JPH07259729A - 可動磁石式往復動流体機械 - Google Patents

可動磁石式往復動流体機械

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JPH07259729A
JPH07259729A JP7996294A JP7996294A JPH07259729A JP H07259729 A JPH07259729 A JP H07259729A JP 7996294 A JP7996294 A JP 7996294A JP 7996294 A JP7996294 A JP 7996294A JP H07259729 A JPH07259729 A JP H07259729A
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JP
Japan
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magnet
piston
movable
permanent magnet
fluid machine
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Application number
JP7996294A
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English (en)
Inventor
Yasuyuki Hirabayashi
康之 平林
Takatoshi Oyama
貴俊 大山
Shigeo Saito
重男 斉藤
Morio Kubo
執生 久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 可動部分の重量を軽量化し、低振動、低騒音
とするとともに、部品点数を削減して構造の簡略化を図
る。 【構成】 永久磁石11の両端部に摺動部材12a,1
2bを一体化し、かつ当該摺動部材12a,12bが最
大径部となるようにピストン兼用磁石可動体10を構成
し、駆動コイル3a,3bを配置した樹脂製ボビン1の
内側にシリンダ室7を設けて前記ピストン兼用磁石可動
体10をそこに移動自在に設けている。そして、フレミ
ングの左手の法則に準ずる推力を前記ピストン兼用磁石
可動体10に発生させている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エアーポンプ等の流体
ポンプやコンプレッサ等の用途に使用できる可動磁石式
往復動流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の可動磁石式往復動流体機
械としては、本出願人が特願平4−354686号で提
案しているものがある。この特願平4−354686号
の可動磁石式往復動流体機械は、駆動コイル(電磁コイ
ル)を配置したボビンの内側に磁石可動体を移動自在に
配置してなる可動磁石式アクチュエータを用い、前記ボ
ビンに対し一定位置関係に設けられたケーシング室に往
復駆動体を設けるとともに該往復駆動体を可動磁石式ア
クチュエータの磁石可動体に連結して駆動する構造とな
っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記特願平
4−354686号の従来構造は、可動磁石式アクチュ
エータの磁石可動体に往復駆動体を連結する構造である
ため、可動部分の全体重量が重くなり、高速応答性が低
下する嫌いがある。また、可動部分の全体重量が重くな
ると振動が大きくなる問題もでてくる。
【0004】本発明の第1の目的は、上記問題点を解決
して小型、軽量化を図ることのできる可動磁石式往復動
流体機械を提供することにある。
【0005】本発明の第2の目的は、可動部分の重量を
軽量化し、低振動、低騒音の可動磁石式往復動流体機械
を提供することにある。
【0006】本発明の第3の目的は、部品点数を削減し
