JPH07274004A - 画像の鮮鋭度強調装置 - Google Patents

画像の鮮鋭度強調装置

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JPH07274004A
JPH07274004A JP6083956A JP8395694A JPH07274004A JP H07274004 A JPH07274004 A JP H07274004A JP 6083956 A JP6083956 A JP 6083956A JP 8395694 A JP8395694 A JP 8395694A JP H07274004 A JPH07274004 A JP H07274004A
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JP
Japan
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signal
sharpness
density
pixel
sharpness enhancement
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JP6083956A
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Akira Harada
明 原田
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エッジの明確なベタ部の境界において選択的
に鮮鋭度強調処理を行なう。 【構成】 各参照領域RA1,RA2について低濃度閾
値と高濃度閾値を設定し、参照領域内に低濃度閾値以下
の画素と高濃度閾値以上の画素とがいずれも存在すると
いう条件を満足する場合には鮮鋭度強調信号SP1 に2
を乗じ、上記の条件を満足しない場合には1または0を
乗ずる。黒ベタと白ヌケのエッジ付近では、上記の条件
を満足するので鮮鋭度強調を強く行なうが、絵柄付近で
は上記の条件を満足しないので鮮鋭度強調を抑制する。
なお、各参照領域について複数の閾値セットを設定する
こともできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、印刷・製版等の分野
において用いられ、原画を光電走査することによって読
取られた連続調画像信号の鮮鋭度を強調する鮮鋭度強調
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】グラビア製版用入力装置の1つとして、
網掛けされた分色版フィルムを原画とし、これを光電走
査することによって連続調画像信号を読取る装置があ
る。分色版フィルムは、通常Y(イエロー)、M(マゼ
ンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の4色の色分解
画像を平版印刷(オフセット印刷)用の網目版画像とし
て感光フィルム上に記録したものであり、「オパールフ
ィルム」とも呼ばれているものである。各分色版フィル
ムは大小の多数の網点などから構成される2値画像であ
るが、これを反射原稿として光電走査すると、走査用光
束が入力装置のアパーチャスリットを通過する際に光学
的にローパスフィルタが掛かるので、各網点の黒白の急
激なエッジ部が滑らかな中間調に変化し、この結果、網
点の大小に応じた連続調画像信号が得られる。
【0003】ところで、この様にして得られた連続調画
像信号は、原画に含まれる急峻な濃度変化を示す高周波
成分がカットされているため、濃度エッジの局所的コン
トラストが劣化し、視覚的にぼけた画像を表わしてい
る。この様な画像を補正するために、いわゆる鮮鋭度強
調処理が行なわれる。
【0004】図10は、従来の鮮鋭度強調方法を示す説
明図である。図10(A)は、白ヌケ部から黒ベタ部へ
階段関数状の濃度変化を有する原画の濃度を示すグラフ
であり、図10(B)はこの原画を光電走査して読み取
ったときの連続調画像信号S0 の分布である。図10
(A)における原画濃度の急峻な変化を表わすために
は、高周波成分を多く含む画像信号が必要である。しか
し、原画が入力装置で読取られる時に光学系のアパーチ
ャ特性によって高周波成分がカットされるので、図10
(B)に示すように、白レベルから黒レベルに至る境界
領域に濃度勾配の緩やかな領域が生じる。
【0005】従来の鮮鋭度強調処理では、図10(B)
の画像信号S0 を平均化して図10(C)のアンシャー
プ信号Uを作成し、画像信号S0 とアンシャープ信号U
の差分を取ることによって図10(D)に示す鮮鋭度強
調信号SP1 を生成する。さらに、生成した鮮鋭度強調
信号SP1 を元の画像信号S0 に加算することによっ
て、鮮鋭度強調した画像信号S1 (図10(E))を作
成する。こうして得られた画像信号S1 のエッジ境界領
域(画像信号が単調に変化する領域)の幅W1 は、元の
画像信号S0 のエッジ境界領域の幅W0 に比べて狭く、
画像信号S1 のエッジ部での傾斜度が画像信号S0 のそ
れよりも急峻であるため、エッジが強調されて見える。
このような鮮鋭度強調処理は、文字やロゴなどのように
エッジの明確なベタ部の境界においては画質を向上させ
る効果が大きい。
【0006】ところが、文字やロゴに適した鮮鋭度強調
処理を画像内の絵柄部分に行なうと、絵柄の中間調領域
の濃度変化を急峻なものにしてしまい、連続調画像の品
質を損なう可能性がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、文字や
ロゴなどのようにエッジが明確なベタ部の境界では鮮鋭
