JPH07275262A - 医療用チューブおよびそれを備える診療装置 - Google Patents

医療用チューブおよびそれを備える診療装置

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JPH07275262A
JPH07275262A JP6100694A JP10069494A JPH07275262A JP H07275262 A JPH07275262 A JP H07275262A JP 6100694 A JP6100694 A JP 6100694A JP 10069494 A JP10069494 A JP 10069494A JP H07275262 A JPH07275262 A JP H07275262A
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JP
Japan
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tube
medical
instrument
coating layer
medical tube
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JP6100694A
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English (en)
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Koichi Yamazaki
晃一 山▲崎▼
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J Morita Manufaturing Corp
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J Morita Manufaturing Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 滑走性および耐摩耗性に優れた医療用チュー
ブおよびそれを用いる診療装置を提供する。 【構成】 歯科用診療装置130は、歯科用診療台13
1と歯科用カートユニット150とを含んで構成され
る。歯科用カートユニット150には、複数の歯科用イ
ンスツルメント151が備えられ、各インスツルメント
151にはインスツルメントチューブが接続される。そ
のインスツルメントチューブは、シリコーンゴム製のチ
ューブ本体の外周面にポリモノクロロパラキシリレンか
ら成る被覆層が形成された構成である。インスツルメン
トチューブのチューブ本体および被覆層には、所定の割
合で抗菌剤が含まれている。前記抗菌剤には抗菌性ゼオ
ライトなどが用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば歯科用インス
ツルメントチューブとして用いられる医療用チューブ
と、その医療用チューブを備える診療装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】図14に、従来技術による歯科用インス
ツルメントチューブ81の構成を示す。インスツルメン
トチューブ81は、シリコーンゴム製の中空のチューブ
82と、チューブ82内部挿入される複数のウレタン樹
脂製のチューブ83と、同じくチューブ82内部に挿入
される複数のリード線84とから構成される。インスツ
ルメントチューブ81の一端には、ハンドピースなどが
接続される。各チューブ83は、ハンドピースに空気や
水を供給したり、チューブ82の内側はハンドピースを
介して患者の口腔内から吸い出された血液や唾液や汚水
などを搬送するためなどに用いられる。各リード線84
は、リード線84を介して伝送される電力によってたと
えばハンドピースに設けられるライトを点灯し、患者の
口腔内を照明したり、マイクロモーターインスツルメン
トの駆動用などに用いられる。
【0003】また、インスツルメントチューブ81が巻
取装置から引出される際、および巻き取り装置に引込ま
れる際にインスツルメントチューブ81の滑りをよくす
るために、チューブ82の外表面は布製の被覆部材85
で覆われている。またインスツルメントチューブ81が
引出されるおよび引き込まれる際の摩擦による摩耗から
インスツルメントチューブ81を保護するためにも、チ
ューブ82の外表面は被覆部材85で覆われている。
【0004】また他の従来技術(実開平5−1191
4)では、上述のインスツルメントチューブ81に備え
られるチューブ83に、銀イオンが含浸されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来技術による
インスツルメントチューブ81では、表面が布製の被覆
部材85で覆われているので、表面に付着し、表面に染
み込んだ汚れなどは除去するのが困難であり、インスツ
ルメントチューブ81が不衛生になる。またチューブ8
2内部に備えられるチューブ83は、軟化点の低いウレ
タン樹脂製であり、オートクレーブによる滅菌処理がで
きない。
【0006】被覆部材85が備えられない場合では、シ
リコーンゴム製のチューブ82が露出しているので、イ
ンスツルメントチューブ81の滑りが悪くなる。またチ
ューブ82が露出された状態では、チューブ82が摩擦
によって摩耗しやすく、傷付きやすいので、インスツル
メントチューブ81の耐久性が低下する。またシリコー
ンゴムは静電気を帯びやすいので、チューブ82が表面
に露出された状態では、チューブ82の表面に埃などが
付着しやすく、インスツルメントチューブ81の衛生状
態が悪くなる。
【0007】本発明の目的は、滑走性および耐摩耗性に
優れた医療用チューブおよびそれを用いる診療装置を提
供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、可撓性および
弾発性を有する材料から成るチューブ本体の表面に、滑
走性に優れ、かつ耐摩耗性を有する材料から成る被覆層
を形成したことを特徴とする医療用チューブである。
【0009】また本発明は、前記チューブ本体および被
覆層のうちの少なくともいずれか一方には、抗菌剤が含
まれることを特徴とする。