て構造の簡略化を図りあわせて組立を容易にすることが
できる可動磁石式往復動流体機械を提供することにあ
る。
【0007】本発明のその他の目的や新規な特徴は後述
の実施例において明らかにする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の可動磁石式往復動流体機械は、永久磁石の
端部又は外周の少なくとも一部分に摺動部材を一体化
し、かつ当該摺動部材が最大径部となるようにピストン
兼用磁石可動体を構成し、駆動コイルを配置したボビン
の内側にシリンダ室を設けて前記ピストン兼用磁石可動
体を移動自在に設けたことを特徴としている。
【0009】また、前記ボビンの内周に非磁性パイプを
配置し、該非磁性パイプの内側に前記ピストン兼用磁石
可動体を移動自在に設けてもよい。
【0010】前記シリンダ室の少なくとも一端面側に、
吸入穴及び吸入弁と、排出穴及び排出弁とを設ける構成
としてもよい。
【0011】前記永久磁石及び摺動部材を貫通する貫通
軸体で前記永久磁石及び摺動部材を相互に固定一体化す
る構成としてもよい。その際、前記貫通軸体に係合する
止め輪で前記永久磁石及び摺動部材を当該貫通軸体に固
定することもできる。
【0012】前記ピストン兼用磁石可動体との間の磁気
吸引力又は反発力で前記ピストン兼用磁石可動体を前記
ボビンの中間位置に戻す向きに付勢する磁性体又は永久
磁石を固定配置してもよい。
【0013】前記ピストン兼用磁石可動体が有する永久
磁石の少なくとも外周部を金属又は樹脂でコーティング
する構成としてもよい。
【0014】前記ピストン兼用磁石可動体の永久磁石は
希土類永久磁石であってもよい。
【0015】さらに、前記ピストン兼用磁石可動体が回
転力発生用端面部材を有しているものであってもよい。
【0016】
【作用】本発明の可動磁石式往復動流体機械において、
シリンダ室内を摺動するピストン兼用磁石可動体に発生
する推力は、当該ピストン兼用磁石可動体による磁界
が、通電時の駆動コイルに作用するフレミングの左手の
法則に基づいて与えられる推力に準ずるものである(フ
レミングの左手の法則はコイルに対して適用されるが、
ここでは駆動コイルが固定のため、ピストン兼用磁石可
動体にコイルに作用する力の反力としての推力が発生す
る。)。したがって、推力に寄与するのは、ピストン兼
用磁石可動体が有する永久磁石の磁束の垂直成分(永久
磁石の軸方向に直交する成分)であり、各駆動コイルに
交流電流を流すことでピストン兼用磁石可動体の往復運
動が可能であり、ばね等の機械的復帰機構が無くとも円
滑な往復運動が可能で、機構の簡略化も可能である。
【0017】また、ピストン兼用磁石可動体が、駆動コ
イルの巻かれたボビン内側のシリンダ室を移動する際、
該ピストン兼用磁石可動体の最大径部が樹脂又は金属等
の摺動部材となっているため、該摺動部材が前記シリン
ダ室内周面を直接接触しながら円滑に摺動することがで
きる。
【0018】また、前記ボビンの内周に非磁性パイプを
配置し、該非磁性パイプの内側に前記ピストン兼用磁石
可動体を移動自在に設けた場合、耐摩耗性を改善して長
寿命化を図ることができる。
【0019】前記シリンダ室の少なくとも一端面側に、
吸入穴及び吸入弁と、排出穴及び排出弁とを設けた場
合、エアーポンプ等の流体ポンプを簡単な構造で、小
型、軽量に構成できる。
【0020】前記永久磁石及び摺動部材を貫通する貫通
軸体で前記永久磁石及び摺動部材を相互に固定一体化す
る場合、前記貫通軸体に前記永久磁石及び摺動部材を確
実に固定でき、前記貫通軸体に係合する止め輪で前記永
久磁石及び摺動部材を容易に固定できる。
【0021】固定配置された磁性体又は永久磁石で前記
ピストン兼用磁石可動体を、磁気吸引力又は反発力によ
り前記ボビンの中間位置に戻す向きに付勢する場合、ピ
ストン兼用磁石可動体の振動及び騒音を低減することが
できる。また、ピストン兼用磁石可動体の往復運動の高
速化を図ることができる。
