JPH07259543A - ヒーターユニット - Google Patents

ヒーターユニット

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JPH07259543A
JPH07259543A JP6048182A JP4818294A JPH07259543A JP H07259543 A JPH07259543 A JP H07259543A JP 6048182 A JP6048182 A JP 6048182A JP 4818294 A JP4818294 A JP 4818294A JP H07259543 A JPH07259543 A JP H07259543A
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智治 近藤
Masato Ito
匡人 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ガス流れ方向に平行な多数の貫通孔を有する
金属質のハニカム構造体10に、通電のための少なくと
も1個の電極22を有してなるハニカムヒーター12
を、金属質の保持部材16を介して金属質の缶体19に
保持して構成されるヒーターユニットである。ヒーター
ユニットは、ハニカムヒーター12と保持部材16との
連結部又は保持部材16と缶体19との連結部の少なく
とも一方が絶縁部を有し、さらに保持部材16は、ハニ
カムヒーター12のガス流れ方向に対して実質的に垂直
方向に発生する変位を吸収し得る構造を有し、ガス流れ
方向に発生する変位に対してはハニカムヒーター12を
固定する機能を有する。 【効果】 自動車等の苛酷な条件下、振動及び熱衝撃に
よる膨張・収縮に対して、ハニカムヒーターの破損、剥
離が生じない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車排ガスの浄化等
に好適に用いることができるヒーターユニットに関す
る。
【0002】
【従来の技術】最近になり、自動車等の内燃機関から排
出される排気ガス中の窒素酸化物(NOX)、一酸化炭
素(CO)、炭化水素(HC)を浄化するための触媒、
触媒担体等として、従来公知の多孔質セラミックハニカ
ム構造体の他に、金属ハニカム構造体が注目を集めるよ
うになってきた。一方、排ガス規制の強化に伴い、コー
ルドスタート時のエミッションを低減するヒーター等の
開発も切望されている。
【0003】このようなハニカム構造体として、例えば
実開昭63−67609号公報に記載の技術が知られて
いる。この実開昭63−67609号公報には、セラミ
ック製主モノリス触媒の上流側に近接させてメタル担体
にアルミナをコートした電気通電可能なメタルモノリス
触媒を配設した触媒コンバーターが開示されている。
【0004】しかしながら、実開昭63−67609号
公報記載の触媒コンバーターにおいては、主モノリス触
媒の上流側に近接させて配設したプレヒーターとしての
メタルモノリス触媒は、単にフォイルタイプのメタルハ
ニカム構造体の内周から外周へ通電し発熱させるもので
あって、その抵抗が調節されておらず(すなわち、材
質、寸法、リブ厚が規定されるのみで、所望の抵抗が調
節されていない)、昇温特性が不十分であるという問題
があった。
【0005】そこで、本出願人は、先に、ハニカム構造
体に通電のための少なくとも2つの電極を設けるととも
に、該電極間にスリット等の抵抗調節機構を有し、該ス
リット外周部にジルコニア系耐熱性無機接着剤を充填し
たヒーターを提案した(特開平3−296184号)。
本出願人はまた、ハニカムヒーターの外周部をセラミッ
ク質のマット、クロス等の絶縁物質を介在させ金属質バ
ンドで被覆することによりハニカムヒーターを保持する
方法などを提案した(特開平4−241715号)。さ
らに特開平4−241715号には、バンドやリング自
体を、例えばAl23やZrO2を溶射してセラミック
コーティングし、バンド及びリング表面に絶縁保護膜を
形成する方法も開示されている。
【0006】本出願人は更に、抵抗調節機構の少なくと
も一部分に絶縁性を有するセラミックコーティング(例
えばホーロー加工)を施すか、抵抗調節機構たるスリッ
トの外周部に絶縁性セラミックコーティングされた金属
質のスペーサーを挿入してなる抵抗調節型ヒーターを絶
縁性を有するセラミックコーティングが施された缶体に
保持してなるヒーターユニット(特願平3−16764
5号)を提案した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記したいずれの方法
もヒーターの抵抗調節機構を絶縁して保護する手法を示
すものであるが、自動車の苛酷な運転条件下(特に、振
動と熱衝撃)においては、特開平3−296184号の
ヒーターは、無機接着剤が脱離する可能性があり、ま
た、特開平4−241715号のヒーターは、水平方向
及び垂直方向の振動によりヒーターが変形し、スペーサ
ーが破壊したり、絶縁用マットが損耗する恐れがある。
特願平3−167645号のヒーターユニットにおいて
は、これらの問題の大部分は解消されているものの、導
通の恐れのある箇所は全てセラミックコーティングを施
す必要があり、必ずしも簡易な方法ではない。また、バ
ッテリー、ケーブル等ヒーターシステムの軽量化及び更
なる低エミッション化を達成せんがため、より高い温度
の排気ガスを利用して早期に触媒を機能させることので
きるエンジン近傍個所(例えば、マニホールド位置)へ
のヒーターの設置が要請されている。マニホールド位置
にヒーターを設置する場合、振動は30G前後と苛酷と
なり、又振動方向はヒーターユニットのガス流れ方向と
平行な縦振動が主で、熱衝撃も更に厳しくなる。
【0008】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は上記し
た課題に鑑みてなされたもので、本発明によれば、ガス
流れ方向に平行な多数の貫通孔を有する金属質のハニカ
ム構造体に、通電のための少なくとも1個の電極を有し
