JPH07275841A - 底質及びそれに接する水質の改善方法 - Google Patents

底質及びそれに接する水質の改善方法

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JPH07275841A
JPH07275841A JP6074664A JP7466494A JPH07275841A JP H07275841 A JPH07275841 A JP H07275841A JP 6074664 A JP6074664 A JP 6074664A JP 7466494 A JP7466494 A JP 7466494A JP H07275841 A JPH07275841 A JP H07275841A
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JP
Japan
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quality
aquaculture
water
weight
test
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JP6074664A
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Sadako Ueda
貞子 上田
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GREEN CULTURE KK
GREEN KARUCHIYAA KK
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GREEN CULTURE KK
GREEN KARUCHIYAA KK
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Publication date
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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  • Treatment Of Sludge (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 養殖漁場及びその周辺の環境を変えないでヘ
ドロ化した水底環境を改善する。 【構成】 石灰質や珪酸等からなる各種ネクトン、プラ
ンクトン、藻類、海草等が埋没して堆積し、腐植溶性を
帯びた結晶体となった貝化石を粒径5mm程度に破砕し、
170 ℃〜270 ℃以内の熱処理によりその水分を蒸発さ
せ、目開き2mmのふるいを全通させてなる底質改良剤
を、養殖漁場の水底に堆積している底土の湿重量に対し
て0.5 〜5.0 重量%、より好ましくは1.0 〜3.0 重量%
の比率で散布することで、他の環境を変えないで底質を
改善する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水産動・植物の養殖漁
場における底質及びそれに接する水質の改善方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の水産動・植物の養殖漁場の環境
は、新しい養殖漁場ほど良いと言われてる。それは、ハ
マチの例で言えば、実際にハマチの養殖漁場における物
質収支を測定すると、餌として養殖漁場に投入された有
機窒素および有機炭素の約10〜20%程度しか、養殖ハマ
チの成長に寄与せず、残りは、餌が直接溶存物質や懸濁
物質となったり、ハマチの代謝活動で分解されて栄養塩
となり、養殖漁場周辺の海域に流出するからであり、ま
た、糞や残餌として養殖漁場直下の海底に沈積して汚染
するからである。海底に沈積していく糞や残餌などの沈
殿物の量は、養殖漁場で使用した餌の約10%程度である
と推定されている。現在では、多くの養殖漁場におい
て、その直下の海底に大量の有機物が堆積している。そ
の有機物からは嫌気的な分解過程を経て硫化水素が生産
され、海底はヘドロ化し、養殖漁場環境の悪化を招いて
いる、と言れている。
【0003】この養殖漁場におけるヘドロ化した海底環
境を改善する方法としては、海底に堆積したヘドロを
浚渫する方法、湾口部の掘削によって海水交換を促進
し海底の有機物の分解を促進する方法、潮汐ダムや潮
汐流ポンプなどを用いて海底に溶存酸素濃度の高い海水
を供給する方法、石灰を散布する方法、ヘドロを砂