【0022】前記ピストン兼用磁石可動体の永久磁石の
少なくとも外周部を金属又は樹脂でコーティングする構
成とした場合、前記永久磁石の劣化、錆の発生を防止す
ることができる。
【0023】前記ピストン兼用磁石可動体の永久磁石を
希土類永久磁石で構成した場合、小型で強力な磁界を発
生でき、ピストン兼用磁石可動体の推力を向上させるこ
とができる。
【0024】さらに、前記ピストン兼用磁石可動体が回
転力発生用端面部材を有している場合、前記ボビンに対
する前記ピストン兼用磁石可動体の回転方向の位置を往
復運動に伴って変化させることができ、前記ボビン及び
ピストン兼用磁石可動体の偏摩耗を防止でき、長寿命化
を図ることができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明に係る可動磁石式往復動流体機
械の実施例を図面に従って説明する。
【0026】図1乃至図3で本発明の第1実施例を説明
する。この図1はエアーポンプを構成した場合を例示し
ており、1は内周部が円周面となった絶縁樹脂製ボビン
であり、この外周部には、2連の駆動コイル(電磁コイ
ル)3a,3bがそれぞれ巻回されている。この2連の
駆動コイル3a,3bは、相互に異なる向きに電流が流
れるように結線され、その両端の巻線引き出し端が、ボ
ビン外周部に植設された端子ピン2に接続されている。
そして、ボビン1の周囲に駆動コイル3a,3bの周囲
を囲む如く軟磁性体の円筒状ヨーク5が装着されてい
る。但し、円筒状ヨーク5には端子ピン2の部分を回避
するように切り欠きが設けてある。前記ボビン1の内周
部には、ガイド円筒体として機能するステンレス等の非
磁性金属製の円筒パイプ6が固着されている。この円筒
パイプ6の内部がシリンダ室7となる。
【0027】一方、ピストン兼用磁石可動体10は、例
えば軸方向に着磁された穴あき円柱状希土類永久磁石1
1及びこの永久磁石11の両端に配置された穴あき円板
状摺動部材12a,12bに、金属貫通軸体14を挿通
し、該金属貫通軸体14の係合溝15に止め具(金属製
Eリング)16を嵌め込み係止して、当該金属貫通軸体
14に永久磁石11及び摺動部材12a,12bを固定
したものである。但し、希土類永久磁石11及び摺動部
材12a,12bの中心部の穴と金属貫通軸体14との
隙間からエアーが漏洩しないように、摺動部材12a,
12bの穴の内周側で前記希土類永久磁石11に対向す
る部分に切り欠き17を形成し、該切り欠き17にOリ
ング18が設けられている。これにより、摺動部材12
a,12bの穴内周と貫通軸体14との隙間が気密シー
ルされる。ここで、貫通軸体14は非磁性又は磁性金属
であり、穴あき円板状摺動部材12a,12bは、穴あ
き円柱状希土類永久磁石11の外径よりも大きな外径寸
法を有するもので、摩擦係数の小さな耐摩耗性の金属又
は樹脂で形成されている。例えば、金属(磁性又は非磁
性のいずれでもよい)であればステンレス等であり、樹
脂であればフッ素樹脂、ポリアセタール等であり、さら
にステンレス等の金属表面にフッ素樹脂加工等を施した
ものを使用することができる。このような摺動部材12
a,12bは、ピストン兼用磁石可動体10を移動自在
に案内するガイド円筒体としての円筒パイプ6の内周部
に配置したときに、該円筒パイプ6の内周面、すなわち
シリンダ室7の内周面に直接接触しながら円滑に摺動す
る。
【0028】なお、前記金属貫通軸体14に永久磁石1
1や摺動部材12a,12b等を一体化する際に接着剤
を併用してもよい。
【0029】また、希土類永久磁石11の少なくとも外
周部は、予め金属又は樹脂でコーティングして、錆の発
生や、特性劣化を防止する。
【0030】前記ボビン1の両側には、前記ピストン兼
用磁石可動体10をボビン1の内周側のシリンダ室7に
配置した状態で、偏平円筒状接続部材20がそれぞれO
リング21を介して装着され、さらに接続部材20の内
側に弁ユニット22がそれぞれOリング23を介し嵌め
込まれている。弁ユニット22の外側にはゴムカバー2
