JPH07260512A - エンコーダ - Google Patents

エンコーダ

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JPH07260512A
JPH07260512A JP7659294A JP7659294A JPH07260512A JP H07260512 A JPH07260512 A JP H07260512A JP 7659294 A JP7659294 A JP 7659294A JP 7659294 A JP7659294 A JP 7659294A JP H07260512 A JPH07260512 A JP H07260512A
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JP
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radius
magnetic field
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vector
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JP7659294A
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Inventor
Atsushi Uchiyama
敦 内山
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ピッチλの交番磁界を形成する永久磁石層の
少くとも1つの磁石の強度を他の磁石の強度に比べて弱
く又は強くしておき、この磁界の強度変化から原点を求
める場合に、この磁界強度を検出する磁気抵抗素子の出
力レベルが温度変化により変動しても、常に正確に磁界
強度が変化した原点位置を検出することができるように
する。 【構成】 磁気抵抗素子の出力からベクトル半径を求め
るベクトル半径演算手段と、この求めたベクトル半径の
平均値を求める平均半径演算手段と、前記平均値とベク
トル半径の現在値とを比較して異なる磁界の磁石位置を
判別する原点判定手段とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ピッチλの永久磁石層
と、ピッチλ/4の2つの磁気抵抗素子との相対移動方
向および相対移動量とを検出すると共に、永久磁石層の
一部の磁界強度変化から原点位置も検出して絶対位置を
求められるようにしたエンコーダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ピッチλで周期的に変化する磁界を形成
する永久磁石層に、λ/4のピッチ間隔離れた2つの磁
気抵抗素子を対向配置し、両者の相対移動により各磁気
抵抗素子が出力する出力信号を用いて少くとも相対移動
方向と相対移動量とを検出するようにしたインクリメン
タル方式のエンコーダが公知である。
【0003】このインクリメンタリー・エンコーダでは
相対的な移動量しか検出できないため、所定の基準位置
(原点)からの移動量を検出できるようにしまた絶対位
置を求められるようにすることが望まれている。すなわ
ちアブソリュート性を持たせることが望まれている。
【0004】そこで従来のロータリー・エンコーダは次
のように構成される。すなわち回転円板にA・B相トラ
ックとZ相トラックを設け、互いに位相が90°異なる
2つのセンサでA・B相トラックを検出して相対回転量
を検出する一方、Z相トラックから1回転に1回の原点
信号(Z相信号)を検出するようにしたものである。ま
たこのようなロータリー・エンコーダを用いて位置決め
制御する場合やリニヤ・エンコーダを用いる場合には、
移動体の全動作範囲の端付近(原点)に別途リミットス
イッチを設け、起動時に一度この原点まで戻す「原点復
帰動作」を行っていた。
【0005】
【従来技術の問題点】Z相トラックを設けたロータリー
・エンコーダでは、A・B相トラックとは別にZ相トラ
ックとZ相センサとを設ける必要が生じ、部品点数が増
え、構造が複雑で小型化が難しいという問題があった。
特にリニアエンコーダにおいてロッド様の検出体にリン
グ状の着磁をして回転自在にしたものはZ相トラックを
