JPH07275876A - バクテリア培養式ろ過材 - Google Patents
バクテリア培養式ろ過材Info
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- JPH07275876A JPH07275876A JP6070586A JP7058694A JPH07275876A JP H07275876 A JPH07275876 A JP H07275876A JP 6070586 A JP6070586 A JP 6070586A JP 7058694 A JP7058694 A JP 7058694A JP H07275876 A JPH07275876 A JP H07275876A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- shape
- bacterial culture
- fan
- plate material
- bacteria
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W10/00—Technologies for wastewater treatment
- Y02W10/10—Biological treatment of water, waste water, or sewage
Landscapes
- Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
Abstract
(57)【要約】 （修正有）
【目的】 ろ過材としてのろ過能力や耐久性を飛躍的に
向上させると共に鉄酸化バクテリアによる廃水処理法の
浄化処理能力を高水準で安定させることのできるバクテ
リア培養式ろ過材を提供する。 【構成】 プラスチック状の略扇状の板材の外端辺Ａを
略Ｓ字状になるように連続的に折返して葛折に形成し、
略扇状の板材の内端辺Ｂを中心側にして複数回捩って全
体の形状を螺旋状に形成したろ過材の一種であり、ろ過
材の一片を取り出すと、図３に示した如く、上下方向に
略Ｓ字状に湾曲した略扇状の板辺が、螺旋形状の中心部
に形成された空洞部Ｋから螺旋形状の外周部に向かって
放射状に多数突出したろ過片１を備え、このろ過片１に
は、裏・表の両辺全体に多数の皺部Ｓが設けられてい
る。
向上させると共に鉄酸化バクテリアによる廃水処理法の
浄化処理能力を高水準で安定させることのできるバクテ
リア培養式ろ過材を提供する。 【構成】 プラスチック状の略扇状の板材の外端辺Ａを
略Ｓ字状になるように連続的に折返して葛折に形成し、
略扇状の板材の内端辺Ｂを中心側にして複数回捩って全
体の形状を螺旋状に形成したろ過材の一種であり、ろ過
材の一片を取り出すと、図３に示した如く、上下方向に
略Ｓ字状に湾曲した略扇状の板辺が、螺旋形状の中心部
に形成された空洞部Ｋから螺旋形状の外周部に向かって
放射状に多数突出したろ過片１を備え、このろ過片１に
は、裏・表の両辺全体に多数の皺部Ｓが設けられてい
る。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は産業排気物等の異物や不
純物が混在した濁液や汚水をバクテリアの浄化作用を利
用して、排水浄化処理を行なうバクテリア培養式ろ過材
に関する。
純物が混在した濁液や汚水をバクテリアの浄化作用を利
用して、排水浄化処理を行なうバクテリア培養式ろ過材
に関する。
【０００２】
【従来の技術】今日の環境汚染は世界的規模にまで拡大
して人類にとって深刻な問題となっているが、これは、
はからずも、戦後の高度成長期時代に我が国が経験した
公害問題と同様の状況が工業化を推進している後進国の
いたる所で発生しており、これが今や国際的にも最重要
課題とさている。公害は一般的に人間が生活を営なんだ
り産業活動を行なうことで発生する大気汚染，水質汚
染，騒音，土壌汚染をさすが、この内、人間の生存や産
業を維持する上で最も重要な問題は水質汚染の改善と浄
化である。水質汚染は主に生活排水，工場排水，農業肥
料等が海，河川，湖沼などに流入して水資源が汚染され
ることを言うが、この代表的なものとして「イタイイタ
イ病」と「水俣病」が有名である。「イタイイタイ病」
は富山県神通川流域で発生した病気で腎臓障害と骨軟化
症を主な症状とするが、これは神通川上流にある三井金
属神岡鉱業所の排水に「カドミウム」が混入したことが