【0010】また本発明は、前記可撓性および弾発性を
有する材料はシリコーンゴムであり、前記被覆層はポリ
パラキシリレン樹脂であることを特徴とする。
【0011】また本発明の前記チューブ本体は、複数の
挿通孔を有することを特徴とする。
【0012】また本発明の前記被覆層は、チューブ本体
の前記複数の挿通孔を規定する各内周面に形成されるこ
とを特徴とする。
【0013】また本発明の前記抗菌剤は、抗菌性ゼオラ
イトであることを特徴とする。
【0014】また本発明は、複数の医療器具を備え、各
医療器具には、背板内に挿入/繰出し可能に設けられ、
可撓性および弾発性を有する材料から成るチューブ本体
の表面に、滑走性に優れ、かつ耐摩耗性を有する材料か
ら成る被覆層を形成した医療用チューブの一端が接続さ
れることを特徴とする診療装置である。
【0015】また本発明は、複数の医療器具を備え、患
者が着座する座椅子に背板が傾動自在に設けられる診療
台を含み、各医療器具には、前記背板内に挿入/繰出し
可能に設けられ、可撓性および弾発性を有する材料から
成るチューブ本体の表面に、滑走性に優れ、かつ耐摩耗
性を有する材料から成る被覆層を形成した医療用チュー
ブの一端が接続されることを特徴とする診療装置であ
る。
【0016】また本発明は、前記チューブ本体および被
覆層のうちの少なくともいずれか一方には、抗菌剤が含
まれることを特徴とする。
【0017】また本発明は、前記背板には、前記医療用
チューブを巻取る巻取手段が設けられることを特徴とす
る。
【0018】
【作用】本発明に従えば、医療用チューブは、可撓性お
よび弾発性を有する材料から成るチューブ本体の表面
に、滑走性に優れ、かつ耐摩耗性を有する材料から成る
被覆層が形成されて構成される。したがって、医療用チ
ューブが他の部材と接触した際に、接触した部材の接触
表面において医療用チューブを滑らかに滑らせることが
できる。また被覆層は耐摩耗性を有しているので、医療
用チューブと他の部材とが擦合っても、医療用チューブ
の摩耗を防止することができる。
【0019】また本発明に従えば、前述のチューブ本体
および被覆層のうちの少なくともいずれか一方には抗菌
剤が含まれるので、医療用チューブの表面である外周面
および内周面における細菌や真菌の繁殖を防止すること
ができ、医療用チューブを衛生的な状態で使用すること
ができる。
【0020】また本発明に従えば、前述の可撓性および
弾発性を有する材料は、シリコーンゴムであり、前述の
被覆層はポリパラキシリレン樹脂である。したがってシ
リコーンゴムとポリパラキシリレン樹脂とは、密着性に
優れているので、チューブ本体の表面に被覆層を密着し
て形成することができ、チューブ本体の表面から被覆層
が剥がれにくくすることができる。
【0021】また本発明に従えば、前述のチューブ本体
には、複数の挿通孔が設けられる。したがって各挿通孔
を用いて、たとえば水や空気や汚水などを同時に搬送す
ることができる。
【0022】また本発明に従えば、前述の被覆層は、チ
ューブ本体の前記複数の挿通孔を規定する各内周面に形
成される。したがって、各挿通孔にリード線などの他の
部材が挿入された際、他の部材によって挿通孔の内周面
に傷が付けられるのを防止することができる。
【0023】また本発明に従えば、前述の抗菌剤には、
抗菌性ゼオライトが用いられる。したがって医療用チュ
ーブの表面に付着した細菌や真菌を速やかに死滅させる
ことができ、医療用チューブを衛生的な状態で使用する
ことができる。
【0024】また本発明に従えば、診療装置は、複数の
医療器具を備えて構成される。各医療器具には、背板内
に挿入/繰出し可能に設けられ、可撓性および弾発性を
有する材料から成るチューブ本体の表面に滑走性に優
れ、かつ耐摩耗性を有する材料から成る被覆層を形成し
た医療用チューブの一端が接続される。したがって、医
療用チューブが背板内から引出される際および背板内に
引込まれる際に、医療用チューブと背板に設けられる医
療用チューブの引出し口などとが擦れ合うのであるが、
医療用チューブには滑走性に優れた被覆層が設けられて
いるので、引出し口において医療用チューブをスムース
に滑らせることができ、医療用チューブの引出しおよび
引込みがスムースに行われる。また、医療用チューブに
は、摩耗性を有する被覆層が形成されているので、医療
用チューブと引出し口との摩擦によって、医療用チュー
ブが摩耗するのを防止することができ、良好な状態で医
療用チューブを使用することができる。
【0025】また本発明に従えば、診療装置は、複数の
医療器具と、患者が着座する座椅子に背板が傾動自在に
設けられる診療台とを含んで構成される。各医療器具に
は、可撓性および弾発性を有する材料から成るチューブ
本体の表面に、滑走性に優れ、かつ耐摩耗性を有する材
料から成る被覆層を形成した医療用チューブの一端が接
続される。その医療用チューブは、背板内に挿入/繰出
し可能に設けられる。したがって、医療用チューブが背
板内から引出される際および背板内に引込まれる際に、
医療用チューブと背板に設けられる医療用チューブの引
出し口などとが擦合うのであるが、医療用チューブには
滑走性に優れた被覆層が設けられているので、引出し口
において医療用チューブをスムースに滑らせることがで
き、医療用チューブの引出しおよび引込みがスムースに
行われる。また、医療用チューブには、耐摩耗性を有す
る被覆層が形成されているので、医療用チューブと引出
し口との摩擦によって、医療用チューブが摩耗するのを
防止することができ、良好な状態で医療用チューブを使
用することができる。
【0026】また本発明に従えば、上述の診療装置にお
いて、チューブ本体および被覆層のうちの少なくともい
ずれか一方には、抗菌剤が含まれる。したがって、医療
用チューブは抗菌性を有しているので、仮に医療用チュ
ーブに細菌や真菌などが付着しても、付着した細菌や真
菌を速やかに死滅させることができ、医療用チューブを
衛生的に良好な状態に保つことができる。
【0027】また本発明に従えば、上述の診療装置にお
いて、背板に医療用チューブを巻取るための巻取手段が
設けられる。したがって背板内部から引出された医療用
チューブを、速やかに背板内部に巻き取ることができ
る。
【0028】
【実施例】図1は、本発明の一実施例である医療用チュ
ーブ1の構成を示す断面図である。医療用チューブ1
