JPH07255691A - 磁気共鳴追跡装置と方法 - Google Patents

磁気共鳴追跡装置と方法

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JPH07255691A
JPH07255691A JP6042937A JP4293794A JPH07255691A JP H07255691 A JPH07255691 A JP H07255691A JP 6042937 A JP6042937 A JP 6042937A JP 4293794 A JP4293794 A JP 4293794A JP H07255691 A JPH07255691 A JP H07255691A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気共鳴信号を用いて、被検体内にあるカテ
ーテルの様な装置の位置を監視する追跡装置を提供す
る。 【構成】 被検体内の装置150には磁気共鳴信号に敏
感な受信コイル200を設け、追跡装置はこの信号を磁
界勾配の存在下で検出する。この印加された勾配の方向
に沿ったコイルの場所に比例する周波数を持つ信号を検
出することにより、被検体内の装置の位置が決定され
る。送信器の周波数の調節不良、化学シフト等の様な共
鳴のオフセット状態の影響を測定された位置が受け易い
ことを最小限に抑える為に、印加される磁界勾配の振幅
及び極性を選んで、測定を複数回繰返し、相異なる印加
磁界勾配に応答して収集されたデータの線形の組合せを
計算して、直交する3つの次元に於ける装置の位置が決
定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【関連出願】この出願は、1992年4月1日に出願さ
れた米国特許出願通し番号第07/861,718号、
発明の名称「磁気共鳴を用いて装置の位置を監視する追
跡装置及びパルス順序」、同第07/861,662
号、発明の名称「装置内に収容されたサンプルの磁気共
鳴による検出を利用した装置の位置及び向きを監視する
追跡装置」及び同第07/861,690号、発明の名
称「多重化磁気共鳴検出を用いた装置の位置及び向きを
監視する追跡装置」と関連を有する。
【0002】
【発明の分野】この発明は装置を身体の中に挿入する医
学的な手順、更に具体的に云えば、磁気共鳴信号を用い
てこの装置を追跡することに関する。
【0003】
【関連技術の説明】無線周波(RF)信号を使って、身
体内の装置を追跡する幾つかの方法が、何れも1991
年9月3日に出願された米国特許出願通し番号第07/
753,565号、発明の名称「無線周波磁界勾配を用
いて装置の位置及び向きを追う追跡装置」、同第07/
753,563号、発明の名称「無線周波磁界を用いて
装置の位置及び向きを追う追跡装置」、同第07/75
3,564号、発明の名称「無線周波磁界を用いた立体
X線蛍光透視装置」、同第07/753,567号、発
明の名称「作像装置に対する自動的なガントリーの位置
ぎめ」、及び同第07/753,566号、発明の名称
「無線周波磁界を用いた多平面X線蛍光透視装置」に記
載されている。これらの方法は、生体内にある装置に取
付けられたコイルを追跡するRF送信及び受信装置を用
いている。
【0004】上に引用した米国特許出願通し番号第07
/861,718号、同第07/861,662号及び
同第07/861,690号に記載されている様に、身
体内にある装置の場所を決定する為に磁気共鳴信号が用
いられている。位置情報が、直交する3つの次元の各々
でデータを相次いで測定することにより、3つの直交す
る方向で求められる。各々の次元からのデータは、印加
磁界勾配の各々の極性に対して1回ずつ、2回求められ
て、送信器の調節不良や透磁率効果の様な共鳴のオフセ
ット状態から生ずるアーチファクトを補正する。従っ
て、上に述べた方法は、3つの次元で装置の場所を突止
めるのに、6回の測定を必要とする。
【0005】現在、実質的な余分の装置を必要とせず
に、実時間に近い速度で、磁気共鳴(MR)作像装置内
にある被検体内の装置を追跡する追跡装置に対する必要
が生じている。
【0006】
【発明の要約】生体の中に配置されるカテーテル及びそ
の他の装置の追跡が、磁石、パルス式磁界勾配装置、無
線周波送信器、無線周波受信器及び制御器で構成された
磁気共鳴(MR)作像装置を使うことによって達成され
る。追跡しようとする装置(被追跡装置)は、その端の
近くに小さな無線周波(RF)コイルを取付けることに
よって変更する。被検体を磁石の中孔(bore)の中に配
