JPH072766A - こはく酸イミドの製造方法 - Google Patents

こはく酸イミドの製造方法

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JPH072766A
JPH072766A JP14477893A JP14477893A JPH072766A JP H072766 A JPH072766 A JP H072766A JP 14477893 A JP14477893 A JP 14477893A JP 14477893 A JP14477893 A JP 14477893A JP H072766 A JPH072766 A JP H072766A
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JP
Japan
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reaction
succinimide
succinic acid
temperature
succinic anhydride
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Pending
Application number
JP14477893A
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English (en)
Inventor
Masato Watanabe
真人 渡辺
Shoichi Mizuno
昌一 水野
Yoshiaki Kano
芳明 加納
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】無水こはく酸とNH2Rを原料に用いることに
より、200℃以下の温度で脱水環化を行い、こはく酸
イミドを容易に製造する。 【構成】触媒として芳香族スルホン酸アンモニウムの存
在下、無水こはく酸と、0.90〜1.10当量のアン
モニアとを反応させて、こはく酸モノアミドを生成さ
せ、これを140〜200℃の温度で脱水環化させてこ
はく酸イミドを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、こはく酸イミドの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】こはく酸イミドは、N−ハロゲンこはく
酸イミドの前駆体、医薬品合成中間体、金属表面処理
剤、及び植物成長調製剤として有用である。従来の合成
法は、こはく酸とアンモニアを反応させて、こはく酸ア
ンモニウム及びこはく酸ジアンモニウムを生成させた
後、脱水閉環させてこはく酸イミドを得るという方法で
ある。
【0003】例えば、西ドイツ公開特許第231338
6号公報によれば、反応助剤としてりん酸三アンモニウ
ムを利用することにより、260℃で反応が完結すると
記載されている。また、公開平4−282361号公報
では亜りん酸エステルの存在下で製造する方法が開示さ
れている。しかるにこれらの方法では、反応を完結させ
てこはく酸イミドを高収率で得るためには、200℃を
越える高温を必要とし、経済性の点から不十分である。
また、熱媒体として一般的なスチームを用いる場合は、
反応温度は最高200℃以下で行う必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の通り、こはく酸
を原料とする従来のこはく酸イミドの製造方法は、反応
温度が高く、経済性に欠けている。そこで本発明の目的
は、無水こはく酸とNH2Rを原料に用いることによ
り、200℃以下の温度で脱水環化を行い、こはく酸イ
ミドを容易に製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討を行った結果、本発明に到達し
た。すなわち本発明は、無水こはく酸とNH2R(R
は、H又は炭素数1〜6のアルキル基を示す)を反応さ
せてこはく酸モノアミドを生成させ、これを140〜2
00℃の温度で脱水環化させることを特徴とする、こは
く酸イミドの製造方法である。なお、本発明は下記反応
式(1)及び(2)により示される。
【0006】
【化1】
【0007】
【化2】
【0008】以下に本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明で用いられるNH2RのRは、Hま
たは炭素数1〜6のアルキル基を示し、好ましくは、ア
ンモニア、メチルアミン、エチルアミンなどである。N
2Rの量は特に限定されないが、無水こはく酸に対し
て0.90〜1.10当量とすることが適当である。こ
のNH2Rの使用量において、高収率でこはく酸イミド
を回収することができる。NH2Rの形態としては、気
体状あるいは水溶液のどちらでも問題なく使用すること
ができる。気体状の場合は、NH2Rのボンベから直接
反応容器に導入して用いることができる。また水溶液の
場合は、例えば工業用の約25%アンモニア水などを用
いることが簡便であるが、その濃度は特に限定されな
い。
【0010】本発明の方法においては、特に溶媒を用い
る必要はない。
【0011】本発明の方法においては、触媒を用いなく
ても反応は充分進行し、高収率でこはく酸イミドを得る
ことができるが、触媒として芳香族スルホン酸アンモニ
ウムを用いることにより、さらにこはく酸イミドの収率
を向上させることができる。該芳香族スルホン酸アンモ
ニウムとしては、例えばベンゼンスルホン酸アンモニウ
ム、トルエンスルホン酸アンモニウム、キシレンスルホ
ン酸アンモニウム、メシチレンスルホン酸アンモニウ
ム、エチルベンゼンスルホン酸アンモニウム、キュメン
スルホン酸アンモニウムあるいはナフタレンスルホン酸
アンモニウム等を挙げることができ、これらのうち特に
キシレンスルホン酸アンモニウムが好ましく用いられ
る。
【0012】該芳香族スルホン酸アンモニウムを用いる
場合、この使用量は無水こはく酸に対して、0.05〜
15重量%、好ましくは0.1〜10重量%である。該
触媒は少なすぎると触媒添加の効果が顕著に発現せず、
一方多すぎるのは経済的に好ましくない。なお該芳香族
スルホン酸アンモニウムは、前記反応式(1)で示され
る第一段の反応時に、または反応式(2)で示される第
二段の反応時に反応系に添加することができるが、第一