度強調処理を強く行なうことが望ましく、一方、絵柄の
ようにエッジの明確でない部分では鮮鋭度強調処理を抑
制することが望ましい。しかし、従来の技術では、この
ような画像部分を区別して鮮鋭度強調処理を選択的に行
なうことは出来なかった。
【0008】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、エッジの明確な
ベタ部の境界において選択的に鮮鋭度強調処理を行なう
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用】上述の課題を
解決するため、この発明の鮮鋭度強調装置は、注目画素
を中心とする所定の平均化領域内の濃度の平均値を示す
アンシャープ信号を求めるアンシャープ信号生成手段
と、前記注目画素の濃度を示す原画像信号と前記アンシ
ャープ信号との差分をとることによって鮮鋭度強調信号
を作成する減算手段と、前記注目画素を中心とする所定
の第1の参照領域内の各画素の濃度を所定の第1の低濃
度閾値および第1の高濃度閾値と比較し、該比較結果に
応じて第1のフラグのレベルを設定する第1の濃度比較
手段と、前記第1のフラグのレベルに応じた第1の係数
を前記鮮鋭度強調信号に実質的に乗ずる第1の乗算手段
と、前記原画像信号と前記第1の乗算手段で作成された
信号とを加算することによって、鮮鋭度強調後の画像信
号を求める加算手段と、を備える。なお、「実質的に乗
ずる」とは、デジタル信号に乗算を行なう場合や、アナ
ログ信号を増幅する場合、さらに、デジタル信号に一旦
乗算を行なったのちに、第1の係数に応じて乗算結果の
信号を修正する場合なども含む意味である。
【0010】上記の装置では、参照領域内の画素の濃度
を判定することによってエッジの明確なベタ部の境界に
相当するか否かを判断することができるので、エッジ付
近において選択的に鮮鋭度強調処理を行なうことができ
る。
【0011】また、請求項2に記載された鮮鋭度強調装
置では、第1の濃度比較手段は、前記第1の低濃度閾値
よりも濃度が低い画素と前記第1の高濃度閾値よりも濃
度が高い画素とが前記第1の参照領域内に含まれている
場合に第1のフラグを前記所定の第1のレベルに設定
し、その他の場合には所定の第2のレベルに設定する手
段を備える。
【0012】請求項3に記載された鮮鋭度強調装置で
は、さらに、注目画素を中心とする所定の第2の参照領
域内の各画素の濃度を所定の第2の低濃度閾値および第
2の高濃度閾値と比較し、該比較結果に応じて第2のフ
ラグを設定する第2の濃度比較手段を備え、第1の乗算
手段は、前記第1および第2のフラグのレベルに応じて
設定された第1の係数を、鮮鋭度強調信号に実質的に乗
ずる手段を備える。
【0013】こうすれば、複数の参照領域において画像
のエッジ付近か否かを判定できるので、エッジ付近の比
較的広い範囲に亘って鮮鋭度強調処理を選択的に行なう
ことができる。
【0014】請求項4に記載された鮮鋭度強調装置で
は、各濃度比較手段は、各参照領域に対して設定される
複数組の閾値セットとして、低濃度閾値と高濃度閾値が
各組毎に異なる複数組の閾値セットを記憶する手段と、
各閾値セットと注目画素の濃度とを比較することによっ
て前記フラグのレベルを設定する手段と、を有する。
【0015】複数の閾値セットを用いるようにすれば、
様々な局所的な濃度変化に応じて鮮鋭度強調処理を行な
うことができる。
【0016】請求項5に記載された鮮鋭度強調装置で
は、第1の乗算手段は、鮮鋭度強調信号を入力とし、第
1の係数を出力とするルックアップテーブルを有する。
【0017】こうすれば、ルックアップテーブルに様々
な入出力特性を設定することができるので、画像の局所
的な濃度変化に応じて鮮鋭度強調処理を柔軟に適用する
ことができる。
【0018】請求項6に記載された鮮鋭度強調装置で
は、さらに、原画像信号とアンシャープ信号の少なくと
も一方のレベルに応じて設定された第2の係数を第1の
乗算手段の出力信号に乗ずるとともに、その出力信号を
加算手段に与える第2の乗算手段、を備える。
【0019】原画像信号またはアンシャープ信号のレベ
ルは画像のエッジと関係が深いので、エッジ付近に選択
的に鮮鋭度強調処理を行なうことができる。
【0020】
【実施例】
A.第1の実施例:図1は、白ヌケと黒ベタの繰り返し
からなる原画像と、その中央の走査線SL上の濃度分布
と、走査線SL上を光電走査して得られた画像信号とを
示す説明図である。
【0021】ここで、図1(C)に示す画像信号の分布
は、最高レベル(黒ベタレベル)及び最低レベル(白ヌ
ケのレベル)の間を往復する形状の部分を含んでおり、
最も急峻な勾配は最高レベルと最低レベルの境界のエッ
ジ部の中央で生じており、最高レベルと最低レベルの近
傍ではなだらかな勾配を有している。
【0022】画像信号が最高レベルまたは最低レベルを
とるのは、原画像上で白ヌケまたは黒ベタの平滑な領域
がある程度以上の距離で連続している場合に限られてい
る。これは、光電走査の際の光学的なローパスフィルタ
効果によって濃度勾配が生じるからである。すなわち、
この濃度勾配の領域に掛からない程度以上に白ヌケや黒
ベタが連続していなければ画像信号が最低レベルや最高
レベルに達しないからである。従って、画像信号では、
白ヌケレベルと黒ベタレベルが、光学系のフィルタ特性
によって決まる特定距離LMIN (図1(C)参照)より
も近接して同時に存在することはない。
【0023】ここで、所定の値αをあまり大きくしない
条件で、一辺のサイズLMIN +αの微少な参照区間を設
定したと仮定する。その参照区間内で白ヌケ及び黒ベタ
に対応する信号レベルが現われた場合には、その参照区
