JPH0726033Y2 - 電磁場鋳造用幅可変鋳型 - Google Patents

電磁場鋳造用幅可変鋳型

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JPH0726033Y2
JPH0726033Y2 JP616991U JP616991U JPH0726033Y2 JP H0726033 Y2 JPH0726033 Y2 JP H0726033Y2 JP 616991 U JP616991 U JP 616991U JP 616991 U JP616991 U JP 616991U JP H0726033 Y2 JPH0726033 Y2 JP H0726033Y2
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典史 林
尋仁 鈴木
克 永山
光司 長江
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Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本考案は、金属溶湯柱を電磁場によって所
定形状に保持しつつ、冷却、凝固せしめることにより、
鋳塊を連続的に製造する電磁場鋳造用鋳型であって、特
に鋳型の幅が可変とされることによって、各種サイズの
鋳塊の製造に有利に適用され得る電磁場鋳造用幅可変鋳
型の改良された構造に関するものである。
【0002】
【背景技術】金属、特にアルミニウム若しくはその合金
の連続鋳造法(半連続鋳造法をも含む。以下同じ)の一
種としての電磁場鋳造法は、良く知られているように、
枠体状のコイルと、該コイルの内側に沿って配された電
磁場遮蔽用スクリーンとから構成されてなる電磁場鋳造
用鋳型を用い、かかる鋳型によって生ぜしめられる電磁
場によって、該鋳型内に供給される金属溶湯を柱状に保
持しつつ、冷却、凝固せしめることによって、所定断面
の鋳塊を連続的に形成するようにしたものである。
【0003】ところで、このような連続鋳造手法によっ
て得られる鋳塊にあっては、特に矩形状断面のスラブの
場合、使用目的等に応じて、多種類のサイズ(主に幅)
のものが要求されるのが常であるが、そのような各種の
サイズの鋳塊を与える電磁場鋳造用鋳型を揃え、要求さ
れるサイズに応じて交換することは、経済上および作業
上の負担が極めて大きく、現実的ではない。
【0004】そこで、特開昭59−104251号公報
等においては、かかる電磁場鋳造用鋳型を、所定距離隔
てて相対向して配された一対の長辺部分と、該長辺部分
の相対向する内側面間に跨って、該長辺部分の長手方向
に相対向して配された一対の短辺部分とによって構成
し、且つかかる短辺部分を対向方向にそれぞれ移動可能
としてなる、所謂幅可変鋳型が提案されるに至ってい
る。
【0005】ところが、このような幅可変鋳型にあって
は、前記コイルおよび電磁場遮蔽用スクリーンを、何れ
も、一対の長辺部分と短辺部分とに分割せしめて、該短
辺部分を長辺部分に対して移動可能としなければならな
いために、通常、各コーナー部における、それら短辺部
分と長辺部分との電気的な接続は、単に、それらを当接
させるだけによって行なわれることとなる。
【0006】そして、そのために、それらコイルおよび
電磁場遮蔽用スクリーンの各コーナー部における電気的
接続が不安定となり勝ちで、かかるコーナー部において
大きな接触抵抗が惹起されて、直線部に比べて極めて大
きな熱(コイルは自己電流による発熱、電磁場遮蔽用ス
クリーンは誘導電流による発熱)が、生ぜしめられるこ
ととなり、なかでも、特に、導電性および伝熱性の高い
銅等の材質にて形成されるコイルに比べて、電磁場遮蔽
用スクリーンにあっては、一般に、効果的な磁場形成の
ために、導電性および伝熱性に比較的劣るステンレス鋼
にて形成されることとなるために、かかる接触抵抗によ
って、コーナー部が著しく発熱してしまい、損傷や焼付
き等の、大きな不具合が惹起される恐れがあった。
【0007】さらに、かかる電磁場遮蔽用スクリーンの
