JPH07268448A - レーザ焼入方法及び装置 - Google Patents

レーザ焼入方法及び装置

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JPH07268448A
JPH07268448A JP6084072A JP8407294A JPH07268448A JP H07268448 A JPH07268448 A JP H07268448A JP 6084072 A JP6084072 A JP 6084072A JP 8407294 A JP8407294 A JP 8407294A JP H07268448 A JPH07268448 A JP H07268448A
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laser
hardening
laser light
quenching
mirrors
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JP6084072A
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Yuichi Yashiro
勇一 八城
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Hitachi Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】熱容量が小さい被加工物の焼入れの生産性の向
上及び焼戻しをなくする。 【構成】集光レンズ37からでたレーザ光は、第1反射
鏡38の反射面39、第2反射鏡40の反射面41と反
射される。第2反射鏡40で反射されたレーザ光は、ビ
ームスプリッタ42の稜線43を境に反射面44,45
で断面が半円状に2分割されて反射される。反射面4
4,45で反射されたレーザ光は、スキャナミラー5
0,51の反射面53,63で反射される。反射された
レーザ光はボールねじSの両サイドのねじ表面を走査し
ながら加熱する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ねじ、歯車、スプライ
ン等に部分焼入れするためのレーザ焼入方法及び装置に
関する。更に詳しくは、ねじ等の肉厚が薄く対向する両
表面に同時に焼入れするためのレーザ焼入方法及び装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザ光を被加工物の表面に照射して表
面硬化させる、すなわち焼入れを行うものは知られてい
る。レーザ光による焼入れはエネルギー密度が高く、短
時間で処理できるため、レーザ光で照射された限られた
局部のみが加熱され、その隣接部分及び母材内部は加熱
されない。このためレーザ照射された加熱部分の熱はこ
の周辺の大気及び母材内部に急速に熱伝導されるので、
水冷等で強制冷却しなくても急冷され表面硬化される。
【0003】本発明者等は、レーザ光をスキャニング
し、このスキャニングの振幅と周波数を変化させて被加
工物を部分焼入れするものを提案した(特開平4−29
4930号、特開平5−105939号等)。従来、レ
ーザスキャニングにより歯車の歯面に焼入れするには歯
車の片側の歯面に先ず照射し焼入れをする。次に、1回
目の照射とは逆の方向から、片側の歯面と対向する他の
歯面に2回目のレーザ光の照射を行う方法が行われてい
る。
【0004】しかしながら、2回目のレーザ光の照射に
より加熱され、肉厚が薄いのでこの熱が歯の他の歯面に
伝導し先に焼入れした部分が焼戻しされてしまい、硬度
低下がみられた。これは歯先の両歯面が近すぎて母材の
熱容量が小さいため、焼入れが完了した部分まで加熱さ
れてしまい結果として焼戻ししたのと同一状態となるた
めである。このため、一方の歯面にレーザ光を照射する
とき、他方の歯面をガス冷却する方法が採用されてい
る。この焼入れ方法は、ガス冷却する機構が必要であ
る、また片面及び他面の両面と2回レーザ光を照射する
ため生産性が悪い等の問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、以上のよ
うな技術背景で発明されたもりであり、次の目的を達成
する。
【0006】この発明の目的は、熱容量が小さい被加工
物の焼入れの生産性を向上させたレーザ焼入方法及び装
置を提供することにある。
【0007】この発明の更に他の目的は、熱容量が小さ
い被加工物の焼入れで焼戻しのないレーザ焼入方法及び
装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は上記課題を達
成するために、次のような手段を採る。
【0009】すなわちこの発明は、レーザ光を出力する
レーザ発振器と、出力された前記レーザ光の光路中に配
置され前記レーザ光を集光し、集光された前記レーザ光