6が被せられており、両方の弁ユニット22をゴムカバ
ー26を介して挟持するように断面コ字状保持枠体24
がビス25で固着されている。これらのビス25は弁ユ
ニット22のケーシング22aに螺合している。なお、
Oリング21はボビン1と接続部材20との接合部分を
気密シールし、Oリング23は接続部材20内周面と弁
ユニット22の外周面との隙間を気密シールする。
【0031】図2及び図3のように、弁ユニット22
は、相互に隔離された吸入側空間30aと排出側空間3
0bからなる内部空間を持つ偏平円筒状ケーシング22
aと、該ケーシング22aの内側端面(シリンダ室7の
端面側に位置する面)に形成された吸入穴31a及び排
出穴31bと、該吸入穴31a及び排出穴31bをそれ
ぞれ開閉する一方向弁(逆止弁)である吸入弁32a及
び排出弁32bと、先端が吸入口33aとして開口した
吸入パイプ部34aと、先端が排出口33bとして開口
した排出パイプ部34bとを有している。なお、吸入穴
31a及び吸入パイプ部34aは吸入側空間30aに連
通する位置に設けられ、排出穴31b及び排出パイプ部
34bは排出側空間30bに連通する位置に設けられて
いる。
【0032】なお、前記2連の駆動コイル3a,3bの
うち、例えば駆動コイル3aは永久磁石11のN極を含
む端部を囲み、駆動コイル3bは、永久磁石11のS極
を含む端部をそれぞれ囲むことができるように円環状に
巻回されており、かつ駆動コイル3aに流れる電流の向
きと、コイル3bの電流の向きとは逆向きである(図1
の各コイルに付したN,Sを参照)。
【0033】この第1実施例では、2連の駆動コイル3
a,3bに電流を流すことにより、ピストン兼用磁石可
動体10による磁界と駆動コイル3a,3bの電流との
相互作用で、フレミングの左手の法則に基づく力に準ず
る推力がそのピストン兼用磁石可動体10に発生する。
この推力は、図1の極性では、ピストン兼用磁石可動体
10が右方向に移動する向きであり、各コイルの電流を
反転させればピストン兼用磁石可動体10の推力の向き
も反転する。従って、駆動コイル3a,3bに例えば5
0Hz又は60Hzの交流電流を通電することで、シリ
ンダ室7のピストン兼用磁石可動体10を1秒間に50
回又は60回往復動させることができる。その際、軟磁
性体円筒状ヨーク5は駆動コイル3a,3bの電流の向
きに直交する磁界成分を増加させてフレミングの左手の
法則に基づく力に準ずる推力を大きくできる作用があ
る。また、ピストン兼用磁石可動体10の重量、移動距
離、磁界の強さ、駆動コイル3a,3bの通電量等を適
切に設定してピストン兼用磁石可動体10の往復振動の
共振点を50Hz又は60Hzに近づけることで、一層
効率的なピストン兼用磁石可動体10の往復動が得られ
る。
【0034】前記ピストン兼用磁石可動体10のシリン
ダ室7内の往路の移動動作によりピストン兼用磁石可動
体10と弁ユニット22との間の空間の容積が増加する
と、吸入弁32aが開き、図3(A)の矢印Pのように
吸入口33aから入ったエアーは矢印Qのように吸入穴
31aを通過してシリンダ室7内に入る。このシリンダ
室7内に吸入されたエアーは、次のピストン兼用磁石可
動体10の復路の移動動作によりピストン兼用磁石可動
体10と弁ユニット22との間の空間の容積が減少する
ことにより、図3(B)の開いた排出弁32b(吸入弁
32aは閉じている)及び排出穴31bを矢印Rのよう
に通過して矢印Sのように排出口33bから送出される
ことになる。
【0035】なお、左右の弁ユニット22の動作は、動
作のタイミングが半周期ずれるだけてポンプ動作は同じ
である。
【0036】この第1実施例によれば、次の通りの効果
を得ることができる。
【0037】(1) シリンダ室7内のピストン兼用磁石
可動体10の磁界と、駆動コイル3a,3bに通電した
交流電流との間のフレミングの左手の法則に基づく力に
準ずる推力でピストン兼用磁石可動体10を駆動でき、
