JPH0727983A - 光学器械 - Google Patents

光学器械

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JPH0727983A
JPH0727983A JP19188593A JP19188593A JPH0727983A JP H0727983 A JPH0727983 A JP H0727983A JP 19188593 A JP19188593 A JP 19188593A JP 19188593 A JP19188593 A JP 19188593A JP H0727983 A JPH0727983 A JP H0727983A
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JP
Japan
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liquid crystal
crystal panel
incident light
light
telescope
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JP19188593A
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English (en)
Inventor
Isamu Shito
勇 市東
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KEIBUNSHIYA KK
Original Assignee
KEIBUNSHIYA KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 遠隔の物体を見る際に誤って太陽等を見て
も、眼の損傷や失明を未然に防ぐことができるようにす
る。 【構成】 望遠鏡10のファインダー12には、入射し
た光の強度を検出する光センサ39と、制御部50から
の駆動信号に従って入射光を散乱させるネマティック液
晶を用いた液晶パネル40を、また、望遠鏡本体11に
は制御部50からの駆動信号に従って入射光を散乱させ
るネマティック液晶を用いた液晶パネル70を設けると
ともに、光センサ39により検出された光強度が所定値
以上のとき入射される光を遮断する制御信号を出力する
制御部50を設け、望遠鏡10の使用に際してファイン
ダー12内に設けられた光センサ39により入射した光
の強度を検出し、検出された光強度が所定値以上のとき
制御部50が望遠鏡本体11及びファインダー12の液
晶パネル40、70の透明電極62、62間に駆動信号
を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、望遠鏡や双眼鏡等の光
学器械に係り、詳細には使用者の眼の保護を図り安全性
を高めた光学器械に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、望遠鏡(telescope)は、円筒の
一端に凸レンズ(対物レンズ)または反射鏡をはめ、こ
れによって生じた遠隔の物体の像を接眼鏡によって拡大
して見る装置であり、凸レンズを用いるものを屈折望遠
鏡、反射鏡を用いるものを反射望遠鏡という。また、望
遠鏡のうち、2個の望遠鏡の光軸を平行に並べ、両眼で
同時に遠景を拡大して見る光学器械は双眼鏡と呼ばれ、
倍率は普通7〜8倍で、立体感や遠近の識別性が強い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記各種の
望遠鏡や双眼鏡は、遠隔の物体の像を接眼鏡によって拡
大して見る装置であるため、使用者が誤って太陽や太陽
光線の反射光を見てしまった場合、その太陽の光が集光
されてしまうこととなって使用者の眼に損傷を与えてし
まうことがあり、場合によっては失明に至る危険性があ
った。このような事態を避けるため、取り扱い説明書や
望遠鏡本体に警告のメッセージが特に目立つように記述
されてはいるものの、使用者自身は意図せずに誤って見
てしまうものであるため一旦誤って見た場合に失明等取
り返しのつかない結果が生じてしまう。特に、使用者が
子供や初心者である場合には不測の事態を招きかねな
い。
【0004】また、上記太陽光線に限らず、対象となる
物体が光源を有する物体であるような場合、その物体の
光源の光が集光されてしまうこととなって使用者が非常
に眩しく感じてしまうことがある。このような状態が長
時間続くと眼が疲れるばかりか眼に損傷を与えてしまう
おそれがあった。使用者が光源を発する物体自体を凝視
