JPH07257482A - 半閉鎖式呼吸装置の排水装置 - Google Patents

半閉鎖式呼吸装置の排水装置

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JPH07257482A
JPH07257482A JP1575395A JP1575395A JPH07257482A JP H07257482 A JPH07257482 A JP H07257482A JP 1575395 A JP1575395 A JP 1575395A JP 1575395 A JP1575395 A JP 1575395A JP H07257482 A JPH07257482 A JP H07257482A
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JP
Japan
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air bag
pressure chamber
breathing
drain pipe
drainage device
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JP1575395A
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Shunsuke Matsuoka
俊輔 松岡
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GRAND BLUE KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半閉鎖式呼吸装置において、内部に侵入して
呼吸用エアーバッグの底に溜まった水を自動的に排水す
る排水装置を提案すること。 【構成】 半閉鎖式呼吸装置1のエアーバッグ9の外面
9aには、排水装置130が取付けられている。排水装
置の圧力室131は、エアーバッグの膨張収縮に応じて
収縮および膨張する。吸気時には、圧力室131は膨張
して、第2の排水管134、第2の逆止弁135を介し
てエアーバッグ9の底に溜まった水を吸い出し、次の呼
気時には、圧力室131が収縮して、第1の排水管13
2、第1の逆止弁133を介して、外部開口端132b
から外部に水を排出する。呼吸動作に連動して、エアー
バッグの底に溜まった水を自動的に外部に排出すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、呼吸緩衝用の呼吸用エ
アーバッグを備えた半閉鎖式呼吸装置に関すものであ
る。さらに詳しくは、本発明はこのような装置におい
て、マウスピースを介して呼吸用エアーバッグに侵入し
た水を呼吸動作に連動させて自動的に排出する排水装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】潜水用呼吸装置は、一般的に、開放式呼
吸装置と、閉鎖式あるいは半閉鎖式呼吸装置との二種類
に大別される。開放式呼吸装置では、一度呼吸されたガ
スが全て装置外に排出され、閉鎖式、半閉鎖式呼吸装置
では、呼吸されたガスを再呼吸できるような装置が組み
込まれた構成となっている。
【0003】開放式呼吸装置による潜水では、周囲圧す
なわち深度にかかわらず同体積のガスが呼吸される。し
たがって、周囲圧が高まるにつれて呼吸ガスの消費量は
増大する。ガスボンベを使用している場合、すなわち呼
吸できるガスの量が一定に限定されている場合には、潜
水時間は、深度が増すにつれて短くなる。
【0004】これに対して、閉鎖式、半閉鎖式呼吸装置
では、開放式と同様に圧縮ガスを呼吸源としているが、
周囲圧にかかわりなく同重量のガスが呼吸される。した
がって、閉鎖式、半閉鎖式では、深度にかかわりなく呼
吸ガスの消費量が一定である。このため、携帯すべき呼
吸ガスの量は、開放式に比べて著しく少なくて済み、ま
た、呼吸ガスの混合比を変えることによって、開放式で
は潜水できない深度まで長時間の潜水をすることができ
る。
【0005】このように、閉鎖式あるいは半閉鎖式呼吸
