JPH07269673A - トロイダル型無段変速機の変速比制御装置 - Google Patents

トロイダル型無段変速機の変速比制御装置

Info

Publication number
JPH07269673A
JPH07269673A JP8537794A JP8537794A JPH07269673A JP H07269673 A JPH07269673 A JP H07269673A JP 8537794 A JP8537794 A JP 8537794A JP 8537794 A JP8537794 A JP 8537794A JP H07269673 A JPH07269673 A JP H07269673A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sleeve
spool
gear ratio
ratio control
control valve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8537794A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3416255B2 (ja
Inventor
Toshihiko Osumi
敏彦 大住
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP08537794A priority Critical patent/JP3416255B2/ja
Publication of JPH07269673A publication Critical patent/JPH07269673A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3416255B2 publication Critical patent/JP3416255B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Transmission Device (AREA)
  • Friction Gearing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】1組の変速比制御弁とアクチュエ−タとで、正
転用と逆転用との各変速制御を行なえるようにする。 【構成】トロイダル型無段変速機のパワ−ロ−ラ45の
傾転角度を変更するための油室53、54に対する油圧
の給排制御が、変速比制御弁62によって行なわれる。
変速比制御弁62は、スプ−ル71と第1スリ−ブ72
と第2スリ−ブ73と弁ハウジング74との4重構造と
され、軸方向一端側において正転用の油圧ポ−トP11
〜P13が構成され、他端部側において逆転用の油圧ポ
−トP21〜P23が形成される。スプ−ル71がモ−
タMによって目標傾転角度に対応した位置に駆動され
る。正転用フィ−ドバック機構が第2スリ−ブ73に作
用し、逆転用フィ−ドバック機構64が第1スリ−ブ7
2に作用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はトロイダル型無段変速機
の変速比制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トロイダル型無段変速機においては、入
力ディスクと出力ディスクと該両ディスク間に介在され
たパワ−ロ−ラとを備え、パワ−ロ−ラの傾転角度を変
更することにより、入力ディスクに対する出力ディスク
の回転比つまり変速比が変更される。このパワ−ロ−ラ
の傾転角度を変更するため、油圧式の変速比調整手段が
設けられる。そして、この変速比調整手段に対する油圧
の給排制御を、変速比制御弁によって行うことが提案さ
れている(例えば特開平1−135958号公報、特開
昭62−171557号公報参照)。
【0003】パワ−ロ−ラの傾転角度の変更つまり変速
比の変更は、入力ディスクに対して当該パワ−ロ−ラの
回転軸線を若干オフセットさせることにより入力ディス
クに対するパワ−ロ−ラの接触位置を変更させ、この接
触位置の変更に起因して入力ディスクから受ける回転ト
ルクを利用してパワ−ロ−ラが傾転されることにより行
なわれる。そして、上記オフセットの方向を例えば上と
したときにシフトアップとされ、オフセットの方向を下
としたときにシフトダウンとされる。
【0004】前記変速比調整手段は、上記各オフセット
方向に応じた2つの油室を有して、一方の油室に対する
油圧供給でシフトアップとされ、他方の油室に対する油
圧供給でシフトダウンとされる。変速比制御弁は、スプ
−ル式とされて、ライン圧を上記各油室のどちらに供給
するかの制御を行なう。
【0005】一方、パワ−ロ−ラが所望の目標傾転角度
つまり目標変速比となったとき、前記油室に対する油圧
の供給を停止すべく、パワ−ロ−ラの傾転角度が前記変
速比制御弁に機械的にフィ−ドバックされるようになっ
ており、このため、パワ−ロ−ラと変速比制御弁とが、
フィ−ドバック機構を介して機械的に連動されるように
なっている。
【0006】前述のように、パワ−ロ−ラの傾転角度を
目標傾転角度とするため、変速比制御弁を駆動するステ
ップモ−タ等の電磁式のアクチュエ−タが設けられて、
前記油室に対する油圧の供給が開始され、目標傾転角度
となった時点で、フィ−ドバック機構によって変速比制
御弁が油圧供給停止状態へと復帰されることになる。
【0007】ところで、トロイダル型無段変速機にあっ
ては、前進走行と後進走行とで入力ディスクの回転方向
が異なり、したがって、前記パワ−ロ−ラのオフセット
方向を同じとした場合、入力ディスクが正転していると
きにシフトアップであるとすると、入力ディスクが逆転
しているときはシフトダウンとなり、変速比の変更方向
が前進時と後進時とでは逆の関係となる。このため、特
開平2−163562号公報には、前進走行用の変速比
制御弁と、後進走行用の変速比制御弁とを別個独立して
設けることが提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、変速比
制御弁を、正転用と逆転用(トロイダル型無段変速機を
自動車の駆動系に利用した場合は前進走行用と後進走行
用)とで別個独立に設けた場合、つまり変速比制御弁を
2組設けた場合は、単に変速比制御弁の数が増加するだ
けでなく、この変速比制御弁を駆動するための電磁式の
アクチュエ−タも2組必要となってしまう。このこと
は、装置の大型化やコストアップの大きな原因となる。
【0009】本発明は以上のような事情を勘案してなさ
れたもので、トロイダル型無段変速機を正転用と逆転用
との両方の態様で用いる場合に、1組の変速比制御弁の
みを設ければすむようにしたトロイダル型無段変速機の
変速比制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明にあっては次のような構成としてある。すな