設けられない。
【0006】また移動範囲内の原点をリミットスイッチ
により検出するものではやはり部品数が増え構造が複雑
で大型化するだけでなく、移動体を「原点復帰動作」の
ために全移動範囲の端付近まで移動させるための動力源
が必要になる。このため適用分野が制限されるという問
題もあった。
【0007】そこでピッチλの交番磁界を形成する永久
磁石層の少くとも1つを弱めたまたは強めた永久磁石と
し、磁気抵抗素子で検出した磁界の強さの変化を検出し
て原点を求める方法が出願人により検討されている。し
かし永久磁石は一般に温度上昇により一時的もしくは半
永久的に磁化の強さが減少する。また磁気抵抗素子も抵
抗体の素材特性として出力レベルは一般に温度上昇と共
に減少する。
【0008】このように永久磁石も磁気抵抗素子も共に
負の温度係数を持つため、温度上昇と共に磁気抵抗素子
の出力振幅が小さくなる。発明者の実験では10℃の温
度上昇により出力は3%以上減少することが解ってい
る。このためこのような原点検出原理を採用した場合に
は、温度による出力レベルの変化が大きく原点の判断が
困難になるという問題がある。
【0009】
【発明の目的】本発明はこのような事情に鑑みなされた
ものであり、ピッチλの交番磁界を形成する永久磁石層
の少くとも1つの磁石の強度を他の磁石の強度に比べて
弱く又は強くしておき、この磁界の強度変化から原点を
求める場合に、この磁界強度を検出する磁気抵抗素子の
出力レベルが温度変化により変動しても、常に正確に磁
界強度が変化した原点位置を検出することができるよう
にしたエンコーダを提供することを目的とする。
【0010】
【発明の構成】本発明によればこの目的は、略λ/4の
位相差をもって配列された2つの磁気抵抗素子と、これ
ら2つの磁気抵抗素子の配列方向に一定ピッチλの交番
磁界を形成する永久磁石層とを互いに対向させて前記交
番磁界方向に相対移動させ、前記各抵抗素子の出力に基
づいて少くとも相対移動方向と相対移動量とを検出する
と共に、前記永久磁石層の少くとも1つの磁石の磁界を
他の磁石の磁界に対して異なるように設定し、前記磁気
抵抗素子の出力の変化から前記異なる磁界の磁石位置を
判別するエンコーダであって、前記磁気抵抗素子の出力
からベクトル半径を求めるベクトル半径演算手段と、こ
の求めたベクトル半径の平均値を求める平均半径演算手
段と、前記平均値とベクトル半径の現在値とを比較して
前記異なる磁界の磁石位置を判別する原点判定手段とを
備えることを特徴とするエンコーダにより達成される。
【0011】
【実施例】図1は本発明を車両用電子制御サスペンショ
ンに適用した実施例の全体概略図、図2はピストンロッ
ドとセンサとの相対位置を説明する図、図3はピストン
内の減衰力制御機構を示す図、図4は演算部を示す図、
図5は磁気抵抗素子の出力波形図、図6は2つの磁気抵
抗素子の出力によるベクトル軌跡図、図7は原点判定手
段の動作の一例を示す動作流れ図、図8は図7の一部の
詳細な動作流れ図である。なおこの発明は車両用以外の
分野、例えばOA機器、工作機械等の産業機械、等にも
利用できるものである。
【0012】図1において、符号10は外シリンダ、1
2は内シリンダであり、これらは同軸に保持されてい
る。内シリンダ12の上端にはキャップ14の下部が油
密に装置され、このキャップ14の上部は外シリンダ1
0の内面に密着している。
【0013】16は構造用鋼材で作られたピストンロッ
ドであり、キャップ14を貫通し、その下端には内シリ
ンダ12内を摺動するピストン18が取付けられてい
る。このピストン18は内シリンダ12内に2つの油室
20、22を画成する(図3参照)。なおピストン18
には後記リニヤソレノイド68による減衰力制御機構が
内装されているが、その構成は後記する。
【0014】前記ピストンロッド16には、図2に示す
ように、永久磁石層24が形成されている。この永久磁
石層24は、ピストンロッド16の周方向には一定で長
さ方向に一定ピッチλの交番磁界を形成する。すなわち
この永久磁石層24は周期λでリング状に着磁したもの
であり、約30μmの硬質クロムメッキ層26により保
護されている。なお周期λは3〜5mmに設定するのが望
ましく、この実施例では例えば4mmに設定されている。
【0015】前記キャップ14の上にはリング状のセン