は、可撓性および弾発性を有するチューブ本体2の表面
である外周面4全体に、滑走性に優れ、耐摩耗性を有す
る被覆層3が化学蒸着によって形成されて構成される。
チューブ本体2は、シリコーンゴムに所定の割合で抗菌
剤が含まれて形成される。被覆層3は、ポリモノクロロ
パラキシリレン(poly-monochloro-para-xylylene)に
所定の割合で抗菌剤が含まれて形成される。チューブ本
体2および被覆層3への抗菌剤の混入比は、たとえばチ
ューブ本体2および被覆層3の各全体の質量に対して各
抗菌剤の質量が、たとえば1.0%になるように決めら
れる。被覆層3の厚さT1は、たとえば1μm〜10μ
mに設定される。チューブ本体2の外径D1は、たとえ
ば10mm〜15mmに設定され、内径D2は、たとえ
ば9mm〜10mmに設定される。
【0029】ポリモノクロロパラキシリレンを材料に含
んで形成される被覆層3は、他の部材、たとえば金属部
材と接触したとき、被覆層3と部材の接触面との間の静
止摩擦係数および動摩擦係数がともに小さいので、医療
用チューブ1を部材の接触面上をスムースに滑らせるこ
とができる。したがって、たとえば医療用チューブが歯
科用インスツルメントチューブとして用いられると、チ
ューブ巻取装置から医療用チューブ1をスムースに引出
すことができ、また医療用チューブ1をチューブ巻取装
置にスムースに引込ませることができる。また摩擦係数
が小さいと、医療用チューブ1と部材の接触面とが触れ
合う際に、摩擦によって医療用チューブ1が摩耗するの
を防止することができ、医療用チューブ1の耐摩耗性が
向上し、摩耗による医療用チューブ1の品質の劣化を防
止することができる。
【0030】医療用チューブ1が何らかの部材と接触し
た際に、摩擦係数が小さいことを確認するための実験結
果がある。この実験では、シリコーンゴムの表面にポリ
モノクロロパラキシリレンから成る被覆層が形成された
本実施例に対応した試験材料を、ニッケルメッキが施さ
れたダル銅板に接触させて静止摩擦係数および動摩擦係
数の測定を行った。また比較例1として水素化NBR
(アクリロニトリルブタジエンゴム)、比較例2として
シリコーンゴム、比較例3として表面にMoS2(硫化
モリブデン)コートが施されたNBR、比較例4として
ペンダントゴムがそれぞれ試験材料に用いられて同様の
実験が行われた。ここで、実験方法は、ASTM D1
894(American Society for Testing and Material
/アメリカ材料試験協会)に基づいて行われ、スレッド
質量は200g、動摩擦係数測定の際の試験速度は15
0mm/minに設定されて実験が行われた。
【0031】表1は、上述の実験結果を示す表である。
表1の実験結果によれば、本実施例は比較例1〜4に比
べて静止摩擦係数および動摩擦係数の両方が小さいこと
が確認された。
【0032】
【表1】
【0033】また、医療用チューブ1が耐摩耗性に優れ
ていることを確認するための実験結果がある。この実験
では、シリコーンゴムの表面にポリモノクロロパラキシ
リレンから成る被覆層が7μmの厚みで形成された本実
施例に対応した試験材料を、AA−240の研摩紙に
3.62kg重の押圧力で押圧して、試験材料を研摩紙
と擦り合わし、試験材料の摩耗量の測定を行った。一
方、比較例としては、上述の表1の実験における比較例
1〜4の各試験材料が用いられた。なお、この実験は、
試験方法BS903(British Standard)に基づいて行
われた。
【0034】表2は、上述の実験結果である摩耗量の測
定結果を示す表である。表2に示される各試験材料に対
応した摩耗量は、1馬力の押圧力で1時間だけ研磨を行
ったときの摩耗量に換算された摩耗量であり、その摩耗
量は体積(cm3)で示されている。表2の実験結果に
よれば、本実施例は比較例1〜4に比べて摩耗量が少な
く、耐摩耗性に優れていることが確認された。
【0035】
【表2】
【0036】また、シリコーンゴムにポリモノクロロパ
ラキシリレンを化学蒸着した場合、シリコーンゴムの表
面のシリコーンゴムの分子間に、ポリモノクロロパラキ
シリレンの分子が侵入し、シリコーンゴムの表面におい
てシリコーンゴムとポリモノクロロパラキシリレンとが
混ざり合うようにしてポリモノクロロパラキシリレンが
シリコーンゴムに密着するので、シリコーンゴムとポリ
モノクロロパラキシリレンとの間に隙間が生じることな
く、確実に蒸着を行うことができる。
【0037】また、ポリモノクロロパラキシリレンは、
導電性に優れた材料なので、たとえば医療用チューブ1
が歯科用インスツルメントチューブとして用いられた場
合、医療用チューブ1が静電気によって帯電し、医療用
チューブ1に埃などが付着するのを防止することがで
き、医療用チューブ1を衛生的に良好な状態に保つこと
ができる。
【0038】チューブ本体2および被覆層3に含まれる
抗菌剤には、抗菌性金属粒子または抗菌性ゼオライトが
用いられる。ここで抗菌性金属粒子とは、抗菌性を有す
る金属、たとえば銅、亜鉛、銀などの金属粒子である。
抗菌性ゼオライトとは、三次元的に発達した骨格構造を
有するアルカリまたはアルカリ土類金属のアルミノ系酸
塩と称されるゼオライトを母体として、ゼオライト母体
中に前記抗菌性金属のイオンである抗菌性金属イオンが
含有されたものである。なお、ここでいう抗菌性とは、
抗菌性ゼオライトなどの抗菌物質が細菌や真菌に対して
様々な程度の発育抑制または殺菌作用を示すことをい
う。
【0039】医療用チューブ1は、チューブ本体2およ
び被覆層3に抗菌剤が含まれているので、医療用チュー
ブ1自身が抗菌性を有しており、仮に医療用チューブ1
の表面である外周面および内周面に細菌や真菌などが付
着しても、抗菌剤によって付着した細菌や真菌が死滅さ
れるので、医療用チューブ1を衛生的な状態に保つこと
ができる。
【0040】上述の医療用チューブ1による抗菌性を確
認するための、次のような実験を行った。この実験結果
がある。シェイク・フラスコ法に従って行われた実験で
あり、重さ0.75gの医療用チューブ1をリン酸緩衝
液70mlの入った容量が200mlの三角フラスコに
入れ、これに試験菌懸濁液を105cells/mlに
なるように加え、この三角フラスコを25℃±5℃の温
度に保ち、経時的に生菌数を測定した。実験には、1.