置し、装置を被検体に導入する。MR装置が、被検体に
送り込まれる一連のRF及び磁界勾配パルスを発生し、
これらのパルスが、被検体内の選ばれた核スピンからの
共鳴によるMR応答信号を誘起する。この応答信号が、
装置に取付けられたRFコイルに電流を誘起する。RF
コイルは小さいから、それが感度を持つ領域が限られて
いる。従って、RFコイルの極く近くにある核スピンだ
けがRFコイルによって検出される。受信装置が検出さ
れたMR応答信号を受信し、このMR応答信号を復調、
増幅してフィルタにかけてディジタル化し、その後、そ
れが制御器によってデータとして貯蔵される。
【0007】データの収集は、互いに直交する3つの方
向に磁界勾配を印加している間に行なわれる。これらの
勾配により、検出された信号の周波数は、各々の印加勾
配に沿ったRFコイルの位置に直接的に比例する。磁界
勾配パルスの極性及び強度の相異なる組合せに応答し
て、この後でもデータの収集が行なわれる。収集された
データの線形の組合せを計算して、互いに直交する3つ
の軸に沿った位置情報を抽出する。その後、ディジタル
化されたデータをフーリエ変換を使って処理して、3つ
の次元に於けるRFコイルの位置を計算する。この位置
情報は、作像手段からの関心のある領域の医学的な診断
像に重畳することが出来る。
【0008】
【発明の目的】この発明の目的は、磁気共鳴(MR)検
査の間、生体内にある装置を追跡する方法を提供するこ
とである。この発明の別の目的は、装置の位置を医学的
な像に重畳して対話形で表示することである。
【0009】この発明の別の目的は、MR信号の多重化
検出を用いて、生体内にある装置を追跡する方法を提供
することである。この発明の新規と考えられる特徴は特
許請求の範囲に記載してあるが、この発明自体の構成、
作用及びその他の目的並びに利点は、以下図面について
説明する所から最もよく理解されよう。
【0010】
【発明の詳しい説明】図1では、支持テーブル110上
にいる被検体100が、磁石ハウジング120内にある
磁石125によって発生される均質な磁界内に配置され
る。磁石125及び磁石ハウジング120は円筒形の対
称性を持ち、被検体100の位置を示す為に半分に分割
して示されている。図面ではカテーテルとして示した装
置150をその中に挿入する被検体100の領域が、磁
石125の中孔の大体中心に定められる。被検体100
は、予定の時刻に予定の強度を持つ磁界勾配を作る1組
の円筒形磁界勾配コイル130(半分に分割して示して
ある)によって取囲まれている。勾配コイル130は、
互いに直交する3つの方向の磁界勾配を発生する。
【0011】外部コイル140も被検体100の関心の
ある領域を取囲んでいる。コイル140は、被検体全体
を包み込む位の直径を持つ円筒形の外部コイルとして示
されている(半分に分割してある)。特に頭又は末端を
作像する様に設計された一層小さい円筒の様なその他の
形状をこの代りに用いてもよい。この代りに、表面コイ
ルの様な円筒形でない外部コイルを使ってもよい。外部
コイル140が、予定の時刻に予定の周波数で無線周波
エネルギを被検体100に対して放射して、周知の形
で、被検体100の原子核の核磁気スピンを章動させ
る。スピンの章動により、スピンがラーモア周波数で共
鳴する。各々のスピンに対するラーモア周波数は、スピ
ンが受ける磁界の強度に正比例する。この磁界強度は、
磁石125によって発生された静磁界と磁界勾配コイル
130によって発生された局部的な磁界との和である。
【0012】装置150がオペレータ160によって被
検体100の中に挿入されるが、案内ワイヤ、カテーテ
ル、内視鏡、腹腔直達鏡、生体検査針又は同様な装置で
あってよい。この装置が、外部コイル140によって発
生された無線周波磁界に応答して被検体内に発生される
MR信号を検出するRFコイルを持っている。RFコイ
ルは小さいから、感度を持つ領域も小さい。従って、検
出される信号は、コイルの直ぐ近くにある磁界の強度だ
けによって生ずるラーモア周波数を持つ。こう云う検出
された信号が作像及び追跡装置170に送られ、そこで
解析される。装置150の位置が作像及び追跡装置17
0で決定され、表示手段180に表示される。この発明
の好ましい実施例では、装置150の位置が、作像及び
追跡装置170内にある重畳手段によって駆動される普
通のMR像に図形記号を重畳することによって、表示手
段180に表示される。この発明の別の実施例では、装
置150を表わす図形記号が、作像手段190によって
得られた診断像に重畳される。この作像手段は、X線、
計算機式断層写真法(CT)、ポジトロン放出断層写真
