JPH07278806A - スパッタ用ターゲット - Google Patents
スパッタ用ターゲットInfo
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- JPH07278806A JPH07278806A JP7477294A JP7477294A JPH07278806A JP H07278806 A JPH07278806 A JP H07278806A JP 7477294 A JP7477294 A JP 7477294A JP 7477294 A JP7477294 A JP 7477294A JP H07278806 A JPH07278806 A JP H07278806A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】無駄となる部分が少なく、利用率の良いスパッ
タ用ターゲットの提供。 【構成】マグネトロン方式のスパッタ装置に用いるスパ
ッタ用ターゲットとして、ターゲット材2がイオンに浸
食されやすい浸食領域に配置される第1のターゲット材
である中間部21と、イオンに浸食されにくい非浸食領域
に配置される第2のターゲット材である中心部20A およ
び周縁部20B とに分割されたターゲット1をスパッタリ
ングに使用する。スパッタにより消耗し、使用限界に到
達した中間部21のみを取外して新しいものと交換すれ
ば、消耗しない中心部20A および周縁部20B は再度使用
可能なので、ターゲット1の無駄となる部分が少なくな
り、利用率が向上する。
タ用ターゲットの提供。 【構成】マグネトロン方式のスパッタ装置に用いるスパ
ッタ用ターゲットとして、ターゲット材2がイオンに浸
食されやすい浸食領域に配置される第1のターゲット材
である中間部21と、イオンに浸食されにくい非浸食領域
に配置される第2のターゲット材である中心部20A およ
び周縁部20B とに分割されたターゲット1をスパッタリ
ングに使用する。スパッタにより消耗し、使用限界に到
達した中間部21のみを取外して新しいものと交換すれ
ば、消耗しない中心部20A および周縁部20B は再度使用
可能なので、ターゲット1の無駄となる部分が少なくな
り、利用率が向上する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスパッタ用ターゲットに
関し、マグネトロン方式のスパッタ装置に利用できる。
関し、マグネトロン方式のスパッタ装置に利用できる。
【0002】
【背景技術】従来より、任意の基板の表面に様々な物質
の薄膜を形成できるスパッタ装置が利用されており、こ
のようなスパッタ装置の一種として、マグネトロン式の
スパッタ装置がある。マグネトロン式のスパッタ装置
は、ターゲットが設置される陰極として、表面側に磁界
を発生する、いわゆるマグネトロンカソードを備えたも
のである。マグネトロン式のスパッタ装置によれば、陰
極が発生する磁界により、活発に運動するイオンや電子
を所定の空間に閉じ込め、ターゲットの表面近傍に高密
度のプラズマを発生させることができるので、大きなイ
オン電流が得られ、所定厚さの薄膜を高速度で成膜でき
る。
の薄膜を形成できるスパッタ装置が利用されており、こ
のようなスパッタ装置の一種として、マグネトロン式の
スパッタ装置がある。マグネトロン式のスパッタ装置
は、ターゲットが設置される陰極として、表面側に磁界
を発生する、いわゆるマグネトロンカソードを備えたも
のである。マグネトロン式のスパッタ装置によれば、陰
極が発生する磁界により、活発に運動するイオンや電子
を所定の空間に閉じ込め、ターゲットの表面近傍に高密
度のプラズマを発生させることができるので、大きなイ
オン電流が得られ、所定厚さの薄膜を高速度で成膜でき
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、イオン
や電子を所定の空間に閉じ込めて高密度のプラズマを発
生させることから、ターゲットの特定部分だけがスパッ
タリングされ、特定部分が消耗してしまうと、ターゲッ
ト全体がスパッタされる前に交換する必要があるので、