0%の割合でチューブ本体2および被覆層3に抗菌剤が
含まれた医療用チューブ1と、1.5%の割合でチュー
ブ本体2および被覆層3に抗菌剤が含まれた医療用チュ
ーブ1とが用いられた。一方、比較例として、全く抗菌
剤が含まれない現行のシリコーンゴム製のチューブが同
様の条件のもとで実験された。
【0041】表3は、試験菌として細菌の一例として大
腸菌を用いた場合の実験結果を示す表である。実験開始
後6時間だけ経過した後に、生菌数を測定した結果、現
行のチューブでは多くの大腸菌が生存しているのに対
し、本実施例に対応した両チューブでは、全ての大腸菌
が死滅しており、したがって、医療用チューブ1の大腸
菌などの細菌に対する優れた抗菌性が確認された。
【0042】
【表3】
【0043】表4は、試験菌として真菌の一例として黒
カビを用いた場合の実験結果を示す表である。実験開始
後24時間だけ経過した後に、生菌数を測定した結果、
現行のチューブでは多くの黒カビが生存しているのに対
し、本実施例に対応した両チューブでは全ての黒カビが
死滅しており、したがって、医療用チューブ1の黒カビ
などの真菌に対する優れた抗菌性が確認された。
【0044】
【表4】
【0045】なお、上述の医療用チューブ1において、
チューブ本体2の大きさおよび厚みは任意に選ばれても
よく、またチューブ本体2の断面形状も、図1のような
真円状に限らず、楕円状でも、四角状でも、三角状でも
よい。
【0046】図2は、本発明の他の実施例の医療用チュ
ーブ1aの構成を示す断面図である。図2において図1
の医療用チューブ1と対応および類似する部分には同一
の参照符号を付す。医療用チューブ1aにおいて特徴と
する点は、チューブ本体2の表面における内周面5に、
被覆層4が形成されている点である。被覆層4は、前述
の医療用チューブ1の被覆層3と同一の材料で形成され
るので、詳細な説明は省略する。
【0047】医療用チューブ1aは、チューブ本体2の
内周面5に被覆層4が形成されるので、医療用チューブ
1aの内部空間7に、リード線などが備えられた場合、
リード線などが医療用チューブ1aの内周面8に接触し
て、内周面8に傷が付くのを防止することができる。
【0048】図3は、本発明のまた他の実施例の医療用
チューブ1bの構成を示す断面図である。図3におい
て、図1および図2の医療用チューブ1および1aと対
応および類似する部分には同一の参照符号を付す。医療
用チューブ1bにおいて特徴とする点は、チューブ本体
2の表面における外周面4および内周面5に、被覆層3
および6が形成されている点である。
【0049】図4は、本発明のまた他の実施例の耳鼻科
用ユニット100の構成を示す斜視図である。図5は、
耳鼻科用ユニット10の構成を示す縦断面図である。耳
鼻科用ユニット10は中空のハウジング101を有し、
ハウジング101の、前板102から前方(図5におけ
る左方)に張り出して形成される装着部103には、吸
引用および各種の薬液吸入用の複数の耳鼻科用シリンジ
104a〜104d(総称する場合には添字a〜dは省
略する)が嵌合孔105a〜105d(総称する場合に
は添字a〜dは省略する)に着脱自在に装着される。ま
た、ハウジング101の頂板195には、シリンジ本体
107が矢符I1,I2方向に、嵌合孔108に着脱自
在に装着される。各シリンジ104およびシリンジ本体
107に接続されるインスツルメントツール109およ
び110は、前述の実施例の医療用チューブ1と同様な
構成であり、詳細な説明は省略する。
【0050】ハウジング101内部には、各インスツル
メントチューブ109およびインスツルメントチューブ
110を巻取る巻取装置111が備えられ、巻取装置1
11には、各インスツルメントチューブ109に対応し
て案内ローラ112および可動ローラ113が一対ずつ
設けられ、インスツルメント110に対応して案内ロー
ラ114と可動ローラ115とが設けられる。インスツ
ルメントチューブ109,110は、案内ローラ11
2,114によって案内され、可動ローラ113,11
5に巻掛けられ、耳鼻科用シリンジ104およびシリン
ジ本体107が接続されない側の端部が予め定める接続
位置に固定的に接続される。耳鼻科用シリンジ104お
よびシリンジ本体107をH1,K1方向に引出すと、
可動ローラ113,115がJ1,K1方向に移動し、
インスツルメントチューブ109,110が引出され、
たとえば案内ローラ112に伴って設けられるロック機
構によってインスツルメントチューブ109,110が
係止される。このロック状態の解除は、耳鼻科用シリン
ジ104およびシリンジ本体107を矢印H1およびI
1方向にわずかに引出すことによって行われ、ロック状
態が解除されると、図示しないばね機構によって可動ロ
ーラ113,115が矢印J2,K2方向に引付けられ
て、可動ローラ113,115が矢印J2,K2方向に
移動し、インスツルメントチューブ109および110
が矢印H2,I2方向に引込まれる。
【0051】図6は、耳鼻科用シリンジ104を拡大し
て示した側面図である。耳鼻科用シリンジ104は、シ
リンジ本体107と、シリンジ本体107に着脱自在に
装着されるヘッド120とを有し、ヘッド120の先端
には細長い注気管121が接続されており、ヘッド12
0に設けられる操作片122を押圧することによって、
注気管121の先端部から薬液を霧状にして噴射するこ