わち、入力ディスクと出力ディスクと該両ディスク間に
介在されたパワ−ロ−ラとを備えて、該パワ−ロ−ラの
傾転角度を変更することにより変速比の変更が行なわれ
るトロイダル型無段変速機と、前記パワ−ロ−ラを前記
入力ディスクに対してオフセットさせることにより、該
パワ−ロ−ラを傾転させるための傾転力を発生させる油
圧式の変速比調整機構と、前記油圧式調整機構に対して
前記オフセットの方向に応じた油圧を供給するための変
速比制御弁と、変速の際に前記変速比制御弁を駆動する
アクチュエ−タと、を備えたトロイダル型無段変速機の
変速比制御装置において、前記変速比制御弁が、正転用
の変速比制御弁と逆転用の変速比制御弁とが一体的に組
込まれたユニット式とされて、前記アクチュエ−タによ
り駆動される部材が正転用と逆転用とで共通化されてい
る、ような構成としてある。本発明の好ましい態様は、
特許請求の範囲における請求項2以下に記載の通りであ
る。
【0011】
【発明の効果】請求項1に記載された発明によれば、正
転用と逆転用との各変速比制御弁を、ユニット化された
1つとして構成し、しかもアクチュエ−タにより駆動さ
れる部材を正転用と逆転用とで共通化してあるので、全
体として小型化が図れると共にコストを低減することが
できる。
【0012】請求項2に記載したような構成とすること
により、変速比制御弁のうち変位される駆動部材を、ア
クチュエ−タ用と正転用フィ−ドバック機構用と逆転用
フィ−ドバック機構用との必要最少限の数とすることが
できる。
【0013】請求項3に記載したような構成とすること
により、正転用と逆転用とのいずれの回転方向にあって
も、所定の変速比の範囲で同じように任意の変速比を自
由に得ることができる。
【0014】請求項4に記載したような構成とすること
により、変速比制御弁の軸方向一端部側と他端部側との
一方にアクチュエ−タを、他方に各フィ−ドバック機構
を配設して、フィ−ドバック機構とアクチュエ−タとの
干渉というものを避けつつ、かなり大きなスペ−スを必
要となるアクチュエ−タとフィ−ドバック機構との理想
的な配置を行なえる。
【0015】請求項5または請求項6に記載したような
構成とすることにより、変速比制御弁を構成する部材の
多重化を極力少なくして、変速比制御弁を小径化する上
で好ましいものとなる。
【0016】請求項7または請求項8に記載したような
構成とすることにより、正転方向の回転の際に、所定の
変速比範囲で任意の変速比を自由に得るように設定する
上で好ましいものとなる。
【0017】請求項9または請求項11に記載したよう
な構成とすることにより、逆転方向の回転の際に、変速
比を所望の設定値にすることができる。
【0018】請求項12に記載したような構成とするこ
とにより、前進走行と後進走行とが行なわれる自動車用
として適用することができる。そして、請求項7〜請求
項11の構成を前提とした場合は、前進走行時には所定
の変速比範囲で任意の変速比を自由に得つつ、後退走行
時には所定の設定変速比を得ることができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付した図面に基づ
いて説明する。図1の説明 図1は、トロイダル型無段変速機を自動車の駆動系に用
いた場合を示す。自動車の変速装置TMには、第1〜第
4気筒#1〜#4を備えたエンジン1の出力トルクを、
トルコン2(トルクコンバ−タ2)と、プラネタリギヤ
システムからなる歯車減速機構3及び前後進切替機構4
とを介して変速機出力軸5に出力する第1の変速部が設
けられている。さらに、エンジン1の出力トルクを、切
替クラッチ6と、第1トロイダル型変速機構7及び第2
トロイダル型変速機構8を備えたトロイダル型無段変速
機Cとを介して変速機出力軸5に出力する第2の変速部
が設けられている。そして、切替クラッチ6がオフ状態
にあるときには上記第1の変速部を介してトルクが伝達
され、オン状態にあるときには第2の変速部を介してト
ルクが伝達されるようになっている。
【0020】第1の変速部は、トルコン2が強力なトル
ク増大機能を有するので、主として発進時、加速時等の
比較的大きな変速比(トルク比)を必要とする場合に用
いられ、第2の変速部は、主てして高速走行時等の比較
的小さな変速比で運転が行われる場合に用いられる。
【0021】以下、変速装置TMの具体的な構造を説明
する。まず、第1の変速部について説明する。トルコン
2は、実質的に、ポンプインペラ12とタ−ビンライナ
13とステ−タ14とで構成されている。ポンプインペ
ラ12は、ポンプカバ−15を介してエンジン出力軸1
1と連結され、エンジン出力軸11と一体回転するよう
になっている。さらに、ポンプインペラ12には、第1
中空シャフト16が同軸に連結され、この第1中空シャ
フト16の後端部(図1では右端部)にオイルポンプ1
7が連結されている。タ−ビンライナ13はトルコン出
力軸18(タ−ビンシャフト)に同軸に連結されてい
る。また、ステ−タ14はワンウェイクラッチ19を介
して第2中空シャフト21に連結されている。なお、第
2中空シャフト21は変速機ケ−ス22に固定されてい
る。
【0022】歯車減速機構3は、実質的に、サンギヤ2
5と第1ピニオン26と後進用リングギヤ27と第2ピ
ニオン28と前進用リングギヤ29とキャリア30とで
構成されている。サンギヤ25にはトルコン出力軸18
のトルクが入力されるようになっている。また、第1,
第2ピニオン26,28はキャリア30によって回転自
在に支持されている。なお、キャリア30は、変速機ケ
−ス22に固定された第2中空シャフト21に固定され
ている。
【0023】そして、サンギヤ25と第1ピニオン26
の前部とが噛み合い、さらに、第1ピニオン26と後進
用リングギヤ27とが噛み合い、これらは逆転減速機能
を有するプラネタリギヤシステムをなしている。このプ
ラネタリギヤシステムでは、サンギヤ25に入力される
トルクより大きい逆回転方向のトルクが後進用リングギ
ヤ27から出力されるようになっている。
【0018】また、サンギヤ25と噛み合っている第1
ピニオン26の後部と第2ピニオン28とが噛み合い、
さらに第2ピニオン28と前進用リングギヤ29とが噛
み合い、これらは正転減速機能を有するプラネタリギヤ
システムをなしている。このプラネタリギヤシステムで
は、サンギヤ25に入力されるトルクより大きい順回転
方向のトルクが前進用リングギヤ29から出力されるよ
うになっている。
【0019】前後進切替機構4は、実質的に、リバ−ス
クラッチ31とクラッチケ−ス32とフォワ−ドクラッ
チ33とワンウェイクラッチ34とで構成されている。
そして、クラッチケ−ス32は、後で説明する第1トロ
イダル型変速機構7の出力ディスク44fを介して、変
速機出力軸5に連結されている。ここで、リバ−スクラ