間は白レベルから黒レベルに遷移する領域に相当するの
で、原画像では急峻なエッジであったと推測することが
できる。本発明は、このような判定を2次元の参照領域
を用いて実行し、その判定結果に応じて、参照領域の中
心画素(注目画素)に作用させるべき鮮鋭度強調信号の
レベルを調整するものである。
【0024】図2は、この発明の一実施例における鮮鋭
度強調処理の一例を示す説明図である。図2(A)に
は、光電走査によって読取られた画像信号S0 の分布を
示しており、その9×9画素の領域の中央の画素が注目
画素である。この注目画素のアンシャープ信号を作成す
るための平均化領域は、注目画素を中心とする5×5画
素の領域に設定されている。また、注目画素に対して本
発明に係る鮮鋭度強調処理を行なうか否かを判断するた
めの参照領域RA1は、注目画素を中心とする7×7画
素の領域に設定されている。図2の例では、7画素の幅
が図1において説明した参照区画のサイズLMIN +αに
相当する。
【0025】図2(B)は、走査線SL(図2(A))
上の各画素を注目画素とした時に得られるアンシャープ
信号Uを示しており、図2(C)は鮮鋭度強調信号SP
1 (=S0 −U)を示している。また、図2(D)はこ
の鮮鋭度強調信号SP1 を元の画像信号S0 に加算して
得られる従来の鮮鋭度強調結果を示している。
【0026】図2の例では、参照領域RA1内の注目画
素以外の画素(以下、「周辺画素」と呼ぶ)の中で、低
濃度閾値L1 (=15%)以下の濃度の画素と、高濃度
閾値H1 (=80%)以上の濃度の画素とがどちらも存
在するかを判断し、どちらも存在する場合には注目画素
を作用対象に該当するものと判定している。図2(A)
には、作用対象とされる注目画素の範囲を示している。
作用対象とされた注目画素については、通常の鮮鋭度強
調信号SP1 を2倍することによって第2の鮮鋭度強調
信号SP2 (図2(E))を求め、一方、作用対象でな
い注目画素については、第2の鮮鋭度強調信号SP2 の
レベルを0とする。
【0027】このような第2の鮮鋭度強調信号SP2 を
元の画像信号S0 に加算することによって、選択的に鮮
鋭度が強調された画像信号S2 (図2(F),(G))
が得られる。図2(F)の場合は作用対象範囲外の注目
画素についての第2の鮮鋭度強調信号SP2 のレベルす
なわち係数が1(SP2 =SP1 )であり、図2(G)
の場合は作用対象範囲外でのレベルが0(SP2 =0)
である。図2の例では、参照領域RA1内に低濃度閾値
L1 以下の濃度の周辺画素と高濃度閾値H1 以上の濃度
の周辺画素がいずれも存在する場合にのみ、その注目画
素に2倍の鮮鋭度強調信号SP2 を加算するので、黒ベ
タと白ヌケの明確なエッジ部分での鮮鋭度強調を強く、
それ以外の領域での鮮鋭度強調を抑制することができ
る。絵柄の部分では、参照領域RA1内に低濃度閾値L
1 以下の濃度の周辺画素と高濃度閾値H1 以上の濃度の
周辺画素の両方が存在することは無いので、絵柄の部分
では鮮鋭度強調処理が抑制される。
【0028】ところで、図1(C)に矢印P1,P2,
P3で示す様に、原画上で隣接する白ヌケや黒ベタの領
域の面積が小さいところでは、フィルタリングによって
画像信号のピーク値が下がるので黒ベタや白ヌケのレベ
ルに達しない。このような画像部分では、図2の鮮鋭度
強調処理における判断基準を満たさなくなり、この結
果、細いラインや文字等には鮮鋭度強調処理が及ばない
ことになる。このような問題に対して、ある程度柔軟性
のある鮮鋭度強調処理を行えるようにするために、大き
さが異なる複数の参照領域を用いることが可能である。
【0029】図3は、2つの参照領域RA1,RA2を
用いた場合の鮮鋭度強調処理の例を示す説明図である。
第1の参照領域RA1と、この領域に適用される低濃度
閾値L1 および高濃度閾値H1 は図2に示すものと同じ
である。第2の参照領域RA2は3×3画素の領域であ
り、この領域に適用される低濃度閾値L2 は10%、高
濃度閾値H2 は30%である。
【0030】図3(B)〜(G)には、図2(B)〜
(G)に対応する信号が記載されている。図3の例で
は、第2の参照領域RA2によって濃度が17%の注目
画素も作用対象となり、この注目画素にレベル2の鮮鋭
度強調処理が施されていることが解る(図3(A),
(E))。なお、第2の参照領域RA2は、主に、図1
(C)において矢印P1,P2,P3のような領域にお
いてエッジを強調することを目的としたものである。
【0031】図4は、本発明による鮮鋭度強調処理の特
徴及び効果を示す説明図である。図4の(A),
(B),(C),(D)の各信号は、それぞれ図10の
(A),(B),(C),(D)の各信号と同じであ
る。図4(E)に示す第2の鮮鋭度強調信号SP2 (S
P2a,SP2b)は、原画のエッジ(図2,図3の例にお
いては作用対象範囲の注目画素)付近において、図4
(D)に示す第1の鮮鋭度強調信号SP1 に所定の係数
kを乗じることによって得られるので、図10に示す従
来の鮮鋭度強調処理よりも鮮鋭度強調の効果が大きい。
すなわち、図4(H),(I)に示す強調処理済の画像
信号S2 は、図10の画像信号S1 よりもエッジ部での
傾斜が急峻である。なお、鮮鋭度強調の効果は係数kの
値に比例しており、係数kの値としては0以上の任意の
値を選択することが可能である。図4(H)の画像信号
S2 の場合は、作用対象範囲外の注目画素についての係
数kがk=1でSP2a=SP1 であり、図4(I)の場
合は、作用対象範囲外の注目画素についての係数kがk
=0でSP2b=0である。図4(H),(I)ともに作
