JPH0727069B2 - 硝酸含有水溶液中のセシウムの分離方法 - Google Patents

硝酸含有水溶液中のセシウムの分離方法

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JPH0727069B2 JP2240420A JP24042090A JPH0727069B2 JP H0727069 B2 JPH0727069 B2 JP H0727069B2 JP 2240420 A JP2240420 A JP 2240420A JP 24042090 A JP24042090 A JP 24042090A JP H0727069 B2 JPH0727069 B2 JP H0727069B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、硝酸含有水溶液からのセシウムの分離、回収
方法に係わり、とくに使用済み核燃料の再処理施設等原
子力関連施設から発生する高濃度硝酸含有高レベル放射
性廃液中の放射性セシウムの分離、回収方法に関するも
のである。
〈技術の背景と従来技術の問題点〉 使用済み核燃料の再処理法としては、ピューレックス法
が主流となりつつあるが、処理に伴って高濃度の硝酸
(2〜4M)含有高レベル放射性廃液が発生する。高レベ
ル廃液の安全な処理、処分法はまだ確立しておらず、核
燃料サイクルを完成するうえで大きな障害となってい
る。現時点で最も有力な処理法として高レベル放射性廃
液を一括してガラス固化体とする処理法の開発が盛んに
進められているが、本法には次の難点がある。まず、
137Cs、134Csなどの放射性セシウムがガラス化処理に際
して揮発しやすく、その対応が難しいことである。ま
た、浸水時にガラス固化体からの放射性核種の溶出を完
全に抑えることは難しく、放射性セシウムは最も溶出し
やすい核種である。さらに、強い放射能と多量の発生熱
がガラス固化体の取扱、運搬に伴う安全性の確保や長期
にわたる保管、貯蔵時における安定性についての事前評
価を困難にしている大きな要因となっている。これらの
対策として、全放射能の90%以上を占める放射性セシウ
ムとストロンチウムを予め除去できれば、かなり軽減さ
れるはずである。また、これらの放射性核種は産業面で
の利用価値が大きく、とくに放射性セシウムは都市下水
等の活性汚泥処理に伴う余剰汚泥や各種食品の殺菌用照
射線源として将来大きな需要が見込まれている。以上の
背景のもとに、高レベル放射性廃液から放射性ストロン
チウムとセシウムを予め分離する方式が最近注目されて
きた(例えば、“An alternative strategy for commer
cial high−level radioactive management",IAEA−SM
−261/34,第461頁、1983年)。特に、放射性セシウムは
廃液中のガンマー線源の大部分を占めるので、これを除
去するだけでも残留部分の処理、キャニスターの取扱い
・運搬に際してガンマー線遮蔽に係わる経費を大幅に削
減でき、回収放射性セシウムの有効利用と相まって大き
な効果が期待できる。さらに、高レベル放射性廃液の理
想的処理・処分技術として、最近、廃液中の核種をグル
ープ別に分離し、有用な成分は資源として活用するとと
もに、無用で半減期の長い核種は消滅処理等を行い、最
終的に安全な処理・処分をめざす群分離・消滅処理方式
が注目されている。この場合も、高レベル廃液からの主
要核種である放射性セシウムの分離は重要な要素技術と
なる。高レベル放射性廃液からのセシウムの除去法とし
ては、無機イオン交換体や選択性イオン交換樹脂による
吸着法、クラウンエーテルなどを用いる溶媒抽出法、重
金属塩と可溶性フェロシアン化物またはフェリシアン化
物塩併用による共沈法、セシウム沈澱試薬による化学処
理法などが公知である。このうち、除染係数(初濃度÷
除染後の濃度)、耐放射線性、耐熱性等の点で開発の重
点はモルデナイト等のゼオライト類、リンモリブテン酸
