JPH07256537A - 加工インピーダンス制御方法 - Google Patents

加工インピーダンス制御方法

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JPH07256537A
JPH07256537A JP4922694A JP4922694A JPH07256537A JP H07256537 A JPH07256537 A JP H07256537A JP 4922694 A JP4922694 A JP 4922694A JP 4922694 A JP4922694 A JP 4922694A JP H07256537 A JPH07256537 A JP H07256537A
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JP
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machining
external force
model
target
control
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JP4922694A
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English (en)
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Takashi Murata
隆志 村田
Yoichi Kimura
洋一 木村
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Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワークの形状が本来の図面寸法に対して歪が
大きい場合に、加工機もしくは前記加工機を含む加工シ
ステムにおいて前記ワークを加工する際に、前記歪を修
正することなく加工面の許容加工誤差を小さく補償し、
かつ加工後のワークの美観を補償する加工機の制御方法
を提供する。 【構成】 加工機のツールがワークに加える外力と、ワ
ークに対するツールの運動と、前記外力と前記運動の結
果生じる加工状態を加味した加工インピーダンスモデル
を求め、前記加工インピーダンスモデルを用いて、加工
が行われていく過程を記述するプロセスモデルを求め、
前記プロセスモデルにおける目標運動と目標加工状態を
決定して求めた制御モデルを用いて、前記運動と前記外
力を同時に制御することで、加工状態を目標加工状態と
する加工インピーダンス制御方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワークに対するツール
の相対位置をツール、もしくは、ワークを位置決めする
ための動力を制御することで決定可能で、かつ、前記ワ
ークに対する前記ツールの相対位置と、前記ワークに加
わる前記ツールからの力の大きさと方向を成分とする外
力が検出可能な加工機の制御方法に係る。
【0002】
【従来の技術】従来の技術として開示されているものと
して、バリ取り時の工具の運動をコンプライアンス機構
の数式モデルでモデル化し、前記数式モデルに従って前
記加工機の制御を行う仮想コンプライアンス制御方法
が、1993年1月発行の日本ロボット学会誌11巻1
号に論じられている。
【0003】また、仮想コンプライアンス制御方法の応
用例として、前記コンプライアンス機構の数式モデルを
プロセスモデルとし、バリ形状を検出する視覚センサ及
び画像処理装置を備え、ツールの反力を力センサにより
検出し、バリ幅とその高さの情報からツールの回転数及
び送り速度をファジー推論し、ツールの回転数と送り速
度とツール反力からなる制御モデルを用いて、目標とな
る送り速度を詳細に決定し、望みのツール反力と望みの
ツール回転数を得るようにツールの送り速度を制御する
バリ取りロボットの制御方法が、特開平4−31036
0号公報で論じられている。
【0004】更に、絞り圧延において、肉厚を高精度に
制御するために、連続多段圧延機により素管を圧延する
に際し、各スタンドにおける、絞り圧延前後の管の外径
と肉厚、及び、仕上り管の目標外径と肉厚に基づいて、
物理的に付加可能な最大引張係数を各スタンドについて
求め、1本目圧延時の各スタンドにおける絞り圧延前後
の管の外径と肉厚、ロールの回転数、及び仕上り管の実
績外径と実績肉厚に基づいて、実際に付加される実引張
係数を各スタンドについて求め、実引張係数が最大引張
係数を超えているスタンドについては、実引張係数をそ
の最大引張係数以下に修正し、修正後の最大引張係数を
基に目標肉厚の仕上り管が得られるように他の各スタン
ドについて実引張係数を求め、設定する、絞り圧延機の
肉厚制御方法が特開平05−237532公報に論じら
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、ワー
クに対するツールの相対位置をツール、もしくは、ワー
クを位置決めするための動力を制御することで決定可能
で、かつ、前記ワークに対する前記ツールの相対位置
と、前記ワークに加わる前記ツールからの力の大きさと
方向を成分とする外力が検出可能な加工機を用いて前記
ワークの加工を行うとき、ワークの形状が本来の図面寸
法に対して歪んでいないか、もしくは、歪が無視できる
程度の場合か、加工すべき状況の変化と前記歪が把握で
きる視覚を有する場合には有効であるが、ワークの形状
が本来の図面寸法に対し無視できない程度に歪んでいる
場合、もしくは、歪を修正することなく、加工後の所定
の精度や形状や美観を得ることは難しく、視覚を有して
