JPH07260652A

JPH07260652A - 静荷重試験装置

Info

Publication number: JPH07260652A
Application number: JP4757794A
Authority: JP
Inventors: Yuuki Yoshie; 勇貴吉江
Original assignee: IHI Corp
Current assignee: IHI Corp
Priority date: 1994-03-18
Filing date: 1994-03-18
Publication date: 1995-10-13

Abstract

(57)【要約】【目的】供試体に引張、剪断、曲げ、捩じりの各静荷
重を独立に負荷できる静荷重試験装置を提供する。【構成】供試体１の負荷平面２上に原点Ｏと互いに直
交するｙ軸及びｚ軸とを有し、かつ負荷平面に直交する
ｘ軸を有する３軸座標系において、供試体を固定する固
定台１２と、負荷平面に固定された高剛性の荷重伝達ブ
ロック１４と、荷重伝達ブロックにｘ軸に沿ってｘ軸方
向荷重Ｆ１を負荷する引張装置１６と、ｚ座標が０でｘ
座標がそれぞれＬ２、Ｌ３の位置で荷重伝達ブロックに
ｙ軸方向荷重−Ｆ２、Ｆ３をそれぞれ負荷する剪断曲げ
装置１８と、ｙ座標が０でｚ座標がそれぞれＬ１、−Ｌ
１の位置で荷重伝達ブロックにｙ軸方向荷重Ｆ４、−Ｆ
５をそれぞれ負荷する捩じり装置２０と、を備えてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は静荷重試験装置に係わ
り、更に詳しくは、供試体に引張、剪断、曲げ、捩じり
の各静荷重を独立に負荷できる試験装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、宇宙空間で衛星等に取付けて使
用する宇宙機器には、引張、剪断、曲げ、捩じり等の複
合荷重が負荷されるため、これらの複合荷重を宇宙機器
（供試体）に正確に負荷し発生する変形や応力を予め正
確に把握する試験（静荷重試験）を地上において実施す
る必要がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】かかる静荷重試験に
は、従来、引張試験機のような単荷重の負荷試験装置が
用いられていたが、単荷重の負荷試験では、実際に作用
する複合荷重を再現できない問題点があった。また、複
合荷重を再現するために、複数の荷重を供試体に負荷す
ると、これらの荷重が互いに影響しあって、引張、剪
断、曲げ、捩じりの各静荷重を独立に負荷できない問題
点があった。

【０００４】本発明はかかる問題点を解決するために創
案されたものである。すなわち、本発明の目的は、供試
体に引張、剪断、曲げ、捩じりの各静荷重を独立に負荷
できる静荷重試験装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、供試体
の基準平面上に原点Ｏと互いに直交するｙ軸及びｚ軸と
を有し、かつ基準平面に直交するｘ軸を有する３軸座標
系において、供試体を固定する固定台と、供試体に固定
された高剛性の荷重伝達ブロックと、該荷重伝達ブロッ
クにｘ軸に沿ってｘ軸方向荷重Ｆ１を負荷する引張装置
と、ｚ座標が０でｘ座標がそれぞれＬ２、Ｌ３の位置で
荷重伝達ブロックにｙ軸方向荷重−Ｆ２、Ｆ３をそれぞ
れ負荷する剪断曲げ装置と、ｙ座標が０でｚ座標がそれ
ぞれＬ１、−Ｌ１の位置で荷重伝達ブロックにｙ軸方向
荷重Ｆ４、−Ｆ５をそれぞれ負荷する捩じり装置と、を
備えたことを特徴とする静荷重試験装置が提供される。

【０００６】本発明の好ましい実施例によれば、負荷曲
げモーメントＭ、負荷剪断荷重Ｐについて、Ｍ＝Ｆ２×
Ｌ２−Ｆ３×Ｌ３、Ｐ＝Ｆ２−Ｆ３、の２式をみたす負
荷荷重Ｆ２、Ｆ３を負荷する。また、前記荷重伝達ブロ
ックは、前記供試体の基準平面と平行な計測平面を有
し、更に該計測平面上の少なくとも２点のｙ軸方向変位
及びｘ軸方向変位を計測する変位計測装置を備える。更
に、前記ｙ軸方向変位から供試体のｘ軸まわりの捩じれ
角θと供試体の計測平面における剪断変位δｙを算出
し、前記ｘ軸方向変位から供試体の引張変位δｘを算出
する演算装置を備える、ことが好ましい。

