JPH072693A - 肝炎処置用医薬組成物 - Google Patents
肝炎処置用医薬組成物Info
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- JPH072693A JPH072693A JP4074377A JP7437792A JPH072693A JP H072693 A JPH072693 A JP H072693A JP 4074377 A JP4074377 A JP 4074377A JP 7437792 A JP7437792 A JP 7437792A JP H072693 A JPH072693 A JP H072693A
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Abstract
ウイルス誘発B型肝炎処置用の医薬組成物を提供する。 【構成】 この組成物はチモシン アルファ1 を含有す
る子牛チモシン フラクション5あるいは子牛または合
成のチモシン アルファ1 を包含し、慢性B型肝炎の処
置に特に有効である。
Description
退が生じる期間にわたって、チモシンを哺乳動物に投与
することにより、この病気を患っている哺乳動物を処置
するための医薬組成物に関するものである。特に、本発
明は慢性ウイルスB型肝炎処置用の医薬組成物に関す
る。
は肝硬変、肝不全および肝細胞癌に進行する危険が高い
(Seeff L.B.等、Sem Liver Di
e,6:11〜22(1986))。B型肝炎ウイルス
(HBV)感染肝細胞のクリアリングにおける宿主細胞
の免疫機構の減退作用性が慢性HBV感染の進行の説明
に定義されている(Thomas H.C.等、Sem
Liver Dis,6:34−41(198
6))。この病気の処置においては抗ウイルス剤が使用
されており、この中で、アルファ−インタフェロン(I
FN−α)が現在まで、最も有効なものとして開発され
た(Hoofnagle J.H.等、Gastroe
nterology,95:1318−1325(19
88);およびPerillo R.P.等、Ann
Int Med,109:95−100(198
8))。不幸なことに、IFN−αは治療の中止が求め
られるような重大な副作用を生じさせることができる
(Hoofnagle J.H.等、Gastroen
terology,95:1318−1325(198
8);Perillo R.P.等、Ann Int
Med,109:95−100(1988);およびR
enault P.F.等、Sem Liver Di
s,9:273−277(1989))。
ている免疫調節剤、たとえばインタロイキン2(IL
2)およびレバミソール(levamisole)は結
論がでていないか、または無効の結果に終っている(K
akuma S.等、Hepatology,8:48
7−492(1988);Fattovick G.
等、Gastroenterology,91:692
−696(1986))。
シンと化学的に異なっており、これらは慢性B型肝炎の
処置に使用されていた。研究の一つにおいて(Rome
oF.等、Arzheim−Forsh/Drug R
es.,37:450−456(1987))、牛胸腺
の抽出物であるチモスチムリンが臨床的、生化学的およ
び組織学的な改善をもたらした。しかしながら、HBV
マーカーに対する処置効果は報告されていない。同様の
応答がチモペプチドを使用する別の研究(Zhang
D.F.等、Chimese Med.J.,99:7
91−798(1986))および胸腺因子Xを使用す
る別の研究(Dabrowski M.P.等、Cli
n.Immunol.Immunopathol.,1
6:297−307(1980))で報告されている。
含有し、その中の20が均質に、またはほぼ均質に精製
されている牛胸腺の部分的精製抽出物である(Low
T.L.K.等、Thymus,6:27−42(19
84))。T−アルファ1 を含むこれらのペプチドのう
ちの数種は、配列決定され、また化学的に合成されてい
る(Wetzel R.等、Biochem,19:6
096−6104(1980);およびLow T.
L.K.等、J.Biol.Chem.,254:98
1−986(1979))。
インビトロにおいて、CAHBの患者の自発的細胞媒介
細胞毒性を減少させ(Mutchnick M.G.
等、Clin.Immunol.Immunopath
ol.,16:423−437(1980))、そして
またこれらの患者からのPBM中のCon A誘発サプ
レッサー細胞機能を高める(Mutchnick M.