装置は、開放式呼吸装置に比べて、軽量であり、長時間
に渡り深い潜水ができる利点がある。しかしながら、従
来の閉鎖式、半閉鎖式呼吸装置は、特殊潜水や軍事用の
目的のために開発されたものであるので、最小限の安全
機構を備えているのみで、比較的発生しやすい緊急事態
に対処できる機構を有していない。このため、これらの
装置の使用には、相当徹底した訓練が必要であり、レジ
ャーダイバーらが簡便に使用することができなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、潜水愛好家が
増加するのに伴って、複雑な操作、熟練をそれほど必要
とすることなく、このような閉鎖式あるいは半閉鎖式呼
吸装置を利用して潜水を行いたいという要望が高まって
きている。ここに、閉鎖式呼吸装置は酸素濃度センサ等
が装備され、それらの取扱い、制御、モニター等につい
て相当の訓練が必要である。これに対して、半閉鎖式呼
吸装置は、このような装備が無く、したがって、それら
を操作するための訓練も必要とされないので、専門家以
外の者でも比較的容易に取り扱うことができる。この半
閉鎖式呼吸装置を従来に比べて、より簡単でしかも手軽
に利用できると非常に便利である。
【0007】この点に鑑みて、本件出願人は先に、特願
平5−274843号等において、専門家以外の者でも
比較的容易に取り扱うことのでき半閉鎖式呼吸装置を提
案している。
【0008】本発明の課題は、この半閉鎖式呼吸装置に
おいて、内部に侵入して呼吸用エアーバッグ内に溜まっ
た水を自動的に排出する排水装置を提案することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の構成をその実施
例を示す図1を参照して説明する。本発明の呼吸用エア
ーバッグ9を備えた半閉鎖式呼吸装置1は以下の構成の
排水装置130を備えたことを特徴としている。排水装
置130は、呼吸用エアーバッグ9の外面9aに取り付
けられ、当該呼吸用エアーバッグの膨張収縮運動に伴っ
て収縮および膨張する圧力室131と、この圧力室の内
部と外部とを連通している第1の排水管132と、この
第1の排水管132に介挿され、圧力室内部から外部へ
の流体通過のみを許可する第1の逆止弁133と、この
第1の逆止弁133と圧力室内部の間を連通している第
1の排水管132の部分132aと呼吸用エアーバッグ
の底9bとを連通している第2の排水管134と、この
第2の排水管134に介挿され、呼吸用エアーバッグ内
部から第1の排水管132への流体通過のみを許可する
第2の逆止弁135とを備えたことを特徴としている。
【0010】ここに、圧力室131および第1の排水管
132の外部開口端132bは、呼吸用エアーバッグ9
のほぼ中心Gの高さに位置するように配置することが好
ましい。
【0011】また、圧力室131は、装着状態において
使用者の背中とは反対側に面する呼吸用エアーバッグの
外面9aに取付け、第1の排水管の外部開口端132b
を、圧力室が取付けられている外面とは反対側の外面
(即ち、使用者の背中に面する側の外面)に位置させる
ことが好ましい。
【0012】一方、第1の排水官の外部開口端を、呼吸
用エアーバッグに対して相対高さが調整できるようして
おくことが好ましい。
【0013】
【作用】呼吸用エアーバッグ9は、潜水者の呼吸動作に
応じて膨張収縮する。図1(a)に示すように、呼気時
には呼気がエアーバッグ9内に吸い込まれて膨張する。
【0014】逆に、図1(b)に示すように、吸気時に
はエアーバッグ9は収縮する。このようなエアーバッグ
の膨張収縮動作に応じて、その外面9aに取付けられて
いる排水装置130はポンピング動作を行い、エアーバ
ッグ9の底に溜まっている水Wを外部に排出する。すな
わち、エアーバッグ9の膨張によって収縮された状態に
ある圧力室131が、エアーバッグ9の収縮に伴って膨
張すると、図1(b)に示すように、エアーバッグ9の
底に溜まっている水Wが、第2の排水管134、逆止弁
135を介して吸い出されて、圧力室131側に移動す
る。この後、エアーバッグ9の膨張によって圧力室13
1が収縮すると、ここに移動した水は、第1の排水管1
32を介して外部に排出される。
