JPH07275647A - 高効率排ガス処理装置と方法 - Google Patents

高効率排ガス処理装置と方法

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JPH07275647A
JPH07275647A JP6960094A JP6960094A JPH07275647A JP H07275647 A JPH07275647 A JP H07275647A JP 6960094 A JP6960094 A JP 6960094A JP 6960094 A JP6960094 A JP 6960094A JP H07275647 A JPH07275647 A JP H07275647A
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dust
exhaust gas
gas
heat exchanger
dust collector
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JP6960094A
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English (en)
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Hiroyuki Kako
宏行 加来
Naruhito Takamoto
成仁 高本
Shigeru Nozawa
滋 野澤
Masakatsu Nishimura
正勝 西村
Ryuichiro Hiruta
龍市郎 蛭田
Fumito Nakajima
史登 中島
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Mitsubishi Power Ltd
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Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱交換器に堆積するダスト量を大幅に低減す
ることができ、しかも高い集塵性能を確保する排煙脱硫
装置と方法を提供すること。 【構成】 ボイラ1などの燃焼装置からの排ガスを集塵
して脱硫するに際して、脱硫装置7の入口および出口ガ
スを熱交換する熱交換器4のガス冷却部5を二つに分け
た集塵装置3の中間部に設置する。集塵装置3の中間部
に熱交換器4のガス冷却部5を入れることによって熱交
換器4に堆積するダスト量を大幅に低減することがで
き、高圧空気またはスチームによるスートブローを可能
とし、同時に排ガスを冷却することで石炭灰などの電気
抵抗値の高いダストの電気抵抗値を適正な範囲まで低減
し、しかもガスの容積が減少することで、高い集塵性能
を確保するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は燃焼装置と排ガス処理装
置からなるシステムにおいて排ガス中のダスト量を低減
するのに好適な排ガス処理システムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ボイラなどの燃焼装置において、化石燃
料の燃焼に伴って発生する排ガス中のNOx、ダストお
よびSO2は、大気汚染・酸性雨などの地球的な環境問
題の主原因の一つである。このため、火力発電所には排
煙中からNOxを除去する脱硝装置、ダストを除去する
集塵装置およびSO2を除去する脱硫装置が設置されて
いる。特に発電用の大型ボイラなどの集塵装置は電気集
塵装置が主流であり、脱硫装置には、比較的安価な炭酸
カルシウムなどのカルシウム化合物を脱硫剤として用い
る方法が最も多く採用されている。これらの排ガス処理
システムのうち、ダスト除去機能を持つのは集塵装置と