原因とされている。また、「水俣病」は熊本県水俣湾周
辺で発生した有機水銀中毒で、神経が侵され、四肢の感
覚障害と運動失調、発語、耳、目等への障害が出る病気
である。これは、その後の調査で、水俣湾に隣接したチ
ッソと昭和電工の工場排水に「メチル水銀」が混入して
いたため、この「メチル水銀」が魚介類に蓄積し、それ
を経口摂取したことで発病したとされている。更に、有
害産業排気物として「ＰＣＢ」が有名であるが、「ＰＣ
Ｂ」は「カネミ油症事件」の原因として注目されるよう
になった有機塩素化合物のポリ塩化ビフェニールのこと
である。この「ＰＣＢ」自体は耐熱，対薬品性，絶縁性
に優れた素材としてコンデンサーなどの絶縁体，熱媒
体，印刷インクの添加剤等に広く使用されていたが、こ
の「ＰＣＢ」が工場排水に混入して海に流れ込み、この
「ＰＣＢ」が蓄積した魚貝類を食したことで、嘔吐，無
気力，皮膚への色素沈着，肝障害などをもたらし、胎児
へも障害が及んだとされている。
して人類にとって深刻な問題となっているが、これは、
はからずも、戦後の高度成長期時代に我が国が経験した
公害問題と同様の状況が工業化を推進している後進国の
いたる所で発生しており、これが今や国際的にも最重要
課題とさている。公害は一般的に人間が生活を営なんだ
り産業活動を行なうことで発生する大気汚染，水質汚
染，騒音，土壌汚染をさすが、この内、人間の生存や産
業を維持する上で最も重要な問題は水質汚染の改善と浄
化である。水質汚染は主に生活排水，工場排水，農業肥
料等が海，河川，湖沼などに流入して水資源が汚染され
ることを言うが、この代表的なものとして「イタイイタ
イ病」と「水俣病」が有名である。「イタイイタイ病」
は富山県神通川流域で発生した病気で腎臓障害と骨軟化
症を主な症状とするが、これは神通川上流にある三井金
属神岡鉱業所の排水に「カドミウム」が混入したことが
原因とされている。また、「水俣病」は熊本県水俣湾周
辺で発生した有機水銀中毒で、神経が侵され、四肢の感
覚障害と運動失調、発語、耳、目等への障害が出る病気
である。これは、その後の調査で、水俣湾に隣接したチ
ッソと昭和電工の工場排水に「メチル水銀」が混入して
いたため、この「メチル水銀」が魚介類に蓄積し、それ
を経口摂取したことで発病したとされている。更に、有
害産業排気物として「ＰＣＢ」が有名であるが、「ＰＣ
Ｂ」は「カネミ油症事件」の原因として注目されるよう
になった有機塩素化合物のポリ塩化ビフェニールのこと
である。この「ＰＣＢ」自体は耐熱，対薬品性，絶縁性
に優れた素材としてコンデンサーなどの絶縁体，熱媒
体，印刷インクの添加剤等に広く使用されていたが、こ
の「ＰＣＢ」が工場排水に混入して海に流れ込み、この
「ＰＣＢ」が蓄積した魚貝類を食したことで、嘔吐，無
気力，皮膚への色素沈着，肝障害などをもたらし、胎児
へも障害が及んだとされている。
【０００３】このように、生活排水や工業排水に有害物
質が混入して湖沼，内海，内湾などの閉鎖性水域に流入
すると、この有害物質が魚貝類に採取され、魚介類の内
蔵で生物濃縮されて毒性の高い汚染魚貝類となってしま
い、これが社会的公害問題に発展する危険性は極めて高
い。また、閉鎖性水域に生活排水や工業排水或いは農業
肥料等が流入すると、閉鎖性水域の窒素，リンなどが増
加して藻類や植物プランクトンなどの水性植物が増殖す
る。この増殖した水性植物が枯死すると腐敗して窒素，
リンを水中に大量に放出して閉鎖性水域を富栄養化し、
これが、赤潮やアオコの原因となるとされている。そこ
で、生活排水や工業排水を閉鎖性水域に排出する以前
に、バクテリアで無害化処理する技術が既に開発されて
いる。これは、化学合成独立栄養バクテリアを利用した
浄化処理方法で、具体的にはチオバチルス・フェロオキ
シダンスと称す鉄を食べるバクテリアの習性を利用して
工場廃液を浄化する方法である。
質が混入して湖沼，内海，内湾などの閉鎖性水域に流入
すると、この有害物質が魚貝類に採取され、魚介類の内
蔵で生物濃縮されて毒性の高い汚染魚貝類となってしま
い、これが社会的公害問題に発展する危険性は極めて高
い。また、閉鎖性水域に生活排水や工業排水或いは農業
肥料等が流入すると、閉鎖性水域の窒素，リンなどが増
加して藻類や植物プランクトンなどの水性植物が増殖す
る。この増殖した水性植物が枯死すると腐敗して窒素，
リンを水中に大量に放出して閉鎖性水域を富栄養化し、
