JPH0726717Y2 - 半導体放射線吸収線量計 - Google Patents
半導体放射線吸収線量計Info
- Publication number
- JPH0726717Y2 JPH0726717Y2 JP1983078547U JP7854783U JPH0726717Y2 JP H0726717 Y2 JPH0726717 Y2 JP H0726717Y2 JP 1983078547 U JP1983078547 U JP 1983078547U JP 7854783 U JP7854783 U JP 7854783U JP H0726717 Y2 JPH0726717 Y2 JP H0726717Y2
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- JP
- Japan
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- semiconductor
- semiconductor radiation
- integrator
- dosimeter
- output signal
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Description
【考案の詳細な説明】 本考案はシリコンなど半導体素子の放射線の吸収を計測
するための半導体吸収線量計に関する。
するための半導体吸収線量計に関する。
人工衛星に搭載される機器はシリコンなど多くの半導体
素子を使用しているが,放射線帯等で放射線損傷を受け
機能が低下する。この放射線損傷の程度は半導体素子の
全吸収線量から推定することができる。
素子を使用しているが,放射線帯等で放射線損傷を受け
機能が低下する。この放射線損傷の程度は半導体素子の
全吸収線量から推定することができる。
従来,半導体の吸収線量の測定は放射線の種類及びエネ
ルギースペクトルの測定を行って計算により求める方
法,シリコン半導体検出器のエネルギー損失スペクトル
をパルス波高分析器を用いて測定し計算により求める方
法,ガス電離箱の電離電流を測定し電離電流から電離箱
の吸収線量を求め半導体の吸収線量に換算する方法等で
行われている。そのため,いずれも小型化が困難であり
又不正確であった。
ルギースペクトルの測定を行って計算により求める方
法,シリコン半導体検出器のエネルギー損失スペクトル
をパルス波高分析器を用いて測定し計算により求める方
法,ガス電離箱の電離電流を測定し電離電流から電離箱
の吸収線量を求め半導体の吸収線量に換算する方法等で
行われている。そのため,いずれも小型化が困難であり
又不正確であった。
本考案は上記のシリコン半導体検出器のエネルギー損失
スペクトルをパルス波高分析器を用いて測定し計算によ
り求める方法を使用する装置の改良である。この従来装
置に使用されているパルス波高分析器は非常に嵩張り、
重量もあり又高価でもある。本考案の目的はこのパルス
波高分析器を排し軽量小型で廉価な回路構成を使用した
半導体吸収線量計を提供することにある。この目的は実
用新案登録請求の範囲に記載のように積分器、電圧比較
器、リセット回路そして計数器を組み合わせ、間欠的に
入射する放射線に比例する電圧パルスを時間について積
分し、これが一定値に到達する毎に集計し、それにより
ある時間内の放射線量を計測する回路構成により達成さ
れる。以下,図面により本考案を詳しく説明する。
スペクトルをパルス波高分析器を用いて測定し計算によ
り求める方法を使用する装置の改良である。この従来装
置に使用されているパルス波高分析器は非常に嵩張り、
重量もあり又高価でもある。本考案の目的はこのパルス
波高分析器を排し軽量小型で廉価な回路構成を使用した
半導体吸収線量計を提供することにある。この目的は実
用新案登録請求の範囲に記載のように積分器、電圧比較
器、リセット回路そして計数器を組み合わせ、間欠的に
入射する放射線に比例する電圧パルスを時間について積
分し、これが一定値に到達する毎に集計し、それにより
ある時間内の放射線量を計測する回路構成により達成さ
れる。以下,図面により本考案を詳しく説明する。
第1図において,トランジスタ,IC等と同じ素材である
シリコンなどの半導体放射線検出器(1)をパルス電離
箱として動作させる。この検出器(1)は半導体のPN接
合から成り、PN接合部には逆バイアス電圧をかけて空乏
層を生成している。この空乏層に荷電粒子が飛び込んで
くると、半導体物質の分子を電離して電子と正孔とを生
成する。このようにして生成された正孔の数は入射した
荷電粒子のエネルギに比例している。またエックス線や
ガンマー線が空乏層に入射すると、やはり半導体物質の
分子を電離して電子と正孔とを生成する。このようにし
て生成された正孔・電子対は逆バイアス電圧の下で分離
移動して外部では電流i(t)の形で検出される。この
電流i(t)は、出力側から入力側へコンデンサによる
帰還を行っている電荷有感増幅器(2)へ加えられて階
段状電圧パルスQiに変換される。この階段状電圧パルス
Qiの高さが放射線のエネルギーを表している。そのパル