サユニット28が組込まれている。このセンサユニット
28はピストンロッド16を挟んで対称に配置された2
組の磁気センサ30、30を硬質樹脂に埋め込み、この
硬質樹脂製リングを金属カバーで覆ったものである。
【0016】このセンサユニット28は、外シリンダ1
0の開口部からキャップ14の上面に当接させるように
圧入され、外シリンダ10の開口縁を4カ所内径側へか
しめることにより外シリンダ10に固定される。
【0017】2組の磁気センサ30、30は、それぞれ
2個づつの磁気抵抗素子32A、32Bをピストンロッ
ド16の軸方向へλ/4の位相差をもって固定したもの
である。各磁気センサ30の、磁気抵抗素子32A、3
2Bはピストンロッド16の長さ方向の同一位置にあ
り、2個の素子32AのA相出力の合計出力At が増幅
器44に入力される。また2個の素子32BのB相出力
の合計出力Bt が増幅器46に入力される。合計出力A
t 、Bt は図2に示すようにλ/4の位相差を持つ2相
の擬似正弦波となる。
【0018】合計出力At 、Bt は増幅器44、46で
増幅され、その増幅出力φA 、φBが演算部48に入力
されてピストンロッド16のセンサユニット28に対す
る相対移動速度sと移動量xとが求められる。また後記
するようにピストンロッド16の全移動範囲の中央付近
に設定された原点位置が検出される。この演算部48は
A/D変換器50、52とCPU54を持ち、前記2相
信号より変位の内挿演算を行うものである。その構成は
後記する。
【0019】この発明ではピストンロッド16を挟む対
称位置に設けた2組の磁気センサ30、30の各素子3
2A、32Bの同位相出力同志を合計している。このた
めピストンロッド16が径方向へ移動したり湾曲したり
して或るセンサ30との間隔が増大しても、他のセンサ
30には接近することになり、合計の出力At 、Bt
変動が少なくなる。従って安定な信号検出が可能にな
る。この実施例では磁気センサ30を2組設けたが、前
記間隔変動がより大きな場合には、センサ30をさらに
追加して3個以上のセンサを等間隔に配置してもよい。
【0020】また素子32とピストンロッド16との間
隙は着磁ピッチλの1/10よりも大きく設定される。
この間隙はある程度大きくすることによりセンサ30の
出力波形を図2に示すようにきれいなサインカーブに近
付けることが出来、また前記間隔変動が信号へ与える影
響を小さくすることが出来て好ましい。
【0021】演算部48で求めた移動速度sと移動量x
と原点の情報とは、減衰力制御部56に入力され、ここ
で最適減衰力を発生させるための信号iが出力される。
この信号iは、増幅器58で増幅されてピストン18に
内装された後記リニヤソレノイド68の駆動電流Iとな
る。
【0022】ピストン18の減衰力制御機構は、図3に
示すように構成される。(PCT国際公開WO93/0
8416号参照)このピストン18にはメイン室60と
パイロット室62とを画成するメイン弁64と、これら
メイン室60とパイロット室62との間に介在するオリ
フィス66とを備え、メイン室60に高圧側主油室20
または22の油圧を導く一方、パイロット室60内圧が
リニヤソレノイド68により設定される推力を超えるこ
とにより前記メイン弁64を移動させて、両主油室2
0、22をつなぐ主油路70(70a、70b)を開き
減衰力を制御するようにしたものである。
【0023】高圧側の主油室20または22の圧力をメ
イン室60およびオリフィス66を介してパイロット室
62に導き、このパイロット室62の圧力(パイロット
室圧Pp )がリニヤソレノイド68の設定推力Ps を超
えるとパイロット弁72を開く。そしてこのようなオリ
フィス66を通る油の流れ(パイロット流)により、オ
リフィス66の下流側のパイロット室圧Pp がメイン室
60の圧力(メイン室圧Pm )より低くなる。この圧力
差(Pm −Pp )によりメイン弁64を上昇させるもの
である。74はメイン弁22を復帰させるばねである。
【0024】減衰力制御部56(図1)は、ピストン1
8の移動量x、移動速度s、原点情報に基づいて最適減
衰力を発生させるためのリニヤソレノイド68の駆動電
流Iを発生させるものであるが、次にこの移動量xおよ
び移動速度sを出力する演算部48を説明する。
【0025】図4においては、φA 、φB は2相の擬似