ッチ31が締結されたときには(フォワ−ドクラッチ3
3は切断)、後進用リングギヤ27とクラッチケ−ス3
2とが接続され、後進用リングギヤ27のトルクが変速
機出力軸5に伝達される。他方、フォワ−ドクラッチ3
3が締結されたときには(リバ−スクラッチ31は切
断)、前進用リングギヤ29のトルクが変速機出力軸5
に伝達される。なお、ワンウェイクラッチ34は、変速
機出力軸5の回転数が前進用リングギヤ29の回転数よ
り大きいときには空転して、前進用リングギヤ29が変
速機出力軸5によって逆駆動されるのを防止するために
設けられている。
【0020】次に、第2の変速部について説明する。第
2の変速部は、実質的に、該第2の変速部へのトルクの
入力を継・断する切替スイッチ6と、第1,第2トロイ
ダル型変速機構7,8を備えたトロイダル型無段変速機
Cと、切替クラッチ6からトロイダル型無段変速機Cへ
トルク伝達する歯車機構35とで構成されている。ここ
で、歯車機構35は、切替クラッチ6が締結されている
ときには、第1中空シャフト16のトルクすなわちエン
ジン出力軸11のトルクを、順次噛み合っている、ドラ
イブギヤ37とアイドルギヤ38とドリブンギヤ39と
を介してバイパスシャフト40に伝達し、さらにバイパ
スシャフト40のトルクを、互いに噛み合っている駆動
ギヤ41と被駆動ギヤ42とを介してトロイダル型無段
変速機Cに伝達するようになっている。
【0021】トロイダル型無段変速機Cは、変速機出力
軸5を取り囲むようにして前側(図1では左側)に配置
された第1トロイダル型変速機構7と、後側に配置され
た第2トロイダル型変速機構8とで構成されている。こ
こで、第1,第2トロイダル型変速機構7,8は、前後
に対称となるように配置されているが、両者の構成と機
能は基本的には同一であるので、対応する部材には同一
番号を付し、原則として第1トロイダル型変速機構7の
各部材には添字fを付し、第2トロイダル型変速機構8
の各部材には添字rを付している。ただし、ロ−ラ等、
各トロイダル型変速機構7,8に2つづつ配置されてい
る部材については、添字f,rのみでは区別できないの
で、第1トロイダル型変速機構7の左右に配置された各
部材に夫々添字a,bを付し、第2トロイダル型変速機
構8の左右に配置された各部材に夫々添字c,dを付し
ている。したがって、以下では、ある部材についてなさ
れた説明は、原則として、番号が同一で添字のみ異なる
他の部材にも当てはまることになる。
【0022】第1トロイダル型変速機構7には、変速機
出力軸5まわりに遊嵌された第1入力ディスク43f
と、変速機出力軸5に固定された第1出力ディスク44
fと、第1入力ディスク43fのトルクを第1出力ディ
スク44fに伝達する第1,第2ロ−ラ45a,45b
とが設けられている。そして、第1入力ディスク43f
は、被駆動ギヤ42が取りつけられたインプットカム4
8と、第1カムロ−ラ49fを介して係合し、第1入力
ディスク43fへの入力トルクが大きいほど、インプッ
トカム48が第1入力ディスク43fに強く押し付けら
れるようになっている。
【0023】第1,第2ロ−ラ45a,45bは、夫
々、軸線Yまわりに回転できるようになっていて、その
周面を第1入力ディスク43fの湾曲面と第1出力ディ
スク44fの湾曲面に当接させている。このため、第1
入力ディスク43fのトルク(回転)が、第1,第2ロ
−ラ45a,45bを介して第1出力ディスク44fに
伝達されるようになっている。ここで、第1入力ディス
ク43fから第1出力ディスク44fへのトルク伝達に
おける変速比(トルク比)は、第1,第2ロ−ラ45
a,45bと当接している位置における、第1出力ディ
スク44fの半径R2と、第1入力ディスク43fの半
径R1の比R2/R1によって決定される。
【0024】そして、第1,第2ロ−ラ45a,45b
と両ディスク43f,44fとの当接位置は、後で説明
するように、第1,第2ロ−ラ−45a,45bの傾転
角度によって決まるようになっており、後で説明する油
圧機構によって、この傾転角度を変えることによって、
変速比を所定の範囲内で任意に設定できるようになって
いる。なお、第2トロイダル型変速機構8も、基本的に
は第1トロイダル型変速機構7と同様であるのはもちろ
んである。
【0025】第1出力ディスク44fと第2出力ディス
ク44rとの間には、第1,第2入力ディスク43f,
43rが互いに背面が対向するようにして近接配置され
ており、両入力ディスク43f,43r間にはこれらに
対して相対回転可能とされたインプットカム48が配置
されている。そして、インプットカム48と第1,第2
入力ディスク43f,43rとの間に、夫々第1,第2
カムロ−ラ49f,49rが介設されている。ここで、
第1,第2カムロ−ラ49f,49rは、インプットカ
ム48と第1,第2ディスク43f,43rとが相対回
転したときに、第1,第2入力ディスク43f、43r
を、出力ディスク44f,44r側に押し付ける押圧力
を発生させる機能を有していて、第1,第2入力ディス
ク43f,43rへの入力トルクが大きいときほど、第
1,第2カムロ−ラ49f,49rによる第1,第2入
力ディスク43f,43rに対する押圧力が増加するよ
うになっている。
【0026】第1,第2入力ディスク43f,43r間
には、変速機出力軸5に遊嵌され、かつ両端を夫々第
1,第2入力ディスク43f,43rの背面に当接され
た状態で、第1,第2入力ディスク43f,43rとス
プライン嵌合された係合部材50が配置されている。そ
して、この係合部材50と第2入力ディスク43rとの
間に皿ばね51が介設され、この皿ばね51によって第
1入力ディスク43fと第2入力ディスク43rとが互
いに離間する方向に予圧されるようになっている。この
皿ばね51は、第2入力ディスク43rの背面に当接し
てこれを第2出力ディスク44r側に付勢する一方、そ
の付勢反力によって、係合部材50を介して、第1入力
ディスク43fを第1出力ディスク44f側に付勢し、
第1入力ディスク43fと第1出力ディスク44fとの
間、及び第2入力ディスク43rと第2出力ディスク4
4rとの間に所定の予圧を付与するようになっている。
【0027】図2、図3の説明 図2、図3は、変速比の変更の原理を示すものである
が、前後各トロイダル型無段変速機7、8の変速の原理
は同じなので、前側のトロイダル型無段変速機7に着目
して説明する。なお、図2、図3においては、入力ディ
スク43fは反時計方向に回転される場合を示し、この
回転方向が前進走行に対応した回転方向(正転方向)と
されている。
【0028】先ず、図2においては、入力ディスク43
fに対して、一方のパワ−ロ−ラ45aが図中下方へオ
フセットされ、他方のパワ−ロ−ラ45bが上方へオフ
セットされる。これにより、入力ディスク43fに対す
るパワ−ロ−ラ45a、45bの接触位置が若干変更さ
れて、この変更の後の接触位置においては、入力ディス