G.等、Dig.DisSci.,28:328−33
4(1983))ことが証明された。
アルファ1 (T−α1 )は、リンパ球における成熟現
象の引き金になり、T細胞機能を増大させ、かつまた免
疫不全の再構成を促進することが証明されている(Lo
w T.L.K.等、Thymus,6:27−42
(1984))。従って、これらの組成物は免疫調整剤
である。
導物質であり、免疫調整性T細胞機能に影響をおよぼす
ことができる(Low T.L.K.,等、Thymu
s6:27−42(1984);Low,T.L.
K.,J.Biol.Chem.254:981−98
6(1979);Marshall,G.D.,等、
J.Immunol,126:741−744(198
1);およびMutchnick,M.G.等、Cli
n.Immunol.Immunopathol.2
3:626−633(1982))。TF5およびT−
α1 はT4細胞機能を高め、ヒトリンパ球によるIFN
−α、IFN−γおよびIL2産生を促進し、かつまた
リンパ球IL2 レセプター発現を増大させることが示
されている(Low,T.L.K.等、Thymus,
6:27−42(1984);Sztein M.
B.,Proc.Natl.Acad.Sci.US
A,83:6107−6111(1986);Serr
ate S.A.等、J.Immunol.,139:
2338−2343(1987);Baxevanis
C.N.等、Immunopharm.,13:13
3−141(1987);Svedersky L.
P.等、Eur.J.Immunol.12:244−
247(1982))。
ける主要または補助治療として、臨床実験で使用された
TF5およびT−α1 は、これらの薬物が免疫応答を高
め、かつまたリンパ球機能を特異的に増大させることを
示した(Aztein M.B.等、springer
Semin Immunopathol.,9:1−
18(1986))。さらにまた、これらの胸腺ペプチ
ド類は比較的正常な免疫パラメーターを非特異的に高め
るというよりはむしろ、免疫不全を再構成するものと見
做される。これらの組成物がHBVの処置に使用された
ことはなかった。
にヒトにおけるB型肝炎の後退を生じさせる組成物およ
び方法を提供することにある。さらに、本発明の目的
は、慢性B型肝炎に対して特に効果的な組成物および方
法を提供することにある。これらの目的およびその他の
目的は以下の記載を参考にすることによって、ますます
明白になるであろう。
した後に、先ず血清HBeAgを、次いでHBV DN
Aをクリアランスした1人の患者におけるTF5(90
mg/M2 )に対する応答を示すグラフである。そのす
ぐ後に抗HBeが発現するが、血清HBsAgは存続す
る。初期および6ケ月後の肝臓生検試料中に存在するH
BV DNA分子型およびHBcAgは12ケ月後の生
検試料中には見い出されなかった。
の(A)リンパ球、(B)CD3および(C)CD4の
絶対値に係る一連の分析結果を示す。TF5/T−α1
群□とプラセボ群●との比較、および健康な協力者のパ
ネル(n=67)に対する比較を、平行線で示されてい
る95%信頼限界をもって、行なった。*p<0.0
5、**p<0.01の場合の各数値はStuden
t’s ペアー tテストによって、初期値に対して比
較した。▲は処置の開始時を示し、そして▼は処置の完
了時を示す。
びプラセボ群●から得られたPBMによるIFN−γ産
生の一連の分析値を示している。平行線によって区分さ
れているように、95%の信頼限界をもって、患者群間
および健康な協力者(n=67)に対する比較がなされ
ている。*p<0.05の場合の数値はStuden
t’s ペアー tテストにより初期値と比較した。▲
は処置の開始時を示し、そして▼は処置の完了時を示
す。
答者とチモシンで処置された応答者とにおける各肝臓生
検試料のHBV DNA交雑研究の結果を示している。
プラセボで処置された患者からのレーンA、BおよびC
においては、予想形態のHBV DNA複製型中間体の
全部が多量に存在し、12ケ月の研究期間にわたり変化
しないことが、サザン法によって見い出される(A:初
期、B:6ケ月目;C:12ケ月目)。類似の複製型が
T−α1 を与えられた患者にも初期に存在したが(レー
ンD)、6ケ月目(レーンE)および12ケ月目(レー