【０００７】

【作用】上記本発明の構成によれば、供試体を固定する
固定台と、供試体に固定された高剛性の荷重伝達ブロッ
クとを備え、引張装置により荷重伝達ブロックにｘ軸に
沿ってｘ軸方向荷重Ｆ１を負荷することにより、供試体
にＦ１の引張荷重を負荷することができる。また、捩じ
り装置によりｙ座標が０でｚ座標がそれぞれＬ１、−Ｌ
１の位置で荷重伝達ブロックにｙ軸方向荷重Ｆ４、−Ｆ
５をそれぞれ負荷することにより、Ｔ＝Ｌ１×（Ｆ４＋
Ｆ５）の捩じりモーメントを供試体に負荷することがで
きる。更に、剪断曲げ装置により、ｚ座標が０でｘ座標
がそれぞれＬ２、Ｌ３の位置で荷重伝達ブロックにｙ軸
方向荷重−Ｆ２、Ｆ３をそれぞれ負荷することにより、
Ｍ＝Ｆ２×Ｌ２−Ｆ３×Ｌ３の負荷曲げモーメントＭ
と、Ｐ＝Ｆ２−Ｆ３の負荷剪断荷重Ｐを供試体に負荷す
ることができる。

【０００８】従って、負荷曲げモーメントＭ、負荷剪断
荷重Ｐについて、Ｍ＝Ｆ２×Ｌ２−Ｆ３×Ｌ３、Ｐ＝Ｆ
２−Ｆ３、の２式をみたす負荷荷重Ｆ２、Ｆ３を負荷す
ることにより、供試体に引張、剪断、曲げ、捩じりの各
静荷重を独立に正確に負荷することができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照
して説明する。なお、各図において、共通する部分には
同一の符号を付して使用する。図１は、本発明による静
荷重試験装置の全体正面図であり、図２は図１のＡ−Ａ
線における断面図である。図１及び図２において、ｘ，
ｙ，ｚ軸は、供試体１の基準平面２上に原点Ｏを有し互
いに直交する３軸座標系である。すなわち、互いに直交
するｙ軸及びｚ軸は、供試体１の基準平面２上にあり、
ｘ軸は、基準平面２に直交している。

【００１０】図１及び図２において、本発明の静荷重試
験装置１０は、供試体を固定する固定台１２（ベース）
と、基準平面２に固定された高剛性の荷重伝達ブロック
１４と、荷重伝達ブロック１４にｘ軸に沿ってｘ軸方向
荷重Ｆ１を負荷する引張装置１６と、ｚ座標が０でｘ座
標がそれぞれＬ２、Ｌ３の位置で荷重伝達ブロックにｙ
軸方向荷重−Ｆ２、Ｆ３をそれぞれ負荷する剪断曲げ装
置１８と、ｙ座標が０でｚ座標がそれぞれＬ１、−Ｌ１
の位置で荷重伝達ブロックにｙ軸方向荷重Ｆ４、−Ｆ５
をそれぞれ負荷する捩じり装置２０（図２）と、を備え
ている。

【００１１】図１に示すように本発明の静荷重試験装置
１０は、更に、供試体１を囲む閉じたフレーム１１を有
する。また、引張装置１６、剪断曲げ装置１８、及び捩
じり装置２０は、それぞれ直線上に連結されたテンショ
ンロッド１３ａ、ロードセル１３ｂ、液圧シリンダ１３
ｃからなり、テンションロッド１３ａの一端が荷重伝達
ブロック１４に連結され液圧シリンダ１３ｃのシリンダ
部がフレーム１１に連結されている。荷重伝達ブロック
１４は、負荷による変形が極めて小さく、荷重伝達ブロ
ック１４自体の歪が後述する計測値に悪影響を及ぼさな
いように高い剛性を有している。なお、荷重伝達ブロッ
ク１４は、図に示すように直方体であるのがよいが、こ
れに限定されるものではない。また、荷重伝達ブロック
１４の重量は引張装置１６により吊り上げ、その重量分
はロードセル１３ｂの初期設定において予め除去し、ロ
ードセル１３ｂの表示出力がｘ軸方向荷重Ｆ１を直接示
すようにするのがよい。

