JPH07267699A - セメントの製造方法 - Google Patents
セメントの製造方法Info
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Landscapes
- Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
Abstract
価に基いて、クリンカの被粉砕性を改善し、セメント仕
上工程での粉砕の原価低減を可能とするセメントの製造
方法を提供する。 【構成】 この発明は、キルン下流側からクリンカを採
取し、該クリンカの被粉砕性を被粗砕性と被微粉砕性に
分けてそれぞれ個別評価することにより、前記キルンを
制御することを特徴とする。
Description
に関する。
役割は極めて大きく、例えば、セメント仕上げ工程での
クリンカ粉砕に必要な電力費は製造直接比のかなりの部
分を占め、これの低減は大きな課題の一つである。この
ため粉砕機や分級機等に種々の改良が加えられ、かなり
の成果を上げてきている。
条件(鉱物、化学成分、細かさ)、焼成条件、冷却条件
などによって、生成するクリンカの性状(空隙の量と分
布、ガラス相量、鉱物組成、鉱物の形態、大きさ、結晶
構造等)が一様でなく、同じクリンカでもかなり変動す
るものである。このクリンカの被粉砕性を的確に測定
し、易粉砕性のクリンカを焼成するための的確な原料条
件や焼成条件等を定めることができれば、消費電力の低
減に大きく寄与することができる。
粉砕しやすさを尺度とするもの(粉砕能)と粉砕しにく
さを尺度とするもの(粉砕抵抗)があり、種々の方法が
提案されている。代表的なものにボンド(Bond)の
粉砕仕事指数があり、その詳細な試験方法がJIS、M
4002に規定されている。この粉砕仕事指数は、所定
細かさまでの粉砕に要する粉砕仕事量を測定することに
よって得られる砕料の粉砕抵抗を表すもので、粉砕回路
設計の基礎として広く利用されているほか、現場粉砕機
の操業実績から、計算式により粉砕仕事指数を算出し、
試験ミルでの実測値との差が、現場粉砕機の機械効率の
差を表すものとして現場粉砕機の操業指針として利用さ
れている。
仕事指数は、実用上の価値が大きいものであるが、実際
の現場プロセスにおいては、粉砕仕事指数で評価した被
粉砕性を前述したセメントクリンカの性状と対応づけ、
易粉砕性のクリンカを焼成するための的確な原料条件や
焼成条件等を定めるなどのアクションに結付けることが
できないものであり、これを直接的な電力低減に活用す
ることができなかった。
え、かなりの労力と時間、及び多量の砕料を用いて測定
しなければならないこともあり、これを簡略化すると共
に、実プラントにおける所望製品粒度に対応した被粉砕
性を示す指数もいくらか提案されている。例えば、セメ
ントクリンカの被粉砕性は、クリンカを一定時間、同一
条件で粉砕した後のブレーン値(比表面積)や、所定ブ
レーン値を得るために必要な消費エネルギーを被粉砕性
指数として表しているが、いずれも、所望製品粒度に対
応するブレーン値まで一挙にクリンカを粉砕して被粉砕
性を評価しており、基本的には、前記ボンドの粉砕仕事
指数と同様であり、これを電力低減に活用することがで
きない。
ンカの被粉砕性を的確に評価し、この評価に基いて、ク
リンカの被粉砕性を改善し、セメント仕上工程での粉砕
の原価低減を可能とするセメントの製造方法を提供する
ことにある。
めに、この発明のセメントの製造方法によれば、キルン
下流側からクリンカを採取し、該クリンカの被粉砕性を
被粗砕性と被微粉砕性に分けてそれぞれ個別評価するこ
とにより、前記キルンを制御すること(請求項1)、キ
ルン下流側からクリンカを採取し、該クリンカを被粗砕
性評価クリンカと該被粗砕性評価クリンカよりも細かい
被微粉砕性評価クリンカに粒度調整して、それぞれ所定
条件で粉砕すると共に粉砕したクリンカの粒度特性を測
定し、該粒度特性に基いて前記クリンカの被粉砕性を被
粗砕性と被微粉砕性に分けてそれぞれ個別評価すること
により、前記キルンを制御すること(請求項2)、前記
キルンを制御するにあたり、キルンバーナの燃料量、空
気量、キルン回転数及びキルン内通風量の少なくとも一
以上を制御すること(請求項3)、前記キルンを制御し
てクリンカのフリーライム量及び/又は容重を調整する
こと(請求項4)を特徴とする。