とができる。
【0052】インスツルメントチューブ109,110
に含まれるチューブ本体2の外周面4には、ポリモノク
ロロパラキシリレンを含んだ被覆層3が形成されている
ので、インスツルメントチューブ109,110が嵌合
孔105,108を介して引出される際、および引込ま
れる際に、金属などの硬質の材料から形成される嵌合孔
105,108の内面と、インスツルメントチューブ1
09,110が擦れ合うのであるが、インスツルメント
チューブ109,110の摩耗を防止することができ、
インスツルメントチューブ109,110の材質を良好
な状態に保つことができる。
【0053】また嵌合孔105,108の内面とインス
ツルメントチューブ109,110が擦れ合う際、イン
スツルメントチューブ109,110はスムースに嵌合
孔105,108の内面を滑るので、インスツルメント
チューブ109,110の引出しおよび引込みがスムー
スに行われ、これによって耳鼻科用ユニット10の操作
性を向上することができる。
【0054】図7は、本発明のまた他の実施例の歯科用
診療装置130の構成を示す側面図である。図8は、歯
科用診療装置130に備えられる歯科用カートユニット
150の構成を示す斜視図である。図9は、歯科用カー
トユニット150の構成を示す縦断面図である。歯科用
診療装置130は、歯科用診療台131と、歯科用カー
トユニット150とを含んで構成される。歯科用カート
ユニット150は、台車153上に常設されており、歯
科用診療台131の右側(図7において歯科用診療台1
31の手前側)に移動可能に備えられる。歯科用カート
ユニット150からは、接続線143が引き出され、そ
の一端がフィットスイッチ142に接続される。
【0055】歯科用診療台131は、バックレスト13
2、ヘッドレスト133、傾動係止機構134、座席シ
ート135、昇降台136、ベースンポール138、ア
ームレスト139およびテーブル141を備える。座席
シート135は、昇降台136によって床137に固定
され、座席シート135には傾動自在にバックレスト1
32が取付けられ、さらにバックレスト132には、傾
動係止機構134によってヘッドヘスト133が取付け
られる。昇降台136は、座席シート135の床137
からの高さを自由に変えることができる。
【0056】歯科用カートユニット150には、複数の
歯科用インスツルメント151が備えられる。インスツ
ルメント151は、ユニット本体155の前板156の
上方に、斜め上方に向かって設けられる装着部157に
設けられる複数の嵌合孔154に矢印L1,L2方向に
着脱可能に備えられる。ユニット本体155内部には、
一端が各インスツルメント151に接続されるインスツ
ルメントチューブ152を巻取る巻取装置170が備え
られる。巻取装置170には、各インスツルメントチュ
ーブ152に対応して案内ローラ166および可動ロー
ラ167が一対ずつ備えれる。インスツルメント151
が矢印L1方向に引出されると、これに伴って可動ロー
ラ167が矢印M1方向に移動してインスツルメントチ
ューブ152が送り出され可動ローラ167が矢印M2
方向に移動すると、これに伴ってインスツルメントチュ
ーブおよびインスツルメント151が矢印L2方向に引
込まれる。インスツルメントチューブ152および巻取
装置170の構成は、図4〜図6の耳鼻科用ユニット1
00に含まれるインスツルメントチューブ109,11
0および巻取装置111と同様な構成であり、詳細な説
明は省略する。
【0057】図10は、本発明のまた他の実施例である
診療装置31の構成を示す側面図である。診療装置31
は、歯科用の診療装置であり、該診療装置31は、バッ
クレスト32、ヘッドレスト33、傾動係止機構34、
座席シート35、昇降台36、ベースンポール38、ア
ームレスト39、治療器具40、テーブル41およびフ
ットコントローラ42を備える。
【0058】座席シート35は、昇降台36によって床
37に固定され、座席シート35には傾動自在にバック
レスト32が取付けられ、さらにバックレスト32には
傾動係止機構34によってヘッドレスト33が取付けら
れる。前記昇降台36は、座席シート35の床37から
の高さを自由に変えることができる。
【0059】術者は、たとえば椅子に腰掛け、バックレ
スト32の一方の側面に取付けられた複数の治療器具4
0を用いて治療を施す。この際、術者はフートコントロ
ーラ42を操作して、治療器具40の動作を制御する。
治療器具40としては、たとえばハンドピース、スリウ
ェイシリンジおよびバキュームシリンジなどが設けられ
る。
【0060】図11は、歯科用インスツルメントチュー
ブ51およびインスツルメントチューブ51の一端に接
続される治療器具40の構成を示す斜視図である。ここ
で、治療器具40は、コントラアングル形エアータービ
ンハンドピースである。治療器具40であるハンドピー
スのヘッド52には、バー(Bar)と呼ばれる切削工
具53が着脱自在に装着される。またヘッド52が設け
られるハンドピース本体54のヘッド52側の先端部分
には、放水口55が設けられる。
【0061】図12は、インスツルメントチューブ51
の構成を示す断面図である。図12において、図1の医
療用チューブと対応および類似する部分には同一の参照
符号を付す。インスツルメントチューブ51において特