することは少ないと考えられるが、見ようとする物体の
近傍に光源がある場合や見ようとする物体の近傍の建物
・水面等に太陽光線が反射して視野に入ってしまうこと
などはしばしば発生し、このような状態を有効に防ぐこ
とはできなかった。
【0005】何れにしても従来の望遠鏡や双眼鏡は、遠
隔の物体の像を精度よく見るという改良はなされている
が、安全面についての配慮が欠ける不具合があった。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、遠隔の物体を見る際に誤って太陽等を見ても、
眼の損傷や失明を未然に防ぐことができ、また物体の近
傍の光源によって眼が疲労することを防ぐことができる
望遠鏡を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
上記目的達成のため、円筒の一端に対物レンズ若しくは
反射鏡を取り付け、該対物レンズ若しくは反射鏡により
生じた遠隔の物体の像を接眼鏡によって拡大して見る光
学機器において、入射した光の強度を検出する光検出手
段と、入射光経路に該入射光経路を遮断するように配置
された透過型液晶パネルと、前記光検出手段により検出
された光強度が所定値以上のとき、入射光を遮断するよ
うに前記液晶パネルを制御する制御手段とを備えてい
る。
【0008】また、好ましい態様として、前記液晶パネ
ルは、例えば請求項2に記載されているように、入射光
を散乱させるネマティック( Nematic)液晶を用いた液
晶パネルであってもよい。
【0009】前記液晶パネルは、例えば請求項3に記載
されているように、偏光フィルムを備え、電圧印加によ
り光透過から光遮断の状態に変化するツイストネマティ
ック(Twisted Nematic)液晶を用いた液晶パネルであ
ってもよい。
【0010】前記液晶パネルは、例えば請求項4に記載
されているように、マトリックス型の液晶パネルとし、
該液晶パネル上に所定のメッセージを表示するための駆
動部を有するものであってもよい。
【0011】前記液晶パネルは、例えば請求項5に記載
されているように、入射光経路の一部となるレンズ若し
くはレンズ群の前面に配置されていてもよい。
【0012】前記制御手段は、例えば請求項6に記載さ
れているように、前記光検出手段により検出された光強
度が所定値以上であることを判別し、判別結果を基に入
射光を遮断させるための制御信号を出力する制御部と、
前記制御部からの制御信号に従って前記液晶パネルを駆
動する駆動信号を出力する駆動部とを備えていてもよ
い。
【0013】前記光学器械は、例えば請求項7に記載さ
れているように、望遠鏡であってもよい。
【0014】
【作用】請求項1、2、3、4、5、6及び7記載の発
明では、光学機器として、例えば望遠鏡に適用した場
合、望遠鏡には、入射された光入力の光強度を検知する
光検出手段と、入射光経路に該入射光経路を遮断する位
置に透過型液晶パネルが設置されている。
【0015】望遠鏡を使用しているとき、光検出手段に
よって望遠鏡に入射される光入力の光強度が検知され、
検知された信号が制御手段に出力される。使用者が太陽
や太陽光線の反射光を望遠鏡で見ると、制御手段は入射
された光強度が所定値以上であることを判別し、所定値
以上のとき望遠鏡内の液晶パネルに、入射光を散乱させ
るための制御信号を出力し、液晶パネルは制御手段から
出力された駆動信号に従って液晶パネルを駆動する。こ
の駆動信号が液晶パネルに印加されると、液晶パネルは
光を透過する状態から不透過状態に変化し、入射光が大
幅にカットされる。
【0016】従って、遠隔の物体を見る際に誤って太陽
等を見ても、眼の損傷や失明を未然に防ぐことができ、
また物体の近傍の光源によって眼が疲労することを防ぐ
ことが可能になる。
【0017】
【実施例】以下、図1〜図8を参照して実施例を説明す
る。
【0018】第1実施例 図1〜図5は本発明に係る光学器械の実施例を示す図で
あり、本実施例は光学器械としてファインダーを備えた
望遠鏡に適用した例である。
【0019】まず、構成を説明する。図1は、望遠鏡の
外観図である。図1において、符号10は屈折望遠鏡で
あり、屈折望遠鏡10は、望遠鏡本体11と、望遠鏡本
体11上に取り付けられたファインダー(案内望遠鏡)
12と、望遠鏡本体11を任意位置で支える経緯台13
及び三脚14と、入射された光強度が所定値以上のとき
入射される光を遮断する制御信号を出力する制御部50
を基本的な構成としている。
【0020】上記望遠鏡本体11は、望遠鏡本体を形成
する鏡筒15と、鏡筒15の先端に取り付けられ、後述
する対物レンズ25(図4)を取り付けるための鏡筒枠