【００１２】かかる構成により、供試体にＦ１の引張荷
重を負荷することができる。また、捩じり装置によりｙ
座標が０でｚ座標がそれぞれＬ１、−Ｌ１の位置で荷重
伝達ブロックにｙ軸方向荷重Ｆ４、−Ｆ５をそれぞれ負
荷することにより、Ｔ＝Ｌ１×（Ｆ４＋Ｆ５）．．式
の捩じりモーメントを供試体に負荷することができる。
更に、剪断曲げ装置により、ｚ座標が０でｘ座標がそれ
ぞれＬ２、Ｌ３の位置で荷重伝達ブロックにｙ軸方向荷
重−Ｆ２、Ｆ３をそれぞれ負荷することにより、Ｍ＝Ｆ
２×Ｌ２−Ｆ３×Ｌ３．．式の負荷曲げモーメントＭ
と、Ｐ＝Ｆ２−Ｆ３．．式の負荷剪断荷重Ｐを供試体
に負荷することができる。また、負荷曲げモーメント
Ｍ、負荷剪断荷重Ｐについて、Ｍ＝Ｆ２×Ｌ２−Ｆ３×
Ｌ３、Ｐ＝Ｆ２−Ｆ３、の２式をみたす負荷荷重Ｆ
２、Ｆ３を負荷することにより、供試体に引張、剪断、
曲げ、捩じりの各静荷重を独立に負荷することができ
る。

【００１３】図３は、図１のＢ部の拡大図（Ａ）と、
（Ａ）のＣ−Ｃ線における矢視図（Ｂ）である。この図
において、荷重伝達ブロック１４は、供試体１の基準平
面２と平行な計測平面１５を有する。また、この計測平
面１５上の少なくとも２点（この図では４点）のｙ軸方
向変位ｙ１、ｙ２、ｙ３、ｙ４及びｘ軸方向変位ｘ１、
ｘ２、ｘ３、ｘ４を計測する変位計測装置２２を備えて
いる。この変位計測装置２２は、例えば計測平面１５に
取り付けられた計測用ブロックとポテンショメータとか
らなる。ポテンショメータは、例えば固定台１２（ベー
ス）に取り付けた計測用スタンド等に取り付けるのがよ
い。

【００１４】更に、図１に示すように、本発明の静荷重
試験装置１０は、前記ｙ軸方向変位から供試体１のｘ軸
まわりの捩じれ角θと供試体の計測平面における剪断変
位δｙを算出し、前記ｘ軸方向変位から供試体１の引張
変位δｘを算出する演算装置２４、例えばコンピュータ
を備えている。図３に示した変位計測装置２２（ポテン
ショメータ）の出力信号は、この演算装置２４に入力す
るようになっている。

【００１５】かかる構成により、図３の実施例におい
て、ｙ軸方向変位ｙ１とｙ３の計測点のｚ座標を例えば
Ｌ２、−Ｌ２とすれば、θ＝ｔａｎ^-1（（ｙ１＋ｙ３）
／（２×Ｌ２））．．式により供試体１のｘ軸まわり
の捩じれ角θ（ｒａｄ）を算出することができ、δｙ＝
（ｙ１＋ｙ２＋ｙ３＋ｙ４）／４．．式により供試体
１の計測平面２における剪断変位δｙを算出することが
できる。更に、δｘ＝（ｘ１＋ｘ２＋ｘ３＋ｘ４）／
４．．式により供試体１の引張変位δｘを算出するこ
とができる。

【００１６】更に図１に示すように、供試体１に歪ゲー
ジ２６を取付け、この歪ゲージ２６の出力をブリッジ回
路２７を介して演算装置２４に入力することにより、供
試体１に発生する歪或いは応力を計測することができ
る。