で覆う覆砂法、畑を耕すような海底耕耘(こううん)
法、などが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、の方
法は直接的で有効ではあるが、浚渫したヘドロの処分を
どうするか、浚渫時の海水の汚れやその際の代替養殖漁
場をどうするか、これらにかかる費用は莫大になるが、
その負担をどうするか、など未解決な点が多い。
【0005】、の方法は、いずれも新鮮な海水、す
なわち、DO(溶存酸素濃度)の高い海水を養殖漁場に
供給して、堆積しているヘドロの酸化分解を促進する方
法であるが、厚く堆積したヘドロに対してはその有効性
に疑問があり、また、人為的に海水の流れを変えるもの
であるため、思わぬ弊害の発生の懸念があり、更に、
の場合と同じように高額な費用負担をどうすか、といっ
た未解決な点が多い。
【0006】の方法は、ヘドロから発生する硫化水素
を押さえる意味はあるが、強アルカリ性を有するところ
から、藻枯れ現象、ナマコ、ヒラメなど海底に定着状態
で生息する水産動物に害を与える可能性がある。
【0007】の方法は、海底に単に砂をまくだけなの
で、効果をあまり期待できず、の方法も海底を耕耘す
る時の海水の汚れをどうするか、などの未解決な点があ
る。
【0008】そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなさ
れたもので、養殖漁場及びその周辺の環境を変えること
なく、ヘドロ化した水底環境を改善し、しかもヘドロの
処分やその時の水の汚れや代替養殖漁場の用意などが必
要なく、かつそれらにかかる手間・費用も安価となる底
質及びこれに接する水質の改善方法を提供することを課
題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の底質及びそれに接する水質の改善方法は、
石灰質や珪酸等からなる各種ネクトン、プランクトン、
藻類、海草等が埋没して堆積し、腐植溶性を帯びた結晶
体となった貝化石を粒径5mm程度に破砕し、170℃〜270
℃以内の熱処理によりその水分を蒸発させ、目開き2m
mのふるいを全通させてなる底質改良剤を、養殖漁場の
底に堆積している底土の湿重量に対して0.5 〜5.0 重量
%、より好ましくは1.0 〜3.0 重量%の比率で散布して
なるものであり、また、石灰質や珪酸等からなる各種ネ
クトン、プランクトン、藻類、海草等が埋没して堆積
し、腐植溶性を帯びた結晶体となった貝化石を粒径5mm
程度に破砕し、170 ℃〜270 ℃以内の熱処理によりその
水分を蒸発させ、目開き2mmのふるいを全通させてなる
底質改良剤を、養殖漁場となっている水面1m2 あたり
0.5Kg 〜10Kg、より好ましくは2.0Kg 〜5.0Kg 散布して
も良い。
【0010】そして、この貝化石は、富山県高岡市にあ
る富山鉱山と国土高岡鉱山及び日本海鉱業とから産出し
たものである。
【0011】
【作用】上記構成によれば、底質改良剤となった貝化石
の主成分は炭酸カルシウムであり、この炭酸カルシウム
は、生体より分泌形成されたアラゴナイト形の結晶構造
を取り、一定の有効径を持ち結晶水を含む小穴が無数に
あるから、170 ℃〜270℃以内の温度で熱処理すると、
この結晶水がなくなり吸着性能を付与され、かつ目開き
2mmのふるいを全通させた貝化石を、水底に堆積してい
る底土の湿重量に対して0.5 〜5.0 重量%、より好まし
くは1.0 〜3.0 重量%の比率で散布すると、貝化石の粒
径が2mmより若干小さい程度なので、その大半は風、波
や水流等により大きく影響されずに沈降し、すみやかに
水底に達する。この水底に達した貝化石は、底土中のマ
イナス要因たる硫化物、CODをすみやかに減衰させ、
かつプラス要因たる溶存酸素濃度に影響を与えず、しか
も貝化石自身水よりも若干pHが高い程度であるために
pHを上げるまでに至らず、水底に定住している水産動
・植物に対しても、元々動・植物の遺骸であって、新第
三紀中新世に該当する一定有孔径を持つ貝化石であるの
で、悪影響を与える点が認められず、逆に有意点が認め
られる。
【0012】また、水底に堆積している底土量を推定で
きない場合には、水面1m2 あたり貝化石を0.5Kg 〜10
Kg、より好ましくは2.0Kg 〜5.0Kg 散布しても、上記と
同様な作用をする。
【0013】更に、貝化石が、富山県高岡市にある富山
鉱山と国土高岡鉱山及び日本海鉱業とから産出したもの
であると、上記作用を確実に具現化する。
【0014】
【実施例】この明細書で、貝化石とは、考古学名では有