カを粗粉砕域及び微粉砕域において、所定条件で粉砕試
験をし、それぞれの領域でのクリンカの被粉砕性、即
ち、被粗砕性と被微粉砕性を求める。クリンカの被粉砕
性は、粗粉砕域と微粉砕域では相反する現象を示し、求
めた被粗砕性と被微粉砕性をそれぞれ個別評価すること
により、セメントキルンの操作条件を適切に制御し、ク
リンカの被粉砕性の改善に結付けることができる。
おいて、石灰石、粘土、珪石、鉄原料等が調合されたセ
メント原料10は、サスペンションプレヒータ(SP、
NSP)付キルン、クーラ等を備えた焼成工程20で中
間製品30としてのセメントクリンカが生成され、つい
で、粉砕機、分級機等を備えたセメント仕上工程40で
石膏等を加えて粉砕調整され、最終製品50として出荷
される。このような一般的なセメント製造設備におい
て、焼成工程20におけるキルン下流側、すなわち、仕
上工程40の上流側で、砕料としてセメントクリンカ1
が採取され、後述するようにクリンカ1の被粉砕性を被
粗砕性と被微粉砕性に分けてそれぞれ個別評価60す
る。このクリンカ1の被粉砕性評価60に基いて矢印A
で示すように、焼成工程20におけるキルンを制御、例
えば、キルンバーナの燃料量、空気量、キルン回転数及
びキルン内通風量等を制御する。こうして焼成工程20
で被粗砕性若しくは被微粉砕性に優れたクリンカ1を生
成し、後段の仕上工程40での粉砕の原価低減を可能と
する。
細を図2に基いて説明する。現場粉砕機入口等から採取
されるセメントクリンカ1は、被粗砕性試験2及び被微
粉砕性試験3に供される。被粗砕性試験2及び被微粉砕
性試験3では、それぞれ粒度調整手段4a、4b、秤量
手段5a、5b、粉砕手段6a、6b及び粉砕したクリ
ンカの粒度特性測定手段7a、7bからなる試験設備を
備え、評価部8でクリンカの粒度特性から被粗砕性と被
微粉砕性をそれぞれ個別評価する。
a、6bでの最も好ましいクリンカの粉砕開始時粒度を
調整して、被粗砕性試験2及び被微粉砕性試験3を効果
的にしかも試験誤差を極力少なくするための条件設定を
するもので、ジョークラッシャーやロールクラッシャー
等の粉砕機と篩設備からなる。粒度調整手段4a、4b
で所定粒度に調整された被粗砕性評価及び被微粉砕性評
価クリンカは、秤量手段5a、5bで一定量が秤量さ
れ、粉砕手段6a、6bに供給される。粉砕手段6a、
6bは、好ましくは回分式ボールミルが用いられ、それ
ぞれ粗粉砕域及び微粉砕域で、前記秤量されたクリンカ
を所定時間又は所定回数粉砕して、測定手段7a、7b
で所定の篩目通過分やブレーン比表面積等の粒度特性を
測定する。評価部8では、この粒度特性とあらかじめ測
定した基準試料の粒度特性を比較することにより、クリ
ンカの被粗砕性と被微粉砕性をそれぞれ個別評価する。
尚、試験設備は被粗砕性試験2及び被微粉砕性試験3で
共用、例えば、粉砕手段6a、6bは、同一の回分式ボ
ールミルで共用しても良い。
条件は、実際の現場粉砕機の入口粒度や出口粒度等の実
績を考慮して定める。例えば、クリンカ粉砕で汎用され
ている2室式ボールミルと分級機による閉回路粉砕にお
いて、分級機出口の製品粒度をブレーン比表面積300
0〜3300cm2/g程度、ボールミル第1室の粉砕
を被粗砕性、第2室の粉砕を被微粉砕性と想定し、所定
の試験条件を定める。すなわち、被粗砕性評価クリンカ
はボールミル第1室と同程度の粉砕を想定し、粒度調整
手段4aで粉砕開始時粒度を20mm以下、好ましくは
10mm以下に調整すると共に、粉砕終了時粒度をブレ
ーン比表面積1500cm2/g程度以下、好ましくは
500〜1000cm2/g程度になるように、粉砕時
間又は粉砕回数を定める。
度を2mm以下、好ましくは1.5mm以下に調整する
と共に、粉砕終了時粒度をブレーン比表面積1500c
m2/g程度以上、好ましくは1600〜2200cm
2/g程度になるように、粉砕手段6aでの粉砕時間又
は粉砕回数を定める。又、粉砕開始時粒度を2mm以
下、好ましくは1.5mm以下に調整したクリンカと前
記被粗砕性試験2で粉砕したブレーン比表面積500〜
1000cm2/g程度のクリンカを混合調整して被微
粉砕性評価クリンカとすると、被粗砕性の影響を極力排
除する事ができる。尚、当然のことながら、粉砕終了時
粒度は、被粉砕性に応じて大幅に変動するものであり、
一応の目安として定めればよく、更に、現場分級機出口
