JPH07281144A - 立体表示装置 - Google Patents

立体表示装置

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JPH07281144A
JPH07281144A JP6059597A JP5959794A JPH07281144A JP H07281144 A JPH07281144 A JP H07281144A JP 6059597 A JP6059597 A JP 6059597A JP 5959794 A JP5959794 A JP 5959794A JP H07281144 A JPH07281144 A JP H07281144A
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JP6059597A
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English (en)
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Manabu Ishimoto
学 石本
Takakazu Aritake
敬和 有竹
Nobuko Sato
宣子 佐藤
Yoshihiro Mizuno
義博 水野
Masahito Nakajima
雅人 中島
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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  • Stereoscopic And Panoramic Photography (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Mechanical Optical Scanning Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】機械的可動部がなく、無段階の偏向が可能な立
体表示装置を提供する。 【構成】視方向の異なる複数の2次元画像を表示する2
次元画像表示手段6と、画像表示手段の画像を構成する
画素からの光を偏向するビーム偏向手段8とを備え、ビ
ーム偏向手段は、対向する一対の電極16間に、誘電率
の異方性Δεが0より小さい液晶を挟んだ光偏向器を使
用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、立体像を表示する表示
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、立体像を表示する表示装置に
ついて、種々提案されている。その一例として、メガネ
方式に代表される2眼式のものであり、左右の眼に異な
る映像を見せ、両眼輻輳や両眼視差により立体感を得る
方法がある。また、この2眼式の延長として、多眼式の
レンティキュラ方法がある。このレンティキュラ方法に
おける立体視の原理は2眼式と同様である。
【0003】このような立体表示方法では、観察者が左
右に頭を動かしても立体像に差異(運動視差)が生じな
いため、不自然な立体像しか見ることができない。この
ような問題を解消するものとして、ホログラフィック・
ステレオグラムが挙げられる。ホログラフィック・ステ
レオグラムでは、視差を含んだ2次元の映像を、垂直方
向に細長いスリット状のセグメントホログラムに記録
し、これを水平方向に多数配置するため、観察者が左右
に頭を動かしても自然な立体感を得ることができる。ま
た垂直方向の視差を含んだホログラフィック・ステレオ
グラムもある。
【0004】この中で、水平視差を持つホログラフィッ
ク・ステレオグラムを例にとると、まず、図33に示す
ようにカメラ位置を位置330−1から330−nへと
変化させながら物体を撮像する。
【0005】次に、図34に示すように、撮像したフィ
ルムにレーザ光を照射し、レンズで拡散板に投影して物
体光を出し、ホログラム乾板の前に、撮影位置に対応し
て撮影位置に対応してスリット板のスリットを配置し、
参照光との干渉により干渉縞(位相分布)を露光記録す
る。
【0006】さらに、図35に示したように、イメージ
化されたホログラムを作成する方法もある。すなわち、
図34で作成されたホログラムに虚像として示す再生光
源で集光するようにレーザ光(再生光)を照射し、ホロ
グラムにより波面変換された物体光による像の表示位置
に、別のホログラム乾板を設けて参照光の照射で露光し
てイメージ化したホログラフィック・ステレオグラム
(イメージタイプ・ホログラフィック・ステレオグラ
ム)360を作る。
【0007】このイメージタイプ・ホログラフィック・
ステレオグラムは、図36に示したように、再生光36
4を照射することにより波面変換で視覚領域366から
見て立体像を表示することができる。
【0008】立体表示を行う場合、観察者の眼の疲労を
少なくするために、立体像がホログラム面の近傍に存在
することが望ましい。図34のホログラフィック・ステ
レオグラムでは、ホログラム面上に立体像が重なるよう
に再生するために、カメラで取り込んだ画像をイメージ
化する必要がある。
【0009】これに対し、図36のイメージタイプ・ホ
ログラフィック・ステレオグラムでは、2次元画像はホ
ログラム上にあるため、画像の変換を行わなくとも、ホ
ログラム面と立体像とを重ねることができる。またホロ
グラムを参照する光の波長が変化しても、像面はホログ
ラム面上にあり、色収差が発生しない等の利点がある。
従って、イメージタイプ・ホログラフィック・ステレオ
グラムによる立体表示の方が見やすいと言える。
【0010】また、立体像表示装置として、図37に示
したように、二酸化テルル結晶からなる音響光学偏向器
(AOD)501を使用し、ガルバノミラースキャナ5
02とポリゴンミラー503、レンズ504を備えた表
示装置も知られている。この装置では、ホログラムとし
て表示する物体の3次元データから、ホログラム乾板上
に形成される干渉縞をコンピュータで計算する。干渉縞
のデータはコンピュータのフレームバッファに書き込
み、映像信号と同期信号を表示部に伝送する。
【0011】表示部では、コンピュータのCRTディス
プレイ用復号映像信号から光学走査部分同期信号と音響
光学偏向器(AOD)を駆動する映像(ホログラム)信
号とに分離する。このとき音響光学偏向器(AOD)の
駆動に必要な帯域が50〜100MHzであるため、映
像信号に100MHzの搬送波を混合する。その伝送信
号が音響光学偏向器(AOD)の超音波トランスデュー
サで超音波に変換され、それが音響光学偏向器(AO
D)の結晶中を伝達するとき、弾性的に変調される屈折
率変化が生じる。そこにレーザ光を入射すれば回折光が
得られる。これによ音響光学偏向器(AOD)内にホロ
グラムが形成されるが、このホログラムは音速(二酸化
テルル結晶の遅い剪断波、617/秒)で動いているた
めポリゴンミラーを音速に同期して回転することで、ホ
ログラムを静止させる。このときポリゴンミラーは同時
に小さい要素ホログラムを水平走査するためにも用いら
れる。このように形成された横長の線状ホログラムをガ
ルバノミラースキャナによって垂直方向に走査し3次元
像を再生する。これにより、ポリゴンミラーの後に置い
た出射レンズの手前の空間に3次元像が浮かんで見え
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
立体表示装置において、ポリゴンミラーやガルバノミラ
ースキャナなどの機械的可動部を有すると、高い制御精
度が望めず、また、機械的な制御遅れを避けられない。
また、機械的共振などによるノイズの発生が問題とな
り、光軸がずれるなどして質のよい立体画像が得られな
い結果となるおそれがある。また、機械的調整等のメン
テナンスが容易ではない。
【0013】本発明の第1の課題は、このような機械的
可動部を有しないビーム偏向手段を備える立体表示装置
を実現することを第1の課題とするこの課題のため、ホ
ログラムを例えば偏向部として液晶を用いた空間光変調
素子を用いて電子的に表示することが可能である。偏向
部として液晶を用いる場合、十分な偏向角(約30゜程
度)を得るためには、液晶ディスプレイの画素ピッチを
1μm程度にしなければならないが、現実にはこれは不
可能であった。また、従来のLCD(液晶ディスプレ
イ)では画素ピッチの整数倍のみの空間周波数が表現可
能であり、これを用いた無段階の偏向は不可能であっ
た。
【0014】本発明の第2の課題は、画素の微細加工無