をレーザ加工機のテーブル上の被加工物に照射して被加
工物に部分的に焼入れを行うレーザ焼入装置において、
片面に照射されたレーザ光による熱が焼入れされた他面
の焼入れ層の硬度低下を起こさせてしまうような熱容量
が小さく、かつ肉厚が薄い前記被加工物の焼入れを、前
記片面及び前記他面の対向する箇所に、分割された前記
レーザ光を同時に照射することにより前記被加工物の前
記片面及び前記他面の両面に同時に焼入れを行うレーザ
焼入方法である。
【0010】このレーザ焼入方法において、集光された
前記レーザ光を2つに分割するビームスプリッタと、分
割された前記レーザ光を反射して前記被加工物の対向す
る前記片面及び前記他面の夫々に照射する一対のミラー
とからなることを特徴とするレーザ焼入装置である。
【0011】前記レーザ焼入装置において、前記ミラー
が振幅、周波数、振りの中心が可変である一対のスキャ
ナーミラーであることを特徴とするレーザ焼入装置であ
る。
【0012】前記レーザ焼入装置において、前記ビーム
スプリッタで分割された前記レーザ光の光軸に平行な方
向に、一対の前記スキャナーミラーを位置調整する位置
調整手段とからなるレーザ焼入装置であると良い。
【0013】前記レーザ焼入方法において、更に、前記
テーブル上に載置され、かつ前記被加工物であるねじを
把持して連続的に回転割出しする割出装置とからなるこ
とを特徴とするレーザ焼入装置であっても良い。
【0014】前記レーザ焼入方法において、更に、歯車
を把持して間欠的に回転割出しする割出装置とからなる
ことを特徴とするレーザ焼入装置でも良い。
【0015】
【作用】発振器で発振されたレーザ光は、レーザ加工機
に入る。レーザ光はレーザ加工機内のビームスプリッタ
で2分割されて反射される。ビームスプリッタで反射さ
れたレーザ光は、スキャナミラーで反射される。スキャ
ナミラーは、反射したレーザ光を被加工物の肉厚の薄い
対向した両表面を同時に走査しながら加熱し焼入れを行
う。
【0016】
【実施例】この発明の実施例を図面を参照しながら以下
に説明する。図1はレーザ加工システム1の平面図、図
2は同正面図、図3は同右側面図である。レーザ加工シ
ステム1は、レーザ発振器2及びレーザ加工機3からな
る。レーザ発振器2は公知の炭酸ガスレーザ発振器であ
り、レーザ加工機3は切断、溶接、熱処理などを行う加
工機である。
【0017】レーザ加工機3のベッド5上にはテーブル
6がX軸線方向に移動自在に設けてある。テーブル6
は、X軸線方向駆動用のサーボモータ、これに連結され
たボールねじ、ボールねじにねじ込まれたナット等の送
り機構(図示せず)によりX軸線方向に駆動される。ベ
ッド5上には2本のコラム7,7が立設されている。コ
ラム7,7間には水平にクロスレール8の両端が一体に
固定されている。
【0018】クロスレール8は、レーザヘッド9を水平
移動させるための案内面(図示せず)をもったものであ
る。レーザヘッド9はY軸線方向にY軸サーボモータ、
この出力軸に連結されたボールねじ、ボールねじにねじ
込まれたナット等の送り機構(図示せず)を介してY軸
線方向に駆動される。レーザヘッド9はZ軸線方向にZ
軸サーボモータ、この出力軸に連結されたボールねじ、
ボールねじにねじ込まれたナット等からなる送り機構
(図示せず)によりZ軸線方向に駆動される。
【0019】発振器2から発振されたレーザ光は、水平
の第1光路10に出力される。第1光路10の外周は安
全のため筒状のカバーで覆われている。第1光路10の
レーザ光は反射鏡11で反射され第2光路12に入る。
第2光路12は第1光路10と同様に筒状のカバーで覆
われている。第2光路12のレーザ光は反射鏡13で反
射され、第3光路14に入る。第3光路14の外周は、
蛇腹でカバーされている。第3光路14のレーザ光は、
反射鏡15で反射され第4光路16に入りレーザヘッド
9に達する。第4光路16の外周も蛇腹でカバーされて
いる。
【0020】レーザ加工機3の横にはレーザ発振器2及
びレーザ加工機3を制御するための制御盤20が配置さ
れている。制御盤20は、プログラマブルコントローラ
及びNC装置21を内蔵されている。プログラマブルコ
ントローラは、レーザ発振器2及びレーザ加工機3の駆
動系をコントロールする。NC装置21は、レーザ加工
機3のX軸サーボモータ、Y軸サーボモータ、Z軸サー
ボモータ等を制御するためのものである。
【0021】図4はレーザ光の照射部の拡大図である。
テーブル6上にはNC割出装置25が搭載され固定され
ている。NC割出装置25内には主軸(図示せず)が本
体26内に水平に配置され、この主軸端にボールねじS
をつかむチャック27が取付けられている。主軸にはウ
ォームホイールが固定されており、このウォームホイー
ルにはウォームが噛み合っている。ウォームはサーボモ
ータ28の出力軸に連結されている。結局、チャック2
7はサーボモータ28で割出し駆動されることになる。
主軸の回転角度(C軸)は角度検出器により角度検知さ
