JPH07280491A - 復水器 - Google Patents

復水器

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JPH07280491A
JPH07280491A JP7303494A JP7303494A JPH07280491A JP H07280491 A JPH07280491 A JP H07280491A JP 7303494 A JP7303494 A JP 7303494A JP 7303494 A JP7303494 A JP 7303494A JP H07280491 A JPH07280491 A JP H07280491A
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JP
Japan
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cooling pipe
condenser
nitriding
tube bundle
tube
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JP7303494A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Suzuki
泰宏 鈴木
Hide Amamiya
秀 雨宮
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、海水側からの腐食だけでな
く、タービン排気蒸気及びその中に含まれている水滴の
衝突によるエロージョン損傷に対しても十分な抵抗性を
有する冷却管を使用し、タービン発電プラントの稼働率
及び信頼性の向上に寄与できる復水器を提供するもので
ある。 【構成】 本発明の復水器は、管束の最外周に配置され
る冷却管の外面に窒化、酸化の表面改質処理によって改
質層を形成し、タービン排気蒸気及びその中に含まれて
いる水滴との衝突によるエロージョン損傷の発生を防止
したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子力発電プラント、
火力発電プラント等のタービン発電プラントに配置さ
れ、タービンの排気蒸気を冷却、凝結して真空を作り、
復水を回収する復水器に関する。
【0002】
【従来の技術】タービン発電プラントは、一般に原子炉
やボイラ等の蒸気発生器、高圧タービン、低圧タービ
ン、復水器、復水脱塩装置、給水ポンプ、低圧給水加熱
器、高圧給水加熱器を順次経て再び蒸気発生器に戻る循
環サイクルで構成され、蒸気発生器で発生した蒸気によ
って高圧タービン及び低圧タービンを駆動し、発電機を
作動させて発電している。
【0003】この循環サイクルに用いられる復水器は、
図7に構造を示す表面復水器が採用されている。すなわ
ち、本体胴1の両側に水室2,3が管板4,5を介して
取付けられ、管板4,5の間には冷却管6が本体胴1の
長手方向に置かれている。また、本体胴1の内部には、
タービンの排気蒸気による冷却管6の振動を防止するた
めに支え板7が適当な間隔で設けられている。
【0004】冷却管6は、図8に示す伝熱効率を考慮し
た釣鐘型の断面形状を呈する管束を形成するように配置
され、その中央には熱交換の際に生成するガスを集める
ための通路8が設けられている。冷却管6と熱交換を行
って凝結したタービン排気蒸気は、復水となって管束の
下に設けられたホットウェル9に集められ、蒸気発生器
へと送られる。
【0005】冷却管6の材料として、従来アルミニウム
黄銅管が広く使われてきた。アルミニウム黄銅は、海水
に対する耐食性が十分でなく、硫酸第一鉄や鉄電解法に
よって鉄イオンを間欠、若しくは連続注入し、管の内表
面に鉄皮膜を形成しなければならない。この鉄皮膜の形
成と維持には、厳重な管理が必要で、定期的にその性状
を確認しなければならない。しかし、健全と判断される
鉄皮膜が形成された状態であっても、海水と一緒に流入
してくる貝その他の異物に起因する局部潰食の発生、局
部潰食の進展によって発生する漏洩を阻止することは不
可能である。また、鉄皮膜形成のための硫酸第一鉄の注
入は、環境保全の観点から好ましくない。
【0006】そこで、最近は、原子力発電プラント、火
力発電プラント共に復水器の無漏洩化の要望が高まり、
海水に対する耐食性が完壁とも言える純チタンで作られ
た冷却管がアルミニウム黄銅管に代って多く使用される
ようになってきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】純チタンで作られた冷
却管は、海水に対する耐食性は完璧と言えるが、耐エロ