しに、十分な偏向角を持ち、無段階の偏向を可能とする
光偏向器を備えた立体表示装置を提供することを課題と
する。
【0015】ところで、液晶を用いた空間光変調素子を
用いてホログラムを電子的に表示するためには、一般に
表示しようとする3次元物体から光の位相分布をコンピ
ュータによる計算で求める必要があり、イメージタイプ
・ホログラフィック・ステレオグラムについては、2次
元画像から位相分布を計算する必要がある。
【0016】この位相分布の計算は、ホログラム面を微
小ホログラム領域に分け、1つの不精領域につき物体の
全てのサンプル点の位置座標と輝度から位相分布を計算
し、この計算を全ての微小ホログラム領域について行
う。このため2次元画像を対象に位相計算を行うイメー
ジタイプ・ホログラフィック・ステレオグラムでもかな
りの計算量となる。
【0017】また、表示する2次元画像の内容が変わる
と、その度に位相分布を計算する必要があり、コンピュ
ータによる計算の負荷が重く、この点の改善が望まれ
る。そこで、イメージタイプ・ホログラフィック・ステ
レオグラムを対象に、2次元画像が変化しても、位相分
布の計算を必要とせずに、立体表示することが望まれ
る。
【0018】本発明は、前記第1、第2の課題を解決す
ると同時に、位相分布の計算をせずに立体表示する立体
表示装置を提供することを課題とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するため、以下の手段を採用した。 <本発明の要旨>第1の課題、第2の課題を解決するた
め、本発明は、図1に示したように、視方向の異なる2
次元画像を表示する2次元画像表示手段6と、該画像表
示手段の画像を構成する画素からの光を偏向するビーム
偏向手段8とを備え、前記ビーム偏向手段8は、対向す
る一対の電極間に、誘電率の異方性(Δε)が0より小
さい液晶を挟んだ光偏向器を使用したことを特徴とす
る。 <2次元画像表示手段>2次元画像表示手段は、視方向
の異なる複数の2次元画像を同時にあるいは時系列に順
次表示する。 <ビーム偏向手段>本発明では、ビーム偏向手段とし
て、いわゆるVGM光偏向器を使用する。このVGM光
偏向器は、対向する一対の電極間に、誘電率の異方性
(Δε)が0より小さい液晶を挟んだ光偏向器を使用し
た。
【0020】誘電率の異方性とは、液晶において長軸方
向の誘電率から短軸方向の誘電率を引いた値をいい、誘
電率差ともいう。ある種のネマティック液晶分子を透明
電極間に挟み、直流あるいは交流電圧を印加すると、電
圧がある一定のしきい値を越えたところで数μmピッチ
の平行縞が現れることが報告されている(B.H.Soffer e
t,al.Opt.Eng.22,6,1983)。この現象がV.G.M(Va
riable Grating Mode)と呼ばれるものである。この平
行縞は液晶内の二次配向の分布に起因するものであり、
印加電圧の大きさによって平行縞のピッチ(即ち、空間
周波数)が変わる。
【0021】この平行縞は回折格子の働きをするので、
印加電圧を変えることにより回折角を変えることができ
る。尚、平行縞のピッチは印加電圧の増大に比例して狭
くなり、回折角が大きくなることがわかっている。
【0022】本発明の光偏向器はこのV.G.M現象を
利用したものである。 <付加的構成要件>第3の課題を解決する手段として、
視方向の異なる複数の2次元画像を表示する画像表示手
段6と、該画像表示手段の画像を構成する画素からの光
を偏向するビーム偏向手段8とを備えた装置において、
視方向の異なる画像ごとの偏向方向を決める位相分布を
予め計算してデータテーブルに固定的に準備しておく。
立体表示で画像を切り替えた場合には、画像に対応する
データテーブルの位相分布を読み出してビーム偏向手段
を駆動する。このため、画像を切り替える毎に位相分布
の計算を必要としない。
【0023】
【作用】本発明では、複数の視方向O1 〜On から撮像
した画像が入力される。入力された複数の視差画像は、
2次元画像表示手段6に表示される。そして、視方向O
1 から入力された像は仮想的な開口S1 に、視方向O2
から入力された像は仮想的な開口S2 に、視方向On か
ら入力された像は仮想的な開口Sn に、というように、
それぞれ対応する指定視域へと偏向される。これにより
入力時の被写体と撮像装置との角度関係が、再生時の観
察者と表示像との角度関係が等しくなり立体像が再生で
きる。
【0024】動画を再生する場合、ある時間t=t1 に
おける各視差画像を時系列に並び替え、Δt(例えば、
Δt=1/30秒)の間に、順に2次元画像を表示する
(シーン1の画像表示)。視点数分(S1 〜Sn )の表
示を行った後、t=t1 +Δtにおける視差画像を同様
に時系列に並べ、表示を行う(シーン2の画像表示)。
これを繰り返すことにより動画を表示する。
【0025】本発明では、対向する一対の電極間に、誘
電率の異方性(Δε)が0より小さい液晶を挟んだ光偏
向器をビーム偏向手段として用いたので、機械的可動部
の無い立体画像表示装置を実現できる。
【0026】そして、位相分布を予め計算してデータテ
ーブルに格納して置けば、これを参照するのみで、偏向
が可能となる。
【0027】
【実施例】
<実施例1>第1の実施例を図を参照して説明する。 〔実施例の構成〕本実施例における立体画像記録・再生
システムを図1を参照して説明する。
【0028】立体画像記録・再生システムは、被写体1
0を2次元画像として撮像する複数の撮像装置1(O1
〜On)、この撮像装置1で撮影された画像を視点数に
分割するライン分割部2、このライン分割部2で分割さ
れた2次元画像を時系列に並び替える時系列並び替え部
4、この時系列並び替え部で並び替えられた2次元画像
を時系列順で再生制御する2次元画像表示制御部5、こ
の2次元画像表示制御部5に制御されて2次元画像を時
系列順で再生する表示器6、この表示器6に表示された
2次元画像を前記複数の撮像装置の撮像視点に対応して
偏向制御する偏向制御部7、この偏向制御部7の制御情
報に従って、表示器6に表示された2次元画像を前記複
数の撮像装置の撮像視点へと偏向する光偏向器8、撮像
した画像を録画・再生する録画・再生装置3を備える。
以下、各構成の詳細を説明する。 <撮像装置>撮像装置1は、例えば、2次元画像を撮像
するカラーTVカメラなどであり、被写体に対し、水平
方向、あるいは、垂直方向に適度の間隔をもって複数配
置される。水平方向、あるいは、垂直方向に適度の間隔
をもって撮像装置1を複数配置する理由は、適度の視差
をもって、複数の2次元画像を獲得するためである。視
差が水平方向に生じるためには、撮像装置1を水平方向
に複数並べる。視差が垂直方向に生じるためには、撮像
装置1を水平方向に複数並べる。視差が水平方向、垂直
方向の両方に生じるためには、撮像装置1を水平方向と
垂直方向の両方に並べる。
【0029】図1ではO1 からOnまでのカメラが水平
方向に複数配置されているものとする。撮像装置は、所
定の画素数を有する撮像素子を備え、この画素数に応じ
た分解能で、被写体10を撮像し、画像を複数の画素と
して出力する。 <ライン分割部>ライン分割部2は、前記撮像装置1で
撮影された画像を視点数に分割する。
【0030】撮像装置1で撮影された画像はそれぞれ視
点数に分割される。例えば、カメラO1 の原画像は、以
下の表1に従い、図2に示したように、カメラの数kだ
けのライン数に分割される。
【0031】
【表1】 O1 → O1L1、O1L2、O1L3 ・・・・ O1Ln O2 → O2L1、O2L2、O2L3 ・・・・ O2Ln O3 → O3L1、O3L2、O3L3 ・・・・ O3Ln ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ On → OnL1、OnL2、OnL3 ・・・・ OnLn <時系列並び替え部>時系列並び替え部4は、ライン分
割部2で分割された2次元画像を時系列に並び替える。
【0032】すなわち前記のように分割された原画像
は、並び替えられて組み合わされ、以下の表2に従い、
図3に示したように、画像 O'1〜O'nが形成される。
すなわち、各撮像装置1から捉えた互いに視差のある各
原画像O1〜Onのそれぞれを視点数のラインに分割し、
分割した各画像片を、視点順にかつ時系列に従って組み
合わせて元の視点の数の画像O'1〜O'nを形成するので
ある。
【0033】
