JPH0725694Y2 - コンクリート、岩石等供試体の凍結融解試験装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は土木建築で使用されるコンクリート、岩石等の
供試体の凍結融解試験機に関するものである。

〈従来の技術〉 従来広く用いられている試験装置は、第２図のようにゴ
ム製の袋ｂにコンクリートその他の供試体ａを入れて、
該袋ｂと供試体ａとの間隙に水９を入れ、ゴム袋ｂごと
に試験槽１のブライン（塩水）６内に浸漬する。

そして、ブライン６を、試験槽１の片方に投入したベア
コイル3bに通じる冷媒によって一定周期を以て冷却と加
熱を反復することによりブライン６を介して供試体ａに
熱負荷をかけ、その際の温度変化によって供試体ａに及
ぼす劣化の様子を定量的に判定しようとするものであっ
た。

又、第３図のようにダブルチューブ3a,3a…を備えた熱
交換器ｃを試験槽１とは個別に配置し、管路8,8…を経
てダブルチューブ3a,3a…のインナーチューブに通じる
冷媒により、アウターチューブ内のブラインを加熱或は
冷却することにより、管路７を経て試験槽１内の供試体
a,a…にゴム袋ｂ内の水９を介して熱負荷を作用させる
ようにしたものもある。

〈考案が解決しようとする課題〉 しかし、上記従来例の試験装置の内第２図に示すものは
試験槽内にベアコイルを直接投入した浸漬型であるため
に試験槽の大きさが過大化して、それだけブライン量が
多くなり、その結果ブラインを加熱或は冷却する際の熱
容量が多くなり、ロスが大きいので一定容積の各種供試
体に効率良く熱負荷を作用させるには如何にブライン量
を少なくするかが課題となっている。

又、第３図のように熱交換器を試験槽から分離したもの
では、ブライン量が少なくてすむが、熱交換器自体を防
熱構造とする必要があり、防熱構造とすることにより、
それだけ熱交換器が大型化して、その結果設置スペース
が可成要求される。

そこで本考案は上記各従来例の欠点の改善を図り、設置
スペースが小さく、しかも供試体に対する熱負荷効率の
良い試験装置を提供しようするものである。

〈課題を解決する為の手段〉 凍結融解試験槽の防熱壁面内側に、アウターチューブと
インナーチューブからなるダブルチューブを前記試験槽
内に、一部をブライン液中に臨ませて取付け、該ダブル
チューブのインナーチューブにブライン液を通じると共
に、アウターチューブ内に冷媒を通じることにより試験
槽壁面部で熱交換するようにしてなる。

〈作用〉 試験槽内のブライン液中に供試体を浸漬すると共に該試
験槽の壁部に埋設したダブルチューブのうちインナーチ
ューブを経て前記試験槽内に亘ってブラインを循環させ
ると共に、該前記ダブルチューブのアウターチューブに
通じる冷媒や熱媒の熱媒体により、該インナーチューブ
とアウターチューブの部分で熱交換してブラインを冷却
或は加熱することにより試験槽内の供試体に熱負荷を作
用させ、供試体の温度変化による劣化の様子を定量的に
判定する。

〈実施例〉 以下本考案について図面に示す実施例により詳細に説明
すると、第１図に示すように、外部からの熱の出入りを
極力抑えるようにした防熱壁からなる試験槽１の側壁内
面に凹所2,2…を形成し、ここにインナーチューブ3
₁と、該インナーチューブ3₁の外側をフィンを介して掩
ったアウターチューブ3₂とからなるダブルチューブ３を
埋設して、該ダブルチューブ３アウターチューブの一部
を前記試験槽１内のブラインと接するように設置する。

そして該各ダブルチューブ３のインナーチューブ3₁を夫
々一連に連設して、これを管路７を経て前記試験槽１の
底部に挿設した吹出管５とポンプ10を介して接続し、前
記ダブルチューブ３のアウターチューブ3₂内には管路８
を介して冷媒や熱媒の熱媒体を循環せしめるようにして
いる。

尚、アウターチューブ3₂とインナーチューブ3₁との間に
は、アウターチューブとインナーチューブとの間で熱交
換が効率良く行なわれるように多数のフィンを設けてい
る。

次に上記構成の一連動作について述べると、試験槽１内
に貯えられたブライン６内に所定形状及び寸法に形成し
たコンクリートその他の供試体a,a…を適宜浸漬し、試
験槽１内のブライン６を衡壁板４の上縁を越えてポンプ
10により、ダブルチューブ３のインナーチューブ3₁、吹
出管５の開孔５′,5′…の部分から試験槽１内に帰る経
路を経てブラインを循環させておいて、次にダブルチュ
ーブ３のアウターチューブ3₂内と管路8,8を経てヒート
ポンプ（図示せず）との間に冷媒や熱媒の熱媒体を循環
せしめることによりダブルチューブ3,3…内において冷
却したり、加熱したりして熱交換が行なわれ、該インナ
ーチューブ3₁，3₁…内を冷えた或は暖かいブラインが矢
印方向に移動し、吹出管５の開口５′,5′…から試験槽
１内に送り込まれ、供試体a,a…を一定周期で反復して
冷却し又は加熱することにより該供試体に熱負荷をかけ
る。

又、熱交換は主としてダブルチューブ3,3…のインナー
チューブ3₁とアウターチューブ3₂との間で行なわれる
が、それだけに限らず該アウターチューブ3₂の一部が試
験槽１内のブライン６と接触しているので、この部分に
おいても直接熱交換が行なわれる。

〈考案の効果〉 本考案は上述のようにブラインを通じたインナーチュー
ブと冷媒を通じたアウターチューブとからなるダブルチ
ューブを試験槽内壁に埋設したことにより、該ダブルチ
ューブ設置の為に特別のスペースがいらず、試験槽自体
の大型化を極力抑えて小型にすることができると共に、
ブラインの使用量が極度に少量化できて、供試体を加熱
したり、冷却したりする際の熱容量が少なく、熱サイク
ルを速くできると共に熱の損失も減少する。

又、アウターチューブの一部が試験槽内のブライン液と
接触するように構成したので、この部分においても直接
熱交換が行なわれ、これが加算されて熱交換が迅速に推
進せしめられるなど効率が良くコンパクトな凍結融解試
験装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案装置の縦断側面略図、 第２図及び第３図は、従来例を示す縦断側面略図、 第２図は、試験槽の縦断側面略図、 第３図は、同上他の試験槽の縦断側面略図である。 １…試験槽、２…凹所、３…ダブルチューブ、3₁…イン
ナーチューブ、3₂…アウターチューブ、５…吹出管、６
…ブライン、８…管路、ａ…供試体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】凍結融解試験槽の防熱壁内面に凹所を形成
   し、ここにインナーチューブとこれを取り囲むアウター
   チューブとからなるダブルチューブを埋設して、該アウ
   ターチューブの一部を前記試験槽内のブラインと接する
   ように設けると共に、上記インナーチューブの両端を前
   記試験槽内のブラインを循環可能なように試験槽内に連
   通させ、上記アウターチューブ内に熱媒体を通じること
   により、インナーチューブ内並びにアウターチューブが
   接した試験槽内のブラインと熱交換するようにしたこと
   を特徴とするコンクリート、岩石等供試体の凍結融解試
   験装置。