無駄となる部分が多くターゲットの利用率が悪いという
問題がある。
や電子を所定の空間に閉じ込めて高密度のプラズマを発
生させることから、ターゲットの特定部分だけがスパッ
タリングされ、特定部分が消耗してしまうと、ターゲッ
ト全体がスパッタされる前に交換する必要があるので、
無駄となる部分が多くターゲットの利用率が悪いという
問題がある。
【0004】本発明の目的は、無駄となる部分が少な
く、利用率の良好なスパッタ用ターゲットを提供するこ
とにある。
く、利用率の良好なスパッタ用ターゲットを提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、マグネトロン
方式のスパッタ装置に用いるスパッタ用ターゲットであ
って、加速された入射イオンに浸食されやすい浸食領域
に配置される第1のターゲット材と、イオンに浸食され
にくい非浸食領域に配置される第2のターゲット材とを
分割して別個に成形したことを特徴とする。
方式のスパッタ装置に用いるスパッタ用ターゲットであ
って、加速された入射イオンに浸食されやすい浸食領域
に配置される第1のターゲット材と、イオンに浸食され
にくい非浸食領域に配置される第2のターゲット材とを
分割して別個に成形したことを特徴とする。
【0006】以上において、第1のターゲット材は、薄
膜の材料となるものである。この第1のターゲット材に
対し、第2のターゲット材は、第1のターゲットと同一
の材質のものおよび異なる材質のものの両方が採用でき
る。ここで、第1のターゲット材が弱磁性体の場合、第
2のターゲット材としては、第1のターゲット材と異な
る弱磁性体または反磁性体が採用できる。具体的には、
第2のターゲット材を形成する弱磁性体としては、アル
ミニウム、チタニウム、タングステン、タンタル等が採
用でき、反磁性体としては、銅等が採用きでる。一方、
第1のターゲット材が強磁性体の場合、第2のターゲッ
ト材としては、その透磁率が第1のターゲット材の透磁
率の50〜200%の範囲にあるものが採用できる。ま
た、第1のターゲット材および第2のターゲット材は、
それぞれ融点の異なる溶融金属で一つの裏板に取付ける
ことが望ましい。
膜の材料となるものである。この第1のターゲット材に
対し、第2のターゲット材は、第1のターゲットと同一
の材質のものおよび異なる材質のものの両方が採用でき
る。ここで、第1のターゲット材が弱磁性体の場合、第
2のターゲット材としては、第1のターゲット材と異な
る弱磁性体または反磁性体が採用できる。具体的には、
第2のターゲット材を形成する弱磁性体としては、アル
ミニウム、チタニウム、タングステン、タンタル等が採
用でき、反磁性体としては、銅等が採用きでる。一方、
第1のターゲット材が強磁性体の場合、第2のターゲッ
ト材としては、その透磁率が第1のターゲット材の透磁
率の50〜200%の範囲にあるものが採用できる。ま
た、第1のターゲット材および第2のターゲット材は、
それぞれ融点の異なる溶融金属で一つの裏板に取付ける
ことが望ましい。
【0007】
【作用】このような本発明では、ターゲットをスパッタ
すると、ターゲットの原子が基板に向かって打ち出さ
れ、基板の表面にターゲットを構成する物質で薄膜が成
膜される。この成膜過程においては、ターゲットのうち
第2のターゲット材は殆ど消耗されず、第1のターゲッ
ト材が主に消耗される。ここで、ターゲット全体の形状
は、通常のターゲットと同一の形状とできるので、プラ
ズマの発生に必要な所定形状の磁界分布に影響を与える
ことがなく、通常のターゲットと同様に成膜することが
可能となる。また、第1のターゲット材と第2のターゲ
ット材とは分割されているので、使用限界に到達した第
1のターゲット材のみを取外して新しいものと交換する
ことにより、消耗しない第2のターゲット材は再度使用
されることとなるため、ターゲットの無駄となる部分が
少なくなって利用率が向上し、これにより前記目的が達
成される。
すると、ターゲットの原子が基板に向かって打ち出さ
れ、基板の表面にターゲットを構成する物質で薄膜が成
膜される。この成膜過程においては、ターゲットのうち
第2のターゲット材は殆ど消耗されず、第1のターゲッ
ト材が主に消耗される。ここで、ターゲット全体の形状