脱硫装置である。石炭焚きの場合、排ガス中には20g
/m3N から40g/m3Nのダストが含まれており、
集塵装置の出口においては排ガス中のダスト濃度は50
g/m3Nから150g/m3Nまで除去される。さらに
脱硫装置の出口においてはダスト濃度は10mg/m3
Nから20g/m3Nまで低減される。近年、ボイラな
どの排ガスにおいては、さらに厳しいダスト濃度の低減
が要求されており、排ガス中のダスト濃度を10mg/
3N以下にすることが求められている。
【0003】図6に火力発電所における従来の排ガス処
理システムの例を示す。石炭などの燃料は発電用ボイラ
1で燃焼され、燃焼排ガスは空気予熱器2に導かれる。
空気予熱器2では燃焼用空気を排ガスと熱交換すること
で、この燃焼用空気を加熱して排ガスの熱回収を図って
いる。空気予熱器2を出た排ガスの温度は約150℃付
近であり、この排ガスは集塵装置3に入りダストが除去
される。集塵装置3を出た排ガスは脱硫装置7の入口排
ガスおよび出口排ガスの間で熱交換している熱交換器4
のガス冷却部5を通り、脱硫装置7に入る。脱硫装置7
を出たガスは熱交換器4のガス加熱部6を通り送風機8
に導かれる。この熱交換器4は脱硫装置7の入口排ガス
温度を下げる目的で設置されている。脱硫装置7内にお
いて、吸収液中の水は比較的温度の高い排ガスと接触し
て蒸発することになるが、排ガス温度を下げることによ
り蒸発水量を低減することができる。また、脱硫装置7
内においては吸収液中の水分の蒸発により、脱硫装置7
の出口排ガスは飽和水分を含むことになる。そこで脱硫
装置7の出口では、ガスの温度が少しでも低下すると水
分が凝縮する。この凝縮水分中に含まれる酸性物質のた
めに脱硫装置出口ダクトから煙突10までの間に配置さ
れる機器類が腐食するのを防止するため、熱交換器4の
ガス加熱部6を設置して、水が凝縮しないようにしてい
る。ガス加熱部6を出たガスは、さらに送風器9で煙突
10に送られて大気へ放出される。
【0004】また、集塵装置3は一般に電気集塵装置が
用いられており、電気集塵装置における集塵性能は図3
に示すようにダストの電気抵抗に大きく影響される。図
3に示すように、電気抵抗値が約1×105から1×1
10Ωcmの範囲であれば集塵性能は正常であり、安定
した高い集塵性能が得られる。電気集塵は高電圧により
放電極と集塵極の間でコロナ放電を起こさせて、ガス中
に発生した負のイオンをダストに付着させ、正に帯電し
た集塵極へこのダストを引きつけ捕集する方法である。
ダストの電気抵抗が約1×105Ωcm以下になると、
集塵極に到達したダストは電気抵抗値が小さいため、す
ばやく電荷放出して付着力を失い再飛散する。またダス
トの電気抵抗が約1×1010Ωcm以上になると集塵極
に到達したダストは電気抵抗値が大きいため、電荷を失
わずに堆積量の増加と共に荷電量が増加し、集塵極との
間でコロナ放電を起し、発生した正イオンにより放電極
が中和されるため、集塵性能が急速に低下する。
【0005】また、石炭燃焼で生成する石炭灰の場合の
電気抵抗値の一例を温度との関係で図4に示した。石炭
灰は200℃付近で最も電気抵抗値が高く、これより温
度を下げても上げても電気抵抗値は小さくなる。空気予
熱器2の後流の排ガスダクトに設置された集塵装置3の
入口ガス温度は約150℃であり、石炭灰の電気抵抗値
が1×1010Ωcmを超えており、高い集塵性能を得る
ことは難しい。そこで排ガスの温度を低下させるか、逆
に高めることにより石炭灰の電気抵抗値を低減させるこ
とが望ましい。排ガス温度を低下させるとガスの容積が
減少し、集塵装置3内でのガスの滞留時間が増加するた
め、この面からも集塵性能が向上する。そのため脱硫装
置7の出口の低温ガス(約50℃)を湿式の電気集塵装
置に導き、排ガス中のダスト量を10mg/m3N以下
に低減する方法があるが、この方法では新しい設備の追
加およびこれに伴う運転コストの増大が問題となる。