【表2】 O1L1、 O2L2、O3L3 ・・・・ OnLn → O'1 OnL1、 O1L2、O2L3 ・・・・ On-1Ln → O'2 On-1L1、OnL2、O1L3 ・・・・ On-2Ln → O'3 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ O2L1、 O3L2、O4L3 ・・・・ O1Ln → O'n <2次元画像表示制御部>2次元画像表示制御部5は、
時系列並び替え部で並び替えられた2次元画像を時系列
順で再生制御する。すなわち、前記O'1、O'2、O'3
・ ・ O'nをその順に従って再生する。この2次元画
像制御部5は、通常コンピュータのCPUにより構成さ
れる。 <2次元画像表示器>2次元画像表示器6は、2次元画
像表示制御部5に制御されて2次元画像を時系列順で表
示する。このような2次元画像表示器6として、LCD
(液晶ディスプレイ)を使用する。
【0034】LCDは十分な画素数を有し、入射した光
の光量を変化させる。すなわち、LCDは透過型ディス
プレイであり、通過する光の量を画素毎に変化させて2
次元画像を再生する。この2次元画像は、図4に示した
ように、光源(L)からの参照光を受け、投射光学系1
2を介して、光偏向器8に投射される。 <偏向制御部>偏向制御部7は、2次元画像表示器6に
表示された2次元画像を前記複数の撮像装置1の撮像視
点に対応して偏向制御する。偏向制御部7は、光偏向器
8に印加する電圧を変化させて位相分布すなわち干渉縞
のピッチを変更する。
【0035】図5はVGM光偏向器を駆動制御図であ
る。偏向制御部7は表示する2次元画面に対応した角度
情報により角画素に印加する電圧を決定する。すなわ
ち、2次元画像表示器6での画像表示に同期したタイミ
ング発生機(タイミングコントローラ)13からの同期
信号を受け、表示された画像に対応した角度情報を偏向
制御部7が受けると偏向制御部7は角度−電圧変換テー
ブル14を参照して、その角度情報に対応した電圧を導
き、その電圧を電圧発生器15で発生させて、光偏向器
の各電極16に印加する。 <光偏向器>光偏向器8は、前記偏向制御部7の制御情
報に従って、表示器6に表示された2次元画像を前記複
数の撮像装置1の撮像視点に対応した仮想開口へと偏向
する。光偏向器8としては、VGM光偏向器を使用す
る。VGM光偏向器は、図6から図8に示したように、
誘電率の異方性(Δε)が0より小さい液晶17と、こ
の液晶を挟む2枚のガラス基板18と、このガラス基板
の内側に配置され前記液晶を間にして配置された透明電
極板16とを備える。
【0036】この光偏向器8は、前記したようにVariab
le Grating Mode(V.G.M.)と呼ばれる現象を利用したも
のである。VGM現象が生じる液晶は、誘電率差△ε<
0のものである。V.G.M現象が生じる液晶の代表例
を化1に示す。これは、Merck社のN−4として市販さ
れており、入手可能である。
【0037】
【化1】 そして、光偏向器8には、透明電極16が、視点数に応
じて複数対設けられる。透明電極に電圧が印加されると
液晶に干渉縞が生じる。図6から図8では、2対の電極
を図示してあり、一方の電極間にV1、他方の電極間に
V2の電圧が印加され、V1>V2の関係にある。図9
に示した印加電圧−空間周波数特性図のように、電極に
印加される電圧の大きさが大きいとき、干渉縞の空間周
波数が大きくなって、縞の間隔が小さくなり、電極に印
加される電圧の大きさが小さいとき、干渉縞の空間周波
数が小さくなり、縞の間隔が大きくなる。従って、図8
に示したように、V2の印加電圧に対応する部分の干渉
縞の間隔はV1の印加電圧に対応する部分の干渉縞の間
隔より大きい。
【0038】各一対の電極16に対応した表示器6の画
素にそれぞれ分割された画像の各ラインが表示されるの
で、そのライン毎の画像がそれぞれ異なる偏向により仮
想開口へと投射される。画像O1’が表示器6に表示さ
れると、それに対応する偏向方向に向くように光偏向器
がタイミングコントローラ13による同期状態で制御さ
れる。この実施例では、単一の一方向光偏向器を用い、
水平方向にのみ視差を持つようにしてある。VGM偏光
器は縦長の画素を持ち、垂直方向には単画素である。水
平方向の画素数Nと、2次元画像表示部の水平方向の画
素数Mは、図10の(A)部に示したようにN:M=
1:1、または(B)部に示したようにN:M=1:n
(n≧2)である。2次元画像表示画素からの光は水平
方向のみに偏向されるため垂直方向の像を全て同時に見
ることはできない。そこで、図4、図10のように、レ
ンティキュラレンズ20により垂直方向に光を拡散し、
この問題を解決している。すなわち、下の画素に表示さ
れる画像はそのままであると下の部分にしか投射されな
い。そこでレンティキュラレンズ20で上下のいずれの
部分にも均一に拡散することで、上下方向での像の差を
無くしたのである。
【0039】また、光偏向器8の前後に、一対の偏光板
21、22が、図4に示したように、配置されている。
一対の偏光板21、22は偏向方向が90度ずれてお
り、これにより0次光が遮光される。 <録画・再生装置>録画・再生装置3は、撮像した画像
を録画し、再生する。録画装置としては、ライン分割
部2に入力された、各撮像装置からの各画像をそれぞれ
別個に記録する場合、ライン分割部でライン毎に分割
された状態の画像を記録する場合、あるいは、時系列
並び替え部で並び替えた後の画像を記録する場合、があ
る。
【0040】録画装置3に録画された画像を再生する再
生装置3では、前記の画像を再生した場合、その画像
をライン分割部2に入力する。また、の画像を再生し
た場合、再生画像を時系列並べ替え部に入力する。さら
に、の画像を再生した場合、再生画像を2次元画像表
示制御部5に入力する。 〔実施例1の作用〕実施例1の装置により立体表示をす
る例を説明する。
【0041】<第1の表示例>まず、被写体を2次元画
像として複数の撮像装置1(O1 〜On )により撮像す
る。次いで、その画像をライン分割部2に入力し、各画
像を撮像装置1の数に前記表1のようにライン分割す
る。次いで、表2のように、分割された画像を時系列に
組み合わせ、シーン1として、O'1〜O'nを形成する。
これらはシーン毎に形成されるので、シーン1に次いで
シーン2、3・・nへと画像が続く。
【0042】2次元画像O'1〜O'nは時系列順に2次元
画像表示制御部5によって再生制御され、表示器6に表
示される。この表示器6に表示された2次元画像を前記
複数の撮像装置1の撮像視点に対応して、偏向制御部7
で制御される光偏向器8で仮想開口S1〜Snへと画像が
偏向される。すなわち、LCDから光学系によりVGM
光偏向器に投射された2次元画像は、光偏向器8に生じ
た屈折率分布のピッチに従って所望の仮想開口位置に偏
向されるのである。
【0043】図11(A)〜(D)は、分割した画像を
用いて立体表示する場合の走査法の例である。図11で
偏向器は複数画素を持ち、それぞれの画素に対して設け
た電極への印加を異ならしめることで、それぞれの画素
に異なる位相分布を与え、所望の仮想開口に対して偏向
を行っている。この方式の場合、全仮想開口に対して、
1ラインづつ偏向を行う。この場合、偏向器8は複数の
画素を有し、偏向器画素ML1,ML2,・・・MLn,仮想
開口S1,S2,・・・Snに対して、時間t1からtn
間に、以下の順で走査を行う。 t1L1→S1、 ML2→S2 … MLn→Sn 図17(A) t2L1→S2、 ML2→S3 … MLn→S1 図17(B) t3L1→S3、 ML2→S4 … MLn→S2 図17(C) … tnL1→Sn、 ML2→S1 … MLn→Sn-1 図17(D) (ML1→S1は、ML1の画素が仮想開口S1に対して偏向
を行うことを意味する。) この偏向方式の場合、偏向はライン毎の書き込みに同期
して行われる。
【0044】この方式は、一つの画像を複数のラインに
分割して順次表示する。よって、観察者から見える画像
は、全体画像の一部であるが、このようにすることで、
常に観察者に対して画像を表示する(表示器全体が暗く
なることがない)ため全体の画像を見せる場合より観察
者の目の疲労を少なくすることができる。時系列に分割
され、時系列に組み替えられた画像は、O'1〜O'nの順
で時系列に再生されて時系列に仮想開口S1〜Snに対応
する視点S1〜Snに向けて投射されるのであるが、人の
目には残像が残るのでO'1〜O'nの画像は同時に見え、
立体像を形成する。
【0045】ところで、VGM光偏向器は、直線偏光を
入射すると、奇数次回折光と偶数次回折光とで偏向面が