ク43fの回転トルクの分力として、パワ−ロ−ラを傾
転させる(図1において、回転軸線Yの出力軸5に対す
る傾斜角度を変更させる)傾転力が作用する。この傾転
力は、パワ−ロ−ラ45a、45bの入力ディスク43
fに対する接触位置を当該入力ディスク43fの径方向
外側へ移動させる力となる。すなわち、一対のパワ−ロ
−ラ45aと45bとの入力ディスク43f側における
間隔が広がって(パワ−ロ−ラ45a、45bの出力デ
ィスク44f側における間隔はせばまって)、変速比が
大きくなるシフトアップとなる。
【0029】図2の場合とは逆に、図3に示すように、
入力ディスク43fに対して、一方のパワ−ロ−ラ45
aを図中上方へオフセットし、他方のパワ−ロ−ラ45
bを図中下方へオフセットすると、パワ−ロ−ラ45
a、45bの入力ディスク43fに対する接触位置を当
該入力ディスク43fの径方向内側へ移動させる傾転力
が発生する。この結果、前述のシフトアップとは逆に、
シフトダウンとなる。
【0030】以上の説明から既に明らかなように、入力
ディスク43fの回転方向が図2、図3に示す場合とは
逆方向となった逆転時(後進走行時)には、パワ−ロ−
ラ45a、45bの図2に示すオフセット態様ではシフ
トダウンとなり、図3に示すオフセット態様ではシフト
アップとなる。なお、実施例では、パワ−ロ−ラ45a
と45bとの傾転角度を同じにするため、例えばワイワ
等によって、両パワ−ロ−ラ45aと45bとが同期駆
動されるように設定されている。
【0031】図4の説明 図4は、図2、図3で示したように前記パワ−ロ−ラ4
5a、45bを傾転させて変速比変更を行なうための構
成部分を示している。なお、以下の説明では、パワ−ロ
−ラを符号45a〜45cを代表する符号45のみをも
って示すこととする。この図4において、パワ−ロ−ラ
45は、トラニオン51の上端部に回転自在に保持され
ており、このトラニオン51は、変速機ケ−シングに対
して軸方向に所定量移動自在かつ回動自在に保持されて
いる。このトラニオン51の軸方向移動がパワ−ロ−ラ
45の図2、図3におけるオフセットに相当し、トラニ
オン51の回転角度がパワ−ロ−ラ45の傾転角度に相
当する。
【0032】実施例では、トラニオン51の図中矢印で
示す「HIGH側」の回転方向がシフトアップ方向の変
速比変更に対応し、また「LOW側」の回転方向が、シ
フトダウン方向の変速比変更を示す。そして、前進走行
時は、トラニオン51が上方向へ移動したときにシフト
アップ方向への変速比変更となり、下方向へ移動したと
きにシフトダウン方向の変速比変更となる。逆に、後進
走行時には、トラニオン51が下方向へ移動したときに
シフトアップ方向への変速比変更となり、上方向へ移動
したときにシフトダウン方向の変速比変更となる。
【0033】トラニオン51の下端部には、軸方向に隔
置された2つの可動ピストン部51a、51bが形成さ
れている。一方のピストン部51aと変速機ケ−シング
の隔壁52との間に第1の油室53が画成され、他方の
ピストン部51bと上記隔壁52との間に、第2の油室
54が画成されている。上記油室53に油圧が供給され
たとき(油室54は油圧排出)、トラニオン51が上方
へ移動されて、前進走行時のシフトアップ(後進走行時
のシフトダウン)となる。また、油室54に油圧が供給
されたとき(油室53の油圧排出)トラニオン51が下
方へ移動され、前進走行時のシフトダウン(後進走行時
のシフトアップ)となる。
【0034】図中61は前後進切換弁、62は変速比制
御弁、63は正転(前進)用フィ−ドバック機構、64
は逆転(後進)用フィ−ドバック機構であり、各フィ−
ドバック機構63、64は、トラニオン51の軸方向変
位量と回転量とを変速比制御弁へ伝達するものとなって
いる。前後進切換弁61は、前記油室53、54に対す
る油圧の供給態様を、前進走行時と後進走行時とで切換
えるためのものであり、当該切換弁61を通して変速比
制御弁62にライン圧が供給されると共に、変速比制御
弁から供給される制御油圧の油室53、54に対する供
給態様を切換える。この切換弁61は、スプ−ル61a
を有するスプ−ル式とされて、スプ−ル61aが右方位
置にあるときが前進走行時用の位置とされ、図中左方位
置にあるときが後進走行時用の位置とされる。
【0035】変速比制御弁62は、スプ−ル71と、第
1スリ−ブ72と、第3スリ−ブ73と変速機ケ−シン
グに一体化された弁ハウジング74とを有する。スプ−
ル71は、図中左方側部分が右方側部分よりも小径とさ
れた小径部71aとされ、第1スリ−ブ72は、短尺と
されて、上記小径部71aの外周にのみ摺動自在に嵌合
されている。また、第2スリ−ブ73は、スプ−ル71
とほど同一の長さを有する長尺とされて、第1スリ−ブ
72の外周およびスプ−ル71の大径部71bの外周に
摺動自在に嵌合されている。
【0036】弁ハウジング74は、図中右方から左方へ
順次、前進走行用のポ−トP11、P12、P13と、
リリ−フポ−トPRと、後進走行用のポ−トP21、P
22、P23とを有する。前進走行用の各ポ−トのう
ち、ポ−トP12はライン圧の受入ポ−トであり、ポ−
トP11はシフトアップ用の油圧供給ポ−トであり、ポ
−トP13はシフトダウン用の油圧供給ポ−トである。
また、後進走行用の各ポ−トのうち、ポ−トP22はラ
イン圧の受入ポ−トであり、ポ−トP23はシフトアッ
プ用の油圧供給ポ−トであり、ポ−トP21はシフトダ
ウン用の油圧供給ポ−トである。
【0037】第2スリ−ブ73には、前記前進走行用ポ
−トP11〜P13に対応した3つの開口F11〜F1
3と、後進走行用ポ−トP21〜P23に対応した3つ
の開口R21〜R23の3つの開口との合計6つの開口
が形成されている。各開口F11〜F13、R21〜R
23の軸方向長さは、対応するポ−トP11〜P13、
P21〜P23よりも若干大きくされている。また、第
1スリ−ブ72には、後進走行用の各ポ−トP21〜P
23と開口R21〜R23とに対応する3つの開口RR
21〜RR23が形成されている。この開口RR21〜
RR23の軸方向長さは、対応する開口R21〜R23
のよりも若干大きくされている。
【0038】スプ−ル71には、前進走行用の3つのポ
−トP11〜P13すなわち開口F11〜F13に対応
して、2つのランド部FL1とFL2とが形成され、ま
た後進走行用の3つのポ−トP21〜P23すなわち開
口RR21〜RR23に対応して、2つのランド部RL
1とRL2とが形成されている。またスプ−ル71に
は、ドレン通路75が形成されている。
【0039】図4の状態は、各駆動部材つまりスプ−ル
71と2つのスリ−ブ72、73とがそれぞれ中立位置
にあって、変速比変更を行なわない状態を示している。
この中立位置において、前進走行用のライン圧受入ポ−
トとなるP12に対してポ−トP11とP13とが遮断