ばね等の機械的復帰機構が無くとも円滑な往復運動が可
能であり、機構の簡略化も可能である。
【0038】(2) ボビン1内周部をシリンダ室7と
し、磁石可動体とピストンとが一体となったピストン兼
用磁石可動体10をシリンダ室7内に摺動自在に設けて
いるため、可動部分が軽量であり、高速応答性が良くな
り、振動や騒音を低減することができる。また、小型化
を図ることができる。また、永久磁石11として磁界の
強力な希土類磁石を用いることで、小型にして充分な推
力を得ることができる。
【0039】(3) 穴あき円柱状希土類永久磁石11よ
りも大きな外径の穴あき円板状摺動部材12a,12b
が、ボビン1の内周側の非磁性パイプ6に直接接触しな
がら摺動するため、金属貫通軸体14を摺動自在に支持
する軸受やこれを固定するための部材が不要となり、部
品点数が少なく、簡単な構造となる。また、円筒パイプ
6として摩擦係数の少なく耐摩耗性の良好な非磁性金属
等の材質のものを選ぶことで、長寿命化を図ることがで
きる。
【0040】(4) 円筒状ヨーク5を駆動コイル3a,
3bの外側に配置したことにより、駆動コイル3a,3
bの電流の向きに直交するピストン兼用磁石可動体10
の磁界成分を増加させてフレミングの左手の法則に基づ
く力に準ずる推力を大きくできる。また、円筒状ヨーク
5と、ピストン兼用磁石可動体10の永久磁石11の磁
極との間で当該ピストン兼用磁石可動体10をヨーク中
間点に戻す磁気吸引力が働き、ピストン兼用磁石可動体
10の往復動を高速、円滑化することができる。
【0041】図4は本発明の第2実施例を示す。この図
において、ボビン1内側のシリンダ室7の両端部には、
ピストン兼用磁石可動体10が有する希土類永久磁石1
1の磁極との間で反発力を発生させるための円環形状等
の永久磁石40が固定されている。なお、その他の構成
部分は前述の第1実施例と同様であり、同一又は相当部
分に同一符号を付して説明を省略する。
【0042】この第2実施例の場合、ピストン兼用磁石
可動体10の往復動を高速かつ円滑化することができ、
永久磁石40の磁界の強さを適切に設定してピストン兼
用磁石可動体10の往復振動の共振点を50Hz又は6
0Hzに近づけることで、一層効率的なピストン兼用磁
石可動体10の往復動が得られる。
【0043】図5は本発明の第3実施例を示す。この図
において、ボビン1外側の軟磁性体ヨーク5の代わり
に、ピストン兼用磁石可動体10が有する希土類永久磁
石11の磁極との間で吸引力を発生させるための円環形
状等の永久磁石41が固定されている。この永久磁石4
1は例えば厚み方向(軸方向)に着磁されているものであ
る。なお、その他の構成部分は前述の第1実施例と同様
であり、同一又は相当部分に同一符号を付して説明を省
略する。
【0044】この第3実施例の場合、ボビン1外側の中
間位置に永久磁石41を固定配置することで、ピストン
兼用磁石可動体10をボビン1の中間位置に戻す向きの
磁気吸引力を発生させることができ、ピストン兼用磁石
可動体10の往復動を高速かつ円滑化することができ、
永久磁石41の磁界の強さを適切に設定してピストン兼
用磁石可動体10の往復振動の共振点を50Hz又は6
0Hzに近づけることで、一層効率的なピストン兼用磁
石可動体10の往復動が得られる。
【0045】図6は第1、第2又は第3実施例でピスト
ン兼用磁石可動体10の代わりに使用可能なピストン兼
用磁石可動体の変形例である。この場合のピストン兼用
磁石可動体50は、円柱状希土類永久磁石51と、この
外周面に被せられたステンレス等の非磁性金属製の円筒
状摺動部材52とからなっている。この円筒状摺動部材
52は円柱状希土類永久磁石51の外周に被せた後、そ
の両端部をかしめることにより円柱状希土類永久磁石5
1に固定一体化されるが、その際に気密なピストンとし
て機能するように円柱状希土類永久磁石51と円筒状摺
動部材52との隙間に接着用樹脂等を充填する。
【0046】この図6のピストン兼用磁石可動体50の