【0006】さらに熱交換器4のガス加熱部6を集塵装
置3の前段に設置して排ガスを冷却する方法があるが、
排ガス中のダスト量が多く、熱交換器4の伝熱管に付着
して伝熱性能を低下させる問題がある。伝導管に付着し
たダストを除くため高圧空気などによるブローを行って
もダスト量が多く、しかもダストの粒径が比較的大きい
ため多量の空気などを必要とし、また高圧空気のブロー
時に多量のダストが飛散するため、一時的に集塵装置3
の出口ダスト量が増加する問題がある。ボイラシステム
において、ボイラの出口に集塵装置を置く場合がある。
ボイラ出口の排ガス温度は350℃から400℃付近で
あり、この場合は図4に示したように電気抵抗値が下が
るため、安定した高い集塵性能を維持することができ
る。また集塵装置の後続に脱硝触媒を置くことで、脱硝
装置のダストによる摩耗を低減することができ、実用化
されている例もある。しかしながら排ガス温度が高いた
めガスの容積が大きく、これに伴って集塵装置のサイズ
も大きくなり、またこれに伴い熱損失が大きくなる問題
がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ボイラシステムにおい
て排ガスからのダストおよび硫黄酸化物(SO2)を除
去するために、図6に示す排ガス処理装置では、空気予
熱器2の後流側に集塵装置3および脱硫装置7を設置し
ている。脱硫装置7の出口ガスは飽和水分を含むため、
入口ガスと熱交換器4で熱交換することで昇温し水分の
凝縮を防止している。この熱交換器4にはヒートパイ
プ、熱媒、蓄熱方式などが用いられる。集塵装置3の入
口ガス温度は約150℃付近であり脱硫装置7の入口、
出口のガス温度はそれぞれ100℃および50℃付近で
ある。脱硫装置7の出口の熱交換器4を出たガスの温度
は約100℃付近である。集塵装置3として通常電気集
塵装置が用いられるが、この装置の集塵効率を高めるに
は、ダストの電気抵抗値を図3に示したように1×10
5〜1010Ωcm程度に保ち、イオン化したダストが排
ガス中から集塵極へ移動する時間を確保するため、装置
内のガスの滞留時間を長く取ることが望ましい。
【0008】そのためには集塵装置3内のガスの温度を
低減する方法が有効である。産炭地によって石炭灰の性
状は大きく異なり、電気抵抗値が1×1010Ωcmを超
えるものも多い。代表例を図4に示したが、何れの石炭
灰も温度を下げることでこの電気抵抗値が減少し、高い
集塵性能を維持することができる。また集塵装置3内の
温度を下げると、ガスの容積が減少するため、ガス流速
が遅くなり、集塵装置3内でダストを含む排ガスの滞留
時間を長く保ち、集塵性能を向上させることができる。
集塵装置3内のガス温度を低下させる方法として脱硫装
置7の入口側(集塵装置の出口側)と出口側で熱交換し
ている熱交換器4のガス冷却部5を、これまで設置して
いた集塵装置3の出口側から入口側に変更する方法が考
えられる。石炭を燃料とした場合、排ガス中のダスト濃
度は20から40g/m3Nと非常に高く、集塵装置3
の入口側に熱交換器4を設置すると、多量のダストが熱
交換器4の伝熱面に堆積して伝熱を阻害させる問題が発
生する。特にこの熱交換器4の伝熱面と排ガスとの温度
差が小さく、低温排ガスから熱を回収するために、熱交
換器4は伝熱面を広くして伝熱量を確保したフィン構造
などを採用している。フィン構造はフィンの間隔を狭く
して伝熱面を確保しているため特にダストが溜まりやす
い。このダストを定期的に取るためには、高圧空気また
は高圧スチームによるスートブロー方式などが考えられ
る。ところがダスト量が多くしかもダストの平均粒径が
大きいため、空気、スチームなどの使用量を多くしない
と十分にダストを除去することができない。さらにブロ
ーする頻度も多くする必要がある。またダスト量も多
く、ダスト粒径も大きいため、部分的には伝熱面が摩耗