孔虫化石、地質学名では石灰質砂岩であって、日本国で
は富山県高岡市、石川県能登半島、岐阜県高山市、北海
道、山口県、徳島県に産し、より具体的には、富山県高
岡市富山鉱山岩坪A、B、C採掘場において採掘された
試料について、昭和54年8月7日、名古屋通商産業局よ
り分析報告(54名通産工業第564 号)のあった下記定量
分析第1表と富山県高岡市国土高岡鉱山採掘場において
採掘された試料について、昭和52年10月20日、名古屋通
商産業局より分析報告(52名通産工業第1071号)のあっ
た下記定量分析第2表によるものをいう。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】 なお、富山県高岡市で採掘される貝化石は、日本の他の
地域で採掘される貝化石の成分構成と分子集合形態が大
きく違い、特にケイ素もある程度含有するが炭酸カルシ
ウムの占める比率が高いことが特徴となっている。
【0017】本発明における底質改良剤は、上記の貝化
石から図1に示すような工程で作られる。まず産出鉱山
から貝化石を採掘し、これを粗砕機1にかけて粒径を5
mm以下に破砕し、次にその全量を目開き5mm程度のアミ
目のふるい2を通し、アミ目に残っているものは、再び
粗砕機1に戻し破砕する。一方、アミ目を通過した貝化
石は、ロータリードライヤー3により170 ℃〜270 ℃の
範囲で熱処理されて結晶水が除去され、その全量を目開
き2mmのアミ目のふるい4を通し通過した貝化石は、更
にクーラー5により常温近くまで冷却され製品サイロ6
に貯留され、そのあと袋詰めされて製品7となる。
【0018】なお、2mmよりはるかに小さく、例えば、
0.1mm とか0.01mmとかの粒径の貝化石では、単位重量あ
たりの表面積が広いから、吸着性能が高くなり、底土と
混ぜた際、硫化物やCODの減衰性能はきわめて良くな
る。ところが、底質改良剤となった貝化石の散布は水面
散布となるから、このように粒径が小さいものでは、
風、波、水流などに大きく影響されて、養殖漁場の底に
堆積している底土に到着しない場合があり、実際の散布
量に対して有効散布量が著しく減少する虞がある。
【0019】また、逆に貝化石の粒径が2mmより大きい
と、単位重量あたりの表面積が狭くなりすぎて、吸着性
能が低下することになる。このように、この底質改良剤
たる貝化石の粒径については、試行錯誤の上に初めて到
達し得たものである。
【0020】従って、必要に応じて、ふるい4とクーラ
ー5との間あるいはクーラー5と製品サイロ6との間に
目開き0.3mm ないし0.5mm のふるいを設け、あまりに微
細な粉末となった貝化石を除去して、養殖漁場に散布す
る際風にて飛散しないようにし、かつ底質改良剤である
貝化石をすみやかに水底まで沈降させるようにしたもの
が良い(図2参照)。
【0021】上記方法にて貝化石から作られた底質改良
剤は、次の2種類の方法にて養殖漁場に散布される。 養殖漁場の底に堆積している底土の厚み、総面積、
見掛け比重等の調査データがあれば、底土の総湿重量が
推定できるので、その総湿重量に対して0.5 〜5.0 重量
%、より好ましくは1.0 〜3.0 重量%の底質改良剤とし
ての貝化石量を算定し、それを上記総面積に対して均等
に散布する。
【0022】 における調査データがない場合に
は、養殖漁場となっている水面1m2あたり0.5Kg 〜10K
g、より好ましくは2.0Kg 〜5.0Kg の底質改良剤として
の貝化石を散布する。
【0023】次に、上記構成になる底質改良剤(以下S.
G という)の養殖漁場の改善効果を調査するため、以下
のような確認試験を行なう。 (1) pH, 溶存酸素濃度の経時変化確認試験 (2) 硫化物の減衰力確認試験 (3) 硫化物の発生抑制力確認試験 (4) 底質COD の改善力確認試験 (5) アオサに与える影響確認試験 (6) アサリに与える影響確認試験 (7) イシゴカイに与える影響確認試験−1 (8) イシゴカイに与える影響確認試験−2 (9) クルマエビに与える影響確認試験−1 (10)クルマエビに与える影響確認試験−2 (11)ムラサキイガイの卵発生に与える影響確認試験−1 (12)ムラサキイガイの卵発生に与える影響確認試験−2 また、供試物は以下に示す通りである。
【0024】供試海底底土は、三重県下の養殖漁場の海
底で採取した底土を低温保存したものを用いた。底土の
含水率は38.5%、硫化水素濃度は1.94mg/g(Dry) 、灼熱
減量は40.2%、COD は10.9mg/g(Dry) 、見掛け比重は1.