16と、鏡筒枠16の先端に対物レンズ25を覆うよう
に取り付けられ、対物レンズに埃や露の付着を防止し、
対物レンズ25を保護するフードとなる露帽17と、焦
点調節機構の土台となる接眼部18と、接眼部18の中
に摺動自在に格納され、前後に出し入れしてピント調整
を行なうドローチューブ19と、ドローチューブ19を
出し入れするピント調整つまみ20と、ドローチューブ
19の先端に取り付けられ、接眼鏡22(図5)を差し
込む筒となる接眼スリーブ21、接眼スリーブ21に交
換可能に差し込まれ、対物レンズによって焦点につくら
れた像を拡大する接眼鏡22から構成されている。
【0021】上記ファインダー12は、望遠鏡本体11
を目的の対象物に案内するための低倍率で視野の広い望
遠鏡であり、鏡筒15の接眼部18近傍に取り付けられ
ている。ファインダー12の接眼部23には、目標標板
に正しくピントを合わせるための視度調整装置37、入
射した光の強度を検出する光センサ39、及び入射され
た光強度が所定値以上のとき制御部50からの制御信号
に従って入射光を散乱させるネマティック( Nematic)
液晶を用いた液晶パネル40が取り付けられている。フ
ァインダー12の接眼部23の内部構造については図2
により後述する。
【0022】また、上記望遠鏡本体11の接眼鏡22内
にも入射された光強度が所定値以上のとき制御部50か
らの制御信号に従って入射光を散乱させるネマティック
液晶を用いた液晶パネル70が取り付けられている。接
眼鏡22の内部構造については図5により後述する。な
お、図1中、24はファインダー12内の光センサ3
9、液晶パネル40及び接眼鏡22内の液晶パネル70
と制御部50とを結ぶ配線ケーブルである。
【0023】図2はファインダー12の接眼部23の内
部構造を示す図である。図2において、接眼部23に
は、視野レンズ31及び眼レンズ32を備えた接眼枠3
3が角ネジ34によって回転可能に螺着されている。視
野レンズ31及び眼レンズ32は、ファインダー12の
対物レンズ(不図示)に対する接眼鏡となるものでそれ
ぞれ視野レンズ押さえ35、眼レンズ押さえ36により
螺着されて固定されている。上記接眼枠33及び角ネジ
34は、全体として視度調整装置37を構成し、視野レ
ンズ31及び眼レンズ32を備えた接眼枠33全体を回
転させることにより接眼部23内部に設けられた目盛標
板38(後述)との距離を変化させ、目盛標板38にピ
ントを合わせることができる。すなわち、ファインダー
12は、低倍率で視野の広い望遠鏡であり、目的の対象
物を目盛標板38の十字に合わせることによって望遠鏡
本体11を楽に目的の対象物に案内するためのものであ
る。この場合、使用者の視力差によって目盛標板38に
正しくピントが合わないことがあり、これを調整するた
めに視度調整装置37によって目盛標板38と接眼鏡の
間隔を変えて調整する。
【0024】また、接眼部23内部には、十字線や目盛
りが記入された目盛標板38、ファインダー12に入射
した光の強度を検出する光センサ39、入射された光強
度が所定値以上のとき制御部50からの制御信号に従っ
て入射光を散乱させて光の透過状態を変える液晶パネル
40が設置されており、目盛標板38及び光センサ39
は標板押さえ41により螺着されて固定され、液晶パネ
ル40は接着剤等により接眼部23内部に固定される。
光センサ39は、信号線42に接続され、信号線42は
接眼部23に開口された連通口43を通して制御部50
に接続されている。また、液晶パネル40は、信号線4
4に接続され、信号線44は接眼部23に開口された連
通口45を通して望遠鏡本体11外部に設置された制御
部50に接続されている。連通口43、45は、信号線
42、44が連通された後完全に密封される。なお、本
実施例では採用していないが、液晶パネル40の前面に
紫外線をカットする紫外線カットフィルタや赤外線をカ
ットする赤外線カットフィルタを設けるようにしてもよ
く、このようにすれば液晶パネル40の劣化と眼の保護
を図ることができる。
【0025】また、図2において制御部50は、入射さ
れた光強度が所定値以上のとき望遠鏡本体11及びファ
インダー12の入射光を散乱させるための制御信号を出
力する制御を行なうものであり、この制御を実行する制
御回路51と、光センサ39により検知された信号を増
幅し、増幅したアナログ信号をパルス信号に変換するA
D変換回路52と、制御回路51から出力された制御信
号に従って液晶パネル40、70を駆動する駆動信号を
出力する駆動回路53と、上記各回路をオン・オフする
スイッチ54とから構成されている。
【0026】上記制御回路51は、マイクロコンピュー