最大径部は円筒状摺動部材42であり、これがボビン内
周に配置された非磁性パイプ6の内側に直接接して円滑
に摺動できる。このような構造とすることで、ピストン
兼用磁石可動体50の部品点数を希土類永久磁石51及
び摺動部材52の2点に削減でき、構造の簡略化を図る
とともに組立容易とすることができる。
【0047】図7は第1、第2又は第3実施例でピスト
ン兼用磁石可動体10の代わりに使用可能なピストン兼
用磁石可動体の他の変形例である。この場合のピストン
兼用磁石可動体60は、図8のように回転力発生用テー
パー面63を外側端面に放射状に形成した穴あき円板状
摺動部材62a,62bを穴あき円柱状希土類永久磁石
11の両側に配置し、金属貫通軸体14を挿通し、該金
属貫通軸体14の係合溝15に止め具(金属製Eリン
グ)16を嵌め込み係止して、当該金属貫通軸体14に
永久磁石11及び摺動部材62a,62bを固定したも
のである。なお、切欠き17にOリング18が設けられ
ている。
【0048】この場合、ピストン兼用磁石可動体60の
両端の円板状摺動部材62a,62bは、当該ピストン
兼用磁石可動体の往復動に伴い回転力を発生するテーパ
ー面63を放射状に有する回転力発生用端面部材として
機能する。このため、シリンダ室内にピストン兼用磁石
可動体60を設けて往復動させた場合に、偏摩耗を防止
して長寿命化を図ることができる。
【0049】なお、図6の構造にテーパー面を放射状に
有する回転力発生用端面部材を一体化してピストン兼用
磁石可動体を構成するようにしてもよい。
【0050】また、図6及び図7のピストン兼用磁石可
動体の場合にも、希土類永久磁石11の少なくとも外周
部の露出部分を金属又は樹脂でコーティングして、錆の
発生や、特性劣化を防止することが望ましい。
【0051】以上本発明の実施例について説明してきた
が、本発明はこれに限定されることなく請求項の記載の
範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者
には自明であろう。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の可動磁石
式往復動流体機械によれば、永久磁石の端部又は外周の
少なくとも一部分に摺動部材を一体化し、かつ当該摺動
部材が最大径部となるようにピストン兼用磁石可動体を
構成し、駆動コイルを配置したボビンの内側にシリンダ
室を設けて前記ピストン兼用磁石可動体を移動自在に設
けたので、次のような効果を得ることができる。
【0053】(1) シリンダ室内のピストン兼用磁石可
動体の磁界と、駆動コイルに通電した交流電流との間の
フレミングの左手の法則に基づく力に準ずる推力でピス
トン兼用磁石可動体を駆動できる。このため、ばね等の
機械的復帰機構が無くとも円滑な往復運動が可能であ
り、機構の簡略化が可能である。また、効率がよく電力
消費を少なくすることができる。
【0054】(2) 駆動コイルが巻装されたボビン内周
部をシリンダ室としており、外形の小型化及び軽量化が
可能であり、さらに、磁石可動体とピストンとが一体と
なったピストン兼用磁石可動体をシリンダ室内に移動自
在に設けているため、可動部分の小型化、軽量化が可能
であり、高速応答性を改善して、振動や騒音を低減する
ことができる。
【0055】(3) ピストン兼用磁石可動体の最外周部
をなす摺動部材が、ボビン内周側のシリンダ室の内周面
に直接接触しながら摺動するため、ピストン兼用磁石可
動体を摺動自在に支持するための軸や軸受け部材は不要
であり、部品点数を少なくして簡単な構造とすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る可動磁石式往復動流体機械の第1
実施例を示す側断面図である。
【図2】第1実施例で用いる弁ユニットの正面図であ
る。
【図3】第1実施例で用いる弁ユニットの動作説明図で
ある。
【図4】本発明に係る可動磁石式往復動流体機械の第2