81であった。
【0025】供試海水は、徳島県沿岸で採取したものを
用いた。 供試生物 アオサ、アサリ、イシゴカイ、ムラサキイガイは、徳
島県沿岸で採取したものを用いた。
【0026】アサリは平均殻長21.98mm(14.91 〜29.50m
m)のものを用いた。イシゴカイは平均重量0.46g(0.17〜
0.80g)のものを用いた。ムラサキイガイは性成熟したも
のを用いた。
【0027】クルマエビは、鹿児島県で孵化した平均
体重0.86g(0.45〜1.59g)、平均体長5.5cm(4.5 〜7.2cm)
の稚エビを用いた。 (1)pH 、溶存酸素濃度の経時変化確認試験 養殖漁場の底土にS.G を所定重量比で混合し、試料
とする。
【0028】 1リットルビーカーに試料100gと0.45
μm 濾過材を通した後の海水(以下単に濾過海水とい
う)400gを良く混合し、5分間静置後、直ちに掘場製の
水質チェッカーU-10でpH、溶存酸素を測定し、更に、試
料を入れたビーカーをパラフィルムでシールし、暗くし
た20℃の恒温槽に静置し、24、48h 経過後に同様に測定
する。
【0029】 測定結果を表3、4に示す。
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】 上記の表3、4より、S.G の添加は海水単独あるいは底
土単独と差はほとんどなく、pH、溶存酸素濃度に悪影響
を与えることはないと言える。
【0032】(2) 硫化物の減衰力確認試験 硫化ソーダを添加し所定濃度の硫化水素濃度とした
濾過海水を1,000 ccを1リットルビーカーに入れる。
【0033】 S.G を添加しない、あるいは5%、10
%添加し、暗くした25℃の恒温槽に静置する。 所定時間経過ごとに硫化水素濃度を測定する。
【0034】 測定はJIS K-0102('93) 工場排水試験
方法による。 測定結果を表5に示す。
【0035】
【表5】 上記の表5より、S.G を添加した方が硫化水素の減衰は
早くなる。 (3) 硫化物の発生抑制力確認試験 養殖漁場の底土にS.G を所定重量比で混合し、試料
とする。
【0036】 1リットルビーカーに試料を50g 取
り、濾過海水950cc を加え、暗くした25℃の恒温槽に静
置する。 所定時間経過ごとに海水中の硫化水素濃度を測定す
る。
【0037】 測定はJIS K-0101('92) 工場排水試験
方法による。 測定結果を表6に示す。
【0038】
【表6】 上記の表6より、S.G を1%以上添加した場合、明らか
に硫化水素の発生は少なくなり、またその効果は速やか
に発現する。
【0039】(4) 底質COD の低減力確認試験 養殖漁場の底土にS.G を所定重量比で混合し、試料
とする。 1リットルビーカーに試料を200g取り、濾過海水を
800cc 添加し、25℃の恒温槽に静置する。
【0040】 所定時間経過ごとに試料のCOD を測定
する。 測定はJIS K-0101('92) 工場排水試験方法による。 測定結果を表7に示す。
【0041】
【表7】 上記の表7より、S.G を3%以上添加した場合、明らか
にCOD は少なくなり、またその効果は速やかに発現す
る。
【0042】(5) アオサに与える影響確認試験 養殖漁場の底土にS.G を所定重量比で混合し、試料
とする。 直径18cmのシャーレに試料100gを取り、濾過海水を
400cc 添加する。
【0043】 3cm角のアオサ切片を6枚入れ、3,00
0LX., 12D-12L で20℃の恒温槽に静置する。 24、48、96h 毎に2枚を取り出し、濾過海水で洗浄
し、エリスロシンBで染色する。
【0044】 エリスロシンBの染色状況からアオサ
細胞の損傷度を測定する。 測定結果を表8に示す。
【0045】
【表8】 上記の表8より、この試験ではアオサ細胞の損傷は見ら
れず、S.G はアオサに悪影響を与えることはないと判断
された。
【0046】(6) アサリに与える影響確認試験 養殖漁場の底土にS.G 底土混合物を200g取り、濾過
海水を800cc 添加する。
【0047】 アサリを5個体入れ、暗くした20℃の
恒温槽に静置する。48、96h 後に試料中への潜行状況
を、試料上に全てが見える場合を0%、一部が潜行して
いる場合を50%、完全に潜行している場合を100 %とし
て、アサリの潜行挙動を測定する。
【0048】 測定結果を表9に示す。
【0049】
【表9】 上記の表9より、S.G はアサリに悪影響を与えることは
ないと判断された。なお、本試験で斃死アサリは見られ
なかった。