これが、赤潮やアオコの原因となるとされている。そこ
で、生活排水や工業排水を閉鎖性水域に排出する以前
に、バクテリアで無害化処理する技術が既に開発されて
いる。これは、化学合成独立栄養バクテリアを利用した
浄化処理方法で、具体的にはチオバチルス・フェロオキ
シダンスと称す鉄を食べるバクテリアの習性を利用して
工場廃液を浄化する方法である。
【０００４】このチオバチルス・フェロオキシダンス
は、工場廃液等にに存在する第１イオンを第２イオンに
酸化する働きをするが、この際のエネルギーを使って空
気中の二酸化炭素を固定し、細胞を構成する全有機物を
合成する働きをする。また、このバクテリアは鉄を酸化
するほかに、硫黄を硫酸にまで酸化する能力も併せ持っ
ており、これが地球微生物学的に重要な作用となる。一
方、工業排水の内で、特に有害物質を多量に排出する工
業、例えば、産業稼動中の鉱山，製錬所，あるいはメッ
キ工場や化学薬品工場では、その製造工程から有害な廃
液が多量に排出されることとなり、これらの廃液を無害
化処理すことは環境保全の問題から重要な課題である。
これらの廃液は一般的に硫酸酸性で第１鉄，銅，亜鉛な
どの金属イオンを含むため、処理には消石灰中和で行な
われるのが普通である。ところが、鉄イオンを大量に含
んだ排水を消石灰中和で処理する場合、廃液中に含まれ
る鉄の形態が第１鉄の場合と第２鉄の場合とでは処理コ
ストに大きな差異がでる。それは、第２鉄を含有した廃
液の場合は、廃液をｐＨ４程度まで中和することで液中
に浮遊する不純物の沈澱現象を起こすが、第１鉄を含有
した廃液では、廃液をｐＨ８程度まで中和して初めて不
純物の沈澱現象が発生する。つまり、第１鉄を含有した
廃液の消石灰中和処理は第２鉄を含有した廃液に比較し
てその処理コストが高くなり、第１鉄を含有した廃液を
多量に排出する工場等では、その無公害処理に莫大な費
用がかかるため、最近では、第１鉄を含有した廃液の消
石灰中和処理の前処理として、鉄酸化バクテリアによる
廃水処理法の導入が考えられている。この鉄酸化バクテ
リアによる廃水処理法は、鉄酸化バクテリアによって廃
水中の第１鉄イオンを第２鉄イオンに変える方法で、こ
の処理を連続的に行なった後に消石灰中和処理を行なえ
ば第１鉄を含有した廃液でも、第２鉄を含有した廃液と
同程度の経費で処理すことが可能になる。一方、第２鉄
を含有した廃液においても、消石灰中和処理の前処理と
して鉄酸化バクテリアによる廃水処理法を実行すれば、
中和処理に弱アルカリ性で消石灰の４分の１程度の価格
の炭カル（石灰石微粉末）が中和剤に使用できるため、
経済的効果は勿論のこと生成沈澱物も少なくできて後処
理が簡単である。そして、この鉄酸化バクテリアによる
廃水処理法は、独立栄養バクテリアに起因した増殖速度
を早めるために、酸化槽内にウール状や網目状またはタ
ワシ状のろ過材を設け、このろ過材にバクテリアを付着
させることで酸化槽内のバクテリア濃度を維持するよう
にしている。
は、工場廃液等にに存在する第１イオンを第２イオンに
酸化する働きをするが、この際のエネルギーを使って空
気中の二酸化炭素を固定し、細胞を構成する全有機物を
合成する働きをする。また、このバクテリアは鉄を酸化
するほかに、硫黄を硫酸にまで酸化する能力も併せ持っ
ており、これが地球微生物学的に重要な作用となる。一
方、工業排水の内で、特に有害物質を多量に排出する工
業、例えば、産業稼動中の鉱山，製錬所，あるいはメッ
キ工場や化学薬品工場では、その製造工程から有害な廃
液が多量に排出されることとなり、これらの廃液を無害
化処理すことは環境保全の問題から重要な課題である。
これらの廃液は一般的に硫酸酸性で第１鉄，銅，亜鉛な
どの金属イオンを含むため、処理には消石灰中和で行な
われるのが普通である。ところが、鉄イオンを大量に含
んだ排水を消石灰中和で処理する場合、廃液中に含まれ
る鉄の形態が第１鉄の場合と第２鉄の場合とでは処理コ
ストに大きな差異がでる。それは、第２鉄を含有した廃
液の場合は、廃液をｐＨ４程度まで中和することで液中
に浮遊する不純物の沈澱現象を起こすが、第１鉄を含有
した廃液では、廃液をｐＨ８程度まで中和して初めて不
純物の沈澱現象が発生する。つまり、第１鉄を含有した
廃液の消石灰中和処理は第２鉄を含有した廃液に比較し
てその処理コストが高くなり、第１鉄を含有した廃液を
多量に排出する工場等では、その無公害処理に莫大な費
用がかかるため、最近では、第１鉄を含有した廃液の消