れ、その角度検知信号はNC装置21にフィードバック
されている。
【0022】ボールねじSの他端は、テーブル6上に固
定された心押台29のセンター30で支持されている。
テーブル6はX軸線方向にX軸サーボモータにより駆動
され、同時にサーボモータ28を駆動させると、すなわ
ち同時2軸制御するとボールねじSを回転(C軸)させ
つつX軸線方向にボールネジSを送ることが出来るの
で、ねじ面に焼入れを行うことができる。
【0023】分割光学系35 レーザヘッド9の下部には分割光学系35が固定配置さ
れている。分割光学系35は箱36内に収納されてい
る。レーザヘッド9の集光レンズ37からのレーザ光は
最初に分割光学系35の第1反射鏡38に照射される。
第1反射鏡38は無酸素銅で作られたレーザ反射鏡であ
る。第1反射鏡38は、その反射面39でレーザ光を反
射するが、100パーセント反射しないので一部熱にな
り第1反射鏡38が加熱されるために水で冷却されてい
る。第1反射鏡38の内部には冷却水を循環させるため
の冷却水路(図示せず)が形成されている。
【0024】第1反射鏡38の反射面39は水平方向
(X軸と平行な方向)から角度45度を成して配置され
ている。第1反射鏡38とX軸線方向に離れた位置には
第2反射鏡40が配置されている。第2反射鏡40の反
射面41は、第1反射鏡38の反射面39からのレーザ
光を下方に反射するためのものである。第2反射鏡40
の下方にはビームスプリッタ42が配置固定されてい
る。
【0025】ビームスプリッタ42はレーザ光を2分割
するためのものである。ビームスプリッタ42は稜線4
3を境界にして反射面44,45を備えている。反射面
44,45は角度90度を成しているので、分割された
レーザ光は水平方向(X軸線と平行な方向)に反射され
る。ビームスプリッタ42は、移動台46上に搭載され
ている。移動台46は、固定台47上にX軸線方向に移
動自在に搭載されている。
【0026】固定台47にはねじが回転可能に支持され
ており、このねじは移動台46に固定されたボールナッ
トにねじ込んである。結局、ねじを手で回転させるとビ
ームスプリッタ42はX軸線方向に移動され、レーザ光
を正確に2分割するための調整が行われる。
【0027】ビームスプリッタ42の左右同一の(X軸
軸線上)の位置にはガルバノメータ・スキャナー(Galv
anometer Scanner)、すなわちスキャナーミラー50,
51が配置されている。スキャナーミラー50は、反射
鏡52を備えており中心Oを中心に揺動して反射面53
でレーザを反射する。スキャナーミラー50は振動数、
振幅を自由に変えられる公知の構造、機能を有するもの
である。スキャナーミラー50は移動台54上に搭載さ
れている。移動台54は、固定台55上にX軸線方向に
移動自在に搭載されている。
【0028】固定台55にはサーボモータ56が固定さ
れており、このサーボモータ56の出力軸にはボールね
じが連結されており、このボールねじは移動台54に固
定されたボールナットにねじ込んである。結局、サーボ
モータ56を駆動させるとスキャナーミラー50はX軸
線方向に駆動され位置調節自在となる。他方のスキャナ
ーミラー51も同様の構造であり、反射鏡62、反射面
63、移動台64,固定台65、サーボモータ66など
からなる。
【0029】スキャナーミラー50,51のX軸線方向
の位置調整は、ワークによってねじのリードが異なった
場合に、レーザ光のスポット径や照射角度を一定に保っ
たために行われる。
【0030】レーザ焼入れ制御装置70 図5は、レーザ加工機を制御するためのレーザ焼入れ制
御装置70の機能ブロック図である。NC(数値制御)
装置21は、通常の数値制御工作機械のNC装置であ
る。NC(数値制御)装置21は、スキャナミラー5
0,51によるレーザ光のスキャニングのON・OF
F、周波数、振幅などの出力を制御する。NC装置21
は工作機械の制御に用いられるものと同様のものであ
り、M機能、T機能及びG機能はそれぞれ工作機械の数
値制御における補助機能、工具機能及び準備機能に対応
している。NC装置21はスキャニングのON・OFF
を制御するためのMコード指令および周波数、振幅制御
のためのTコード指令を出力する。Mコード指令によっ
てスキャニングのON・OFFを制御する。
【0031】Tコード出力は4桁のBCD(2進化10
進数)、Taabbで表される出力である。Tコード出
力のうち、上位2桁Taaは振幅制御のための出力であ
り、下位2桁Tbbは周波数制御のための出力である。
振幅の大きさは、レーザ発振器2の性能、能力であらか
じめ決まったものであり、この全振幅の大きさの何%か
で実際に必要な振幅の大きさを決める。
【0032】デコーダ72は、NC装置21から出力さ
れるディジタルコードを復号及び変換するためのもので
ある。すなわち、データ2は振幅制御のためのBCDコ
ード(Taa)を12ビットバイナリーコード(Ta.