いない場合には更に難しく、また、美観に対する補償を
行うことは不可能である。
【0006】本発明の目的は、ワークに対するツールの
相対位置をツールもしくはワークを位置決めするための
動力を制御することで決定可能で、かつ、前記ワークに
対する前記ツールの相対位置と、前記ワークに加わる前
記ツールからの力の大きさと方向を成分とする外力が検
出可能な加工機を使用し、前記加工機が歪を把握する視
覚の有無にかかわらず、前記ワークの形状が本来の図面
寸法に対して歪んでいる場合でも、ワークに作用させる
前記加工機の運動と外力の関係の最適値を求めて、加工
機の制御を行うことで、ワークを加工した後の精度や形
状や美観を補償することができる加工機の制御方法を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するため
に、本発明は、ワークに対するツールの相対位置をツー
ル、もしくは、ワークを位置決めするための動力を制御
することで決定可能で、かつ、前記ワークに対する前記
ツールの相対位置と、前記ワークに加わる前記ツールか
らの力の大きさと方向を成分とする外力が検出可能な加
工機において、前記外力と、前記ワークに対する前記ツ
ールの相対位置と前記ワークに対する前記ツールの相対
速度と前記ワークに対する前記ツールの相対加速度を成
分とする前記ワークに対する前記ツールの運動の関係で
ある機械インピーダンスモデルに、前記外力と前記運動
の結果生じる前記相対位置毎の加工面の幅と加工代の幅
を成分とする加工状態を加味した加工インピーダンスモ
デルを求め、次に、加工が行われていく過程を記述する
プロセスモデルとして、前記加工インピーダンスモデル
を変形することなくそのまま用いるか、もしくは、前記
相対位置と前記相対速度と前記相対加速度の3者の基準
値を任意に定めたものを成分とする基準運動と、前記相
対位置における加工面の幅と加工代の幅の2者の基準値
を任意に定めたものを成分とする基準加工状態を基準パ
ラメータとして、前記加工インピーダンスモデルを前記
基準パラメータ近傍で全微分を行い、かつ、テーラ展開
もしくは平均値の定理を用いて線形化したものを用い、
前記プロセスモデル中の運動成分と加工状態成分におけ
る目標値である目標運動と目標加工状態を決定し、前記
プロセスモデルに前記目標運動と目標加工状態を代入し
て、目標外力の1元方程式を作り、前記1元方程式の解
として前記目標外力を求め、実際にツールがワークに与
える制御外力と、制御運動との関係である機械インピー
ダンスモデルにおける、前記制御運動を前記目標運動と
等価としたときの、前記制御外力と前記目標外力の差の
ユークリッドノルムが最小となるように前記機械インピ
ーダンスモデルにおける外乱項と慣性係数と粘性係数と
剛性係数を最小二乗法を用いて決定し、前記外乱項と前
記慣性係数と前記粘性係数と前記剛性係数を前記機械イ
ンピーダンスモデルに代入したものを制御モデルとし
て、前記制御運動を制御モデルに代入して制御外力の1
元方程式を作り、前記1元方程式の解として制御外力を
求め、前記制御運動と前記制御外力を同時にサーボ制御
することで、加工状態を目標加工状態に近づけることを
特徴とする加工インピーダンス制御方法である。
【0008】
【作用】本発明によれば、加工機におけるツールがワー
クを加工する際の加工プロセスを、ワークに対するツー
ルの運動と、ツールからワークへ与える外力と、前記運
動と前記外力の結果としてワークに生ずる加工状態の関
係を予め構築しておくことにより、実際の加工時の前記
運動と前記外力を検出することで加工状態を定量的に予
測できる。これは、ワークに生ずる加工状態を制御する
場合に、ワークに対するツールの運動と、ツールからワ
ークへ与える外力を制御すれば良いことと等価である。
これより、目標加工状態とワークに生ずる加工状態の差
をなくすために、任意の目標運動と目標加工状態を決定
することにより目標外力を算出し、加工機により前記外
力が前記目標外力になるように前記外力をワークに加え
ながら、ワークに対するツールの運動が前記目標運動に
なるように加工機を制御することで、ワークに生ずる加
工状態を目標加工状態に近づけることが可能となる。
【0009】実際の加工に当たっては、ワークに対して
ツールが加える力の限界と、ワークに対するツールの最
高速度と可動範囲と、ツール自身の加工能力からなる加
工機の性能が、限界以上を示す範囲以外において、前記
ワークに生ずる加工状態を前記目標加工状態に近づける
ことが可能となる。故に、前記加工対象の形状が本来の
図面寸法に対して歪んでいる場合においても、また、前
記歪が無視できない程度の場合においても、更に、視覚
の有無に関わらず、前記加工機の加工能力の許容範囲内
では前記加工対象の仕上りが定量的に制御できる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を、アルミホィールの
バリ取り作業を例にして、図面に従って説明する。図2
は、本発明を実施するための一例を示すロボットと工具
を用いた加工システムの構成図である。ワーク1はアル
ミホィールであり、単数または複数個の窓枠2を持つ。
ワーク1と窓枠2の相対位置は、双方が変形または破壊
を起こさない限り変わらない。また、複数の窓枠2の間
の相対位置も、ワーク1もしくは前記窓枠2が変形また
は破壊を起こさない限り変わらない。
【0011】本実施例においてバリ取り作業とは、前記
窓枠2に発生するバリのみを、前記窓枠2を傷つけるこ
となく、かつ、削りすぎることなく、かつ、かえりを含
む前記バリを残すことなく除去することを目的とした加
工である。更に、窓枠2の形状は、鋳造条件の違い等に