ンF)には、超ラセン形でゆるやかな円形のフリー ゲ
ノムだけが存在していた。
組成物および方法に関し、この組成物は、チモシン ア
ルファ1 およびチモシン アルファ1 を有効量で含有す
る子牛抽出物からなる群から選ばれるチモシンの有効量
を哺乳動物に投与し、これによって哺乳動物における肝
炎の後退を生じさせるものである。本発明の組成物は、
ヒトにおける慢性B型肝炎に対し、特に有効である。
よびチモシン アルファ1 を有効量で含有するチモシン
類の混合物であるチモシン分画5である。チモシン分画
5は牛胸腺から誘導され、そしてチモシン アルファ1
は前記で引用した文献に示されているように、化学的に
合成することができる。チモシンは好ましくは、重炭酸
ナトリウムなどの稀釈剤中に入れて、皮下投与する。こ
のような稀釈剤は当業者にとって周知である。
シン アルファ1 に係り、身体面積の一平方メートル当
りで、好ましくは約600〜1200マイクログラム、
最も好ましくは900マイクログラムである。チモシン
分画5は、ヒトにおいて、身体面積の一平方メーター当
りで、好ましくは約60〜120mg、最も好ましくは
90mgの量で使用する。投与量は、ウイルス後退の点
で、最適の結果が得られるように選択する。動物におけ
る投与量は匹敵する量である。
盲験、プラスボ−対照評価試験において、チモシン分画
5およびチモシン アルファ1 安全性および効果を評価
した。患者はいづれも、処置前の少なくとも6ケ月間、
活性肝臓病の組織学的および生化学的徴候を有してお
り、かつまた血清B型肝炎ウイルス デオキシリボ核酸
およびB型肝炎表面抗原に係り陽性であった。
モシン−α1 を、そして5人の患者には、プラスボを、
週2回の投与で6ケ月間与えた。この研究の終了時(1
年後)に、チモシン処置患者における血清アミノトラン
スフェラーゼ レベルは有意に改善されていたが、プラ
セボ群では改善されていなかった。
およびプラセボを与えられた患者のうちの1人(20
%)では、血清からB型肝炎ウイルス デオキシリボ核
酸がクリアランスされていた(p<0.04、Fish
erの完全試験)。処置後に、複製型のB型肝炎ウイル
ス デオキシリボ核酸が5人のプラセボ処置患者のうち
の4人からの肝試料に存在していたが、チモシン処置患
者7人の場合には、1人だけに存在していた(p<0.
04、Fisherの完全試験)。チモシン治療に対す
る応答は末梢血液リンパ球、CD3およびCD4値で、
およびまた初期値にまさるインタフェロン ガンマ−の
インビトロ産生で、有意の改善を示した。チモシンを投
与された患者において、重大な副作用は見い出されなか
った。チモシンに対して応答する患者における、臨床
的、生化学的および血清学的改善は、引続いて26±3
ケ月の間、維持された。これらの結果は、チモシンが病
気の軽快を促進し、かつまたB型肝炎ウイルスによる慢
性活性肝炎の患者におけるB型肝炎ウイルスの複製を止
めることを示している。
〜70才の患者を対象にした:少なくとも6ケ月間、B
型肝炎表面抗原が存在し、かつまた血清アラニン アミ
ノトランスフェラーゼ(ALT)レベルが高い;B型肝
炎ウイルスDNA(HBV DNA)に係る血清試験が
陽性;無作為選別前の3ケ月以内のCAHの組織学的証
拠(Knodoll R.G.等、Hepatolog
y,1:431−435(1981));および代償性
肝臓疾患の証拠(プロトロンビンの延長時間が対照値よ
りも4秒より小さい、血清アルブミン≧3gm/dlお
よび血清総ビルビリン≧4mg/dl)。
m、血小板数≧70,000/mm3、白血球数(WB
C)≧3000/mm3 、多形核数(PMN)≧150
0/mm3 および血清クレアチン≦1.4mg/dlが
含まれていた。肝性脳症、食道出血または胃静脈瘤症、
事前の抗ウイルス処置または免疫抑制処置を有する患者
は除外した。不適格と見做した追加の条件には、静脈薬
物乱用の経歴、D型肝炎抗体の存在、悪性、妊娠、同性
愛者およびヒト免疫不全ウイルスに係る試験で陽性、が
含まれた。女性には、研究期間中(1年)、避妊の実施
および受胎調節医療の使用の回避の同意を得た。
成プログラムによって、無作為に指定して、週2回で6
ケ月間、TF5(90mg/身体表面積m2 )、T−α
1 (900μg/身体表面積m2 )またはプラセボを皮
下(SC)注射によって投与した。TF5、合成T−α