【００１７】図４〜図７は、上述した静荷重試験装置に
よる試験結果を示す図であり、図４は捩じりモーメント
Ｔ（横軸）と捩じれ角θ（縦軸）の関係、図５は、引張
荷重Ｆ１（横軸）と引張変位δｘ（縦軸）との関係、図
６は、曲げモーメントＭ（横軸）と剪断変位δｙ（縦
軸）との関係、図７は、曲げモーメントＭと撓み角θと
の関係を示している。これらの図から本発明の静荷重試
験装置により、供試体１に引張、剪断、曲げ、捩じりの
各静荷重を正確に負荷し供試体１の性能特性を正確に計
測できることがわかる。

【００１８】なお、本発明は、上述した実施例に限定さ
れず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できる
ことは勿論である。

【００１９】

【発明の効果】上述したように、本発明の静荷重試験装
置は、供試体に引張、剪断、曲げ、捩じりの各静荷重を
独立に負荷できる、優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による静荷重試験装置の全体正面図であ
る。

【図２】図１のＡ−Ａ線における断面図である。

【図３】図１のＢ部の拡大図（Ａ）と、（Ａ）のＣ−Ｃ
線における矢視図（Ｂ）である。

【図４】捩じりモーメントＴ（横軸）と捩じれ角θ（縦
軸）の関係図である。

【図５】引張荷重Ｆ１（横軸）と引張変位δｘ（縦軸）
との関係図である。

【図６】曲げモーメントＭ（横軸）と剪断変位δｙ（縦
軸）との関係図である。

【図７】曲げモーメントＭ（横軸）と撓み角θ（縦軸）
との関係図である。

【符号の説明】

１供試体２基準平面１０静荷重試験装置１１フレーム１２固定台１３ａテンションロッド１３ｂロードセル１３ｃ液圧シリンダ１４荷重伝達ブロック１５計測平面１６引張装置１８剪断曲げ装置２０捩じり装置２２変位計測装置２４演算装置２６歪ゲージ２７ブリッジ回路

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】供試体の基準平面上に原点Ｏと互いに直
交するｙ軸及びｚ軸とを有し、かつ基準平面に直交する
ｘ軸を有する３軸座標系において、供試体を固定する固
定台と、供試体に固定された高剛性の荷重伝達ブロック
と、該荷重伝達ブロックにｘ軸に沿ってｘ軸方向荷重Ｆ
１を負荷する引張装置と、ｚ座標が０でｘ座標がそれぞ
れＬ２、Ｌ３の位置で荷重伝達ブロックにｙ軸方向荷重
−Ｆ２、Ｆ３をそれぞれ負荷する剪断曲げ装置と、ｙ座
標が０でｚ座標がそれぞれＬ１、−Ｌ１の位置で荷重伝
達ブロックにｙ軸方向荷重Ｆ４、−Ｆ５をそれぞれ負荷
する捩じり装置と、を備えたことを特徴とする静荷重試
験装置。
【請求項２】負荷曲げモーメントＭ、負荷剪断荷重Ｐ
について、Ｍ＝Ｆ２×Ｌ２−Ｆ３×Ｌ３、Ｐ＝Ｆ２−Ｆ
３、の２式をみたす負荷荷重Ｆ２、Ｆ３を負荷する、こ
とを特徴とする請求項１に記載の静荷重試験装置。
【請求項３】前記荷重伝達ブロックは、供試体の基準
平面と平行な計測平面を有し、更に該計測平面上の少な
くとも２点のｙ軸方向変位及びｘ軸方向変位を計測する
変位計測装置を備える、ことを特徴とする請求項１に記
載の静荷重試験装置。
【請求項４】前記ｙ軸方向変位から供試体のｘ軸まわ
りの捩じれ角θと供試体の計測平面における剪断変位δ
ｙを算出し、前記ｘ軸方向変位から供試体の引張変位δ
ｘを算出する演算装置を更に備える、ことを特徴とする
請求項３に記載の静荷重試験装置。