ス波形の立り上がりは急峻であるが、立ち下がりは長く
尾を引き、そのためその後の信号処理に不都合となる。
この長く尾を引く立ち上がりを微分作用によって短く
し、波形のノイズを積分作用によって排除するため帰還
回路の一部に微分及び積分特性を含む波形整形増幅器
(3)により波形整形して検出器(1)の放射線吸収エ
ネルギーに対応する波高を有する一定幅のパルスを得
る。このように変換されたパルス信号の直流成分を直流
再生回路(4)により復元し,これを積分器(5)によ
り完全積分する。この積分器の出力電圧は初期値からの
積算吸収線量を示すので,その値が一定値に達したこと
を電圧比較器(6)により検出する。(7)はリセット
回路であって電圧比較器の出力信号により積分器を初期
化する。この電圧比較器の出力信号により初期化した回
数を計数器(8)により計数し,この計数値をD/A変換
器(9)によりアナログ電圧に変換する。このアナログ
電圧が半導体検出器の相対的な吸収線量を示す。この値
は放射線の種類,エネルギースペクトルに依存せず半導
体の吸収線量を示す。
シリコンなどの半導体放射線検出器(1)をパルス電離
箱として動作させる。この検出器(1)は半導体のPN接
合から成り、PN接合部には逆バイアス電圧をかけて空乏
層を生成している。この空乏層に荷電粒子が飛び込んで
くると、半導体物質の分子を電離して電子と正孔とを生
成する。このようにして生成された正孔の数は入射した
荷電粒子のエネルギに比例している。またエックス線や
ガンマー線が空乏層に入射すると、やはり半導体物質の
分子を電離して電子と正孔とを生成する。このようにし
て生成された正孔・電子対は逆バイアス電圧の下で分離
移動して外部では電流i(t)の形で検出される。この
電流i(t)は、出力側から入力側へコンデンサによる
帰還を行っている電荷有感増幅器(2)へ加えられて階
段状電圧パルスQiに変換される。この階段状電圧パルス
Qiの高さが放射線のエネルギーを表している。そのパル
ス波形の立り上がりは急峻であるが、立ち下がりは長く
尾を引き、そのためその後の信号処理に不都合となる。
この長く尾を引く立ち上がりを微分作用によって短く
し、波形のノイズを積分作用によって排除するため帰還
回路の一部に微分及び積分特性を含む波形整形増幅器
(3)により波形整形して検出器(1)の放射線吸収エ
ネルギーに対応する波高を有する一定幅のパルスを得
る。このように変換されたパルス信号の直流成分を直流
再生回路(4)により復元し,これを積分器(5)によ
り完全積分する。この積分器の出力電圧は初期値からの
積算吸収線量を示すので,その値が一定値に達したこと
を電圧比較器(6)により検出する。(7)はリセット
回路であって電圧比較器の出力信号により積分器を初期
化する。この電圧比較器の出力信号により初期化した回
数を計数器(8)により計数し,この計数値をD/A変換
器(9)によりアナログ電圧に変換する。このアナログ
電圧が半導体検出器の相対的な吸収線量を示す。この値
は放射線の種類,エネルギースペクトルに依存せず半導
体の吸収線量を示す。
なお,吸収線量Dは次式で示されるが,半導体検出器の
大きさは測定環境(放射線強度等)によって適宜変えれ
ばよい。
大きさは測定環境(放射線強度等)によって適宜変えれ
ばよい。
ここで,Qi:電離電荷(クーロン),q:電気素量(クーロ
ン) ε:W値3.6ΩV,V:半導体の有効体積 ρ:半導体の比重(例えばSiは2.34g/cm2) K:回路により定まる比例定数 実施例 直径10mmφ,厚さ100μmの大きさのシリコン半導体検
出器を用いた本考案の吸収線量計によりα線,γ線の吸
収線量率を測定した。第2図はサイクロトロン加速器に
よるα粒子の吸収線量率の測定結果を示す。ビーム電流
は放射線の数に比例する。第3図はラジウムからのγ線
の吸収線量率の測定結果を示す。これらの測定結果から
明らかなように,放射線の種類に関係なくシリコン半導
体の吸収線量を測定することができる。
ン) ε:W値3.6ΩV,V:半導体の有効体積 ρ:半導体の比重(例えばSiは2.34g/cm2) K:回路により定まる比例定数 実施例 直径10mmφ,厚さ100μmの大きさのシリコン半導体検
出器を用いた本考案の吸収線量計によりα線,γ線の吸
収線量率を測定した。第2図はサイクロトロン加速器に
よるα粒子の吸収線量率の測定結果を示す。ビーム電流
は放射線の数に比例する。第3図はラジウムからのγ線
の吸収線量率の測定結果を示す。これらの測定結果から
明らかなように,放射線の種類に関係なくシリコン半導
体の吸収線量を測定することができる。
以上詳述したように,本考案によれば,半導体放射線検
出器がトランジスタ,IC等の周囲と同じ環境条件(周囲
の構成物質とその厚さがほぼ同じ)であれば,トランジ
スタやICの吸収線量が放射線の種類やエネルギースペク
トルによる補正なしに直接測定することができる。回路
構成が簡単で小型軽量化ができる。半導体放射線検出器
のバイアス電圧が低く回路用の電源を共有できるので,
特別にバイアス電源を必要としない利点もある。
出器がトランジスタ,IC等の周囲と同じ環境条件(周囲
の構成物質とその厚さがほぼ同じ)であれば,トランジ