てなるハニカムヒーターを、金属質の保持部材を介して
金属質の缶体に保持して構成されるヒーターユニットで
あって、該ハニカムヒーターと該保持部材との連結部又
は該保持部材と該缶体との連結部の少なくとも一方が絶
縁部を有し、さらに該保持部材は、ハニカムヒーターの
ガス流れ方向に対して実質的に垂直方向に発生する変位
を吸収し得る構造を有するとともに、ガス流れ方向に発
生する変位に対してはハニカムヒーターを固定する機能
を有することを特徴とするヒーターユニット(第1発
明)、が提供される。
【0009】また本発明によれば、ガス流れ方向に平行
な多数の貫通孔を有する金属質のハニカム構造体からな
るハニカムヒーターを、金属質の缶体に保持して構成さ
れるヒーターユニットであって、該ヒーターユニットは
通電のための少なくとも1個の電極を有し、該電極は金
属質の連結部材を介して前記ハニカムヒーターと連結す
るとともに、絶縁部材を介して前記缶体に固定され、該
連結部材は、ハニカムヒーターのガス流れ方向に対して
実質的に垂直方向に発生する変位を吸収し得る構造を有
することを特徴とするヒーターユニット(第2発明)、
が提供される。
【0010】さらに本発明によれば、ガス流れ方向に平
行な多数の貫通孔を有する金属質のハニカム構造体から
なるハニカムヒーターを、金属質の缶体に保持して構成
されるヒーターユニットであって、該ヒーターユニット
は通電のための少なくとも1個の電極を有し、該電極は
前記ハニカムヒーターと直接連結するとともに、絶縁部
材と該絶縁部材に連結した緩衝部材を介して前記缶体に
固定され、該緩衝部材は、ハニカムヒーターのガス流れ
方向に対して実質的に垂直方向に発生する変位を吸収し
得る構造を有することを特徴とするヒーターユニット
(第3発明)、が提供される。
【0011】なお、本願においては、第1発明のヒータ
ーユニットに、さらに第2発明に示す連結部材、又は第
3発明に示す緩衝部材を介して電極をハニカムヒーター
に連結する構造とすると、ハニカムヒーターの変形、破
壊のおそれがほとんどなくなり、極めて好ましいもので
ある。
【0012】
【作用】本発明は、ヒーターユニットにおいて、ハニカ
ムヒーターを缶体に保持する保持形態を基本的には次の
3形態とする。 (1) 金属質の保持部材を介して、ハニカムヒーターを缶
体に保持する(第1の保持形態)。 (2) 電極および金属質の連結部材を介して、ハニカムヒ
ーターを缶体に保持する(第2の保持形態)。 (3) 電極をハニカムヒーターに直接連結し、電極は緩衝
部材を介して缶体に固定される(第3の保持形態)。
【0013】なお、ハニカムヒーターと缶体との間に
は、絶縁材を介在させることが必要である。そして、本
発明は、上記保持形態において、保持部材は、ガス流れ
方向と垂直方向の変位に対しては、その変位を吸収し得
る構造を有し、一方ガス流れ方向の変位に対しては、ハ
ニカムヒーターを固定する機能を有するものである。一
方、連結部材、緩衝部材は、ガス流れ方向と垂直方向の
変位に対しては、その変位を吸収し得る構造を有するこ
とを必須とする。このとき、連結部材、緩衝部材が、ガ
ス流れ方向の変位に対してハニカムヒーターを固定する
機能を有さないケースも有り得るが、この場合には電極
がハニカムヒーターを固定する機能を有するように形成
する。従って、このような構成を有する本発明のヒータ
ーユニットは、自動車の苛酷な運転条件下において、振
動および熱衝撃による膨張、収縮に対して、ハニカムヒ
ーターの破壊、変形を抑制することができる。
【0014】次に、本発明の構成要件を詳細に説明す
る。本発明で使用する金属質のハニカム構造体は、ガス
流れ方向に平行な多数な貫通孔を有する。ハニカム構造
体の材質としては、通電により発熱する金属質のもので
あれば任意の材質が使用できるが、自動車排ガス等高温
に晒されるため、耐熱性、耐酸化性の点から、Fe−C
r−Al系の組成が好ましい。ハニカムのセル形状は特
に限定されないが、耐熱衝撃性の点から四角形や三角形
の形状に比して、六角形やそれ以上の多角形、コルゲー
ト形等の伸縮に対してフレキシブルな形状が好ましい。
【0015】ハニカムのセル数についても特に限定され
ないが、熱伝導効率、触媒浄化効率等の点で、100〜
600セル/in2が好ましい。セル数が600セル/in2
を超えると、ガスの圧力損失の点で問題が生じる。ハニ
カム構造体としては、圧延した薄板(フォイル)に波型
をつけて巻き上げるフォイル型、および粉末冶金押出し
法による押出し型の両者を用いることができるが、構造
耐久性の点で押出し型が好ましい。
【0016】ハニカム構造体は、通常所望の電力を投入
するために抵抗を調節する必要があり、例えば押出し型
の場合、抵抗調節手段として、特開平3−295184
号公報に示すようなスリット等を入れている。この場
合、ハニカム構造体の外周部には、通電のための電極が
少なくとも2個設置されてハニカムヒーターとされ、通
電される。なお、このハニカムヒーターを触媒コンバー
ターとして用いる場合には、通常ハニカムヒーター上に
触媒を被覆して使用する。
【0017】上記のようにして得られたハニカムヒータ
ーを缶体内に保持するが、その場合には次の点を考慮す
ることが重要である。即ち、金属質のハニカム構造体の
熱膨張率は、10〜20×10-6/℃と大きく、高温下
のハニカム構造体と比較的低温の缶体との熱膨張差に基
づく変位を吸収する必要があり、さらに、自動車に装着
した場合の苛酷な振動に対し、ハニカム構造体の破壊耐
久性、絶縁機能を維持するために、ハニカムヒーターは
缶体に強固に固定されなければならない。
【0018】そこで、第1発明においては、ハニカムヒ
ーターを金属質の保持部材を介して金属質の缶体に保持
・固定する。ここで、保持部材の最も重要な機能は、ハ
ニカムヒーターのガス流れ方向と垂直な方向(以下、半
径方向という)に発生する変位を吸収し、かつガス流れ
方向に発生する変位に対してはハニカムヒーターを固定
することである。このような保持部材の具体的な構成は
後述するが、基本的には次の構成要件を備えるものであ
