる霧化促進部である
が、この実施例では、この霧化促進部と前記超音波放射
面とを30μmの間隔をもって配置している。このよう
に霧化促進部と前記超音波放射面とに所定の間隔を設け
ることにより、霧化媒体が滞留しにくくなり、霧化効率
が向上する。
【0040】図19は作用の項でも記載したとおり、霧
化促進部と前記超音波放射面との間隔を0μmから10
00μmと変化させた場合の、超音波振動子の駆動イン
ピーダンスを示す図である。超音波放射面に霧化媒体が
滞留してくると駆動インピーダンスが通常より高くな
る。図19に示すように、霧化促進部と前記超音波放射
面との間隔が5μm〜400μm程度の範囲に設定する
と駆動インピーダンスが低く、霧化効率が向上する。
【0041】本発明の第5の実施例について、図8
(a),図8(b),図9とともに説明する。図8
(a)は第5の実施例を示す超音波振動子の正面図であ
り、図8(b)は図8(a)の部分拡大図である。な
お、この超音波振動子1はボルト孔が超音波放射面を貫
通しない構成であり、それ以外の第1の実施例と同じ構
造部分については同番号を付して説明するとともに、説
明を一部省略する。超音波振動子1は、下から放射金属
ブロック11、円環状部分を有する電極板15、円環状
の第1の圧電素子13、円環状部分を有する電極板1
6、円環状の第1の圧電素子14、リア金属ブロック1
2で構成されている。超音波振動子1の放射金属ブロッ
クの下端面である超音波放射面11aには、網目状金属
板2が固定ネジ21,23等により固定されている。こ
の網目状金属板2は前述のとおり消毒液等の霧化媒体を
効率よく霧化させる霧化促進部であるが、この実施例で
は、網目状金属板2の外周端部が超音波放射面側に折り
曲げられ、屈曲部2aが形成されている。この屈曲部の
先端は超音波放射面に接触している。超音波放射面端部
あるいは放射金属ブロックの側面に供給された霧化媒体
は、屈曲部の端部と超音波放射面で発生するエッジ効果
による振動により勢いよく霧化され、超音波放射面の中
央部にまで流れ滞留することはない。なお、図9の斜視
図に示すように、この屈曲部は網目状金属板の全周にわ
たって形成する必要はなく、霧化媒体が供給される部分
に対応する部分(2bで図示)にのみ形成してもよい。
【0042】本発明の第6の実施例について、図10と
ともに説明する。図10は超音波振動子の下部の部分拡
大図である。なお、第5の実施例と同じ構造部分につい
ては同番号を付して説明するとともに、説明を一部省略
する。この網目状金属板2は、この実施例では網目状金
属板2の外周端部が超音波放射面側に折り曲げられ、さ
らに端部が網目状金属板側に折り返された折り返し部2
cが形成されている。この折り返し部の屈曲部分は超音
波放射面に接触している。第5の実施例と同じように、
超音波放射面端部あるいは放射金属ブロックの側面に供
給された霧化媒体は、折り返し部の屈曲部分と超音波放
射面で発生するエッジ効果による振動により勢いよく霧
化され、超音波放射面の中央部にまで流れ滞留すること
はない。この実施例であると第5の実施例で示した屈曲
部端部を利用する場合に比べて、超音波放射面と接触す
る部分の耐久性が向上する利点がある。なお、この折り
返し部は網目状金属板の全周にわたって形成する必要は
なく、霧化媒体が供給される部分に対応する部分にのみ
形成してもよい。
【0043】なお、第5、第6の実施例において、屈曲
部あるいは折り返し部に代えて網目状金属板の端面の少
なくとも一部に超音波放射面側に突出する突出部を設
け、この突出部先端を超音波放射面の端面近傍に接触さ
せた構成としてもよい。突出部は棒状の金属を周状に形
成してもよいし、薄型の金属ブロックを所定個数配置し
てもよい。図11は霧化促進部(網目状金属板、パンチ
ングメタル等)71に周状の金属環71aを接合した構
成を示している。また、図12はパンチングメタル72
の端部周囲以外をハーフエッチングして、外周部分のみ
を厚肉化(72aで示す)してもよい。図11,図12
とも霧化促進部の左側が超音波振動子と接する面とな
る。
【0044】本発明の第7の実施例について、図13と
ともに説明する。図13は第7の実施例を示す超音波振
動子の正面図である。なお、第1の実施例と同じ構造部
分については同番号を付して説明するとともに、説明を