石灰中和処理の前処理として、鉄酸化バクテリアによる
廃水処理法の導入が考えられている。この鉄酸化バクテ
リアによる廃水処理法は、鉄酸化バクテリアによって廃
水中の第１鉄イオンを第２鉄イオンに変える方法で、こ
の処理を連続的に行なった後に消石灰中和処理を行なえ
ば第１鉄を含有した廃液でも、第２鉄を含有した廃液と
同程度の経費で処理すことが可能になる。一方、第２鉄
を含有した廃液においても、消石灰中和処理の前処理と
して鉄酸化バクテリアによる廃水処理法を実行すれば、
中和処理に弱アルカリ性で消石灰の４分の１程度の価格
の炭カル（石灰石微粉末）が中和剤に使用できるため、
経済的効果は勿論のこと生成沈澱物も少なくできて後処
理が簡単である。そして、この鉄酸化バクテリアによる
廃水処理法は、独立栄養バクテリアに起因した増殖速度
を早めるために、酸化槽内にウール状や網目状またはタ
ワシ状のろ過材を設け、このろ過材にバクテリアを付着
させることで酸化槽内のバクテリア濃度を維持するよう
にしている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記鉄酸化
バクテリアによる廃水処理法に使用している従来のろ過
材では、継続的にろ過処理を行なうと、ろ過材の表面に
ゴミや水垢等の異物が付着してろ過材に加わる水圧が上
昇して、酸化槽内のバクテリア濃度を維持することがで
きなくなり、浄化処理能力が低下してしまうという大き
な問題があった。また、ろ過材とろ過材との間に水道が
できてしまい、汚水がろ過されることなく酸化槽から外
部に排出されてしまうという問題もあった。そこで、本
発明はこのような問題点を解決するために成されたもの
で、ろ過材としてのろ過能力や耐久性を飛躍的に向上さ
せると共に鉄酸化バクテリアによる廃水処理法の浄化処
理能力を高水準で安定させることのできるバクテリア培
養式ろ過材の提供を目的としている。
バクテリアによる廃水処理法に使用している従来のろ過
材では、継続的にろ過処理を行なうと、ろ過材の表面に
ゴミや水垢等の異物が付着してろ過材に加わる水圧が上
昇して、酸化槽内のバクテリア濃度を維持することがで
きなくなり、浄化処理能力が低下してしまうという大き
な問題があった。また、ろ過材とろ過材との間に水道が
できてしまい、汚水がろ過されることなく酸化槽から外
部に排出されてしまうという問題もあった。そこで、本
発明はこのような問題点を解決するために成されたもの
で、ろ過材としてのろ過能力や耐久性を飛躍的に向上さ
せると共に鉄酸化バクテリアによる廃水処理法の浄化処
理能力を高水準で安定させることのできるバクテリア培
養式ろ過材の提供を目的としている。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に成された本発明は、セラミックス，金属材料，高分子
材料等から成り、液体中に混在する汚染物質をバクテリ
アの浄化作用を利用して排水処理を行なうバクテリア培
養式ろ過材であって、略扇状に形成した板材の上端辺を
略Ｓ字状が連続するように葛折れに形成すると共に、当
該葛折れに形成した板材を、扇状の下端辺が中心側にな
るように複数回捩り曲げて全体の形状が螺旋状になるよ
うに形成し、更に、上記略扇状に形成した板材の両面に
は多数の襞部を連続的に形成したことを特徴とするバク
テリア培養式ろ過材を要旨としている。
に成された本発明は、セラミックス，金属材料，高分子
材料等から成り、液体中に混在する汚染物質をバクテリ
アの浄化作用を利用して排水処理を行なうバクテリア培
養式ろ過材であって、略扇状に形成した板材の上端辺を
略Ｓ字状が連続するように葛折れに形成すると共に、当
該葛折れに形成した板材を、扇状の下端辺が中心側にな
るように複数回捩り曲げて全体の形状が螺旋状になるよ
うに形成し、更に、上記略扇状に形成した板材の両面に
は多数の襞部を連続的に形成したことを特徴とするバク
テリア培養式ろ過材を要旨としている。
【０００７】
【作用】本発明のバクテリア培養式ろ過材によれば、ま
ず、バクテリア培養式ろ過材を浄化処理槽の内部に所要
量だけ充填した後、浄化処理用のバクテリアをろ過材に
付着させることになるが、この際、本発明のバクテリア
培養式ろ過材は、略扇状に形成した板材の上端辺を略Ｓ
字状が連続するように葛折れに形成すると共に、当該葛
折れに形成した板材を、扇状の下端辺が中心側になるよ