直交する。図4、図12に示したように、VGM光偏向
器8を互いに直交する2枚の偏向板で挟むことで偶数次
回折光を遮光することができる。すなわち、最初の偏光
板21で入射光を直線偏光とし、VGM光偏向器8を通
過した後の偶数次回折光を第2の偏光板22で遮光す
る。このため、図12、図14に示したように透過光
(0次光)を遮光することができる。なお、2枚の偏光
板は、90度±10の角度で交差するならば実質的に0
次光を遮光できる。 <第2の表示例>図15は、偏向器8が単一の画素を持
つ場合である。すなわち、偏向器8に一対の電極のみ配
置され、偏向器全体が均一に一定方向にのみ偏向する場
合である。
【0046】2次元画像入力部から画像が入力される
と、2次元画像表示器6に画像が表示される。タイミン
グコントローラ13によりこの2次元画像表示器6での
画像表示に同期して偏向器の電圧が制御され、偏向度が
制御される。
【0047】この場合、偏向は単一方向にしか行うこと
ができないが、偏向器前面にレンズ19を用いること
で、偏向した画像を所望の仮想開口に対して集める。 <表示の消去制御>第1、第2の表示例による偏向法の
場合、2次元画像全体の書き込みに同期して偏向は行わ
れる。しかし、ある仮想開口Sk から次の仮想開口S
k+1 に偏向が移るとき、Skに偏向した画像の残像がS
k+1の位置で見えないようにするために、偏向制御部7
において、画面書換の前に前表示画面の消去時間を設
け、この時間中は偏向を止める。このとき、2次元画像
表示制御部5では、表示器6の輝度を非常に暗くし、観
察者に残像を感じさせないようにする。
【0048】1画面消去後、再び画面の書き込み及び偏
向を開始する。図16は偏向方式のタイミングチャート
である。まず、S1O1の画像を仮想開口S1 に表示した
後、画面消去をし、その後、S1O2の画像を仮想開口S
2に表示し、S1On の画像を仮想開口Sn に表示してシ
ーン1の画像表示を完了する。次いで、シーン2の画像
S201・・S2Onを表示する。 <第3の表示例>実施例1の装置を使用し、画像を分割
しないで立体表示することも可能である。
【0049】但し、この場合はライン分割部2、時系列
並べ替え部4は必要ではなく、単に入力画像を時系列に
入力する2次元画像入力部30を有するにすぎない。そ
の例を図17に示す。図17で偏向器は複数画素を持
ち、それぞれの画素に対して設けた電極への印加を異な
らしめることで、それぞれの画素に異なる位相分布を与
え、所望の仮想開口に対して偏向を行っている。
【0050】この図17は、光偏向器8の偏向方式の実
施例の一つである。この方法ではある時間t=tn にお
いては、ただ一つの仮想開口に対し偏向を行い、t=t
n+1からt=tn+kにつれ、仮想開口S1からSnに順に偏
向していく。このとき偏向位置に応じた画像(O'1、
O'2、O'3 ・ ・ O'nの内の一つ)が2次元画像表
示部に表示される。すなわち、撮像装置から入力した2
次元画像はそのまま時系列に並べられ、2次元画像表示
器6に表示され、そのまま仮想開口に偏向される。 〔実施例1の効果〕このように、本実施例では、VGM
光偏向器を使用しているので、立体画像の表示に機械的
可動部を必要としない。また、VGM光偏向器による偏
向角度は十分であり、十分な立体表示が可能となってい
る。
【0051】立体表示器の視域としては30゜程度が望
ましい。ピッチdの回折格子に波長λの光を入射すると
き回折角θとは、 d・Sinθ=n・λ の関係があり、一次光回折角30゜を得るためには、λ
=633nmとすると、d=1.26μmとなる。つま
り、通常のLCDで偏向角30゜の偏向器を得ようとす
ると、ピッチ1μm(空間周波数1000本/mm)程
度の画素が必要となる。これに対し、本発明に係るVG
M光偏向器では、空間周波数は印加電圧で決まり、画素
ピッチによらない。従って、望ましい視界の立体表示器
を容易の得ることが可能である。 <実施例2>図18は複数の一方向光偏向器を用いた場
合の実施例である。2次元画像表示器6から投射される
2次元画像は横長の画素を持つ垂直方向用VGM光偏向
器8−1により、垂直方向に偏向され、さらに、縦長の
画素を持つ水平方向用VGM光偏向器8−2により水平
方向に偏向される。これによって、上下両方向に視差を
持つ立体画像11を表示できる。 <実施例3>実施例1、2の光偏向器の制御において、
偏向の角度情報により位相分布を変化させる必要があ
る。すなわち、角度情報に従って位相分布を計算して光
偏向器の制御をすることも可能であるが、以下に示すよ
うに位相分布の計算をせずに立体表示することが好まし
い。 〔位相分布格納テーブルの作成〕図22、図26に示し
た位相分布格納テーブル28には、視方向の異なる画像
毎に決まる光偏向をもたらす位相分布(干渉縞)が予め
テーブルデータとして格納されており、偏向制御部7は
この位相分布格納テーブルに格納したデータを参照し
て、光偏向器の位相分布を制御する。この位相分布格納
テーブルに格納するデータの作成を説明すると次のよう
になる。 1)位相分布の計算 まずホログラムの原理を説明すると、ホログラムは1つ
のレーザ光を2つに分割し、一方のレーザ光を物体に照
射して物体より散乱されるレーザ光(物体光)ともう一
方のレーザ光(参照光)の2光束干渉により得られる。
ここで、参照光の波面をR・exp(jφr)とし、物体光
の波面をO・exp(jφo)とすると、ホログラムの露光
強度IHは、 IH=R2+O2+2・R・O・cos(φo−φr) ・・・ (1) となる。ホログラムを現像する場合には、(1)式の露
光強度IHに比例した振幅及び位相の変化がホログラム
に起きる。電気的にホログラムを作成するためには、光
の振幅や位相を変化することのできる液晶デバイス等の
空間光変調素子を使用すればよい。
【0052】このようにして作成されたホログラムに参
照光と同じ波面を入射することでホログラムを再生する
ことができる。(1)式の露光強度IHの内、物体光の
再生に寄与するのは右辺第3項のみであるので、この右
辺第3項について考えると、ホログラムからの透過光T
は T=IH・R・exp(jφ) ∞2・O・cos(φo−φr)・exp(φr) =O・exp(jφo)+O・exp{−j(φo−2・φr)} ・・・ (2) となる。ここで、(2)式の右辺第1項は物体からの波
面が再生されたことを示し、右辺第2項は物体光の共役
波を示している。
【0053】以上の原理説明から、ホログラムの位相分
布の計算は(1)式の右辺第3項のみを計算すればよい
ことになる。図19は、ホログラフィック・ステレオグ
ラムにおける位相分布の計算原理を示したもので、参考
光を平面波と考えると、平面波は場所による強度変化が
ないので光強度Rを無視することができ、また位相φr
=0として扱える。また2次元画像のZ軸方向の座標値
はZiと一定である。
【0054】2次元画像の中の座標(Xi,Yi)をもつ
あるサンプリング点Pの輝度(散乱度)をIiとしたと
き、ホログラフィック・ステレオグラム上の座標
(Xhi,Yhi)となるQ点の露光強度IH但し、kはレーザ光の波数 ri=√{(Xi−Xhi2+(Yi−Yhi2+Zi 2}・・・ (4) となる。2次元画像の各画素からの光はホログラム全体
に到達するので、(3)(4)式の計算をホログラフィ
ック・ステレオグラムの領域全体に亘って行う必要があ
る。 2)水平及び垂直方向に視差をもつイメージホログラム
の位相計算 図20は、実施例2のように、水平及び垂直方向に視差
をもつ立体表示用の光偏向器の偏向機能を示した説明図
である。光偏向器8は2次元画像の1画素に対応する1
画素分位相表示部を垂直方向にM個、水平方向にN個の
合計M×N個を配列している。ここで水平方向をj、垂
直方向をiで現わすと、任意の1画素分位相表示部に対
応する画素はPijで表わされる。
【0055】光偏向器8に対し可視領域となる位置には
仮想開口が配置される。この仮想開口は水平方向にn
個、垂直方向にm個の合計n×m個を配列している。こ
こで水平方向をL、垂直方向をkで表すと、任意の仮想
開口領域はSkLで表される。
【0056】ここで光偏向器8の右上隅の1画素分位相
表示部に注目すると、対応画素PINからの表示光の偏向
状態を示しており、対応画素PINからの光は、すべての
仮想開口の領域Sll〜Smnに対し偏向されることにな
る。
【0057】図21は以上の偏向機能を実現する位相分
布の計算方法を示したもので、対応画素Pijの1画素分
位相表示部46における位相分布計算方法を1つの仮想
開口48の領域SkLとの関係を例にとって示している。