法又は超音波作像装置であってよい。この発明のこの他
の実施例では、装置の位置を、診断像を基準とせずに、
数字又は図形記号として表示する。
【0013】1実施例の装置150が図2に詳しく示さ
れている。小さいRFコイル200が、導体210,2
20を介してMR装置に電気結合される。この発明の好
ましい実施例では、導体210,220が同軸の対を形
成する。導体210,220及びRFコイル200が、
装置150の外側殻体230内に封入されている。装置
150を取巻く組織から生ずるMR信号がコイル200
によって検出される。
【0014】図3は作像及び装置の追跡に適したMR装
置のブロック図である。この装置は、1組の磁界勾配増
幅器910に対する制御信号を発生する制御器900を
有する。こう云う増幅器が、磁石外被120(図1にも
示してある)内にある磁界勾配コイル130を駆動す
る。勾配コイル130は、互いに直交する3つの方向の
磁界勾配を発生し得る。制御器900は、送信器手段9
30に送られる信号をも発生する。これらの信号は、
「ゼロ基準」磁気共鳴追跡順序又は「アダマール(Hada
mard)」磁気共鳴追跡順序に対応するものであってよ
い。制御器900からの信号により、送信器手段930
が、外部コイル140内にある被検体の領域の選ばれた
スピンを章動させるのに適した電力で、選ばれた周波数
のRFパルスを発生し、この外部コイルは磁石125の
中孔の中にある。MR信号が、受信器手段940に接続
されたRFコイル200(図2にも示してある)に誘起
される。受信器手段940が、それを増幅、復調して、
フィルタにかけてディジタル化することにより、MR信
号を処理する。制御器900は、受信器手段940から
の信号を集め、それを計算手段950へ伝え、そこでそ
れが処理される。計算手段950が、制御器900から
受取った信号にフーリエ変換を適用して、コイル200
の場所を決める。被検体の像が作像手段190によって
制御器900に供給される。これらの像は、超音波、X
線、ポジトロン放出断層写真法又は計算機断層写真法の
作像装置によって発生することが出来る。計算手段95
0によって計算されたコイル200の場所に対応する位
置で、像表示手段180の像上に記号が位置ぎめされ
る。
【0015】図4には、磁界勾配が印加された時、スピ
ンのラーモア周波数がその位置に略比例することが示さ
れている。勾配コイル130(図1)の中心点300に
あるスピンはラーモア周波数f0 を有する。点300に
於けるラーモア周波数f0 は、磁石125(図1)によ
って発生された静磁界だけによって決定される。位置3
10にあるスピンは、静磁界と、磁界勾配コイル130
(図1)によってその場所に発生された別の磁界の和に
よって決定されたラーモア周波数f1 を有する。勾配コ
イルの応答320が略直線的であるから、スピンのラー
モア周波数が位置に略比例する。
【0016】図2に示す様に装置150内に封入された
RFコイル200によって検出されたMR応答信号は、
MR装置のRF及び磁界勾配パルスに応答して発生され
る。現在好ましいと思われる実施例のパルス・タイミン
グが図5に示されており、これを以下「ゼロ基準磁気共
鳴追跡順序」と呼ぶ。この時間線図で、ゼロ基準広帯域
RFパルス400が印加される。次に、データ収集信号
440が発生されて、ゼロ基準MR応答信号450をデ
ィジタル化し、図1の作像及び追跡装置170に記憶さ
れる様にする。ゼロ基準MR応答信号450が、磁界勾
配の存在しない時に検出される。この為、ゼロ基準MR
応答信号450の周波数によって定められる位置が、作
像装置の検出された中心である。然し、送信器の周波数
の調節不良、透磁率効果等の様な共鳴のオフセット状態
が存在する時、検出された位置は、共鳴オフセットの大
きさに比例する分だけ、作像装置の実際の中心とは異な
る。共鳴オフセットによる測定された誤差を、第1、第
2及び第3のデータ収集信号440x,440y,44
0zに応答して計算された3つの直交位置の各々から減
算する。
【0017】第1の広帯域RFパルス400xが図1の
外部コイル140内にある被検体の全てのスピンを励振
する。第1の広帯域RFパルス400xの後、第1の磁
界勾配パルス410xが予定の方向に印加される。勾配
パルス410xがスピンの磁化を、印加磁界勾配(こゝ
ではX方向として示してある)に沿ったスピンの位置に
比例する程度に位相外し(dephase )する。勾配パルス
410xに続いて、反対の極性を持つ第2の磁界勾配パ
ルス420xが出て、2ローブ形磁界勾配パルスを形成
する。磁界勾配の大きさと勾配パルスの持続時間の積