アンモニウム等のヘテロポリ酸塩類、リン酸チタン等の
多価金属の酸性塩類、不溶性フェロシアン化物類などの
無機イオン交換体に向けられてきた。高濃度硝酸含有高
レベル放射性廃液に対しては、ゼオライト系のものは酸
に弱く溶解しやすいため不適当である。ヘテロポリ酸塩
系や多価金属の酸性塩系のものは、後者については高酸
性域での吸着力や選択的吸着性にやや難点はあるが、耐
酸性には優れている。しかし、それだけでは十分でな
く、高レベル放射性廃液用吸着剤としてはアクチニドを
吸着しないものが求められている(“Technology and r
ole of Cs and Sr separation in disposal strategy o
f high level waste,IAEA-TECDOC-337,第31頁,1985
年)。リンモリブテン酸アンモニウムやリン酸チタンな
どはアクチニドとの分離性が劣るのに対して、ほとんど
の不溶性フェロシアン化物はアクチニドを吸着する性質
が無いとされている(“An assessment of the applica
tion of inorganic ion exchangers to the treatment
of intermediate level wastes",AERE-R 11088,United
Kingdom Atomic Energy Research Establishment,Harwe
ll(1984年),第118頁)。しかし、不溶性フェロシア
ン化物のセシウム吸着力は低pH領域で塩酸存在下と硝酸
存在下とで著しく差異のある場合が知られており(例え
ば、Jonrnal of Nuclear Science and Technology,第4
巻,190頁,1967年;Journal of Inorganic and Nuclear C
hemitry,第34巻,第1427頁,1972年など)、フェリシア
ン化物に酸化されることが原因と考えられている。とく
に、銅系のフェロシアン化物の場合、高濃度硝酸溶液か
らのセシウム吸着力が低く、そのため高濃度硝酸水溶液
はセシウムを吸着した銅系のフェロシアン化物からのセ
シウム脱着のための溶離剤として優れていることが知ら
れている。一方、代表的セシウム吸着剤であるリンモリ
ブテン酸アンモニウムは、セシウム吸着力は高いが適当
な脱着用の溶離剤が無いという難点があった。それ故、
フェロシアン化物の酸化が防止できれば、不溶性フェロ
シアン化物は高濃度硝酸水溶液からのセシウム吸着剤と
してその有用性が著しく高まるものと期待される。しか
し、フェロシアンの酸化防止に有効な還元力の高い添加
物は硝酸による酸化を受け易いという関係があり、高濃
度硝酸存在下で微量でも有効な物質は知られていなかっ
た。
〈発明の目的〉 本発明の目的は、硝酸含有水溶液中のセシウム、とくに
高濃度硝酸含有高レベル放射性廃液中のセシウム核種を
不溶性フェロシアン化物からなる吸着剤により効率よく
分離、回収する方法を提供することにある。
〈問題点を解決するための手段及び作用〉 本発明者は上記の目的を達成するため、鋭意検討した結
果、酸化防止剤としてヒドラジンまたはその塩、アミド
スルホン酸またはその塩,酸性下で容易に加水分解され
てアミドスルホン酸基を生成するイミドスルホン酸塩や
ニトリロスルホン酸塩、過酸化水素,レゾルシン、ハイ
ドロキノン、または尿素が有効であり、その少量添加に
より不溶性フェロシアン化物系吸着剤による高濃度硝酸
含有水溶液からのセシウム吸着特性が著しく向上するこ
とを見いだした。すなわち、本発明は、硝酸含有水溶液
中のセシウムを当該溶液と不溶性フェロシアン化物から
なる吸着剤とを接触させて吸着分離する方法において、
ヒドラジニウム基、アミドスルホン酸基,過酸化水素,
レゾルシン、ハイドロキノン、または尿素存在下で行な
うことを特徴とする硝酸含有水溶液中のセシウムの分離
方法である。本発明において、不溶性フェロシアン化物