【0015】また、エアーバッグ9の膨張収縮によらな
い場合でも、エアーバッグ9の内圧が高まった場合に
は、図2に示すように、圧力差によって、エアーバッグ
内の水Wが排水管134、132を介して外部に排出さ
れる。
【0016】次に、呼吸用エアーバッグ9の内圧が使用
中において過剰に高くなる場合がある。例えば、図3に
示すような倒立姿勢での潜水時である。この場合、例え
ば、半閉鎖式呼吸装置1の上端側に排気機構12が取付
けられていたとしても、位置関係から、排気機構12か
らの排気が速やかに行われない。この結果、図3(a)
に示すようにエアーバッグ9は過剰な膨張状態になる。
しかし、本発明では、排水装置130の圧力室131お
よび外部開口端132bを、エアーバッグ9の中心Gに
近い高さ位置に配置してある。このため、エアーバッグ
2内のガスは、第2の排水管134、第1の排水管13
2を介してその外部開口端132bから速やかに放出さ
れる。よって、図3(b)に示すように、このような潜
水姿勢の場合でも、エアーバッグの過剰な膨張を防止す
ることができる。
【0017】次に、本発明においては、排水装置の圧力
室131は、使用者の背中とは反対側のエアーバッグ9
の外面9aに取付けられており、したがって、図4に示
すように、エアーバッグ9の外面9aと、半閉鎖式呼吸
装置1のケース2の裏面との間に位置する。このため、
図5に示すように、遊泳姿勢時には、浮力によってエア
ーバッグ9はケース裏面の側に押されており、したがっ
て、圧力室131は収縮した状態にあり、容積が小さく
なって機能しにくくなっている。また、外部開口端13
2aは、逆に潜水者の背中側に位置しているので(すな
わち、エアーバッグ9の下側に位置しているので)、圧
力差によって、ここから呼吸ガスが吹きだしてしまうこ
とがない。
【0018】一方、図6に示すように、使用者が背面姿
勢で遊泳した場合においても、半閉鎖式呼吸装置1の上
端に排気機構12が形成されている場合には、排気機構
12が使用者の肺よりも下側に位置してしまうので、こ
こを介しての排気が困難になる。しかし、本発明の排水
装置130を備えている場合には、その外部開口端13
2aが、使用者の肺に近いので、排気時の呼気を楽に行
うことができる。
【0019】更に、本発明において第1の排水管の外部
開口端132bの高さをエアーバッグ2に対して相対的
に変化できる場合には、この高さを調整することにより
エアーバッグ内のガスの量を調整できる。よって、倒立
姿勢での潜水時であっても余分な浮力を受けることを防
止できる。
【0020】
【実施例】以下に、図面を参照して本発明の実施例を説
明する。なお、以下においては、図1ないし図6におけ
る各部分と対応する部分には同一の符号を付して説明す
る。
【0021】全体構成 図7および図8には、本発明の排水装置が取り付けられ
た半閉鎖式呼吸装置の全体構成を示してある。図7に示
すように、本例の半閉鎖式呼吸装置1は、中空ハウジン
グ2を備え、この中空ハウジング2内に、後述する装置
構成部品が内蔵されている。この中空ハウジング2の一
方の側は潜水者の背中に当たる背当て面2aとなってお
り、反対側の面の中央には、呼吸ガスボンベ交換用の開
口が形成され、ここに着脱可能に蓋2bが取付けられて
いる。中空ハウジング2の上端には水平に炭酸ガス吸着
装置内蔵容器3が取付けられている。この容器は全体と
して円筒形状をしており、この両側の外周部分には、可
撓性の呼気管4および吸気管5が接続されている。これ
らの呼気管4および吸気管5の先端側は、マウスピース
ユニット6に接続されている。
【0022】図8を参照して、本例の装置1の主要構成
部分およびそれらの接続状態を説明する。この図に示す
ように、マウスピースユニット6内の呼吸気流通室61
は、呼気管4および吸気管5に連通している。呼気管4
および吸気管5の他端は、それぞれ、炭酸ガス吸着装置
7が内蔵されている円筒形状の容器3の両側部分に連通
している。すなわち、この容器3の中央には環状断面を
した炭酸ガス吸着装置7が内蔵され、その両側には、そ
れぞれ、呼気用通路31、吸気用通路32が形成されて
いる。炭酸ガス吸着装置7が内蔵された容器3の下側の