(即ち、陰影線を施した領域)は、第1及び第2の勾配
パルスで略同一になる様に選ばれる。次に、第2の磁界
勾配パルス420xの振幅を、第2の磁界勾配パルス4
20xのそれと略等しい持続時間の間維持し、実効的
に、第2のパルス420xと略同一の面積を持つ第3の
パルス430xを作る。事実上、第2及び第3の勾配パ
ルス420x、430xは、1個のパルスを形成し、こ
れを2つのパルスに分割したのは、判り易い様にする為
である。第2の勾配パルスの終りに、被検体内にある全
てのスピンが実質的に同相になる。第3の勾配パルス4
30xにより、MR信号の追加の位相外しが起こる。
【0018】第2の勾配パルス420x及び第3の勾配
パルス430xの間、データ収集信号440xにより、
第1のMR応答信号450xをRFコイル200(図
2)が受取る。MR応答信号450xがディジタル化さ
れ、作像及び追跡装置170(図1)に記憶される。M
R応答信号450xは、第2の勾配パルス420xの略
終りで最大振幅に達し、印加磁界勾配の方向に沿った装
置150(図1)の位置に略比例するラーモア周波数を
持つ。MR応答信号450xの周波数を使って、印加磁
界Gx の方向と平行な第1の方向に於ける装置150
(図1)の位置を決定する。
【0019】第2の広帯域RFパルス400yが、第1
のMR応答信号450xを収集した直後に印加される。
第1の方向に於ける図1の装置150の位置を決定した
のと同様にして、第4、第5及び第6の勾配パルス41
0y,420y,430yが、第1の方向と略直交する
第2の方向(この場合はY方向として示してある)に印
加される。データ収集信号440yが第5及び第6の勾
配パルス420y,430yの期間中に発生されて、第
2のMR応答信号450yがディジタル化されて、図1
の作像及び追跡装置170に記憶される様にする。MR
応答信号450yの周波数を使って、第2の方向yに於
ける装置150(図1)の位置を決定する。MR応答信
号450yを検出した後、第3の広帯域RFパルス40
0zが印加され、第7、第8及び第9の勾配パルス41
0z,420z,430zが第1及び第2の方向と略直
交する第3の方向(図ではZ方向として示してある)に
印加される。データ収集信号440zが第8及び第9の
勾配パルスの期間中に発生されて、第3のMR応答信号
450zがディジタル化されて、図1の作像及び追跡装
置170に記憶される様にする。MR応答信号450z
の周波数を使って、第3の方向Zに於ける装置150
(図1)の位置を決定する。
【0020】第3のMR応答信号450zの検出の後、
ゼロ基準MR応答信号450によって得られた共鳴オフ
セットによる測定誤差を、各々のX,Y及びZ位置から
作像及び追跡装置170で減算して、装置の実際の場所
を決定し、この場所を表示手段180で表示する。この
後、図5に示すパルス順序全体が、装置の追跡をそれ以
上必要としなくなるまで繰返される。この代りに、図5
に示すパルス順序全体を、普通の作像用RFコイルから
のMR応答信号を収集する作像パルス順序と周期的にイ
ンターリーブして、被検体の作像及び装置の追跡を略同
時に行なうことが出来る。
【0021】この発明の別の実施例では、第3、第6及
び第9の勾配パルス430x,430y,430zの持
続時間を延長して、次の広帯域RFパルスを印加する前
に、信号が完全に位相外れになる様に保証する。これに
よって、多数のRFパルスからのスピンの位相コヒーレ
ンスによって生ずるアーチファクトを最小限に抑える。
位相コヒーレンスを最小限に抑える2番目の方法は、各
々のRFパルスに対し、MR装置のRF受信器及び送信
器にランダムな位相を使うことである。
【0022】この発明の別の実施例では、第1、第4及
び第7の勾配パルス410x,410y,410zの振
幅並びに/又は持続時間を減少するが、残りの勾配パル
スは変えない。これによって、データ収集期間より前に
各々の信号が受ける位相外れの程度が減少し、こうして
最大信号の瞬間が変化するが、その周波数は変化しな
い。第1、第4及び第7の勾配パルス410x,410
y,410zの持続時間を減少すると、RFパルス間隔
を減少することが出来て有利である。
【0023】図5に示すパルス順序は、図6に示す「ア
ダマール磁気共鳴追跡順序」になる様に変更することが
出来る。この発明のこの実施例では、広帯域RFパルス
460を使う。3つの位相外し磁界勾配パルス470
x,470y,470zが略同時に印加されて、互いに
直交する3つの軸に沿ってスピンの位相外しをする。読
出磁界勾配パルス480x,480y,480zが、位
相外し勾配パルスの後に同時に印加される。データ収集