る。(1) ハニカムヒーターの半径方向に発生する変位を
吸収するためには、ハニカムヒーターの半径方向にバネ
構造のごとき可撓性のある構造を有し、(2) ガス流れ方
向に発生する変位に対してハニカムヒーターを固定する
ためには、ガス流れ方向に大きな抵抗力、強度で固定す
る構造を有する。
【0019】ハニカムヒーターと缶体は絶縁する必要が
あるため、ハニカムヒーターと保持部材との連結部、又
は保持部材と缶体との連結部の少なくとも一方は絶縁材
から構成される絶縁部を有する。これら両連結部に絶縁
機能を持たせることは安全性の点から好ましいが、製造
工程が煩雑となるため、通常どちらか一方の連結部にお
いて絶縁機能を持たせればよい。ハニカムヒーターと保
持部材との連結部の位置としては、ハニカムヒーターの
外周部、外周部近傍、或いは中心部等任意であるが、連
結部の耐熱性、ガス流れの阻害の観点から、外周部又は
外周部近傍が好ましい。
【0020】なお、ハニカムヒーターを最も苛酷なマニ
ホールド直下に装着する場合、半径方向に発生する変位
とは、例えば、高温ガス流入時の高温のヒーターと比較
的低温の缶体の熱膨張差によって発生する変位であり、
ガス流れ方向に発生する変位とは、エンジンの振動に基
づく変位である。なお、本発明のヒーターユニットは、
ガス流れ方向に垂直な方向の振動に対しても充分な剛性
を持ち、共振により破壊することがない。従って、あら
ゆる方向の振動に対しても充分な耐久性を具備するた
め、マニホールド位置に限らず、床下等、排気管のどの
位置であっても搭載可能である。
【0021】次に、図面に基づいてさらに詳しく説明す
る。まず、本願の第1発明に係るヒーターユニットのタ
イプAについて説明する。図1(a)(b)は、六角セルを有
し、抵抗調節機構として、ハニカム構造体10にスリッ
ト11を設けたハニカムヒーター12を示している。こ
のハニカムヒーター12の外周部に溝13を形成する。
溝13の形成は、焼結後のハニカム構造体10に円筒研
削加工を施すことによって得ることができるが、粉末冶
金押出し法の場合、ハニカム構造体の乾燥体に対して、
予め同様の方法で加工してもよい。一方、図2(a)(b)に
示すようなリングの半割り状を呈する保持部材16を用
いる。保持部材16は、環状部14と足部15を有して
いる。
【0022】上記した保持部材16の環状部14を、図
3に示すように、ハニカムヒーター12の溝13に嵌合
させ連結させる。環状部14の表面には絶縁コート17
が予め被覆されている。ここで、絶縁コート17は、ホ
ーロー、溶射、セラミックコーティング、セメント被覆
等の方法により、ガラス(結晶化ガラスを含む)、セラ
ミック、セメント等の耐熱性無機物が強固に被覆され形
成される。なお、図3には示していないが、ハニカムヒ
ーター12の溝13の表面にも絶縁コート17を被覆し
てもよい。ここで、絶縁コート17の熱膨張率は、保持
部材16の熱膨張率と適合させたものを用いることが好
ましい。
【0023】また、保持部材16とハニカムヒーター1
2とを連結するために、接合材18を用いる。ここで、
接合材18としては通常Al23、ZrO2、SiO2
Al23系等の耐熱性無機セメントを用いることができ
る。また、接合材18はそれ自体が絶縁性を有する材料
を用いることが好ましい。
【0024】以上のようにして、絶縁コート17と接合
材18により絶縁部が形成されることにより、ハニカム
ヒーター12と保持部材16は絶縁部を介して連結され
ることになる。接合材18自体が絶縁性を有する材料か
らなる場合には、絶縁コート17は必ずしも必要ではな
い。尚、絶縁コート17の厚さとしては5〜200μm
の範囲が、強度、絶縁性、耐熱衝撃性の観点から好まし
い。
【0025】絶縁部の形状としては、ガス流れ方向の絶
縁部の投影長さLを、ハニカムヒーターのガス流れ方向
の厚さTに比して短くすることが好ましい。ハニカムヒ
ーター12の熱膨張率は通常10〜20×10-6/℃
で、絶縁部、例えば接合材18の熱膨張率は1〜10×
10-6/℃と小さいため、ハニカムヒーター12と絶縁
部の熱膨張差をできる限り小さくする必要があり、通常
LはTの1/2以下とする。また、自動車用排ガス浄化
用に本発明のヒーターユニットを用いる場合には、Lは
0.5〜10mmの範囲とすることが好ましい。Lが
0.5mm未満では、振動に対して強固な接合ができ
ず、一方10mmを超えると接合材18がハニカム構造
体10との熱膨張差により破壊する恐れが生じる。
【0026】さらに、接合面深さD(これは、溝13の
深さとほぼ同じ)は、ハニカムヒーター12のガス通過
面積をそれほど低減させず、かつ十分な接合強度を得る
ために、2〜10mmの範囲が好ましい。接合材18の
厚さtは1mm以下とすることが好ましい。tが1mm
を超えると、接着強度が低下し、破損の恐れがある。好
ましくは0.01〜0.5mmである。尚、上記した絶
縁部の他の例として、絶縁材とろう材を利用し、ろう付
処理を用いることができる。
【0027】以上のようにして、リングの半割り状の保
持部材16を2個ハニカムヒーター12に連結し、さら
に図4(a)(b)に示す如く、保持部材16同士を溶接によ
って接合し、環状で一体型の保持部材16が接合された
ハニカムヒーター12が得られる。このようにして得ら
れた、環状で一体型の保持部材16を有するハニカムヒ
ーター12は、図5のように、金属質の缶体19内に保
持される。即ち、保持部材16の足部15が、溶接、ネ
ジ止め、はさみ込み、嵌め込み等の手段によって缶体1
9に固定される。ハニカムヒーター12の外周側には、
外周側からのバイパスガスを防止するためにセラミック
マット20等を充填する。マット20は絶縁性に優れる
ことは勿論のこと、耐熱性にも優れ、ハニカムヒーター
12の振動に対し粉化、飛散しにくいことが必要であ
る。また、マット20の排ガスによる風蝕防止のため、
排ガスがマット20に直接当たらないように、図5、図
6に示すような遮蔽板34を設けるか、あるいは図8
(b)(c)に示すように、缶体19の形状を変更することも