中空ハウジング2内には、中央に呼吸ガスボンベ8が上
下方向に配置され、これを挟み両側には、それぞれ呼気
用エアーバッグ9および吸気用エアーバッグ11が配置
されている。呼気用エアーバッグ9は容器3の呼気用通
路31に連通し、吸気用エアーバッグ11は容器3の吸
気用通路32に連通している。呼気用エアーバッグ9の
外面には、本発明の排水装置130が取付けられてい
る。
【0023】呼吸ガスボンベ8はそのガス吐出口81が
下端に位置するように配置されており、このガス吐出口
81は、図において裏側の位置する開閉弁82を介し
て、レギュレータ83に接続されている。レギュレータ
83はガス圧を6ないし9キログラム/平方センチメー
トル程度に減圧する。レギュレータ83には4本のガス
供給管が接続されており、そのうちの3本は、残圧表示
計用、BCジャケット用、オクトパス用のものである
(図示せず。)。残りの1本は途中で3本に分岐してお
り、分岐管のうちの1本のガス供給管84は、炭酸ガス
吸着装置内蔵容器3の吸気通路32内および吸気管5を
通って、マウスピースユニット内まで延びている。途中
位置には流量調整用のオリフィス84aが介挿されてお
り、ここを介して大気圧換算で4ないし5リットル/分
の流量に調整されて、マウスピースユニット内に供給さ
れるようになっている。もう1本の分岐管であるガス供
給管85は、マウスピースユニット6内からの水抜き用
に使用するパージ用のガス供給管であり、上記のガス供
給管84と同様にマウスピースユニット6内にまで延び
ている。残りの分岐管、すなわちガス供給管86は非常
時における吸気供給を行うためのもので、その先端は、
容器3の吸気用通路32内に位置している。
【0024】炭酸ガス吸着装置内蔵容器3の吸気側の端
部にはオートバルブ機構12が取付けられている。この
機構12は、ガス供給管86の開閉制御、および過剰ガ
スの自動排出制御を行うものである。
【0025】全体的なガスの流れは次のとおりである。
マウスピースユニット6のマウスピース62からの呼気
は、呼気管4、呼気通路31を介して呼気用エアーバッ
グ9に貯留される。吸気動作時には、ここに貯留された
呼気は、炭酸ガス吸着装置7を介して炭酸ガスが除去さ
れて清浄化されて、吸気通路32に流入する。このよう
に清浄化された呼気は、吸気用エアーバッグ11に貯留
されると共に、吸気用に吸気管5を介してマウスピース
ユニット6内に供給される。マウスピースユニット6内
には、ボンベ8からガス供給管84を介して一定流量の
新規吸気用ガスが常時導入されており、これらの混合ガ
スが吸気用ガスとして供給される。
【0026】排水装置の構造 次に、図8、図9および図10を参照して、本例の装置
1の呼気用エアーバッグ9に取り付けた排水装置130
を説明する。
【0027】まず、排水装置130が取付けられている
呼気用エアーバッグ9は、可撓性の素材から形成された
伸縮性のバッグであり、呼吸動作に応じて伸縮可能とな
っている。エアーバッグ9の上端には前述した容器3に
形成した接続部312に連結される接続部91が形成さ
れている。このエアーバッグ9の下端には開口92が形
成されている。
【0028】本例の排水装置130は、エアーバッグ9
における使用者の背中とは反対側に面する外面9に取付
けられた圧力室131を有している。この圧力室131
は、エアーバッグ9の外面9aにおいて、エアーバッグ
9の中心に対応する位置に取付けられている。圧力室1
31は、図8に示すように、蛇腹状の伸縮性の筒141
から形成されており、この筒の両端は封鎖壁142、1
43となっている。例えば、ポリエチレン等の合成樹脂
により一体成形することができる。筒141の一方の封
鎖壁143は、エアーバッグ9の外面9aに接合されて
いる。
【0029】圧力室131の周面には可撓性チューブ1
32aの先端を接続可能な接続口144が開いている。
ここに一端が接続されている可撓性チューブ132aの
他端は、三方接続管145の接続口145aに接続され
ている。三方接続管145の残りの2つの接続口145
b、145cのうち、接続口145bには、第1の逆止
弁133を介して、可撓性チューブ132の一端が接続