正弦波である。また検出対象の現在位置をθK 、参照位
相をψK 、1サンプリング周期前の参照位相をψK-1
する。この図において符号80はROMで構成された関
数発生器であり、後記するカウンタの出力である参照位
相ψK-1 をアドレスデータとしてこのアドレスデータに
対応する正弦値sinψK-1 および余弦値cosψK-1
を出力する。
【0026】これら正弦値sinψK-1 および余弦値c
osψK-1 はそれぞれ第1・第2の乗算器82、84に
入力される。乗算器82は前記A/D変換器50が出力
する余弦信号cosθK と正弦値sinψK-1 との積c
osθK ・sinψK-1 を求める。乗算器84は前記A
/D変換器52が出力する正弦信号sinθK と余弦値
cosψK-1 との積sinθ・cosψK-1 を求める。
【0027】ここにA/D変換器50、52に入力され
る信号φA 、φB はcosθK 、sinθK とベクトル
半径rとの積となるが、計算を単純にするためr=1と
した。計算を正確に行うためには、(r・cosθK
2 +(r・sinθK2 =r2 の計算によりrを求
め、φA 、φB をこのrで除算して正規化しておけばよ
い。この実施例では後記するベクトル半径演算手段10
0によりベクトル半径rを求め、乗算器82、84では
このベクトル半径rを用いてφA 、φB を除算し正規化
する。
【0028】図4で符号88は周期加算器、90は第1
の遅れ要素である。周期加算器90は360度を1周期
とするものであり、ここには減算器86の出力とこの遅
れ要素90の出力とが入力され、これらの和がこの加算
器88で求められる。ここに減算器86の出力は、(s
inθK ・cosψK-1 −cosθK ・sinψK-1
=sin(θK −ψK-1 )≒(θK −ψK-1 )となる。
【0029】また遅れ要素90の出力はψK-1 となり、
加算器88は{(θK −ψK-1 )+ψK-1 }=θK を新
たな参照位相ψK として出力する。この新たな参照位相
ψKは第1の遅れ要素90に一時メモリされ、1サンプ
リング周期分遅れて出力する。すなわち加算器88が前
記のようにθK (=ψK )を演算する時には、この遅れ
要素90は1サンプリング周期分前の参照位相ψK-1
出力する。このようにこの実施例によれば、周期加算器
88において加算動作を行うから極めて高速な処理が可
能である。
【0030】この参照位相ψK-1 をアドレスデータとす
る参照値すなわちsinψK-1 、cosψK-1 が関数発
生器80で求められ、乗算器82、84、減算器86、
周期加算器88、第1の遅れ要素90からなるフェイズ
・ロックド・ループに沿った動作を繰り返す。参照位相
ψK-1 は現在位相θK に速やかに追従し、結果として、
着磁ピッチλを内挿・細分化した位置情報を与える。
【0031】減算器86の出力であるsin(θK −ψ
K-1 )≒(θK −ψK-1 )においてψK-1 は位相θK-1
に追従するから、ψK-1 =θK-1 と考えられる。従っ
て、(θK −ψK-1 )=(θK −θK-1 )=ΔθK は角
速度ωK と考えることができる。
【0032】図4で92は上位加算器、94は第2の遅
れ要素である。上位加算器92は、減算器86の出力で
ある角速度ωK =(θK −ψK-1 )=(θK −θK-1
=ΔθK と、第2の遅れ要素94の出力θK-1 とを加算
して、θK を出力する。この加算器92は後記する原点
判定手段106が出力するリセット信号によりリセット
され、このリセット時点をk=0として、k=nとなる
までのnサンプリング周期分の間前記の加算を繰り返
す。この結果累積回転角度θn =ΣΔθK 、すなわちロ
ッドの変位量をもとめることができる。
【0033】ここにθK は、近似的に求めているため誤
差を含むが、第2の遅れ要素94によるループを組んで
いるので、この誤差が累積することがなく、高精度なθ
n を検出できる。またリセットすることにより基準位置
すなわち原点からの移動量・回転量の絶対量を検出でき
る。
【0034】次に基準位置すなわち原点を検出するため
の機構を説明する。ピストンロッド16に形成した永久
磁石層24のリング状永久磁石のうち、少くとも1つは
弱められている。すなわちピストンロッド16の全スト