うに複数回捩り曲げて全体の形状が螺旋状になるように
形成し、更に、上記略扇状に形成した板材の両面には多
数の襞部を連続的に形成したことで、ろ過面に付着した
バクテリアは最適な菌体濃度を維持して細菌の増殖速度
を早めることになる。この作用により、本発明はバクテ
リアによる浄化処理能力を従来のものに比較して飛躍的
に向上させると共に、継続使用によるろ過材の目詰まり
や過度の汚れを防止することで反復使用が可能になり、
ろ過材の性能を永続的に維持して製品の耐久性も向上さ
せることにとなる。
ず、バクテリア培養式ろ過材を浄化処理槽の内部に所要
量だけ充填した後、浄化処理用のバクテリアをろ過材に
付着させることになるが、この際、本発明のバクテリア
培養式ろ過材は、略扇状に形成した板材の上端辺を略Ｓ
字状が連続するように葛折れに形成すると共に、当該葛
折れに形成した板材を、扇状の下端辺が中心側になるよ
うに複数回捩り曲げて全体の形状が螺旋状になるように
形成し、更に、上記略扇状に形成した板材の両面には多
数の襞部を連続的に形成したことで、ろ過面に付着した
バクテリアは最適な菌体濃度を維持して細菌の増殖速度
を早めることになる。この作用により、本発明はバクテ
リアによる浄化処理能力を従来のものに比較して飛躍的
に向上させると共に、継続使用によるろ過材の目詰まり
や過度の汚れを防止することで反復使用が可能になり、
ろ過材の性能を永続的に維持して製品の耐久性も向上さ
せることにとなる。
【０００８】
【実施例】本発明のバクテリア培養式ろ過材の実施例に
ついて、図面に基づき説明する。図１は本発明の実施例
であるバクテリア培養式ろ過材の全体を表わした斜視
図，図２は本実施例のバクテリア培養式ろ過材の主要部
分のみを表わした説明図，図３は本実施例のバクテリア
培養式ろ過材の部分拡大図である。本実施例のバクテリ
ア培養式ろ過材ＢＬＳは、図１に示す如く、プラスチッ
ク状の略扇状の板材の外端辺Ａを略Ｓ字状になるように
連続的に折返して葛折に形成し、略扇状の板材の内端辺
Ｂを中心側にして複数回捩って全体の形状を螺旋状に形
成したろ過材の一種であるが、本実施例のバクテリア培
養式ろ過材は汚水に混在した異物をろ過材で単純に浄化
処理するろ過材ではなく、図２に示す如く、螺旋形状の
中心部から円周方向に連続的に多数突出したバクテリア
培養辺Ｃに、例えば、チオバチルス・フェロオキシダン
ス等の鉄酸化バクテリアを培養させて廃水処理を行なう
ものである。その為、本実施例のバクテリア培養式ろ過
材は、一片を取り出すと、図３に示した如く、上下方向
に略Ｓ字状に湾曲した略扇状の板辺が、螺旋形状の中心
部に形成された空洞部Ｋから螺旋形状の外周部に向かっ
て放射状に多数突出したろ過片１を備え、このろ過片１
には、裏・表の両辺全体に多数の皺部Ｓが設けられてい
る。
ついて、図面に基づき説明する。図１は本発明の実施例
であるバクテリア培養式ろ過材の全体を表わした斜視
図，図２は本実施例のバクテリア培養式ろ過材の主要部
分のみを表わした説明図，図３は本実施例のバクテリア
培養式ろ過材の部分拡大図である。本実施例のバクテリ
ア培養式ろ過材ＢＬＳは、図１に示す如く、プラスチッ
ク状の略扇状の板材の外端辺Ａを略Ｓ字状になるように
連続的に折返して葛折に形成し、略扇状の板材の内端辺
Ｂを中心側にして複数回捩って全体の形状を螺旋状に形
成したろ過材の一種であるが、本実施例のバクテリア培
養式ろ過材は汚水に混在した異物をろ過材で単純に浄化
処理するろ過材ではなく、図２に示す如く、螺旋形状の
中心部から円周方向に連続的に多数突出したバクテリア
培養辺Ｃに、例えば、チオバチルス・フェロオキシダン
ス等の鉄酸化バクテリアを培養させて廃水処理を行なう
ものである。その為、本実施例のバクテリア培養式ろ過
材は、一片を取り出すと、図３に示した如く、上下方向
に略Ｓ字状に湾曲した略扇状の板辺が、螺旋形状の中心
部に形成された空洞部Ｋから螺旋形状の外周部に向かっ
て放射状に多数突出したろ過片１を備え、このろ過片１
には、裏・表の両辺全体に多数の皺部Ｓが設けられてい
る。
【０００９】次に、以上の構成からなる本実施例のバク
テリア培養式ろ過材の作用・効果について説明する。ま
ず、バクテリア培養式ろ過材ＢＬＳのバクテリア培養辺
Ｃにチオバチルス・フェロオキシダンス等の鉄酸化バク
テリアを付着させた後、図４に示した如く、廃水を浄化
する浄化処理槽２の内部にバクテリア培養式ろ過材ＢＬ