タ等により構成され、ROMに格納されているマイクロ
プログラムに従って液晶パネルのシャッタ動作を制御す
るCPU、処理手順をプログラム及び固定データの形で
格納するROM、演算に使用するデータや演算結果等を
一時的に記憶するRAM等により構成されている。制御
回路51は、入射された光強度が所定値以上のとき入射
光を散乱させるための制御信号を駆動回路53に出力す
るとともに、一旦、この制御信号を駆動回路53に出力
すると、光センサ39により検出された光強度が前記所
定値より小さくなっても制御信号を所定期間(例えば、
5秒間)出力し続けるように制御する。また、制御信号
出力中も光センサ39からの光強度の大小判別を続け、
光強度が所定値以上のときは制御信号出力をそのまま続
ける。
【0027】上記駆動回路53は、制御回路51からの
制御信号を基に液晶パネル40、70の透明電極に所定
の駆動信号を印加して、液晶パネル40、70の駆動を
制御する制御回路及びその信号を駆動可能な信号に増幅
して出力するバッファから構成されている。
【0028】なお、本実施例では制御部50を、マイク
ロコンピュータ等により構成するようにしているが、こ
れに限定されず、電子回路でハード的に構成するように
してもよく、さらにはディジタル信号に変換することな
くアナログ回路を用いて光センサ39の出力レベルが所
定値以上になったとき一義的に駆動回路53に信号を出
力して駆動信号を液晶パネル40、70に出力させるよ
うな構成にしてもよい。
【0029】上記光センサ39は、ファインダー12の
対物レンズを通して入射された光入力の光強度を検知
し、これを光電変換して電気信号として出力するセンサ
であり、例えば半導体の光導電現象を用いて光の強さを
検出する光導電素子(例えば、光電セル)、半導体の光
起電力効果を用いて光を検出する光起電力素子(例え
ば、Siホトダイオード)等が使用できる。本実施例で
は、光センサ39として光導電素子Cdsを用いる。
【0030】上記液晶パネル40は、図3にその断面を
示すように、矩形板状の液晶セル部60とその周囲に設
けられ液晶セル部60周囲の電極端子を保護するケース
部(不図示)とからなる。入射光を散乱させるネマティ
ック液晶を用いた液晶パネル40の液晶セル部60は、
平行に間隔を開けて配置された2枚のガラス基板61,
61と、これらガラス基板61,61の内面側に形成さ
れた透明電極62,62と、前記透明電極62,62上
に形成された配向膜63と、これら2枚のガラス基板6
1,61間に封入されたネマティック型液晶(スペーサ
となる粒子を含む)64と、該液晶64の封入に際して
液晶の漏れを防ぐ周辺封着材65とからなるものであ
る。
【0031】透明電極62,62には、信号線44が接
続され、この信号線44を通して2枚のガラス基板6
1、61内面間で対向する透明電極62,62に、制御
部50の駆動回路53から駆動電圧が印加できるように
なっている。
【0032】すなわち、駆動回路53からの駆動信号に
より透明電極62、62間に電圧を印加することによ
り、透明電極62,62間の液晶64は、動的散乱効果
に基づいて光を透過する状態から白濁した状態に変化す
るようになっている。透明電極62,62に電圧をかけ
た液晶パネル40に入射光を通過させることにより、入
射光の一部を散乱させて入射光を大幅にカットできる。
【0033】図4は上記望遠鏡本体11の鏡筒15の構
造を簡略的に示す図であり、図5は望遠鏡本体11の接
眼鏡22の構造を示す断面図である。
【0034】図4において、鏡筒15内には、光を集光
して像を作る対物レンズ25、対象物の近くに存在する
明るい光の入射を防止する複数枚の遮光絞り26…、が
取り付けられ、また、ドローチューブ19にも直径の異
なる複数枚の遮光絞り26…、が取り付けられている。
【0035】また、接眼鏡22内部には、制御部50か
らの制御信号に従って入射光を散乱させて光の透過状態
を変える液晶パネル70、視野レンズ71及び眼レンズ
72が取り付けられている。接眼鏡22の内部構造は、
図5において詳細に示される。
【0036】この図において、接眼鏡22の外筒22a
の先端部には、液晶パネル70及び視野レンズ71を備
えた視野レンズ枠73がねじ込み式に取り付けられるよ
うになっており、視野レンズ71は視野レンズ押さえ7
4により螺着されて固定され、液晶パネル70は視野レ
ンズ71の前面に接着剤等により固定されている。この
液晶パネル70は、信号線75に接続され、信号線75
は視野レンズ枠73に開口された連通口76及びドロー
チューブ19に開口された連通口19a(図4)を通し
て望遠鏡本体11外部に設置された制御部50に接続さ
れる。ドローチューブ19内の信号線75は、ドローチ
ューブ19及び接眼スリーブ21の摺動に合わせて多少
の余裕を持つように構成される。なお、連通口76は、
信号線75が連通された後完全に密封され、ドローチュ
ーブ19に開口された連通口19aも信号線75が連通
された後完全に密封されるが、ドローチューブ19に開
口された連通口19aは例えば取り外し可能なゴムキャ
ップ等により封止することにより、接眼鏡22等を交換
時や保守時にはゴムキャップ等を取り外すことによって
信号線75を開放し接眼鏡22の交換や保守を容易にし
ている。
【0037】上記液晶パネル70は、前記図3に示した
液晶パネル40と同様な(但し、直径は異なる)ネマテ
ィック型液晶パネルが使用される。
【0038】また、接眼鏡22の外筒22aの中央部に
は、スリ割り77を有する視野絞り78が組み込まれて
いる。視野絞り78は、接眼鏡22でよい像をつくる範
囲の光だけを通し、外側の光を遮るためのものである。
【0039】接眼鏡22の外筒22aの接眼部には、眼
レンズ72を備えた眼レンズ枠79がねじ込み式に取り
付けられるようになっており、眼レンズ72は眼レンズ
押さえ80により螺着されて固定される。眼レンズ枠7
9が取り付けられた接眼部には、接眼部全体を覆うキャ
ップ81がねじ込み式に取り付けられており、キャップ
81は眼を射出瞳の位置に正しく合わせるとともに、眼
レンズ72を保護する。
【0040】また、図4及び図5において、制御部50
からの駆動信号は信号線75を通して液晶パネル70に
出力されており、制御部50は、ファインダー12の場
合と同様に入射された光強度が所定値以上のとき望遠鏡
本体11に設置された液晶パネル70によって入射光を
散乱させるための制御信号を出力する制御を行なう。次
に、作用を説明する。
【0041】望遠鏡10の使用に先立って望遠鏡本体1
1の三脚14に取り付けられた制御部50のスイッチ5
4がオンされ、制御部50が動作可能になっているもの
とする。
【0042】使用者が、望遠鏡10を使用して所望の物
体を見ようとする場合、まず、望遠鏡10を使用する前
に、望遠鏡本体11上に取り付けられた低倍率で視野の
広いファインダー12により目的の対象物を探す。ファ
インダー12は、低倍率ではあるが視野が広いから目的
の対象物を容易に見つけることができる。そして、目的
の対象物を捉えると、その対象物に目盛標板38の十字
に合わせるようにすれば望遠鏡10の視野内にその対象
物を入れることができる。
【0043】使用者は、接眼鏡22をのぞきながらピン
ト調整つまみ20によりドローチューブ19を動かして
対象物のピントを合わせ、これによって遠方の対象物を
拡大して見ることができる。また、上記ファインダー1
2を使用せず、はじめから望遠鏡10を使用して対象物
を見るようにしてもよいことは言うまでもない。
【0044】ところで、ファインダー12により目的の
対象物を探している時、あるいは、望遠鏡10の接眼鏡
22をのぞいている時に、使用者が意図せずにファイン
ダー12あるいは望遠鏡10を太陽や太陽光線の反射光
に向けてしまった場合を考える。
【0045】この場合、ファインダー12の接眼部23
には、入射された光入力の光強度を検知する光センサ3
9が設置されており、この光センサ39によってファイ
ンダー12の接眼部23に集光される途中の光の光強度
が検知され、検知された信号が光電変換されて電気信号
として制御部50に出力される。ファインダー12を使
用せず、望遠鏡10で直接に対象物をのぞいている場合
であっても望遠鏡本体11上に取り付けられたファイン
ダー12によって同様に光の光強度の検知は続けられ
る。太陽や太陽光線の反射光をファインダー12等の視
野にとらえると、太陽光線等の光強度は極めて大きいか
ら通常の信号レベルより大きいレベルの信号が光センサ
39から制御部50に出力される。
【0046】光センサ39により検知された信号は、制
御部50のAD変換回路52に入力され、AD変換回路
52でパルス信号に変換されて制御回路51に出力され
る。制御回路51は、入射された光強度が太陽光線等の
ように所定値以上のとき望遠鏡本体11及びファインダ
ー12の入射光を散乱させるための制御信号を駆動回路
53に出力し、駆動回路53は、制御回路51から出力
された制御信号に従って液晶パネル40、70を駆動す
る駆動信号を出力する。この制御信号が駆動回路53に
出力されると、光センサ39により検出された光強度が
前記所定値より小さくなっても制御信号の出力は所定期
間(例えば、5秒間)継続される。これにより、太陽光
線等の入射が完全に回避されるまで制御信号が出力され
る。
【0047】制御部50の駆動回路53から出力された
駆動信号は、ファインダー12の接眼部23の内部に取
り付けられた液晶パネル40の透明電極62,62、及
び望遠鏡本体11の接眼鏡22の内部に取り付けられた
液晶パネル70の透明電極に印加される。駆動回路53
からの駆動信号が、液晶パネル40、70の透明電極6
2、62間に印加されると、透明電極62,62間の液
晶64は、動的散乱効果に基づいて光を透過する状態か
ら白濁した状態に変化し、これによって、入射光の一部
が散乱して入射光が大幅にカットされる。
【0048】すなわち、ファインダー12あるいは望遠
鏡10を使用している最中に使用者が誤って太陽や太陽
光線の反射光を見てしまった場合であっても、太陽光線
のような光強度の強い光が入射された時には光路上に設
置された液晶パネル40、70の透明電極62、62間
に駆動信号が印加され、透明電極62,62間の液晶6
4が動的散乱効果に基づいて十分に短い時間内で光を透
過する状態から白濁した状態に変化するので入射光の一
部が散乱して入射光が大幅にカットされ、使用者の目に
損傷を与える事態が防止される。
【0049】また、液晶パネル40、70による不透明
状態は所定期間(例えば、5秒間)継続されるので、太
陽光線等の集光による眼の損傷や失明を確実に防止する
ことができるとともに、使用者に太陽光線等を見てしま
ったことを認識させることができる。
【0050】ここで、本実施例では液晶パネル40、7
0の液晶に、ネマティック型液晶を用いているので、透
明状態から不透明状態に至る応答速度は数十分の一秒程
度かかり、また、入射光を完全に遮断することは困難で
あるが、人間の眼にとって数十分の一秒程度の応答速度
で不透明状態に変わることになれば、完全な不透明状態
でなくても使用者の眼に損傷を与えたり、失明に至ると
いった危険性は十分に防止することができる。特に、子
供や初心者が使用すると方向感覚を誤って望遠鏡10を
一瞬太陽等に向けてしまうことがあるが、太陽光線等を
見ても望遠鏡10側で自動的に光路を遮るので失明等の
不測の事態を未然に防止することができる。
【0051】また、本実施例では液晶パネル40、70
に、偏光板を用いていないので、入射光が偏光板を通過
するときの明度の低下がなく、従来の望遠鏡と変わらな
い明るさの望遠鏡が実現できる。
【0052】以上説明したように、本実施例の望遠鏡1
0のファインダー12には、入射した光の強度を検出す
る光センサ39と、制御部50からの駆動信号に従って
入射光を散乱させるネマティック液晶を用いた液晶パネ
ル40を、また、望遠鏡本体11には制御部50からの
駆動信号に従って入射光を散乱させるネマティック液晶
を用いた液晶パネル70を設けるとともに、光センサ3
9により検出された光強度が所定値以上のとき入射され
る光を遮断する制御信号を出力する制御部50を設け、
望遠鏡10の使用に際してファインダー12内に設けら
れた光センサ39により入射した光の強度を検出し、検
出された光強度が所定値以上のとき制御部50が望遠鏡
本体11及びファインダー12の液晶パネル40、70
の透明電極62、62間に駆動信号を出力するようにし
ているので、液晶パネル40、70の透明電極62、6
2への駆動信号の印加により透明電極62,62間の液
晶64が光を透過する状態から白濁した状態に変化し、
入射光の一部を散乱させることによって太陽光線等の集
光による眼の損傷や失明を確実に防止することができ
る。
【0053】第2実施例 図6は本発明に係る光学器械の第2実施例を示す図であ
り、本実施例の液晶パネル90の液晶セル部の断面を示
すものである。第2実施例は前記ファインダー12に設
けた液晶パネル40のネマティック液晶セルに代えて、
ツイストネマティック(TN)液晶セルを用いたもので
ある。なお、前記図3の望遠鏡10の液晶パネル40と
同一構成部分には、同じ符号を付してその説明を省略す
る。
【0054】図6において、液晶パネルの液晶セル部6
0は、前記図3のネマティック液晶セルに変えて、ツイ
ストネマティック(TN:Twisted Nematic)液晶セル
を用いたものである。すなわち、2枚のガラス基板6
1、61の外面側には、それぞれ偏光フィルム91、9
1が貼設されている。そしてこれら2枚の偏光フィルム
91、91が直交偏光子を形成している。
【0055】そして、この液晶パネル90は、透明電極
62、62に電圧をかけることにより、液晶セルを光透
過状態から光遮断状態に変更することができる。すなわ
ち、第2実施例の望遠鏡においては、液晶64を白濁さ
せてソフトフォーカスとするものではなく、透明電極6
2、62に電圧をかけることにより、液晶パネル90を
通過する入射光が遮断されるようになっている。なお、
各透明電極62、62への電圧の印加は、第1実施例の
望遠鏡10と同様に、駆動回路53からの駆動信号によ
って行なわれる。
【0056】このように、本実施例では液晶パネル90
に一対の偏光フィルム91、91をを設けているので、
制御部50の駆動回路53から駆動信号が液晶パネル9
0の透明電極62、62に印加されると、液晶パネル9
0が透明から暗視野の状態に変化し、光透過から光遮断
の状態として入射光を殆どカットすることができる。従
って、入射光を殆どカットできるので、第1実施例の効
果をより高めることができる。
【0057】なお、本実施例では、ファインダー12に
設けた液晶パネル40のみを、偏光板を備えた液晶パネ
ル90に構成しているが、これは以下のような理由から
である。すなわち、望遠鏡本体11の液晶パネル70
に、上記液晶パネル90を用いれば、入射光を遮断でき
る点でより効果があると考えられるが、該偏光板によっ
て望遠鏡10の特性で最重要視される「明るさ」がわず
かではあるが、損なわれる。また、第1実施例の液晶パ
ネル70の動的散乱効果による散乱だけでも十分な効果
がある。これらのことから望遠鏡本体11の液晶パネル
70には、偏光板を使用しない液晶を用いている。これ
に対し、ファインダー12は、望遠鏡本体11を目的の
対象物に案内するための低倍率で視野の広い望遠鏡であ
るから、偏光板を備えた液晶パネル90を用いても不都
合はない。また、同様の理由により光センサ39もファ
インダー12内部に設けられる。
【0058】なお、本実施例では、液晶パネル40にT
N液晶セルを用いているが、これに限定されるものでは
なく、電圧の有無により光透過状態と光遮断状態をとる
周知の液晶セル、例えば、STN液晶セル等を用いるこ
とができる。
【0059】第3実施例 図7は本発明に係る光学器械の第3実施例を示す図であ
り、本実施例の液晶パネル100の液晶セル部の断面を
示すものである。第3実施例は前記ファインダー12に
設ける液晶パネルとして、STN型の単純マトリックス
型のディスプレイを構成するものであり、透明電極10
1は、2枚のガラス基板61、61の内面にそれぞれス
トライプ状に形成され、かつ2枚のガラス基板61、6
1でストライプの方向が互いに直交するようになってい
る。なお、前記図6の望遠鏡10の液晶パネル90と同
一構成部分には、同じ符号を付してその説明を省略す
る。
【0060】液晶パネル100は、液晶パネル100上
において任意のドットの座標を指定することで、前記ド
ットを光透過状態もしくは光遮断状態にすることができ
るようになっている。
【0061】例えば、図8に示すように、液晶パネル1
00上の所定のドットを指定して入射光カット時に、図
8に示すメッセージが現れるようにする。
【0062】すなわち、メッセージの対応するドット以
外に電圧をかけ、メッセージの対応するドットに電圧を
かけないようにすれば、メッセージ部だけを光透過状態
にすることができる。
【0063】なお、各ドットの大きさや散在の度合いに
よっては、メッセージ部分が明るすぎる場合もあるの
で、各ドットの大きさを変えたり、このメッセージ部分
が半透過状態になるように電圧の印加を調整し、メッセ
ージ部分が極端に明る過ぎないようにする必要がある。
【0064】このように、本実施例では液晶パネル10
0をドットマトリックス型のディスプレイにより構成し
ているので、制御部50の駆動回路53から駆動信号が
液晶パネル100の透明電極101、101に印加され
ると、図8に示すようにメッセージ部分以外の液晶パネ
ル100が透明から暗視野の状態に変化し、光透過から
光遮断の状態として入射光をカットすることができると
ともに、使用者にその状況を知らせることができる。こ
のメッセージが表示されることにより、使用者は、視野
がいきなり遮られてしまって戸惑ってしまうといった事
態が回避できる。
【0065】なお、液晶パネルとしては、上記各実施例
のようにTN型の液晶ディスプレイやSTN型のマトリ
ックス液晶ディスプレイに限定されるものではなく、例
えば、強誘電体液晶を備えた液晶パネルを用いてもよ
い。強誘電体液晶用いたセルでは光遮断に至る応答性を
格段に向上させることができる。また、STN型のもの
とした場合には、2層型のものや複屈折性を有するフィ
ルムを用いたものとしてもよい。
【0066】また、上記各実施例では、光学器械として
ファインダーを備えた望遠鏡に適用した例を示したが、
このような望遠鏡に限定されるものではなく、例えば双
眼鏡やスチル望遠鏡などの多種の光学器械についても同
様の効果を得ることができる。
【0067】また、望遠鏡の入射経路に対する液晶パネ
ルの位置は、レンズの前面もしくはフィルムの前面に限
られるものではなく、光センサの取り付け位置も上記実
施例の位置に限定されないことは言うまでもない。
【0068】さらに、上記制御部等を構成する部材の種
類や形状、数量、処理方法等は本実施例のものに限定さ
れず、本発明の要旨を変更しない範囲で他のものを使用
してもよいことは勿論である。
【0069】
【発明の効果】請求項1、2、3、4、5、6及び7記
載の発明によれば、入射した光の強度を検出する光検出
手段と、入射光経路に該入射光経路を遮断するように配
置された液晶パネルと、光検出手段により検出された光
強度が所定値以上のとき、入射光を遮断するように液晶
パネルを制御する制御手段とを備えているので、遠隔の
物体を見る際に誤って太陽等を見るようなことがあって
も、眼の損傷や失明を未然に防ぐことができ、また物体
の近傍の光源によって眼が疲労することを防ぐことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学器械の第1実施例の望遠鏡の外観
図である。
【図2】同実施例の望遠鏡のファインダーの接眼部の内
部構造を示す図である。
【図3】同実施例の液晶パネルの基本構造を示す断面図
である。
【図4】同実施例の望遠鏡本体の鏡筒の構造を簡略的に
示す図である。
【図5】同実施例の望遠鏡本体の接眼鏡の構造を示す断
面図である。
【図6】本発明の光学器械の第2実施例の液晶パネルの
基本構造を示す断面図である。
【図7】本発明の光学器械の第3実施例の液晶パネルの
基本構造を示す断面図である。
【図8】同実施例の効果を説明するための図である。
【符号の説明】
10 屈折望遠鏡 11 望遠鏡本体 12 ファインダー(案内望遠鏡) 15 鏡筒 18,23 接眼部 22 接眼鏡 24 配線ケーブル 25 対物レンズ 38 目盛標板 39 光センサ 40,70,90,100 液晶パネル 42,44,75 信号線 50 制御部 51 制御回路 52 AD変換回路 53 駆動回路 54 スイッチ 60 液晶セル部 61,91 ガラス基板 62,101 透明電極 63 配向膜 64 液晶 65 周辺封着材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒の一端に対物レンズ若しくは反射鏡
    を取り付け、該対物レンズ若しくは反射鏡により生じた
    遠隔の物体の像を接眼鏡によって拡大して見る光学機器
    において、 入射した光の強度を検出する光検出手段と、 入射光経路に該入射光経路を遮断するように配置された
    透過型液晶パネルと、 前記光検出手段により検出された光強度が所定値以上の
    とき、入射光を遮断するように前記液晶パネルを制御す
    る制御手段と、 を具備したことを特徴とする光学器械。
  2. 【請求項2】 前記液晶パネルは、入射光を散乱させる
    ネマティック( Nematic)液晶を用いた液晶パネルであ
    ることを特徴とする請求項1記載の光学器械。
  3. 【請求項3】 前記液晶パネルは、偏光フィルムを備
    え、電圧印加により光透過から光遮断の状態に変化する
    ツイストネマティック(Twisted Nematic)液晶を用い
    た液晶パネルであることを特徴とする請求項1記載の光
    学器械。
  4. 【請求項4】 前記液晶パネルは、マトリックス型の液
    晶パネルとし、該液晶パネル上に所定のメッセージを表
    示するための駆動部を有することを特徴とする請求項
    1、請求項2又は請求項3の何れかに記載の光学器械。
  5. 【請求項5】 前記液晶パネルは、入射光経路の一部と
    なるレンズ若しくはレンズ群の前面に配置されることを
    特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4
    の何れかに記載の光学器械。
  6. 【請求項6】 前記制御手段は、前記光検出手段により
    検出された光強度が所定値以上であることを判別し、判
    別結果を基に入射光を遮断させるための制御信号を出力
    する制御部と、 前記制御部からの制御信号に従って前記液晶パネルを駆
    動する駆動信号を出力する駆動部と、を備えたことを特
    徴とする請求項1記載の光学器械。
  7. 【請求項7】 前記光学器械は、望遠鏡であることを特
    徴とする請求項1記載の光学器械。
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