実施例を示す側断面図である。
【図5】本発明に係る可動磁石式往復動流体機械の第3
実施例を示す側断面図である。
【図6】第1、第2及び第3実施例において用いること
のできるピストン兼用磁石可動体の変形例を示す側断面
図である。
【図7】第1、第2及び第3実施例において用いること
のできるピストン兼用磁石可動体の他の変形例を示す側
断面図である。
【図8】図7のピストン兼用磁石可動体で用いる摺動部
材の斜視図である。
【符号の説明】
1 ボビン 2 端子ピン 3a,3b 駆動コイル 5 円筒状ヨーク 6 円筒パイプ 7 シリンダ室 10,50,60 ピストン兼用磁石可動体 11,51 希土類永久磁石 12a,12b,62a,62b 摺動部材 14 金属貫通軸体 15 係合溝 16 止め具
フロントページの続き (72)発明者 久保 執生 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティー ディーケイ株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 永久磁石の端部又は外周の少なくとも一
    部分に摺動部材を一体化し、かつ当該摺動部材が最大径
    部となるようにピストン兼用磁石可動体を構成し、駆動
    コイルを配置したボビンの内側にシリンダ室を設けて前
    記ピストン兼用磁石可動体を移動自在に設けたことを特
    徴とする可動磁石式往復動流体機械。
  2. 【請求項2】 前記ボビンの内周に非磁性パイプを配置
    し、該非磁性パイプの内側に前記ピストン兼用磁石可動
    体を移動自在に設けた請求項1記載の可動磁石式往復動
    流体機械。
  3. 【請求項3】 前記シリンダ室の少なくとも一端面側
    に、吸入穴及び吸入弁と、排出穴及び排出弁とが設けら
    れている請求項1又は2記載の可動磁石式往復動流体機
    械。
  4. 【請求項4】 前記永久磁石及び摺動部材を貫通する貫
    通軸体で前記永久磁石及び摺動部材を相互に固定一体化
    した請求項1,2又は3記載の可動磁石式往復動流体機
    械。
  5. 【請求項5】 前記貫通軸体に係合する止め輪で前記永
    久磁石及び摺動部材を当該貫通軸体に固定した請求項4
    記載の可動磁石式往復動流体機械。
  6. 【請求項6】 前記ピストン兼用磁石可動体との間の磁
    気吸引力又は反発力で前記ピストン兼用磁石可動体を前
    記ボビンの中間位置に戻す向きに付勢する磁性体又は永
    久磁石を固定配置した請求項1,2,3,4又は5記載
    の可動磁石式往復動流体機械。
  7. 【請求項7】 前記ピストン兼用磁石可動体が有する永
    久磁石の少なくとも外周部を金属又は樹脂でコーティン
    グした請求項1,2,3,4,5又は6記載の可動磁石
    式往復動流体機械。
  8. 【請求項8】 前記ピストン兼用磁石可動体の永久磁石
    が希土類永久磁石である請求項1,2,3,4,5,6
    又は7記載の可動磁石式往復動流体機械。
  9. 【請求項9】 前記ピストン兼用磁石可動体が回転力発
    生用端面部材を有している請求項1,2,3,4,5,
    6,7又は8記載の可動磁石式往復動流体機械。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6966760B1 (en) 2000-03-17 2005-11-22 Brp Us Inc. Reciprocating fluid pump employing reversing polarity motor
US7753657B2 (en) 2005-02-02 2010-07-13 Brp Us Inc. Method of controlling a pumping assembly

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