された状態となるが、このときポ−トP12に対してP
11とP13とがわずかな隙間を介して連通されると共
に、ポ−トP11とP13とはドレン通路75に対して
もわずかな隙間を介して連通されている。上記わずかな
隙間は、2つのランド部FL1、FL2と第2スリ−ブ
72との間のいわゆるアンダラップによって構成されて
おり、この中立位置からわずかにスプ−ル71を動かし
てポ−トP12に対してポ−トP11あるいはP13と
の連通度合を高めることによって、油室53あるいは5
4に対して油圧が供給され、このときの供給油圧が、入
力トルクに応じたパワ−ロ−ラ45の入力ディスク43
に対する押付力となる(この押付力、つまりスプ−ル7
1のわずかな移動)は変速比変更のための大きなものと
はならない)。同様なことは、後進走行用のポ−トとラ
ンド部との関係についても設定されている。
【0040】いま、切換弁61が前進走行用の状態にあ
るときを前提として、図4の状態からスプ−ル71が右
方へ変位して、ポ−トP12に対してポ−トP11が連
通されると、ポ−トP11から油室53へと制御油圧が
供給されて、シフトアップとなる(このとき、ポ−トP
13は、ドレン通路75と大きく連通されて、油室54
の圧力は解放される)。逆に、図4の状態から、スプ−
ル71を左方動させて、ポ−トP12に対してポ−トP
13を連通させると、油室54に制御油圧が供給されて
シフトダウンとなる(このとき、ポ−トP11はドレン
通路75と大きく連通されて、油室53の圧力が解放さ
れる)なお、前進走行時は、切換弁61によって、後進
走行用のポ−トP21〜P23は油室53、54に対し
て遮断されている。
【0041】次に、切換弁61が後進走行用の状態にあ
るときを前提として、図4の状態からスプ−ル71が左
方へ変位して、ポ−トP22に対してポ−トP23が連
通されると、ポ−トP23から油室54へと制御油圧が
供給されて、シフトアップとなる(このとき、ポ−トP
21は、ドレン通路75と大きく連通されて、油室53
の圧力は解放される)。逆に、図4の状態から、スプ−
ル71を右方動させて、ポ−トP22に対してポ−トP
21を連通させると、油室53に制御油圧が供給されて
シフトダウンとなる(このとき、ポ−トP23はドレン
通路75と大きく連通されて、油室54の圧力が解放さ
れる)。なお、後進走行時は、切換弁61によって、前
進走行用のポ−トP11〜P13は油室53、54に対
して遮断されている。
【0042】前記スプ−ル71の右端部は、連結ピン8
1を介して雌ねじ部材82が一体化されている。この雌
ねじ部材82には雄ねじ部材83が螺合され、この雄ね
じ部材83がステップモ−タMの駆動軸と一体化されて
いる。モ−タMは、変速機ケ−シングに固定されてお
り、したがって、モ−タMの正逆回転に応じて、スプ−
ル71が左右動される。そして、スプ−ル71の左右位
置が所望の目標傾転角度(目標変速比)に対応した位置
となるように、モ−タMの回転が制御される。
【0043】第1スリ−ブ72とスプ−ル71のランド
部FL2との間には、スプリング84が介装されて、第
1スリ−ブ72はスプ−ル71に対して左方へ付勢され
ている。また、第2スリ−ブ73は、スプリング85に
よって左方へ付勢されている。
【0044】前記前進用フィ−ドバック機構63は、ト
ラニオン51に一体化されたカム部材86に形成された
前進用カム面87と、変速機ケ−シングにピン88aに
よって回動自在に保持されたリンク88とを有し、この
リンク88の一端がカム面87に当接されると共に、リ
ンク88の他端が第2スリ−ブ73の左端面に当接され
ている。
【0045】前記後進用フィ−ドバック機構64は、前
記カム部材86に形成された後進用カム面90と、変速
機ケ−シングにピン91aによって回動自在に保持され
たリンク91とを有し、このリンク91の一端がカム面
90に当接されると共に、リンク91の他端が第1スリ
−ブ72の左端面に当接されている。なお、リンク91
は、スプリング84よりも大きい付勢力を有するスプリ
ング(図示略)によって、常時カム面90に当接するよ
うに設定されている。ただし、前進走行用のカム面87
と90とは、その傾斜角度が互いに等しくされているも
のの、傾斜方向は互いに反対方向となるように形成され
ている。
【0046】以上のような構成において、前進走行時を
前提として、シフトアップ時には、モ−タMによって所
望の目標変速比に応じた位置までスプ−ル71が図4の
状態から右方動される。これにより、ポ−トP12から
のライン圧が、開口F12、F11を通って、ポ−トP
11から油室53へ油圧が供給されて、シフトアップさ
れる。このとき、トラニオン51はHIGH側に回転さ
れ、この結果前進走行用カム面87がリンク88を時計
方向に回動させて、第2スリ−ブ73がスプリング85
に抗してを右方動される。そして、トラニオン51つま
りパワ−ロ−ラ45の傾転角度がモ−タMの回転位置に
応じた所望のものとなると、第2スリ−ブ72がポ−ト
P11とP12とを遮断して、所望の変速比状態に保持
される(フィ−ドバック完了)。
【0047】前進走行時のシフトダウンにおいては、ス
プ−ル71が左方動されて、ポ−トP12が開口F1
2、F13を通してポ−トP13と連通されて、油室5
4に油圧が供給される。このとき、トラニオン52はL
OW側に回転されており、この結果、スプリング85に
よって、第2スリ−ブ73を介してリンク88がカム面
87に当接する位置まで反時計方向の回動される。第2
スリ−ブ73の左方動によって、第2スリ−ブ72がポ
−トP12とP13とが徐々に遮断されていき、、所望
の変速比になった状態でポ−トP12とP13とが遮断
される(フィ−ドバック完了)。
【0048】後進走行におけるシフトアップ時は、スプ
−ル71が左方動されて、ライン圧受入ポ−トP21に
対して、開口R22、RR22、RR23、R23を介
してポ−トP23が連通されて、油室54に油圧が供給
される。このとき、トラニオン51はHIGH側に回転
されて、リンク91が、スプリング84によって左方動
される第1スリ−ブ72を介して反時計方向に回動され
得る状態となる。第1スリ−ブ72の左方動によって、
ポ−トP22とP23との連通度合が徐々に小さくな
り、所望の変速比となった状態で、ポ−トP22とP2
3とが第2スリ−ブ73によって遮断される(フィ−ド
バック完了)。
【0049】後進走行のシフトダウン時は、スプ−ル7
1が右方動され、ライン圧受入ポ−トP22に対して、
開口R22、RR22、RR21、R21を介してポ−
トP21が連通されて、油室53に油圧が供給される。
このとき、トラニオン51はLOW側へ回転され、この
結果、リンク91が時計方向に回動されて、第1スリ−
ブ72がスプリング84に抗して右方動し、所望の変速
比となった時点で、ポ−トP22とP21との連通が第
1スリ−ブ72によって遮断される。