徴とする点は、チューブ本体2が中実であり、チューブ
本体2の内部には、レンコン状に複数の透孔54と複数
の透孔57とが設けられる。ここで、透孔54は透孔5
7に比べて大径である。
【0062】透孔54は、ハンドピースに、たとえば切
削工具を回転駆動するための空気を供給するために用い
られたり、水を供給するために用いられたりする。また
透孔54は、インスツルメントチューブ51にバキュー
ムシリンジが接続された場合などに、バキュームシリン
ジによって患者の口腔内から吸い出された血液、唾液、
汚水などを搬送するためにも用いられる。
【0063】透孔57は、透孔57にリード線を挿入
し、リード線を通じて伝送される電力によって治療器具
40であるハンドピースのたとえば先端部に設けられる
ライトを点灯し、切削箇所を照明するために用いられ
る。
【0064】図13は、診療装置31における治療器具
40が設けられるバックレスト32を背後側から見たと
きの断面図である。バックレスト32の外枠体61内部
には、各治療器具40に接続されるインスツルメントチ
ューブ51を巻取るための巻取装置62が備えられる。
インスツルメントチューブ51は、外枠体61に各治療
器具40毎に設けられる孔63を介して、出し入れされ
る。
【0065】巻取装置62には、各治療器具40毎に対
応して、案内ローラ66と可動ローラ67とが備えられ
る。インスツルメントチューブ51は、案内ローラ66
によって案内され、可動ローラに巻掛けられ、治療器具
40が接続されない側の端部が予め定める接続位置に固
定的に接続される。治療器具40をA1方向に引出す
と、可動ローラ67がB1方向に移動し、インスツルメ
ントチューブ51が引出され、たとえば案内ローラ66
に伴って設けられるロック機構によってインスツルメン
トチューブ51が係止される。このロック状態の解除
は、治療器具40をA1方向にわずかに引出すことによ
って行われ、ロック状態が解除されると、図示しないバ
ネ機構によって可動ロック67がB2方向に引付けられ
て、可動ローラ67がB2方向に移動し、インスツルメ
ントチューブ51がA2方向に引込まれる。
【0066】インスツルメントチューブ51を備える診
療装置31では、インスツルメントチューブ51に含ま
れるチューブ本体2の外周面4には、ポリモノクロロパ
ラキシリレンを含んだ被覆層3が形成されているので、
インスツルメントチューブ51がバックレスト32の外
枠体61に設けられる孔63を介して引出される際およ
び引込まれる際に、金属などの硬質の材料から形成され
る外枠体61の孔63の内面と、インスツルメントチュ
ーブ51とが擦れ合うのであるが、インスツルメントチ
ューブ51の摩耗を防止することができ、インスツルメ
ントチューブ51の材質を良好な状態に保つことができ
る。
【0067】また、孔63の内面とインスツルメントチ
ューブ51が擦れ合う際、インスツルメントチューブ5
1はスムースに孔63の内面を滑るので、インスツルメ
ントチューブ51の引出しおよび引込みがスムースに行
われ、これによって治療装置31の操作性を向上するこ
とができる。
【0068】このように、インスツルメントチューブ5
1は滑りがよく、しかも耐摩耗性が優れているので、従
来のように滑りをよくするおよびチューブの摩耗を防止
するためにチューブを布性のブレードで覆う必要がな
い。このため、インスツルメントチューブ51を消毒用
アルコールで拭くことができ、インスツルメントチュー
ブ51を衛生的な状態に保つことができる。
【0069】また、インスツルメントチューブ51は、
表面にポリモノクロロパラキシリレンが含まれる被覆層
3が形成されているので、静電気の発生を防止すること
ができ、静電気によって埃などがインスツルメントチュ
ーブ51に付着するのを防止することができる。
【0070】また、インスツルメントチューブ51の被
覆層3およびチューブ本体2には前述の抗菌剤が含まれ
ているので、仮にインスツルメントチューブ51の表面
に細菌や真菌が付着しても、付着した真菌や細菌を死滅
させることができる。さらに、チューブ本体2内の透孔
54内を汚水などが搬送される際にも、透孔54内にお
ける細菌や真菌の繁殖を防止することができる。このよ
うに、インスツルメントチューブ51は抗菌性を有する
ので、インスツルメントチューブ51を衛生的な状態に
保ちながら治療を行うことができる。
【0071】また、インスツルメントチューブ51は、
従来のインスツルメントチューブと互換性があるので、
巻取装置およびインスツルメントチューブ51に接続さ
れるハンドピースなどをそのまま使用することができ
る。
【0072】また、インスツルメントチューブ51は、
従来から広く医療用として用いられているシリコーンゴ
ム製のチューブ本体2が用いられるので、品質面からも
信頼性が高く、術者が安心して用いることができる。
【0073】また、インスツルメントチューブ51は、
内部が詰まった中実のレンコン状の形状であるので、従
来に比べて断面積が大きくなっており、強度を向上する
ことができる。また、インスツルメントチューブ51の
チューブ本体2は、内部に透孔54および透孔57が設
けられたレンコン状の形状であるので、チューブ本体2
を引き抜き成型によって製造することができ、インスツ
ルメントチューブ51の製造コストを低減することがで
きる。
【0074】また、インスツルメントチューブ51のチ