する問題がある。さらにダストを除去するブロー操作を
行うと、一次的にダストの飛散量が増加するため、集塵
装置3の性能は、この飛散量が増加した最大ダスト量を
基準に設計しなければならず、装置が大型化する問題が
ある。また、前記最大ダスト量を低減するためにはダス
トの除去操作を頻繁に行わなければならず、何れも問題
となる。
【0009】そこで鉄球などの剛体をフィンに落下さ
せ、ふるい落とす方法が提案されている。これは鉄球を
伝熱管の上部から伝熱管に取り付けられたフィンに落下
させフィンに付着したダストを除去し、下部でこの鉄球
を回収してダストを分離した後、コンベアなどを用いて
伝熱管の上部まで持ち上げ、再び落下させる方法であ
る。この方法の問題点は鉄球を全伝熱管のフィンに均一
に落下させることが難しく、部分的にダストが除去でき
ない領域が発生するため、伝熱面積をこの方法を採用し
ない場合より10から30%程度大きくする必要があ
る。またダストはその堆積量も場所によって異なり、特
に熱交換器4における排ガスの入口側、熱交換器4内の
底部およびコーナ部などガスの淀む部分に多く堆積す
る。しかしながら鉄球等を落下させる方式では高さ方向
で落下量を制御することはできず、部分的にダストの堆
積量の多い場所に集中的に鉄球を送り、除塵性能を高め
るなどの操作を実施することは難しい。また鉄球が伝熱
管のフィンに激しく衝突するためフィンの摩耗および鉄
球の摩耗が発生する。フィンの摩耗は鉄球が落下する部
分およびダストの堆積量が少ない部分で局部的に発生
し、フィンおよび鉄球ともに定期的に交換しなければな
らない。また鉄球の落下による衝撃でフィンと伝熱管と
の接続部が剥離して熱交換器4の伝熱量が大幅に低下す
る問題もある。そこで本発明の目的は集塵装置内のガス
の滞留時間を十分に確保し、高い捕集性能を維持するこ
とである。また、本発明の目的は熱交換器の伝熱管等の
表面に堆積するダスト量を減少させることである。さら
に、本発明の目的は排ガス中の石炭灰などの電気抵抗値
の高いダストの電気抵抗値を適正な範囲まで低減し、し
かもガスの容積を減少させて高い集塵性能を確保するこ
とである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は次の
構成によって達成される。すなわち、ボイラ等の燃焼装
置からの排ガスの流路に脱硝装置と脱硫装置を配置した
排ガス処理装置において、脱硫装置の前流側の排ガス流
路に二段に分けた集塵装置を配置し、その中間部に熱交
換器のガス冷却部を配置し、脱硫装置の後流側の排ガス
流路に熱交換器のガス加熱部を配置した高効率排ガス処
理装置である。本発明の高効率排ガス処理装置では、二
段に分けた集塵装置の前段集塵装置を脱硝装置の前流側
の排ガス流路に配置した構成としても良い。また、本発
明の上記目的は次の構成によって達成される。すなわ
ち、ボイラ等の燃焼装置から排出する排ガス流路を浄化
する排ガス処理方法において、排ガスを第一次集塵処理
し、その後冷却して、第二次集塵処理した後、脱硫処理
する高効率排ガス処理方法である。本発明の高効率排ガ
ス処理方法では、排ガスの第一次集塵処理を脱硝処理前
に行っても良い。また、排ガスの第一次集塵処理後に行
う冷却は脱硫処理後の排ガスとの熱交換により行う方法
を採用しても良い。
【0011】例えば、石炭を燃料としたボイラシステム
における電気集塵装置の入口ダスト濃度は20から40
g/m3N程度であり、ダストの平均粒子径は30から
50μm程度である。電気集塵は高電圧により放電極と
集塵極の間でコロナ放電をおこさせ、ガス中に発生した
負イオンをダストに付着させイオン化し、正に帯電した
集塵極へ引きつけ捕集する方法である。集塵装置内はダ
ストの排ガス中から集塵極への移動時間を確保するため
に、ガスの滞留時間を10から20秒程度としており、
ガス流速は集塵装置入口側では15から20m/sであ