一部省略する。超音波振動子1は、下から放射金属ブロ
ック11、円環状部分を有する電極板15、円環状の第
1の圧電素子13、円環状部分を有する電極板16、円
環状の第1の圧電素子14、リア金属ブロック12で構
成されている。超音波振動子1の放射金属ブロックの下
端面である超音波放射面11aには、網目状金属板73
が固定ネジにより固定されている。この網目状金属板7
3は前述のとおり消毒液等の霧化媒体を効率よく霧化さ
せる霧化促進部であるが、この実施例では、網目状金属
板73の端部73aを超音波放射面に接触させ、かつ当
該中央部分73bを超音波放射面と接触させない構成で
あるので、先の実施例と同じような作用が生じ、霧化媒
体が網目状金属板73の端部73aと超音波放射面で発
生するエッジ効果による振動により勢いよく霧化され、
霧化がより促進される。
【0045】本発明の第8の実施例について、図14と
ともに説明する。図14は第8の実施例を示す超音波振
動子の正面図である。なお、第1の実施例と同じ構造部
分については同番号を付して説明するとともに、説明を
一部省略する。超音波振動子1は、下から放射金属ブロ
ック11、円環状部分を有する電極板15、円環状の第
1の圧電素子13、円環状部分を有する電極板16、円
環状の第1の圧電素子14、リア金属ブロック12で構
成されている。超音波振動子1の放射金属ブロックの下
端面である超音波放射面11aには、網目状金属板74
が固定ネジ21,22により固定されている。この網目
状金属板74は前述のとおり消毒液等の霧化媒体を効率
よく霧化させる霧化促進部であるが、この実施例では、
網目状金属板74の中央部分74bを超音波放射面に接
触させ、かつ当該端部74aを超音波放射面と接触させ
ない構成である。これにより供給された霧化媒体は超音
波放射面の中央部分で霧化され易くなり、霧化効率が向
上するとともに、霧化された霧化媒体は指向性をもって
放射される。
【0046】本発明の第9の実施例について、図15と
ともに説明する。図15は第9の実施例を示す超音波振
動子の正面図である。なお、第1の実施例と同じ構造部
分については同番号を付して説明するとともに、説明を
一部省略する。超音波振動子1は、下から放射金属ブロ
ック11、円環状部分を有する電極板15、円環状の第
1の圧電素子13、円環状部分を有する電極板16、円
環状の第1の圧電素子14、リア金属ブロック12で構
成されている。超音波振動子1の放射金属ブロックの下
端面である超音波放射面11aには、網目状金属板75
が固定ネジにより固定されている。この網目状金属板7
5は前述のとおり消毒液等の霧化媒体を効率よく霧化さ
せる霧化促進部であるが、この実施例では、網目状金属
板75を屈曲加工し、中央部分75bと端部75aとを
超音波放射面に接触させ、それ以外を超音波放射面と接
触させない構成としている。これにより霧化媒体が網目
状金属板73の端部73aと超音波放射面で発生するエ
ッジ効果による振動により勢いよく霧化され、霧化がよ
り促進されるとともに、中央部分でも霧化され易くなっ
ているので、霧化効率が向上する。
【0047】本発明の第10の実施例について、図1
6,図17とともに説明する。図16は第10の実施例
を示す超音波振動子の正面図であり、図17は網目状金
属板を取り付ける前の超音波放射面の平面図である。な
お、第1の実施例と同じ構造部分については同番号を付
して説明するとともに、説明を一部省略する。超音波振
動子1は、下から放射金属ブロック11、円環状部分を
有する電極板15、円環状の第1の圧電素子13、円環
状部分を有する電極板16、円環状の第1の圧電素子1
4、リア金属ブロック12で構成されている。超音波振
動子1の放射金属ブロックの下端面である超音波放射面
11aには、スペーサS1を円環状に設けるとともに、
網目状金属板76が固定ネジにより固定されている。こ
の網目状金属板76は前述のとおり消毒液等の霧化媒体
を効率よく霧化させる霧化促進部であるが、この実施例
では、スペーサS2の存在により、網目状金属板76は
超音波放射面近接部分76aと超音波放射面離隔部分7
6bを有する屈曲した構成にされている。これにより超
音波放射面離隔部分76bの振動が大きくなり、霧化媒
体が勢いよく霧化され、霧化がより促進される。このス
ペーサS2の厚さは100μm程度としている。