コーナー部に大きな接触抵抗が惹起されることにより、
該電磁場遮蔽用スクリーンを流れる誘導電流が、鋳型、
更には鋳造装置の他の部分に漏電し、それによって他の
部材が発熱し、潤滑油の焼失等といった問題も生ぜしめ
られる恐れがあったのである。
【0008】
【解決課題】ここにおいて、本考案は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、電磁場遮蔽用スクリーンにおける短辺部分
と長辺部分とが、電気的に良好に且つ安定して接続され
得ると共に、それら短辺部分と長辺部分との接続部位に
おける発熱が有利に軽減され得る、改良された構造の電
磁場鋳造用幅可変鋳型を提供することにある。
【0009】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
考案にあっては、全体として矩形枠体形状を呈するコイ
ルに沿って、その内周側に位置せしめられる矩形枠体形
状の電磁場遮蔽用スクリーンを、所定距離隔てて相対向
して配された一対の長辺部分と、それら長辺部分の相対
向する内側面間に跨って、該長辺部分の長手方向に相対
向して位置し、且つかかる対向方向にそれぞれ移動可能
に配された一対の短辺部分とによって、構成せしめてな
る電磁場鋳造用幅可変鋳型において、前記電磁場遮蔽用
スクリーンの前記長辺部分と前記短辺部分との各当接部
における、少なくとも何れか一方の当接面を、それぞ
れ、導電性および伝熱性に優れた材料から成る接続部材
にて構成すると共に、かかる接続部材の内側に位置し
て、所定の冷却流体の流通によって、該接続部材を冷却
せしめる冷却手段を設けたことを、その特徴とするもの
である。
【0010】
【作用・効果】すなわち、このような本考案に従う構造
とされた電磁場鋳造用幅可変鋳型にあっては、電磁場遮
蔽用スクリーンの各コーナー部における長辺部分と短辺
部分との当接部に配された接続部材によって、該電磁場
遮蔽用スクリーンに惹起される誘導電流が導かれること
により、該当接部における接触抵抗が極めて有利に低減
され得ることに加えて、該当接部に生ぜしめられる熱
が、かかる接続部材を通じて、効果的に伝熱、拡散され
得ると共に、該接続部材が冷却流体によって冷却せしめ
られるところから、各コーナー部における発熱が有利に
抑えられ得るのである。しかも、そのような接続部材の
各コーナー部への配設は、電磁場遮蔽用スクリーンにお
ける短辺部の移動操作性を、何等阻害するものではな
く、幅可変鋳型本来の機能を、何等損なうことはないの
である。
【0011】それ故、かかる本考案によれば、電磁場遮
蔽用スクリーンにおける、誘導加熱に起因する、各コー
ナー部の損傷や焼付き等の発生が、極めて有効に防止さ
れ得ると共に、そのような誘導電流の他部材への漏洩も
効果的に軽減され得る電磁場鋳造用幅可変鋳型が、有利
に実現され得るのであり、それによって、電磁場鋳造用
幅可変鋳型の使用性および耐久性が、飛躍的に向上され
得ることとなったのである。
【0012】
【実施例】以下、本考案を更に具体的に明らかにするた
めに、本考案の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明することとする。
【0013】先ず、図1及び図2には、本考案に従う構
造とされた電磁場鋳造用幅可変鋳型の概略が示されてい
る。この鋳型は、従来と同様に、全体として矩形枠体形
状を呈するコイル10と、該コイルに沿って、その内側
斜め上方に位置せしめられた、全体として矩形枠体形状
を呈する電磁場遮蔽用スクリーン12とを備えている。
そして、かかるコイル10に対して給電することによ
り、コイル10とスクリーン12とによって、鋳型内部
に所定の電磁場が形成され得て、鋳型内に供給されるア
ルミニウムやその合金等の金属溶湯が、該電磁場による
電磁力によって、かかる鋳型と略相似する矩形柱形状に
保持せしめられて、溶湯柱14が形成されるのであり、
以てこの溶湯柱14を連続的に冷却、凝固せしめること