1 およびプラセボ(1.4%重炭酸ナトリウム)はAl
pha One Biomedicals,Inc.,
Foster City,CA.から入手した。患者に
はSC注射による自己投与を指示し、承諾は看護婦によ
って毎週、調べた。患者は2週間の間隔で6ケ月間診察
し、引続く6ケ月間は1ケ月毎に診察した。診察時毎
に、臨床的および実験室的評価を行ない、この評価は、
HBsAg,HBsAgに対する抗体(抗HBs)、B
型肝炎の抗原および抗体(HBeAgおよび抗HB
e)、HBV DNA、ALT、アスパルテート アミ
ノトランスフェラーゼ(AST)、総ビリルビ、アルカ
リ ホスファターゼ、血液尿素窒素(BUN)、クレア
チニン、コレステロール、尿酸および総タンパク質を包
含していた。1ケ月毎に、血清アルブミン、ヘモグロビ
ン、WBC、PMN、リンパ球および血小板測定値を得
た。プロトメンビン時間は、1ケ月毎に、慣用の尿分析
によって行なった。免疫学的検査は処置の前およびその
後の研究期間(1年)の間は1ケ月毎に行なった。
れている方法(MutchnickM.G.等、Cli
n.Immunol.Immunophathol.,
47:84−92(1988))の変法を用いる関節免
疫蛍光染色による、CD3、CD4、CD8、CD11
およびNKサブセットの絶対数、コンカナバリンA(C
on A)およびフィトヘマグルチニン−P(PHA−
P)誘発リンパ球変形および固体総放射免疫検定法を用
いるIFN−γの末梢血液単核細胞(PBM)産生[I
MRX Interferon−γ RIA,Cent
ocor Inc.,Malvern,PA;(Mut
chnick M.G.等、Clin.Immuno
l.Immunopathol.,47:84−92
(1988))]が含まれた。
料を上記の各検査に含ませ、統計学的分析に用いる正常
値のパネルを作成した。経皮肝臓生検は、大部分の患者
において、6ケ月目に反復し、全患者において、1年後
に反復した。処置に対する応答に関して、1年後の時点
で、血清HBV DNAおよびHBeAg(初期に存在
している場合)の消失およびALTおよびASTレベル
の正常化または正常に近い状態が見られた場合に、陽性
であると決定した。上記計画はHuman Inves
tigation Committeeof Wayn
e State University School
ofMedicineによって承認されたものであ
り、全患者から得た、書面による同意により充分にイン
ホームされたものである。
IA)によって、およびまたHBeAgおよび抗HBe
抗体は酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)によって
測定した。デルタ ウイルスに対する抗体はRIAによ
って、そしてまたC型肝炎ウイルスに対する抗体はEL
ISAによって測定した。
全部の肝臓生検試料を、無症状慢性活性肝炎に係り案出
されたシステム(Knodell R.G.等、Hep
atology,1:431−435(1981))に
したがい、1人の観察者による判断(code)の下に
評価した。このシステムは、周辺壊死およびブリッジン
グ壊死の4種の特徴、小葉内損傷(壊死を含む)、門炎
症、および線維形成(硬変を含む)をそれぞれ評価する
ものである。各特徴はスコアで表わした。これらの全ス
コアの総合から、組織学的活性指数を得た。試料はまた
パーオキシダーゼ抗パーオキシダーゼ技法(PAP)を
使用して、B型肝炎核(core)抗原(HBcAg)
に関して染色した。可能な場合には、肝臓生検組織の一
部を、液状窒素中で素早く凍結させ、HBV DNA分
子型に係り雑種形成によって試験した。
berman H.M.,Hepatology,3:
285−291(1983))によって、HBV DN
A配列の存在に係り分析した。ただし、プロティナーゼ
K消化工程は行なわない。これは、この検定の感度を1
0のアクターで高め、また陰性の対照血清によるバック
グラウンド放射能を僅かに高める。この検定法は、毎5
μl中で、単純スポットとして適用された0.05〜
0.10pgほどの少ない量の精製HBV DNAを検
出するものである。この直接スポット雑種形成法で陰性
の血清は、各200μlから全部の核酸を抽出し、全抽
出物を1個のスポットとして適用することによって、陰
性として確認した(Lieberman H.M.,H
epatology,3:285−291(198
3))。これらの研究において、フィルターに適用され
た対照プラスミドDNA(pBR 322)0.1μg
によって、陽性の雑種形成シグナルを生じない、高度に
精製されたHBVDNA プローベを使用することは必
須である。
Cl( pH7.5)−150mMNaCl−25mM
EDTA中で、Dounce ホモジナイザーにおいて
均質化し、次いでSDS−プロティナーゼK消化、フェ
ノール−クロロホルム抽出およびエタノール沈殿によっ
て、DNAを単離した。ランダム プライマー エック
ステンションによって、精製HBV DNA(3200
bp)を[32P]により高比活性(2〜8×108 co
n.g DNA)まで標識した。DNA 10マイクロ
グラムを制限エンドヌクレアーゼ Hind IIIまたは
EcoR1によって消化した後または消化前のどちらか
に、0.8%アガロースゲルを通して電気泳動に付し
た。このDNAをGene Screen フィルター
に移し、1分間のUV照射により、このフィルターに固
定させた。各実験毎に、陽性および陰性の対照試料を含
ませた。
DS−50%ホルムアミド−5×Denhardtの溶
液−200μg/ml変性サケ精子DNA中で42℃に
おいて、一夜にわたり行なった。雑種形成は[32P]標
識プローベを添加して、類似条件の下に48時間、行な
った。各フィルターを室温において、2×SSC−0.
1%SDSで各5分間を2回、65℃において1×SS
C−1%SDSで各30分間で2回、次いで室温におい
て、0.1×SSC−0.1%SDSで15分間、洗浄
した。これらのフィルターを次いで、2個のスクリーン
を用いて、−70℃において、Kodak XAR−5
フィルムにさらした。
較した。初期値と引続く測定時点の測定値との間の変化
を、Studentの両側検定 t試験によって比較し
た。
た。無作為に、4人の患者にはTF−5を投与し、3人
の患者にはT−α1 を投与し、そして5人の患者にはプ
ラセボを投与した。TF5が投与された患者のうちの2
人は注射部位に局所的不快感を体験したので、1ケ月以
内にT−α1 に変えた。最終的被験群はTF−5または
T−α1 を投与された7人の患者(チモシン群)および
プラセボを与えられた5人の患者からなる。初期(封入
時)に、チモシン群と対照群とを、性別、年令、生化学
的パラメーターおよび血清学的パラメーターに関して比
較した(表1)。被験患者の中で、デルタ抗体に対して
陽性の者は存在せず、T−α1 処置に応答した1人の患
者だけはC型肝炎に対する抗体に関して陽性であった。
V DNA、HBeAgおよびHBsAgのクリアラン
ス率を表2に示す。この表2は、プラセボ群に比較し
て、チモシン群における有意に高いHBV DNAクリ
アランス率を示している(それぞれ、86%対20%;
Fisherの完全試験による)。6ケ月の処置期間の
間で、チモシンに応答する6人の患者の全員に、血清H
BV DNAレベルの減少が見られた。処置中の4人の
患者および処置終了後の2ケ月および6ケ月の時点でそ
れぞれ残る2人の患者において、血清HBV DNAは
消失した。
陽性反応
者は、1年の時点で正常もしくは正常に近いALTおよ
びAST値を示した。この数値はプラセボにより処置し
た患者における相当する数値よりも格別に低い。しかし
ながら、1時的なALT上昇(初めの数値の2〜6倍)
がチモシン応答者6人のうちの5人に見られた。これら
のALT増加の存続期間は4.6±0.6週間であって
(n=5)。各場合においてHBV DNAのクリアラ
ンスが先行した(Fig 1)。
ル
月)では、永続的陰性血清HBVDNAが6人の応答者
に見られ、そしてまたALTレベルの正常化が7人全員
の患者に見られた(29±5 IU/L)。14ケ月の
追跡検査によって、2人のチモシン応答者(29%)
で、血清HBsAgおよび生成抗−HBsが消失した。
液リンパ球(p<0.01)、CD3(p<0.0
2)、CD4(p<0.05)およびCD11(p<
0.05)数値に関して、健康な協力者に比較して有意
の減少を示していた。CD8およびNKの数値あるいは
CD4/CD8比に関しては、患者も健康な協力者との
間に差はなかった。リンパ球、T細胞サブセットまたは
NKの数値に関して、初期においては、チモシン群とプ
ラセボ群との間に有意の差は見られなかったが、処置し
た群では、健康な協力者に比較して、リンパ球、CD3
およびCD4の数値は有意に低下していた(表4)。
の絶対数(細胞数/mm3 ;平均値±SEM)
に、チモシン群がプラセボ群の初めの数値に比較して、
リンパ球、CD3およびCD4測定値について、一般に
高い数値を示したことが示されている。これらの増加は
一般に、6ケ月の引続く期間にわたって持続された。プ
ラセボ群においては、これらのパラメーターに関して有
意の変化は認められなかった。初期に、被験群間または
被験群と健康な協力者との間で、インビトロ IFN−
γ産生あるいはCOAおよびPHA−Pリンパ球増殖検
査に関して、差違は見い出されなかった(Fig
3)。開始後に、チモシン群におけるIFN−γのPB
M合成は、健康な協力者の場合に見い出されるレベル以
上のレベルに上昇したが、プラセボ群におけるこのレベ
ルは一般に低下した(Fig 3)。肝臓生検組織学的
活性スコアの結果を表5に示す。
D)
ン処置患者のうちの6人では、組織学的活性スコアは減
少したが、7人目の患者では、僅かに増加した。プラセ
ボ群の4人の患者では、この組織学的スコアは増加した
が、5人目の患者では、減少した。12人のCAHBの
患者は全員が、初期生検の時点で硬変を有しており、ま
たチモシン処置した患者の7人のうち6人およびプラセ
ボ処置した患者の5人のうち4人に、最後の生検で依然
として硬変が見い出されたことから、スコアにおける変
化は、ほとんど完全に、炎症活性および小葉損傷による
変化によるものであった。これらの結果は、p<0.0
1レベルで有意であった(表5)。12ケ月目に、チモ
シンに対する6人の応答者からの肝臓生検試料では、P
AP染色によるHBcAgは検出されなかった。プラセ
ボを投与された患者の1人において、彼は自発性軽快を
体験した。しかしながら、HBcAgはチモシン処置に
応答しなかった1人およびプラセボ患者の残りの4人で
確認された。
モシン処置した患者のうちの3人において検査した。組
織試料は処置前、6ケ月目および12ケ月目に採取し
た。1人の患者(チモシン処置に対して応答しなかった
唯一の1人)は、3種全部の試料で、複製型のHBV
DNAを有していた。残りの2人の患者においては、チ
モシンによる処置が、初期試料に見い出されたHBV複
製型の消失を示した。これらの患者のうちの1人では、
最終試料中にHBV DNA分子型は確認されなかった
が、他の1人では、最終の12ケ月目の試料に、超ラセ
ンでゆるやかな円形のゲノムが残留していた(Fig
4)。
は、超ラセン型HBV DNAを示したが、6ケ月目お
よび12ケ月目の試料ではそれぞれ、複製型は存在して
いなかった。その処置前の凍結肝臓は入手できなかっ
た、2人の患者において、チモシン処置中のHBV D
NA複製の停止が、組織学的研究に使用されたパラフィ
ン埋め込み組織のその場での雑種形成によって証明され
た。従って、サザン法またはその場での雑種形成検定の
どちらかによる、肝臓組織のHBV複製の停止に係る明
白な証拠を、チモシン処置に対して、血清学的に、およ
びまた組織病理学的に応答した患者の全員で得た。5人
のプラセボ群の患者のうちの1人は、処置前および12
ケ月目の生検試料の両方で、複製型のHBV DNAを
有していた(Fig 4、非応答者)。プラセボ群の残
りの患者(自発性軽快)は、12ケ月目の試料におい
て、HBV DNA分子型に係るサザン法によって、陰
性であった。
な副作用を付随しなかった。3人の患者が、初めの2週
間の間、TF5注射部位で局所的不快感を報告した。こ
れらの患者のうちの2人は、別段の問題もなくT−α1
に変え、3人目の患者はTF5の継続を主張した。後
刻、局所的不快感は引続き重大になることなく消失し
た。T−α1 投与の場合には、局所的不快感は一般に、
出現しなかった。処置期間および引続く期間を通して、
血液学的状態、生化学的パラメーターあるいは心臓機能
に関して、変化は見い出されなかった(データは示され
ていない)。7人の患者(処置した5人とプラセボの2
人)は無作為選別前に、多少ないし中程度の疲労感をう
ったえていた。12ケ月の研究の終了時点で、処置患者
の1人(非応答者)およびプラセボ患者の1人は依然と
して疲労感を体験していた。
するものとは考えられない(Zav’yalov V.
P.等、Immunol.Lett.,22:173−
181(1989))。本研究の結果は、これらの薬剤
に対する有益な応答は、これらのペプチドの免疫調節作
用から誘導されたものであることを示唆している。チモ
シン処置した患者に見い出された、リンパ球、CD3お
よびCD4の測定値の有意の増加は、以前に報告された
チモシンのインビトロ効果と一致している(Baxev
anis C.N.等、Immunopharm.,1
3;133〜141(1987))。
BMによるIFN−γ産生は、以前に報告されている対
照の健康な協力者と異なっていなかった(Davis
G.L.等、Gastroenterology,8
6:1315(1984)およびInoue M.等、
J.Immunol.,142:4006〜4011
(1989))。従って、12ケ月の研究期間中に、チ
モシン処置患者においてはPBMによるIFN−γの産
生が増加するが、プラセボ処置患者においては増加しな
いという結果は、免疫調節機能に対するインビボチモシ
ン作用を示すものということができ(Mutchnic
k M.G.等、Clin.Immunol.Immu
nophathol.,23:626〜633(198
2);Serrate S.A.,J.Immuno
l.,139:2338〜2343(1987);およ
びBaxvanis C.N.等、Immunopha
rm.13:133〜141(1987))、あるいは
IFN−γ産生の上昇調整をもたらすTリンパ球IL2
産生の調節作用を多分、示すものということができる
(Svedersky L.P.等、Eur.J.Im
munol.,12:244〜247(1982))。
カニズム(1種または2種以上)は不明であるが、T−
α1 がIFN−αと同様の様相で作用しうることを示唆
する証拠は存在している。IFN−αのC末端配列は、
T−α1 の前駆形であるプロチモシン アルファと相同
性を有する(36%)(Zav’yalov V.P.
等、Immunol.Lett.,22:173〜18
1(1989))。抗ウイルス活性に関与しうる、IF
N−αのN−末端ドメインとは異なり、C末端ドメイン
はIFN−αの免疫調節活性に関与する可能性がある。
さらにまた、IFN−α2 とT−α1 との間の最高の相
同領域に相当するオクタペプチドは、CoAの存在の下
における増殖の誘発に寄与する胸腺細胞で同一レセプタ
ーと競合する(Zav’yalov V.P.等、Im
munol.Lett.,22:173〜181(19
89))。
複製の消失が一般に生じた。チモシンに応答した、6人
の患者の中で、血清HBV DNAが再現した者は無か
った(26±3ケ月)。これらの6人の患者はいずれ
も、正常なALT値を示した(26±5 IU/L)。
処置患者の12ケ月目肝臓生検試料における組織学的改
善は、炎症、肝細胞損傷および壊死の減少を示唆してい
る(表5)。
の最後の肝臓生検試料(12ケ月)中に、HBV DN
A分子型または残留フリー ゲノムは見られず、また複
製型も見られないことを示した。これに対して、プラセ
ボ処置患者においては、自発的軽減を示した1人の患者
を除いて、肝臓組織中に複製性のHBV DNAが依然
として存在していた。Fig 4に示されている、T−
α1 に応答した患者(レーンD、EおよびF)は6ケ月
のT−α1 の処置期間中に、血清HBsAgおよびHB
V DNAが陰性になり、かつまた抗HBsが発現する
時点である引続く6ケ月の処置の間、陰性のままであっ
た。このことは、残留HBV DNAはフリー ゲノム
型で肝臓組織中に存在するが、ウイルス タンパク質産
生(HBsAg)も、活性ウイルス複製(HBV DN
A)も存在しなかったことから、HBV感染が潜在性に
なったことを示唆している。
なく、静脈注射薬物常習ではなく、あるいはHIV陽性
ではないという点で、比較的均一であった。全部の患者
が活性硬変の組織学的徴候を有していた。上述の結果
は、TF−5およびT−α1 が使用投与量で無毒性であ
り、かつまたCAHBの患者における疾患活性の解消を
促進することを示している。さらにまた、臨床的、免疫
学的および組織学的パラメーターの改善は、HBV複製
の停止およびまた肝臓組織からのHBV DNAの消失
もしくは感染の潜在形への移行をともなう複製型からフ
リー ゲノム型への変化と組合されている。
であり、本発明は前記特許請求の範囲によってだけ制限
されるものと解釈されるべきである。
Agの、次いでHBV DNAのクリアランスを示した
患者の1人のTF−5(90mg/M2 )に対する応答
を示すグラフ。
CD3(b)およびCD4(c)の絶対測定値を示すグ
ラフ。
群から得たPBMによるIFN−γ産生を示すグラフ。
答患者の各肝臓生検試料のHBV DNAのスポット雑
種形成結果。
であって、プラセボ処置非応答患者およびチモシン処置
応答患者の各肝臓生検試料のHBV DNAのスポット
雑種形成結果を示す。
Claims (11)
- 【請求項1】 活性成分として、チモシン アルファ1
およびチモシン アルファ1 を含有する子牛抽出物から
なる群から選ばれるチモシンを有効量で含有することを
特徴とする哺乳動物におけるウイルス誘発肝炎処置用医
薬組成物。 - 【請求項2】 哺乳動物がヒトである請求項1の医薬組
成物。 - 【請求項3】 ウイルスがB型肝炎ウイルスである請求
項2の医薬組成物。 - 【請求項4】 チモシンがチモシン アルファ1 である
請求項1の医薬組成物。 - 【請求項5】 チモシンがチモシン分画5である請求項
1の医薬組成物。 - 【請求項6】 哺乳動物におけるウイルス複製が停止す
るまで投与される請求項1の医薬組成物。 - 【請求項7】 皮下注射によって投与される請求項1の
医薬組成物。 - 【請求項8】 チモシンがチモシン アルファ1 であ
り、そして投与量が週2回の皮下投与で、ヒトの身体面
積の一平方メートル当り約600〜1200マイクログ
ラムである請求項3の医薬組成物。 - 【請求項9】 チモシンがチモシン分画5であり、そし
て投与量が週2回の皮下投与で、ヒトの身体面積の一平
方メートル当り約60〜120mgである請求項3の医
薬組成物。 - 【請求項10】 肝炎が慢性である請求項1の医薬組成
物。 - 【請求項11】 チモシンが化学的に合成されたチモシ
ン アルファ1 である請求項1の医薬組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4074377A JPH0753668B2 (ja) | 1992-03-30 | 1992-03-30 | 肝炎処置用医薬組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP4074377A JPH0753668B2 (ja) | 1992-03-30 | 1992-03-30 | 肝炎処置用医薬組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH072693A true JPH072693A (ja) | 1995-01-06 |
JPH0753668B2 JPH0753668B2 (ja) | 1995-06-07 |
Family
ID=13545420
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4074377A Expired - Lifetime JPH0753668B2 (ja) | 1992-03-30 | 1992-03-30 | 肝炎処置用医薬組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0753668B2 (ja) |
-
1992
- 1992-03-30 JP JP4074377A patent/JPH0753668B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0753668B2 (ja) | 1995-06-07 |
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