【0050】以上説明した図4の場合は、前進走行時と
後進走行時との両方共に、所定の変速比範囲で、任意の
変速比を自由にとり得るものとなる。
【0051】図5の説明 図5は、変速比制御弁およびフィ−ドバック機構部分の
他の実施例を示すものである。本実施例において、今迄
説明したものと対応する構成要素には同一符号を付して
その重複した説明は省略し、また図5に示す以外の部分
の構成は図4の場合と同じなので、切換弁61等は図示
を略してある(このことは以下のさらに別の実施例につ
いても同じ)。
【0052】本実施例では、変速比制御弁62を、スプ
−ルとスリ−ブと弁ハウジングとの3重構造としてあ
り、このため、スプ−ル71を、大径部、小径部の区別
のないものとして構成し、また図4における第2スリ−
ブ73に相当する部材を軸方向に2分割して、第1スリ
−ブ73Rと第2スリ−ブ73Fとしてある。変速比制
御弁62の右方側に配設されたモ−タMは、右方側の第
2スリ−ブ73Fの運端部に対して連結されて、第1ス
リ−ブ73Rと第2スリ−ブ73Fとの間にはスプリン
グ95が介装されている。また、スプ−ル71が、スプ
リング96により左方に付勢されている。
【0053】各フィ−ドバック機構63、64が変速比
制御弁62の左方に配設されて、前進走行用のフィ−ド
バック機構63におけるリンク88がスプ−ル71の左
端面に当接され、後進走行用のフィ−ドバック機構64
におけるリンク91が第1スリ−ブ73Rの左端面に当
接されている。各フィ−ドバック機構63、64におけ
るカム部材は、86Rと86Fとの互いに独立されたも
のとされて、前進走行用のカム面87の傾斜角度αF
が、後進走行用カム面90の傾斜角度αRよりも小さく
されている。なお、リンク88はスプリング96よりも
大きい付勢力を有するスプリング(図示略)により常時
カム面87に当接されるように設定され、同様に、リン
ク91は、スプリング95よりも大きい付勢力を有する
スプリング(図示略)によって常時カム面90と当接す
るように設定されている。
【0054】以上のような構成において、前進走行時の
シフトアップに際しては、第2スリ−ブ73Fが左方動
されて、ライン圧受入用のポ−トP12に対して、開口
F12、F11を介してポ−トP11が連通される。こ
のとき、トラニオン51がHIGH側に回転される結
果、リンク88が時計方向に回動されて、スプ−ル71
がスプリング96によって左方動される。そして、所定
の変速比となった時点で、スプ−ル71によって、開口
F11とFR12との連通が遮断されて、ポ−トP11
とP12との連通が遮断される(フィ−ドバック完
了)。
【0055】前進走行時のシフトダウンに際しては、第
2スリ−ブ73Fが右方動されて、ポ−トP12に対し
てポ−トP13が連通され、このとき、リンク88との
関係でスプ−ル71が右方動され、所望の変速比となっ
た時点で、スプ−ル71によってポ−トP11とP12
との連通が遮断される(フィ−ドバック完了)。
【0056】このように、前進走行には、図4の場合と
同様に、所定の変速比範囲で、任意の変速比を自由にと
り得ることになる。なお、前進走行には、後進走行用の
スリ−ブ73Rがフィ−ドバック機構64の影響を受け
て左右動されるが、この動きは前進走行用のスリ−ブ7
3Fの動きに何等影響を与えないものである。
【0057】後進走行時においては、今迄の説明から明
らかなように、モ−タMによって後進走行用のスリ−ブ
73Rの位置を自由に設定することはできず、変速比の
変更は行なわれない。この後進走行時には、所定の変速
比に固定すべく、前進走行後の停車時に、モ−タMによ
ってもっともLOW側の位置とされる。
【0058】この点を詳述すると、もっともLOW側の
位置においては、図5の状態からスプ−ル71および第
1スリ−ブ73R共に大きく右方動された位置となる
が、傾斜角度αFよりもαRの方が大きく設定されてい
るので、第2スリ−ブ73Rの右方変位量の方がスプ−
ル71の右方変位量よりも大きくなって、上記停車した
状態では、ポ−トP22に対してポ−トP23が連通さ
れた状態となる。
【0059】この状態から後退走行されると、ポ−トP
22とP23とが連通されているのでシフトアップされ
ていき、このシフトアップによるパワ−ロ−ラ45の傾
転角度変更が、各フィ−ドバック機構63、64を介し
てスプ−ル71および第1スリ−ブ73Rの左方動とし
てフィ−ドバックされる。そして、上記傾斜角度αRと
αFとの相違によって、第1スリ−ブ73等の左方変位
量がスプ−ル71の左方変位量よりも大きくなるので、
やがて、スプ−ル71によって開口R22とR23との
連通つまりポ−トP22とP23との連通が遮断され
て、シフトアップが終了し、この時点の変速比に固定、
保持されることになる。
【0060】図6の説明 図6は、図5に示すものにおいて、トラニオン51の回
動量を、後進走行時用には前進走行時用に比して拡大し
て変速比制御弁62に伝達するため、前記傾斜角度αL
とαRとは同一に設定する一方、リンク88と91との
レバ−比を相違させることにより行なうようにしたもの
である。すなわち前進走行用のリンク88のレバ−長を
LFとし、後進走行用のリンク91のレバ−長をLRと
したとき、LR>LFとなるように設定してある。
【0061】図7の説明 図7は、図5に示す3重構造のものにおいて、スプ−ル
を軸方向に2分割して、第1スプ−ル71Aと第2スプ
−ル71Bとして構成した場合を示す。モ−タMは、前
進走行用となる右方側の第2スプ−ル71Fの右端部に
連結され、両スプ−ル71Rと71Fとの間には、第1
スプ−ル71Rを左方へ付勢するスプリング84(図4
のスプリング84に対応)が介装されている。また、ス
リ−ブ73は、軸方向に分割されていない構成とされて
いる(図4の第2スリ−ブ73に相当)。そして、スリ
−ブ73が、スプリング85(図4のスプリング85に
対応)によって左方に付勢されている。
【0062】前進走行用のリンク88が第1スプ−ル7
1Rの左端面に当接され、後進走行用のリンク91がス
リ−ブ73の左端面に当接されている。そして、前進走
行用のリンク88のレバ−長LFよりも、後進走行用の
リンク91のレバ−長LRの方が大きくなるように設定
されている。
【0063】本実施例における作用そのものは、基本的
には、図6に示す場合と同様である。すなわち、前進走
行時における変速比変更は、第2スプ−ル71Fを、シ
フトアップ時は右方動させ、シフトダウン時は左方動さ
せることにより行なわれる。この前進走行時は、所定の
変速比の範囲で、任意の変速比を自由にとり得るもので
ある。また、後進走行時は、図5、図6の場合と同様
に、停車時もっともLOW側としておくことにより所定
の変速比のみに固定、保持されものとなり、このため、
前述したようにレバ−長LFとLRとが相違されている
(図6の場合に対応)。勿論、この図7において、レバ