とは、2価以上のアルカリ土類以外の金属を含む塩類若
しくは水酸化物とフェロシアン化物イオンを含む塩類若
しくは酸とを反応させて得られる水に難溶な物質又は当
該反応をシリカゲル等無機又は陰イオン若しくは陽イオ
ン交換樹脂等有機多孔体の空隙内で行い得られる類似物
質でセシウムイオンに対して吸着能を有するものを指
す。また、本発明において硝酸含有水溶液とは、酸化防
止剤無存在下でフェロシアン化物を酸化させる濃度以上
の硝酸を含有する溶液を指す。フェロシアン化物の硝酸
酸化は、フェロシアン化物の種類、処理時間、処理温度
にもよるが、処理濃度が1M以上のとき常温でもかなり急
速に進む。セシウムを含有する当該溶液に対して、本発
明を適用すると、硝酸濃度が3M以上でも、フェロシアン
の酸化をほぼ完全に防止することができ、酸化防止剤無
存在下の場合に比べてセシウム吸着力が著しく高まる。
とくに、ヒドラジニウム基とアミドスルホン酸基の効果
は顕緒であり、例えば、フェロシアン化銅カリウムによ
る3M硝酸中のセシウム吸着の場合、5×10-6〜10-4Mと
極めて微量でも有効である。
酸化防止剤としてはフェリシアン化物に対する還元力の
高い物質が必ずしも適していない。尿素、レゾルシン、
アミドスルホン酸などはヒドロキシルアンモニウム塩、
亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜二チオン酸塩などの強力な還
元剤に比べるとフェリシアンを還元する作用はない。し
かし、酸化防止剤としてのヒドロキシルアンモニウム
塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜二チオン酸塩などの効果
は、尿素、レゾルシン、アミドスルホン酸に比べて著し
く低く、実用性に乏しいという結果を得ている。逆に、
過酸化水素は酸性下ではフェロシアンに対して酸化剤と
して作用することが知られているが、微量添加でも酸化
防止剤としての効果が認められた。また、高濃度硝酸存
在下では還元力の大きい試薬ほど硝酸により酸化されや
すいと考えられるのに対して、これら酸化防止力のある
試薬は微量でも有効である。それ故、本発明による酸化
防止剤の効果の発現は還元力の大小とは異なる何らかの
作用機構によることが考えられる。
不溶性フェロシアン化物の種類によって酸化防止剤の効
果が異なるが、これは対応する不溶性フェリシアン化物
によるセシウム吸着力の大小に起因する。銅系の不溶性
フェロシアン化物などは、その酸化形態であるフェリシ
アン化物のセシウム吸着力が低いため、酸化防止剤の効
果がとくに強く現われる。この性質を利用すと、セシウ
ム吸着を本願発明の方法により行い、その脱着に酸化防
止剤を含まない高濃度硝酸溶液を溶離剤として利用する
方式が好ましい効果をもたらす。一般に、不溶性フェロ
シアン化物は、対応するフェリシアン化物に比べてセシ
ウム吸着力が大きく、従って、セシウム分離に対する酸
化防止剤の効果がほとんどの場合認められる。
以下実施例を挙げて説明するが、最適の処理条件は、実
際の廃液の性状に従って決められるべきものであり、本
実施例によって限定をうけるべきものでないことは勿論
である。
ここで不溶性フェロシアン化物系吸着剤として、次の化
合物を用いた。単塩形のものとして、硝酸亜鉛、塩化カ
ドミウム、塩化銅、硫酸銅、塩化ニッケルまたは硝酸コ
バルトの水溶液にフェロシアン化ナトリウム水溶液をフ
ェロシアンに対して遷移金属のモル比が2以上となるよ
うに添加し、生成する沈澱を分離、水洗、風乾したもの
を用いた。それぞれ記号でZnFC、CdFC、CuFC(A)、Cu
FC(B)、NiFC、CoFCと示す。複塩形のものとしては、
フェロシアン化カリウム水溶液に当量の硫酸亜鉛または
硫酸銅水溶液を添加し、生成する沈澱を分離、水洗、風
乾したものを使用した。それぞれ記号で、K2Zn3FC、K2C
u3FC、K2Cu5FC、K2Cu11FC(数字は各金属のモル比)と