によって、目的とする鋳塊が連続的に得られることとな
る。
【0014】ところで、このような鋳型は、長辺部分と
短辺部分とに分割された構造とされており、各短辺部分
が、長辺部分の長手方向に移動可能とされている。即
ち、かかる鋳型を構成する上記コイル10は、所定距離
を隔てて相対向して配された一対のコイル長辺部16、
16と、それらコイル長辺部16、16の相対向する内
側面間に跨って、互いに所定距離を隔てて相対向して配
された一対のコイル短辺部18、18とによって構成さ
れており、また上記スクリーン12にあっても、同様
に、所定距離を隔てて相対向して配された一対のスクリ
ーン長辺部20、20と、それらスクリーン長辺部2
0、20の相対向する内側面間に跨って、互いに所定距
離を隔てて相対向して配された一対のスクリーン短辺部
22、22とによって構成されているのである。そし
て、各々対応するコイル長辺部16とスクリーン長辺部
20、コイル短辺部18とスクリーン短辺部22が、そ
れぞれ、図示しない連結機構によって一体的に連結され
ていると共に、かかるコイル短辺部18およびスクリー
ン短辺部22が、それぞれ、対向方向(長辺部の長手方
向)に一体的に移動可能とされており、それによって鋳
型の幅が可変とされているのである。
【0015】なお、図面には明示されていないが、コイ
ル10およびスクリーン12の各長辺部16、20の内
面には、適宜、長手方向に適当なアール乃至は傾斜が付
されていると共に、それら各長辺部16、20が、所定
の圧力をもって、接近方向に締め付けられるようになっ
ている。そして、それら各長辺部16、20が接近方向
に締め付けられることにより、それらの対向面間におい
て、各短辺部18、22が挟持せしめられて、該短辺部
18、22の両側端面が、それら長辺部16、20の対
向面に対して当接されることとなるのであり、それによ
って、各長辺部16、20と各短辺部18、22とが、
電気的に接続せしめられて、それぞれ、前述の如き、矩
形枠体形状を有するコイル10およびスクリーン12
が、形成されるようになっている。
【0016】また、上記コイル10を構成するコイル長
辺部16、16およびコイル短辺部18、18は、それ
ぞれ、通電によって電磁場が有効に生ぜしめられるよう
に、導電性に優れた材質、一般には銅によって形成され
ている。
【0017】そして、それら各コイル長辺部16および
コイル短辺部18の外面側に、それぞれ、略コ字状断面
を有する冷却水ジャケット24が固着されることによ
り、長手方向に連続して延びる流通キャビティ26が画
成されている。従って、該流通キャビティ26内を流通
せしめられる冷却流体(水)によって、コイル長辺部1
6およびコイル短辺部18が、それぞれ、冷却せしめら
れて、通電による発熱が効果的に軽減され得るようにな
っているのである。
【0018】一方、上記スクリーン12を構成するスク
リーン長辺部20、20およびスクリーン短辺部22、
22にあっては、それぞれ、コイル10によって生ぜし
められる電磁場を有利に調整し得るように、非磁性金
属、一般にはステンレス鋼によって構成されることとな
る。
【0019】また、それら各スクリーン長辺部20およ
びスクリーン短辺部22の外面側には、図3及び図4に
示されているように、それぞれ、全体として略コ字状断
面を有する冷却水ジャケット28が固着されることによ
り、長手方向に連続した流通キャビティが形成されてい
る。なお、かかる冷却水ジャケット28は、スクリーン
12と同様、ステンレス鋼によって形成されることとな
るが、コイル10の鉛直上方に近接して位置せしめられ
る下板部分だけは、誘導電流の発生を防止するために、
樹脂等の非導電性材料にて形成することが望ましい。
【0020】さらに、かかる流通キャビティは、その内
部に、ガラス焼付け耐熱性樹脂材料からなる二枚の仕切
壁30、32が配されていることにより、外側から内側
に向かって順に位置せしめられた、第一室34、第二室
36および第三室38に仕切られていると共に、かかる
第三室38が、スクリーン12との間に形成された、所