より、図面寸法に対して歪んでいる場合が多いが、美観
を実現するために前記バリのみを取り除く必要がある。
【0012】ロボット3は、単数または複数個の動力源
であるサーボモータ9と、前記サーボモータ9の変位検
出器である前記サーボモータ9と同数のエンコーダ10
を持ち、ロボット側アダプタ4によって力検出機である
力センサ5が固着され、力センサ5にはツール側アダプ
タ6によって手先効果器であるツール7が固着され、ツ
ール7の駆動部には刃8が固着されている。
【0013】システム制御装置11は、主制御CPU1
2とサーボモータ9を駆動するためのサーボアンプ13
と、サーボアンプ13に位置と速度の情報を入力するた
めのD/Aコンバータ14と、エンコーダ10からの位
置情報をサーボアンプ13に転送するためのF/Vコン
バータ15と、前記エンコーダ10からの位置情報を主
制御CPU12に転送するためのサーボカウンタ16
と、力センサ5からの力情報を主制御CPU12に転送
するための力センサCPU17と、教示データを含む諸
情報を記憶するためのメモリ18と、システム制御装置
11を操作するための操作パネル19と、システムを教
示するためのティーチングボックス20から構成されて
いる。
【0014】主制御CPU12と、D/Aコンバータ1
4と、サーボカウンタ16と、力センサCPU17と、
メモリ18と、操作パネル19と、ティーチングボック
ス20は、マルチバスによって連結されている。
【0015】ワーク1に対するツール7の相対位置xと
相対姿勢sは、エンコーダ10によって得られたサーボ
モータ9の変位データqs が、サーボカウンタ16を経
て主制御CPU12に送られ、前記主制御CPU12中
にロードされたDH記法に従った座標変換プログラムに
より、ワーク1に対するツール7の位置と姿勢のデータ
となることで検出される。
【0016】ワーク1に対するツール7の相対速度v
は、相対位置xを時間微分することで求める。
【0017】ワーク1に対するツール7の相対位置xと
相対姿勢sと相対速度vは、主制御CPU12中にロー
ドされた逆座標変換プログラムにより、サーボモータ9
の変位の目標データqと前記サーボモータ9の速度の目
標値であるwに変換され、前記目標データqと速度の目
標値であるwから、PI制御法を用いてサーボアンプ1
3への目標入力値を決定し、前記目標入力値をD/Aコ
ンバータ14を介してサーボアンプ13に入力しサーボ
モータ9を駆動することで制御される。
【0018】前記ワークに加わる前記ツールからの外力
Fは、力センサ5によって得られた3次元の電圧信号が
力センサCPU17によって処理されて得られる力セン
サ座標系における力データfが、主制御CPU12に送
られ、前記主制御CPU12中で求められた相対姿勢s
で姿勢変換されることによって検出される。
【0019】図1は、本発明を実施するための手順を示
す流れ図である。図1を用いて本発明を実施する手順を
説明する。
【0020】手順は、加工インピーダンスモデル作成行
程M1、加工インピーダンス同定行程M2、プロセスモ
デル作成行程M3、制御モデル作成行程M4、及び、窓
枠形状教示行程M5、バリ取り作業行程M6の6行程か
ら成る。本実施例では、加工インピーダンスモデル、プ
ロセスモデル、制御モデルを構成するにあたり、加速度
項と慣性係数は省略したが、効果は特に劣るものではな
かった。
【0021】行程M1は、ツール7の窓枠2に対する位
置と送り速度を成分とする運動と、窓枠2に加わる刃8
からの外力と、前記運動と前記外力の結果生じる加工面
の幅と加工代の幅を成分とする加工状態を変数とし、ツ
ール7の種類と刃8の種類と窓枠2の材質による定数及
び係数と前記変数からなる加工インピーダンスの数式モ
デルを作成する行程である。詳細は図3で後述する。
【0022】行程M2は、前記M1で求めた加工インピ
ーダンスの数式モデルを記述するのに必要な定数および
係数を定量的に求める行程である。詳細は図4で後述す
る。
【0023】行程M3は、行程M1と行程M2によって
求めた加工インピーダンスモデルをそのまま用いるか、
または、ツール7のワーク1に対する基準運動近傍と窓
枠2に生じる基準加工状態近傍で前記加工インピーダン
スモデルを線形化してプロセスモデルを作成する行程で
ある。本実施例では、全制御系を簡単に構成するため
に、前記基準運動近傍と前記基準加工状態近傍で前記加
工インピーダンスモデルを線形化してプロセスモデルを
作成する。詳細は図5で後述する。
【0024】行程M1、M2、M3は、後述する行程M
5及び行程M6で使用するツール7の種類と、刃8の種
類と、窓枠2の材質の各々の任意の数の組み合わせ個数
であるn回行い、n個のプロセスモデルをデータとして
メモリ18に格納しておく。
【0025】行程M4は、n個のプロセスモデルを記述
している変数である、ツール7の窓枠2に対する位置と
送り速度を成分とする運動と、窓枠2に加わる刃8から
の外力と、前記運動と前記外力の結果生じる加工面の幅
と加工代の幅を成分とする加工状態のうち、制御可能な
変数である前記運動と前記外力とで記述されている制御
モデルを、プロセスモデルに最も近い状態となるように
前記制御モデルの諸定数および係数を定量的に求め、n
個の制御モデルを具体的に構成する行程である。詳細は
図6で後述する。
【0026】前記n個の制御モデルはデータとしてメモ
リ18に格納しておく。
【0027】行程M5は、窓枠2の加工後の姿の図面寸
法、もしくは、実際に加工を行った前記窓枠2の形状
を、任意の教示方法を用いて教示し、教示データをメモ
リ18に格納する行程である。詳細は図7で後述する。
【0028】行程M6は、逐時もしくは所定時間毎に、
エンコーダ10と主制御CPU12により得られるツー