示す。その他、Proutらの方法(Journal of Inorganic
and Nuclear Chemistry,第27巻,第473頁,1965年)に準
じて調製したフェロシアン化コバルトカリウムとBaetsl
eらの方法(Journal of Inorganic and Nuclear Chemis
try,第27巻,第683頁,1965年)に準じて調製したモリブ
テン酸フェロシアナイドを使用し、各KCoFC,Mo3O3FCと
示す。
処理液中の残留セシウムの分析は、原子吸光光度法(空
気−アセチレン炎)または原子発光光度法(空気−アセ
チレン炎)によった。分析は増感剤として0.1M塩化カリ
ウム存在下で行なった。
残留セシウム濃度の測定結果から、各吸着剤のセシウム
吸着力の指標として分布係数(Kd)を次式により算出し
た。
C0 =セシウム初濃度(M) C =セシウム残留濃度(M) L =液量(ml) W =吸着剤重量(g) (実施例1) 無水物換算0.01gの不溶性フェロシアン化物をネジ蓋付
き三角フラスコに秤取し、それに10-3Mのセシウムイオ
ンと2×10-4Mのヒドラジニウム基を含む3M硝酸溶液10
mlを添加し、25℃恒温水槽中で振り混ぜ7日間処理し
た。各不溶性フェロシアン化物について処理液中の残留
セシウム濃度の測定結果からKdを算出し、第1表に示
す。
(比較例1) 無水物換算0.01gの不溶性フェロシアン化物をネジ蓋付
き三角フラスコに秤取し、それに10-3Mのセシウムイオ
ンを含む3M硝酸溶液10mlを添加し、25℃恒温水槽中で振
り混ぜ7日間処理した。各不溶性フェロシアン化物につ
いて処理液中の残留セシウム濃度の測定結果からKdを算
出し、第1表に示す。実施例との比較から、各不溶性フ
ェロシアン化物ともヒドラジニウム基存在下でKd値が著
しく増大することが認められる。
(参考例1) 無水物換算0.01gの不溶性フェロシアン化物をネジ蓋付
き三角フラスコに秤取し、それに10-3Mのセシウムイオ
ンを含む3M塩酸溶液10mlを添加し、 25℃恒温水槽中で振り混ぜ7日間処理した。各不溶性フ
ェロシアン化物について処理液中の残留セシウム濃度の
測定結果からKdを算出し、第1表に示す。この結果か
ら、各不溶性フェロシアン化物ともヒドラジニウム基存
在下で使用することにより、硝酸存在下であっても同じ
水素イオン濃度の塩酸存在下の場合と同程度までKd値が
高くなることがわかった。
(実施例2) 無水物換算0.01gのK2Cu3FCをネジ蓋付き三角フラスコに
秤取し、それに10-3Mのセシウムイオンと5×10-6Mの
ヒドラジニウム基を含む3M硝酸溶液10mlを添加し、25℃
恒温水槽中で振り混ぜ1時間処理した。処理液中の残留
セシウム濃度を測定した結果、4.70×10-5Mであった。
これからKdを算出すると、2.0×104ml/gとなる。
(比較例2) 無水物換算0.01gのK2Cu3FCをネジ蓋付き三角フラスコに
秤取し、それに10-3Mのセシウムイオンを含む3M硝酸溶
液10mlを添加し、25℃恒温水槽中で振り混ぜ1時間処理
した。処理液中の残留セシウム濃度を測定した結果、6.
67×10-4Mであった。これからKdを算出すると、5.0×1
02ml/gとなる。
(実施例3) 無水物換算0.01gのK2Cu3FCをネジ蓋付き三角フラスコに
秤取し、それに10-3Mのセシウムイオンと所定濃度のヒ
ドラジニウム基を含む3M硝酸溶液10mlを添加し、25℃恒
温水槽中で振り混ぜ24時間処理した。処理液中の残留セ
シウム濃度の測定結果からKdを算出し、ヒドラジニウム
基濃度によるKdの変化を第1図の(a)に示す。Kd値は
ヒドラジニウム基濃度5×10-6Mより急激に増大するこ
とが認められる。
(比較例3) 無水物換算0.01gのK2Cu3FCをネジ蓋付き三角フラスコに
秤取し、それに10-3Mのセシウムイオンを含む3M硝酸溶
液10mlを添加し、25℃恒温水槽中で振り混ぜ24時間処理
した。処理液中の残留セシウム濃度の測定した結果、7.
76×10-4Mであった。これからKdを算出すると2.9×102
ml/gとなる。
(実施例4) 10-3Mのセシウムイオンと所定濃度のヒドラジニウム基
を含む6M硝酸溶液10mlをネジ蓋付き三角フラスコにと
り、K2Cu3FCを無水物換算0.01g添加後、25℃恒温水槽中
で振り混ぜ24時間処理した。処理液中の残留セシウム濃
度の測定結果からKdを算出し、ヒドラジニウム基濃度に
よるKdの変化を第1図の(b)に示す。Kd値はヒドラジ
ニウム基濃度3×10-3Mより急激に増大することが認め
られる。
(比較例4) 無水物換算0.01gのK2Cu3FCをネジ蓋付き三角フラスコに
秤取し、それに10-3Mのセシウムイオンを含む6M硝酸溶
液10mlを添加し、25℃恒温水槽中で振り混ぜ24時間処理
した。処理液中の残留セシウム濃度を測定した結果、9.
12×10-4Mであった。これからKdを算出すると9.6×101
ml/gとなる。
(実施例5) 無水物換算0.01gのK2Cu3FCをネジ蓋付き三角フラスコに
秤取し、それに10-3Mのセシウムイオンと所定濃度のア
ミドスルホン酸基を含む3M硝酸溶液10mlを添加し、25℃
恒温水槽中で振り混ぜ24時間処理した。処理液中の残留
セシウム濃度の測定結果からKdを算出し、アミドスルホ
ン酸基濃度によるKdの変化を第2図に示す。Kd値はスル
ファミン酸基濃度10-4Mより急激に増大することが認め
られる。
(実施例6) 無水物換算0.01gのK2Cu3FCをネジ蓋付き三角フラスコに
秤取し、それに10-3Mのセシウムイオンと2×10-3Mの
過酸化水素を含む3M硝酸溶液10mlを添加し、25℃恒温水
槽中で振り混ぜ24時間処理した。処理液中の残留セシウ
ム濃度を測定した結果、4.07×10-5Mであった。これか
らKdを算出すると、2.4×104ml/gとなる。
(実施例7) 無水物換算0.01gのK2Cu3FCをネジ蓋付き三角フラスコに
秤取し、それに10-3Mのセシウムイオンと5×10-4Mの
レゾルシンを含む3M硝酸溶液10mlを添加し、25℃恒温水
槽中で振り混ぜ24時間処理した。処理液中の残留セシウ
ム濃度を測定した結果、3.62×10-6Mであった。これか
らKdを算出すると、2.8×105ml/gとなる。
(実施例8) 無水物換算0.01gのK2Cu3FCをネジ蓋付き三角フラスコに
秤取し、それに10-3Mのセシウムイオンと10-3Mのハイ
ドロキノンを含む3M硝酸溶液10mlを添加し、25℃恒温水
槽中で振り混ぜ24時間処理した。処理液中の残留セシウ
ム濃度を測定した結果、3.77×10-6Mであった。これか
らKdを算出すると、2.6×105ml/gとなる。
(実施例9) 無水物換算0.01gのK2Cu3FCをネジ蓋付き三角フラスコに
秤取し、それに10-3Mのセシウムイオンと7×10-3Mの
尿素を含む3M硝酸溶液10mlを添加し、25℃恒温水槽中で
振り混ぜ24時間処理した。処理液中の残留セシウム濃度
を測定した結果、5.14×10-5Mであった。これからKdを
算出すると、1.8×104ml/gとなる。
(参考例2) 無水物換算0.01gのK2Cu3FCをネジ蓋付き三角フラスコに
秤取し、それに10-3Mのセシウムイオンと10-2Mのヒド
ロキシルアンモニウム基を含む3M硝酸溶液10mlを添加
し、25℃恒温水槽中で振り混ぜ24時間処理した。処理液
中の残留セシウム濃度を測定した結果、7.93×10-4Mで
あった。これからKdを算出すると、2.6×102ml/gとな
る。
(参考例3) 無水物換算0.01gのK2Cu3FCをネジ蓋付き三角フラスコに
秤取し、それに10-3Mのセシウムイオンと10-2Mのチオ
硫酸基を含む3M硝酸溶液10mlを添加し、25℃恒温水槽中
で振り混ぜ24時間処理した。処理液中の残留セシウム濃
度を測定した結果、6.25×10-4Mであった。これからKd
を算出すると、6.0×102ml/gとなる。
(参考例4) 無水物換算0.01gのK2Cu3FCをネジ蓋付き三角フラスコに
秤取し、それに10-3Mのセシウムイオンと10-2Mの亜硫
酸基を含む3M硝酸溶液10mlを添加し、25℃恒温水槽中で
振り混ぜ24時間処理した。処理液中の残留セシウム濃度
を測定した結果、7.11×10-4Mであった。これからKdを
算出すると、4.1×102ml/gとなる。
(参考例5) 無水物換算0.01gのK2Cu3FCをネジ蓋付き三角フラスコに
秤取し、それに10-3Mのセシウムイオンと10-2Mの亜二
チオン酸基を含む3M硝酸溶液10mlを添加し、25℃恒温水
槽中で振り混ぜ24時間処理した。処理液中の残留セシウ
ム濃度を測定した結果、6.36×10-4Mであった。これか
らKdを算出すると、5.7×102ml/gとなる。
〈発明の効果〉 以上の説明からも明らかなようにある種の酸化防止剤存
在下で行なうことを特徴とする本発明の方法によれば、
不溶性フェロシアン化物による高濃度硝酸含有水溶液か
らのセシウム吸着力が酸化防止剤無存在下のときと比較
して極めて大きくなる。それ故、本発明は、例えば、ピ
ューレックス法再処理施設より発生する放射性セシウム
含有量の多い高レベル放射性廃液からセシウムを効率よ
く分離することに応用でき、高レベル放射性廃液の処理
技術並びに同廃液中の放射性セシウムの有効利用技術の
開発に資すること大である。
【図面の簡単な説明】
第1図と第2図は、吸着剤としてk2Cu3FCを用い、ヒド
ラジニウム基叉はアミドスルホン酸基存在下でセシウム
を吸着させたときの本発明の効果を説明するための図面
である。第1図は、Kd値に対するヒドラジニウム基添加
濃度の影響を示したものであり、(a)は3M硝酸水溶
液、(b)は6M硝酸水溶液からの吸着結果である。第2
図は、3M硝酸水溶液から吸着させたときのKd値に対する
アミドスルホン酸基添加濃度の影響を示したものであ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硝酸含有水溶液中のセシウムを当該溶液と
    不溶性フェロシアン化物からなる吸着剤とを接触させて
    吸着分離する方法において、ヒドラジニウム基存在下で
    行なうことを特徴とする硝酸含有水溶液中のセシウムの
    分離方法。
  2. 【請求項2】硝酸含有水溶液中のセシウムを当該溶液と
    不溶性フェロシアン化物からなる吸着剤とを接触させて
    吸着分離する方法において、アミドスルフォン酸基存在
    下で行なうことを特徴とする硝酸含有水溶液中のセシウ
    ムの分離方法。
  3. 【請求項3】硝酸含有水溶液中のセシウムを当該溶液と
    不溶性フェロシアン化物からなる吸着剤とを接触させて
    吸着分離する方法において、過酸化水素存在下で行なう
    ことを特徴とする硝酸含有水溶液中のセシウムの分離方
    法。
  4. 【請求項4】硝酸含有水溶液中のセシウムを当該溶液と
    不溶性フェロシアン化物からなる吸着剤とを接触させて
    吸着分離する方法において、レゾルシン存在下で行なう
    ことを特徴とする硝酸含有水溶液中のセシウムの分離方
    法。
  5. 【請求項5】硝酸含有水溶液中のセシウムを当該溶液と
    不溶性フェロシアン化物からなる吸着剤とを接触させて
    吸着分離する方法において、ハイドロキノン存在下で行
    なうことを特徴とする硝酸含有水溶液中のセシウムの分
    離方法。
  6. 【請求項6】硝酸含有水溶液中のセシウムを当該溶液と
    不溶性フェロシアン化物からなる吸着剤とを接触させて
    吸着分離する方法において、尿素存在下で行なうことを
    特徴とする硝酸含有水溶液中のセシウムの分離方法。
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