Ｓを必要な数量分だけ充填する。次に、浄化処理する廃
水を矢印Ｘから浄化処理槽２の内部に導入してバクテリ
ア培養式ろ過材ＢＬＳのバクテリア培養辺Ｃを通過させ
た後、矢印Ｙから排水するように繰り返し循環させる。
この際、本実施例のバクテリア培養式ろ過材ＢＬＣのバ
クテリア培養辺Ｃでは、その皺部Ｓに高密度で展開して
いるチオバチルス・フェロオキシダンス等の鉄酸化バク
テリアが高速で増殖い続けながら浄化処理槽２の菌体濃
度を最適な状態で維持することになる。これにより、バ
クテリア培養辺Ｃを循環する廃水に含有されている第１
鉄，銅，亜鉛等の金属イオンを含む廃水は鉄酸化バクテ
リアの中和作用によって沈澱物となる。そこで、この沈
澱物を廃液中からろ過処理すれば異物の除去が完了する
ことになる。この作用により、本実施例のバクテリア培
養式ろ過材は、従来の細菌担体を用いた鉄酸化バクテリ
アによる廃水処理方法では処理槽内の菌体濃度を維持す
ることが難しく効果的な浄化が不可能であったといった
極めて困難な問題を解決することに成功した。また、従
来の細菌担体は嫌気性のバクテリアに対しては効果的に
繁殖させることができても、好気性のバクテリアに対し
て効果的に繁殖させることが困難なであった。しかしな
がら、本実施例のバクテリア培養式ろ過材ＢＬＣは、空
洞部Ｋ近傍のろ過片１の根元部分の絞りを緩やかに形成
して通気・通水性を向上させたことで、好気性のバクテ
リアでも良好に繁殖させることが可能になった。尚、上
記実施例では、バクテリア培養式ろ過材ＢＬＣを単独で
浄化処理槽２に投入した場合について説明したが、本発
明はこれに限定されるものれはなく、例えば、図５に示
した如く、フィルター枠３にバクテリア培養式ろ過材Ｂ
ＬＣを、化学繊維の吊着糸４で多数整列させ、これを複
列に並べて多数取り付けたセパレート型フィルターユニ
ットＳＦＵとすれば、図６に示した様に浄化槽着５の内
部への装着・交換或いはバックウオッシャによる洗浄処
理も極めて簡単となる。更に、このセパレート型フィル
ターユニットＳＦＵの開口部の内いずれか一方に異物ろ
過機能のある通気性シートＡＦを貼り付け、フィルター
枠３の上面の吊着糸４からフィルター枠３の下面の吊着
糸４に液体を垂らしてバクテリア培養式ろ過材ＢＬＣを
湿らせた状態にして、汚染空気中に設置すればエアーフ
ィルターとして使用することもできる。
テリア培養式ろ過材の作用・効果について説明する。ま
ず、バクテリア培養式ろ過材ＢＬＳのバクテリア培養辺
Ｃにチオバチルス・フェロオキシダンス等の鉄酸化バク
テリアを付着させた後、図４に示した如く、廃水を浄化
する浄化処理槽２の内部にバクテリア培養式ろ過材ＢＬ
Ｓを必要な数量分だけ充填する。次に、浄化処理する廃
水を矢印Ｘから浄化処理槽２の内部に導入してバクテリ
ア培養式ろ過材ＢＬＳのバクテリア培養辺Ｃを通過させ
た後、矢印Ｙから排水するように繰り返し循環させる。
この際、本実施例のバクテリア培養式ろ過材ＢＬＣのバ
クテリア培養辺Ｃでは、その皺部Ｓに高密度で展開して
いるチオバチルス・フェロオキシダンス等の鉄酸化バク
テリアが高速で増殖い続けながら浄化処理槽２の菌体濃
度を最適な状態で維持することになる。これにより、バ
クテリア培養辺Ｃを循環する廃水に含有されている第１
鉄，銅，亜鉛等の金属イオンを含む廃水は鉄酸化バクテ
リアの中和作用によって沈澱物となる。そこで、この沈
澱物を廃液中からろ過処理すれば異物の除去が完了する
ことになる。この作用により、本実施例のバクテリア培
養式ろ過材は、従来の細菌担体を用いた鉄酸化バクテリ
アによる廃水処理方法では処理槽内の菌体濃度を維持す
ることが難しく効果的な浄化が不可能であったといった
極めて困難な問題を解決することに成功した。また、従
来の細菌担体は嫌気性のバクテリアに対しては効果的に
繁殖させることができても、好気性のバクテリアに対し
て効果的に繁殖させることが困難なであった。しかしな
がら、本実施例のバクテリア培養式ろ過材ＢＬＣは、空
洞部Ｋ近傍のろ過片１の根元部分の絞りを緩やかに形成
して通気・通水性を向上させたことで、好気性のバクテ
リアでも良好に繁殖させることが可能になった。尚、上
記実施例では、バクテリア培養式ろ過材ＢＬＣを単独で
浄化処理槽２に投入した場合について説明したが、本発
明はこれに限定されるものれはなく、例えば、図５に示
した如く、フィルター枠３にバクテリア培養式ろ過材Ｂ
ＬＣを、化学繊維の吊着糸４で多数整列させ、これを複