信号441が、図5のパルス順序と同じ様に印加され
て、応答信号451がMR装置によって収集される様に
する。各組の位相外し及び読出磁界勾配パルスが2ロー
ブ形勾配パルスを形成することが認められよう。
【0024】応答信号451の検出の後、極性の異なる
磁界勾配パルス470x,470y,470z,480
x,480y,480z,490x,490y,490
zを用いて、図6に示すパルス順序が繰返される。この
発明の好ましい1実施例では、磁界勾配パルスの極性は
アダマール符号化マトリクスに従って選ばれる。励振の
回数が4回ある場合のアダマール符号化マトリクスの1
例は次の通りである。
【0025】
【表1】 こゝで“+”は選ばれた方向に印加される磁界勾配パル
スを表わし、“−”は同じ軸に沿って、反対の極性で略
同一の勾配パルスが印加されることを表わす。
【0026】図6に示したこの発明のアダマール符号化
形の実施例では、応答信号451の様な信号4個が図1
の作像及び追跡装置170に記憶される。4個の応答信
号P1,P2,P3,P4の各々からの位置が、図5及
び図7(後述)に示すパルス順序について述べるのと同
様にして、応答信号のフーリエ変換を計算することによ
って計算される。次に、4つの位置P1,P2,P3,
P4の線形の組合せを計算して、X,Y及びZ磁界勾配
軸に対する装置の位置に敏感な3つの処理済み応答信号
を求める。NEX=4であるアダマール符号化形実施例
では、下に示す線形の組合せが役立つ。
【0027】X位置=P1−P2−P3+P4 Y位置=P1−P2+P3−P4 Z位置=P1+P2−P3−P4 図5に概略的に述べた「ゼロ基準MR追跡順序」又は図
6について概略を述べた「アダマールMR追跡順序」を
用いて得られた図1の装置150の位置は、装置が異な
る種類の組織を通過する時、又は送信器の周波数の調節
不良の様な共鳴のオフセット状態がある時に起こり得る
化学シフトの差に影響されない。
【0028】図7には、検出された信号から図1の装置
150の位置を決定する為に図1の作像及び追跡装置1
70によって実行される段階が示されている。図5又は
図6の何れかに示したパルス順序に応答して、信号50
0がMR装置によって検出される。信号500は、印加
された磁界勾配の方向に於ける装置の位置に関する情報
を持っている。信号をフーリエ変換(FT)にかけて、
データの時間依存性を周波数依存性に変換することによ
り、この周波数情報が抽出される。周波数依存性を持つ
データの組510は、印加された磁界勾配の方向に於け
る図2のRFコイル200の位置に対応する1個の最大
値を持っている。データの組に於ける最大値の場所を抽
出し、それを表示手段180(図1)に送って、オペレ
ータに表示する。
【0029】希望によっては、MR作像及び装置の追跡
は、大部分のハードウエアを同じにした装置で実施する
ことが出来る。像の収集と追跡とをインターリーブにし
て、両方が大体同時に行なわれる様にすることも可能で
ある。この代りに、作像手順の勾配波形と、装置150
(図2)内にあるRFコイル200によって検出された
MR応答信号を解析して、装置150の場所を決定する
ことにより、インターリーブをせずに、追跡及び作像を
同時に行なうことが出来る。
【0030】この発明の好ましい実施例では、装置15
0内にあるRFコイル200が受信機能をする。然し、
送信及び受信コイルの間には相反性があり、装置150
にあるRFコイル200を使ってRFエネルギを送信
し、外部コイル140を使ってMR応答信号を受信する
様な追跡装置も可能である。この発明の別の実施例では
RFコイル200を使って、図8に示す様に、交互にR
Fエネルギの送信及び受信が出来る。制御器900が、
使われるMR順序に従ってスイッチ903を作動し、コ
イル200を送信器930に接続して、被検体にRFエ
ネルギを送り込む。逆に、制御器900がスイッチ90
3を作動して、コイル200を受信器940に接続し、
被検体からのRFエネルギを受信する。
【0031】現在好ましいと考えられる幾つかの実施例
のMR追跡装置を詳しく説明したが、当業者には種々の
変更が考えられよう。従って、特許請求の範囲は、この
発明の範囲内に属するこの様な全ての変更を包括するも
のであることを承知されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】被検体内にある装置の場所を追跡する動作中の
この発明の実施例の一部分を切欠いた斜視図。
【図2】被検体の身体に挿入しようとする装置に設けら
れたRFコイルの概略構成図。
【図3】この発明による図2の装置を追跡するのに適し