用対象範囲内についてはk=2であり、SP2a,SP2b
=2×SP1 である。
【0032】図5は、この発明の一実施例としての鮮鋭
度強調装置を含む画像処理システムの構成を示すブロッ
ク図である。この画像処理システムは、原画100に光
を照射してその反射光を読取るピックアップユニット6
0と、A/D変換器101と、ルックアップテーブル1
02と、鮮鋭度強調装置103と、画像処理装置104
と、クロック発生器111と、CPU112と、メイン
メモリ113とを備えている。
【0033】ピックアップユニット60は、光源61
と、ピックアップレンズ62と、アパーチャスリット6
7と、光電変換器64と、アンプ65とを有している。
光源61から出射された光は原画100によって反射さ
れ、その反射光はピックアップレンズ62とアパーチャ
スリット67を介して光電変換器64に入射する。光電
変換器64の出力はアンプ65で増幅されて画像信号S
IMとなり、この画像信号SIMはA/D変換器101でデ
ジタル画像信号DSIMに変換される。
【0034】ルックアップテーブル102は、デジタル
画像信号DSIMの階調を修正するための装置である。階
調修正されたデジタル画像信号ESIMは鮮鋭度強調装置
103において鮮鋭度強調処理を受け、得られたデジタ
ル画像信号FSIMは、画像処理装置104によって倍率
変換などの画像処理を受ける。画像処理装置104の出
力信号GSIMは、外部記憶装置や画像記録装置などの外
部の装置に供給される。
【0035】クロック発生器111は、各装置101,
102,103,104に同期を取るためのクロック信
号CLKを供給する。また、CPU112は、CPUバ
ス114を介して各装置103,104,113に、後
述するパラメータ(L1,H1,L2.H2など)を供
給したり、ルックアップテーブル102の内容等を設定
したりする。
【0036】図6は、鮮鋭度強調装置103の内部構成
を示すブロック図である。鮮鋭度強調装置103は、ラ
インバッファ20と、アンシャープ信号発生回路30
と、減算器40と、ゲイン調整部50と、加算器60
と、第1と第2の濃度比較部71,72とを備えてい
る。
【0037】ラインバッファ20は、複数の参照領域
と、アンシャープ信号作成のための平均化領域とのうち
で最も大きな領域をカバーする走査線上の画像信号S0
を記憶するメモリである。図2、図3の例では、7×7
画素の第1の参照領域RA1が最も大きいので、少なく
とも7本の走査線上の画像信号S0 を記憶する。
【0038】アンシャープ信号発生回路30は、所定の
平均化領域(図2、図3の例では5×5画素)内の画像
信号S0 の平均値を求める回路である。減算器40は、
注目画素の画像信号S0 からアンシャープ信号Uを減算
する回路であり、この減算によって第1の鮮鋭度強調信
号SP1 が得られる。
【0039】ゲイン調整部50は、乗算器51とORゲ
ート52とセレクタ53とを備えている。乗算器51
は、減算器40から与えられる第1の鮮鋭度強調信号S
P1 に所定の係数k(この例の場合k=2)を乗ずる回
路である。乗算器51の出力は、セレクタ53の一方の
入力端に与えられる。この例のように、係数kの値が2
の整数乗の値である場合には、乗算器51はシフトレジ
スタで実現することが可能である。セレクタ53の他方
の入力端には、減算器40の出力すなわち第1の鮮鋭度
強調信号SP1 がそのまま与えられている。このセレク
タ53はORゲート52の出力を選択信号として受け、
選択信号が0のとき第1の鮮鋭度強調信号SP1 を選択
して出力し、選択信号が1のとき第2の鮮鋭度強調信号
SP2 を選択して出力する。なお、ORゲート52の入
力については後述する。
【0040】第1の濃度比較部71は、2つのコンパレ
ータ81,82と、2つのD型フリップフロップ83,
84と、ANDゲート85とを備えている。第2の濃度
比較部72も同様に、2つのコンパレータ91,92
と、2つのD型フリップフロップ93,94と、AND
ゲート95とを備えている。4つのコンパレータ81,
82,91,92には、CPUデータバスを介して第1
の低濃度閾値L1 と、第1の高濃度閾値H1 と、第2の
低濃度閾値L2 と、第2の高濃度閾値H2 とがそれぞれ
参照値として設定されている。これらの閾値L1 ,H1
,L2 ,H2 は、図3で使用したものと同じである。
ラインバッファ20から出力された画像信号S0 は、4
つのコンパレータに入力されている。
【0041】第1と第2の濃度比較部71,72は、そ
れぞれ参照領域RA1,RA2を取り扱うので濃度比較
の対象とする領域の広さは異なっているものの、両者の
動作と機能は同じなので、ここでは第1の濃度比較部7
1の動作について説明する。2つのコンパレータ81,
82の出力S81,S82は、それぞれD型フリップフ
ロップ83,84のクロック入力端子に与えられてい
る。また、D型フリップフロップ83,84のD入力端
子はいずれもプルアップされている。2つのD型フリッ
プフロップ83,84のQ出力Q83,Q84はAND
ゲート85に入力されており、ANDゲート85の出力
Q85はゲイン調整部50のORゲート52に入力され
ている。同様に、第2の濃度比較部72のANDゲート
95の出力Q95もゲイン調整部50のORゲート52
に入力されている。
【0042】第1の濃度比較部71内の第1のコンパレ
ータ81は、第1の参照領域RA1(図3)内の各画素
について画像信号S0 と低濃度閾値L1 とを比較し、S
0 ≦L1 を満足する画素が存在すると、その出力信号S
81を1レベルに立上げる。D型フリップフロップ83
のクロック入力端子にはコンパレータ81の出力信号S
81が入力されており、また、そのD入力端子はプルア
ップされているので、信号S81が一度でも1レベルに
立上ると、それ以降は出力Q83のレベルが1に保持さ
れる。すなわち、第1の参照領域RA1に含まれる49
個の画素の中で、1つでもS0 ≦L1 を満足する画素が
存在する場合にはQ83=1に保たれる。
【0043】第1の濃度比較部71の第2のコンパレー
タ82は、第1の参照領域RA1(図3)内の各画素に
ついて画像信号S0 と高濃度閾値H1 とを比較し、H1
≦S0 を満足する画素が存在すると、その出力信号S8
2を1レベルに立上げる。D型フリップフロップ84の
クロック入力端子にはコンパレータ82の出力信号S8
2が入力されており、また、そのD入力端子はプルアッ
プされているので、信号S82が一度でも1レベルに立
上ると、それ以降は出力Q84のレベルが1に保持され
る。すなわち、第1の参照領域RA1に含まれる49個
の画素の中で1つでもH1 ≦S0 を満足する画素が存在
する場合にはQ84=1に保たれる。
【0044】ANDゲート85の出力Q85は、第1の
参照領域RA1内に、S0 ≦L1 を満たす画素とH1 ≦
S0 を満たす画素とがいずれも存在する場合に1とな
り、そうでない場合には0となる。第2の濃度比較部7
2のANDゲート95も同様に、第2の参照領域RA2
内に、S0 ≦L2 を満たす画素とH2 ≦S0 を満たす画
素とがいずれも存在する場合に1となり、そうでない場
合には0となる。
【0045】ANDゲート85,95の出力Q85,Q
95はゲイン調整部50のORゲート52に入力されて
いるので、2つの出力Q85,Q95の少なくとも一方
が1である場合に、ORゲート52の出力も1になる。
このORゲート52の出力は、選択信号としてセレクタ
53に与えられている。セレクタ53は、ORゲート5
2の出力が1である場合には第2の鮮鋭度強調信号SP
2 をそのまま通過させて加算器60に入力し、一方、O
Rゲート52の出力が0である場合には第1の鮮鋭度強
調信号SP1 を加算器60に入力する。この結果、加算
器60で得られる信号は、図3(F),図4(H)に示
すような、作用対象範囲でのみ第2の鮮鋭度強調信号S
P2 を元の画像信号S0 に加算して得られる画像信号S
2 となる。作用対象範囲外では第1の鮮鋭度強調信号S
P1 が元の画像信号S0 に加算されている。
【0046】なお、図6において第1の鮮鋭度強調信号
SP1 のバイパス経路に別の乗算器を配設して、そこで
ゲイン調整を独自に行ってもよい。この場合の係数は乗
算器51の係数より小さい範囲で任意である。また、図
6の鮮鋭度強調装置103を用いて図2に示すような鮮
鋭度強調処理を行なう場合には、第2の濃度比較部72
の出力Q95を常に1に保つようにすればよい。こうす
るには、例えば、第2の低濃度閾値L2 を0%に設定
し、第2の高濃度閾値H2 を100%に設定する。
【0047】B.第2の実施例:ところで、上述した実
施例を更に改善し、各参照領域に対して複数の閾値セッ
トを用意するようにすることも可能である。例えば、第
1の参照領域RA1に対して、次のような低濃度閾値と
高濃度閾値の3組の閾値セットを準備する。 第1の閾値セット:低濃度閾値L11=10%、高濃度閾
値H11=70% 第2の閾値セット:低濃度閾値L12=20%、高濃度閾
値H12=80% 第3の閾値セット:低濃度閾値L13=30%、高濃度閾
値H13=90%
【0048】そして、各閾値セットに対して次の判定条
件の少なくとも1つが満足された場合に、鮮鋭度強調処
理を行なう。 判定条件JC11:L11≧S0 の画素とS0 ≧H11の画素
とが共に存在する。 判定条件JC12:L12≧S0 の画素とS0 ≧H12の画素
とが共に存在する。 判定条件JC13:L13≧S0 の画素とS0 ≧H13の画素
とが共に存在する。
【0049】なお、第2の参照領域RA2に関しても、
同様に、3つの閾値セットと3つの判定条件を次のよう
に設定する。 第1の閾値セット:低濃度閾値L21=10%、高濃度閾
値H21=30% 第2の閾値セット:低濃度閾値L22=15%、高濃度閾
値H22=35% 第3の閾値セット:低濃度閾値L23=20%、高濃度閾
値H23=40%
【0050】判定条件JC21:L21≧S0 の画素とS0
≧H21の画素とが共に存在する。 判定条件JC22:L22≧S0 の画素とS0 ≧H22の画素
とが共に存在する。 判定条件JC23:L23≧S0 の画素とS0 ≧H23の画素
とが共に存在する。
【0051】このように、濃度の判定レベルと参照領域
サイズを組み合わせて使用することによって、特徴的な
濃度変化を局所的に示す領域、すなわち原画において急
激なエッジであった領域を、選択的に鮮鋭度強調処理の
対象とすることが出来る。
【0052】なお、上記の例では、第1の参照領域RA
1に対する各閾値セットの低濃度閾値と高濃度閾値との
差分が等しい。第2の参照領域RA2に関しても同様で
ある。こうすることによって、3つの閾値セットによる
3つの判定条件をそれぞれ異なる濃度範囲に対応させる
ことができるので、濃度勾配の比較的ゆるやかな部分に
おいても連続して鮮鋭度強調処理を行なうことができ
る。
【0053】図7は、2つの参照領域RA1,RA2の
それぞれについて、3つの閾値セットによる3つの判定
条件を適用する場合の鮮鋭度強調装置の構成を示すブロ
ック図である。この鮮鋭度強調装置103aは、図6に
示す装置のゲイン調整部50をゲイン調整部50aで置
き換え、2つの濃度比較部71,72の代わりに6つの
濃度比較部73〜78を設けるとともに、2つの3入力
ORゲート79,80を追加したものである。