されている。このチューブ132の他端側は、逆止弁1
47を介して、外部開口端132bに連通している。
【0030】一方、三方接続管145の残りの接続口1
45cには、第2の逆止弁135を介して、第2の可撓
性チューブ134の一端が接続されている。このチュー
ブ134の他端は、エアーチューブ9の底に開けた開口
92に接続されている。
【0031】ここで、第1の逆止弁133および逆止弁
147は、外部開口端132bへ向かう流体通過のみを
許可する。また、第2の逆止部135は、第2のチュー
ブ134の側から圧力室131、外部開口端132bの
側に向かう流体通過のみを許可するものである。
【0032】このように構成した本例の排水装置130
は、図1を参照して説明したように、呼気用エアーバッ
グ9の底に溜まった水を外部開口端132bを介して外
部に排出することができる。また、図2を参照して説明
したように、呼気用エアーバッグ9の内圧が上昇する
と、その圧力によって、底に溜まった水を外部に排出す
ることができる。
【0033】さらに、呼気用エアーバッグ9の内圧が使
用中において過剰に高くなる場合、例えば、図3に示す
ような倒立姿勢での潜水時には、オートバルブ12が、
エアーバッグ9よりも下方に位置するので、このオート
バルブ12からの排気が速やかに行われない。この結
果、図3(a)に示すようにエアーバッグ9は過剰な膨
張状態になる。しかし、本例では、排水装置130の圧
力室131および外部開口端132bを、エアーバッグ
2の中心に近い位置に配置してある。このため、エアー
バッグ9内のガスは、第2の排水管134、第1の排水
管132を介してその外部開口端132bから速やかに
放出される。よって、図3(b)に示してあるように、
このような潜水姿勢の場合でも、エアーバッグの過剰な
膨張を防止することができる。
【0034】さらには、本例においては、排水装置の圧
力室131は、使用者の背中とは反対側のエアーバッグ
9の外面9aに取付けられており、したがって、図4に
示すように、エアーバッグ9の外面9aと、半閉鎖式呼
吸装置1のケース2の裏面との間に位置する。このた
め、図5に示すように、遊泳姿勢時には、浮力によって
エアーバッグ9はケース裏面の側に押されており、した
がって、圧力室131は収縮した状態にあり、容積が小
さくなって機能しにくくなっている。また、外部開口端
132bは、逆に潜水者の背中側に位置しているので
(すなわち、エアーバッグ9の下側に位置しているの
で)、圧力差によって、ここから呼吸ガスが吹きだして
しまうことがない。
【0035】一方、図6に示すように、使用者が背面姿
勢で遊泳した場合には、半閉鎖式呼吸装置1の上端にオ
ートバルブ12が位置する。この場合、オートバルブ1
2は使用者の肺よりも下側に位置してしまうので、ここ
を介しての排気が困難になる。しかし、本例の排水装置
130を備えている場合には、その外部開口端132b
が、使用者の肺に近いので、排気時の呼気を楽に行うこ
とができる。
【0036】このように、本例の排水装置130を用い
れば、エアーバッグ9の底に溜まった水の排出を、呼吸
動作に連動して自動的に排出することができる。
【0037】また、本例の排水装置130は、排気機構
としても機能して、過剰な呼吸ガスを、潜水者の潜水姿
勢に如何にかかわらず、円滑に排出することができる。
さらには、潜水姿勢に起因した呼吸抵抗の増加を抑制で
きるという効果もある。
【0038】なお、本例においては、排水装置130の
圧力室131を呼気用エアーバッグに取付けてあるが、
吸気用エアーバッグの側、あるいは双方に取り付けるこ
とも可能である。
【0039】次に、上記の実施例において、排水装置1
30の可撓性チューブの外部開口端132bの位置を、
エアーバッグ9に対して相対的に上下に移動できるよう
にすれば、次のような利点が得られる。
【0040】エアーバッグ9の過剰ガスは上記のように
オートバルブの排気機能で排気される。オートバルブ1
2は、水平前傾の遊泳姿勢から直立姿勢の間では、エア
ーバッグの上部に位置する。よって、エアーバッグが或
る程度膨張するとオートバルブ12の排気機能が作動す