【0048】ここで上記第10の実施例の構成(図16
の構成)と従来例の構成(図19の構成)において、霧
化量の比較データを示す。比較実験には、霧化媒体とし
て水を用い、周囲温度20℃、駆動電力20W、周波数
40KHzで駆動するという条件で、単位時間当たりの
霧化量を測定した。超音波振動子の寸法は周波数40K
Hzで高さ約60mm、超音波放射面の直径が約45mmで
ある。実験の結果、従来例の構成では約0.6cc/秒
であったものが、第10の実施例の構成では約1.0c
c/秒に増加した。また、このときの網目状金属板(霧
化促進部)の振幅をレーザードップラー変位計で測定し
たところ、従来例の構成では最大振幅約8μmであった
ものが、第10の実施例の構成では最大振幅が約10μ
mに増加していた。この振幅の増加からも本発明品の霧
化効率が増加していることを示している。なお、この実
施例ではステンレスからなるスペーサを用い、その厚さ
を約100μmとしたが、スペーサの厚さを変化させて
実験を行った結果、10μm以下あるいは500μm以
上になると霧化効率の低下が認められたので、上記範囲
内の寸法が適当ではないかと考えられる。また、スペー
サの幅を約2mmとしたが、幅もあまり大きくしすぎると
網目状金属板との接触面積が多くなりすぎるので好まし
くない。
【0049】本発明の第11の実施例について、図1
8,図19とともに説明する。図18は第11の実施例
を示す超音波振動子の正面図であり、図19は網目状金
属板を取り付ける前の超音波放射面の平面図である。こ
の実施例は第10の実施例とほぼ同じ構成であるが、ス
ペーサS2が超音波放射面と一体成形されており、また
その配置も周状ではなく、複数個のスペーサS2が所定
の間隔で配置された構成となっている。なお、第11,
12の実施例において、スペーサの形状はこれら実施例
の構成に限定されるものではなく、例えば図20に示す
ように格子形状であってもよい。
【0050】本発明の第12の実施例について、図21
とともに説明する。図21は超音波霧化装置の内部断面
図である。この実施例に用いられる超音波振動子1は、
全体として円柱形状であり、左右両方向への超音波放射
が可能な構成となっている。図面左から放射金属ブロッ
ク11、円環状部分を有する電極板15、円環状の圧電
素子13、円環状部分を有する電極板12、円環状の圧
電素子14、リア金属ブロック12で構成されており、
これらはボルト等により一体的に締め付け固定されてい
る。放射金属ブロック11,12のいずれにも超音波放
射面11a,12aが形成されており、それぞれの側面
から超音波放射面11a,12aには霧化媒体の導入孔
11d,12dが設けられている。超音波振動子はこれ
ら導入孔が上部に位置するように後述の収納ケースKに
設置する必要がある。超音波放射面には固定ネジ貫通孔
部分が突出した突出部11e,12eが形成され、この
突出部上に平板形状の網目状金属板77,77を配置
し、固定ネジで各々の網目状金属板を固定する。
【0051】このような構成の超音波振動子を収納ケー
スKに収納する。収納ケースKは長手方向両方向が開口
する開口部K1,K2が形成されており、この開口部か
ら霧化された霧化媒体が放射される。収納ケースには超
音波振動子を支持固定する弾性支持体G,Gが設けられ
るとともに、上部には霧化媒体を前述の導入孔11d,
12dに導く導入管K3,K4が設けられ、これら導入
管にはポンプ4からチューブ41,42を介して霧化媒
体が供給される。前述の電極板15,16はリード線5
1,52により圧電振動子駆動用の発振器に接続されて
いる。以上の構成の超音波振動子および超音波霧化装置
において、超音波振動子を駆動させ、霧化媒体を供給す
ることにより、霧化媒体が導入孔から超音波放射面に供
給され、超音波放射面から一部分が浮設された網目状金
属板が大きく振動し、これにより霧化され左右両方に勢
いよく放射される。なお、超音波放射面を片面に設定し
てもよい。この場合、使用しない面において導入孔等の
霧化媒体を供給するための機構は不要になる。
【0052】なお、上記各実施例において、放射金属ブ
ロック,リア金属ブロック,スペーサ,網目状金属板等
の金属部分を耐酸性、耐アルカリ性に優れたチタン等の
金属を用いてもよい。
【0053】特許請求項3項乃至9項の構成に、この霧