るのに対し集塵装置内部では1から1.5m/sと遅い
流速になっている。そこで入口付近の集塵器内ではダス
ト中に含まれる粒子が、自重により自然沈降し、集塵さ
れる現象も同時に起こっている。電気集塵装置内にはガ
ス流方向に複数の放電極と集塵極が取り付けられおり、
その入口側では粗いダストが分離され、出口側に行くに
従って細かいダストが分離される。特に細かいダストは
ガス流により、その流れ方向の力を大きく受けるため、
集塵極まで移動するのに長い時間を必要とする。集塵装
置の入口付近におけるダストの平均粒径は30から50
μm程度と大きく、沈降分離、慣性分離の作用も働くた
め容易にダストを除去することができるが、出口付近に
なると平均粒径が約10μm以下の細かい粒子となるた
め、除去が難しくなる。そのため集塵装置内のガスの滞
留時間を十分に確保し、高い捕集性能を維持している。
特に細かい粒子の除去が全体の集塵性能を支配すること
になるため、ダストの平均粒径が約10μm以下になる
領域のガス温度を150℃付近から100℃付近まで低
減すると、ダストの電気抵抗値が下がり、図3に示す正
常な集塵領域に入るため安定した高い集塵性能が得られ
る。また温度を下げることにより、ガスの容積が低減さ
れ、流速が遅くなりガスによる同伴力も弱くなるため、
またガスの滞留時間も十分確保されるため、高い集塵性
能を維持することができる。
【0012】図5に石炭灰および重油灰を電気集塵装置
に導入した場合のダストの平均粒径と集塵率の関係を示
す。ダストの平均粒径が10μm以下になる領域は集塵
性能で約90%のダストが除去される領域であり、また
ダストの平均粒径が10μm以下のダスト量も全体のダ
スト量中に占める割合が少ないため設置された伝熱管の
表面あるいは伝熱管にフィンを取り付けている場合で
も、このフィンの上に堆積するダスト量は少ない。しか
も自然沈降する大きな粒子は前段の集塵部で既に捕集さ
れて、細かい粒子となっているため、このダストを除去
する動力は少なくて良い。そのため通常のスートブロー
で十分に除去することができる。すなわちスートブロー
に用いる高圧空気またはスチーム量も少なくてよい。
【0013】
【作用】本発明はボイラなどの燃焼装置、空気予熱器、
集塵装置、脱硫装置、脱硫装置の入口および出口ガスを
熱交換する熱交換器からなる排ガス処理システムにおい
て、熱交換器のガス冷却部を二つに分けた集塵装置の中
間部に設置することを特徴としたものである。集塵装置
は一般に電気集塵装置が用いられているが、この集塵装
置を前後二つに分け、その中間部に熱交換器を入れるこ
とによって熱交換器に堆積するダスト量を大幅に低減す
ることができ、高圧空気またはスチームによるスートブ
ローを可能とし、同時に排ガスを冷却することで石炭灰
などの電気抵抗値の高いダストの電気抵抗値を適正な範
囲まで低減し、しかもガスの容積が減少することで、高
い集塵性能を確保するものである。
【0014】
【実施例】本発明の実施例を図面とともに説明する。 実施例1 図1に本発明に基づく実施例を示す。ボイラ1から排出
される排ガスは空気予熱器2で燃焼用に用いる燃焼用空
気を加熱することで冷却されてその温度は約150℃程
度になる。石炭焚きの場合、石炭中の灰分量および硫黄
分量により異なるが、この排ガス中には一般に20から
40g/m3Nのダストと300から3000ppmの
SO2を含んでいて、後続の集塵装置3および脱硫装置
7により除去される。これらの物質が除去されて清浄化
された排ガスは、送風機8、9を通り煙突10から大気
へ排出される。脱硫装置7の前後のダクト間には熱交換
器4が取付けられており、熱交換器4のガス冷却部5は
集塵装置3の中間部に設置され、熱交換器4のガス加熱
部6は脱硫装置7の出口側の二つの送風機8、9間のダ
クトに配置される。そしてこの熱交換器4を用いて脱硫
装置7の入口排ガスが持つ熱量で脱硫装置7の出口排ガ
