JPH0725460Y2 - エンジンの動力取り出し装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案はエンジンの動力取り出し装置に関し、特に、フ
ライホイールを固定している出力軸から動力を取り出す
動力取り出し装置に関する。

《従来技術》 従来、フライホイールを固定している回転軸から、エン
ジン動力を取り出す場合、フライホイールを固定してい
る回転軸（出力軸）に被駆動機器の入力軸をたわみ軸継
手機構を介して連結したり、出力軸にＶベルトプーリを
嵌着固定し、あるいはフライホイールの側面にＶベルト
プーリを固定したりしていた。また、Ｖベルトプーリと
たわみ軸継手機構とを併用して２系統に動力を取り出す
よう入力軸をしたものもある。

《解決しようとする課題》 ところが、動力を２系統に取り出すようにした従来のも
のでは、出力軸にＶベルトプーリを嵌着固定するととも
に、出力軸の軸端部にたわみ軸継手機構の一方の継手フ
ランジを固定するようにしていたことから、出力軸の突
出長さが長くなり、連結部のために大きなスペースを要
し、小型化できないという問題があった。

本考案はこのような点に着目してなされたもので、フラ
イホイールを固定している出力軸から２系統の動力を取
り出すことができる動力取り出し装置を小型に形成する
ことを目的とする。

《課題を解決するための手段》 上述の目的を達成するためるに、本考案は、たわみ軸継
手機構を構成している一方の継手フランジの周面にＶベ
ルト溝を形成し、このＶベルト溝を有する継手フランジ
をフライホイールの側面に配置し、このＶベルト溝を有
する継手フランジをフライホイールにたわみ軸継手機構
の継手ボルトで共締め固定したことを特徴としている。

《作用》 本考案では、たわみ軸継手機構を構成している一方の継
手フランジの周面にＶベルト溝を形成し、このＶベルト
溝を有する継手フランジをフライホイールの側面に配置
し、このＶベルト溝を有する継手フランジをフライホイ
ールにたわみ軸継手機構の継手ボルトで共締め固定して
いるので、フライホイールがたわみ軸継手の一方の継手
フランジを構成することになり、動力取り出し部での突
出長さを小さくすることができる。

《実施例》 図面は本考案の実施例を示し、第１図は要部拡大断面
図、第２図は縦型デイーゼルエンジンの概略側面図であ
る。

このエンジンは、エンジン本体（１）からクランク軸
（２）が前後に突出し、後側に突出しているクランク軸
（１）の端部にフライホイール（３）が固着してある。
そして、このフライホイール（３）を固着しているクラ
ンク軸（２）を出力軸として、被駆動機器の入力軸
（４）がたわみ軸継手機構（５）を介して接続してあ
る。また、エンジン本体（１）から前方に突出している
クランク軸（２）の先端部にたわみ軸継手機構（６）を
介して作業用油圧ポンプ等の補助作業機器（７）の入力
軸（８）が接続してある。

被駆動機器の入力軸（４）とクランク軸（２）の接続部
は、第１図に示すように構成されており、たわみ軸継手
機構（５）の駆動側フラシジ（９）を周面（10）にＶベ
ルト溝（11）を形成したプーリで構成し、この駆動側フ
ラシジ（９）をフライホイール（３）の外側面に同心状
に配置し、たわみ軸継手機構（５）の従動側フラシジ
（12）から挿通した継手ボルト（13）をフライホイール
（３）に止め付けることにより、駆動側フラシジ（９）
を共締め固定している。符号（14）は継手ボルト（13）
に嵌着したゴムブッシュである。

第３図は、前記駆動側フラシジ（９）をフライホイール
（３）の外側面に固定ボルト（15）で固定し、駆動側フ
ラシジ（９）と従動側フラシジ（12）とを継手ボルト
（13）で連結したものである。

第４図は補助動力取出部での軸連結構造を示し、これ
は、エンジン本体（１）の前側に突出しているクランク
軸（２）に固定されている駆動側フラシジ（９）の周面
にＶベルト溝（11）を形成し、駆動側フランジ（９）と
従動側フラシジ（12）とを継手ボルト（15）で連結する
ようにしたものであり、このＶベルト溝（11）にラジエ
ータァン駆動用のＶベルト（16）を巻きかけるようにし
てある。

第５図はたわみ軸継手機構（５）を構成するフランジの
変形例を示し、これは、Ｖベルト溝（11）を形成したプ
ーリ（17）を部分球殻状に形成したカップリングフラン
ジ（18）に固着して形成したものである。

また、第６図〜第８図はベルトテンション機構を示し、
第６図に示すものは、テンションプーリ（19）を枢支し
ているアーム（20）に長穴（21）を形成するとともに、
アーム（20）の他端部をテンションプーリ（19）の配設
側とは逆方向に折り曲げ、この折り曲げ部分（22）にア
ーム移動用ボルト（23）の挿通孔（24）を形成したもの
であり、このアーム（20）を止めつけネジ（24）で外観
を円筒状に形成した取り付け座（25）に止め付けたもの
である。このようにベルトテンション機構をこのように
構成した場合には、アーム移動用ボルト（23）の操作で
アーム（20）を長穴（21）に沿って直線状に移動させる
ことができるうえ、アーム（20）を取り付け座（25）の
回りに回動させることにより、テンションプーリ（19）
を揺動させることができる。

また、第７図に示すものは、取り付け座（25）に外観形
状を角柱状に形成したもので、このように構成すること
により、アーム（20）を長穴（21）に沿う直線状に移動
させることができる。さらに、第８図示すものは、アー
ム（20）の側縁部を下向きに折り曲げ形成して、アーム
（20）の移動用ガイドに形成したものである。

《効果》 本考案では、たわみ軸継手機構を構成している一方の継
手フランジの周面にＶベルト溝を形成し、このＶベルト
溝を有する継手フランジをフライホイールの側面に配置
し、このＶベルト溝を有する継手フランジをフライホイ
ールにたわみ軸継手機構の継手ボルトで共締め固定して
いるので、フライホイールがたわみ軸継手の一方の継手
フランジを構成することになり、動力取り出し部での突
出長さを小さくすることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は要部拡大断面
図、第２図は縦形デイーゼルエンジンの概略側面図、第
３図は別実施例の第１図相当図、第４図は補助動力取り
出し部での接続状態を示す第１図相当図、第５図はカッ
プリングフランジの変形例を示す縦断面図、第６図はテ
ンション装置の分解斜視図、第７図はテンション装置の
別実施例を示す分解斜視図、第８図はテンションアーム
の変形例を示す斜視図である。 ３……フライホイール、１……エンジンの出力軸、４…
…被駆動機器の入力軸、５……たわみ軸継手機構、９…
…継手フランジ、11……Ｖベルト溝、13……継手ボル
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】フライホイール（３）を固定しているエン
   ジンの出力軸（１）に被駆動機器の入力軸（４）をたわ
   み軸継手機構（５）を介して接続しなるエンジンの動力
   取り出し装置において、 たわみ軸継手機構（５）を構成している一方の継手フラ
   ンジ（９）の周面にＶベルト溝（11）を形成し、このＶ
   ベルト溝（11）を有する継手フランジ（９）をフライホ
   イール（３）の側面に配置し、このＶベルト溝（11）を
   有する継手フランジ（９）をフライホイール（３）にた
   わみ軸継手機構（５）の継手ボルト（13）で共締め固定
   したことを特徴とするエンジンの動力取り出し装置。