化促進部の前記超音波放射面との固定部分近傍に貫通
孔、薄肉部分を形成する等の振動分離部を設けた構成を
付加することにより、霧化媒体の霧化をさらに効率よく
行うことができる。
【0054】また、以上の説明で既に明らかになってい
るが、特許請求項1項乃至10項記載の超音波振動子を
用いて超音波霧化装置を構成することにより、駆動イン
ピーダンスが低く、かつ霧化媒体を効率よく霧化でき
る。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、請求項1乃至12の各
構成により、超音波放射面において霧化媒体の滞留を防
止し、駆動インピーダンスを低くし、かつ霧化効率を向
上させることができるので、霧化効率が供給される液の
種類(チクソ性の高い低い等)、液の供給量、あるいは
周囲温度に影響されることなく、使用条件によっては液
が超音波放射面に滞留したり、霧化されずに滴下してし
まうことのない、効率よくかつ安定した霧化の行える超
音波振動子及び超音波霧化装置を得ることができる。ま
た、使用環境によって霧化領域が偏ることもなくなり、
安定した霧化を実現できる。
【0056】請求項1,2の発明によれば、超音波放射
面の下方の少なくとも一部に霧化媒体の霧化を促進する
霧化促進部を設けるとともに、この霧化促進部の前記超
音波放射面との固定部分近傍に貫通孔等の振動分離部を
設けているので霧化がより促進される。よって、霧化効
率が供給される液の種類(チクソ性の高い低い等)、液
の供給量、あるいは周囲温度に影響されることなく、使
用条件によっては液が超音波放射面に滞留したり、霧化
されずに滴下してしまうことのない、効率よくかつ安定
した霧化の行える超音波振動子を得ることができる。ま
た、使用環境によって霧化領域が偏ることもなくなり、
安定した霧化を実現できる。
【0057】請求項3の発明によれば、霧化促進部と前
記超音波放射面との間隔を5μmから400μmとしたこ
とにより、霧化媒体が霧化促進部あるいは超音波放射面
に滞留することがなく、また霧化促進部の振動を阻害す
ることがないので、霧化がより促進される。
【0058】請求項4の発明によれば、霧化促進部の端
面の少なくとも一部を超音波放射面側に屈曲させ、超音
波放射面の端面近傍に接触させた構成であるので、霧化
媒体が当該部分のエッジ効果による振動により勢いよく
霧化され、超音波放射面の中央部にまで流れ滞留するこ
とはない。また霧化促進部の振動を阻害することがな
い。よって、全体としての霧化効率も向上する。
【0059】請求項5の発明によれば、請求項4の発明
と同じように、突出部先端を超音波放射面の端面近傍に
接触させた構成であるので、当該部分から霧化がより促
進され、霧化効率が向上する。
【0060】請求項6の発明によれば、霧化促進部の端
部を超音波放射面に接触させ、かつ当該中央部分を超音
波放射面と接触させない構成であるので、請求項4、請
求項5の発明と同じように霧化促進部端部から霧化が容
易になり、霧化効率が向上する。
【0061】請求項7の発明によれば、霧化促進部の中
央部分を超音波放射面に接触させ、かつ当該端部を超音
波放射面と接触させない構成であるので、供給された霧
化媒体は超音波放射面の中央部分で霧化され易くなり、
霧化効率が向上するとともに、霧化された霧化媒体は指
向性をもって放射されるので、霧化の放射方向が限定さ
れるような用途に有効である。
【0062】請求項8の発明によれば、この霧化促進部
と超音波放射面間に設けたスペーサにより、少なくとも
霧化促進部と前記超音波放射面の一部に所定の間隔を確
保することができる。よって、霧化促進部の振動が阻害
されず、効率の良い霧化を行うことができる。
【0063】請求項9の発明によれば、前記超音波放射
面の霧化促進部との取付部分に突出部を設けることによ
り、少なくとも霧化促進部と前記超音波放射面の一部に
所定の間隔を確保することができる。よって、霧化促進
部の振動が阻害されず、効率の良い霧化を行うことがで
きる。
【0064】請求項10の発明によれば、特許請求項3
項乃至9項の構成に付加して、この霧化促進部の前記超
音波放射面との固定部分近傍に振動分離部を設けた構成
であるので、霧化媒体の霧化をより効率よく行うことが
できる。
【0065】請求項11の発明によれば、特許請求項3
項乃至9項の構成に付加して、この霧化促進部の前記超