スを加熱している。脱硫装置7内では微粉石灰石を含む
水溶液と排ガスを接触させることで、排ガス中に含まれ
るSO2を吸収除去しているため、脱硫装置7から出る
排ガスは飽和水分を含んでおり、僅かに温度が低下して
も水が凝縮し、ダクトや送風機8、9などの腐食の原因
となる。また低温の排ガスは煙突10からの拡散が悪
く、このことからも熱交換器4を用いて加熱する必要が
ある。熱交換器4のガス冷却部5は集塵装置3の中間部
に設置され、低温ガスを対象にしているため、伝熱面積
が大きい構造を採用しており、その伝熱方式は伝熱管フ
ィンが取付けられたヒートパイプおよび熱媒体方式ある
いは薄い蓄熱板を多層に組合わせた蓄熱方式が一般に用
いられる。
【0015】集塵装置3としては一般に電気集塵装置が
用いられている。排ガスは集塵装置3に入ると前段の集
塵部3aで平均粒径は30から50μm程度の大きなダ
ストが捕集される。この前段の集塵部3aの集塵率は全
体の約90%程度である。また、前段集塵部3aでのダ
ストの捕集は荷電によるものと粒径が大きいダストの自
然沈降によるものとがある。前段集塵部3aを出た排ガ
スは熱交換器4に導かれるが、この中のダスト粒径は図
5に示すように平均で10μm程度である。大きな粒径
を有するダストは自然沈降するため図示しない伝熱管フ
ィンあるいは蓄熱板上に堆積しやすく、また慣性力でガ
ス流から分離しやすい性質を持つため、ガスがよどんだ
部分に多量に堆積する性質がある。すなわち局部的に見
るとダストの伝熱管フィンあるいは蓄熱板上の堆積量が
大きく異なるが、これらの大きな粒径のダストは前段の
集塵部3aで大部分除去されるため、上記としたガスが
よどんだ部分に多量に堆積する問題はない。平均粒径が
10μm以下程度の粒子は粒径が小さいため、容易に排
ガスに同伴され下流に流れるため伝熱管フィンあるいは
蓄熱板上に堆積するダスト量は非常に少ない。また粒径
が小さいダストはガス流から分離しにくいため、局部的
に片寄って堆積することも少ない。そこでこれらの粒径
が小さいダストは高圧空気あるいはスチームによるスー
トブローにより、容易に除去することができる。こうし
て伝熱管フィンあるいは蓄熱板上のダストを除去するこ
とにより、排ガスが持つ熱量を安定的に回収することが
でき、排ガス温度は約150℃程度から100℃程度ま
で低減され、後段の集塵部3bに送られる。
【0016】既に述べたように図3に集塵率と電気抵抗
との関係、図4に石炭灰の温度とその電気抵抗値の関係
を示しているが、石炭灰は電気抵抗値が大きいため逆電
離現象により再飛散するものが多く、電気抵抗値を下げ
る必要がある。最近ではボイラの燃焼効率を高める技術
が進んでいるため、石炭灰中の未燃分(炭素分)が減少
する傾向にある。石炭灰中の導電性の炭素分が減少する
と、さらにその電気抵抗値が増加する。熱交換器4によ
り排ガス温度が低減されると、図4に示すように電気抵
抗値が下がり、安定した高い集塵性能を保ことができ
る。またガス温度の低下によりガス容積が低下し、集塵
装置3内の滞留時間が長くなり、この面からも集塵性能
が向上する。集塵装置3は電気集塵装置を対象として説
明したが前段集塵部3aを電気集塵またはサイクロン、
後段集塵部3bを電気集塵またはバグフィルタとしても
良い。
【0017】なお、特公平4−24109号記載の発明
では熱交換器のガス冷却部の一部を用いて電気集塵装置
3の電極を冷却する、水冷電極を用いる方法を提案して
いる。これに対し本発明では排ガス流路内に電気集塵装
置3、熱交換器4のガス冷却部5、電気集塵装置3の順
に設置し一体化した設備であり前記公報記載の発明とは
基本的に構成が異なる。言い換えると本実施例で言え
ば、電気集塵装置3の性能を高めるに、微細なダストを
捕集する後段の集塵部3b(例えば電気集塵機からな
る)の集塵性能を高めることが本発明の重要な要点であ
る。そのために脱硫装置7の入口側のダクトに熱交換器