【0050】(7) イシゴカイに与える影響確認試験−1 養殖漁場の底土にS.G ・底土混合物を200g取り、濾
過海水を800cc 添加する。
【0051】 イシゴカイを5匹入れ、暗くした20℃
の恒温槽に静置する。 48、96h 後のイシゴカイの挙動を測定する。 測定結果を表10に示す。
【0052】
【表10】 上記の表10により、S.G はイシゴカイに悪影響を与える
ことはないと判断された。なお、この試験で斃死するイ
シゴカイは見られなかった。
【0053】(8) イシゴカイに与える影響確認試験−2 養殖漁場の底土にS.G を所定重量比で混合し、試料
とする。 29×16.5×9.5(D)cmのポリエチレン水槽の中央部に
5×16.5×2.5(D)cmのポリエチレン製5mm目合のカゴを
置く。
【0054】 カゴの一方に試料を1,000g取り、対照
区とする。もう一方にも試料を1,000g取り、処理区とす
る。 水槽に濾過海水を静かに2,000cc 加える。
【0055】 イシゴカイ10尾を中央のカゴに入れ、
暗くした20℃の恒温槽に静置する。 24h 後のイシゴカイの移動状況を測定する。 この試験を2回繰り返す。
【0056】 測定結果は表11に示す。
【0057】
【表11】 上記の表11より、S.G を添加した試験区に、明らかにイ
シゴカイは集まるものと判断された。またこの結果は、
2 検定により対照区と処理区を比較すると、S.G を3
%以上添加した場合、有意水準95%で有意差が認められ
ることからも確認された。なお、この試験で斃死するイ
シゴカイは見られなかった。
【0058】(9) クルマエビに与える影響確認試験−1 養殖漁場の底土にS.G を所定重量比で混合し、試料
とする。 1リットルビーカーにS.G ・底土混合物を200g取
り、濾過海水を800cc 添加する。
【0059】 クルマエビを5匹入れ、暗くした20℃
の恒温槽に静置する。 24、48h 後のクルマエビの挙動を測定する。 測定結果を表12に示す。
【0060】
【表12】 上記の表12より、S.G はクルマエビに悪影響を与えるこ
とはないと判断された。なお、この試験で斃死、衰弱す
るクルマエビは見られなかった。
【0061】(10)クルマエビに与える影響確認試験−2 養殖漁場の底土にS.G を所定重量比で混合し、試料
とする。 29×16.5×9.5(D)cmのポリエチレン水槽の中央部に
5×16.5×2.5(D)cmのポリエチレン製5mm目合のカゴを
置く。
【0062】 カゴの一方に試料を1,000g取り、対照
区とする。もう一方にも試料を1,000g取り、処理区とす
る。 水槽に濾過海水を静かに2,000cc 加える。
【0063】 クルマエビ10尾を中央のカゴに入れ、
暗くした20℃の恒温槽に静置する。 24h 後のクルマエビの移動状況を測定する。 この試験を2回繰り返す。
【0064】 測定結果を表13に示す。
【0065】
【表13】 上記の表13より、X2 検定では有意差は明らかとはなら
なかったが、S.G を添加した処理区に集まる傾向が認め
られた。
【0066】(11)ムラサキイガイの卵発生に与える影響
確認試験−1 ムラサキイガイより採取した卵と精子を媒精後よく
洗浄する。 底土4g と濾過海水16g をよく混合し、超音波洗浄
器で10分間処理する。処理後10分間静置し、その上澄み
を試料とする。同様にS.G 4g と濾過海水16gをよく混
合し、同操作により試料を調整する。
【0067】 各試料をそのまま、あるいは希釈し、
ムラサキイガイの受精卵を入れ、暗くした20℃の恒温槽
に静置する。 24、48h 後の卵発生挙動を測定する。
【0068】 測定結果を表14に示す。
【0069】
【表14】 上記の表14により、全て正常な発生が見られ、S.G はム
ラサキイガイの卵発生に悪影響を与えることはないと判
断された。
【0070】(12)ムラサキイガイの卵発生に与える影響
確認試験−2 養殖漁場の底土にS.G を所定重量比で混合し、試料
とする。 ムラサキイガイより採取した卵と精子を媒精後よく
洗浄する。
【0071】 9cmシャーレに試料10g と濾過海水40
ccを加え、よく混合し10分間静置する。試料を覆うよう
に40μm 目合のミューラーガーゼを敷く。 24、48h 後の卵発生挙動を測定する。
【0072】 測定結果を表15に示す。
【0073】
【表15】 上記の表15により、全て正常な発生が見られ、S.G はム
ラサキイガイの卵発生に悪影響を与えることはないと判
断された。
【0074】なお、本実施例では海底質及びそれに接す
る水質についてのみ説明したが、湖沼、河川、池等につ