可能である。また、排ガスの条件によってマット20に
カーボンが付着し、絶縁性の低下が著しい場合にはマッ
ト20をなくしてもよい。ただし、この場合には、バイ
パスガスが多量にならないように、遮蔽板34とハニカ
ムヒーター12との間の隙間を小さくする等の工夫が必
要となる。
【0028】また、環状で一体型の保持部材16の熱膨
張率は、ハニカムヒーター12の熱膨張率の1〜2倍が
好ましく、1〜1.5倍がさらに好ましい。さらに、ハ
ニカムヒーター12と保持部材16の連結部(溝13)
と、保持部材16と缶体19の連結部21の直線距離は
20mm以内が好ましい。20mmを超えると連結部2
1の熱膨張による変位が大きくなり、また連結部への負
荷が増大する。上記のようにして得られるヒーターユニ
ットは、以下の特徴を有する。ハニカムヒーター12が
高温時に熱膨張すると、外周部に配設された環状で一体
型の保持部材16は、ハニカムヒーター12の熱膨張に
追随するように膨張し、一方、保持部材16の足部15
は缶体19に強固に固定されているので、ガス流れ方向
の変位、例えば振動に対して抵抗し、強固な耐久性が発
現される。
【0029】ハニカムヒーター12を通電加熱するため
の電極22としては特に限定されるものではないが、後
述するように、連結部材、緩衝部材を用いてハニカムヒ
ーター、缶体と連結したものが、ハニカムヒーター12
の発生する半径方向の変位を吸収して好ましい。
【0030】また、タイプAの応用例として、図7に示
すように、ハニカムヒーター12のスリット11の切り
込み長さを調節してその端部位置を調節することによ
り、ハニカムヒーター通電時の一体型保持部材16への
伝導熱を活用し、通電時のハニカムヒーター12の熱膨
張に一体型保持部材16を追従させるようにすることは
好ましい。尚、22は電極である。別の応用例として、
図8(a)(b)(c)に示すように、一体型保持部材16の一
部をガス入口側Xに突出させることにより、温度に対す
る追従性を向上させることも好ましい。
【0031】次に、タイプBについて説明する。上記の
ように、タイプAは、半割り状の保持部材16を接合さ
せて、環状で一体型の保持部材16を作製し、この一体
型保持部材16を用いたヒーターユニットを示すもので
あるが、タイプBは、図9(a)(b)に示すように、複数割
りの保持部材16同士を接合させず、図10(a)(b)に示
すように、ハニカムヒーター12の溝13に嵌合・連結
させた例である。この場合には、タイプAと異なり、一
体型保持部材16を用いていないので、高温下のハニカ
ムヒーター12の熱膨張による半径方向の変位を、保持
部材16の足部15で吸収する構造である。また、ガス
流れ方向の変位に対しては保持部材16の環状部14と
缶体との連結部によって抵抗し保持する。このタイプB
の応用例としては、図11(a)(b)に示すように、2個を
超える複数個の保持部材16(図11の場合、7個)を
用いる例が挙げられ、さらに保持部材16とハニカムヒ
ーター12の連結部が同一平面内になくてもよい。
【0032】次にタイプCを説明する。図12(a)(b)に
示すように、絶縁部が保持部材16と缶体19の連結部
にある場合がタイプCである。即ち、ハニカムヒーター
12の外周部に、図13のように、くの字状の薄板から
なる保持部材16を、複数個溶接等の手段により連結す
る。従って、保持部材16とハニカムヒーター12は導
通している。缶体19と連結する側の保持部材16は、
必要に応じて絶縁コート材が被覆される。さらに、予め
2つ割りの缶体19を用い、保持部材16の先端にセラ
ミックマット等の充填材23を挿入し、保持部材16と
充填材23を包みこむようにかしめる。このようにし
て、缶体19とハニカムヒーター12は絶縁された状態
となり、かつ保持部材16はタイプA、Bと同様の効果
を奏することになる。
【0033】更に、タイプA〜Cに共通する応用例を説
明する。図14〜図18の例は、保持部材の断面形状を
示すものである。保持部材16は、環状の一体型でもよ
く、また複数個に分割されたものでもよい。図14は保
持部材16のハニカムヒーター12と連結する部分の先
端をR取りしたものであり、これにより絶縁コート17
の成膜性を向上させたものであり、さらに、ハニカムヒ
ーター12の溝13のエッジ部への応力集中を緩和する
ことができる。図15〜18は、ハニカムヒーター12
の外周部に予め強化部24を設け、保持部材16と強固
に連結した例を示す。強化部24の作製方法としては、
粉末冶金法を用いる場合、ハニカムヒーター12の乾燥
体にハニカムヒーターと同一組成の坏土、または乾燥体
を所望の形状に加工したものを接合し、焼成して得るこ
とができる。この場合には、連結部の強度が改善、向上
する。尚、図15はハニカムヒーター12と保持部材1
6の連結部がハニカムヒーター12の外周部近傍にある
場合を示す。
【0034】図19、図20は、図3に示す例の応用例
で、保持部材16の連結部の断面形状が異なる例を示し
ており、図19の場合には溝13及び保持部材16の環
状部14が、半径方向の平面に対しテーパー(角度)を
有するように形成され、図20の場合には溝13及び保
持部材16の環状部14がR(丸み)を有するように形
成されている。この構成により、保持部材16とハニカ
ムヒーター12の連結部のクリアランスを小さくでき、
その結果接着強度が向上し、高い接合強度が得られる。
図21は、保持部材16の断面形状がU字型の例であ
り、このU字構造が半径方向の変位に対してバネ機能を
有する。図22(a)(b)は、保持部材16として、板状体
をハニカムヒーター12の外周部に渦巻状に配置したも
ので、半径方向の変位に対してバネ機能を有する。図2
3(a)(b)は、ハニカムヒーター12の溝部で連結し、さ
らに図22(a)(b)と同様にバネ機能部をハニカムヒータ
ー12の外周部に渦巻状に配置した保持部材16を示
す。図22(a)(b)及び図23(a)(b)の保持部材16は、
バネ機能部をハニカムヒーター12の外周部に渦巻状に
配置しているので、他の保持部材と比べて保持部材のガ