は、通常のターゲットと同一の形状とできるので、プラ
ズマの発生に必要な所定形状の磁界分布に影響を与える
ことがなく、通常のターゲットと同様に成膜することが
可能となる。また、第1のターゲット材と第2のターゲ
ット材とは分割されているので、使用限界に到達した第
1のターゲット材のみを取外して新しいものと交換する
ことにより、消耗しない第2のターゲット材は再度使用
されることとなるため、ターゲットの無駄となる部分が
少なくなって利用率が向上し、これにより前記目的が達
成される。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1および図2には、本発明の第1実施例のター
ゲット1が示されている。ターゲット1は、マグネトロ
ン方式のスパッタ装置に用いる円盤状のものである。こ
れらの図のうち、図1には、未使用のターゲット1が示
され、図2には、消耗して使用限界に到達したターゲッ
ト1がスパッタ装置に設置された状態で示されている。
ターゲット1には、成膜の材料となる円盤状のターゲッ
ト材2と、ターゲット材2よりも一回り大きい円盤状の
裏板3とが備えられている。ターゲット材2は、各部分
が互いに同軸となるように分割されたものであり、円盤
状の中心部分に配置された中心部20A 、円盤状の周縁部
分に配置された周縁部20B 、および、中心部20A および
周縁部20B の間に配置された中間部21を備えている。
する。図1および図2には、本発明の第1実施例のター
ゲット1が示されている。ターゲット1は、マグネトロ
ン方式のスパッタ装置に用いる円盤状のものである。こ
れらの図のうち、図1には、未使用のターゲット1が示
され、図2には、消耗して使用限界に到達したターゲッ
ト1がスパッタ装置に設置された状態で示されている。
ターゲット1には、成膜の材料となる円盤状のターゲッ
ト材2と、ターゲット材2よりも一回り大きい円盤状の
裏板3とが備えられている。ターゲット材2は、各部分
が互いに同軸となるように分割されたものであり、円盤
状の中心部分に配置された中心部20A 、円盤状の周縁部
分に配置された周縁部20B 、および、中心部20A および
周縁部20B の間に配置された中間部21を備えている。
【0009】中心部20A および周縁部20B は、スッパタ
のイオンに浸食されにくい非浸食領域に配置される第2
のターゲット材であり、鉛が添加されて融点が約200
℃となったインジウムを溶融したもので裏板3に接着さ
れている。中間部21は、スパッタのイオンに浸食されや
すい浸食領域に配置される第1のターゲット材であり、
融点が約156℃のインジウムを溶融したもので裏板3
に接着されている。なお、中心部20A 、周縁部20B 、お
よび、中間部21を接着するためのインジウムおよび鉛を
添加したインジウムの厚さは、0.2〜0.5mmが適切
である。このようなターゲット1は、図2に示されるよ
うに、スパッタで消耗しても、浸食される部分は中間部
21のみに限定され、中心部20A および周縁部20B は、殆
ど浸食されず、使用限界に到達すると、中間部21のみを
裏板3から取外して新しいものと交換可能となってい
る。
のイオンに浸食されにくい非浸食領域に配置される第2
のターゲット材であり、鉛が添加されて融点が約200
℃となったインジウムを溶融したもので裏板3に接着さ
れている。中間部21は、スパッタのイオンに浸食されや
すい浸食領域に配置される第1のターゲット材であり、
融点が約156℃のインジウムを溶融したもので裏板3
に接着されている。なお、中心部20A 、周縁部20B 、お
よび、中間部21を接着するためのインジウムおよび鉛を
添加したインジウムの厚さは、0.2〜0.5mmが適切
である。このようなターゲット1は、図2に示されるよ
うに、スパッタで消耗しても、浸食される部分は中間部
21のみに限定され、中心部20A および周縁部20B は、殆
ど浸食されず、使用限界に到達すると、中間部21のみを
裏板3から取外して新しいものと交換可能となってい
る。
【0010】裏板3は、熱伝導率の高い無酸素銅および
燐青銅等からなる金属板である。スパッタ装置に設置さ