段及び第二段の両方の反応時に反応系に存在させること
がより好ましい。
【0013】反応温度は、第一段の反応では常温〜10
0℃が好ましい。温度が低すぎると反応の進行が遅くな
り、一方高すぎるのはNH2Rの反応に好ましくない。
第二段の反応では、140〜200℃、好ましくは16
0〜190℃である。温度が低すぎると収率が低下し、
一方、高すぎるのは経済的に好ましくない。
【0014】反応時間は原料仕込量や温度などにより異
なるが、第一段の反応では0.2〜3時間、好ましくは
0.5〜2時間であり、第二段の反応では1〜10時
間、好ましくは2〜7時間である。
【0015】また第一段の反応では、こはく酸モノアミ
ドがほぼ定量的に得られ、これを単離した後、第二段の
反応に付すことができるが、単離することなくそのまま
反応温度を上昇させて、第二段の反応を行ってもよい。
より好ましくは、第一段及び第二段の反応を連続して行
うことであり、更に第二段の反応では、水を系外に留去
させながら反応を実施することが好ましい。
【0016】反応圧力は、第一段、第二段の反応とも減
圧から加圧、好ましくは20mmHg〜4Kg/cm2
の範囲であり、窒素またはアルゴン雰囲気下で行うこと
が好ましい。
【0017】また本発明の方法においては、色相の良い
こはく酸イミドを得るために、酸化防止剤を添加するこ
とができる。酸化防止剤として例えばヒンダードフェノ
ール系酸化防止剤があげられ、例えば1,6−ヘキサン
ジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)ピロピオネート〕、ペンタエリス
リチル−テトラキス〔2−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニルプロピオネート〕、オクタデシ
ル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート等を挙げることができる。該酸
化防止剤の使用量は、無水こはく酸に対して0.001
〜10重量%であり、好ましくは0.01〜5重量%と
することが望ましい。
【0018】反応終了後は、蒸留、水,アセトン,TH
F,アセトニトリル,メチルアルコール,エチルアルコ
ール等の溶媒による抽出、晶析、または抽出と晶析の併
用により、高純度のこはく酸イミドを効率良く回収する
ことができる。
【0019】
【実施例】次に実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されない。
【0020】実施例1 撹拌機及び蒸留器を有するガラス製3ツ口フラスコに、
無水こはく酸50g(0.5mol)及びキシレンスル
ホン酸アンモニウム3g(14.8mmol)を加え
た。この混合物を40℃に暖めた後、常圧下でアンモニ
アガス9.4g(0.55mol)を10分かけて導入
した。その後、水を留去しながら170℃まで昇温し、
170℃で水を留去しながら5時間反応を行った。反応
混合物にアセトン145mlを加え、56℃で抽出し
た。得られたアセトン溶液を減圧下濃縮、乾燥後、こは
く酸イミド44.5gを得た。純度は98.0重量%、
収率88%で、白色であった。
【0021】実施例2 アセトンの代わりにアセトニトリルを100mlを用い
た以外は、実施例1と同様の操作を行った。得られたこ
はく酸イミドの純度は97.0重量%、収率88%で、
白色であった。
【0022】実施例3 反応温度を165℃とした以外は、実施例1と同様の操
作を行った。得られたこはく酸イミドの純度は93.0
重量%、収率86%で、白色であった。
【0023】実施例4 撹拌機及び蒸留器を有するガラス製3ツ口フラスコに、
無水こはく酸50g(0.5mol)及びキシレンスル
ホン酸アンモニウム3g(14.8mmol)を加え
た。これに、常温、常圧下で25%アンモニア水34.
0g(0.5mol)を10分かけて加えた。その後、
水を留去しながら170℃まで昇温し、170℃で水を
留去しながら5時間反応を行った。反応混合物を水38
mlを用いて再結晶を行った。得られた結晶を減圧下乾
燥後、こはく酸イミド46.0gを得た。純度は98.
0重量%、収率91%で、白色であった。
【0024】実施例5 キシレンスルホン酸アンモニウムを用いなかった以外
は、実施例4と同様の操作を行った。得られたこはく酸
イミドの純度は98.0重量%、収率87%で、白色で
あった。
【0025】比較例1 無水こはく酸の代わりにこはく酸を用いた以外は、実施
例4と同様の操作を行った。得られたこはく酸イミドの
純度は85.0重量%、収率75%であった。
【0026】
【発明の効果】本発明の製造法によれば、無水こはく酸
を原料に用いることにより、こはく酸を原料とするより
低温でこはく酸イミドを製造することができ、エネルギ
ーの消費が少ない工業的に有利な方法を提供することが
できる。
【0027】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無水こはく酸とNH2R(Rは、H又は炭
    素数1〜6のアルキル基を示す)を反応させてこはく酸
    モノアミドを生成させ、これを140〜200℃の温度
    で脱水環化させることを特徴とする、こはく酸イミドの
    製造方法。
  2. 【請求項2】無水こはく酸に対しNH2Rを0.90〜
    1.10当量使用する、請求項1に記載のこはく酸イミ
    ドの製造方法。
  3. 【請求項3】触媒として芳香族スルホン酸アンモニウム
    を用いる、請求項1又は2に記載のこはく酸イミドの製
    造方法。
JP14477893A 1993-06-16 1993-06-16 こはく酸イミドの製造方法 Pending JPH072766A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007254354A (ja) * 2006-03-23 2007-10-04 National Institute Of Advanced Industrial & Technology コハク酸系組成物、コハク酸ジアルキル等及びその製造方法。
CN110698442A (zh) * 2019-09-18 2020-01-17 武汉康蓝药业有限公司 一种富马酸地洛昔醇的制备方法

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