の所望製品粒度と対応して種々設定することも可能であ
る。
mm×長さ450mm、回転数57rpm、ボール充填
率32.6%、ボール径50〜17mm)を用いて、表
1に示す条件によりセメントクリンカの被粉砕性試験を
行った。セメントクリンカは、異なる粉砕方式(A;予
備粉砕機付ボールミル、B;ボールミル、C;予備粉砕
機付ボールミル)を有するセメント3工場の現場粉砕機
入口で採取して被粉砕性試験に供する一方、セメントク
リンカ採取時における実操業データとして現場粉砕機の
電力原単位を測定した。電力原単位とブレーン比表面積
若しくは0.6mm篩目通過分の関係を図3〜図5に示
す。尚、被粗砕性試験及び被微粉砕性試験は、2室式現
場ボールミルと分級機からなる閉回路粉砕における第1
室(被粗砕性)及び第2室(被微粉砕)でのクリンカ粉
砕を想定して条件を定めた。
ブレーン値まで一挙にクリンカを粉砕して被粉砕性を評
価する場合を示す。図3に示すように、被粉砕性指数と
して表したブレーン比表面積が高くなる(被粉砕性が良
くなる)と、いずれの工場(A、B、C)も各現場粉砕
機の電力原単位は低減しており、セメントクリンカその
ものの被粉砕性は一応評価できる。
想定した被粗砕性試験では、図4に示すように、被粉砕
性指数として表した0.6mm篩目通過分が高くなる
(被粗砕性が良くなる)と、工場A、Bにおける現場粉
砕機の電力原単位は低減するものの、工場Cでは上昇し
ている。また、ボールミル第2室での粉砕を想定した被
微粉砕性試験では、図5に示すように、被粉砕性指数と
して表したブレーン比表面積が高くなる(被微粉砕性が
良くなる)と、被粗砕性試験結果とは逆に、工場A、B
における現場粉砕機の電力原単位は上昇し、工場Cでは
低減している。
比表面積と被粗砕性試験の0.6mm篩目通過分の関係
を示したもので、被粗砕性試験で良く粉砕されるセメン
トクリンカは、被微粉砕性試験では粉砕されにくく、ク
リンカの被粗砕性と被微粉砕性は相反することが分か
る。
は、各セメント工場で異なることは無論、同一工場にお
いても大きく変動し、しかも、被粗砕性と被微粉砕性と
は相反する上、現場粉砕機の粉砕方式により、被粗砕性
と被微粉砕性の対応関係も異なる。従って、前記図3に
示す従来の被粉砕性評価方法では、セメントクリンカそ
のものの被粉砕性は一応評価できるものの、この評価に
対応して、例えば、易粉砕性のクリンカを焼成するため
の的確な原料条件や焼成条件を定めるなどの現場アクシ
ョンに結付けることができない。
と被微粉砕性を個別評価することにより、現場粉砕機の
粉砕方式に応じて現場アクションに結付けることができ
る。例えば前記図4及び図5において、工場A、Bで
は、クリンカの被粗砕性や現場粉砕機の粗砕能力の改善
により、また工場Cでは、クリンカの被微粉砕性や、現
場粉砕機の微粉砕能力の改善を行うこと等により、消費
電力の低減に大きく貢献する現場アクションに結付ける
ことができる。
の改善策としては、前述した原料条件(鉱物、化学成
分、細かさ)、焼成条件、冷却条件等によって、生成す
るクリンカの性状(空隙の量と分布、ガラス相量、鉱物
組成、鉱物の形態、大きさ、結晶構造等)が異なること
を考慮し、これらクリンカの性状と被粗砕性及び被微粉
砕性との対応関係を予め求めておくことにより、容易に
現場アクションに結付けることができる。中でも種々検
討した結果、クリンカのフリーライム量及び容重は、被
粗砕性や被微粉砕性と良く対応し、しかもフリーライム
量及び容重は、クリンカの品質分析項目として広く採用
されており、そのコントロールが容易なこともあり、こ
れを現場アクションに結付けることが好ましい。
比較的低容重、高フリーライムであり、被微粉砕性に優
れたクリンカは、逆に、比較的高容重、低フリーライム
である対応関係を示す。一方、クリンカのフリーライム
量及び容重は、クリンカの焼成度と密接に関連し、焼成
度が高いほど、クリンカ中の液相量が多くなり焼締まっ
て容重は高くなるが、フリーライム量は逆にゼロに近づ
く。従って、クリンカのフリーライム量及び容重のコン
トロールは、焼成条件のコントロール、すなわち、焼成
工程20におけるキルンを制御すること、例えば、キル
ンバーナの燃料量、空気量、キルン回転数及びキルン内
通風量等を制御することにより、被粗砕性若しくは被微
粉砕性に優れたクリンカとし、後段の仕上げ工程40で