いても本発明を適用できることは言うまでもない。
【0075】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の底質及び
それに接する水質の改善方法によれば、目開き2mmのふ
るいを全通させた貝化石を、水底に堆積している底土の
湿重量に対して0.5 〜5.0 重量%、より好ましくは1.0
〜3.0 重量%の比率で散布すると、貝化石の粒径が2mm
より若干小さい程度なので、その大半は風、波や水流等
により大きく影響されずに沈降し、すみやかに水底に達
する。この水底に達した貝化石は、底土中のマイナス要
因たる硫化物、CODをすみやかに減衰させ、かつプラ
ス要因たる溶存酸素濃度に影響を与えず、しかも貝化石
自身水よりも若干pHが高い程度であるためにpHを上
げるまでに至らず、水底に定着している水産動・植物に
対しても、悪影響を与える点が認められず、逆に有意点
が認められる。従って、養殖漁場及びその周辺の環境を
変えることなく、ヘドロ化した水底環境を改善し、しか
もヘドロの処分やその時の水の汚れや代替養殖漁場の用
意などが必要なく、かつそれらにかかる手間・費用も安
価となる底質及びこれに接する水質を改善することがで
きる効果がある。
【0076】また、水底に堆積している底土量を推定で
きない場合には、水面1m2 あたり貝化石を0.5Kg 〜10
Kg、より好ましくは2.0Kg 〜5.0Kg 散布しても、上記と
同様な作用をする。従って、底土量を推定できなくて
も、上記と同様な効果を得ることができる。
【0077】更に、貝化石が、富山県高岡市にある富山
鉱山と国土高岡鉱山及び日本海鉱業とから産出したもの
であると、上記の作用・効果を確実に具現化することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】底質改良剤の製造工程を示すフロシート図。
【図2】底質改良剤の粒度分布を示す分布図。
【符号の説明】
1 粗砕機 2 ふるい 3 ロータリードライヤー 4 ふるい 5 クーラー 6 製品サイロ 7 製品

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石灰質や珪酸等からなる各種ネクトン、
    プランクトン、藻類、海草等が埋没して堆積し、腐植溶
    性を帯びた結晶体となった貝化石を粒径5mm程度に破砕
    し、170 ℃〜270 ℃以内の熱処理によりその水分を蒸発
    させ、目開き2mmのふるいを全通させてなる底質改良剤
    を、養殖漁場の底に堆積している底土の湿重量に対して
    0.5 〜5.0 重量%、より好ましくは1.0 〜3.0 重量%の
    比率で散布してなることを特徴とする底質及びそれに接
    する水質の改善方法。
  2. 【請求項2】 石灰質や珪酸等からなる各種ネクトン、
    プランクトン、藻類、海草等が埋没して堆積し、腐植溶
    性を帯びた結晶体となった貝化石を粒径5mm程度に破砕
    し、170 ℃〜270 ℃以内の熱処理によりその水分を蒸発
    させ、目開き2mmのふるいを全通させてなる底質改良剤
    を、養殖漁場となっている水面1m2あたり0.5Kg 〜10K
    g、より好ましくは2.0Kg 〜5.0Kg 散布してなることを
    特徴とする底質及びそれに接する水質の改善方法。
  3. 【請求項3】 前記貝化石は、富山県高岡市にある富山
    鉱山と国土高岡鉱山及び日本海鉱業とから産出したもの
    である請求項1又は2記載の底質及びそれに接する水質
    の改善方法。
JP6074664A 1994-04-13 1994-04-13 底質及びそれに接する水質の改善方法 Pending JPH07275841A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001028930A1 (fr) * 1999-10-19 2001-04-26 Seiya Nishio Agent ameliorant la qualite de l'eau et procede de fabrication de cet agent
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JP2012130830A (ja) * 2010-12-20 2012-07-12 Hiroshima Univ 泥質干潟の改善方法

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