4のガス冷却部5を取り付け、後段の集塵部3bの入口
温度を下げることでダストの電気抵抗値を下げ、さらに
ガス容積を低減していることに特徴がある。熱交換器4
のガス冷却部5は低温ガスをさらに冷却するために大き
な伝熱面積が必要であり、本実施例ではフィン付伝熱管
(図示せず)を用いている。フィン付伝熱管はダストが
堆積しやすいため、この熱交換器4の前段に集塵部3a
を取付け、堆積するダスト量を低減する構成としたもの
である。
【0018】実施例2 図2に本発明の他の実施例を示す。図2のボイラ1から
出る350から400℃の排ガスを、まず高温集塵装置
11に入れ、排ガス中のダストを約90%除去し、比較
的粒径の粗いダストを取り除き、脱硝装置12および空
気予熱器2に導くものである。そして、空気予熱器2の
後流部に熱交換器4のガス冷却部5と集塵装置3と脱硫
装置7を順に配置する。脱硫装置7の後流側に熱交換器
4のガス加熱部6を配置する。このガス加熱部6の前後
に図1と同様に送風機8、9を配置して、清浄化したガ
スを煙突10から排出させる。図4に示したように35
0から400℃の温度範囲ではダストの電気抵抗も1×
1010Ωcm以下に低減することができるため、図3に
示すように正常な範囲で集塵することができる。脱硝装
置12の前段で排ガス中のダストを除去することにより
脱硝装置12では、その脱硝性能の低下あるいはダスト
によるつまりが防止できる。また空気予熱器2のダスト
付着による伝熱量の低下あるいはダストのつまりも防止
する。この脱硝装置12の後段の熱交換器4のガス冷却
部5でガス温度を100℃程度まで冷却するが、排ガス
中のダストが大部分除去されているため、このガス冷却
部5もダストの付着による伝熱量の低下や、つまりが大
幅に低減され、簡単なスートブローを行うことで安定し
た性能を維持することができる。この排ガスはさらに後
続の集塵装置3に導かれる。集塵装置3では排ガス温度
が約100℃程度まで下がっているために、図4に示し
たようにダストの電気抵抗値もほぼ1×1010Ωcm以
下に下げることができ、図3に示す正常な範囲で高い集
塵性能を確保することができる。また集塵装置3内の排
ガスは比較的温度が低いことからガスの容積も減少して
おり、集塵装置3内でのガスの滞留時間を十分に確保す
ることができるため、この面からも集塵性能が向上する
ことになる。
【0019】このように、本発明の上記実施例によれ
ば、ボイラ1からの排ガスは一般に空気予熱器2、集塵
装置3、脱硫装置7、脱硫装置7の入口ガスおよび出口
ガスを熱交換する熱交換器4を通るシステムから構成さ
れるが、熱交換器4のガス冷却部5を集塵装置3の中間
部または高温集塵装置11と集塵装置3の間に設置する
ことにより下記に示す効果がある。 (1)熱交換器4のガス冷却部5の前段に設置されてい
る前段集塵部3a(実施例1)または高温集塵装置11
(実施例2)では、排ガスに含まれるダストの約90%
が除去され、特に粗い粒子が除去されることになる。そ
のため後続に設置した熱交換器4のガス冷却部5に入る
排ガス中のダストは量は少なく、しかも粒径が小さいた
めスートブローに必要なガス量も少なく、ブロー時に発
生する一次的な飛散ダストの増加も少なく、容易に通常
のスートブロー方式を用いることができる。また、こう
してダストの粒径が小さいなるとスートブローに必要な
ガス量も少なくて良く、ブロー時に発生する一次的な飛
散ダストの増加も少なくなる。 (2)全体の集塵性能を決定するのは後段の集塵部3b
(実施例1)または集塵装置3(実施例2)であるが、
この部分に入る排ガスは既に熱交換器4のガス冷却部5
で冷却されているため、ダストの電気抵抗値も低減して
おり安定な高い集塵性能を維持することができる。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、熱交換器のガス冷却部