る。しかるに、水中において、オートバルブ12がエア
ーバッグ9よりも下側の位置するとき、特に倒立姿勢で
は、オートバルブ12はエアーバッグ9が最大に膨張し
た後に機能して余剰ガスを排出することになる。これで
は、エアーバッグ浮力が設定浮力よりも増大してしま
い、潜水者は余分な浮力をうけて浮上し始める。この対
策として、潜水者はその浮力を減ずるために姿勢変更等
のガス排出のための努力を強いられる。
【0041】しかし、可撓性チューブ132の外部開口
端132bの高さを調整することにより、このような浮
力の増加を簡単な操作によって回避することができる。
この動作原理を図11を参照して説明する。なお、図1
1において上記の実施例と対応する箇所には同一の符号
を付してある。
【0042】倒立姿勢中のエアーバッグ9内に導入され
たガスは、チューブ134、逆止弁135、逆止弁13
3を通り、チューブ132の外部開口端132bに向か
う。
【0043】ここで、エアーバッグ9内の水位901
と、チューブ132の水位902とは同一高さである。
【0044】エアーバッグ9内へのガスの導入が続く
と、エアーバッグ9内の水位は下方に下がり、これに伴
って、チューブ132の水位も下がる。水位がチューブ
端である外部開口端132bと同一になると(図におい
ては番号903および904で示してある。)、ここを
介してガスが外部に排出される。よって、エアーバッグ
9内にガスの導入が継続しても、これ以上水位が低下す
ることはない。すなわち、エアーバッグ9内のガス量に
変化はなく、したがってエアーバッグの浮力も増加しな
い。
【0045】ここで、エアーバッグ内にガスを連続供給
しながら、チューブ端132bを上方に移動させると、
エアーバッグ9内の水位901もそれに伴って上昇す
る。逆に、チューブ端132bを下げると、それに伴っ
てエアーバッグ内の水位901も下がる。したがって、
チューブ端132bの高さを変えることにより浮力を調
整することができる。よって、チューブ端132bを、
適切な浮力が得られた高さ位置で固定すればよい。
【0046】なお、上記の説明においては、本発明の排
水装置を半閉鎖式呼吸装置に取付けた例を示してある。
しかし、閉鎖式呼吸装置に対しても、同様に、本発明の
排水装置を適用することができる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の半閉鎖式
呼吸装置の排水装置は、呼吸用エアーバッグの膨張収縮
運動に連動してポンピング動作を行って、呼吸装置内に
侵入してエアーバッグの底に溜まった水を自動的に外部
に排出することができる。
【0048】また、本発明では、排水装置の圧力室およ
び外部開放端を呼吸用エアーバッグ2のほぼ中心に位置
するように配置してある。また、圧力室を、装着状態に
おいて使用者の背中とは反対側に面する呼吸用エアーバ
ッグの外面に取付けると共に、外部開口端を、圧力室が
取付けられている外面とは反対側のエアーバッグの外面
(即ち、使用者の背中に面する側の外面)に位置させて
ある。このため、エアーバッグの膨張収縮によらない場
合でも、エアーバッグの内圧が高まった場合には、圧力
差によって、エアーバッグ内の水を外部に排出すること
ができる。また、遊泳時の姿勢の如何に係わらず、内部
の過剰か呼吸ガスの排出機構として有効に機能すると共
に、遊泳姿勢による呼吸抵抗の増加を抑制することがで
きる等の利点もある。
【0049】さらに、本発明では排水装置の圧力室に連
通している外部開放端の高さ位置を調整できるようにし
てある。よって、倒立姿勢での潜水時には、この高さ位
置を調整することにより、エアーバッグ浮力を設定浮力
に調整することができるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排水装置の構成を示す説明図であり、
(a)は呼気時の状態を示し、(b)は吸気時の状態を
示す。
【図2】図1の排水装置の動作を示す説明図である。
【図3】倒立状態での本発明の排水装置の動作を説明す
るための説明図であり、(a)は排水装置が設置されて
いない場合の状態を示し、(b)は排水装置が設置され
ている場合の状態を示す。
【図4】遊泳時の状態を示す説明図である。