列に並べて多数取り付けたセパレート型フィルターユニ
ットＳＦＵとすれば、図６に示した様に浄化槽着５の内
部への装着・交換或いはバックウオッシャによる洗浄処
理も極めて簡単となる。更に、このセパレート型フィル
ターユニットＳＦＵの開口部の内いずれか一方に異物ろ
過機能のある通気性シートＡＦを貼り付け、フィルター
枠３の上面の吊着糸４からフィルター枠３の下面の吊着
糸４に液体を垂らしてバクテリア培養式ろ過材ＢＬＣを
湿らせた状態にして、汚染空気中に設置すればエアーフ
ィルターとして使用することもできる。
【００１０】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明のバクテ
リア培養式ろ過材は、セラミックス，金属材料，高分子
材料等から成り、液体中に混在する汚染物質をバクテリ
アの浄化作用を利用して排水処理を行なうバクテリア培
養式ろ過材であって、略扇状に形成した板材の上端辺を
略Ｓ字状が連続するように葛折れに形成すると共に、葛
折れに形成した板材を、扇状の下端辺が中心側になるよ
うに複数回捩り曲げて全体の形状が螺旋状になるように
形成し、更に、略扇状に形成した板材の両面には多数の
襞部を連続的に形成したことで、生活排水は勿論のこと
産業廃棄物として放出される汚水をも効果的かつ効率的
に浄化処理することで、公害の発生や環境汚染を防止
し、社会的懸案である環境保全を強力的に推進する画期
的技術であり、その社会に与える恩恵は計り知れないも
のがある。
リア培養式ろ過材は、セラミックス，金属材料，高分子
材料等から成り、液体中に混在する汚染物質をバクテリ
アの浄化作用を利用して排水処理を行なうバクテリア培
養式ろ過材であって、略扇状に形成した板材の上端辺を
略Ｓ字状が連続するように葛折れに形成すると共に、葛
折れに形成した板材を、扇状の下端辺が中心側になるよ
うに複数回捩り曲げて全体の形状が螺旋状になるように
形成し、更に、略扇状に形成した板材の両面には多数の
襞部を連続的に形成したことで、生活排水は勿論のこと
産業廃棄物として放出される汚水をも効果的かつ効率的
に浄化処理することで、公害の発生や環境汚染を防止
し、社会的懸案である環境保全を強力的に推進する画期
的技術であり、その社会に与える恩恵は計り知れないも
のがある。
【図１】本発明の実施例であるバクテリア培養式ろ過材
の全体を表わした斜視図である
の全体を表わした斜視図である
【図２】本実施例のバクテリア培養式ろ過材の主要部分
のみを表わした説明図である。
のみを表わした説明図である。
【図３】本実施例のバクテリア培養式ろ過材の部分拡大
図である。
図である。
【図４】本実施例のバクテリア培養式ろ過材の作用説明
図である。
図である。
【図５】本実施例のバクテリア培養式ろ過材をセパレー
ト型フィルターユニットに適用した斜視図である。
ト型フィルターユニットに適用した斜視図である。
【図６】本実施例のセパレート型フィルターユニットの
使用説明図である。
使用説明図である。
１ ろ過片 ２ 浄化処理槽 ３ フィルター枠 ４ 吊着糸 Ａ 外端辺 Ｂ 内端辺 Ｃ バクテリア培養辺 Ｋ 空洞部 Ｓ 皺部 ＡＦ 通気性シート ＢＬＳ バクテリア培養式ろ過材 ＳＦＣ セパレート型フィルターユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 忠正 長野県松本市大字里山辺3552番地３ (72)発明者 大澤 義昭 長野県下伊那郡松川町元大島1615
Claims (1)
- 【請求項１】 セラミックス，金属材料，高分子材料等
から成り、液体中に混在する汚染物質をバクテリアの浄
化作用を利用して排水処理を行なうバクテリア培養式ろ
過材であって、 略扇状に形成した板材の上端辺を略Ｓ字状が連続するよ
うに葛折れに形成すると共に、当該葛折れに形成した板
材を、扇状の下端辺が中心側になるように複数回捩り曲
げて全体の形状が螺旋状になるように形成し、更に、上
記略扇状に形成した板材の両面には多数の襞部を連続的