【0058】図21において、まず仮想開口48に仮想
点光源50を水平及び垂直方向に複数並べる。同時に仮
想参照光52を設定する。この状態で1画素分位相表示
部46を構成している位相表示用画素54ごとに、全て
の仮想点光源50との間で前記(3)(4)式により位
相分布を計算する。ここで2次元画像データとしては図
23に示すように、仮想開口領域Sll〜S mnを視点とし
て見た複数の2次元画像データGll〜Gmnが準備され、
これを次分割で表示させる。このため、図20に示した
仮想開口48は2次元画像データG ll〜Gmnの切換えに
伴って時間的に水平及び垂直方向に変化する。そこで図
21の位相分布の計算は、2次元画像Gll〜Gmnに伴っ
て時間的に位置が変化する仮想開口領域について計算す
る。
【0059】従って、任意の対応画素Pijについては、
時分割による2次元画像表示に対応して異なるSll〜S
mnの仮想開口48に画素からの光を偏向するため、位相
分布φijll〜φijmnを計算することになる。
【0060】このため本発明の位相分布格納テーブルに
は図22に示すように、対応画素ごとに時分割表示によ
り使用される位相分布データが格納されることになる。 3)水平方向に視差をもつイメージホログラムの位相計
算 図24は水平方向に視差をもつ立体表示に用いる本発明
の光偏向器8の偏向機能を示した説明図である。図24
において、光偏向器8は垂直方向に長い画素を配列して
おり、一方、仮想開口48は垂直方向に長いストライプ
領域として水平方向にn個を配列している。ここで水平
方向をlで現すと、任意の仮想開口領域はSlで表され
る。
【0061】ここで光偏向器8の右上隅の1画素分位相
表示部46に注目すると、対応画素PINからの表示光の
偏向状態を示しており、対応画素PINからの光は図示の
ように、すべての仮想開口48の領域Sl〜Snに対し偏
向されることになる。
【0062】図25は図24に示した偏向機能を実現す
る位相分布の計算方法を示したもので、対応画素Pij
1画素分位相表示部46における位相分布計算方法を1
つの仮想開口48の領域S1との関係を例にとって示し
ている。
【0063】図25の場合にも、まず仮想開口48に仮
想点光源50を水平及び垂直方向に複数並べる。同時に
仮想参照光52を設定する。この状態で1画素分位相表
示部46を構成している位相表示用画素54ごとに、全
ての仮想点光源50との間で前記(3)(4)式より位
相分布を計算する。
【0064】ここで2次元画像データとしては図27に
示すように、仮想開口領域S1〜Snを視点として見た複
数の2次元画像データG1〜Gnが準備され、これを時分
割で表示させる。このため、図24に示した仮想開口4
8は2次元画像データG1〜Gnの切換えに伴って時間的
に水平方向に変化する。そこで図16の位相分布の計算
は、2次元画像G1〜Gnに切換え伴って時間的に位置が
変化する仮想開口領域について計算する。
【0065】従って、任意の対応画素Pijについては、
時分割による2次元画像表示に対応して異なる領域S1
〜Snの仮想開口48に画素からの光を偏向するため、
位相分布Φij〜Φijmnを計算することになる。
【0066】このため水平方向に視差をもつ場合の位相
分布格納テーブルには図26に示すように、対応画素ご
とに時分割表示により使用される位相分布データが格納
されることになる。 4)画像を分割する場合のイメージホログラムの位相計
算 図28は分割した画像を用いて水平方向に視差をもつ立
体表示を行う本発明の光偏向器8の偏向機能を示した説
明図である。
【0067】図28において、光偏向器8は垂直方向に
長い画素を配列し、一方、仮想開口48は垂直方向に長
いストライプ領域として水平方向にn個を配列してい
る。ここで水平方向を1で現わすと、任意の仮想開口領
域はS1で表わされる。
【0068】ここで2次元画像は垂直方向に分割されて
水辺方向のストライプ画像となっており、このため光偏
向器8の右上隅の1画素分位相表示部46に注目する
と、対応画素P1Nからの光は、画像分割に基づき、仮想
開口の最上列の領域S11〜S1nに偏向する。同様に光偏
向器8の2列目についても、仮想開口48の2列目の領
域に偏向する。この結果、光偏向器8で垂直方向に並ん
だ1画素分位相表示部46は、全て同じ方向に偏向する
ことになり、同じ位相分布をもつ。
【0069】そこで、光偏向器8の垂直方向に並んだ複
数の1画素分位相表示部46の位相分布は1つとして扱
うことができるので、対応画素を垂直方向に1つにまと
めてP1〜PNで表わす。
【0070】図29は図28に示した偏向機能を実現す
る位相分布の計算方法を示したもので、対応画素Pj
1画素分位相表示部46における位相分布計算方法を1
つの仮想開口48の領域S1との関係を例にとって示し
ている。
【0071】図29の場合に、1画素分位相表示部46
と仮想開口48に垂直な水平面56を設定し、水平面5
6に沿って仮想開口48上に仮想点光源50を水平方向
に複数並べる。同時に仮想参照光52を設定する。この
状態で1画素分位相表示部46を構成している位相表示
用画素54ごとに、全ての仮想点光源50との間で前記
(3)(4)式二より位相分布を計算する。
【0072】ここで2次元画像データは図28と同じで
あり、仮想開口領域S1〜Snを視点として見た複数の2
次元画像データG1〜Gnが準備され、これを時分割で表
示させる。このため、図28に示した仮想開口48は2
次元画像データG1〜Gnの切換えに伴って時間的に水平
方向に変化する。そこで図29の位相分布の計算は、2
次元画像G1〜Gnに切換え伴って時間的に位置が変化す
る仮想開口領域について計算する。
【0073】従って、任意の対応画素Pijについては、
時分割による2次元画像表示に対応して異なる領域S1
〜Snの仮想開口48に画素からの光を偏向するため、
位相分布Фji〜Фjnを計算することになる。
【0074】このため水平方向に視差をもつ場合の位相
分布格納テーブルには図30に示すように、対応画素ご
とに時分割表示により使用される位相分布データが格納
されることになる。
【0075】この分割2次元加増の位相分布を用いた本
発明の立体表示にあっては、視方向の異なる2次元画像
を切換えても、図28に示すように垂直方向の偏向方向
は全て同じであり、水平方向の偏向方向が2次元画像ご
とに異なることにある。このため垂直方向への光は拡散
せず、立体像の再生時にはさらに垂直方向への光学的な
拡大が必要となる。
【0076】そこで図31に示すように光偏向器8に続
いて、垂直方向の可視領域拡大機能をもつ光学素子とし
て例えばレンティキュラレンズ112を設け、垂直方向
に拡散して可視領域45を作り出す。このことは前に言
及した。 <実施例4>図32は、本発明を実現するための記録再
生システムの概略である。複数のカメラにより取り込ま
れた2次元画像はカメラの位置による角度情報とともに
データ圧縮部601で圧縮され、記録装置602で記録
され、あるいは、伝送装置で伝送される。記録される場
合は、磁気テープなどの記録媒体に記録される。伝送す
る場合は、通信ネットワーク等の通信媒体を経て通信さ
れる。
【0077】再生されあるいは伝送されたデータは角度
情報とともにデータ伸長部603で伸長され計算機に入
力される。計算機の補間画像生成部604内で、各画像
の角度情報を元に表示すべき数の視差画像が補間計算さ
れ、必要に応じ、拡大、縮小、ライン等の入れ替え等の
操作を編集部605で加え、角度情報に応じた番号と対
にフレームバッファに書き込まれる。タイミング発生部
13からの信号により、偏向制御部7は電圧制御器60
7により所望の偏向になるよう光偏向器8を制御し、読
み出し回路606はフレームバッファにより偏向角に対
応する2次元画像データを読み出し、表示器に出力す
る。
【0078】このようにして、それぞれ所定の視野内に
角度に対応した2次元画像を表示することにより、立体
表示を行う。
【0079】
【発明の効果】本発明では、ビーム偏向手段8として、
対向する一対の電極間に、誘電率の異方性(Δε)が0
より小さい液晶を挟んだ光偏向器を使用したので、機械
的可動部分を有しない立体表示装置とすることができ、
機械的共振などの影響を受けず、立体表示の精度が向上
し、また、メンテナンスも容易となった。
【0080】また、撮像装置1で撮影された画像を視点
数に分割するライン分割部2、このライン分割部2で分
割された2次元画像を時系列に並び替える時系列並び替
え部4、この時系列並び替え部で並び替えられた2次元