ス流れ方向の長さが短くなり、コンパクトになる利点を
有する。ここで、保持部材16を図29に示すような電
極と組み合わせる場合、保持部材16の渦巻方向と電極
の連結部材25の渦巻方向を一致させることが、保持部
材16と連結部材25との熱膨張収縮方向が一致して、
干渉しないことから望ましい。
【0035】図24〜図27は、保持部材16とハニカ
ムヒーター12の連結部の強度を維持しつつ軽量化さ
せ、温度に対する追従性を改良させた例を示す。すなわ
ち、図24は、保持部材16の環状部14が中空のリン
グから形成された例、図25及び図26は、保持部材1
6の環状部14が断面U字状リングで形成された例であ
る。また、図27は、保持部材16が波状に構成されて
おり、これによりハニカムヒーター12との連結部の強
度を大きくすることができる。さらに図28は、保持部
材16の先端の断面形状が多角形状になっており、これ
に絶縁コート17が被覆されたものをセメント等の接合
材を用いることなく、かしめて形成した例である。
【0036】なお、第1発明において、ハニカムヒータ
ーとハニカムヒーターを保持する保持部材は、自動車の
排気管の振動に共振して破壊することのないよう、ガス
流れ方向及び半径方向のそれぞれの振動に対して100
0Hz以上、好ましくは2000Hzの固有振動数を持
つことが望ましい。ハニカムヒーターについて、ガス流
れ方向の固有振動数を増加させるには、スリットの切り
込みの長さを短くする、ガス流れ方向厚さを増加させる
等の手段が、また半径方向の固有振動数を増加させるに
は、スリットの切り込み長さを短くする、隣合うスリッ
ト間のセル数を増やす等の手段が有効である。ただし、
上記手段はハニカムヒーターの抵抗値を減少させること
になるため、所定の抵抗値をもつヒーターユニットを得
るためには、ハニカムヒーターの径、ガス流れ方向厚
さ、スリット本数等を調整し、上記固有振動数の条件も
満足する設計が必要である。
【0037】一方、保持部材について、固有振動数を増
加させるには、足部の長さ短くする、足部の幅を広くす
る、足部の本数を増やす等の手段がある。足部の長さが
短すぎると、保持部材の環状部と缶体との熱膨張差によ
って足部に高い応力が発生し、疲労破壊につながるた
め、応力値が30kg/mm2以下、好ましくは15kg/mm2
下となるよう、上述の固有振動数とバランスをとって設
計することが重要である。
【0038】次に、本願の第2発明について説明する。
ヒーターユニットは、通電するための電極を少なくとも
1個有する必要がある。通常、電極はハニカム構造体に
直接溶接等の手法によって接合されるため、この電極が
絶縁碍子等を介して缶体に固定されると、缶体とハニカ
ムヒーターの熱膨張差に基づく相対変位によって、電極
がハニカムヒーターを変形させる恐れがある。従って、
電極とハニカムヒーターの連結方法を改善する必要が生
じるのであり、以下、この例をタイプDとして詳細に説
明する。
【0039】タイプDの典型的な例を図29に示す。図
29に示すように、ハニカムヒーター12は、金属質の
連結部材25を介して電極22と連結する。連結部材2
5の機能は、半径方向に発生する変位を吸収し、ガス流
れ方向に対しては固定機能を有すれば良く、従って前述
の保持部材と同様の材質、形状が適用できる。ただし、
その抵抗値はハニカムヒーターの発熱の妨げにならない
ように充分小さな値とする。
【0040】連結部材25とハニカムヒーター12及び
電極22との接合は溶接等任意の方法が適用できる。ま
た、電極22は絶縁碍子等の絶縁材からなる絶縁部材2
6、碍子固定治具30を介しワッシャー、ナット29に
より缶体19に強固に保持される。タイプDの方法は、
電極22が連結部を介してハニカムヒーター12に固定
されているので、外部から電極22への衝撃に対しハニ
カムヒーター12の破損の恐れが小さい。又、図30に
示すハニカムヒーターは、上記したタイプAと同一の方
法により、保持部材16にてハニカムヒーター12が缶
体19内に保持された例を示すが、図30の例に限ら
ず、それ以外のいかなる方法に対しても本タイプは有効
に作用する。更に、本タイプの別の例として、図31
(a)(b)に示すように、断面形状が略U字型になるように
折返した金属板を連結部材25として電極22とハニカ
ムヒーター12の間に介在させるのも好ましい例の1つ
である。
【0041】なお、第2発明において、電極とハニカム
ヒーターとを連結する連結部材は、ハニカム構造体と缶
体との熱膨張差に基づく変異を吸収できるようにバネ機
能を有するが、そのバネ力は、バネ係数として、ハニカ
ムヒーターのガス流れ方向単位長さ当たり4kgf/mm以
下、好ましくは1kgf/mm以下であることが望ましい。バ
ネ係数が4kgf/mmを超えると、バネ力が大きくなり過ぎ
て、連結部材とハニカムヒーターとの接合部付近のハニ
カムを連結部材が押しつぶしてしまうおそれがある。ま
た、連結部材の断面積は10mm2以上、好ましくは15m
m2以上とすることが、長さは50mm以下、好ましくは2
0mm以下とすることが、通電時の連結部材の温度上昇及
びそれによる連結部材の伸びを小さくするため好まし
い。断面積、長さが、上記の範囲からはずれている場合
には、異常昇温によって連結部材が溶解したり、伸び量
が大きくなり過ぎて、連結部材及び連結部材が接合され
ている電極とハニカムヒーターに高い応力が発生し、破
壊に至る可能性がある。連結部材のバネ係数の減少と断
面積の増加及び長さの減少とは相反する特性のため、バ
ランスよく設計することが重要である。
【0042】次に、本願の第3発明について説明する。
第3発明も第2発明と同様に、電極構造に特徴を有す
る。その一例をタイプEとして、その電極構造を図32
に示す。図32に示す如く、電極22は直接溶接等の手
段によりハニカムヒーター12に接合されるとともに、
絶縁碍子等の絶縁材からなる絶縁部材26にナット29
により連結され、さらに絶縁部材26は緩衝部材27を
介して缶体19に固定される。緩衝部材27は、上記し
た保持部材、連結部材と同様に、ハニカムヒーター12
の半径方向の変位を吸収し、またガス流れ方向の変位に
対しては固定機能を有する。なお、第3発明において、
緩衝部材は、上述した第2発明の連結部材と同様に、バ
ネ係数として、ハニカムヒーターのガス流れ方向単位長
さ当たり4kgf/mm以下、好ましくは1kgf/mm以下のもの
であることが望ましい。バネ係数が4kgf/mmを超える
と、バネ力が大きくなり過ぎて、電極接合部付近のハニ
カムを押しつぶしてしまうおそれがある。
【0043】更に、第2発明のタイプD、第3発明のタ
イプEは、前述したタイプA〜C等に示す保持部材を利
用した保持方法を併用することにより、ハニカムヒータ
ーの変形、破壊等の恐れは殆ど発現しなくなり、最も好
ましいものである。
【0044】
【実施例】以下、本発明を実施例に基いて更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0045】(1) ハニカムヒーターの調製方法ハニカム構造体 :平均粒径44μm以下のFe粉末、C
r−30Al粉末(重量%)、Fe−50Al粉末(重
量%)、Fe−20B粉末(重量%)及びY23粉末を
Fe−12Cr−10Al−0.05B−0.5Y23
という組成になるように添加、混合した。この混合物1
00g当り、メチルセルロース(4g)を有機バインダ
ーとして、また、オレイン酸(1g)を酸化防止剤とし
て添加し、混合した。このように坏土を調製した後、直
径が113mm、厚さ30mmの円柱形状のハニカム成
形体を押出成形により得た。
【0046】 このハニカム成形体を大気中、90℃で
16時間乾燥し、次いで、水素雰囲気下で1325℃に
2時間保持して焼結した。上記方法により、外径93m
mφ、厚さ25mm、隔壁厚さ0.1mmで、六角セル
よりなるセル密度450セル/平方インチのハニカム構
造体を得た。次に、この外周部に円筒研削盤にて幅3.
5mm、深さ4mmの溝13を形成し、さらにスリット
11を貫通孔の軸と平行な方向に、スリット間のセル数
が8個となるようにダイヤモンドソーにより研削加工し
て形成し、次いで空気中、1150℃で30分熱処理を
行なうことにより、図1(a)(b)に示すハニカム構造体1
0を得た。
【0047】触媒調整法:γ−Al23とCeO2とを
重量比で70:30となるように、それぞれの粉末を調
整し、これらの粉末に水と微量の硝酸を添加し、湿式法
で粉砕し、担持スラリーを調整した。この担持スラリー
を用い、ディップ法により、ハニカム構造体10にウォ
ッシュコート層を形成した。次いで、このウォッシュコ
ート層を乾燥した後、500℃で焼成し、γ−Al23
とCeO2とを被覆した。次いで、PtとRhとをモル
比で5:1、かつ総担持量が40g/ft3になるよう
に、塩化白金酸と硝酸ロジウムとからなる水溶液に約2
0分含浸させ、触媒を担持した。
【0048】電極: (タイプD)図30に示すように、長さ方向にR:50
mmで曲げた厚さ1.5mm、幅15mm、長さ45m
mのSUS409Lの導電プレート(連結部材)25の
一端に、M10×1.25(外径:φ10mm、ピッ
チ:1.25mm)、長さ30mmのSUS409L製
ねじ型電極22を溶接し、一方導電プレート25の他端
をハニカム構造体10と溶接することにより、導電プレ
ート25を配設した。缶体19と電極22との固定は、
図30に示すように、缶体19に設けられたφ14mm
の孔28に、内径φ11mm、外径φ20mm、厚さ4
mmのAl2O3製碍子をはさんで電極22を取り出しナ
ット29にて固定する方法で行なった。
【0049】(タイプE)M10×1.25、長さ40
mmのSUS409L製ボルト(電極22)を用意し、
ハニカム構造体10と溶接した。さらに、緩衝部材27
として図32に示すような同心円状の波を持ち、中心に
φ14mmの孔を有する板厚0.8mm、外径φ50m
mのSUS310S部材(緩衝部材27)を用意した。
電極22と缶体19との固定は、図32に示すように、
まず電極22と緩衝部材27をタイプDと同じ碍子26
をはさんでナット29で締め込み固定し、次に緩衝部材
27の外周部と缶体19とを溶接固定する方法で行なっ
た。
【0050】(タイプF)タイプEと同じ方法にて電極
22をハニカム構造体10と溶接した。次に、図33に
示すような碍子固定治具30として、両端に内径φ2
0.5mmの凹部、中心にφ14mmの孔を有する外径
φ23mm、高さ10mmのSUS310Sの部材を用
意し、また碍子26として内径φ11mm、外径φ20
mm、高さ4mm及び8mmのAl23製碍子を用意し
た。電極22と缶体19との固定は、図33に示すよう
に、まず、碍子26、碍子固定治具30をワッシャー、
ナット29にて電極22に固定し、次に缶体19に設け
られたφ23.5mmの孔に挿入し、溶接固定する方法
で行なった。
【0051】(2) ヒーターユニットの調製方法 (実施例1)ハニカム構造体10に触媒を担持調整した
後、タイプDの電極付き導電プレート25を取付け、ま
た保持部材16として、図2に示す厚さ3mm、外周R
44mm、内周R35.5mmの半円弧部(環状部1
4)と厚さ1.5mm、幅8mm、長さ20mmの足部
14を4本を有するSUS310S部材を2つ用意し
た。次に、保持部材16の環状部14にアルミナを20
〜25μm溶射し、絶縁コート17を形成した。
【0052】次いで、ハニカム構造体10に形成したス
リット11の溝13以外の部分に厚さ0.8mmのスペ
ーサーを挿入し、仮止めした。次に溝部13に無機セメ
ントを充填し、2つの保持部材16を挿入し、空気中で
100℃で1時間、次いで300℃で1時間乾燥し、固
定した。ここで、無機セメントはAl23を主成分とす
る日本化学工業製のボンドX#64を使用した。乾燥
後、仮止めスペーサーをはずし、2つの保持部材16の
突合せ部を溶接にて結合し、図4のように環状化した。
次に、保持部材16を固定したハニカムヒーター12
を、図5に示すように、保持部材足部15と、SUS3
10S製で厚さ1.5mmの缶体19を溶接にて固定し