定角度下傾したスリット40を通じて、外部に開口せし
められている。なお、該スリット40は、絞り片54に
よって、その開口量が調節可能とされている。
【0021】そして、冷却水ジャケット28の外壁部に
設けられた供給孔42を通じて、第一室34内に供給さ
れた冷却流体が、仕切壁30、32に設けられた通孔4
4、46を通じて、第二室36から第三室38内に順次
導かれ、冷却水ジャケット28の内側部分において、ス
リット40を通じて噴出せしめられることによって、前
記溶湯柱14の凝固部位に向かって噴き付けられるよう
になっているのであり、以てかかる冷却流体によって、
スクリーン12が冷却されて、その発熱が軽減されると
共に、生成鋳塊が冷却、凝固せしめられることとなるの
である。
【0022】さらに、スクリーン12を構成するスクリ
ーン短辺部22、22およびその外面側に取り付けられ
た冷却水ジャケット28には、それぞれ、それらの長手
方向両端面に対して、第一の接続部材48および第二の
接続部材50が、それぞれ、取り付けられている。
【0023】この第一の接続部材48および第二の接続
部材50は、何れも、導電性および伝熱性に優れた材
質、例えば銅やアルミニウム合金等の金属によって構成
されており、そして第一の接続部材48は略矩形の平面
形状を有する板状体として、また第二の接続部材50は
略小判型の平面形状を有する板状体として、それぞれ、
形成されている。そして、これら第一の接続部材48お
よび第二の接続部材50は、それぞれ、スクリーン短辺
部22および冷却水ジャケット28の長手方向端面に対
して、取付ボルト52によって取り付けられ、圧着状態
下に固定せしめられている。
【0024】そして、それによって、前述の如く、これ
らスクリーン短辺部22、22を、スクリーン長辺部2
0、20の対向面間で挟持せしめて、スクリーン12を
構成するに際し、かかるスクリーン短辺部22の長手方
向両端部が、それぞれ、第一及び第二の接続部材48、
50を介して、スクリーン長辺部20の対向面に対して
当接せしめられて、電気的に接続されるようになってい
るのである。
【0025】なお、このような第一及び第二の接続部材
48、50にあっては、それらを通じて、スクリーン1
2に生ぜしめられる誘導電流が流れるようになるところ
から、かかる誘導電流が流れるに充分な通電面積が確保
され得るように、その形状を設定する必要がある。尤
も、かかる通電面積は、理論上は、スクリーン12の実
質通電断面積と同等程度で充分であるが、スクリーン長
辺部20に対する接触面の不安定さを考慮すると、本実
施例の如き形態においては、該スクリーン12における
実質通電断面積の2〜4倍程度とすることが望ましい。
【0026】更にまた、かかる第一の接続部材48およ
び第二の接続部材50にあっては、それぞれの内部に、
取付面側に開口する凹所56、58が設けられており、
上述の如きスクリーン短辺部22および冷却水ジャケッ
ト28に対する取付状態下、それらの凹所56、58の
開口が覆蓋されることによって、第一の接続部材48お
よび第二の接続部材50の内部に、流通キャビティ6
0、62が、それぞれ形成されるようになっている。
【0027】そして、第一の接続部材48の内部に形成
された流通キャビティ60にあっては、冷却水ジャケッ
ト28の壁部を貫通して設けられた連通孔64を通じ
て、前記第一室34に連通せしめられていると共に、該
第一の接続部材48に設けられた切欠部68を通じて、
スクリーン短辺部22が位置しない側に開口せしめられ
ている。また、第二の接続部材50の内部に形成された
流通キャビティ62にあっては、冷却水ジャケット28
の壁部を貫通して設けられた連通孔66、66を通じ
て、前記第三室38に連通せしめられていると共に、該
第二の接続部材50に設けられた切欠部70を通じて、
スクリーン短辺部22が位置しない側に開口せしめられ
ている。
【0028】それによって、これら第一の接続部材48
の内部に形成された流通キャビティ60および第二の接