画像を時系列順で再生制御する2次元画像表示制御部
5、を備え、ビーム偏向手段8は、前記2次元画像表示
手段6に表示された2次元画像を、前記複数の撮像装置
の撮像視点に対応して仮想開口へと偏向することによ
り、部分的画像を表示するため、観察者の目の疲労を緩
和できる。
【0081】ビーム偏向手段は、画像を水平方向に偏向
し、あるいは、前記ビーム偏向手段は、画像を垂直方向
に偏向することで、水平方向、垂直方向の立体画像を得
ることができる。
【0082】前記ビーム偏向手段が、水平方向にのみ偏
向を行う場合、垂直方向への光拡散手段を備えること
で、垂直方向の画像を均一に見ることができる。また、
前記ビーム偏向手段を制御する偏向制御部が、位相分布
データを格納した位相分布テーブルを参照して、ビーム
偏向手段による偏向角度を決定するようにした場合、位
相分布計算をする時間を省くことができ、速やかな立体
表示をすることが可能となった。
【0083】前記ビーム偏向手段を挟んだ前後に偏向方
向が90度±10の角度で交差する一対の偏光板を配置
することで、0次光を遮光できる。ビーム偏向手段によ
って、ある仮想開口Sk から次の仮想開口Sk+1 への偏
向が移るとき、偏向制御部7において、画面書換の前に
前表示画面の消去時間を設け、この時間中は偏向を止め
るようにしたことで、前回表示の残像をカットでき、ク
リアな立体表示をすることができる。
【0084】その際、2次元画像表示手段による、画像
表示の輝度を暗くすることにより、立体表示はより鮮明
になる。そして、視方向の異なる複数の2次元画像を通
信ネットワークを介して伝送する送信側と、伝送された
前記2次元画像を受信する受信側とを備え、受信した2
次元画像を表示する2次元画像表示手段で表示し、該画
像表示手段の画像を構成する画素からの光を前記異なる
視方向に対応してビーム偏向手段で偏向することで遠隔
地にて立体画像を表示する立体画像通信システムを実現
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成を示すブロック図
【図2】 撮像装置で捉えた原画を視点数のラインに分
割した状態を示す図
【図3】 分割後のライン画像を並び替えた状態を示す
【図4】 立体表示器の平面構成図
【図5】 偏向器の制御系を示すブロック図
【図6】 VGM光偏向器を示す図
【図7】 VGM光偏向器に電圧を印加した状態を示す
【図8】 VGM光偏向器に電圧を印加したときの位相
分布(干渉縞)の状態を示す図
【図9】 VGM光偏向器に使用する液晶の印加電圧と
空間周波数との関係を示すグラフ図
【図10】水平方向にのみ視差を持つ立体表示器の構成
【図11】偏向器における第1の偏向方法の例を示す図
【図12】偏光板の配置構成図
【図13】偏光板が存在しない場合の偏向器透過光の状
態を示す図
【図14】偏光板による0次光遮断状態を示す図
【図15】偏向器が単画素の場合の偏向方法を示す図
【図16】画像表示間で、画面消去を行う場合のタイミ
ングチャート図
【図17】偏向器における第2の偏向方法の例を示す図
【図18】水平、垂直両方向に視差を有する場合の立体
表示器の構成図
【図19】2次元画像を対象とした位相分布の計算原理
を示した説明図
【図20】水平、垂直方向に視差を持つ場合の光偏向器
の偏向機能を示した説明図
【図21】図20の偏向機能を有する位相分布の計算方
法の説明図
【図22】水平、垂直方向に視差を持つ場合の位相分布
格納テーブルの説明図
【図23】水平、垂直方向に視差を持つ場合の2次元画
像格納テーブルの説明図
【図24】水平方向に視差を持つ場合の光偏向器の偏向
機能を示した説明図
【図25】図24の偏向機能を実現する位相分布の計算
方法の説明図
【図26】水平方向にのみ視差を持つ場合の位相分布格
納テーブルの説明図
【図27】水平方向にのみ視差を持つ場合の2次元画像
格納テーブルの説明図
【図28】画像分割の場合における光偏向器の偏向機能
を示した説明図
【図29】図28の偏向機能を実現する位相分布の計算
方法の説明図
【図30】画像分割の場合の位相分布格納テーブルの説
明図
【図31】図28にレンティキュラレンズを設けて垂直
方向に光学的に拡大したときの偏向状態の説明図
【図32】立体表示記録・再生システムの概略図
【図33】ホログラフィック・ステレオグラム作成での
対象物の撮影位置を示した説明図
【図34】ホログラフィック・ステレオグラムを干渉露
光で作成する説明図
【図35】ホログラフィック・ステレオグラムを用いて
イメージタイプ・ホログラフィック・ステレオグラムを
干渉露光で作成する説明図
【図36】イメージタイプ・ホログラフィック・ステレ
オグラムの再生を示す説明図
【図37】機械的可動部を有する立体表示装置を示す図
【符号の説明】
1・・・撮像装置、 2・・・ライン分割部、 3・・・再生装置、 3・・・録画・再生装置、 3・・・録画装置、 4・・・時系列並び替え部、 5・・・2次元画像表示制御部、 5・・・次元画像表示部、 6・・・画像表示手段、 6・・・2次元画像表示器(2次元画像表示手段)、 7・・・偏向制御部、 8・・・VGM光偏向器(ビーム偏向手段)、 8−1・・・垂直方向用VGM光偏向器、 8−2・・・水平方向用VGM光偏向器、 10・・・被写体、 11・・・立体画像、 12・・・投射光学系、 13・・・タイミングコントローラ(タイミング発生
部)、 14・・・角度−電圧変換テーブル、 15・・・電圧発生器、 16・・・電極、 17・・・液晶、 18・・・ガラス基板、 19・・・レンズ、 20・・・レンティキュラレンズ、 21・・・偏光板、 22・・・偏光板、 28・・・位相分布格納テーブル、 30・・・2次元画像入力部 45・・・可視領域、 46・・・画素分位相表示部、 48・・・仮想開口、 50・・・仮想点光源、 52・・・仮想参照光、 54・・・位相表示用画素、 56・・・垂直名水平面、 56・・・水平面、 112・・・レンティキュラレンズ、 330−1・・・位置、 364・・・再生光、 366・・・視覚領域、 502・・・ガルバノミラースキャナ、 503・・・ポリゴンミラー、 504・・・レンズ、 601・・・データ圧縮部、 602・・・記録装置、 603・・・データ伸長部、 605・・・編集部、 606・・・読み出し回路、 607・・・電圧制御器、
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年6月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】立体画像記録・再生システムは、被写体1
0を2次元画像として撮像する複数の撮像装置1(O1
〜On)、この撮像装置1で撮影された画像を視点数に
分割するライン分割部2、このライン分割部2で分割さ
れた2次元画像を時系列に並び替える時系列並び替え部
4、この時系列並び替え部で並び替えられた2次元画像
を時系列順で再生制御する2次元画像表示制御部5、こ
の2次元画像表示制御部5に制御されて2次元画像を時
系列順で再生する表示器6、この表示器6に表示された
2次元画像を前記複数の撮像装置の撮像視点に対応して
偏向制御する偏向制御部7、この偏向制御部7の制御情
報に従って、表示器6に表示された2次元画像を前記複
数の撮像装置の撮像視点へと偏向する光偏向器8、撮像
した画像を録画・再生する録画・再生装置3を備える。
以下、各構成の詳細を説明する。 <撮像装置>撮像装置1は、例えば、2次元画像を撮像
するカラーTVカメラなどであり、被写体に対し、水平
方向、あるいは、垂直方向に適度の間隔をもって複数配
置される。水平方向、あるいは、垂直方向に適度の間隔
をもって撮像装置1を複数配置する理由は、適度の視差
をもって、複数の2次元画像を獲得するためである。視
差が水平方向に生じるためには、撮像装置1を水平方向
に複数並べる。視差が垂直方向に生じるためには、撮像
装置1を垂直方向に複数並べる。視差が水平方向、垂直
方向の両方に生じるためには、撮像装置1を水平方向と
垂直方向の両方に並べる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】撮像装置1で撮影された画像はそれぞれ視
点数に分割される。例えば、カメラO1 の原画像は、以
下の表1に従い、図2に示したように、カメラの数n
けのライン数に分割される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】LCDは十分な画素数を有し、入射した光
の光量を変化させる。すなわち、LCDは透過型ディス
プレイであり、通過する光の量を画素毎に変化させて2
次元画像を再生する。この2次元画像は、図4に示した
ように、光源(L)からの参照光を受け、投射光学系1
2を介して、光偏向器8に投射される。光偏向器8の前
後に互いに偏光方向を直交させた偏光板21,22を配
置することにより、0次光を含む偶数次回折光を遮光し
ている。すなわち、最初の偏光板21で入射光を直線偏
光にして、光偏向器8を通過した後の0次光及び偶数次
回折光を第2の偏光板22で遮光するのである。偏光板
22を通過した回折光はレンティキュラレンズ20によ
り垂直方向に拡散される。 <偏向制御部>偏向制御部7は、2次元画像表示器6に
表示された2次元画像を前記複数の撮像装置1の撮像視
点に対応して偏向制御する。偏向制御部7は、光偏向器
8に印加する電圧を変化させて位相分布すなわち干渉縞
のピッチを変更する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】図5はVGM光偏向器を駆動制御図であ
る。偏向制御部7は表示する2次元画面に対応した角度
情報により画素に印加する電圧を決定する。すなわ
ち、2次元画像表示器6での画像表示に同期したタイミ
ング発生機(タイミングコントローラ)13からの同期
信号を受け、表示された画像に対応した角度情報を偏向
制御部7が受けると偏向制御部7は角度−電圧変換テー
ブル14を参照して、その角度情報に対応した電圧を導
き、その電圧を電圧発生器15で発生させて、光偏向器
の各電極16に印加する。 <光偏向器>光偏向器8は、前記偏向制御部7の制御情
報に従って、表示器6に表示された2次元画像を前記複
数の撮像装置1の撮像視点に対応した仮想開口へと偏向
する。光偏向器8としては、VGM光偏向器を使用す
る。VGM光偏向器は、図6から図8に示したように、
誘電率の異方性(Δε)が0より小さい液晶17と、こ
の液晶を挟む2枚のガラス基板18と、このガラス基板
の内側に配置され前記液晶を間にして配置された透明電
極板16とを備える。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】図11(A)〜(D)は、分割した画像を
用いて立体表示する場合の走査法の例である。図11で
偏向器は複数画素を持ち、それぞれの画素に対して設け
た電極への印加を異ならしめることで、それぞれの画素
に異なる位相分布を与え、所望の仮想開口に対して偏向
を行っている。この方式の場合、全仮想開口に対して、
1ラインづつ偏向を行う。この場合、偏向器8は複数の
画素を有し、偏向器画素ML1,ML2,・・・MLn,仮想
開口S1,S2,・・・Snに対して、時間t1からtn
間に、以下の順で走査を行う。 t1L1→S1、 ML2→S2 … MLn→Sn 図11(A)2L1→S2、 ML2→S3 … MLn→S1 図11(B)3L1→S3、 ML2→S4 … MLn→S2 図11(C) … tnL1→Sn、 ML2→S1 … MLn→Sn-1 図11(D) (ML1→S1は、ML1の画素が仮想開口S1に対して偏向
を行うことを意味する。) この偏向方式の場合、偏向はライン毎の書き込みに同期
して行われる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】ところで、図13に示すようにVGM光偏
向器8に直線偏光を入射すると出射側には奇数次回折光
と偶数次回折光が生じ、奇数次回折光と偶数次回折光と
で偏向面が直交する。図4、図12に示したように、V
GM光偏向器8を互いに直交する2枚の偏向板で挟むこ
とで偶数次回折光を遮光することができる。すなわち、
最初の偏光板21で入射光を直線偏光とし、VGM光偏
向器8を通過した後の偶数次回折光を第2の偏光板22
で遮光する。このため、図12、図14に示したように
透過光(0次光)を遮光することができる。なお、2枚
の偏光板は、90度±10の角度で交差するならば実質
的に0次光を遮光できる。 <第2の表示例>図15は、偏向器8が単一の画素を持
つ場合である。すなわち、偏向器8に一対の電極のみ配
置され、偏向器全体が均一に一定方向にのみ偏向する場
合である。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】この場合、単一画素を持つ光偏向器8では
2次元画像表示器6のDL1〜DLNに対するそれぞれの偏
向角が同じであるため、平行光線となってこのままでは
集束することができない。そこで、光偏向器8の前面に
レンズ19を用いることで、偏向した画像を所望の仮想
開口に集光せしめている。 <表示の消去制御>第1、第2の表示例による偏向法の
場合、2次元画像全体の書き込みに同期して偏向は行わ
れる。しかし、ある仮想開口Sk から次の仮想開口S
k+1 に偏向が移るとき、Skに偏向した画像の残像がS
k+1の位置で見えないようにするために、偏向制御部7
において、画面書換の前に前表示画面の消去時間を設
け、この時間中は偏向を止める。このとき、2次元画像
表示制御部5では、表示器6の輝度を非常に暗くし、観
察者に残像を感じさせないようにする。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正内容】
【0051】立体表示器の視域としては30゜程度が望
ましい。ピッチdの回折格子に波長λの光を入射すると
き回折角θとは、 d・Sinθ=n・λ の関係があり、一次光回折角30゜を得るためには、λ
=633nmとすると、d=1.26μmとなる。つま
り、通常のLCDで偏向角30゜の偏向器を得ようとす
ると、ピッチ1μm(空間周波数1000本/mm)程
度の画素が必要となる。これに対し、本発明に係るVG
M光偏向器では、空間周波数は印加電圧で決まり、画素
ピッチによらない。従って、望ましい視界の立体表示器
を容易の得ることが可能である。 <実施例2>図18は複数の一方向光偏向器を用いた場
合の実施例である。2次元画像表示器6から投射される
2次元画像は横長の画素を持つ垂直方向用VGM光偏向
器8−1により、垂直方向に偏向され、さらに、縦長の
画素を持つ水平方向用VGM光偏向器8−2により水平
方向に偏向される。これによって、上下両方向に視差を
持つ立体画像11を表示できる。 <実施例3>実施例1、2の光偏向器の制御において、
偏向の角度情報により位相分布を変化させる必要があ
る。すなわち、角度情報に従って位相分布を計算して光
偏向器の制御をすることも可能であるが、以下に示すよ
うに位相分布の計算をせずに立体表示することが好まし
い。 〔位相分布格納テーブルの作成〕図22、図26に示し
た位相分布格納テーブル28には、視方向の異なる画像
毎に決まる光偏向をもたらす位相分布(干渉縞)が予め
テーブルデータとして格納されており、偏向制御部7は
この位相分布格納テーブルに格納したデータを参照し
て、光偏向器の位相分布を制御する。尚、図22におい
てΦ11,11、Φ11,12、・・・Φ11,mnは各干渉縞の位相
に対応する。図26におけるΦ11,1、Φ11,2、・・・Φ
11,nについても同様である。この位相分布格納テーブル
に格納するデータの作成を説明すると次のようになる。 1)位相分布の計算 まずホログラムの原理を説明すると、ホログラムは1つ
のレーザ光を2つに分割し、一方のレーザ光を物体に照
射して物体より散乱されるレーザ光(物体光)ともう一
方のレーザ光(参照光)の2光束干渉により得られる。
ここで、参照光の波面をR・exp(jφr)とし、物体光
の波面をO・exp(jφo)とすると、ホログラムの露光
強度IHは、 IH=R2+O2+2・R・O・cos(φo−φr) ・・・ (1) となる。ホログラムを現像する場合には、(1)式の露
光強度IHに比例した振幅及び位相の変化がホログラム
に起きる。電気的にホログラムを作成するためには、光
の振幅や位相を変化することのできる液晶デバイス等の
空間光変調素子を使用すればよい。
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図16
【補正方法】変更
【補正内容】
【図16】
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図17
【補正方法】変更
【補正内容】
【図17】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水野 義博 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 中島 雅人 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】視方向の異なる2次元画像を表示する2次