−長LFとLRとを同じとして、後進走行用カム面90
の傾斜角度を前進走行用のカム面87の傾斜角度よりも
大きく設定することもできる(図5の場合に対応)。
【0064】以上実施例について説明したが、本発明は
これに限らず、例えば次のような場合をも含むものであ
る。 (1)自動車用として適用する場合に限らず、変速比変更
を必要とする適宜の駆動系(回転系)に組込まれてなる
トロイダル型無段変速機についても適用できる。 (2)常にトロイダル型無段変速機構を介して回転(動
力)伝達を行なうように駆動系を構成することもでき
る。なお、実施例において後進走行時に所定の変速比に
固定保持するのは、パワ−ロ−ラ45がその傾転方向ス
トロ−ク端にあるストッパに強く押し付けられて無理な
力が作用するのを防止するためである。 (3)トロイダル型無段変速機は、実施例に示す2段構成
ではなく、1段構成あるいは3段以上の多段構成とする
こともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す駆動系の全体スケルト
ン図。
【図2】変速比変更の原理を示す図。
【図3】変速比変更の原理を示す図。
【図4】変速比変更を行なう部分の第1の構成例を示す
図。
【図5】変速比変更を行なう部分の第2の構成例を示す
図。
【図6】変速比変更を行なう部分の第3の構成例を示す
図。
【図7】変速比変更を行なう部分の第4の構成例を示す
図。
【符号の説明】
1:エンジン 2:トルクコンバ−タ 4:前後進切換機構 5:出力軸 7,8:トロイダル型無段変速機 43(43f,43r):入力ディスク 44(44f〜44r):出力ディスク 45(45a〜45d):パワ−ロ−ラ 51:トラニオン 61:前後進切換弁 62:変速比制御弁 63:前進走行用フィ−ドバック機構 64:後進走行用フィ−ドバック機構 71:スプ−ル 71R、71F:軸方向に分割されたスプ−ル 72:第1スリ−ブ 72R、72F:軸方向に分割されたスリ−ブ 73:第2スリ−ブ 87:前進走行用カム面 88:前進走行用リンク 90:後進走行用カム面 91:後進走行用リンク M:モ−タ αR、αF:カム面の傾斜角度 LR、LF:リンクのレバ−長 P11〜P13:前進走行用油圧ポ−ト (P11:シフトアップ用) (P12:ライン圧受入用) (P13:シフトダウン用) P21〜P23:後進走行用油圧ポ−ト (P21:シフトダウン用) (P22:ライン圧受入用) (P23:シフトアップ用)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力ディスクと出力ディスクと該両ディス
    ク間に介在されたパワ−ロ−ラとを備えて、該パワ−ロ
    −ラの傾転角度を変更することにより変速比の変更が行
    なわれるトロイダル型無段変速機と、 前記パワ−ロ−ラを前記入力ディスクに対してオフセッ
    トさせることにより、該パワ−ロ−ラを傾転させるため
    の傾転力を発生させる油圧式の変速比調整機構と、 前記油圧式調整機構に対して前記オフセットの方向に応
    じた油圧を供給するための変速比制御弁と、 変速の際に前記変速比制御弁を駆動するアクチュエ−タ
    と、を備えたトロイダル型無段変速機の変速比制御装置
    において、 前記変速比制御弁が、正転用の変速比制御弁と逆転用の
    変速比制御弁とが一体的に組込まれたユニット式とされ
    て、前記アクチュエ−タにより駆動される部材が正転用
    と逆転用とで共通化されている、ことを特徴とするトロ
    イダル型無段変速機の変速比制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記変速比制御弁がスプ−ルと該スプ−ルの外周に配設
    されたスリ−ブとを有するスプ−ル式とされ、 前記スプ−ルの軸方向一端部側が正転用の調圧部とされ
    ると共に、軸方向他端部側が逆転用の調圧部とされ、 前記スプ−ルとスリ−ブとの一方が2分割構成とされる
    ことにより、第1、第2、第3の合計3つの駆動部材を
    有するように構成され、 前記第1〜第3の3つの駆動部材のうち、第1駆動部材
    が前記アクチュエ−タに連結され、第2駆動部材が前記
    パワ−ロ−ラの傾転角度をフィ−ドバックする正転用フ
    ィ−ドバック機構に連結され、第3駆動部材が前記パワ
    −ロ−ラの傾転角度をフィ−ドバックする逆転用フィ−
    ドバック機構に連結されているもの。
  3. 【請求項3】請求項2において、 前記変速比制御弁が、スプ−ルと、該スプ−ルの外周に
    位置された第1スリ−ブと、該第1スリ−ブの外周に位
    置された第2スリ−ブと、該第2スリ−ブの外周に位置
    された弁ハウジングとの4重構造とされ、 前記スプ−ルが前記アクチュエ−タに連結され、 前記第1スリ−ブと第2スリ−ブとのいずれか一方が前
    記正転用フィ−ドバック機構に連結されると共に、他方
    が前記逆転用フィ−ドバック機構に連結されているも
    の。
  4. 【請求項4】請求項3において、 前記スプ−ルが、軸方向一端部側が他端部側よりも小径
    とされ、 前記第1スリ−ブが、前記スプ−ルの小径部分の外周の
    みに位置され、 前記第2スリ−ブが、前記スプ−ルの小径部分と大径部
    分との両方に跨がるように配設され、 前記軸方向他端部側において、前記スプ−ルが前記アク
    チュエ−タに連結され、 それぞれ前記軸方向一端部側において、前記第1スリ−
    ブ、第2スリ−ブに対して、前記正転用と逆転用との各
    フィ−ドバック機構が連結されているもの。
  5. 【請求項5】請求項2において、 前記スリ−ブが、軸方向に2分割された第1スリ−ブと
    第2スリ−ブとして構成されて、変速比制御弁が全体と
    して、前記スプ−ルと前記第1、第2の各スリ−ブと該
    第、1第2各スリ−ブの外周に位置された弁ハウジング
    との3重構造とされているもの。
  6. 【請求項6】請求項2において、 前記スプ−ルが軸方向に2分割された第1スプ−ルと第
    2スプ−ルとして構成されて、変速比制御弁が全体とし
    て、前記第1、第2の各スプ−ルと前記スリ−ブと該ス
    リ−ブの外周に位置された弁ハウジングとの3重構造と
    されているもの。
  7. 【請求項7】請求項5において、 前記第1スリ−ブが前記アクチュエ−タに連結され、 前記第2スリ−ブが前記逆転用フィ−ドバック機構に連
    結され、 前記スプ−ルが前記正転用フィ−ドバック機構に連結さ
    れているもの。
  8. 【請求項8】請求項6において、 前記第1スプ−ルが前記アクチュエ−タに連結され、 前記第2スプ−ルが前記逆転用フィ−ドバック機構に連
    結され、 前記スリ−ブが前記正転用フィ−ドバック機構に連結さ
    れているもの。
