JPH0727325A - バーナーガンのコーキングによる閉塞防止方法 - Google Patents

バーナーガンのコーキングによる閉塞防止方法

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JPH0727325A
JPH0727325A JP17021293A JP17021293A JPH0727325A JP H0727325 A JPH0727325 A JP H0727325A JP 17021293 A JP17021293 A JP 17021293A JP 17021293 A JP17021293 A JP 17021293A JP H0727325 A JPH0727325 A JP H0727325A
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JP
Japan
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oil
burner gun
cleaning
caulking
gun
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JP17021293A
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English (en)
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Akio Kai
昭夫 開
Akio Nishi
昭雄 西
Kimiyo Tokuda
君代 徳田
Shigenobu Maniwa
繁信 真庭
Miyuki Yamaguchi
幸 山口
Masaharu Oguri
正治 大栗
Yoshiaki Matsushima
義明 松島
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Choryo Engineering Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Choryo Engineering Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は残油が固化してバーナーガン内を閉
塞させる不具合を防止する、バーナーガンのコーキング
による閉塞防止方法を提供することを目的とする。 【構成】 本発明は油焚きボイラーにおいて、点消火時
に残留炭素分4wt%以下、好ましくは1wt%以下の
油を用いてバーナーガン内を置換・洗浄することを特徴
とするバーナーガンのコーキングによる閉塞防止方法を
構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は油焚きボイラーのバーナ
ーガンに適用されるコーキングによる閉塞防止方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】火力発電用ボイラーでは、電力ニーズの
変動に伴なう負荷変動のため、分あるいは時間単位で点
消火がくり返えされ、バーナーガン内に燃料油が一部残
存したまま高温,酸化雰囲気下にさらされている。この
残留燃料油が酸化・重合反応により、コーキングするこ
とから、現在では、スチームパージにより、存油量を極
力減少させる方法が実施されているにもかかわらず、2
〜4週間に1回の割合でバーナーガンを取りはずし、異
物除去のための作業を必要としている。この作業がいわ
ゆる“3K”作業として問題となり、冷却空気によるバ
ーナーガンの冷却、バーナーガンの引きぬきによる冷却
等、対策が検討されているが、コスト上又、安全上の問
題から、一般に普及するに至ってない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のスチームパ
ージ等による方法には解決すべき次の課題があった。
【0004】即ち、火力発電用燃料油としては、JIS
K2205の重油3種である、いわゆるC重油が中心で
あり、この燃料油は、石油製品の中では、粘度が高く、
かつ、重質なアスファルト分を相当量含んでいる。この
ため、スチームパージを実施しても、バーナーガン内壁
面に油分が付着残存することになる。燃料油が残存して
いると炉内の空気がバーナーガン中に拡散し、高温場で
は空気酸化を引き起こし、コーキング物に変化する。こ
のコーキング物が、バーナーガン内凹部、例えばフレキ
シブルチューブ等に蓄積され、肥大化した後、何らかの
ショックで剥離して、バーナーガンノズルを閉塞すると
いう問題があった。
【0005】本発明は上記問題解決のため、バーナーガ
ン内に残る油量を著減させ、コーキング物の生成を抑え
てバーナーガンのコーキングによる閉塞を防止する方法
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
手段として次の(1)〜(11) に記載のバーナーガン
のコーキングによる閉塞防止方法を提供しようとするも
のである。
【0007】(1) 油焚きボイラーにおいて、点消火
時に残留炭素分4wt%以下、好ましくは、1wt%以
下の油を用いてバーナーガン内を置換洗浄することを特
徴とするバーナーガンのコーキングによる閉塞防止方
法。
【0008】(2) 上記(1)記載のバーナーガンの
コーキングによる閉塞防止方法おいて、洗浄油を油中水
滴型エマルション(W/O型)又は水中油滴型エマルシ
ョン(O/W型)として使用することを特徴とするバー
ナーガンのコーキングによる閉塞防止方法。
【0009】(3) 上記(1)及び(2)記載のバー
ナーガンのコーキングによる閉塞防止方法において、洗
浄油として、灯油又は軽油を用いることを特徴とするバ
ーナーガンのコーキングによる閉塞防止方法。
【0010】(4) 上記(2)及び(3)記載のバー
ナーガンのコーキングによる閉塞防止方法において、エ
マルションとして、油中水滴型(W/O)を用いること
を特徴とするバーナーガンのコーキングによる閉塞防止
方法。
【0011】(5) 油焚きボイラーにおいて、点消火
時に、不活性ガスを用いてバーナーガン内を置換し、不
活性雰囲気を保持続けることを特徴とするバーナーガン
のコーキングによる閉塞防止方法。
【0012】(6) 上記(5)記載のバーナーガンの
コーキングによる閉塞防止方法において、不活性ガスに
スチームを用いることを特徴とするバーナーガンのコー
キングによる閉塞防止方法。
【0013】(7) 油焚きボイラーにおいて、点消火
時に洗浄油により燃料油を置換した後、不活性ガスによ
り、バーナーガン内を充満し不活性雰囲気を保持するこ
とを特徴とするバーナーガンのコーキングによる閉塞防
止方法。
【0014】(8) 上記(7)記載のバーナーガンの
コーキングによる閉塞防止方法において、洗浄油として
残留炭素分4%以下好ましくは1wt%以下の油を用い
ることを特徴とするバーナーガンのコーキングによる閉
塞防止方法。
【0015】(9) 上記(8)記載のバーナーガンの
コーキングによる閉塞防止方法において、洗浄油を油中
水滴エマルション又は水中油滴型エマルションとして用
いることを特徴とするバーナーガンのコーキングによる
閉塞防止方法。
【0016】(10) 上記(7),(8)及び(9)
記載のバーナーガンのコーキングによる閉塞防止方法に
おいて、洗浄油として、灯油又は軽油を用いることを特
徴とするバーナーガンのコーキングによる閉塞防止方
法。
【0017】(11) 上記(7),(8),(9)及
び(10)記載のバーナーガンのコーキングによる閉塞
防止方法において、不活性ガスとして、スチームを用い
ることを特徴とするバーナーガンのコーキングによる閉
塞防止方法。
【0018】
【作用】本発明は上記のように構成されるので次の作用
を有する。
【0019】(1).上記(1)〜(4)の構成にあっ
ては、残留炭素分4wt%以下の油でバーナーガン内を
置換洗浄するので、例えば、A重油や灯油,軽油の様な
油を洗浄油として、使用すると、洗浄油がバーナーガン
内燃料油を溶解,排出せしめ,燃料油が洗浄油に置換さ
れる。この洗浄油をスチームパージすると、低粘度であ
ることから、ガン内に付着残存する油量が低減する。
又、残存した洗浄油中のアスファルテンの様な重質成分
が少ないことにより、酸化重合によるコーキング物生成
量が抑制される。
【0020】(2).上記(5),(6)の構成にあっ
ては点消火時に不活性ガスを用いてバーナーガン内を不
活性雰囲気とするため、次のようにコーキング物生成が
抑止される。ボイラーの消火後、バーナーガンは、ボイ
ラー負荷にもよるが、300〜350℃まで輻射熱によ
り、昇温することが多い。一般に、還元雰囲気での熱分
解・縮重合反応は400℃以上でないと、顕著に進まな
いが、酸素が存在すると、300℃付近でも急速に酸化
反応が進行する。
【0021】この酸化反応は、気液界面で起こり、油膜
表面に酸化・重合による高分子膜を形成する場合と、気
化した油が、気相・酸化して、コーキング物を生成し、
バーナーガン内壁面に再付着する場合とが認められてい
る。
【0022】従って、不活性ガスを用いて酸素の供給を
断ち、極力バーナーガン内の酸素濃度を低下せしめるこ
とで、前述の酸化反応によるコーキング物生成を抑止出
来る。
【0023】(3).上記(7)〜(11)の構成にあ
っては点消火時に洗浄油により燃料油を置換した後、不
活性ガスによりバーナーガン内を充満し、不活性雰囲気
を保持するため次のようにコーキング物生成が抑止され
る。
【0024】例えば、灯油や軽油の様な油を洗浄油とし
て、使用すると、洗浄油がバーナーガン内燃料油を溶解
排出せしめ、燃料油が洗浄油に置換される。この洗浄油
をスチームパージすると、低粘度であることから、ガン
内に付着残存する油量が低減する。
【0025】又、残存した洗浄油中のアスファルテンの
様な重質成分が少ない事により、酸化重合によるコーキ
ング物生成量が抑制される。
【0026】なお、バーナーガン内は凹部が存在するこ
とから、エマルション中水の破裂により乱れが生じ、置
換効果が高まる。このことから残油量低減効果が一層高
まり、かつ、洗浄油使用量の低減が可能となる。
【0027】また、ボイラーの消火後、バーナーガン
は、ボイラー負荷にもよるが、300〜350℃まで輻
射熱により、昇温することが多い。一般に、還元雰囲気
での熱分解・縮重合反応は400℃以上でないと、顕著
に進まないが、酸素が存在すると、300℃付近でも急
速に酸化反応が進行する。
【0028】この酸化反応は、気液界面で起こり、油膜
表面に酸化・重合による高分子膜を形成する場合と、気
化した油が、気相・酸化して、コーキング物を生成し、
バーナーガン内壁面に再付着する場合とが認められてい
る。
【0029】従って、酸素の供給を断ち、極力バーナー
ガン内の酸素濃度を低下せしめることで、前述の酸化反
応によるコーキング物生成を抑止出来る。
【0030】
【実施例】本発明の方法に係る第1〜第5実施例を図
1,図2により説明する。
【0031】なお、先の実施例と同様な手順,方法等に
ついては特に必要ある場合を除き、説明を省略する。
【0032】図1,図2は各実施例の方法に用いるバー
ナーガン洗浄ラインの模式図で、何れの図を用いるかは
個々の実施例の説明時に説明する。
【0033】次に請求項と実施例との対応及びその内容
を予め概述しておくと、第1〜第3実施例は請求項1〜
4の発明の方法に係り、その概要は先ず、ボイラーの点
消火時にスチームパージを施した後、燃料油に比べ、低
粘度かつ、残留炭素の少ない油をバーナーガン内に注入
することにより、バーナーガン内壁面に付着した燃料油
を溶解・置換する。そして再度、スチームパージを実施
することにより、残存油を減少させる。この洗浄油とし
てはJISK2203の灯油,JISK2204の軽
油,JISK2205の重油の1種(A重油)と2種
(B重油)及びこれ等の混合物を含めた同様の性状を有
する油を用いる。その他、ナフサや軽質原油を用いるこ
とも出来る。
【0034】更に、上記の洗浄油をエマルション化した
ものを洗浄油として用いることも出来る。洗浄油のエマ
ルション(W/O型)化は、日本精器製作所製オートホ
モジナイザーを使って、洗浄油と水を所定量秤量し、そ
れに、花王(株)製レオドールAO−15を0.5wt
%添加して、常温で、10000rpmの回転数で攪拌すること
で行なえる。
【0035】特に、O/W型又はW/O型のエマルショ
ン製造時の油滴あるいは水滴の粒径は限定する必要はな
いが、少なくとも調整後1週間以上安定なエマルション
が、望まれる。そのためには、夫々,条件に応じて乳化
剤の種類及び使用量が重要であるが、目標とするエマル
ション条件を満たせる乳化剤であれば、特に限定はしな
い。
【0036】O/W型エマルションは、水分割合を高め
られることから、洗浄油の使用量低減に効果があり、
又、W/O型は連続相が油であり、燃料油の溶解・置換
効果の効率向上がポイントである。
【0037】以上の方法は、点消火毎に実施する方が効
果的であるが、ボイラーの運転状況,消火の間隔,炉内
温度等を考慮して、対策を講ずることが望ましい。
【0038】なお、第1〜第3実施例の説明には図1を
用いる。
【0039】次に第4実施例は請求項5,6の発明の方
法に係り、その概要はボイラーの点消火時にスチームパ
ージを施した後、更に不活性ガスの供給を継続し、バー
ナーガン内へ、ノズルよりボイラー炉内の酸素が拡散す
ることを防止する。
【0040】これにより、バーナーガン内壁面に付着し
た燃料油の酸化・重合反応を抑止し、コーキング物の生
成を減少させる。不活性ガスとしては、腐食性や分解性
ガスでなければ,いずれでもよいが、出来るだけコスト
上安価なものが望ましい。特に、スチームはボイラー廻
りでは容易に供給される。
【0041】次に第5実施例は請求項7〜11の発明の
方法に係り、その概要は先ず、第1〜第3実施例の概要
に説明したプロセスを実施し、洗浄を行なった後、不活
性ガスの供給を継続し、バーナーガン内へ、ノズルより
ボイラー炉内の酸素が拡散することを防止する。
【0042】これにより、バーナーガン内壁面に付着し
た油の酸化・重合反応を抑止し、コーキング物の生成を
減少させる。不活性ガスとしては、腐食性や分解性ガス
でなければ,いずれでもよいが、出来るだけコスト上安
価なものが望ましい。
【0043】発電所では、洗浄油候補の灯・軽油と、不
活性ガス候補のスチームは容易に入手出来る。
【0044】(第1実施例)第1実施例の方法について
図1により説明する。
【0045】図1は火力発電用ボイラーに本実施例を適
用するためのバーナーガン洗浄ラインの模式図で、図に
おいて、1は燃料ライン,2はスチームライン,2a,
2bはスチームライン2より分岐されたスチームライ
ン,3は洗浄油供給器,4は洗浄油,5はバーナーガ
ン,6はバーナーガンのフレキシブルチューブ,7はバ
ーナーガンノズル,8はボイラー火炉である。
【0046】図示のようにバーナーガン5には、燃料ラ
イン1とスチームライン2とが接続されている。燃料は
燃料ライン1,バーナーガンのフレキシブルチューブ
6,バーナーガンノズル7を経て、ボイラー火炉8へ噴
出,霧化される。
【0047】一方、スチームは、スチームライン2,2
aを経て、バーナーガン5に供給され、燃料の霧化を助
ける。
【0048】本実施例では燃料ライン1に洗浄油供給器
3を設置し、又、スチームライン2を燃料ライン1にス
チームライン2bでバイパスした例を示してある。
【0049】洗浄油4に軽油を適用し、ボイラー火炉8
を実機の温度条件と同様に維持出来る様にしたパイロッ
ト試験装置で洗浄試験を実施した。その試験条件と結果
を表1に示す。洗浄は以下のとおり行なった。まず、燃
料ライン1より、C重油を通油した後、スチームライン
2bを使って出来るだけ燃料油をバーナーガン5内より
パージする。次いで、洗浄油供給器3を使って洗浄油4
をバーナーガン5内に導き、C重油を溶解・置換する。
再度、スチームにより、洗浄油をパージして、洗浄を終
了する。この後、フレキシブルチューブ6を取りはず
し、内部に付着した油を、テトラヒドロフランを溶剤と
して、洗い落とし、溶剤脱気後,油重量を秤量した。こ
の油について、13C−核磁気共鳴吸収装置を使って、
炭素分布を求め、芳香族炭素分率を求めた。
【0050】この芳香族炭素分率はC重油が0.31,
軽油が0.14であり、軽油の値に近い方がより置換さ
れたことを示している。表1の結果では従来法であるス
チームパージのみでは1.03g,C重油が付着してい
たが、表1に示すTest4の1リットル軽油を使って
洗浄した場合、残油量が、0.19gと1/5に減少し
ていた。又、芳香族炭素分率も、0.31から0.16
へと変化して軽油の値に近づいており、ほぼ軽油で置換
されていた。C重油の残留炭素は10.9%であり、軽
油は0.1%以下であることから、量的及び質的にも洗
浄の効果が得られている。
【0051】
【表1】
【0052】(第2実施例)第2実施例の方法について
説明する。
【0053】上記第1実施例の表1に示すTest4と
同じ条件で、洗浄油種を変えて第2実施例の洗浄試験を
実施した。その結果を表2に示す。表2は工業的に、か
つ安価に得られる灯油,A重油,B重油を適用した事例
である。
【0054】結果的には、最も洗浄後の残油量が多かっ
たB重油でも1/3までに減少していた。
【0055】
【表2】
【0056】(第3実施例)第3実施例の方法について
説明する。
【0057】上記第2実施例の方法に準じ、軽油エマル
ションを洗浄油として実施した第3実施例の結果を表3
に示す。表中,Test9〜Test11は、油中水滴
型エマルションの水分濃度を変化させた事例で、Tes
t12は水中油滴型エマルションの事例である。
【0058】Test9〜Test11では、若干では
あるが、軽油に比べ、洗浄後の残油量が軽減されてい
た。Test12でも洗浄効果が殆ど変わらなかったこ
とから、結果的には水分濃度の分だけ油分を軽減出来る
ことになる。
【0059】
【表3】
【0060】(第4実施例)第4実施例の方法について
図2により説明する。
【0061】図2は火力発電用ボイラーに不活性ガスと
してスチームを用い本実施例を適用するためのバーナー
ガン洗浄ラインの模式図で、図1から洗浄油供給器3,
洗浄油4を除去した構成と同様である。
【0062】図示のようにバーナーガン5には、燃料ラ
イン1とスチームライン2とが接続されている。燃料は
燃料ライン1,バーナーガンのフレキシブルチューブ
6,バーナーガンノズル7を経て、ボイラー火炉8へ噴
出霧化される。一方、スチームはスチームライン2,2
aを経て、バーナーガン5に供給され、燃料の霧化を助
ける。
【0063】スチームライン2,2bは燃料油のスチー
ムパージと共に、不活性ガスの供給ラインとして使用さ
れる。
【0064】スチームライン2bからの不活性ガスとし
てのスチームに代えて、燃料ライン1で極力バーナーガ
ン5に近い所に不活性ガスラインを設置し、スチーム以
外の不活性ガスを供給しても、本発明の目的は達成され
る。
【0065】本実施例の効果を確認するため、雰囲気を
変えた加熱試験を行ない、その結果を表4に示した。
【0066】Test13〜Test15は、酸素濃度
の影響、Test16はスチームの効果,Test17
とTest18は、Test13〜Test15と対比
して、軽油(洗浄油)とC重油(燃料油)の違い、Te
st19は温度の影響を検証するためである。
【0067】試験は、50mlの透明ガラス容器に10
gの油を入れ、所定のガス雰囲気にして、ヒーターによ
り加熱後、冷却して、油残量を秤量し、(試験では、液
相の変化を観察するために透明の軽油を試料とし
た。)、残油の色とスートの発生状況を観察した。
【0068】Test13とTest14に比べ、明ら
かにTest15では、液相酸化及び気相酸化が確認さ
れた。Test13では、透明のうすい黄色を呈する軽
油が軽質分の蒸発により、若干色が濃くなっている程度
の変化であった。Test16では、窒素と同じくスチ
ームの酸化防止効果が認められた。
【0069】Test17とTest18では、酸素に
より、スートの発生が軽油のケースと同様に起きてお
り、不活性雰囲気にすることで、C重油(燃料油)の酸
化を防止出来ることが分った。
【0070】Test19では温度が350℃まで上が
っても、不活性雰囲気が保たれれば、顕著な熱縮重合反
応による油の変質は起きないことが分った。
【0071】従って、バーナーガン5内を不活性ガスで
充満し、酸素濃度を減じることで、コーキング物の生成
を抑制出来ることが検証された。
【0072】
【表4】
【0073】(第5実施例)第5実施例の方法について
第1実施例等で用いた図1により説明する。
【0074】図示のようにバーナーガン5には、燃料ラ
イン1とスチームライン2とが接続されている。燃料は
燃料ライン1,バーナーガンのフレキシブルチューブ
6,バーナーガンノズル7を経て、ボイラー火炉8へ噴
出,霧化される。一方、スチームは、スチームライン
2,2aを経て、バーナーガン5に供給され、燃料の霧
化を助ける。
【0075】本実施例でも燃料ライン1に洗浄油供給器
3を設置し、又、スチームライン2を燃料ライン1にス
チームライン2bでバイパスしてある。洗浄油として、
点火トーチ用の灯・軽油等を使用出来れば洗浄油供給器
3に代えて、スチームと同様に、バイパスラインを設置
して燃料ライン1に導入すると一層,効果的である。
又、スチームライン2bの他、不活性ガスラインを燃料
ライン1に接続することで、他の不活性ガスも利用出来
る。
【0076】洗浄油4に軽油,灯油,B重油,軽油エマ
ルションを適用し、ボイラー火炉8を実機の温度条件と
同様に維持出来る様にしたパイロット試験装置で洗浄試
験を実施した。その試験条件と結果を表5と表6に示
す。洗浄は以下のとおり行なった。まず、燃料ライン1
より、C重油を通油した後、スチームライン2bを使っ
て出来るだけ燃料油をバーナーガン5内よりパージす
る。次いで、洗浄油供給器3を使って洗浄油4をバーナ
ーガン5内に導き、C重油を溶解・置換する。再度スチ
ームにより、洗浄油をパージして、洗浄を終了する。そ
の後、約300℃に60分間保持して、スチームの供給
を行なうケースと、供給をストップしたケースで加熱試
験を行ない、冷却後のフレキシブルチューブ6を半割り
にして、内部観察した。
【0077】表5,6において、Test20の従来法
に準じたケースに比べ、洗浄油による洗浄(Test2
2)、不活性ガスによる酸化防止策(Test21)で
も付着油分量又は、酸化重合した物質(ヘキサン不溶
分)は減少しているが、両方法を組み合わせたケース
(Test23〜Test27)では、一層効果が現わ
れ、ヘキサン洗浄後の付着物質は検出されなかった。
【0078】
【表5】
【0079】
【表6】
【0080】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されるので次
の(1)〜(4)の効果を有する。 (1).洗浄油によって燃料油を溶解・置換することに
より、バーナーガン内残油量を1/5まで減らすことが
出来る。 (2).洗浄油に残留炭素分の少ない油を用いること
で、バーナーガン内残油が酸化重合した場合の生成量を
少なく出来る。 (3).上記(1),(2)の効果により、バーナーガ
ンのコーキング物による閉塞トラブルが抑制され、結果
的には、バーナーガン掃除のピッチが大幅に延長され
る。 (4).不活性ガスによって、バーナーガン内を充満す
ることにより、残油の酸化・重合反応によるコーキング
が抑制出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1〜第3及び第5実施例の方法に係
るバーナーガン洗浄ラインの模式図、
【図2】本発明の第4実施例の方法に係るバーナーガン
洗浄ラインの模式図である。
【符号の説明】