ューブ本体2は、シリコーンゴム製なので、汚水などが
搬送される透孔54を、オートクレーブによって滅菌処
理することができる。
【0075】なお、本実施例では、インスツルメントチ
ューブ51の巻取装置62に、可動ローラ67を用いた
滑車機構を適用したが、たとえば実公平1−36497
に開示されているように、各治療機器40に対応して巻
取ドラムを備え、その巻取ドラムの回転によって巻取ド
ラムに巻回されたインスツルメントチューブ51の挿入
/繰出しが行われるようにしてもよい。
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、医療用チューブは、チ
ューブ本体の表面に、滑走性に優れ、かつ耐摩耗性を有
する材料から成る被覆層が形成されて構成されるので、
医療用チューブが他の部材と接触した際に、接触した部
材の接触表面において医療用チューブを滑らかに滑らせ
ることができる。また被覆層は耐摩耗性を有しているの
で、医療用チューブと他の部材とが擦合っても、医療用
チューブの摩耗を防止することができる。
【0077】また本発明によれば、前述のチューブ本体
および被覆層のうちの少なくともいずれか一方には抗菌
剤が含まれるので、医療用チューブの外表面および内表
面における細菌や真菌の繁殖を防止することができ、医
療用チューブを衛生的な状態で使用することができる。
【0078】また本発明によれば、前述の可撓性および
弾発性を有する材料は、シリコーンゴムであり、前述の
被覆層はポリパラチレン樹脂である。したがってシリコ
ーンゴムとポリパラチレン樹脂とは、密着性に優れてい
るので、チューブ本体の表面に被覆層を密着して形成す
ることができ、チューブ本体の表面から被覆層が剥がれ
にくくすることができる。
【0079】また本発明によれば、前述のチューブ本体
は、複数の挿通孔が設けられる。したがって各挿通孔を
用いて、たとえば水や空気や汚水などを同時に搬送する
ことができる。
【0080】また本発明によれば、前述の被覆層は、チ
ューブ本体の前記複数の挿通孔を規定する各内周面に形
成される。したがって、各挿通孔にリード線などの他の
部材が挿入された際、他の部材によって挿通孔の内周面
に傷が付けられるのを防止することができる。
【0081】また本発明によれば、前述の抗菌剤には、
抗菌性ゼオライトが用いられる。したがって医療用チュ
ーブの表面に付着した細菌や真菌を速やかに死滅させる
ことができ、医療用チューブを衛生的な状態で使用する
ことができる。
【0082】また本発明によれば、診療装置は、複数の
医療器具を備えて構成される。各医療器具には、背板内
に挿入/繰出し可能に設けられ、可撓性および弾発性を
有する材料から成るチューブ本体の表面に滑走性に優
れ、かつ耐摩耗性を有する材料から成る被覆層を形成し
た医療用チューブの一端が接続される。したがって、医
療用チューブが背板内から引出される際および背板内に
引込まれる際に、医療用チューブと背板に設けられる医
療用チューブの引出し口などとが擦れ合うのであるが、
医療用チューブには滑走性に優れた被覆層が設けられて
いるので、引出し口において医療用チューブをスムース
に滑らせることができ、医療用チューブの引出しおよび
引込みがスムースに行われる。また、医療用チューブに
は、摩耗性を有する被覆層が形成されているので、医療
用チューブと引出し口との摩擦によって、医療用チュー
ブが摩耗するのを防止することができ、良好な状態で医
療用チューブを使用することができる。
【0083】また本発明によれば、診療装置は、複数の
医療器具と、患者が着座する座椅子に背板が傾動自在に
設けられる診療台とを含んで構成される。各医療器具に
は、可撓性および弾発性を有する材料から成るチューブ
本体の表面に、滑走性に優れ、かつ耐摩耗性を有する材
料から成る被覆層を形成した医療用チューブの一端が接
続される。その医療用チューブは、背板内に挿入/繰出
し可能に設けられる。医療用チューブが背板内から引出
される際および背板内に引込まれる際に、医療用チュー
ブと背板に設けられる医療用チューブの引出し口などと
が擦合うのであるが、医療用チューブには滑走性に優れ
た被覆層が設けられているので、引出し口において医療
用チューブをスムースに滑らせることができ、医療用チ
ューブの引出しおよび引込みがスムースに行われる。ま
た、医療用チューブには、耐摩耗性を有する被覆層が形
成されているので、医療用チューブと引出し口との摩擦
によって、医療用チューブが摩耗するのを防止すること
ができ、良好な状態で医療用チューブを使用することが
できる。
【0084】また本発明によれば、上述の診療装置にお
いて、医療用チューブは抗菌性を有しているので、仮に
医療用チューブに細菌や真菌などが付着しても、付着し
た細菌や真菌を速やかに死滅させることができ、医療用
チューブの衛生状態を良好に保つことができる。
【0085】また本発明によれば、上述の診療装置にお
いて、背板に医療用チューブを巻取るための巻取手段が
設けられるので、背板内部から引出された医療用チュー
ブを、速やかに背板内部に巻き取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の医療用チューブ1の構成を
示す断面図である。
【図2】本発明の他の実施例の医療用チューブ1aの構
成を示す断面図である。