  9. 【請求項9】請求項7または請求項8において、 前記逆転用フィ−ドバック機構が、前記正転用フィ−ド
    バック機構に比して、前記パワ−ロ−ラの変速比変更に
    関連する動きを拡大して前記変速比制御弁に伝達するよ
    うに設定されているもの。
  10. 【請求項10】請求項9において、 前記各フィ−ドバック機構が、前記パワ−ロ−ラオフセ
    ット量と傾転角度とを示すプリセスカムと、該プリセス
    カムの動きを前記変速比制御弁に伝達するリンクとを有
    し、 前記正転用と逆転用との各プリセスカムのカム面の傾斜
    角度を互いに相違させることにより、前記拡大作用を得
    るように設定されているもの。
  11. 【請求項11】請求項9において、 前記各フィ−ドバック機構が、前記パワ−ロ−ラオフセ
    ット量と傾転角度とを示すプリセスカムと、該プリセス
    カムの動きを前記変速比制御弁に伝達するリンクとを有
    し、 前記正転用と逆転用との各リンクのレバ−比を相違させ
    ることにより、前記拡大作用を得るように設定されてい
    るもの。
  12. 【請求項12】請求項1ないし請求項11のいずれか1
    項において、 前記トロイダル型無段変速機が自動車の駆動系に介在さ
    れると共に、エンジンとトロイダル型無段変速機との間
    に前後進切換機構が介在され、 前記正転が前進走行時の回転方向に対応し、前記逆転が
    後進走行時の回転方向に対応するように設定されている
    もの。
JP08537794A 1994-03-31 1994-03-31 トロイダル型無段変速機の変速比制御装置 Expired - Fee Related JP3416255B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08537794A JP3416255B2 (ja) 1994-03-31 1994-03-31 トロイダル型無段変速機の変速比制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08537794A JP3416255B2 (ja) 1994-03-31 1994-03-31 トロイダル型無段変速機の変速比制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07269673A true JPH07269673A (ja) 1995-10-20
JP3416255B2 JP3416255B2 (ja) 2003-06-16

Family

ID=13857042

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08537794A Expired - Fee Related JP3416255B2 (ja) 1994-03-31 1994-03-31 トロイダル型無段変速機の変速比制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3416255B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19930375C2 (de) * 1998-07-02 2002-05-23 Nissan Motor Stufenlos verstellbares Toroidgetriebe

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19930375C2 (de) * 1998-07-02 2002-05-23 Nissan Motor Stufenlos verstellbares Toroidgetriebe

Also Published As

Publication number Publication date
JP3416255B2 (ja) 2003-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5238460A (en) Power transmission system for vehicle
EP0733831B1 (en) Continuously variable transmission
US5833571A (en) Continuously variable transmission
WO2001021981A2 (en) Dual strategy control for a toroidal drive type continuously variable transmission
JPH0361762A (ja) 変速機の制御装置
US5813933A (en) Continuously variable transmission with bias springs on the drive and driven pulleys for setting a predetermined speed ratio when the cut is in neutral
GB2312258A (en) CVT control system has regime change clutches controlled independently of variator
US5178043A (en) Control valve assembly of traction drive transmission
JP2605788B2 (ja) 変速機の制御装置
JP3416255B2 (ja) トロイダル型無段変速機の変速比制御装置
US5839988A (en) Control system of automatic transmission
EP2109726B1 (en) Cvt control system
US5131296A (en) Traction drive transmission and lock-up control
JP3613641B2 (ja) 無段変速機
JPH09166191A (ja) 無段変速機
JP3993739B2 (ja) 自動変速装置
JPH09166215A (ja) 無段変速機
JP3498423B2 (ja) 無段変速機
JP3455986B2 (ja) 無段変速機用変速比制御バルブ
JP6519991B2 (ja) 無段変速装置
JP2015227717A (ja) 無段変速装置
JP4840151B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JPS58149457A (ja) 車両用変速機
JPH01224552A (ja) 多段自動変速機の変速制御装置
JPH10274301A (ja) トロイダル型無段変速機

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees