JPH07268558A - シャドウマスク用オーステナイトFe−Ni系合金原板およびその製造方法 - Google Patents
シャドウマスク用オーステナイトFe−Ni系合金原板およびその製造方法Info
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- JPH07268558A JPH07268558A JP6080994A JP6080994A JPH07268558A JP H07268558 A JPH07268558 A JP H07268558A JP 6080994 A JP6080994 A JP 6080994A JP 6080994 A JP6080994 A JP 6080994A JP H07268558 A JPH07268558 A JP H07268558A
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- Japan
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- shadow mask
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- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 高エッチング性を備えたシャドウマスク用F
e−Ni系合金原板およびその製造方法の提供。 【構成】 重量%にて、Ni 30〜45%、Mn 0.
5%以下、Si 0.1%以下を含み、不可避不純物と
してC+P+S+B+O+Nの総量を200ppm以下
とし、ストリップの長さ、幅、厚みの方向をそれぞれ3
軸の方向とする直角座標に対し、結果の{100}〔0
01〕方位のずれ角度が実質的に30°以内に集積して
いるシャドウマスク用オーステナイトFe−Ni系合金
原板。上記成分の材料を熱間圧延後、80〜95%の圧
下率の冷間圧延とその後の700〜950℃の焼鈍をそ
れぞれ1回以上施すことを特徴とするシャドウマスク用
オーステナイトFe−Ni系合金原板の製造方法。
e−Ni系合金原板およびその製造方法の提供。 【構成】 重量%にて、Ni 30〜45%、Mn 0.
5%以下、Si 0.1%以下を含み、不可避不純物と
してC+P+S+B+O+Nの総量を200ppm以下
とし、ストリップの長さ、幅、厚みの方向をそれぞれ3
軸の方向とする直角座標に対し、結果の{100}〔0
01〕方位のずれ角度が実質的に30°以内に集積して
いるシャドウマスク用オーステナイトFe−Ni系合金
原板。上記成分の材料を熱間圧延後、80〜95%の圧
下率の冷間圧延とその後の700〜950℃の焼鈍をそ
れぞれ1回以上施すことを特徴とするシャドウマスク用
オーステナイトFe−Ni系合金原板の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高精細ディスプレイ用
陰極線管に用いられるシャドウマスク用オーステナイト
Fe−Ni系合金原板およびその製造方法に関するもの
である。
陰極線管に用いられるシャドウマスク用オーステナイト
Fe−Ni系合金原板およびその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】シャドウマスクは電子銃より照射された
電子線を多数の開孔により色選別する機能を有し、従来
はアルミキルド鋼(AK鋼)が用いられていた。しか
し、開孔を通過しない電子線はシャドウマスクに衝突し
てこれを加熱膨張させ、それが色ずれ現象を起こすこと
になる。近年、ディスプレイの高精細、高輝度化が要求
される中、従来のAK鋼に替わり、熱膨張係数の小さい
Fe−36Ni合金(アンバー合金、熱膨張はAK鋼の
約1/10)を使用することが提案され、現在シャドウ
マスク材料として実用化されている。このようなFe−
Ni系シャドウマスク材は、一般に溶解、鋳造、熱間圧
延を経た後、最終板厚まで冷間圧延と焼鈍を繰り返され
て調製される。調製された原板は、その後、表面の脱脂
処理等を施された後、所定のパターンのドット孔を塩化
第2鉄溶液等によるでエッチングで形成されることによ
り、シャドウマスク原板とされる。その後原板は軟化焼
鈍を行なった後、所定の皿形形状にプレス成形され、さ
らに表面へ黒化処理(酸化処理)を施した後陰極線管に
組み込まれる。
電子線を多数の開孔により色選別する機能を有し、従来
はアルミキルド鋼(AK鋼)が用いられていた。しか
し、開孔を通過しない電子線はシャドウマスクに衝突し
てこれを加熱膨張させ、それが色ずれ現象を起こすこと
になる。近年、ディスプレイの高精細、高輝度化が要求
される中、従来のAK鋼に替わり、熱膨張係数の小さい
Fe−36Ni合金(アンバー合金、熱膨張はAK鋼の
約1/10)を使用することが提案され、現在シャドウ
マスク材料として実用化されている。このようなFe−
Ni系シャドウマスク材は、一般に溶解、鋳造、熱間圧
延を経た後、最終板厚まで冷間圧延と焼鈍を繰り返され
て調製される。調製された原板は、その後、表面の脱脂
処理等を施された後、所定のパターンのドット孔を塩化
第2鉄溶液等によるでエッチングで形成されることによ
り、シャドウマスク原板とされる。その後原板は軟化焼
鈍を行なった後、所定の皿形形状にプレス成形され、さ
らに表面へ黒化処理(酸化処理)を施した後陰極線管に
組み込まれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特に高精細、さらには
超高精細の陰極線管に用いられるシャドウマスクは、個
々のエッチング孔の正常性およびシャドウマスク全体の
均一性とを含むエッチング穿孔性が極めて重要な特性と
なる。Fe−Ni系シャドウマスクのエッチング穿孔性
を阻害する素材要因としては、(1)成分偏析、(2)
非金属介在物、(3)集合組織があげられるが、
(1)、(2)についてはアンバー合金の製鋼技術の向
上と共に、これら内質的素材清浄性は飛躍的に改善され
てきている。しかしながら、(3)集合組織については
幾つか提案がなされているものの、それらによるものは
未だエッチング性が十分でない。本発明は、集合組織を
適正化することにより、エッチング性を十分高くしたF
e−Ni系シャドウマスク用原板およびその製造方法を
提供することを目的とする。
超高精細の陰極線管に用いられるシャドウマスクは、個
々のエッチング孔の正常性およびシャドウマスク全体の
均一性とを含むエッチング穿孔性が極めて重要な特性と
なる。Fe−Ni系シャドウマスクのエッチング穿孔性
を阻害する素材要因としては、(1)成分偏析、(2)
非金属介在物、(3)集合組織があげられるが、
(1)、(2)についてはアンバー合金の製鋼技術の向
上と共に、これら内質的素材清浄性は飛躍的に改善され
てきている。しかしながら、(3)集合組織については
幾つか提案がなされているものの、それらによるものは
未だエッチング性が十分でない。本発明は、集合組織を
適正化することにより、エッチング性を十分高くしたF
e−Ni系シャドウマスク用原板およびその製造方法を
提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、Fe−Ni系
オーステナイト合金でなるシャドウマスク原板のエッチ
ング穿孔性を向上するには、特定の集合状態とするこ
と、およびそのためには特にC,P,S,B,O,Nの
総不純物量を特定値以下に規制することが必要であるこ
とを知見し、この集合状態および上記不純物量をレジス
ト密着性阻害の観点も含めて規定した材料、ならびに上
記集合状態を得るための製造条件を見出し、それを規定
した製造方法である。
オーステナイト合金でなるシャドウマスク原板のエッチ
ング穿孔性を向上するには、特定の集合状態とするこ
と、およびそのためには特にC,P,S,B,O,Nの
総不純物量を特定値以下に規制することが必要であるこ
とを知見し、この集合状態および上記不純物量をレジス
ト密着性阻害の観点も含めて規定した材料、ならびに上
記集合状態を得るための製造条件を見出し、それを規定
した製造方法である。
【0005】すなわち、本発明は、重量%にて、Ni
30〜45%、Mn 0.5%以下、Si 0.1%以下
を含み、不可避不純物としてC+P+S+B+O+Nの
総量が200ppm以下に規制されたFe−Ni系合金
でなり、ストリップの長さ、幅、厚みの各方向を3軸の
方向とする直角座標に対し、結晶の{100}〔00
1〕方位のずれ角度が実質的に30°以内に集積してい
ることを特徴とするシャドウマスク用オーステナイトF
e−Ni系合金原板、ならびに重量%にて、Ni30〜
45%、Mn 0.5%以下、Si 0.1%以下を含
み、不可避不純物としてC+P+S+B+O+Nの総量
が200ppm以下に規制され、残部Feからなる材料
を、熱間圧延後80〜95%の冷間圧延とその後の70
0〜950℃の焼鈍をそれぞれ1回以上施すことを特徴
とするシャドウマスク用オーステナイトFe−Ni系合
金原板の製造方法である。
30〜45%、Mn 0.5%以下、Si 0.1%以下
を含み、不可避不純物としてC+P+S+B+O+Nの
総量が200ppm以下に規制されたFe−Ni系合金
でなり、ストリップの長さ、幅、厚みの各方向を3軸の
方向とする直角座標に対し、結晶の{100}〔00
1〕方位のずれ角度が実質的に30°以内に集積してい
ることを特徴とするシャドウマスク用オーステナイトF
e−Ni系合金原板、ならびに重量%にて、Ni30〜
45%、Mn 0.5%以下、Si 0.1%以下を含
み、不可避不純物としてC+P+S+B+O+Nの総量
が200ppm以下に規制され、残部Feからなる材料
を、熱間圧延後80〜95%の冷間圧延とその後の70
0〜950℃の焼鈍をそれぞれ1回以上施すことを特徴
とするシャドウマスク用オーステナイトFe−Ni系合
金原板の製造方法である。
【0006】
【作用】次に本発明の数値限定理由を述べる。Niは3
0wt%未満では組成的に不安定となり、また45wt
%を越えると熱膨張係数が大きくなるため、Ni量は3
0〜45wt%に限定する。Mnは鋳造性を阻害するS
をMnSとして固定し、粒界脆化を抑制すると共に脱酸
を目的として添加するが、0.5wt%を越えると熱膨
張係数を高くする。そのため、Mnは0.5wt%以下
の範囲に限定する。望ましくは、0.1wt%〜0.5
wt%である。Siは脱酸を目的として添加するが、
0.01wt%を越えると内質清浄度が劣化すると共
に、表面酸化および窒化が促進され、それがレジスト密
着性のムラとなり、マスクムラ品位を低下させるので、
Siは0.1wt%以下に限定する。好ましくは、0.
05wt%以下、さらに望ましくは0.02wt%以下
である。
0wt%未満では組成的に不安定となり、また45wt
%を越えると熱膨張係数が大きくなるため、Ni量は3
0〜45wt%に限定する。Mnは鋳造性を阻害するS
をMnSとして固定し、粒界脆化を抑制すると共に脱酸
を目的として添加するが、0.5wt%を越えると熱膨
張係数を高くする。そのため、Mnは0.5wt%以下
の範囲に限定する。望ましくは、0.1wt%〜0.5
wt%である。Siは脱酸を目的として添加するが、
0.01wt%を越えると内質清浄度が劣化すると共
に、表面酸化および窒化が促進され、それがレジスト密
着性のムラとなり、マスクムラ品位を低下させるので、
Siは0.1wt%以下に限定する。好ましくは、0.
05wt%以下、さらに望ましくは0.02wt%以下
である。
【0007】不可避的不純物であるC,P,S,B,
O,Nは、いずれも本発明の目的である結晶方位の発達
を阻害する元素である。これら不可避的不純物が総量と
して200ppmを越えると、冷間圧延や焼鈍の際、結
晶粒界に偏析し、これらが結晶粒の回転のピンニングと
なり、所望の集積度が得られない。また、これらの元素
は焼鈍の際に表面に濃縮し、または表面で酸化し、レジ
スト密着性を阻害する元素として作用するため、総量と
してC+P+S+B+O+Nの総量を200ppm以下
とする。好ましくは、100ppm以下である。
O,Nは、いずれも本発明の目的である結晶方位の発達
を阻害する元素である。これら不可避的不純物が総量と
して200ppmを越えると、冷間圧延や焼鈍の際、結
晶粒界に偏析し、これらが結晶粒の回転のピンニングと
なり、所望の集積度が得られない。また、これらの元素
は焼鈍の際に表面に濃縮し、または表面で酸化し、レジ
スト密着性を阻害する元素として作用するため、総量と
してC+P+S+B+O+Nの総量を200ppm以下
とする。好ましくは、100ppm以下である。
【0008】ストリップの長さ、幅、厚みの各方向を3
軸とする直角座標(以下理想方法と記す)に対し、結晶
の{100}〔001〕方位からのずれ角度が実質的に
30°を越えて集積度が低下すると所望のエッチングフ
ァクターが得られないため、方位集積度は理想方位に対
して{100}〔001〕方位が30°以下に限定す
る。これら理想方位に対し、高度に方位集積した結晶組
織(以下立方体方位組織と記す)を得るためには、高圧
延率とその後の十分な焼鈍を必要とする。すなわち熱間
圧延後の冷間圧延率が80%未満では、再結晶時の十分
な駆動力が得られない。しかし、95%を越えると圧延
時の表面油焼付きが発生し易く、また、圧延形状が悪く
なり易い。また、その後の焼鈍温度が700℃未満では
再結晶が十分に進まず、一方、950℃を越えると再結
晶粒が粗大化し、開孔の形状が異常となるため、熱間圧
延後の冷間圧延率は80%〜95%とし、かつその後の
焼鈍は、700℃〜950℃に限定する。なお、必要に
応じて立方体方位組織が壊れない範囲での調質圧延、形
状矯正および歪取焼鈍を行なってもよい。
軸とする直角座標(以下理想方法と記す)に対し、結晶
の{100}〔001〕方位からのずれ角度が実質的に
30°を越えて集積度が低下すると所望のエッチングフ
ァクターが得られないため、方位集積度は理想方位に対
して{100}〔001〕方位が30°以下に限定す
る。これら理想方位に対し、高度に方位集積した結晶組
織(以下立方体方位組織と記す)を得るためには、高圧
延率とその後の十分な焼鈍を必要とする。すなわち熱間
圧延後の冷間圧延率が80%未満では、再結晶時の十分
な駆動力が得られない。しかし、95%を越えると圧延
時の表面油焼付きが発生し易く、また、圧延形状が悪く
なり易い。また、その後の焼鈍温度が700℃未満では
再結晶が十分に進まず、一方、950℃を越えると再結
晶粒が粗大化し、開孔の形状が異常となるため、熱間圧
延後の冷間圧延率は80%〜95%とし、かつその後の
焼鈍は、700℃〜950℃に限定する。なお、必要に
応じて立方体方位組織が壊れない範囲での調質圧延、形
状矯正および歪取焼鈍を行なってもよい。
【0009】
【実施例】まず、表1に示す組成の合金A,Bを真空溶
解炉にして溶解し、造塊、分塊、および熱間圧延により
所定板厚とした。酸洗処理により脱スケールした後、7
0%、85%、90%、97%の各圧延率で冷間圧延し
て厚さ 0.15mmとし、さらに各々を650℃、75
0℃、850℃、1000℃で焼鈍を行なった。上記に
より各々調製したシャドウマスク素材にアルカリ脱脂後
レジストを塗布してマスク孔パターンを形成した。その
後、塩化第2鉄溶液のスプレーエッチングによりシャド
ウマスク用平板に加工し、エッチング孔形およびマスク
品位を評価した。
解炉にして溶解し、造塊、分塊、および熱間圧延により
所定板厚とした。酸洗処理により脱スケールした後、7
0%、85%、90%、97%の各圧延率で冷間圧延し
て厚さ 0.15mmとし、さらに各々を650℃、75
0℃、850℃、1000℃で焼鈍を行なった。上記に
より各々調製したシャドウマスク素材にアルカリ脱脂後
レジストを塗布してマスク孔パターンを形成した。その
後、塩化第2鉄溶液のスプレーエッチングによりシャド
ウマスク用平板に加工し、エッチング孔形およびマスク
品位を評価した。
【0010】
【表1】
【0011】また、所定の深さとなるまで塩化第2鉄溶
液のスプレーエッチングより腐食し、エッチング深さa
と、サイドエッチング量bからエッチングファクタ a
/bを求めた。さらに、素材の集合組織を測定した。そ
の方法は、γ−FeNi(220)面について透過法、
および反射法により測定し、{100}〔001〕の理
想方位からのずれ角度を求めた。表2に上記により、各
々求めたマスクの評価結果を示す。また、図1および図
2にそれぞれ合金AおよびBについて、各冷間圧延率
(Red)と焼鈍温度について{100}〔001〕の
理想方位からのずれを整理して示す。図中Red%は冷
間圧延の圧下率、( )内はエッチングファクタを、ま
た黒く塗りつぶしたものは、結晶粒の粗大化または混粒
を生じたことを示すものである。
液のスプレーエッチングより腐食し、エッチング深さa
と、サイドエッチング量bからエッチングファクタ a
/bを求めた。さらに、素材の集合組織を測定した。そ
の方法は、γ−FeNi(220)面について透過法、
および反射法により測定し、{100}〔001〕の理
想方位からのずれ角度を求めた。表2に上記により、各
々求めたマスクの評価結果を示す。また、図1および図
2にそれぞれ合金AおよびBについて、各冷間圧延率
(Red)と焼鈍温度について{100}〔001〕の
理想方位からのずれを整理して示す。図中Red%は冷
間圧延の圧下率、( )内はエッチングファクタを、ま
た黒く塗りつぶしたものは、結晶粒の粗大化または混粒
を生じたことを示すものである。
【0012】
【表2】
【0013】合金Aは、合金Bに比較して全体に理想方
位からの{100}〔001〕のずれが小さく、エッチ
ングファクタも大きくなることからC,S,P,B,
O,N等の不純物を極低化することの効果が極めて顕著
であることがわかる。しかしながら、冷間圧延率と高温
焼鈍の組合せにおいて、高圧延率で高温焼鈍したもの
は、配向度は高いものの、結晶粒が粗大化あるいは混粒
になるため、エッチング開孔部の異常(開孔形状がギザ
ギザになる)が発生するため、条件として圧延率は80
〜95%、焼鈍温度 700〜950℃が最適条件にな
り、マスク品位に優れたシャドウマスクが得られること
がわかる。なお、図3(イ)、(ロ)および図4
(ハ)、(ニ)は、結晶方位の集積度の測定例として、
それぞれ表2のA−10(合金:A,No.10)、B−1
0およびB−9、B−1の(220)極点図を示すもの
であり、該図中■印の位置は、{100}〔001〕の
理想方位を示すものである。図(イ)から順に集積度は
±27°以内、±32°以内、±38°以内および±4
5°以内と判定された。
位からの{100}〔001〕のずれが小さく、エッチ
ングファクタも大きくなることからC,S,P,B,
O,N等の不純物を極低化することの効果が極めて顕著
であることがわかる。しかしながら、冷間圧延率と高温
焼鈍の組合せにおいて、高圧延率で高温焼鈍したもの
は、配向度は高いものの、結晶粒が粗大化あるいは混粒
になるため、エッチング開孔部の異常(開孔形状がギザ
ギザになる)が発生するため、条件として圧延率は80
〜95%、焼鈍温度 700〜950℃が最適条件にな
り、マスク品位に優れたシャドウマスクが得られること
がわかる。なお、図3(イ)、(ロ)および図4
(ハ)、(ニ)は、結晶方位の集積度の測定例として、
それぞれ表2のA−10(合金:A,No.10)、B−1
0およびB−9、B−1の(220)極点図を示すもの
であり、該図中■印の位置は、{100}〔001〕の
理想方位を示すものである。図(イ)から順に集積度は
±27°以内、±32°以内、±38°以内および±4
5°以内と判定された。
【0014】
【発明の効果】本発明に基づいて、Fe−Ni系合金の
不可避的不純物とし、冷間圧延、焼鈍を最適条件で行な
うことにより、エッチング穿孔性に優れるシャドウマス
ク原板が得られ、この原板はコンピュータディスプレイ
用途等の高画質、高解像度を可能とし、工業上大きく貢
献できるものである。
不可避的不純物とし、冷間圧延、焼鈍を最適条件で行な
うことにより、エッチング穿孔性に優れるシャドウマス
ク原板が得られ、この原板はコンピュータディスプレイ
用途等の高画質、高解像度を可能とし、工業上大きく貢
献できるものである。
【図1】合金Aの冷間圧延率、焼鈍温度と配向度および
エッチングファクタの関係を示す図である。
エッチングファクタの関係を示す図である。
【図2】合金Bの冷間圧延率、焼鈍温度と配向度および
エッチングファクタの関係を示す図である。
エッチングファクタの関係を示す図である。
【図3】(220)極点図である。
【図4】(220)極点図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%にて、Ni 30〜45%、Mn
0.5%以下、Si0.1%以下を含み、不可避不純物
としてC+P+S+B+O+Nの総量が200ppm以
下に規制されたFe−Ni系合金でなり、ストリップの
長さ、幅、厚みの各方向を3軸の方向とする直角座標に
対し、結晶の{100}〔001〕方位のずれ角度が実
質的に30°以内に集積していることを特徴とするシャ
ドウマスク用オーステナイトFe−Ni系合金原板。 - 【請求項2】 重量%にて、Ni 30〜45%、Mn
0.5%以下、Si0.1%以下を含み、不可避不純物
としてC+P+S+B+O+Nの総量が200ppm以
下に規制され、残部Feからなる材料を、熱間圧延後8
0〜95%の冷間圧延とその後の700〜950℃の焼
鈍をそれぞれ1回以上施すことを特徴とするシャドウマ
スク用オーステナイトFe−Ni系合金原板の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6080994A JPH07268558A (ja) | 1994-03-30 | 1994-03-30 | シャドウマスク用オーステナイトFe−Ni系合金原板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6080994A JPH07268558A (ja) | 1994-03-30 | 1994-03-30 | シャドウマスク用オーステナイトFe−Ni系合金原板およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07268558A true JPH07268558A (ja) | 1995-10-17 |
Family
ID=13153052
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6080994A Pending JPH07268558A (ja) | 1994-03-30 | 1994-03-30 | シャドウマスク用オーステナイトFe−Ni系合金原板およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07268558A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7014721B2 (en) | 2000-11-21 | 2006-03-21 | Nippon Yakin Kogyo Co., Ltd. | Iron-nickel alloy material for shadow mask with excellent suitability for etching |
DE19817484B4 (de) * | 1997-04-22 | 2007-05-31 | Hitachi Metals, Ltd. | Legierungsblech auf Fe-Ni-Basis mit hervorragenden Oberflächeneigenschaften und hervorragender Ätzbarkeit |
-
1994
- 1994-03-30 JP JP6080994A patent/JPH07268558A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19817484B4 (de) * | 1997-04-22 | 2007-05-31 | Hitachi Metals, Ltd. | Legierungsblech auf Fe-Ni-Basis mit hervorragenden Oberflächeneigenschaften und hervorragender Ätzbarkeit |
US7014721B2 (en) | 2000-11-21 | 2006-03-21 | Nippon Yakin Kogyo Co., Ltd. | Iron-nickel alloy material for shadow mask with excellent suitability for etching |
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