た。また、ハニカムヒーター12の外周部にガスリーク
防止用のセラミックマット20として住友3M製インタ
ラムマット(商標)を配置し、さらにマット20の風触
防止用の内径φ93mmの遮蔽板を缶体19と溶接固定
し、電極をタイプDの方法にて固定し、図5に示すよう
な、ガス流れ方向入口側に保持部材16の足部15を有
する全長100mm、抵抗値30mΩのハニカムヒータ
ーユニットAを得た。
【0053】(実施例2)図9に示す頂角85°の円弧
で、それ以外は実施例1と同じ保持部材16を用意し、
実施例1と同一方法にて図10に示されるハニカムヒー
ター12を得た。このハニカムヒーターユニット12に
タイプEの電極を取り付け、それ以外は実施例1と同様
にしてニカムヒーターユニットBを得た。
【0054】(実施例3)実施例1と同一方法にて同一
形状のハニカム成形体を得た。次に該ハニカム成形体と
同一材質の厚さ1.5mm、10mm角の中実ブロック
成形体を6個用意した。
【0055】ハニカム成形体と同一材質の成形体に少量
の水を混ぜあわせて作成したのり(ペースト)を用いて
中実ブロック成形体をハニカム成形体の外周に貼り、次
いで実施例1と同一方法にて焼成、スリット加工、触媒
付を行ない、図12に示すハニカム構造体10を作製し
た。更に、図13に示されるように、幅8mm、長さ2
4mm、厚さ1.5mmのSUS409L製の保持部材
16を用意し、その一端を溶接にてハニカム構造体10
のブロックと固定した。次に、保持部材16の他端を、
アルミナ・シリカ系の連続繊維から編み上げられたファ
イバーマット23(住友3M社製ネクステルマット(商
標)、1.5mm厚)で被覆した状態にて缶体19に設
けた溝に挿入し、さらにかしめて固定した。一方、電極
は実施例2と同じ方法にてタイプEの電極を取り付け、
それ以外は実施例1と同じ方法にてガスリーク防止マッ
ト及び遮蔽板を設け、図12に示す保持構造をもつハニ
カムヒーターCを得た。
【0056】(実施例4)電極のみをタイプFの方法に
て取り付け、それ以外は実施例1と同一方法、同一構造
にてハニカムヒーターユニットDを得た。
【0057】(実施例5)電極のみをタイプFの方法に
て取り付け、それ以外は実施例2と同一方法、同一構造
にてハニカムヒーターユニットEを得た。
【0058】(比較例1)実施例1と同一方法にて、溝
のないスリット入りで触媒付のハニカムヒーター12’
を得た。次に、厚さ0.8mm、幅15mm、高さ4m
mのZrO2製スペーサーをハニカムヒーター外周のス
リット開放端に挿入し、実施例1と同じ無機セメントに
て接合し、空気中100℃で1時間乾燥固定した。次い
で、電極引き出し孔を設けた断面がコの字状の板厚1m
m、幅37mmのSUS310S製の円筒状でコの字状
保持部材16’の内側にハニカムヒーター12’を挿入
し、無機セメントが露出しないように無機セメント充填
層31の端面部に、断面がL字状で厚さ2mmの円筒状
碍子26をセットして実施例1と同じセメントを充填し
た。次に、空気中にて100℃で6時間、更に300℃
で3時間の乾燥を行ない、図34に示すような、保持部
材と一体化したハニカムヒーター12’を得た。
【0059】さらに、ハニカムヒーター12’の外周
に、保持用マット32として住友3M製インタラムマッ
ト(商標)(3.4mm厚さ)を巻き、幅37.5mm
の凹部を持つ1.5mm厚の缶体19にはめ込み、実施
例4と同様にしてタイプFの電極を設け、実施例1と同
様の外形状を持つハニカムヒーターユニットFを得た。
【0060】(比較例2)比較例1と同一方法にて、ス
ペーサーを挿入した同じハニカム構造体を得た。次に、
実施例3と同じ厚さ3mm、幅30mmのアルミナ・シ
リカ(Al23・SiO2)系ファイバーマット33を
電極部を除いてハニカム構造体外周部に巻き、比較例1
と同様な幅31mmの凹部をもつ缶体19にはめ込み、
電極その他を比較例1と同様にしてハニカムヒーターユ
ニットGを得た。
【0061】(3) 加振バーナー耐久試験 実車耐久試験を模擬した加振バーナー耐久試験により、
上記実施例1〜5及び比較例1〜2で得られたヒーター
ユニットの耐久性を調べた。即ち、プロパンバーナーの
排ガス(吸入空気量1m3/min、プロパン20Nl
/min)を用い、ヒーター温度を200℃から950
℃まで5分間で昇温し、さらに950℃から200℃ま
で5分間で降温するサイクルを200サイクル繰り返し
た。この時、ヒーターユニットに対して、加振機を用い
強制的にガス流れ方向に28G、200Hzの振動が与
えられた。結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】表1より、本発明の保持構造及び/又は電
極構造を有するヒーターユニットは排気管内のきびしい
熱衝撃と振動に対して十分な構造耐久性を有することが
わかる。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
自動車などの苛酷な条件下、振動及び熱衝撃による膨張
・収縮に対して、ハニカムヒーターの破壊、剥離などが
生じないヒーターユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハニカムヒーターの一例を示し、(a)は平面
図、(b)は側面図である。
【図2】保持部材の一例を示し、(a)は平面図、(b)は側
面図である。
【図3】ハニカムヒーターの外周部の一例を示す部分断
面図である。
【図4】保持部材を有するハニカムヒーターの一例を示
し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図5】第1発明のヒーターユニットの一例を示す一部
切欠き断面図である。
【図6】ハニカムヒーターと缶体を保持部材で連結した
例を示す部分断面図である。
【図7】保持部材を有するハニカムヒーターの一例を示
す平面図である。
【図8】ハニカムヒーターと缶体を保持部材で連結した
例を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)