を二つに分けた集塵装置の中間部に設置することにより
前段集塵部では、排ガスに含まれるダストの約90%が
除去され、特に粗い粒子が除去される。また、熱交換器
に堆積するダスト量は大幅に低減され、ダストの粒径も
小さくなり、スートブローに必要なガス量も少なくて良
く、ブロー時に発生する一次的な飛散ダストの増加も少
なくなる。また、全体の集塵性能を決定する後段の集塵
部では排ガスは既に熱交換器で冷却されているため、ダ
ストの電気抵抗値も低減しており、安定な高い集塵性能
を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に基づく実施例の排ガス処理システム
を示す図。
【図2】 本発明に基づく他の実施例の排ガス処理シス
テムを示す図。
【図3】 ダストの電気抵抗値と正常な集塵範囲を示す
図。
【図4】 石炭灰の温度に対する電気抵抗値を示す図。
【図5】 ダストの平均粒径と電気集塵装置における集
塵率を示す図。
【図6】 従来法の排ガス処理システムを示す図。
【符号の説明】
1…ボイラ、2…空気予熱器、3…集塵装置、4…熱交
換器、5…ガス冷却部、6…ガス加熱部、7…脱硫装
置、8、9…送風機、10…煙突、11…高温集塵装
置、12…脱硝装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 53/56 B03C 3/01 B01D 53/34 129 Z B03C 3/01 Z (72)発明者 西村 正勝 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 蛭田 龍市郎 東京都千代田区大手町二丁目6番2号 バ ブコック日立株式会社内 (72)発明者 中島 史登 東京都千代田区大手町二丁目6番2号 バ ブコック日立株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボイラ等の燃焼装置からの排ガスの流路
    に脱硝装置と脱硫装置を配置した排ガス処理装置におい
    て、 脱硫装置の前流側の排ガス流路に二段に分けた集塵装置
    を配置し、その中間部に熱交換器のガス冷却部を配置
    し、脱硫装置の後流側の排ガス流路に熱交換器のガス加
    熱部を配置したことを特徴とする高効率排ガス処理装
    置。
  2. 【請求項2】 二段に分けた集塵装置の前段集塵装置を
    脱硝装置の前流側の排ガス流路に配置したことを特徴と
    する請求項1記載の高効率排ガス処理装置。
  3. 【請求項3】 ボイラ等の燃焼装置から排出する排ガス
    の流路を浄化する排ガス処理方法において、 排ガスを第一次集塵処理し、その後冷却して、第二次集
    塵処理した後、脱硫処理することを特徴とする高効率排
    ガス処理方法。
  4. 【請求項4】 排ガスの第一次集塵処理を脱硝処理前に
    行うことを特徴とする請求項3記載の高効率排ガス処理
    方法。
  5. 【請求項5】 排ガスの第一次集塵処理後に行う冷却は
    脱硫処理後の排ガスとの熱交換により行うことを特徴と
    する請求項3または4記載の高効率排ガス処理方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011125814A (ja) * 2009-12-18 2011-06-30 Babcock Hitachi Kk 排ガス処理方法
CN108993077A (zh) * 2018-08-23 2018-12-14 什邡鑫时代环保科技有限公司 一种具有自动除尘功能的智能尾气排放系统
CN109011851A (zh) * 2018-08-23 2018-12-18 什邡鑫时代环保科技有限公司 硫酸工业中尾气排放用的偏心式环保除尘装置

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