ローク範囲の中央付近で磁気センサ30に対向する1つ
の永久磁石は減磁されている。永久磁石層24は例えば
ピッチλごとに着磁ヘッドを移動させながら強磁界を順
次印加することにより着磁される。また減磁は、1つの
永久磁石だけに逆磁界を印加することにより行うことが
できる。
【0035】図5は磁気センサ32Aまたは32Bの出
力波形を示し、横軸はピストンロッド16のストローク
位置xを、縦軸は出力電圧Vを示す。この図から明らか
なように、減磁した永久磁石に対する出力範囲Lでは出
力電圧Vの振幅が小さくなっている。
【0036】図4において100はベクトル半径演算手
段であり、前記A/D変換器50、52が出力する信
号、すなわち磁気抵抗素子32A、32Bの出力信号φ
A 、φB のデジタル信号r・cosθK 、r・sinθ
K からベクトル半径rを求める。すなわち(r・cos
θK2 +(r・sinθK2 =r2 からベクトル半
径rを求める。なおr・cosθK とr・sinθK
のいずれか一方が0になった時にはθK =90°または
0°となるから、他方はrになる。従って一方が0にな
る時の他方の値がすなわちrであるとして求めてもよ
い。
【0037】102は平均半径演算手段であり、ベクト
ル半径演算手段100で求めたベクトル半径rの平均値
* を求める。この平均半径演算手段102は、例えば
通常動作中のベクトル回転の1周期に対して十分に長い
時定数を持った遅れ要素で形成することができる。この
遅れ要素は時定数をTとして、1/(1+ST)の伝達
関数で表される一次遅れ要素、例えばアナログ回路にお
けるCR積分回路と同等なディジタルフィルタで構成す
ることができる。遅れ要素は二次以上の遅れ要素や、単
純な時間平均、または距離に対する移動平均であっても
よい。
【0038】このように時定数Tを適切に選定すること
によりベクトル半径rを着磁ピッチλより充分長いスト
ローク区間にわたって平均化することができる。このよ
うに1つ求めたベクトル半径rの平均値r* は逐次メモ
リ104に記憶される。
【0039】106は原点判定手段であり、ベクトル半
径演算手段100で求めたベクトル半径rを用いて原点
すなわち基準位置を求める。磁界が弱められた永久磁石
がセンサ32の前を通る時には、センサ32の出力レベ
ルが減少する。すなわち図6に示すようにr2 =(r・
cosθK2 +(r・sinθK2 で定義されるベ
クトル軌跡(リサージュ図形)は、この弱い磁界を検出
するとr1 に減少する。そこでこのベクトル半径rがメ
モリ104に記憶された平均値r* より小さくなったこ
とから原点を検出するものである。
【0040】図7、8の実施例では、CPU内部での処
理手順を示す。通常の位置検出処理(図7、ステップ2
00〜214)においてまずAおよびBを同時に読込み
(ステップ200)、現在のベクトル半径rk (ステッ
プ202)、ある時定数での平均的なベクトル半径r*
k (ステップ204)を計算する。原点処理(ステップ
208)においては、図8に示すように原点検出要求が
あった場合について判定を進め(ステップ300)、ベ
クトル半径rが複数サイクルの平均ベクトル半径r*
一定割合、例えば、80%以下に継続的に減少したこと
から、原点を検出する。
【0041】すなわちrK <0.8・r* k であり(ス
テップ302)、かつその時の角速度ωk が一定の角速
度ω0 以下の場合には(ステップ304)、その半径の
状態が1/2周期以上継続しているか否かを調べる。こ
れは例えばサンプル毎の移動量△θk を積分し(ステッ
プ306)、継続してその状態で180°以上移動した
と判断(ステップ310)された場合には、原点周期で
あると判断し、リセット信号を出力する(ステップ31
2)。θr が180°に達する以前に半径が戻った場合
には(ステップ308)、原点周期ではないとして、処
理を終了する。
【0042】このようにベクトル半径rの現在値を平均
値r* と比較するから、温度変化により磁気抵抗素子3
2の出力レベルが変動してもその影響を受けることなく
常に安定に原点を検出することができる。
【0043】以上のように原点周期が検出され、リセッ
ト信号が出力されると、前記加算器92はリセットされ
る。加算器92はリセット信号により常にリセットさせ
てもよいが、原点要求信号が原点判定手段106に入力