ル7の窓枠2に対する位置と送り速度を成分とする運動
のデータを求め、前記運動のデータを行程M4で構成さ
れた制御モデルに代入し、窓枠2に与える刃8からの外
力の目標値である目標外力を求め、力センサ5と力セン
サCPU17と主制御CPU12によって得られる窓枠
2に加わる刃8からの外力のデータを求める。更に、行
程M5でメモリ18に格納された教示データをツール7
の窓枠2に対する運動の目標値とし、窓枠2に対するツ
ール7の運動が前記運動の目標値と等価となり、かつ、
窓枠2に与える刃8からの外力が前記目標外力と等価と
なるように、ツール7を駆動させながらサーボモータ9
に加える動力を、公知の位置と力のハイブリッド制御法
を用いて制御して、窓枠2に発生するバリに対して実際
にバリ取り作業を行う行程である。
【0029】図3は、加工インピーダンスの概念を説明
するための、窓枠2と刃8の接触部近傍の断面図であ
る。図3(a)は前記加工インピーダンスの静的成分の
概念図であり、図3(b)は前記加工インピーダンスの
動的成分の概念図である。図3を用いて、加工インピー
ダンスモデル作成行程M1について詳細に説明する。
【0030】図3(a)において、Fsxは静的押付力、
syは静的送り力であり、前記Fsxと前記Fsyは、バリ
Bを窓枠2から除去するのに必要な力である窓枠2に与
える刃8からの外力Fの静的成分であるFs の成分であ
る。主制御CPU12内部にロードされたプログラムに
おいては、静的押付力Fsxと静的送り力Fsyは符号付き
スカラ量として扱われ、静的成分Fs は2次元のベクト
ル量として扱う。
【0031】刃8が押付方向接触投影面D1において、
比例定数Kで、前記刃8によって窓枠2に発生するバリ
の加工代の幅である加工量zに比例する押付応力σs
作用すると仮定して、静的押付力Fsxおよび静的送り力
syを作用させた場合の、前記刃8と前記窓枠2の界面
の微小部分に作用する静的微小押付力fsxと静的微小送
り力fsyを求めると、前記静的微小押付力fsxと前記静
的微小送り力fsyは前記加工量zと前記刃8の半径rの
関数と、前記押付応力σs の積となる。また、前記静的
微小押付力fsxを前記加工量zと加工面の幅である厚さ
Hについて定積分すると前記静的押付力Fsxが求まり、
前記静的微小送り力fsyを前記加工量zと加工面の幅で
ある厚さHについて定積分すると前記静的送り力Fsy
求まる。故に、前記静的微小押付力fsxと前記静的押付
力Fsxと前記静的微小送り力fsyと前記静的送り力Fsy
と前記静的成分Fs の関係は、数1となる。
【数1】Fs=[Fsx,Fsy]T=∫∫[fsx,fsy]T
dz・dH
【0032】図3(b)において、Frxは動的押付力、
ryは動的送り力であり、前記Frxと前記Fryは、バリ
Bを窓枠2から除去するのに必要な力である窓枠2に与
える刃8からの外力Fの動的成分Fr の成分である。主
制御CPU12内部にロードされたプログラムにおいて
は、静的押付力Frxと静的送り力Fryは符号付きスカラ
量として扱われ、静的成分Fr は2次元のベクトル量と
して扱う。
【0033】刃8が送り方向接触投影面D2において、
比例定数Dで、ツール7のワーク1に対する運動の内の
相対速度である送り速度vに比例する送り応力σr が作
用すると仮定して、動的押付力Frxおよび動的送り力F
ryを作用させた場合の、前記刃8と前記窓枠2の界面の
微小部分に作用する動的微小押付力frxと動的微小送り
力fryを求めると、前記動的微小押付力frxと前記動的
微小送り力fryは前記加工量zと刃半径rの関数と、前
記送り応力σr の積となる。また、前記動的微小押付力
rxを前記加工量zと加工面の幅である厚さHについて
定積分すると前記動的押付力Frxが求まり、前記動的微
小送り力fryを前記加工量zと加工面の幅である厚さH
について定積分すると前記動的送り力Fryが求まる。故
に、前記動的微小押付力frxと前記動的押付力Frxと前
記動的微小送り力fryと前記動的送り力Fryと前記動的
成分Fr の関係は、数2となる。
【数2】Fr=[Frx,Fry]T=∫∫[frx,fry]T
dz・dH
【0034】押付力Fx は、前記静的押付力Fsxと前記
動的押付力Frxの和であり、送り力Fy は、前記静的送
り力Fsyと前記動的送り力Fryの和である。刃半径rを
定数とし、数1および数2の一般解を求た後、押付力F
x と送り力 Fyを成分とする刃8から窓枠2に加わる外
力Fの一般解である数3を求める。数3は加工インピー
ダンスモデルであり、数3を求めることで行程M1は終
了する。
【数3】F=Q・k F=[Fx,Fy]T,k=[K,D]T Q=[S(z,H),R(z,H,v)]T S(z,H)=[Sx(z,H),Sy(z,H)]T R(z,H,v)=[Rx(z,H,v),Ry(z,H,v)]T ここで Sx(z,H)={H/(3・r2)}・z・(z2−2・r・
z+3・r2)×{z・(2・r−z)}1/2y(z,H)={H/(3・r2)}・z2・(r−z)×
{z・(2・r−z)}1/2x(z,H,v)={H/(3・r2)}・v・z×(z2−3
・r・z+3・r2) Ry(z,H,v)={H/(3・r2)}・v・z2×(3・r
−z)
【0035】数3について説明する。外力Fは行列Qと
ベクトルkの積で構成される。前記行列Qは、ワーク1
に対するツール7の運動の成分である前記ワーク1に対
する前記ツール7の相対位置x毎において、前記運動の
成分である送り速度vと、窓枠2に実現される加工状態
の成分である加工量zと厚さHの関数行列である。ベク
トルkは、ツール7の種類と刃8の種類、及び、加工対
象である窓枠2の材質が変わらない限り定数ベクトルで
ある。故に、数3に示す加工インピーダンスモデルは、
ツール7の窓枠2に対する運動と、窓枠2に加わる刃8
からの外力と、前記運動と前記外力の結果生じる加工状
態を変数とし、ツール7の種類と刃8の種類と窓枠2の
材質による定数及び係数と前記変数からなることを満た
す。
【0036】図4は、加工インピーダンス同定行程M2
において行う定数ベクトルkを求めるデータ収集のため
の加工実験の様子を示す略図であり、刃8が、送り速度
vで軌道T1に追従しながら窓枠2と同じ材質のテスト
ピース21を加工している図である。前記テストピース
21は、複数の異なる厚さHのものを用意する。押付力
x と送り力Fy は前記刃8が前記テストピース21の
加工に必要な、刃8から前記テストピース21に加わる
外力Fの成分であり、前記外力Fと数3に示す刃8から
窓枠2に加わる外力Fは等価であり、かつ、前記押付力
x と前記送り力Fy は前記刃8から前記窓枠2に加わ
る前記外力Fの成分である押付力Fx と送り力Fy に対
して等価である。
【0037】当行程M2では、前記テストピース21に
実現される加工状態の成分である加工量zと厚さHと、
前記ツール7の前記テストピース21に対する運動の内
の相対位置である前記軌道T1と、前記運動の内の相対
速度である送り速度vをN種類に変化させ、前記加工量
z毎と、前記厚さH毎と、前記送り速度v毎のN種類の
押付力Fx と送り力Fy を測定する。
【0038】図5は、前記行程M2の実施手順を示す流
れ図である。図4と図5を用いて前記行程M2を更に具
体的に説明する。
【0039】行程S1は、テストピース21に実現され
る加工状態の成分である厚さHの加工面の幅をもつテス
トピース21を図示していない治具に固着する行程であ
る。行程S2は、前記加工状態の成分である加工量z
と、ツール7の前記テストピース21に対する運動の内
の相対位置である前記軌道T1と、前記運動の内の相対
速度である送り速度vを設定する行程である。行程S3
は、刃8が前記送り速度vで軌道T1を追従しながら、
前記テストピース21の加工代の幅である加工量が前記
加工量zとなるように、ツール7を駆動し、かつ、ロボ
ット3を動作させる行程である。前記行程S1と前記行
程S2と前記行程S3は前記行程S1、前記行程S2、
前記行程S3の順番で行う。
【0040】行程S4は、行程S3が行われている間
の、テストピース21に加わる押付力Fx と送り力Fy
を測定する行程であり、単数または複数個の前記押付力
x と前記送り力Fy を測定する。前記行程S3と前記
行程S4が終了した後に、前記行程S4で求めた単数ま
たは複数個の押付力Fx と送り力Fy の各々の平均を、
加工量z、厚さH、送り速度vのときの押付力Fx と送
り力Fy として求める行程S5を行い、前記行程S5の
終了後に前記押付力Fx と前記送り力Fy のデータを、
数3に示す刃8から窓枠2に加わる外力Fと等価な、刃
8が前記テストピース21を加工するのに必要な、刃8
から前記テストピース21に加わる外力Fの成分とし
て、格納かつ管理する行程S6を行う。
【0041】行程S1、S2、S3、S4、S5、S6
をN回行った後に、各々N個の加工量zと厚さHと送り
速度vと押付力 Fxと送り力 Fyを用いて、数3におい
てkに対する最小2乗法を用いて前記kの成分であるK
とDの数値を求め、行程M2を終了する。
【0042】図6は、プロセスモデル作成行程M3の実
施手順を示す流れ図である。図6を用いて行程M3の説
明を行う。
【0043】プロセスモデルは、数3を、刃8が窓枠2
に発生するバリBを加工するときの加工状態の内、任意
の基準加工状態の成分である基準加工量z0 と基準厚さ
0と、ワーク1に対するツール7の運動の内、任意の
基準運動の成分である基準送り速度v0 で全微分して、
1次のテーラ展開と数学的に等価である平均値の定理を
用いて線形化した、数3の1次近似式である数4を用い
る。Эは偏微分演算子である。
【数4】F=F0+kz・Δz+kH・ΔH+kv・Δv ここで Δz=z−z0 ΔH=H−H0 Δv=v−v00=F|z=z0,H=H0,v=v0z=ЭF/Эz|z=z0,H=H0,v=v0H=ЭF/ЭH|z=z0,H=H0,v=v0v=ЭF/Эv|z=z0,H=H0,v=v0
【0044】数4についての説明を行う。外力Fは、数
3における刃8が窓枠2に対して加える外力Fと等価で
ある。基準外乱F0 は、刃8が窓枠2に発生するバリB
を加工するときの加工状態の成分である加工量zと厚さ
Hが、前記基準加工量z0 と前記基準厚さH0 であり、
かつ、ワーク1に対するツール7の運動の成分である送
り速度vが前記基準送り速度v0 であるときの前記外力
Fである。加工量差分Δzは前記加工量zと前記基準加
工量z0 の差である。厚さ差分ΔHは前記厚さHと前記
基準厚さH0 の差である。送り速度差分Δvは前記送り
速度vと前記基準送り速度v0 の差である。加工量剛性
z は前記加工量差分Δzの係数であって、前記バリB
の前記刃8に対する硬さをバネ定数に近似したものであ
り、前記外力Fを前記基準加工量z0 で数値偏微分する
ことで得られる。厚さ剛性kH は前記厚さ差分ΔHの係
数であり、前記窓枠2と前記バリBの界面の厚さが変化
した時にバリ取り作業が行い難くなる度合いをバネ定数
に近似したものであって、前記外力Fを前記基準厚さH
0 で数値偏微分することで得られる。送り速度粘性kv
は前記送り速度差分Δvの係数であり、前記ワーク1に
対する前記ツール7の送り速度vが増加した時にバリ取
り作業が行い難くなる度合いをダッシュポット定数に近
似したものであり、前記外力Fを前記基準送り速度v0
で数値偏微分することで得られる。
【0045】プロセスモデル作成行程M3についての説
明を行う。行程S8は、加工量zの微小変化dzと、厚
さHの微小変化dHと、送り速度vの微小変化dvを任
意、かつ、定量的に定める行程である。行程S9は、数
3に示す外力Fに、基準加工量z0 と基準厚さH0 と基
準送り速度v0 を定量的に与えることで基準外力F0
求める行程である。行程S10は、加工量剛性kz を前
記外力Fを前記前記基準加工量z0 で数値編微分して求
め、厚さ剛性kH を前記外力Fを前記基準厚さH0 で前
記数値偏微分して求め、送り速度粘性kv を前記基準送
り速度v0 で前記数値偏微分して求める行程である。前
記数値編微分の手法には補外計算を用いており、前記加
工量剛性kz と前記厚さ剛性kH と前記送り速度粘性k
v を求める式を数5に示す。
【数5】kz=(Fpz−Fmz)/dz ただし Fpz=F|z=z0+dz/2,H=H0,v=v0mz=F|z=z0−dz/2,H=H0,v=v0H=(FpH−FmH)/dH ただし FpH=F|z=z0,H=H0+dH/2,v=v0mH=F|z=z0,H=H0−dH/2,v=v0v=(Fpv−Fmv)/dv ただし Fpv=F|z=z0,H=H0,v=v0+dv/2 Fmv=F|z=z0,H=H0,v=v0−dv/2
【0046】前記行程S8、S9、S10の順番で前記
行程S8、S9、S10を行って、行程M3は終了す
る。
【0047】図7は、制御モデル作成行程M4の実施手
順を示す流れ図である。図7に従って制御モデル作成行
程M4を説明する。
【0048】制御モデルは、クーロン摩擦に代表される
外乱の仮想量として定義する仮想外乱Fd と、バネの伸
びを変化させるのに必要な力である剛性力の仮想量とし
て定義する仮想剛性力kd・Δx の和で構成された機械
インピーダンスモデルである数6と、押付力と送り速度
のハイブリッド制御則である数7で構成される。
【数6】Fc=Fd+kd・Δx Δx=Δz・e ただし Fc=[Fcx,Fcy]T
【数7】vx=KP・(Fcx−Fx)−KD・dFx/dt
y=v0d=[vx,vy]T
【0049】数6について説明する。数6は、仮想外乱
d と仮想剛性力kd・Δx の和で構成された機械イン
ピーダンスモデルである。目標外力Fc は、目標押付力
cxと目標送り力Fcyを成分とし、数3と数4に示す、
前記刃8から前記窓枠2に加えられる外力Fと方向が等
しく、かつ、前記目標外力Fc と前記外力Fとの差のユ
ークリッドノルムが最小であるような、窓枠2に発生す
るバリBに対してバリ取り作業を行うのに必要な、刃8
から前記窓枠2に加えられる外力の目標値である。単位
ベクトルeは、前記窓枠2と前記窓枠2に発生するバリ
Bとの界面の方向単位ベクトルである。位置変位Δxは
ワーク1に対するツール7の運動の成分である、ワーク
1に対するツール7の相対位置の変位である。仮想外乱
d と仮想剛性kd は、数6を仮想外乱と仮想剛性力で
構成するための定数である。
【0050】数7について説明する。数7は、サーボモ
ータ9がサーボアンプ13によって速度制御されている
場合に、ワーク1に対するツール7の相対速度vが制御
可能であるから、前記相対速度vを制御することで、刃
8から窓枠2に加えられる押付力Fx が前記刃8から前
記窓枠2に加えられるべき目標押付力Fcxと等しくなる
ように押付方向速度vx を制御し、かつ、ワーク1に対
するツール7の運動の成分である送り速度vが基準送り
速度v0 となるように制御するために、目標制御速度v
d を計算し、前記目標速度vd を前記サーボアンプ13
への入力として、サーボアンプ13からサーボモータ9
に供給される動力を制御するための、押付力と送り速度
のハイブリッド制御則である。KP は比例ゲイン、KD
は微分ゲインであり、前記比例ゲインKP と微分ゲイン
D は、図2に示す加工システムにおけるワーク1に対
するツール7の位置決めを行うための位置制御系が安定
である範囲においては任意である。
【0051】制御モデル作成行程M4を図7をもとに説
明する。行程S11は、数4における加工量差分Δz
と、加工量差分Δzの見込み誤差である補正誤差αと、
厚さ差分ΔHと送り速度差分Δvを成分とする5次元ベ
クトルを条件変数pとし、前記条件変数pの集合を集合
Pとする。前記集合Pに属する、前記条件変数pのM個
の目標条件である目標条件pi を設定する行程である。
前記条件変数pと前記集合Pと前記目標条件pi の関係
は数8に示す。
【数8】p=[1,Δz,α,ΔH,Δv]T pi ={pi はPに含まれ、かつ、M個存在する。} ただし i={iは整数、かつ、1≦i≦M}
【0052】行程S12は、数9を用いて行列Aを算出
し、数10を用いて行列Bを算出する行程である。数1
0における出力条件bi は、数8に示す目標条件pi
同数であり、前記出力条件bi の成分であるΔzi は、
前記目標条件pi の成分であるΔzi と等しい。
【数9】 ただし pi=[1,Δzi,αi,ΔHi,Δvi]T
【数10】 ただし bi=[1,Δzi]T
【0053】行程S13は、前記行程S12で求めた行
列Aと行列Bと、プロセスモデル作成行程M3で求めた
基準外乱F0 と加工量剛性kz と厚さ剛性kH 、およ
び、送り速度粘性kv を用いて、数6の仮想外乱Fd
仮想剛性kd を求める行程である。数9に示す全ての目
標条件pi と、数10に示す全ての出力条件bi におい
て、数4に示す外力Fと、数6に示す目標外力Fc の差
のユークリッドノルムが最小となる条件の一般解は、前
記仮想外乱Fd と前記仮想剛性kd に対する最小2乗法
によって数11として導出されることから、前記数11