音波放射面との固定部分近傍に振動分離作用を行う貫通
孔を設けた構成であるので、霧化媒体の霧化をより効率
よく行うことができる。
【0066】請求項12の発明によれば、特許請求項1
項乃至11項記載の超音波振動子の超音波放射面あるい
は超音波放射面の近傍に霧化媒体を供給し、超音波振動
により当該霧化媒体を霧化する超音波霧化装置であるの
で、駆動インピーダンスが低く、かつ霧化媒体を効率よ
く霧化できる。よって、霧化効率が供給される液の種類
(チクソ性の高い低い等)、液の供給量、あるいは周囲
温度に影響されることなく、使用条件によっては液が超
音波放射面に滞留したり、霧化されずに滴下してしまう
ことのない、効率よくかつ安定した霧化の行える超音波
霧化装置を得ることができる。また、使用環境によって
霧化領域が偏ることもなくなり、安定した霧化を実現で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す斜視図。
【図2】本発明の第1の実施例を示す一部破断正面図。
【図3】(a)、(b)本発明の第1の実施例を示す平
面図。
【図4】(a)、(b)本発明の第2の実施例を示す平
面図。
【図5】本発明の第2の実施例を示す平面図。
【図6】(a)、(b)本発明の第3の実施例を示す平
面図。
【図7】本発明の第4の実施例を示す正面図。
【図8】(a)、(b)本発明の第5の実施例を示す
図。
【図9】本発明の第5の実施例を示す斜視図。
【図10】本発明の第6の実施例を示す正面図(部分拡
大図)。
【図11】本発明の第5,第6の他の実施例を示す斜視
図。
【図12】本発明の第5,第6の他の実施例を示す斜視
図。
【図13】本発明の第7の実施例を示す正面図。
【図14】本発明の第8の実施例を示す正面図。
【図15】本発明の第9の実施例を示す正面図。
【図16】本発明の第10の実施例を示す正面図。
【図17】本発明の第10の実施例を示す平面図。
【図18】本発明の第11の実施例を示す正面図。
【図19】本発明の第11の実施例を示す平面図。
【図20】本発明のスペーサの構成例を示す図。
【図21】本発明の第12の実施例を示す内部断面図。
【図22】従来例を示す斜視図。
【図23】従来例を示す一部破断正面図。
【図24】従来例を示す平面図。
【図25】比較データを示すグラフ。
【符号の説明】
1,8 超音波振動子 11,81 放射金属ブロック 11a,81a 超音波放射面 11b,81b ボルト孔 12,82 リア金属ブロック 13,14,83,84 圧電素子 15,16,85,86 電極板 17,87 ボルト 2,6,71,72,73,74,75,76,77
霧化促進部 21b,21c,22b,22c,23b,23c,2
4b,24c,61b,61c,61d,62b,62
c,62d,63b,63c,63d,64b,64
c,64d 振動分離部(貫通孔) 31,32 支持体 4 ポンプ 5 発振器 S1,S2,S3 スペーサ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波放射面あるいは超音波放射面の近
    傍に霧化媒体を供給し、超音波振動により当該霧化媒体
    を霧化する超音波振動子であって、前記超音波放射面の
    下方の少なくとも一部に霧化媒体の霧化を促進する霧化
    促進部を設けるとともに、この霧化促進部の前記超音波
    放射面との固定部分近傍に振動分離部を設けたことを特
    徴とする超音波振動子。
  2. 【請求項2】 振動分離部が貫通孔であることを特徴と
    する請求項1記載の超音波振動子。
  3. 【請求項3】 超音波放射面あるいは超音波放射面の近
    傍に霧化媒体を供給し、超音波振動により当該霧化媒体
    を霧化する超音波振動子であって、前記超音波放射面の
    下方の少なくとも一部に霧化媒体の霧化を促進する霧化
    促進部を設けるとともに、この霧化促進部と前記超音波
    放射面との間隔を5μmから400μmとしたことを特徴
    とする超音波振動子。
  4. 【請求項4】 超音波放射面あるいは超音波放射面の近
    傍に霧化媒体を供給し、超音波振動により当該霧化媒体
    を霧化する超音波振動子であって、前記超音波放射面の
    下方の少なくとも一部に霧化媒体の霧化を促進する霧化