ージョン性については、アルミニウム黄銅管と同様に十
分とは言い難い。ここで問題となるエロージョンによる
損傷は、釣鐘型の断面形状をした復水器管束の最外周に
配置された冷却管にタービン排気蒸気及びその中に含ま
れている水滴が衝突して発生するもので、最外周以外の
管束の内側に位置する冷却管ではその発生の可能性は極
めて小さい。
【0008】すなわち、春から秋にかけての通常の海水
温度でのタービン発電プラントの運転状態ではエロージ
ョン発生の可能性は小さいが、冬季の海水温度の低下と
共に復水器真空度が上昇してタービン排気蒸気の流速が
過大となり、特に流速が200/秒を越える場合にエロー
ジョンによる損傷発生の可能性が極めて大きくなる。
【0009】冷却管外面にエロージョンによる損傷が発
生して進行した場合、復水器内部が真空であることから
復水器の中に海水が混入し、時間の経過と共にタービン
の復水、給水、ドレン、蒸気系統全体に行き渡る。海水
は、タービン発電機器の全面腐食や孔食、隙間腐食、応
力腐食割れ等の発生原因となることから、その対応のた
めにプラントの出力低下や運転停止を余儀無くされる。
【0010】構造的な対策として、エロージョンの原因
となるタービン排気蒸気の流れを変えるそらせ板の設置
が考えられる。ただし、そらせ板の設置には、復水器内
部での十分な流れの解析が必要で、不用意な設置は逆に
熱伝達を阻害し、プラントの効率に重大な影響を及ぼ
す。また、既設の復水器では、そらせ板の設置そのもの
が非常に困難である。
【0011】タービン排気蒸気の流速も重要な因子であ
るが、これを低減するには、前述のそらせ板の設置と同
様に流体力学的な詳細な検討が必要であり、復水器の構
造そのものの改造も容易でない。
【0012】次の対策は、エロージョンによる損傷が発
生する管束最外周の冷却管を対象に行うもので、まず管
束最外周の冷却管を厚肉管とすることが考えられる。し
かし、肉厚を増してもエロージョンの発生を阻止できる
わけではなく、単にエロージョンによって減肉して漏洩
に至るまでの時間を延ばすだけの延命効果が得られるだ
けで、いずれ新しい冷却管との交換が必要となる。ま
た、管束最外周の冷却管を厚肉にすることは、伝熱効率
の低下に繋がり、好ましいものではない。
【0013】エロージョン発生を左右する因子の一つに
材料自身の硬さがあり、硬さと強度には相関があること
から、より高強度のチタンを採用することが考えられ
る。この場合、硬さが高くなって耐エロージョン性は向
上するが、一方で延性が低下する。延性の小さな材料
は、冷却管と管板を接合する拡管作業及び溶接作業等で
の冷却管自身の割れ発生の可能性が高くなり、十分な耐
エロージョン性に必要な硬さまで上昇させることは望め
ない。
【0014】本発明は、海水側からの腐食だけでなく、
タービン排気蒸気及びその中に含まれている水滴の衝突
によるエロージョン損傷に対しても十分な抵抗性を有す
る冷却管を使用し、タービン発電プラントの稼働率及び
信頼性の向上に寄与できる復水器を提供するものであ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明による復水器は、
外面に窒化、酸化の表面改質処理によって改質層を形成
した冷却管や耐エロージョン性に優れたオーステナイト
系スーパーステンレス鋼冷却管を管束の最外周に配置
し、タービン排気蒸気及びその中に含まれている水滴の
衝突に起因するエロージョンによる損傷の発生を防止し
たことを特徴とするものである。
【0016】
【作用】一般に復水器管束最外周の冷却管外面のエロー
ジョン損傷は、タービン排気蒸気の流速、タービン排気
蒸気に含まれている水滴の大きさ及びその数、材料の耐
エロージョン性、材料の硬さ等の組合せで生じる。
【0017】そこで、本発明の復水器では、外面に窒
化、酸化の表面改質処理によって改質層を形成した冷却
管や耐エロージョン性に優れたオーステナイト系スーパ
ーステンレス鋼冷却管を使用することによって耐エロー
ジョン性を向上させ、タービン排気蒸気及びその中に含
まれている水滴の衝突に起因したエロージョンによる損
傷の発生を防止する。
【0018】
【実施例】以下、本発明の一実施例を説明する。図1
は、本発明による第1の実施例を示すもので、窒化や酸
化の表面改質処理によって改質層を形成した冷却管を有
したものである。図7及び図8に示した従来の復水器と
同一部分には同一の符号が付してある。
【0019】この第1の実施例の復水器では、本体胴1
内に配置された釣鐘型の断面形状を呈する冷却管6管束
の最外周部分には、窒化や酸化の表面改質処理によって
改質層を形成した冷却管6aが配置されている。この冷
却管6aは、図2に示すように構成されており、純チタ