の粉砕効率の改善を図ることができる。
て簡単な方法により、セメントクリンカの被粉砕性を的
確に評価し、この評価に基いて焼成工程で易粉砕性のク
リンカを焼成することができ、セメント仕上工程での粉
砕の原価低減を可能とする。
略図である。
ーン比表面積の関係を示す図である。
位と0.6mm篩目通過分の関係を示す図である。
単位とブレーン比表面積の関係を示す図である。
ン比表面積と被粗砕性試験の0.6mm篩目通過分の関
係を示す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 キルン下流側からクリンカを採取し、該
クリンカの被粉砕性を被粗砕性と被微粉砕性に分けてそ
れぞれ個別評価することにより、前記キルンを制御する
ことを特徴とするセメントの製造方法。 - 【請求項2】 キルン下流側からクリンカを採取し、該
クリンカを被粗砕性評価クリンカと該被粗砕性評価クリ
ンカよりも細かい被微粉砕性評価クリンカに粒度調整し
て、それぞれ所定条件で粉砕すると共に粉砕したクリン
カの粒度特性を測定し、該粒度特性に基いて前記クリン
カの被粉砕性を被粗砕性と被微粉砕性に分けてそれぞれ
個別評価することにより、前記キルンを制御することを
特徴とするセメントの製造方法。 - 【請求項3】 前記キルンを制御するにあたり、キルン
バーナの燃料量、空気量、キルン回転数及びキルン内通
風量の少なくとも一以上を制御することを特徴とする請
求項1若しくは2記載のセメントの製造方法。 - 【請求項4】 前記キルンを制御してクリンカのフリー
ライム量及び/又は容重を調整することを特徴とする請
求項1〜3いずれか記載のセメントの製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP09043594A JP3715995B2 (ja) | 1994-03-24 | 1994-03-24 | セメントの製造方法 |
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Publications (2)
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JPH07267699A true JPH07267699A (ja) | 1995-10-17 |
JP3715995B2 JP3715995B2 (ja) | 2005-11-16 |
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JP09043594A Expired - Fee Related JP3715995B2 (ja) | 1994-03-24 | 1994-03-24 | セメントの製造方法 |
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JP (1) | JP3715995B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006219347A (ja) * | 2005-02-10 | 2006-08-24 | Mitsubishi Materials Corp | 水硬性焼結物、セメント組成物、及び水硬性焼結物の製造方法 |
JP2010100490A (ja) * | 2008-10-24 | 2010-05-06 | Tokuyama Corp | 焼成物の被焼成温度の測定方法 |
JP2012530037A (ja) * | 2009-06-17 | 2012-11-29 | ラファルジュ | ビーライトを多く含むクリンカーの工業的製造方法 |
CN111551698A (zh) * | 2020-05-22 | 2020-08-18 | 绵阳钢猫科技有限公司 | 一种水泥生产质量在线检测方法 |
-
1994
- 1994-03-24 JP JP09043594A patent/JP3715995B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN111551698A (zh) * | 2020-05-22 | 2020-08-18 | 绵阳钢猫科技有限公司 | 一种水泥生产质量在线检测方法 |
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