続部材50の内部に形成された流通キャビティ62内に
は、それぞれ、冷却水ジャケット28内を流通せしめら
れるスクリーン冷却用の流体が、各連通孔64、66を
通じて導かれて、各切欠部68、70から排出せしめら
れることによって、流通せしめられることとなるのであ
り、以てかかる冷却流体により、それら第一の接続部材
48および第二の接続部材50が、それぞれ、直接的に
冷却されることとなるのである。なお、このことから明
らかなように、本実施例においては、第一及び第二の接
続部材48、50の内部にそれぞれ形成された流体流路
と、その内部を流通せしめられる冷却流体とによって、
冷却手段が構成されているのである。
【0029】従って、上述の如き構造とされた電磁場鋳
造用幅可変鋳型にあっては、スクリーン短辺部22、2
2の長手方向両端部におけるスクリーン長辺部20、2
0に対する当接が、何れも、優れた導電性を有する材質
にて形成された第一及び第二の接続部材48、50を介
して為されることとなるところから、かかる当接部位に
おける接触抵抗が、スクリーン短辺部22とスクリーン
長辺部20とを直接に当接させた場合よりも有利に低減
され得て、低い電気抵抗のもとに効果的に接続され得る
のであり、それによってスクリーン12に惹起される誘
導電流が良好に導かれ得て、各コーナー部における誘導
電流による発熱が、効果的に軽減され得るのである。
【0030】また、かかるスクリーン短辺部22のスク
リーン長辺部20に対する当接部位に配された第一及び
第二の接続部材48、50にあっては、それらが優れた
伝熱性を有していることから、スクリーン12の各コー
ナー部に生ぜしめられる熱が、かかる接続部材48、5
0を通じて、効果的に伝熱、拡散され得ると共に、内部
に形成された流通キャビティ60、62内を流通せしめ
られる冷却流体によって、直接に冷却されることから、
各コーナー部における局部的な高熱化が極めて有効に防
止され得るのである。
【0031】そして、それ故、このような電磁場鋳造用
幅可変鋳型によれば、鋳造に際しての、スクリーン12
における各コーナー部の損傷や焼付き等の発生が、極め
て有効に防止され得ると共に、かかるスクリーン12に
惹起される誘導電流の他部材への漏洩も効果的に軽減さ
れ得て、そのような漏電に起因する他部材の発熱等も、
有利に防止され得るのであり、それによって鋳型の耐久
性および信頼性が著しく向上され得ることとなったので
ある。
【0032】因みに、上述の如き構造とされた鋳型を用
い、鋳造を行なったところ、コイル10への通電中にお
けるスクリーン12のコーナー部での温度上昇が、15
0〜200℃に抑えられ得、何等支障なく、連続鋳造を
行なうことができた。なお、かかる鋳造に際しては、ス
クリーン12の断面積が1250mm2 であるのに対し、
第一及び第二の接続部材48、50における当接面積の
合計が4250mm2 とされたスクリーンを用い、且つそ
れら第一及び第二の接続部材48、50に対して、冷却
水を2〜5リットル/分の流量で供給することによって
行なった。
【0033】また、本実施例にあっては、スクリーン短
辺部22のスクリーン長辺部20に対する当接面を構成
する接続部材が、二つの接続部材48、50によって構
成されていると共に、それら二つの接続部材48、50
が、かかるスクリーン短辺部22の長手方向端面におい
て、該スクリーン短辺部22の移動方向に所定寸法を隔
てて配されているところから、スクリーン長辺部20に
対する当接が、より安定して為され得るのである。
【0034】更にまた、本実施例においては、それら第
一及び第二の接続部材48、50を冷却する冷却流体と
して、スクリーン12の冷却流体を利用していることに
より、冷却水系の構造の簡略化が有利に図られ得るとい
った利点をも有しているのである。
【0035】さらに、本実施例においては、スクリーン
12および接続部材48、50に冷却流体を導く流通キ
ャビティが、第一乃至第三の室34、36、38に分割
されていることから、それらスクリーン12および接続