1 燃料ライン 2,2a,2b スチームライン 3 洗浄油供給器 4 洗浄油 5 バーナーガン 6 フレキシブルチューブ 7 バーナーガンノズル 8 ボイラー火炉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 徳田 君代 長崎市深堀町5丁目717番1号 三菱重工 業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 真庭 繁信 長崎市深堀町5丁目717番1号 三菱重工 業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 山口 幸 長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工業株式 会社長崎造船所内 (72)発明者 大栗 正治 長崎市深堀町五丁目717番地1 長菱エン ジニアリング株式会社内 (72)発明者 松島 義明 長崎市深堀町五丁目717番地1 長菱エン ジニアリング株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油焚きボイラーにおいて、点消火時に残
    留炭素分4wt%以下、好ましくは、1wt%以下の油
    を用いてバーナーガン内を置換洗浄することを特徴とす
    るバーナーガンのコーキングによる閉塞防止方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のバーナーガンのコーキン
    グによる閉塞防止方法において、洗浄油を油中水滴型エ
    マルション(W/O型)又は水中油滴型エマルション
    (O/W型)として使用することを特徴とするバーナー
    ガンのコーキングによる閉塞防止方法。
  3. 【請求項3】 請求項1及び2記載のバーナーガンのコ
    ーキングによる閉塞防止方法において、洗浄油として、
    灯油又は軽油を用いることを特徴とするバーナーガンの
    コーキングによる閉塞防止方法。
  4. 【請求項4】 請求項2及び3記載のバーナーガンのコ
    ーキングによる閉塞防止方法において、エマルションと
    して、油中水滴型(W/O)を用いることを特徴とする
    バーナーガンのコーキングによる閉塞防止方法。
  5. 【請求項5】 油焚きボイラーにおいて、点消火時に、
    不活性ガスを用いてバーナーガン内を置換し、不活性雰
    囲気を保持続けることを特徴とするバーナーガンのコー
    キングによる閉塞防止方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のバーナーガンのコーキン
    グによる閉塞防止方法において、不活性ガスにスチーム
    を用いることを特徴とするバーナーガンのコーキングに
    よる閉塞防止方法。
  7. 【請求項7】 油焚きボイラーにおいて、点消火時に洗
    浄油により燃料油を置換した後、不活性ガスにより、バ
    ーナーガン内を充満し不活性雰囲気を保持することを特
    徴とするバーナーガンのコーキングによる閉塞防止方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のバーナーガンのコーキン
    グによる閉塞防止方法において、洗浄油として残留炭素
    分4%以下好ましくは1wt%以下の油を用いることを
    特徴とするバーナーガンのコーキングによる閉塞防止方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のバーナーガンのコーキン
    グによる閉塞防止方法において、洗浄油を油中水滴エマ
    ルション又は水中油滴型エマルションとして用いること
    を特徴とするバーナーガンのコーキングによる閉塞防止
    方法。
  10. 【請求項10】 請求項7,8及び9記載のバーナーガ
    ンのコーキングによる閉塞防止方法において、洗浄油と
    して、灯油又は軽油を用いることを特徴とするバーナー
    ガンのコーキングによる閉塞防止方法。
  11. 【請求項11】 請求項7,8,9及び10記載のバー
    ナーガンのコーキングによる閉塞防止方法において、不
    活性ガスとして、スチームを用いることを特徴とするバ
    ーナーガンのコーキングによる閉塞防止方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009513920A (ja) * 2005-10-28 2009-04-02 レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード 低NOx燃焼のための方法および装置
CN104421934B (zh) * 2013-09-02 2016-10-05 沈阳创联炉窑技术有限公司 炭素回转窑重油燃烧器控制系统

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