の右辺に行列Aと行列B、及び前記基準外乱F0 と前記
加工量剛性kz と前記厚さ剛性kH と前記送り速度粘性
v の実数値を代入し、前記仮想外乱Fd と前記仮想剛
性kd を求めて行程13は終了する。
【数11】[Fd|kd]=[F0|kz|kz|kH
v]・A・B-1
【0054】行程S11と行程S12と行程S13を順
次行って行程M4を終了する。
【0055】図8は、窓枠形状教示行程M5の実施手順
の説明図である。図8を用いて教示行程M5の説明を行
う。
【0056】行程S14は、窓枠2において前記窓枠2
のバリBのバリ取り済みである教示用ワークを、図示し
ていない治具に固定する行程である。行程S15は、前
記教示用ワークの窓枠が、ツール7と刃8の目標軌道T
2となるように教示し、前記ツール7と前記刃8の目標
姿勢S2を教示する行程である。行程S16は、前記窓
枠の加工面の法線方向が、刃8から前記窓枠2に加えら
れる外力Fの押付方向成分である押付力Fx の制御方向
となり、ワーク1に対するツール7の運動の成分である
前記目標軌道上の点の接線の方向が、送り速度vの速度
制御方向となるように教示する行程である。前記行程S
14、S15、S16の順番で行い、前記行程S16が
終了して窓枠形状教示行程M5は終了する。
【0057】図9は、バリ取り作業行程M6を実施中の
時の刃8近傍の状態を示す略図であり、図9(a)は上
面図、図9(b)は正面図、図9(c)は側面図であ
る。
【0058】図10は、バリ取り作業行程M6の実施手
順の説明図である。図9と図10を用いて、バリ取り作
業行程M6を説明する。
【0059】行程S17は、窓枠2において前記窓枠2
に発生するバリBが未加工である、単数個または複数個
のワーク1のうち任意の1つを、窓枠形状教示行程M5
で用いた治具に固定する行程である。行程S18は、ツ
ール7を始動させる行程である。行程S19は、前記窓
枠2に刃8を接触させるように、ワーク1に対するツー
ル7の相対位置を位置制御する行程である。前記行程S
17、S18、S19は、前記行程S17、S18、S
19の順番で行う。
【0060】行程S20は、エンコーダ10からサーボ
カウンタ16を経て得られたサーボモータ9の変位デー
タqs を、主制御CPU12にロードされた座標変換プ
ログラムによってツール7のワーク1に対する相対位置
xと相対姿勢sを算出し、前記相対位置xを時間によっ
て全微分することで、前記ワーク1に対する前記ツール
7の運動の成分である相対速度vとして求め、力センサ
9から力センサCPU17を経て得られた力センサ座標
系における力データfを前記主制御CPU12にロード
された姿勢変換プログラムにより変換し、前記刃8が窓
枠2に加える外力Fを求める行程である。行程S21
は、前記目標軌道T2から見た前記相対位置xを、前記
ワーク1に対する前記ツール7の運動の成分である位置
変位Δxとして求める行程である。
【0061】行程S22は、インピーダンス制御を行う
行程であり、行程S21で求めた位置変位Δxを数6に
代入して、刃8が窓枠2に加えるべき目標外力Fc を求
める行程である。S23は、位置と力のハイブリッド制
御を行う行程であり、具体的には、前記行程S22で求
めた目標外力Fc と、行程S20で求めた外力Fと、ツ
ール7のワーク1に対する送り速度の基準値である基準
送り速度v0 を数7に代入して目標速度vd を求め、前
記ワーク1に対する前記ツール7の運動の成分である相
対速度vが前記目標速度vd に追従するようにサーボモ
ータ9への動力を制御するために、主制御CPU12に
ロードされた速度のPI制御則と逆座標変換プログラム
によって、サーボアンプ13への指令値である前記サー
ボモータ9の目標速度wを決定し、前記サーボモータ9
の目標速度wを前記サーボアンプ13へ指令する行程で
ある。
【0062】行程S20からS23は、行程S19が終
了した後に、行程S20、S21、S22、S23の順
番で行う。
【0063】行程S24は、1つのワーク1の窓枠2を
全て加工し終えたか否かを判断する行程であり、行程S
23が終了後行われる行程である。前記行程S24が、
前記1つのワーク1の窓枠2を全て加工し終えたと判断
した場合、前記行程S24は終了し、前記1つのワーク
1の窓枠2を全て加工し終えたと判断しない場合、前記
行程S20からS23、及び前記行程S24は再実行さ
れる。
【0064】行程S25は、窓枠2から刃8を離脱させ
る行程である。行程S26は、工具7を停止させる行程
である。行程S25、S26は前記行程S24が終了し
た後に、行程S25、S26の順番で行う。
【0065】行程S27は、対象物1を規定個数加工し
たか否かを判断する行程であり、行程S26が終了した
後に行われる。行程S27が、対象物1を規定個数加工
したと判断した場合には、行程S27は終了する。行程
S27が、対象物1を規定個数加工していないと判断し
た場合には、行程S17からS27は再実行される。
【0066】行程S27が終了した時点で、再生行程M
6は終了する。
【発明の効果】本発明によれば、ワークに対するツール
の相対位置をツール、もしくは、ワークを位置決めする
ための動力を制御することで決定可能で、かつ、前記ワ
ークに対する前記ツールの相対位置と、前記ワークに加
わる前記ツールからの力の大きさと方向を成分とする外
力が検出可能な加工機において、前記加工機における前
記ツールが前記ワークを加工する際の加工プロセスを、
前記ワークに対する前記ツールの運動と、前記ツールか
ら前記ワークへ与える外力と、前記運動と前記外力の結
果として前記ワークに生ずる加工状態の関係を予め構築
しておくことにより、実際の加工時の前記運動と前記外
力を検出することで前記加工状態を定量的に予測でき