部材48、50に導かれる冷却流体の滞留が防止される
と共に、温度が均一化されることにより、冷却効率の向
上が有利に図られ得るのである。
【0036】次に、本考案に従う電磁場鋳造用幅可変鋳
型の別の具体例が、図5及び図6に示されている。そこ
では、スクリーン長辺部20とスクリーン短辺部22と
の電気的接続が、接続部材50の一つだけで為されてお
り、また冷却水ジャケット28が、接続部材50を間接
的に冷却する冷却手段を兼ねるように、構成されてい
る。なお、以下の説明では、前記実施例と同様の構成の
ものには、前記実施例と同様の符号を付して、説明を省
略することとする。
【0037】この鋳型においては、導電性および伝熱性
に優れた銅やアルミニウム合金等によって構成されてい
る接続部材50が、スクリーン短辺部22の長手方向両
端面に、それぞれ設けられており、スクリーン長辺部2
0とスクリーン短辺部22とを、低い電気抵抗のもとに
電気的に接続せしめるようになっている。一方、冷却水
ジャケット28の長手方向両端面には、それぞれ、絶縁
材料からなるライナー部材74が設けられており、接続
部材50のスクリーン長辺部20に対する接触状態を安
定に保つようになっている。
【0038】そして、本実施例では、スクリーン長辺部
20に対する接続部材50のみの当接面積(接触面積)
が通電面積となるところから、そのように小さな通電面
積にて誘導電流が充分に流れ得るようにするために、該
接続部材50が、スクリーン短辺部22の長手方向端面
に直接にろう付け固定されて、コーナー部の接触抵抗を
下げるように為されているのである。
【0039】それ故、本実施例装置においても、コーナ
ー部における誘導電流による発熱が効果的に軽減され、
且つコーナー部で生じた熱が効果的に伝熱、拡散され得
るのである。加えて、かかる鋳型では、コーナー部の接
触面積が少なくて済むため(前記実施例の鋳型の略1/
3程度)、充分な通電を行なうに足る接触面積を確保す
ることが容易で、鋳型の組立作業や、鋳型の幅を変更す
る調整作業が容易となり、それらの作業時間が短縮され
る利点もあるのである。
【0040】また、図6に示されているように、この鋳
型にあっては、冷却水ジャケット28の第一室34が、
長手方向両端部分において、スクリーン短辺部22側へ
延長せしめられて、冷却水路72が形成されている。そ
して、かかる冷却水路72に冷却流体(水)が導かれる
ことよって、スクリーン長辺部20に対向する、冷却水
ジャケット28の壁部が、冷却せしめられ得るようにな
っているのである。その結果として、該壁部に対して、
スクリーン短辺部12の壁部を介して重ね合わされてい
る前記接続部材50が、裏面から効果的に冷却されるよ
うになっているのである。
【0041】すなわち、本実施例においては、接続部材
50が、その内部に形成された流体流路(62、70)
を流通せしめられる冷却流体によって、直接に冷却され
ると共に、前記冷却水路72に導かれる冷却水によっ
て、冷却水ジャケット28およびスクリーン短辺部22
の壁部を介して、裏側より間接的に冷却されるのであ
り、以て該接続部材50の冷却が強化されているのであ
る。従って、各コーナー部の温度上昇がより低く抑制さ
れ得て、鋳造中における作業者の火傷等が防止され、鋳
造作業を安全に行ない得ることとなったのである。
【0042】因みに、このような構造の鋳型を用いて鋳
造を行なったところ、コイル10への通電中におけるス
クリーン12のコーナー部での温度上昇が、前記実施例
の鋳型よりも更に低く、80〜100℃に抑えられ、極
めて安全に鋳造作業を行なうことができた。なお、かか
る鋳造は、スクリーン12の断面積が1250mm2 であ
るのに対し、接続部材50の当接面積を、それと略同等
の1490mm2 としたスクリーンを用いて、また接続部
材50に対して冷却水を2〜5リットル/分の流量で供
給して、行なった。
【0043】以上、本考案の一、二の実施例について詳
述してきたが、これは文字通りの例示であって、本考案
は、かかる具体例にのみ限定して解釈されるものではな