たMR作像装置のブロック図。
【図4】印加磁界勾配が存在する時のMR応答周波数を
1つの軸に沿った位置に対して示すグラフ。
【図5】この発明の「ゼロ基準MR追跡順序」を表す波
形図であって、RFパルス、磁界勾配パルス、データ収
集及び検出された信号の間の関係を示す。
【図6】この発明の「アダマールMR追跡順序」を表す
波形図であって、RFパルス、磁界勾配パルス、データ
収集及び検出された信号の間の関係を示す。
【図7】印加された磁界勾配の方向に沿ったRFコイル
の場所を決定する為に必要な段階を示す流れ図。
【図8】この発明による別の実施例MR追跡装置の部分
的なブロック図。
【符号の説明】
100 被検体 125 永久磁石 140 外部コイル 150 追跡される装置 180 表示手段 200 RFコイル 900 制御器 910 勾配増幅器 930 送信器 940 受信器 950 計算手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 チャールズ・ルシアン・ダモーリン アメリカ合衆国、ニューヨーク州、バルス トン・レイク、テラス・コート、36番 (72)発明者 ロバート・デイヴィッド・ダロー アメリカ合衆国、ニューヨーク州、スコテ ィア、スプリング・ロード、71番

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体内にある被追跡装置の場所を監視
    する磁気共鳴追跡装置に於て、(a)被検体にわたって
    略一様な振幅を持つ均質な磁界を印加するための磁界手
    段と、(b)選ばれた持続時間、振幅及び周波数を持つ
    無線周波(RF)エネルギを被検体に送り込んで、前記
    被検体内にある核スピンの選ばれた集合の章動を生じさ
    せる無線周波(RF)送信器手段と、(c)選ばれた数
    の空間的な次元で前記磁界の振幅を変えて、選ばれた方
    向の磁界勾配を形成する勾配手段と、(d)前記被追跡
    装置に取付けられていて、スピンの選ばれた集合からの
    磁気共鳴(MR)応答信号を検出する検出手段と、
    (e)該検出手段に応答して、検出されたMR応答信号
    から前記被追跡装置の場所を計算する計算手段と、
    (f)前記送信器手段、検出手段、計算手段及び勾配手
    段に結合されていて、ゼロ基準磁気共鳴追跡順序に前記
    送信器手段、検出手段、計算手段及び勾配手段を作動す
    る制御器手段と、(g)前記計算手段に応答して、前記
    被追跡装置の場所をオペレータに対して表示する表示手
    段とを有する磁気共鳴追跡装置。
  2. 【請求項2】 前記被検体の医学的な診断像を収集する
    作像手段と、前記被追跡装置の計算された場所を表わす
    位置で前記医学的な診断像に記号を重畳する重畳手段と
    を有する請求項1記載の磁気共鳴追跡装置。
  3. 【請求項3】 被検体内にある被追跡装置の場所を監視
    する磁気共鳴追跡装置に於て、(a)被検体にわたって
    略一様な振幅を持つ均質な磁界を印加するための磁界手
    段と、(b)前記被追跡装置に取付けられていて、選ば
    れた持続時間、振幅及び周波数を持つ無線周波(RF)
    エネルギを被検体に送り込んで、該被検体内にある核ス
    ピンの選ばれた集合の章動を行なわせる無線周波(R
    F)送信器手段と、(c)選ばれた数の次元で、時間に
    つれて前記磁界の振幅を変えるための勾配手段と、
    (d)スピンの選ばれた集合からの磁気共鳴(MR)応
    答信号を検出する検出手段と、(e)該検出手段に応答
    して、検出されたMR応答信号から前記被追跡装置の場
    所を計算する計算手段と、(f)前記送信器手段、検出
    手段、計算手段及び勾配手段に結合されていて、アダマ
    ール磁気共鳴追跡手順に従って前記送信器手段、検出手
    段、計算手段及び勾配手段を作動する制御器手段と、
    (g)前記計算手段に応答して前記被追跡装置の場所を
    オペレータに表示するための表示手段とを有する磁気共
    鳴追跡装置。
  4. 【請求項4】 前記検出手段が前記被追跡装置に固定さ
    れていてMR応答信号を受取るRFコイルで構成される
    請求項3記載の磁気共鳴追跡装置。
  5. 【請求項5】 前記作像手段が、磁気共鳴、X線、計算
    機式断層写真法(CT)、ポジトロン放出断層写真法及
    び超音波作像装置からなる群の内の1つである請求項2
    記載の磁気共鳴追跡装置。