    促進部を設けるとともに、この霧化促進部の端面の少な
    くとも一部を超音波放射面側に屈曲させ、この屈曲部分
    の少なくとも一部を超音波放射面の端面近傍に接触させ
    たことを特徴とする超音波振動子。
  5. 【請求項5】 超音波放射面あるいは超音波放射面の近
    傍に霧化媒体を供給し、超音波振動により当該霧化媒体
    を霧化する超音波振動子であって、前記超音波放射面の
    下方の少なくとも一部に霧化媒体の霧化を促進する霧化
    促進部を設けるとともに、この霧化促進部の端面の少な
    くとも一部に超音波放射面側に突出する突出部を設け、
    この突出部の少なくとも一部を超音波放射面の端面近傍
    に接触させたことを特徴とする超音波振動子。
  6. 【請求項6】 超音波放射面あるいは超音波放射面の近
    傍に霧化媒体を供給し、超音波振動により当該霧化媒体
    を霧化する超音波振動子であって、前記超音波放射面の
    下方の少なくとも一部に霧化媒体の霧化を促進する霧化
    促進部を設けるとともに、霧化促進部の端部を超音波放
    射面に接触させ、かつ当該中央部分を超音波放射面と接
    触させないことを特徴とする超音波振動子。
  7. 【請求項7】 超音波放射面あるいは超音波放射面の近
    傍に霧化媒体を供給し、超音波振動により当該霧化媒体
    を霧化する超音波振動子であって、前記超音波放射面の
    下方の少なくとも一部に霧化媒体の霧化を促進する霧化
    促進部を設けるとともに、霧化促進部の中央部分を超音
    波放射面に接触させ、かつ当該端部を超音波放射面と接
    触させないことを特徴とする超音波振動子。
  8. 【請求項8】 超音波放射面あるいは超音波放射面の近
    傍に霧化媒体を供給し、超音波振動により当該霧化媒体
    を霧化する超音波振動子であって、前記超音波放射面の
    下方の少なくとも一部に霧化媒体の霧化を促進する霧化
    促進部を設けるとともに、この霧化促進部と超音波放射
    面間に少なくとも一部にスペーサを設けることを特徴と
    する超音波振動子。
  9. 【請求項9】 超音波放射面あるいは超音波放射面の近
    傍に霧化媒体を供給し、超音波振動により当該霧化媒体
    を霧化する超音波振動子であって、前記超音波放射面の
    下方の少なくとも一部に霧化媒体の霧化を促進する霧化
    促進部を設けるとともに、前記超音波放射面の霧化促進
    部との取付部分に突出部を設けることにより、少なくと
    も霧化促進部の一部を前記超音波放射面と所定の間隔に
    設定した構成であることを特徴とする超音波振動子。
  10. 【請求項10】 特許請求項3項乃至9項において、超
    音波放射面あるいは超音波放射面の近傍に霧化媒体を供
    給し、超音波振動により当該霧化媒体を霧化する超音波
    振動子であって、前記超音波放射面の下方の少なくとも
    一部に霧化媒体の霧化を促進する霧化促進部を設けると
    ともに、この霧化促進部の前記超音波放射面との固定部
    分近傍に振動分離部を設けたことを特徴とする超音波振
    動子。
  11. 【請求項11】 振動分離部が貫通孔であることを特徴
    とする請求項10記載の超音波振動子。
  12. 【請求項12】 特許請求項1項乃至11項記載の超音
    波振動子の超音波放射面あるいは超音波放射面の近傍に
    霧化媒体を供給し、超音波振動により当該霧化媒体を霧
    化する超音波霧化装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101240637B1 (ko) * 2010-07-02 2013-03-11 백순옥 나노 미스트 발생장치
EP2632519B1 (en) * 2010-10-29 2020-07-29 Koninklijke Philips N.V. A nebulizer, a control unit for controlling the same, and a method of controlling a nebulizer

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