bin)に復号及び変換し、同様に周波数のためのBC
Dコード(Tbb)を12ビットバイナリーコード(T
b.bin)に復号及び変換する。
【0033】D/A変換器73、74は、デコーダ2か
ら出力されるディジタル信号をアナログ信号に変換する
ためのものである。D/A変換器73は、振幅制御用の
12ビットディジタル信号(Ta.bin)をアナログ
信号(Ta.ana)に変換し、その出力範囲は−10
V〜+10Vである。同様にD/A変換器74は、周波
数制御用12ビットディジタル信号(Ta.ana)に
変換し、その出力は0V〜10Vである。
【0034】発振器75は、スキャナミラー50,51
に振幅、周波数を与えるための波形信号を発生する。こ
の実施例では制御しやすさなどの観点から三角波を用い
た。この発振器75は三角波信号の振幅を制御するVC
A機能、周波数を制御するVCG機能を有している。す
なわち、発振器75はD/A変換器73、74のアナロ
グ信号を入力すると、それらの電圧に応じて三角波信号
の振幅および周波数を制御する。
【0035】スキャナーアンプ77には、振幅及び周波
数が制御された三角波信号が入力される。スキャナーア
ンプ77は、入力した三角波信号を増幅する。スキャナ
ーミラー50,51は、前記したようにボールねじSに
レーザ光を照射する反射鏡であり、レーザ光を照射する
ための反射鏡をスキャナーアンプ77の出力に連動して
揺動させる駆動手段を有している。
【0036】スキャナーアンプ77によつて増幅された
三角波信号はスキャナーミラー50,51に入力され、
反射鏡52,62の揺動の振幅及び周波数が制御され
る。NC装置21のG機能を用いて、ボールねじSの割
出し用のサーボモータ28の回転及びX軸線方向のテー
ブル6の移動を同時に制御できる。また、NC装置21
のユーザマクロ機能を用いてサーボモータ56,66を
駆動させることもできる。この焼入れ制御装置70は、
スキャニングの振幅及び周波数を自在に変えられるの
で、焼入れ幅を自在に変えることができ、種々の焼入れ
パターンに対応できる。
【0037】作動 以下、前記実施例のレーザ加工機の作動の概要を説明す
る。レーザ発振器2から発振されたレーザ光は、第1光
路10、第2光路12、第3光路14及び第4光路16
を通ってレーザヘッド9の集光レンズ37に至る。集光
レンズ37はレーザ光を集光する。集光レンズ37は、
スキャナーミラー50,51とボールねじSの照射面と
の間にレーザ光の焦点Fがくる程度に位置調節する。第
1反射鏡38の反射面39、第2反射鏡40の反射面4
1とレーザ光は反射される。第2反射鏡40で反射され
たレーザ光は、ビームスプリッタ42の稜線43を境に
反射面44,45で断面が半円状に2分割されて反射さ
れる。
【0038】さらに反射面44,45で反射されたレー
ザ光は、スキャナミラー50,51の反射面53,63
で反射される。反射されたレーザ光LはボールねじSの
両サイドの対向するねじ表面(X軸軸線を通る垂直面が
ボールねじのねじ山と交差する面)を照射する。図6は
このときのボールねじSの二つのねじ面SF1,SF2
の加熱部分を示す断面図である。両ねじ面SFから焼入
れ深さD及び幅Wが要求される程度の範囲の加熱容量と
なるように、レーザ光を走査し加熱する。この制御はN
C装置21により、レーザ制御装置70を介してスキャ
ナーミラー50,51の揺動、振幅の制御、テーブル6
のX軸方向の送り、及びNC割出装置25のサーボモー
タ28を制御することにより行う。
【0039】[その他の実施例]前記実施例はボールね
じであったが、これに限らずボールを使わないねじ(例
えばメートル並目ねじ、細目ねじ、台形ねじ)や歯車、
スプライン軸などの部分焼入れにも適用できる。特に、
肉厚が薄く、両面の焼入れが必要な部分に適用できる。
【0040】歯車やスプライン軸の焼入れの場合には、
歯車やスプライン軸をつかむ装置として、本実施例のN
C割出装置25のかわりに、間欠的に回転割出しする割
出装置を使用することが望ましい。また、レーザ発振器
を2個設け、各々から出されるレーザ光をスキャナーミ
ラー50,51に照射して良い。