【0054】6つの濃度比較部73〜78の内部構成
は、図6における濃度比較部71,72の内部構成と同
じである。第1ないし第3の濃度比較部73,74,7
5は、第1の参照領域RA1のための判定を行なう回路
であり、それぞれの閾値セット(L11,H11),(L1
2,H12),(L13,H13)がCPUバスを介してCP
Uにより設定されている。3つの濃度比較部73,7
4,75の出力は、3入力ORゲート79に入力されて
いるので、第1の参照領域RA1に関する上述の3つの
判定条件JC11〜JC13の少なくとも1つが満足される
場合には、ORゲート79の出力信号(選択信号)SE
L1は1となる。
【0055】第4ないし第6の濃度比較部76,77,
78は、第2の参照領域RA2のための判定を行なう回
路であり、それぞれの閾値セット(L21,H21),(L
22,H22),(L23,H23)がCPUバスを介してCP
Uにより設定されている。3つの濃度比較部76,7
7,78の出力は、3入力ORゲート80に入力されて
いるので、第2の参照領域RA2に関する上述の3つの
判定条件JC21〜JC23の少なくとも1つが満足される
場合には、ORゲート80の出力信号(選択信号)SE
L2は1となる。
【0056】図8は、ゲイン調整部50aの内部構成を
示すブロック図である。ゲイン調整部50aは、第1な
いし第3のルックアップテーブル(LUT)201〜2
03と、第1のセレクタ210と、3つの乗算器211
〜213と、第2のセレクタ220と、第4のルックア
ップテーブル230とを備えている。
【0057】第1ないし第3のLUT201〜203
は、第1の鮮鋭度強調信号SP1 のレベルに応じて第1
の乗算器211に与えられる係数k1を設定するための
テーブルである。図9は、ゲイン調整部50a内の4つ
のLUTに登録されている内容を示す説明図である。
【0058】第1のLUT201は、図9(A)に示す
ように、第1の鮮鋭度強調信号SP1 のレベルに係わら
ずk1=0.5を出力する。図9(A)の右端には、こ
の場合に第1の乗算器211で生成される第2の鮮鋭度
強調信号SP2 の形状を示している。k1=0.5の場
合には、第2の鮮鋭度強調信号SP2 (=k1×SP2
)は破線で示す第1の鮮鋭度強調信号SP1 の1/2
のレベルである。
【0059】第2のLUT202は、図9(B)に示す
ように、第1の鮮鋭度強調信号SP1 のレベルに係わら
ずk1=2を出力する。図9(B)の右端に示すよう
に、この時の第2の鮮鋭度強調信号SP2 は、破線で示
す第1の鮮鋭度強調信号SP1の2倍のレベルを有して
いる。
【0060】第3のLUT203は、図9(C)に示す
ように、第1の鮮鋭度強調信号SP1 のレベルが0%の
近傍でk1=2となり、0%を離れるに従って1まで単
調に減少する。図9(C)の右端に示すように、この時
の第2の鮮鋭度強調信号SP2 は、第1の鮮鋭度強調信
号SP1 が0%の付近において鮮鋭度の強調効果が強
く、0%を離れるに従って強調効果が第1の鮮鋭度強調
信号SP1 (第1の破線で示す)に近づく形状を有して
いる。
【0061】図8に示す第1のセレクタ210は、図7
に示すORゲート79,80の出力信号SEL1,SE
L2に応じて、第1ないし第3のLUT201〜203
の出力のいずれかを選択し、これを係数k1として第1
の乗算器211に与える。図8の下部に示すように、信
号SEL1,SEL2に応じて3つのLUTが次のよう
に選択される。
【0062】SEL1=SEL2=0の場合には第1の
LUT201が選択される。SEL1=SEL2=0と
なるのは、第1の参照領域RA1について3つの判定条
件JC11〜JC13が1つも満足されておらず、かつ、第
2の参照領域RA2についても3つの判定条件JC21〜
JC23が1つも満足されていない場合である。このよう
場合には、その注目画素は鮮鋭度強調の作用対象となら
ず、第1のLUT201の出力k1=0.5(図9
(A))が第1の乗算器211に与えられる。この結
果、乗算器211の出力信号SP1aのレベルは0.5と
なる。
【0063】SEL1=1の場合には、他の信号SEL
2のレベルに係わらず第2のLUT202が選択され
る。SEL1=1となるのは、第1の参照領域RA1に
ついて3つの判定条件JC11〜JC13が少なくとも1つ
満足されている場合である。このような場合には、その
注目画素は鮮鋭度強調の作用対象となり、第2のLUT
202の出力k1=2(図9(B))がセレクタ210
で選択されて第1の乗算器211に与えられる。この結
果、乗算器211の出力信号SP1aは、第1の鮮鋭度強
調信号SP1 のレベルを2倍した信号となる。
【0064】SEL1=0かつSEL2=1の場合に
は、第3のLUT203が選択される。SEL1=0と
なるのは第1の参照領域RA1について3つの判定基準
JC11〜JC13が1つも満足されていない場合であり、
SEL2=1となるのは第2の参照領域RA2について
の判定条件JC21〜JC23が少なくとも1つ満足されて
いる場合である。このよう場合には、その注目画素は鮮
鋭度強調の作用対象となり、第3のLUT203の出力
k1(図9(C))がセレクタ210で選択されて第1
の乗算器211に与えられる。乗算器211は、図9
(C)に示す分布を有する係数k1を鮮鋭度強調信号S
P1 に乗ずることになる。
【0065】このように、第2の実施例では、2つの参
照領域RA1,RA2における判定に応じて係数k1を
与えるルックアップテーブルを選択するようにしている
ので、各参照領域内の濃度分布に応じて鮮鋭度強調信号
SP1 の形状を修正することができる。
【0066】図8の第2の乗算器212は、第1の乗算
器211から出力された信号SP1aにさらに第2の係数
k2を乗ずる。第2の係数k2は、第4のルックアップ
テーブル230から出力される。第4のLUT230に
は第2のセレクタ220によって選択された原画像信号
S0 またはアンシャープ信号Uが与えられており、この
入力信号に応じて第2の係数k2を出力する。なお、第
2のセレクタ220は、オペレータの指示に従ってCP
Uから与えられた選択信号SELに応じて原画像信号S
0 かアンシャープ信号Uのいずれか一方を選択する。
【0067】図9(D)には、第4のLUT230の内
容を示している。第4のLUT230の出力である係数
k2の値は、入力信号の濃度レベルが50%付近で最大
値となり、濃度が0%および100%に近づくとともに
単調に減少するような、上に凸の形状を有している。こ
のような特性曲線を用いると、原画像信号S0 またはア
ンシャープ信号Uのレベルが50%に近い場合に鮮鋭度
強調処理を最も強く作用させるとともに、0%または1
00%の付近では鮮鋭度強調処理を作用させないように
することができる。図4(B),(C)に示すように、
原画像信号S0やアンシャープ信号Uのレベルが50%
付近になるのは、黒ベタと白ヌケのエッジ付近なので、
エッジ付近でのみ鮮鋭度強調処理を強く作用させること
が可能となる。
【0068】第2の乗算器212は、第4のLUT23
0から出力された第2の係数k2を第1の乗算器211
の出力信号SP1aに乗ずる。また、第3の乗算器213
は、第2の乗算器213の出力信号SP1bに第3の係数
k3を乗ずることによって、第2の鮮鋭度強調信号SP
2 を作成する。第3の係数k3は、オペレータによって
マニュアルで調整されたレベルである。第3の乗算器2
13で得られた鮮鋭度強調信号SP2 は、図7の加算器
60に与えられ、ここで元の画像信号S0 と加算されて
鮮鋭度強調処理後の画像信号S2 が作成される。
【0069】以上のように、図7ないし図9に示す第2
の実施例では、2つの参照領域RA1,RA2における
濃度の判定結果に応じて3つのルックアップテーブル2
01〜203の1つを選択し、選択されたルックアップ
テーブルから出力された係数k1を鮮鋭度強調信号SP
1 に乗ずるので、参照領域内の局所的な濃度勾配に応じ
た適切な係数k1を選択することができるという利点が
ある。さらに、各参照領域に対して複数の判定条件を設
定したので、元の画像のエッジ付近の比較的広い範囲に
亘って、適切な係数k1を選択することができる。
【0070】なお、この発明は上記実施例に限られるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の
態様において実施することが可能であり、例えば次のよ
うな変形も可能である。
【0071】(1)図9に示す4つのルックアップテー
ブルの内容は単なる一例であり、各テーブルにこれらと
異なる内容を設定するようにしてもよい。例えば、第1
のLUT201としてk1=1.5等の任意の一定値を
設定し、第2のLUT202の内容としてk1=3.0
等の任意の一定値を設定することも可能である。なお、
図8および図9の例では、第1のLUT201における
係数k1の値よりも第2のLUT202における係数k
1の値を大きく設定することが望ましい。これは、図8
の下部に示されているように、第1のLUT201は2
つの参照領域RA1,RA2のいずれにおいても上述の
判定条件JC11〜JC13,JC21〜JC23を満たさない
場合に選択されるテーブルだからである。この意味で
は、第3のLUT203における係数k1の値も、第1
のLUT201における係数k1の値より大きく設定す
ることが望ましい。なお、第1や第2のLUT201,
202について曲線部分を含む入出力特性を設定するこ
とも可能であり、第3のLUT203について出力が一
定値となる入出力特性を設定することも可能である。
【0072】(2)参照領域の個数は1つでもよく、ま
た、任意の複数個に設定することも可能である。複数の
参照領域を設ける場合には、各参照領域のサイズは互い
に異なる値に設定される。なお、比較的大きな参照領域
では高濃度閾値と低濃度閾値の差分を大きく、比較的小
さな参照領域では高濃度閾値と低濃度閾値の差分を小さ
く設定することが好ましい。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
および2に記載された鮮鋭度強調装置では、参照領域内
の画素の濃度を判定することによってエッジの明確なベ
タ部の境界に相当するか否かを判断することができるの
で、エッジ付近において選択的に鮮鋭度強調処理を行な
うことができるという効果がある。
【0074】また、請求項3に記載された装置によれ
ば、複数の参照領域において画像のエッジ付近か否かを
判定できるので、エッジ付近の比較的広い範囲に亘って
鮮鋭度強調処理を選択的に行なうことができるという効
果がある。
【0075】請求項4に記載された装置によれば、複数
の閾値セットを用いるので、様々な局所的な濃度変化に
応じて鮮鋭度強調処理を行なうことができるという効果
がある。
【0076】請求項5に記載された装置によれば、ルッ
クアップテーブルに様々な入出力特性を設定することが
できるので、画像の局所的な濃度変化に応じて鮮鋭度強
調処理を柔軟に適用することができるという効果があ
る。
【0077】請求項6に記載された装置によれば、原画
像信号またはアンシャープ信号のレベルは画像のエッジ
と関係が深いので、エッジ付近に選択的に鮮鋭度強調処
理を行なうことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】原画像と、その濃度分布と、原画を光電走査し
て得られた画像信号とを示す説明図。
【図2】この発明の一実施例における鮮鋭度強調処理の
一例を示す説明図。
【図3】2つの参照領域RA1,RA2を用いた場合の
鮮鋭度強調処理の例を示す説明図。
【図4】本発明による鮮鋭度強調処理の特徴及び効果を
示す説明図。
【図5】この発明の第1の実施例としての鮮鋭度強調装
置を含む画像処理システムの構成を示すブロック図。
【図6】鮮鋭度強調装置103の内部構成を示すブロッ
ク図。
【図7】第2の実施例における鮮鋭度強調装置の構成を
示すブロック図。
【図8】第2の実施例におけるゲイン調整部50aの内
部構成を示すブロック図。
【図9】ゲイン調整部50aにおける4つのLUTの登
録内容を示す説明図。
【図10】従来の鮮鋭度強調方法を示す説明図。
【符号の説明】
20…ラインバッファ 30…アンシャープ信号発生回路 40…減算器 50…ゲイン調整部 51…乗算器 52…ORゲート 53…セレクタ 60…ピックアップユニット 60…加算器 61…光源 62…ピックアップレンズ 64…光電変換器 65…アンプ 67…アパーチャスリット 71〜78…濃度比較部 79,80…ORゲート 81,82,91,92…コンパレータ 83,84…D型フリップフロップ 85…ANDゲート 91,92…コンパレータ 93,94…D型フリップフロップ 95…ANDゲート 100…原画 101…A/D変換器 102…ルックアップテーブル 103…鮮鋭度強調装置 104…画像処理装置 111…クロック発生器 112…CPU 113…メインメモリ 114…CPUバス 201〜203…ルックアップテーブル 210…セレクタ 211〜213…乗算器 220…セレクタ 230…ルックアップテーブル DSIM,ESIM,FSIM,GSIM…デジタル画像信号 RA1,RA2…参照領域 S0 …原画像信号 SP1 ,SP2 …鮮鋭度強調信号 U…アンシャープ信号

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原画を光電走査することによって読取ら
    れた画像信号の鮮鋭度を強調する装置であって、 注目画素を中心とする所定の平均化領域内の濃度の平均
    値を示すアンシャープ信号を求めるアンシャープ信号生
    成手段と、 前記注目画素の濃度を示す原画像信号と前記アンシャー
    プ信号との差分をとることによって鮮鋭度強調信号を作
    成する減算手段と、 前記注目画素を中心とする所定の第1の参照領域内の各
    画素の濃度を所定の第1の低濃度閾値および第1の高濃
    度閾値と比較し、該比較結果に応じて第1のフラグのレ
    ベルを設定する第1の濃度比較手段と、 前記第1のフラグのレベルに応じた第1の係数を前記鮮
    鋭度強調信号に実質的に乗ずる第1の乗算手段と、 前記原画像信号と前記第1の乗算手段で作成された信号
    とを加算することによって、鮮鋭度強調後の画像信号を
    求める加算手段と、を備える画像の鮮鋭度強調装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の鮮鋭度強調装置であっ
    て、 第1の濃度比較手段は、前記第1の低濃度閾値よりも濃
    度が低い画素と前記第1の高濃度閾値よりも濃度が高い
    画素とが前記第1の参照領域内に含まれている場合に第
    1のフラグを前記所定の第1のレベルに設定し、その他
    の場合には所定の第2のレベルに設定する手段を備え
    る、画像の鮮鋭度強調装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の鮮鋭度強調装置
    であって、さらに、 注目画素を中心とする所定の第2の参照領域内の各画素
    の濃度を所定の第2の低濃度閾値および第2の高濃度閾
    値と比較し、該比較結果に応じて第2のフラグを設定す
    る第2の濃度比較手段を備え、 第1の乗算手段は、前記第1および第2のフラグのレベ
    ルに応じて設定された第1の係数を、鮮鋭度強調信号に
    実質的に乗ずる手段を備える、画像の鮮鋭度強調装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の鮮
    鋭度強調装置であって、 各濃度比較手段は、各参照領域に対して設定される複数
    組の閾値セットとして、低濃度閾値と高濃度閾値が各組
    毎に異なる複数組の閾値セットを記憶する手段と、各閾
    値セットと注目画素の濃度とを比較することによって前
    記フラグのレベルを設定する手段と、を有する画像の鮮
    鋭度強調装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の鮮
    鋭度強調装置であって、 第1の乗算手段は、鮮鋭度強調信号を入力とし、第1の
    係数を出力とするルックアップテーブルを有する、画像
    の鮮鋭度強調装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の鮮
    鋭度強調装置であって、さらに、 原画像信号とアンシャープ信号の少なくとも一方のレベ
    ルに応じて設定された第2の係数を第1の乗算手段の出
    力信号に乗ずるとともに、その出力信号を加算手段に与
    える第2の乗算手段、を備える画像の鮮鋭度強調装置。
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