スタやICの吸収線量が放射線の種類やエネルギースペク
トルによる補正なしに直接測定することができる。回路
構成が簡単で小型軽量化ができる。半導体放射線検出器
のバイアス電圧が低く回路用の電源を共有できるので,
特別にバイアス電源を必要としない利点もある。
なお,第1図では計数器(8)の出力信号をD/A変換器
(9)によりアナログ電圧に変換しているが,D/A変換せ
ず計数器の出力信号をディジタルな数値としてテレメー
ターで伝送する方式を用いてもよい。
(9)によりアナログ電圧に変換しているが,D/A変換せ
ず計数器の出力信号をディジタルな数値としてテレメー
ターで伝送する方式を用いてもよい。
第1図は本考案の構成を示すブロック図。第2図と第3
図は本考案による吸収線量率の測定結果をそれぞれ示す
グラフ。
図は本考案による吸収線量率の測定結果をそれぞれ示す
グラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 和田 雅美 埼玉県和光市広沢2番1号 理化学研究所 内 (56)参考文献 特開 昭50−42885(JP,A) 実公 昭57−17331(JP,Y2) プライス著、西野治監修、関口晃訳、 「放射線計測」第14版 昭和57年8月15 日、株式会社コロナ社発行 第316〜317頁
Claims (2)
- 【請求項1】半導体放射線検出器、この半導体放射線検
出器の出力信号を増幅する電荷有感前置増幅器、この増
幅器の出力信号を波形整形し、増幅する波形整形増幅
器、この波形整形増幅器の出力信号の直流成分を復元す
る直流再生回路、この再生回路の出力信号を積分する積
分器、この積分器の出力信号が一定値に達したことを検
出して積分器をリセットする比較器及びこの比較器に接
続され前記の積分器のリセット回数を計数する計数器を
備えたことを特徴とする半導体放射線吸収線量計。 - 【請求項2】前記の半導体放射線検出器がシリコンから
成る半導体検出器である実用新案登録請求の範囲第1項
に記載の半導体放射線吸収線量計。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1983078547U JPH0726717Y2 (ja) | 1983-05-25 | 1983-05-25 | 半導体放射線吸収線量計 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1983078547U JPH0726717Y2 (ja) | 1983-05-25 | 1983-05-25 | 半導体放射線吸収線量計 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS59183677U JPS59183677U (ja) | 1984-12-06 |
JPH0726717Y2 true JPH0726717Y2 (ja) | 1995-06-14 |
Family
ID=30208551
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1983078547U Expired - Lifetime JPH0726717Y2 (ja) | 1983-05-25 | 1983-05-25 | 半導体放射線吸収線量計 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0726717Y2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2577386B2 (ja) * | 1987-07-09 | 1997-01-29 | 株式会社東芝 | 放射線エネルギスペクトル測定装置 |
JP2010121949A (ja) * | 2008-11-17 | 2010-06-03 | Riken Keiki Co Ltd | 携帯型個人線量計 |
CN109917443A (zh) * | 2019-03-12 | 2019-06-21 | 中国辐射防护研究院 | 高能伽玛辐射探测装置 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5323186B2 (ja) * | 1973-08-20 | 1978-07-13 | ||
JPS5926016Y2 (ja) * | 1980-06-28 | 1984-07-30 | 東洋化学株式会社 | 這樋取付装置 |
-
1983
- 1983-05-25 JP JP1983078547U patent/JPH0726717Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
プライス著、西野治監修、関口晃訳、「放射線計測」第14版昭和57年8月15日、株式会社コロナ社発行第316〜317頁 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS59183677U (ja) | 1984-12-06 |
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