    元画像表示手段(6)と、該画像表示手段の画像を構成
    する画素からの光を偏向するビーム偏向手段(8)とを
    備え、前記ビーム偏向手段(8)は、対向する一対の電
    極(16)間に、誘電率の異方性(Δε)が0より小さ
    い液晶(17)を挟んだ光偏向器を使用したことを特徴
    とする立体表示装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、撮像装置(1)で撮
    影された画像を視点数に分割するライン分割部(2)、
    このライン分割部(2)で分割された2次元画像を時系
    列に並び替える時系列並び替え部(4)、この時系列並
    び替え部で並び替えられた2次元画像を時系列順で再生
    制御する2次元画像表示制御部(5)、を備え、 前記ビーム偏向手段(8)は、前記2次元画像表示手段
    (6)に表示された2次元画像を、前記複数の撮像装置
    (1)の撮像視点に対応して仮想開口へと偏向すること
    を特徴とする立体表示装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記ビーム偏向手段
    は、画像を水平方向に偏向することを特徴とする立体表
    示装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記ビーム偏向手段
    は、画像を垂直方向に偏向することを特徴とする立体表
    示装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、画像を水平方向に偏
    向する第1のビーム偏向手段と、画像を垂直方向に偏向
    する第2のビーム偏向手段とを備えたことを特徴とする
    立体表示装置。
  6. 【請求項6】 請求項1において、前記2次元画像表示
    手段は、画像を表示する画素を有し、ビーム偏向手段
    は、画像を構成する各画素毎に独立に設けたことを特徴
    とする立体表示装置。
  7. 【請求項7】 請求項1において、前記2次元画像表示
    手段は、画像を表示する画素を有し、ビーム偏向手段
    は、画像を構成する複数の画素にまたがって設けたこと
    を特徴とする立体表示装置。
  8. 【請求項8】 請求項1において、前記ビーム偏向手段
    は、誘電率の異方性(Δε)が0より小さい液晶(1
    7)と、この液晶を挟む2枚のガラス基板(18)と、
    このガラス基板の内側に配置され前記液晶を間にして配
    置された透明電極板(16)とを備えたことを特徴とす
    る立体表示装置。
  9. 【請求項9】 請求項1において、前記ビーム偏向手段
    は、水平方向にのみ偏向を行い、さらに、垂直方向への
    光拡散手段を備えたことを特徴とする立体表示装置。
  10. 【請求項10】 請求項1において、前記ビーム偏向手
    段は、偏向制御部に制御され、偏向制御部は、位相分布
    データを格納した位相分布テーブルを参照して、ビーム
    偏向手段による偏向角度を決定することを特徴とする立
    体表示装置。
  11. 【請求項11】 請求項1において、前記ビーム偏向手
    段を挟んだ前後に偏向方向が90度±10の角度で交差
    する一対の偏光板(21、22)を配置したことを特徴
    とする立体表示装置。
  12. 【請求項12】 請求項1において、ビーム偏向手段に
    よって、ある仮想開口Sk から次の仮想開口Sk+1 への
    偏向が移るとき、偏向制御部(7)において、画面書換
    の前に前表示画面の消去時間を設け、この時間中は偏向
    を止めることを特徴とする立体表示装置。
  13. 【請求項13】 請求項1において、ビーム偏向手段に
    よって、ある仮想開口Sk から次の仮想開口Sk+1 への
    偏向が移るとき、偏向制御部(7)において、画面書換
    の前に前表示画面の消去時間を設け、この時間中は偏向
    を止めるとともに、2次元画像表示手段による、画像表
    示の輝度を暗くすることを特徴とする立体表示装置。
  14. 【請求項14】 請求項1において、撮像した画像を録
    画し、再生する。録画・再生装置を備えたことを特徴と
    する立体表示装置。
  15. 【請求項15】 視方向の異なる複数の2次元画像を通
    信ネットワークを介して伝送する送信側と、伝送された
    前記2次元画像を受信する受信側とを備え、受信した2
    次元画像を表示する2次元画像表示手段(6)で表示
    し、該画像表示手段の画像を構成する画素からの光を前
    記異なる視方向に対応してビーム偏向手段(8)で偏向
    することで遠隔地にて立体画像を表示する立体画像通信
    システムであって、前記ビーム偏向手段(8)は、対向
    する一対の電極間に、誘電率の異方性(Δε)が0より
    小さい液晶を挟んだ光偏向器を使用したことを特徴とす
    る立体通信システム。
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US08/405,602 US5815222A (en) 1994-03-18 1995-03-17 Apparatus for deflecting light, device for scanning light, device for reading information and device for stereoscopic display
EP02009671A EP1233296A3 (en) 1994-03-18 1995-03-17 Device for stereoscopic display
EP95301779A EP0672936A3 (en) 1994-03-18 1995-03-17 Light deflecting device, optical scanning device, information reading device and steroscopic display device.
US09/098,713 US6154260A (en) 1994-03-18 1998-06-17 Apparatus for deflecting light device for scanning light device for reading information and device for stereoscopic display
US09/098,716 US6339445B1 (en) 1994-03-18 1998-06-17 Apparatus for deflecting light, device for scanning light, device for reading information and device for stereoscopic display
KR1019990012432A KR100248130B1 (en) 1994-03-29 1999-04-09 Apparatus for deflecting light, device for scanning light, device for reading information and device for stereoscopic display
US09/995,569 US20020060659A1 (en) 1994-03-18 2001-11-29 Apparatus for deflecting light, device for scanning light, device for reading information and device for stereoscopic display

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08146349A (ja) * 1994-11-24 1996-06-07 Toppan Printing Co Ltd 立体像表示装置
JP2015505972A (ja) * 2011-11-09 2015-02-26 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ 表示装置及び方法

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