【図5】遊泳時における排水装置の状態を示す説明図で
ある。
【図6】仰向き状態における排水装置の動作を示す説明
図である。
【図7】本発明の排水装置を取付け可能な半閉鎖式呼吸
装置の外観図である。
【図8】図7の装置の内部構成を示す構成図である。
【図9】図7の装置に取り付けられた排水装置を示す図
である。
【図10】排水装置の圧力室を示す図である。
【図11】倒立潜水姿勢におけるエアーバッグの浮力調
整動作を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・・半閉鎖式呼吸装置 2・・・ケース 9・・・呼気用エアーバッグ 9a・・・エアーバッグの外面 92・・・エアーバッグ底の開口 130・・・排水装置 131・・・圧力室 132・・・第1の排水管 132a・・・排水管 132b・・・外部開口端 133・・・第1の逆止弁 134・・・第2の排水管 135・・・第2の逆止弁

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 呼吸用エアーバッグを備えた半閉鎖式呼
    吸装置において、前記呼吸用エアーバッグの外面に取り
    付けられ、当該呼吸用エアーバッグの膨張収縮運動に追
    従して収縮および膨張する圧力室と、この圧力室と外部
    とを連通している第1の排水管と、この第1の排水管に
    介挿され、前記圧力室から外部への流体通過のみを許可
    する第1の逆止弁と、この第1の逆止弁と前記圧力室の
    間を連通している前記第1の排水管の部分と前記呼吸用
    エアーバッグの底とを連通している第2の排水管と、こ
    の第2の排水管に介挿され、前記呼吸用エアーバッグ内
    から前記第1の排水管への流体通過のみを許可する第2
    の逆止弁とを有し、前記圧力室は、前記呼吸用エアーバ
    ッグの膨張時にはその膨張度合いに応じて収縮すると共
    に、当該呼吸用エアーバッグの収縮時にはその収縮度合
    いに応じて膨張するようになっていることを特徴とする
    半閉鎖式呼吸装置の排水装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記圧力室と、前記
    第1の排水管の外部開口端とは、前記呼吸用エアーバッ
    グのほぼ中心の高さに位置していることを特徴とする半
    閉鎖式呼吸装置の排水装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記圧力室
    は、装着状態において使用者の背中とは反対側に面する
    前記呼吸用エアーバッグの外面に取付けられており、前
    記第1の排水管の外部開口端は、前記圧力室が取付けら
    れている外面とは反対側に位置していることを特徴とす
    る半閉鎖式呼吸装置の排水装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記第1の排水官の
    外部開口端は、前記呼吸用エアーバッグに対して相対高
    さを調整できるようになっていることを特徴とする半閉
    鎖式呼吸装置の排水装置。
JP1575395A 1994-02-03 1995-02-02 半閉鎖式呼吸装置の排水装置 Pending JPH07257482A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107484370A (zh) * 2017-08-23 2017-12-15 惠州市华阳光电技术有限公司 一种呼吸式防水电源结构
CN109938627A (zh) * 2019-02-27 2019-06-28 宁波欧琳厨具有限公司 一种自动式排水装置及洗米器

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CN107484370A (zh) * 2017-08-23 2017-12-15 惠州市华阳光电技术有限公司 一种呼吸式防水电源结构
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