  6. 【請求項6】 磁気共鳴を用いて被検体内にある被追跡
    装置の場所を追跡する方法に於て、(a)該被検体にわ
    たって略一様な振幅を持つ均質な磁界を印加し、(b)
    ゼロ基準無線周波(RF)パルスを、核スピンの選ばれ
    た集合の章動を行なわせるように被検体に送り込み、
    (c)核スピンの章動を生じた集合からのゼロ基準磁気
    共鳴(MR)応答信号を検出し、(d)ゼロ基準MR応
    答信号から場所のオフセットを計算し、(e)核スピン
    の選ばれた集合の章動を行なわせるように第1のRFパ
    ルスを被検体に送り込み、(f)第1の選ばれた方向に
    向けて、第1の2ローブ形読出磁界勾配パルスを前記被
    検体に印加し、(g)前記被追跡装置に取付けられたコ
    イルを介して、スピンの選ばれた集合からの磁気共鳴
    (MR)応答信号を検出し、(h)第1のMR応答信号
    から前記第1の方向に於ける大体の場所を計算し、
    (i)前記第1の方向に於ける大体の場所から前記場所
    のオフセットを減算することによって、印加された磁界
    勾配の方向に沿った前記被追跡装置の場所を計算する段
    階を含む方法。
  7. 【請求項7】 更に、(j)前記被検体の医学的な診断
    像を収集し、(k)前記被追跡装置の計算された場所を
    表わす位置で前記医学的な診断像に記号を重畳する段階
    を含む請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記第1のMR応答信号を検出する段階
    が、前記第1の選ばれた方向に磁界の第1の2ローブ形
    読出磁界勾配パルスを印加する段階と同時に行なわれる
    請求項6記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記第1の方向に於ける大体の場所を計
    算する段階が、MR応答信号を時間依存性から周波数依
    存性にフーリエ変換し、周波数依存性を大体の場所に写
    像(マッピング)する段階を含む請求項6記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記第1の方向に於ける大体の場所か
    ら前記場所のオフセットが減算されて、前記第1の選ば
    れた方向に於ける局在化が出来る様にする請求項6記載
    の方法。
  11. 【請求項11】 更に、第2の非選択性RFパルスを前
    記被検体に送り込み、前記第1の選ばれた方向に対して
    略直交する第2の選ばれた方向に向けて、前記被検体に
    第2の2ローブ形読出磁界勾配パルスを印加し、該第2
    の2ローブ形読出磁界勾配パルスを被検体に印加するの
    と同時に、第2のMR応答信号を検出し、該第2のMR
    応答信号から前記第2の方向に於ける大体の場所を計算
    し、前記第2の方向に於ける大体の場所から前記場所の
    オフセットを減算して前記第1及び第2の選ばれた方向
    に於ける局在化が出来る様にする段階を含む請求項6記
    載の方法。
  12. 【請求項12】 更に、第3の非選択性RFパルスを被
    検体に送り込み、前記第1及び第2の選ばれた方向に対
    して略直交する第3の選ばれた方向に向けて、第3の2
    ローブ形読出磁界勾配パルスを被検体に印加し、該第3
    の2ローブ形読出磁界勾配パルスを被検体に印加するの
    と同時に第3のMR応答信号を検出し、該第3のMR応
    答信号から前記第3の方向に於ける大体の場所を計算
    し、前記第3の方向に於ける大体の場所から前記場所の
    オフセットを減算して、前記第1、第2及び第3の選ば
    れた方向に於ける局在化が出来る様にする段階を含む請
    求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 磁気共鳴を用いて被検体内にある被追
    跡装置の場所を追跡する方法に於て、(a)被検体にわ
    たって略一様な振幅を持つ均質な磁界を印加し、(b)
    第1の非選択性無線周波(RF)パルスを被検体に送り
    込み、(c)第1の方向に向けて第1の2ローブ形読出
    磁界勾配パルスを被検体に印加し、(d)前記段階
    (c)と同時に第1の磁気共鳴(MR)応答信号を検出
    して、前記第1の方向に於ける局在化が出来る様にし、
    (e)前記第1のMR応答信号から前記第1の方向に沿
    った第1の位置P1を計算し、(f)第2の非選択性R