ン製の冷却管6の外面に、管板4,5に固定するために
拡管を行う両方の端部10,11を除き、窒化や酸化の表面
改質処理によって改質層12が全長に渡って形成されてい
る。
【0020】改質層12は、窒化の場合は、純チタン製の
冷却管6を真空炉の中で800 〜850℃に加熱した状態で
窒素(N2 )を流すことによって窒化チタン(TiN)
を形成する。酸化の場合は、純チタン製の冷却管6を通
常の熱処理炉で800 〜850 ℃に加熱するか、真空炉の中
で800 〜850 ℃に加熱した状態で酸素(O2 )を流すこ
とによって酸化チタン(TiO)を形成する。その改質
層表面の硬さ(マイクロビッカース硬さ)は、窒化の場
合はHv200 〜400 、酸化の場合はHv600 〜900 とな
り、真空炉で流す窒素や酸素の圧力、処理時間等の設定
条件を変えることによって、任意の硬さと緻密さを有す
る改質層が得られる。
【0021】図3のグラフは、真空の試験槽内部で速度
300 m/秒で回転している試験片にスプレー水を衝突さ
せて行った回転エロージョン試験の結果を示している。
表面に窒化や酸化による改質層を形成したチタンのエロ
ージョン減量は、純チタンの1/10以下と極めて少な
く、良好な耐エロージョン性を有していることが分る。
【0022】タービン排気蒸気の流れは、復水器内部構
造物の影響を受け、エロージョンによる損傷が発生可能
な流速となる範囲は、ある程度限定されてくる。したが
って、復水器内部の流れ解析を行い、タービン排気蒸気
がエロージョンによる損傷発生が可能となる流速に達す
る範囲を予測し、その範囲に相当する部分の冷却管の外
面にのみ窒化や酸化の表面改質処理によって改質層を形
成することも可能である。
【0023】図4は、本発明による第2の実施例を示す
もので、耐エロージョン性に優れたオーステナイト系ス
ーパーステンレス鋼冷却管を有したものである。図7及
び図8に示した従来の復水器と同一部分には同一の符号
が付してある。
【0024】この第2の実施例の復水器では、本体胴1
内に配置された釣鐘断面の形状を呈する冷却管6管束の
最外周部分には、オーステナイト系スーパーステンレス
鋼冷却管6bが配置されている。この冷却管6bは、図
5に示すように構成されており、管板4,5に固定する
ために拡管を行う両方の端部10,11を除き、外面にショ
ットピーニング処理層13が全長に渡って形成されてい
る。
【0025】冷却管外面へのショットピーニング処理
は、(1)硬化層が形成される、(2)その硬化層には
圧縮残留応力が形成される、(3)表面に凹凸が形成さ
れるために冷却管の耐エロージョン性向上に有効であ
る。
【0026】すなわち、冷却管材料の耐エロージョン性
は、材料自身の硬さと強い相関性があり、ショットピー
ニング処理によって材料の表面に硬化層を形成すること
は、エロージョンの発生そのものの抑制に繋がる。ま
た、水滴の衝突によるエロージョン損傷は、水滴が繰り
返し衝突することによって累積的に生ずる現象であり、
一種の疲労損傷と言える。したがって、ショットピーニ
ング処理によって材料の表面に圧縮残留応力を有する硬
化層が形成されることは、エロージョンによる損傷の発
生及び進行を抑制する効果も期待できる。さらに、ショ
ットピーニング処理を行うことにより、冷却管の外面に
は細かな凹凸が形成される。この細かな凹凸は、冷却管
に衝突する水滴を細分化し、水滴が持っている衝撃力を
弱める効果がある。
【0027】タービン排気蒸気の流れは、復水器内部構
造の影響を受け、エロージョンによる損傷が発生可能な
流速となる範囲は、ある程度限定されてくる。したがっ
て、復水器内部の流れ解析を行い、タービン排気蒸気が
エロージョンによる損傷発生が可能となる流速に達する
範囲を予測し、その範囲に相当する部分の冷却管の外面
にのみ窒化や酸化の表面改質処理によって改質層を形成
することも可能である。
【0028】また、冷却管6bに使われるオーステナイ
ト系スーパーステンレス鋼は、(株)NKKのNSL3
10Mo、川崎製鉄(株)のRSA03、(株)神戸製
鋼所のKES825M1、山陽特殊製鋼(株)のQS2
830及びQS2520N、新日本製鐵(株)のYUS
270、住友金属工業(株)のHR8及びHR8N、日
本金属工業(株)のNTKM6、日新製鋼(株)のNS
S20−25−6、日本ステンレス(株)のNAR20
−25−MTi、日本冶金工業(株)のNAS254
N、Allegheny社(アメリカ)のAL−6X及
びAL−6XN、Avesta社(スウェーデン)の254S
MO、Sandvik 社(スウェーデン)のSanicro28 等の一
般に市販されている鋼種の適用が好ましい。