る。このことは、前記加工状態を制御する場合に、前記
運動と、前記外力を制御すれば良いことと等価である。
これより、目標加工状態とワークに生ずる加工状態の差
をなくすために、任意の目標運動と目標加工状態を決定
することにより目標外力を算出し、加工機により前記外
力が前記目標外力になるように前記外力を前記ワークに
加え、かつ前記ワークに対する前記ツールの運動が前記
目標運動になるように前記加工機を制御することで、前
記ワークに生ずる加工状態を目標加工状態に近づけるこ
とが可能となり、前記加工機が歪を把握する視覚の有無
にかかわらず、前記ワークの形状が本来の図面寸法に対
して歪んでいる場合でも、前記ワークに作用させる前記
加工機の運動と外力の関係の最適値を求め、前記加工機
の制御を行うことで、ワークを加工した後の精度や形状
や美観を補償することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す流れ図
【図2】加工システムの全体構成の説明図
【図3】加工インピーダンスモデル作成行程M1の説明
【図4】加工インピーダンス同定行程M2の説明図
【図5】加工インピーダンス同定行程M2の流れ図
【図6】プロセスモデル作成行程M3の流れ図
【図7】制御モデル作成行程M4の流れ図
【図8】窓枠形状教示行程M5の流れ図
【図9】バリ取り作業行程M6の説明図
【図10】バリ取り作業行程M5の流れ図
【符号の説明】
M1 加工インピーダンスモデル作成行程 M2 加工インピーダンス同定行程 M3 プロセスモデル作成行程 M4 制御モデル作成行程 M5 窓枠形状教示行程 M6 バリ取り作業行程 1 ワーク 2 窓枠 3 ロボット 5 力センサ 7 ツール 8 刃 10 サーボモータ 11 システム制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G05D 15/01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークに対するツールの相対位置をツー
    ル、もしくは、ワークを位置決めするための動力を制御
    することで決定可能で、かつ、前記ワークに対する前記
    ツールの相対位置と、前記ワークに加わる前記ツールか
    らの力の大きさと方向を成分とする外力が検出可能な加
    工機における前記相対位置から算出される運動と、前記
    外力を同時に制御することで加工状態を目標加工状態と
    する加工インピーダンス制御であって、 前記外力と、前記ワークに対する前記ツールの運動の関
    係である機械インピーダンスモデルに、前記外力と前記
    運動の結果生じる前記相対位置毎の加工状態を加味した
    加工インピーダンスモデルを求め、 次に、加工が行われていく過程を記述するプロセスモデ
    ルとして、前記加工インピーダンスモデルを変形するこ
    となくそのまま用いるか、もしくは、任意に定めた基準
    運動と、任意に定めた基準加工状態を基準パラメータと
    して、前記加工インピーダンスモデルを前記基準パラメ
    ータ近傍で線形化したものを用い、 前記プロセスモデル中の運動成分と加工状態成分におけ
    る目標値である目標運動と目標加工状態を決定し、前記
    プロセスモデルに前記目標運動と目標加工状態を代入し
    て、目標外力の1元方程式を作り、前記1元方程式の解
    として前記目標外力を求め、実際にツールがワークに与
    える制御外力と、制御運動との関係である機械インピー
    ダンスモデルにおける、前記制御運動を前記目標運動と
    等価としたときの、前記制御外力と前記目標外力の差の
    ユークリッドノルムが最小となるように前記機械インピ
    ーダンスモデルを決定したものを制御モデルとし、 前記制御運動を制御モデルに代入して制御外力の1元方
    程式を作り、前記1元方程式の解として制御外力を求
    め、前記制御運動と前記制御外力を同時にサーボ制御す
    ることで、加工状態を目標加工状態に近づけることを特
    徴とする加工インピーダンス制御方法。
  2. 【請求項2】 加工インピーダンスモデルの構成パラメ
    ータの内、加速度項と慣性係数を省略したことを特徴と
    する請求項1記載の加工インピーダンス制御方法。
  3. 【請求項3】 プロセスモデルを構成するにあたり、前
    記プロセスモデルの構成パラメータの内、加速度項と慣
    性係数を省略したことを特徴とする請求項1記載の加工
    インピーダンス制御方法。
  4. 【請求項4】 加工インピーダンスモデルとプロセスモ
    デルを構成するにあたり、前記プロセスモデルの構成パ
    ラメータの内、加速度項と慣性係数を省略し、制御モデ
    ルを構成する上で、機械インピーダンスモデルを剛性項
    と外乱項のみで構成したことを特徴とする請求項1記載
    の加工インピーダンス制御方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001025862A1 (en) * 1999-10-05 2001-04-12 Abb Ab A computer based method and system for controlling an industrial process
JP2010506738A (ja) * 2006-10-19 2010-03-04 アーベーベー・アーゲー ワークピースを自動的に処理および/または機械加工するためのシステム及び方法

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