    Fパルスを被検体に送り込み、(g)前記第1の方向と
    は実質的に異なる第2の方向に向けて第2の2ローブ形
    読出磁界勾配パルスを被検体に印加し、(h)前記段階
    (g)と同時に第2のMR応答信号を検出して、前記第
    2の選ばれた方向に於ける局在化が出来る様にし、
    (i)該第2のMR応答信号から前記第2の方向に沿っ
    た第2の位置P2を計算し、(j)第3の非選択性RF
    パルスを被検体に送り込み、(k)前記第1及び第2の
    方向とは実質的に異なる第3の方向に向けて、第3の2
    ローブ形読出磁界勾配パルスを被検体に印加し、(l)
    前記段階(k)と同時に第3のMR応答信号を検出し
    て、前記第3の選ばれた方向に於ける局在化が出来る様
    にし、(m)該第3のMR応答信号から前記第3の方向
    に沿った第3の位置P3を計算し、(n)第4の非選択
    性RFパルスを被検体に送り込み、(o)前記第1、第
    2及び第3の方向とは実質的に異なる第4の方向に向け
    て第4の2ローブ形読出磁界勾配パルスを被検体に印加
    し、(p)該第4の2ローブ形読出磁界勾配パルスを印
    加するのと同時に第4のMR応答信号を検出して、前記
    第4の方向に於ける局在化が出来る様にし、(q)該第
    4のMR応答信号から前記第4の方向に沿った第4の位
    置P4を計算し、(r)前記第1、第2、第3及び第4
    の方向に沿った位置P1,P2,P3,P4の線形の組
    合せを計算して、前記被検体内の化学シフトの差に比較
    的影響されない前記被追跡装置の場所を求める段階を含
    む方法。
  14. 【請求項14】 磁気共鳴を用いて被検体内にある被追
    跡装置の場所を追跡する方法に於て、(a)被検体にわ
    たって略一様な振幅を持つ均質な磁界を印加し、(b)
    非選択性無線周波(RF)パルスを被検体に送り込み、
    (c)同時に夫々X、Y及びZ軸に沿った向きの3つの
    2ローブ形読出磁界勾配パルスを被検体に印加して、所
    望の方向に向けた合成磁界勾配を作り、(d)該合成磁
    界勾配を作る段階(c)と同時に磁気共鳴(MR)応答
    信号を検出して、前記第1の方向に於ける局在化が出来
    る様にし、(e)該MR応答信号を変換し、(f)アダ
    マール符号化方法に従って、夫々実質的に相異なる第
    2、第3及び第4の方向に向けた2ローブ形読出勾配を
    用いて前記段階(b)乃至(e)を3回さらに繰返し
    て、第1、第2、第3及び第4の変換MR応答信号を求
    め、(g)前記第1、第2、第3及び第4のMR応答信
    号から夫々前記第1、第2、第3及び第4の方向に沿っ
    た位置P1,P2,P3,P4を計算し、(h)アダマ
    ール復号方法に従って、前記第1、第2、第3及び第4
    の方向に沿った位置P1,P2,P3,P4の線形の組
    合せを計算して、前記被検体内の化学シフトの差に比較
    的影響されない前記被追跡装置の場所を求める段階を含
    む方法。
  15. 【請求項15】 X、Y及びZ2ローブ形読出勾配が、
    最初は所定の選ばれた極性が与えられ、2回目の繰返し
    では、X及びY2ローブ形読出勾配の極性は最初の2ロ
    ーブ形読出勾配に対して反転するが、Z2ローブ形勾配
    の極性は反転せず、3回目の繰返しでは、X及びZ2ロ
    ーブ形読出勾配の極性は反転するが、Y2ローブ形勾配
    の極性は反転せず、4回目の繰返しでは、Y及びZ2ロ
    ーブ形読出勾配の極性は反転するが、X2ローブ形勾配
    の極性は反転しない請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 X、Y及びZ位置を3つの次元に於け
    る前記被追跡装置の場所として、前記被追跡装置の場所
    が、夫々第1、第2、第3及び第4の方向に沿った位置
    P1,P2,P3,P4の線形の組合せから下記の式 X位置=−P1+P2+P3−P4 Y位置=−P1+P2−P3+P4 Z位置=−P1−P2+P3+P4 に従って計算される請求項15記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記方法を医学的な診断像を収集する
    段階と時間的に多重化する段階を含む請求項7記載の方
    法。
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