された時だけリセットさせるようにしてもよい。
【0044】以上の実施例では永久磁石層24の1つの
磁石を減磁したが、反対に1つの磁石だけが他より強い
磁界を生成するようにしてもよい。また1以上の永久磁
石を連続あるいは所定の間隔ごとに弱くしたり強くして
おいてもよい。また永久磁石層と磁気センサとの間隙を
形状的に変化させて、磁気センサに作用する磁界の強さ
を変えてもよい。要するに磁界の強度変化に基づいて原
点を検出するものであればよい。
【0045】この実施例では、複数の磁気センサ30を
等間隔に配置し、同位相の磁気抵抗素子32Aの出力和
t と、32Bの出力の和Bt とを用いている。このた
めピストンロッドの湾曲や径方向の移動があっても安定
な信号検出が可能である。また以上の実施例において、
センサユニット28に増幅器44、46を一体化した
り、さらに演算部48もセンサユニット28や減衰器に
組込み一体化するようにしてもよい。
【0046】
【発明の効果】請求項1の発明は以上のように、少くと
も1つの永久磁石の磁界を他よりも弱くまたは強くして
おき、磁気抵抗素子で検出した磁界の強度から磁界のベ
クトル半径の現在値を検出し、さらにこのベクトル半径
の平均値を求めて、その現在値と平均値との比較により
異なる磁界の磁石位置(原点)を判別するものであるか
ら、温度変化により磁気抵抗素子の出力レベルが変化し
ても常に正確に磁界強さが異なる磁石位置(原点)を検
出することができる。
【0047】ここに平均半径演算手段は、着磁ピッチλ
に対して十分に長い区間におけるベクトル円の平均的な
半径を求めるものである(請求項2)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体概略図
【図2】ピストンロッドとセンサとの相対位置を説明す
る図
【図3】ピストン内の減衰力制御機構を示す図
【図4】演算部を示す図
【図5】磁気抵抗素子の出力波形図
【図6】ベクトル軌跡図
【図7】原点判定処理の一実施例の動作流れ図
【図8】図7における一部を詳細に示す動作流れ図
【符号の説明】
24 永久磁石層 32 磁気抵抗素子 48 演算部 100 ベクトル半径演算手段 102 平均半径演算手段 104 メモリ 106 原点判定手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略λ/4の位相差をもって配列された2
    つの磁気抵抗素子と、これら2つの磁気抵抗素子の配列
    方向に一定ピッチλの交番磁界を形成する永久磁石層と
    を互いに対向させて前記交番磁界方向に相対移動させ、
    前記各抵抗素子の出力に基づいて少くとも相対移動方向
    と相対移動量とを検出すると共に、前記永久磁石層の少
    くとも1つの磁石の磁界を他の磁石の磁界に対して異な
    るように設定し、前記磁気抵抗素子の出力の変化から前
    記異なる磁界の磁石位置を判別するエンコーダであっ
    て、前記磁気抵抗素子の出力からベクトル半径を求める
    ベクトル半径演算手段と、この求めたベクトル半径の平
    均値を求める平均半径演算手段と、前記平均値とベクト
    ル半径の現在値とを比較して前記異なる磁界の磁石位置
    を判別する原点判定手段とを備えることを特徴とするエ
    ンコーダ。
  2. 【請求項2】 平均半径演算手段は、ピッチλに対して
    十分に長い区間におけるベクトル円の平均的な半径を求
    めるものであることを特徴とする請求項1のエンコー
    ダ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019108226A (ja) * 2017-12-19 2019-07-04 フィーブス イントラロジスティクス ソチエタ ペル アツィオニ コン ソチオ ウニコ 選別機

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JP2019108226A (ja) * 2017-12-19 2019-07-04 フィーブス イントラロジスティクス ソチエタ ペル アツィオニ コン ソチオ ウニコ 選別機

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