【図3】本発明のまた他の実施例の医療用チューブ1b
の構成を示す断面図である。
【図4】本発明のまた他の実施例の耳鼻科用ユニット1
00の構成を示す斜視図である。
【図5】耳鼻科用ユニット100の構成を示す縦断面図
である。
【図6】耳鼻科用シリンジ104を拡大して示した側面
図である。
【図7】本発明のまた他の実施例の歯科用診療装置13
0の構成を示す側面図である。
【図8】歯科用診療装置130に備えられる歯科用カー
トユニット150の構成を示す斜視図である。
【図9】歯科用カートユニット150の構成を示す縦断
面図である。
【図10】本発明のまた他の実施例の診療装置31の構
成を示す側面図である。
【図11】治療器具40および治療器具40に接続され
るインスツルメントチューブ51の構成を示す斜視図で
ある。
【図12】インスツルメントチューブ51の構成を示す
断面図である。
【図13】治療器具40が備えられる診療装置31のバ
ックレスト32の構成を示す断面図である。
【図14】従来のインスツルメントチューブ81の構成
を示す図である。
【符号の説明】
1,1a,1b 医療用チューブ 2 チューブ本体 3,6 被覆層 31 診療装置 32 バックレスト 33 ヘッドレスト 34 傾動係止機構 35 座席シート 36 昇降台 37 床 38 ベースンポール 39 アームレスト 40 治療器具 51,109,110,152 インスツルメントチュ
ーブ 54,57 透孔 61 外枠体 62,111,170 巻取装置 63 孔 100 耳鼻科用ユニット 104a〜104d 耳鼻科用シリンジ 107 シリンジ本体 130 歯科用診療装置 131 歯科用治療台 150 歯科用カートユニット

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性および弾発性を有する材料から成
    るチューブ本体の表面に、 滑走性に優れ、かつ耐摩耗性を有する材料から成る被覆
    層を形成したことを特徴とする医療用チューブ。
  2. 【請求項2】 前記チューブ本体および被覆層のうちの
    少なくともいずれか一方には、抗菌剤が含まれることを
    特徴とする請求項1記載の医療用チューブ。
  3. 【請求項3】 前記可撓性および弾発性を有する材料は
    シリコーンゴムであり、前記被覆層はポリパラキシリレ
    ン樹脂であることを特徴とする請求項1または2のいず
    れかに記載の医療用チューブ。
  4. 【請求項4】 前記チューブ本体は、複数の挿通孔を有
    することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    医療用チューブ。
  5. 【請求項5】 前記被覆層は、チューブ本体の前記複数
    の挿通孔を規定する各内周面に形成されることを特徴と
    する請求項4記載の医療用チューブ。
  6. 【請求項6】 前記抗菌剤は、抗菌性ゼオライトである
    ことを特徴とする請求項2記載の医療用チューブ。
  7. 【請求項7】 複数の医療器具を備え、 各医療器具には、背板内に挿入/繰出し可能に設けら
    れ、可撓性および弾発性を有する材料から成るチューブ
    本体の表面に、滑走性に優れ、かつ耐摩耗性を有する材
    料から成る被覆層を形成した医療用チューブの一端が接
    続されることを特徴とする診療装置。
  8. 【請求項8】 複数の医療器具を備え、患者が着座する
    座椅子に背板が傾動自在に設けられる診療台を含み、 各医療器具には、前記背板内に挿入/繰出し可能に設け
    られ、可撓性および弾発性を有する材料から成るチュー
    ブ本体の表面に、滑走性に優れ、かつ耐摩耗性を有する
    材料から成る被覆層を形成した医療用チューブの一端が
    接続されることを特徴とする診療装置。
  9. 【請求項9】 前記チューブ本体および被覆層のうちの
    少なくともいずれか一方には、抗菌剤が含まれることを
    特徴とする請求項7または8に記載の診療装置。
  10. 【請求項10】 前記背板には、前記医療用チューブを
    巻取る巻取手段が設けられることを特徴とする請求項7
    〜9いずれかに記載の診療装置。
JP6100694A 1994-04-13 1994-04-13 医療用チューブおよびそれを備える診療装置 Pending JPH07275262A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5886329A (en) * 1997-06-27 1999-03-23 Samsung Electronics Co., Ltd. Antibiotic microwave oven
JP2014524980A (ja) * 2011-07-08 2014-09-25 スペシャルティ コーティング システムズ, インク. 抗菌性パリレン・コーティング及び同コーティングを蒸着する方法
WO2023285920A1 (en) * 2021-07-15 2023-01-19 3M Innovative Properties Company Protective coatings for printed surfaces

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