は一部断面を示す側面図である。
【図9】保持部材の他の例を示し、(a)は平面図、(b)は
側面図である。
【図10】第1発明のヒーターユニットの他の例を示
し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図11】第1発明のヒーターユニットのさらに他の例
を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図12】第1発明のヒーターユニットのさらに他の例
を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B断面図であ
る。
【図13】図12に示すヒーターユニットの保持部材を
示す説明図である。
【図14】ハニカムヒーターと保持部材の連結状況の例
を示す説明図である。
【図15】ハニカムヒーターと保持部材の連結状況の例
を示す説明図である。
【図16】ハニカムヒーターと保持部材の連結状況の例
を示す説明図である。
【図17】ハニカムヒーターと保持部材の連結状況の例
を示す説明図である。
【図18】ハニカムヒーターと保持部材の連結状況の例
を示す説明図である。
【図19】ハニカムヒーターの外周部の他の例を示す部
分断面図である。
【図20】ハニカムヒーターの外周部のさらに別の例を
示す部分断面図である。
【図21】ハニカムヒーターと缶体を保持部材で連結し
た例を示す説明図である。
【図22】第1発明のヒーターユニットのさらに別の例
を示し、(a)は部分平面図、(b)は(a)のC−C断面図で
ある。
【図23】第1発明のヒーターユニットのさらに別の例
を示し、(a)は部分平面図、(b)は(a)のD−D断面図で
ある。
【図24】ハニカムヒーターと保持部材の連結状況の例
を示す説明図である。
【図25】ハニカムヒーターと保持部材の連結状況の例
を示す説明図である。
【図26】ハニカムヒーターと保持部材の連結状況の例
を示す説明図である。
【図27】ハニカムヒーターと保持部材の連結状況の例
を示す説明図である。
【図28】ハニカムヒーターと保持部材の連結状況の例
を示す説明図である。
【図29】第2発明の電極構造の一例を示す部分断面図
である。
【図30】第2発明の電極構造を有する第1発明のヒー
ターユニットの一例を示す平面図である。
【図31】第2発明の電極構造の別の例を示し、(a)は
正面の部分断面図、(b)は側面の部分断面図である。
【図32】第3発明の電極構造の一例を示す部分断面図
である。
【図33】電極構造の一例を示す部分断面図である。
【図34】比較例1のハニカムヒーターの保持構造の一
例を示す部分断面図である。
【図35】比較例2のハニカムヒーターの保持構造の一
例を示す部分断面図である。
【符合の説明】
10…ハニカム構造体、11…スリット、12…ハニカ
ムヒーター、13…溝、14…保持部材の環状部、15
…保持部材の足部、16…保持部材、17…絶縁コー
ト、18…接合材、19…缶体、20…セラミックマッ
ト、21…連結部、22…電極、23…充填材、24…
強化部、25…連結部材、26…碍子、27…緩衝部
材、29…ナット、30…碍子固定治具、31…無機セ
メント充填層、32…保持用マット、33…ファイバー
マット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F01N 3/28 ZAB 311 C M

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス流れ方向に平行な多数の貫通孔を有
    する金属質のハニカム構造体に、通電のための少なくと
    も1個の電極を有してなるハニカムヒーターを、金属質
    の保持部材を介して金属質の缶体に保持して構成される
    ヒーターユニットであって、該ハニカムヒーターと該保
    持部材との連結部又は該保持部材と該缶体との連結部の
    少なくとも一方が絶縁部を有し、さらに該保持部材は、
    ハニカムヒーターのガス流れ方向に対して実質的に垂直
    方向に発生する変位を吸収し得る構造を有するととも
    に、ガス流れ方向に発生する変位に対してはハニカムヒ
    ーターを固定する機能を有することを特徴とするヒータ
    ーユニット。
  2. 【請求項2】 ガス流れ方向に平行な多数の貫通孔を有
    する金属質のハニカム構造体からなるハニカムヒーター
    を、金属質の缶体に保持して構成されるヒーターユニッ
    トであって、該ヒーターユニットは通電のための少なく
    とも1個の電極を有し、該電極は金属質の連結部材を介
    して前記ハニカムヒーターと連結するとともに、絶縁部
    材を介して前記缶体に固定され、該連結部材は、ハニカ
    ムヒーターのガス流れ方向に対して実質的に垂直方向に
    発生する変位を吸収し得る構造を有することを特徴とす
    るヒーターユニット。
  3. 【請求項3】 ガス流れ方向に平行な多数の貫通孔を有
    する金属質のハニカム構造体からなるハニカムヒーター
    を、金属質の缶体に保持して構成されるヒーターユニッ
    トであって、該ヒーターユニットは通電のための少なく
    とも1個の電極を有し、該電極は前記ハニカムヒーター
    と直接連結するとともに、絶縁部材と該絶縁部材に連結
    した緩衝部材を介して前記缶体に固定され、該緩衝部材
    は、ハニカムヒーターのガス流れ方向に対して実質的に
    垂直方向に発生する変位を吸収し得る構造を有すること
    を特徴とするヒーターユニット。
  4. 【請求項4】 請求項2の連結部材を介して電極をハニ
    カムヒーターに連結してなる請求項1記載のヒーターユ
    ニット。
  5. 【請求項5】 請求項3の緩衝部材を介して電極をハニ
    カムヒーターに連結してなる請求項1記載のヒーターユ
    ニット。
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