に形成したことを特徴とするバクテリア培養式ろ過材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6070586A JPH07275876A (ja) | 1994-04-08 | 1994-04-08 | バクテリア培養式ろ過材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6070586A JPH07275876A (ja) | 1994-04-08 | 1994-04-08 | バクテリア培養式ろ過材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07275876A true JPH07275876A (ja) | 1995-10-24 |
Family
ID=13435819
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6070586A Pending JPH07275876A (ja) | 1994-04-08 | 1994-04-08 | バクテリア培養式ろ過材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07275876A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2004071621A1 (en) * | 2003-02-17 | 2004-08-26 | Dhinternational Co., Ltd | A filter in a spiral type forming a plurality of prominence and depression in the form of the rib of a fan in turn on surface and manufacturing method and machine therefor |
| KR100475171B1 (ko) * | 2003-02-17 | 2005-03-14 | 디에치인터내셔날주식회사 | 소재의 표면을 따라 요철이 부채의 살 모양으로 일정간격으로 번갈아 형성된 나선형 형태의 여과재 및 이를위한 제조방법과 제조장치 |
| JP2008100210A (ja) * | 2006-09-20 | 2008-05-01 | Sakurai Shinichi | 浄水処理装置及び浄水処理方法 |
| JP2010240652A (ja) * | 2006-09-20 | 2010-10-28 | Sakurai Shinichi | 浄水処理方法 |
| CN116143348A (zh) * | 2023-03-13 | 2023-05-23 | 江苏德福源科技有限公司 | 应用污泥致密技术的废水处理系统 |
-
1994
- 1994-04-08 JP JP6070586A patent/JPH07275876A/ja active Pending
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2004071621A1 (en) * | 2003-02-17 | 2004-08-26 | Dhinternational Co., Ltd | A filter in a spiral type forming a plurality of prominence and depression in the form of the rib of a fan in turn on surface and manufacturing method and machine therefor |
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| JP2010240652A (ja) * | 2006-09-20 | 2010-10-28 | Sakurai Shinichi | 浄水処理方法 |
| JP4586147B2 (ja) * | 2006-09-20 | 2010-11-24 | 桜井 信一 | 浄水処理装置 |
| JP4739460B2 (ja) * | 2006-09-20 | 2011-08-03 | 桜井 信一 | 浄水処理方法 |
| CN116143348A (zh) * | 2023-03-13 | 2023-05-23 | 江苏德福源科技有限公司 | 应用污泥致密技术的废水处理系统 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040406 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040817 |