い。例えば、電磁場遮蔽用スクリーン12における長辺
部20と短辺部22との各当接部に設けられる接続部材
の配設構造は、前記実施例のものだけに限定されるもの
では決してなく、接続部材を三つ以上設けることも可能
である。また、上記実施例では、スクリーン短辺部22
が、その長手方向端面に設けられた接続部材の突出端面
のみによって、スクリーン長辺部20に当接せしめられ
るようになっていたが、そのような接続部材と共に、ス
クリーンも互いに直接当接せしめるようにしても良い。
【0044】また、そのような接続部材を、スクリーン
短辺部22の長手方向端面に加えて、或いはそれに代え
て、該スクリーン短辺部22の長手方向端面が当接され
ることとなるスクリーン長辺部20の対向面上に設ける
ことも可能である。
【0045】さらに、前記実施例では、接続部材48、
50に対する冷却流体系が、スクリーン12の冷却流体
系と一体的に構成されていたが、それらを別の冷却流体
系をもって、それぞれ構成するようにしても良い。
【0046】また、前記実施例では、コイルと電磁場遮
蔽用スクリーンとが、別体構造とされた電磁場鋳造用鋳
型に対して本考案を適用したものの一例を示したが、実
開昭63−53347号公報に示されている如き、コイ
ルと電磁場遮蔽用スクリーンとが一体的に組み合わされ
て成る電磁場鋳造用鋳型に対しても、良好に適用され得
るものである。
【0047】その他、一々列挙はしないが、本考案は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本考案の主旨を逸脱しない限
り、何れも、本考案の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもないところである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に従う構造とされた電磁場鋳造用幅可変
鋳型の一具体例を概略的に示す断面説明図である。
【図2】図1に示されている電磁場鋳造用幅可変鋳型の
平面概略説明図である。
【図3】図2におけるIII −III 断面に相当する要部拡
大説明図である。
【図4】図3におけるIV−IV断面説明図である。
【図5】本考案に従う電磁場鋳造用幅可変鋳型の別の具
体例を示す、図3に対応する図である。
【図6】図5におけるVI−VI断面説明図である。
【符号の説明】
10 コイル 12 スクリーン 14 溶湯柱 20 スクリーン長辺部 22 スクリーン短辺部 28 冷却水ジャケット 40 スリット 48 第一の接続部材 50 第二の接続部材 60,62 流通キャビテ
ィ 72 冷却水路 74 ライナー部材

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全体として矩形枠体形状を呈するコイル
    に沿って、その内周側に位置せしめられる矩形枠体形状
    の電磁場遮蔽用スクリーンを、所定距離隔てて相対向し
    て配された一対の長辺部分と、それら長辺部分の相対向
    する内側面間に跨って、該長辺部分の長手方向に相対向
    して位置し、且つかかる対向方向にそれぞれ移動可能に
    配された一対の短辺部分とによって、構成せしめてなる
    電磁場鋳造用幅可変鋳型において、前記電磁場遮蔽用ス
    クリーンの前記長辺部分と前記短辺部分との各当接部に
    おける、少なくとも何れか一方の当接面を、それぞれ、
    導電性および伝熱性に優れた材料から成る接続部材にて
    構成すると共に、かかる接続部材の内側に位置して、所
    定の冷却流体の流通によって該接続部材を冷却せしめる
    冷却手段を設けたことを特徴とする電磁場鋳造用幅可変
    鋳型。
JP616991U 1990-03-23 1991-01-22 電磁場鋳造用幅可変鋳型 Expired - Lifetime JPH0726033Y2 (ja)

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