【0041】実験例 図7,8は前記実施例の装置で実験したデータ例であ
り、レーザ光によるボールねじの転動面へ焼入れしたと
きのX軸方向の測定位置が異なるデータである。横軸は
転動面(表面)からの深さを示し、縦軸は硬さを示す。
試験に用いたボールねじの材質はSCM445、外径5
0mm、全長1000mm、ネジ部長さ約850mm、リード
10mm、ネジ溝R3mmである。焼入れ条件は、レーザ出
力1.2KW、焼入れ時間40分で行った。焼入れられた
両面共にほとんど硬さが相違しないことが伺い知れる。
【0042】
【発明の効果】以上詳記したように、本発明のレーザ焼
入装置は比較的熱容量が小さい部分の焼入れを表裏同時
に行うので、焼戻しがなく同じ硬さ、深さに焼きを入れ
ることができた。しかも同時に2面の焼入れを行うので
生産性が向上した。
【0043】また、表裏同時に焼入れするため、照射し
た熱が奥まで伝わり、レーザ発振器の出力が同じでも、
片側だけ焼入れる場合に比較して焼入深さが深くなる効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、レーザ発振器及びレーザ加工機の平面
図である。
【図2】図2は、図1の正面図である。
【図3】図3は、図2の右側面図である。
【図4】図4は、分割光学系の詳細を示す図である。
【図5】図5は、焼入れ制御装置の機能ブロック図であ
る。
【図6】図6は、焼入れするときのボールねじの転動面
部分の拡大図である。
【図7】図7は、前記実施例による焼入れした時のデー
タ例である。
【図8】図8は、前記実施例による焼入れした時の他の
データ例である。
【符号の説明】
1…レーザ加工システム 2…レーザ発振器 3…レーザ加工機 6…テーブル 9…レーザヘッド 20…制御盤 21…NC装置 35…分割光学系 42…ビームスプリッタ 50,51…スキャナーミラー 70…レーザ焼入れ制御装置 72…デコーダ 75…発振器 77…スキャナーアンプ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザ光を出力するレーザ発振器と、 出力された前記レーザ光の光路中に配置され前記レーザ
    光を集光し、集光された前記レーザ光をレーザ加工機の
    テーブル上の被加工物に照射して被加工物に部分的に焼
    入れを行うレーザ焼入装置において、 片面に照射されたレーザ光による熱が焼入れされた他面
    の焼入れ層の硬度低下を起こさせてしまうような熱容量
    が小さく、かつ肉厚が薄い前記被加工物の焼入れを、前
    記片面及び前記他面の対向する箇所に、分割された前記
    レーザ光を同時に照射することにより前記被加工物の前
    記片面及び前記他面の両面に同時に焼入れを行うレーザ
    焼入方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、 集光された前記レーザ光を2つに分割するビームスプリ
    ッタと、 分割された前記レーザ光を反射して前記被加工物の対向
    する前記片面及び前記他面の夫々に照射する一対のミラ
    ーとからなることを特徴とするレーザ焼入装置。
  3. 【請求項3】請求項2において、 前記ミラーが振幅、周波数、振りの中心が可変である一
    対のスキャナーミラーであることを特徴とするレーザ焼
    入装置。
  4. 【請求項4】請求項2において、 前記ビームスプリッタで分割された前記レーザ光の光軸
    に平行な方向に、一対の前記スキャナーミラーを位置調
    整する位置調整手段とからなることを特徴とするレーザ
    焼入装置。
  5. 【請求項5】請求項1において、 前記テーブル上に載置され、かつ前記被加工物であるね
    じを把持して連続的に回転割出しする割出装置とからな
    ることを特徴とするレーザ焼入装置。
  6. 【請求項6】請求項1において、 歯車を把持して間欠的に回転割出しする割出装置とから
    なることを特徴とするレーザ焼入装置。
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