れた状態においては、裏板3の図2中下方に、永久磁石
や電磁石等の磁石4および図示しない冷却配管が配置さ
れている。磁石4は、ターゲット材2の表面近傍に数百
ガウスの磁界を発生させるように設計されている。裏板
3の周囲には、シールド板5が設置されている。ターゲ
ット材2は、シールド板5の遮蔽効果を享受するため
に、その中心軸がシールド板5の中心軸と一致するよう
にスパッタ装置に設置する必要がある。このために、タ
ーゲット材2は、互いの中心軸を一致させて裏板3に取
付けなければならない。なお、この取付けの際に許容さ
れる誤差は、±0.5mmとなっている。
燐青銅等からなる金属板である。スパッタ装置に設置さ
れた状態においては、裏板3の図2中下方に、永久磁石
や電磁石等の磁石4および図示しない冷却配管が配置さ
れている。磁石4は、ターゲット材2の表面近傍に数百
ガウスの磁界を発生させるように設計されている。裏板
3の周囲には、シールド板5が設置されている。ターゲ
ット材2は、シールド板5の遮蔽効果を享受するため
に、その中心軸がシールド板5の中心軸と一致するよう
にスパッタ装置に設置する必要がある。このために、タ
ーゲット材2は、互いの中心軸を一致させて裏板3に取
付けなければならない。なお、この取付けの際に許容さ
れる誤差は、±0.5mmとなっている。
【0011】以上において、中心部20A および周縁部20
B と、中間部21とは、同一材質で形成できることは言う
までもなく、異なる材質で形成することも可能である。
すなわち、中心部20A および周縁部20B と中間部21とを
異なる材質で形成しても、プラズマの発生に必要な所定
形状の磁界分布が得ることができ、通常のターゲットと
同様に成膜することが可能であれば、中心部20A および
周縁部20B は、任意の材質で形成することができる。例
えば、中間部21が弱磁性体の場合、中心部20A および周
縁部20B としては、中間部21と同じ材質のものの他、A
l、Ti、W、Ta等の弱磁性体のもの、あるいは、C
u等の反磁性体を採用することができる。中間部21が強
磁性体の場合には、中心部20A および周縁部20B として
は、中間部21と同じ材質のものの他、中間部21の透磁率
の50〜200%の範囲の透磁率を有する他の磁性体を
採用することができる。
B と、中間部21とは、同一材質で形成できることは言う
までもなく、異なる材質で形成することも可能である。
すなわち、中心部20A および周縁部20B と中間部21とを
異なる材質で形成しても、プラズマの発生に必要な所定
形状の磁界分布が得ることができ、通常のターゲットと
同様に成膜することが可能であれば、中心部20A および
周縁部20B は、任意の材質で形成することができる。例
えば、中間部21が弱磁性体の場合、中心部20A および周
縁部20B としては、中間部21と同じ材質のものの他、A
l、Ti、W、Ta等の弱磁性体のもの、あるいは、C
u等の反磁性体を採用することができる。中間部21が強
磁性体の場合には、中心部20A および周縁部20B として
は、中間部21と同じ材質のものの他、中間部21の透磁率
の50〜200%の範囲の透磁率を有する他の磁性体を
採用することができる。
【0012】このような本実施例では、ターゲット材2
をスパッタして図示しない基板上に薄膜を成膜してゆ
く。そして、使用限界に到達するまで同一のターゲット
1を使用し、ターゲット材2が使用限界に到達したら、
スパッタ装置からターゲット1を取り出した後、ターゲ
ット1をインジウムの融点まで加熱してインジウムを溶
融し、裏板3から使用済みの中間部21のみを取外す。次
いで、中間部21が取外されたターゲット1に新しい中間
部21を取付けた後、当該ターゲット1をスパッタ装置に
設置し、成膜を開始する。なお、使用済みの中間部21を
ターゲット1から取外す際に、使用済みの中間部21に付
着したインジウムも取り除かれるので、接着に要するイ
ンジウムは不足する。このため、ターゲット1に新しい
中間部21を取付ける際に、インジウムの不足分を補充す
る。
をスパッタして図示しない基板上に薄膜を成膜してゆ
く。そして、使用限界に到達するまで同一のターゲット
1を使用し、ターゲット材2が使用限界に到達したら、
スパッタ装置からターゲット1を取り出した後、ターゲ
ット1をインジウムの融点まで加熱してインジウムを溶
融し、裏板3から使用済みの中間部21のみを取外す。次
いで、中間部21が取外されたターゲット1に新しい中間
部21を取付けた後、当該ターゲット1をスパッタ装置に
設置し、成膜を開始する。なお、使用済みの中間部21を
ターゲット1から取外す際に、使用済みの中間部21に付
着したインジウムも取り除かれるので、接着に要するイ
ンジウムは不足する。このため、ターゲット1に新しい
中間部21を取付ける際に、インジウムの不足分を補充す
る。
【0013】前述のような本実施例によれば、次のよう
な効果がある。すなわち、ターゲット1全体の形状は、
通常のターゲットとなんら変わることがないので、プラ
ズマの発生に必要な所定形状の磁界分布に影響を与える
ことがなく、ターゲット1で良好な薄膜を成膜すること
ができる。
な効果がある。すなわち、ターゲット1全体の形状は、
通常のターゲットとなんら変わることがないので、プラ
ズマの発生に必要な所定形状の磁界分布に影響を与える
ことがなく、ターゲット1で良好な薄膜を成膜すること
ができる。
【0014】また、第1のターゲット材である中間部21
と、第2のターゲット材である中心部20A および周縁部
20B とを分割し、使用限界に到達した中間部21のみを裏
板3から取外して新しいものと交換できるようにしたの
で、消耗しない中心部20A および周縁部20B が再度使用
できるようになるため、ターゲット1の無駄となる部分
が少なくなり、利用率を向上できる。
と、第2のターゲット材である中心部20A および周縁部
20B とを分割し、使用限界に到達した中間部21のみを裏
板3から取外して新しいものと交換できるようにしたの
で、消耗しない中心部20A および周縁部20B が再度使用
できるようになるため、ターゲット1の無駄となる部分
が少なくなり、利用率を向上できる。
【0015】さらに、中間部21を純粋なインジウムで接
着し、中心部20A および周縁部20Bをインジウムよりも
融点の高い鉛添加のインジウムで接着したので、インジ
ウムが融ける温度までターゲット1を加熱しても、中心
部20A および周縁部20B が裏板3から外れることがな
く、中間部21のみを裏板3から容易かつ確実に取外すこ
とができる。
着し、中心部20A および周縁部20Bをインジウムよりも
融点の高い鉛添加のインジウムで接着したので、インジ
ウムが融ける温度までターゲット1を加熱しても、中心
部20A および周縁部20B が裏板3から外れることがな
く、中間部21のみを裏板3から容易かつ確実に取外すこ
とができる。
【0016】また、中心部20A および周縁部20B を所定
の精度で裏板3に一旦取付けておけば、その後の中間部
21の取付位置は自動的に決まってしまうので、中間部21
を裏板3に接着するにあたり、治具および治具の取付作
業等が省略され、精度を損なうことなく中間部21の裏板
3への接着作業を簡素化できる。
の精度で裏板3に一旦取付けておけば、その後の中間部
21の取付位置は自動的に決まってしまうので、中間部21
を裏板3に接着するにあたり、治具および治具の取付作
業等が省略され、精度を損なうことなく中間部21の裏板
3への接着作業を簡素化できる。
【0017】図3には、本発明の第2実施例が示されて
いる。本実施例は、前記第1実施例における全体が同一
材質でできた中心部20A および周縁部20B を、表面に別
材質の層32を有する中心部30A および周縁部30B とした
ものである。すなわち、ターゲット材2Aは、中心部30A
、周縁部30B および中間部31に分割されたものであ
る。このうち、中心部30A および周縁部30B は、中間部
31とは異なるが、互いに同じ材質の下地材の表面に、中
間部31と同じ材質の層32を形成したものである。層32の
厚さは、材質に応じて0.5〜3.0mmの範囲で設定さ
れている。このような本実施例においても前記第1実施
例と同様な作用、効果を奏することができる他、中心部
30A および周縁部30B の表面に中間部31と同じ材質の層
32が形成されているので、中間部31と同一組成の物質以
外はスパッタされず、高純度の薄膜を形成できるという
効果を付加できる。
いる。本実施例は、前記第1実施例における全体が同一
材質でできた中心部20A および周縁部20B を、表面に別
材質の層32を有する中心部30A および周縁部30B とした
ものである。すなわち、ターゲット材2Aは、中心部30A
、周縁部30B および中間部31に分割されたものであ
る。このうち、中心部30A および周縁部30B は、中間部
31とは異なるが、互いに同じ材質の下地材の表面に、中
間部31と同じ材質の層32を形成したものである。層32の
厚さは、材質に応じて0.5〜3.0mmの範囲で設定さ
れている。このような本実施例においても前記第1実施
例と同様な作用、効果を奏することができる他、中心部
30A および周縁部30B の表面に中間部31と同じ材質の層
32が形成されているので、中間部31と同一組成の物質以
外はスパッタされず、高純度の薄膜を形成できるという
効果を付加できる。
【0018】次に、本発明の効果を具体的な実験例に基
づいて説明する。 〔実験例1〕本実験例1は、前述の第1実施例のターゲ
ット1を用いてスパッタリングを行い、ターゲット材2
を使用限界まで消耗させ、その利用率を測定するもので
ある。ここで、ターゲット材2の組成は、中心部20A 、
周縁部20B 、および、中間部21ともAl40Si60で形成
されている。ターゲット材2の半径Rは100mmであ
り、中間部21の半径r1 および中心部20A の半径r
2 は、それぞれ90mmおよび22mmとなっている。 〔実験結果〕ターゲット1をスパッタリングすることに
より、通常のターゲットと同品質の薄膜を得ることがで
きた。また、ターゲット材2は、通常のターゲットと同
様に、その全容積の45%まで使用できた。ターゲット
1の利用率φは、ターゲット材2の消耗量を中間部21の
容積Vで割ったものとなるので、ターゲット材2の容積
をQとすると下式で求めることができる。 φ=(Q×0.45)/V ここで、V=Q×(πr1 2 −πr2 2 )/(πR2 )
≒0.76Qを代入すると、φ=59%が得られる。こ
のことから、使用率が従来の45%から3割強向上する
ことが判る。
づいて説明する。 〔実験例1〕本実験例1は、前述の第1実施例のターゲ
ット1を用いてスパッタリングを行い、ターゲット材2
を使用限界まで消耗させ、その利用率を測定するもので
ある。ここで、ターゲット材2の組成は、中心部20A 、
周縁部20B 、および、中間部21ともAl40Si60で形成
されている。ターゲット材2の半径Rは100mmであ
り、中間部21の半径r1 および中心部20A の半径r
2 は、それぞれ90mmおよび22mmとなっている。 〔実験結果〕ターゲット1をスパッタリングすることに
より、通常のターゲットと同品質の薄膜を得ることがで
きた。また、ターゲット材2は、通常のターゲットと同
様に、その全容積の45%まで使用できた。ターゲット
1の利用率φは、ターゲット材2の消耗量を中間部21の
容積Vで割ったものとなるので、ターゲット材2の容積
をQとすると下式で求めることができる。 φ=(Q×0.45)/V ここで、V=Q×(πr1 2 −πr2 2 )/(πR2 )
≒0.76Qを代入すると、φ=59%が得られる。こ
のことから、使用率が従来の45%から3割強向上する
ことが判る。
【0019】〔実験例2〕本実験例2は、前記第1実験
例と同様に、前記第1実施例のターゲット1を用いてス
パッタリングを行い、ターゲット材2を使用限界まで消
耗させ、その利用率を測定するものである。ここで、タ
ーゲット材2の組成は、中間部21がTbFeCoCrの
組成を有する強磁性体とされ、中心部20A および周縁部
20B がDyFeCoの組成を有する強磁性体とされてい
る。これらの磁性体の透磁率は、中間部21が5.0、中
心部20A および周縁部20B が4.5となっている。ま
た、ターゲット材2の半径Rは100mmであり、中間部
21の半径r1 および中心部20A の半径r2 は、それぞれ
90mmおよび25mmとなっている。 〔実験結果〕ターゲット1をスパッタリングすることに
より、通常のターゲットと同品質の薄膜を得ることがで
きた。また、ターゲット材2は、通常のターゲットと同
様に、その全容積の45%まで使用できた。ターゲット
1の利用率φは、実験例1と同様に求めることができ
る。ただし、この実験例2では、V≒0.75Qである
ことから、φ=(Q×0.45)/V=60%が得ら
れ、実験例1と同様に、使用率が従来の45%から3割
強向上することが判る。
例と同様に、前記第1実施例のターゲット1を用いてス
パッタリングを行い、ターゲット材2を使用限界まで消
耗させ、その利用率を測定するものである。ここで、タ
ーゲット材2の組成は、中間部21がTbFeCoCrの
組成を有する強磁性体とされ、中心部20A および周縁部
20B がDyFeCoの組成を有する強磁性体とされてい
る。これらの磁性体の透磁率は、中間部21が5.0、中
心部20A および周縁部20B が4.5となっている。ま
た、ターゲット材2の半径Rは100mmであり、中間部
21の半径r1 および中心部20A の半径r2 は、それぞれ
90mmおよび25mmとなっている。 〔実験結果〕ターゲット1をスパッタリングすることに
より、通常のターゲットと同品質の薄膜を得ることがで
きた。また、ターゲット材2は、通常のターゲットと同
様に、その全容積の45%まで使用できた。ターゲット
1の利用率φは、実験例1と同様に求めることができ
る。ただし、この実験例2では、V≒0.75Qである
ことから、φ=(Q×0.45)/V=60%が得ら
れ、実験例1と同様に、使用率が従来の45%から3割
強向上することが判る。
【0020】以上、本発明について好適な実施例を挙げ
て説明したが、本発明は、この実施例に限られるもので
なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改
良並びに設計の変更が可能である。例えば、ターゲット
としては、円盤状のターゲット1に限らず、図4に示さ
れるように、長方形状のターゲット1Bでもよい。このよ
うなターゲット1Bを採用する場合、ターゲット1Bの表面
に発生する磁界分布に応じてターゲット材2Bの分割位置
を決め、この分割位置に基づいて中心部40A 、周縁部40
B 、および、中間部41を形成すればよい。
て説明したが、本発明は、この実施例に限られるもので
なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改
良並びに設計の変更が可能である。例えば、ターゲット
としては、円盤状のターゲット1に限らず、図4に示さ
れるように、長方形状のターゲット1Bでもよい。このよ
うなターゲット1Bを採用する場合、ターゲット1Bの表面
に発生する磁界分布に応じてターゲット材2Bの分割位置
を決め、この分割位置に基づいて中心部40A 、周縁部40
B 、および、中間部41を形成すればよい。
【0021】また、ターゲット材としては、同軸位置と
なるように三つに分割されたものに限らず、図4に示す
長方形状のターゲット材2Bの場合には、取外し作業時の
便宜を考慮して、中間部41をさらに細かく分割してもよ
く、要するに、磁界分布等に基づいて浸食領域および非
浸食領域に分割してあればよく、実施にあたり分割した
ものをさらに細かく分割することは任意である。
なるように三つに分割されたものに限らず、図4に示す
長方形状のターゲット材2Bの場合には、取外し作業時の
便宜を考慮して、中間部41をさらに細かく分割してもよ
く、要するに、磁界分布等に基づいて浸食領域および非
浸食領域に分割してあればよく、実施にあたり分割した
ものをさらに細かく分割することは任意である。
【0022】
【発明の効果】前述のように本発明によれば、無駄とな
る部分が少なく、利用率を向上することができる。
る部分が少なく、利用率を向上することができる。
【図1】本発明の第1実施例を示す分解状態の斜視図で
ある。
ある。
【図2】前記実施例を示す断面図である。
【図3】本発明の第2実施例を示す断面図である。
【図4】本発明の変形例を示す断面図である。
1,1B スパッタ用ターゲット 3 裏板 20A,30A,40A 第2のターゲット材としての中心部 20B,30B,40B 第2のターゲット材としての周縁部 21,31,41 第1のターゲット材としての中間部 32 層
Claims (7)
- 【請求項1】マグネトロン方式のスパッタ装置に用いる
スパッタ用ターゲットであって、加速された入射イオン
に浸食されやすい浸食領域に配置される第1のターゲッ
ト材と、イオンに浸食されにくい非浸食領域に配置され
る第2のターゲット材とを分割して別個に成形したこと
を特徴とするスパッタ用ターゲット。 - 【請求項2】請求項1に記載のスパッタ用ターゲットに
おいて、第1のターゲット材と第2のターゲット材とを
同一の材質で成形したことを特徴とするスパッタ用ター
ゲット。 - 【請求項3】請求項1に記載のスパッタ用ターゲットに
おいて、第1のターゲット材および第2のターゲット材
がそれぞれ異なる弱磁性体であることを特徴とするスパ
ッタ用ターゲット。 - 【請求項4】請求項1に記載のスパッタ用ターゲットに
おいて、第1のターゲット材は弱磁性体であり、第2の
ターゲット材は反磁性体であることを特徴とするスパッ
タ用ターゲット。 - 【請求項5】請求項1に記載のスパッタ用ターゲットに
おいて、第2のターゲット材は、第1のターゲット材と
異なる材質のものであるとともに、その透磁率が第1の
ターゲット材の透磁率の50〜200%の範囲にあるこ
とを特徴とするスパッタ用ターゲット。 - 【請求項6】請求項3ないし請求項5のいずれかに記載
のスパッタ用ターゲットにおいて、第2のターゲット材
の表面に第1のターゲット材と同一材料の層を設けたこ
とを特徴とするスパッタ用ターゲット。 - 【請求項7】請求項1ないし請求項6のいずれかに記載
のスパッタ用ターゲットにおいて、第1のターゲット材
および第2のターゲット材をそれぞれ融点の異なる溶融
金属で一つの裏板に取付けたことを特徴とするスパッタ
用ターゲット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7477294A JPH07278806A (ja) | 1994-04-13 | 1994-04-13 | スパッタ用ターゲット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7477294A JPH07278806A (ja) | 1994-04-13 | 1994-04-13 | スパッタ用ターゲット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07278806A true JPH07278806A (ja) | 1995-10-24 |
Family
ID=13556921
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7477294A Pending JPH07278806A (ja) | 1994-04-13 | 1994-04-13 | スパッタ用ターゲット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07278806A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022272045A1 (en) * | 2021-06-24 | 2022-12-29 | Materion Corporation | Modular sputtering target with precious metal insert and skirt |
-
1994
- 1994-04-13 JP JP7477294A patent/JPH07278806A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022272045A1 (en) * | 2021-06-24 | 2022-12-29 | Materion Corporation | Modular sputtering target with precious metal insert and skirt |
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