【0029】図6のグラフは、真空の試験槽内部で速度
300 m/秒で回転している試験片にスプレー水を衝突さ
せて行った回転エロージョン試験の結果を示している。
オーステナイト系スーパーステンレス鋼(20Cr−18N
i−6Mo系)のエロージョン減量は、純チタンの1/
5以下と少なく、良好な耐エロージョン性を有している
ことが分る。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、管束の最外周に耐
エロージョン性に優れた改質層を形成した冷却管やオー
ステナイト系スーパーステンレス鋼の冷却管を配置した
復水器は、海水側からの腐食だけでなく、冬季の海水温
度の低下に伴う真空度の上昇によってタービン排気蒸気
が高速となって衝突する条件下においても十分な耐エロ
ージョン性を示し、タービン発電プラントの稼働率及び
信頼性の向上に大きく寄与することができる。
【0031】また、本発明の復水器は、タービン排気蒸
気及びその中に含まれている水滴の衝突に起因するエロ
ージョン損傷だけでなく、タービン機器、配管及び系外
から発生若しくは混入して飛来するスケール、砂、ほこ
り等の固体粒子によるエロージョン損傷に対しても有効
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す説明図
【図2】本発明の第1の実施例における冷却管の斜視図
【図3】本発明の第1の実施例における材料の耐エロー
ジョン特性を示す特性図
【図4】本発明の第2の実施例を示す説明図
【図5】本発明の第2の実施例における冷却管の斜視図
【図6】本発明の第2の実施例における材料の耐エロー
ジョン特性を示す特性図
【図7】従来例の側面図
【図8】従来例の説明図
【符号の説明】
1…本体胴、2…水室、3…水室、4…管板、5…管
板、6…冷却管、6a…改質層を形成した冷却管、6b
…ショットピーニング処理層を形成したオーステナイト
系スーパーステンレス鋼冷却管、7…支え板、8…ガス
通路、9…ホットウェル、10…端部、11…端部、12…改
質層、13…ショットピーニング処理層。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タービン発電プラントの復水器におい
    て、管束の最外周に配置される冷却管の外面に窒化、酸
    化の表面改質処理によって改質層を形成し、タービン排
    気蒸気及びその中に含まれている水滴との衝突によるエ
    ロージョン損傷の発生を防止したことを特徴とする復水
    器。
  2. 【請求項2】 上記管束最外周の冷却管は、冷却管両端
    の拡管を行う部分を除いた管全長の全周に窒化、酸化の
    表面改質処理によって改質層を形成したことを特徴とす
    る請求項1記載の復水器。
  3. 【請求項3】 上記管束最外周の冷却管は、流れ解析に
    よってタービン排気蒸気の流速が速くなることが予測さ
    れる範囲の全周にのみ窒化、酸化の表面改質処理によっ
    て改質層を形成したことを特徴とする請求項1記載の復
    水器。
  4. 【請求項4】 タービン発電プラントの復水器におい
    て、管束の最外周に配置される冷却管にオーステナイト
    系スーパーステンレス鋼冷却管を使用し、タービン排気
    蒸気及びその中に含まれている水滴との衝突によるエロ
    ージョン損傷の発生を防止したことを特徴とする復水
    器。
  5. 【請求項5】 上記管束最外周の冷却管は、冷却管両端
    の拡管を行う部分を除いた管全長の全周にショットピー
    ニングを施したことを特徴とする請求項4記載の復水
    器。
  6. 【請求項6】 上記管束最外周の冷却管は、流れ解析に
    よってタービン排気蒸気の流速が速くなることが予測さ
    れる範囲の全周にのみショットピーニング処理を施した
    ことを特徴とする請求項4記載の復水器。
JP7303494A 1994-04-12 1994-04-12 復水器 Pending JPH07280491A (ja)

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JP7303494A JPH07280491A (ja) 1994-04-12 1994-04-12 復水器

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JP7303494A JPH07280491A (ja) 1994-04-12 1994-04-12 復水器

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