JPH07253576A - 液晶表示モジュール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成により視野角を無くした液晶表示
モジュールと、効率のよいカラー表示動作を実現した液
晶表示モジュールを提供する。 【構成】 ＴＦＴアクティブマトリックス構成の液晶画
素を用いて紫外線を通過させるようにし、かかる画素に
対向するように配置されてなる蛍光体に紫外線を照射さ
せて発光させる。 【効果】 液晶画素は、単なる紫外線を選択的に通過さ
せる光シッターとして作用し、その照射に対応させられ
た発光体により画素の点灯が行われるために、視野角の
無い表示画面を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、液晶表示モジュール
に関し、特にカラー液晶表示装置に利用して有効な技術
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のカラー液晶表示モジュールでは、
図３に示すように、白色蛍光ランプＣＦＬからでた光
は、曲面反射板により集光され、導光板に導かれる。そ
の後に、導光板を通過して、反射シートに当たり前面に
でる。そして、散光板により均一化して偏光板、カラー
フィルタを透過させて光に着色して液晶画素を選択的に
通過させる。上記液晶画素を通過した着色光は、位相差
フィルムを経てカラー化された光の位相補正を行い、偏
光板及び保護板を通過して表示画面に出る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のカ
ラー液晶表示モジュールでは、輝度を低下させる要因と
して位相差板の存在が上げられる。位相差板は、液晶画
素を通過した光（赤、青、緑）が液晶の特性により透過
率が異なるために設けられるものである。つまり、透過
率の悪い色の光に合わせて透過率のよい色の光を減衰さ
せるものである。

【０００４】液晶モジュールの薄型化により、導光板の
厚みを薄くすることが必要になるものである。しかし、
このように導光板の厚みを薄くすると回析効果が表れ
て、導光板上に到達する光が色収差により色ムラとなっ
て表れてしまう。さらに、液晶表示装置においては、上
記のようなカラー表示に特有の問題の他に、人が直視す
る面が偏光板であるために、角度による輝度の変化が大
きいという問題を有するものである。

【０００５】この発明の目的は、簡単な構成により視野
角を無くした液晶表示モジュールを提供することにあ
る。この発明の他の目的は、効率のよいカラー表示動作
を実現した液晶表示モジュールを提供することにある。
この発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴
は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるで
あろう。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下
記の通りである。すなわち、ＴＦＴアクティブマトリッ
クス構成の液晶画素を用いて紫外線を通過させるように
し、かかる画素に対向するように配置されてなる蛍光体
に紫外線を照射させて発光させる。

【０００７】

【作用】上記した手段によれば、液晶画素は、単なる紫
外線を選択的に通過させる光シッターとして作用し、そ
の照射に対応させられた発光体により画素の点灯が行わ
れるために、視野角の無い表示画面を得ることができ
る。

【０００８】

【実施例】図１には、この発明に係る液晶表示モジュー
ルの一実施例の概略構造断面図が示されている。この実
施例の液晶表示装置は、特に制限されないが、カラー表
示に向けられている。

【０００９】この実施例の液晶表示モジュールにおいて
は、光源として従来のような白色光源に代えて紫外線発
光を行う冷陰極管ＣＦＬが用いられる。この紫外線ラン
プから出射された紫外線は、ランプ・ホルダーの内側の
曲面反射板により反射されて開口領域に導かれる。この
開口領域には、導光板の入射端面が近接されて設けら
れ、上記開口領域に集光された紫外線の取り込みが行わ
れる。

【００１０】上記導光板の裏面側には反射板（反射シー
ト）が設けられて、表面側に散乱板が設けられる。これ
により、上記冷陰極管ＣＦＬから出射された紫外線を均
一化して散乱板の表面から放射させることができる。以
上の構成は、従来の白色光源を用いたバックライトと同
様である。ただし、光源として白色光に代えて波長の短
い紫外線を用いるので、従来のバックライトと同じ材質
の導光板では、その減衰率が大きくなるから、導光板及
び散乱板として紫外線の透過率のよい材料が選ばれる点
において、従来の白色光を用いたバックライトと異なる
ものである。

【００１１】液晶パネルとしては、偏光板と共通電極が
設けられたガラス基盤とが直接に積層構造にされる。つ
まり、従来のカラー液晶表示装置のように白色光に着色
を行うカラーフィルタが削除された単純な構成とされ
る。つまり、モノクロ表示を行う場合と同様な構成とさ
れる。

【００１２】そして、画素電極が設けられた上側のガラ
ス基盤には偏光板を介して保護板の内側（下面）にカラ
ー蛍光体が形成される。このカラー蛍光体は、上記液晶
の画素電極にほぼ対応された大きさとされる。従来のカ
ラー液晶表示装置におけるカラーフィルタと同様なパタ
ーンにより各色のカラー蛍光体が塗布される。この構成
においては、従来のようなカラーフィルタを用いて着色
光を用いるときに必要とされる位相差フィルムも削除さ
れる。

【００１３】この実施例の液晶画素は、従来のモノクロ
表示と同様に紫外線を単に駆動信号に応じて選択的に通
過させるシャッターの役割しか持たない。それ故、前記
のようなカラーフィルタや、位相差フィルムによる通過
光の減衰がない。そして、通過された紫外線は、保護膜
の内面に設けられた発光体に照射されて、ここでカラー
発光が行われる。つまり、カラーブラウン管にける電子
ビームと同様に作用して発光体を発光させて表示動作を
行うものである。

【００１４】このように保護板の内面に設けられた発光
体が発光して表示動作を行うので、カラーＣＲＴと同様
に視野角の無い表示が行われる。また、画素が点灯して
いる限り定常的に紫外線が照射されて発光体が発光を行
うものであるので、ＣＴＲのようなダイナミック型表示
ではないので、チラツキの無い安定した表示動作を行わ
せることができる。そして、カラー表示において、カラ
ーフィルタや位相差フィルムでの通過光の減衰が全く無
いから、効率のよい表示動作を行われることができるも
のである。

【００１５】液晶パネルとしては、モノクロ表示のもの
をそのまま利用でき、それにカラー蛍光体が設けられた
保護板を組み合わせるとカラー表示が可能となり、白色
光の蛍光体を用いるとモノクロ表示ができるというよう
に、保護板を変更するだけでカラー表示装置とモノクロ
表示装置を組み立てることができ、液晶表示パネルの量
産性を向上させることができる。

【００１６】図２には、この発明に係る液晶表示装置の
一実施例のブロック図が示されている。ＴＦＴ液晶表示
モジュールは、大型でＲＧＢの三原色画素によりカラー
多色表示が可能にされる。ただし、光源として紫外線を
用いるとともに、図１の実施例のようにカラー表示のた
めのＲＧＢの画素は、保護板にカラー蛍光体が設けられ
ることにより実現されるものである。ＴＦＴ液晶パネル
の信号線は、奇数番目のものと偶数番目のものが上下に
振り分けられて、上側に信号線駆動回路ＤＤＶ１〜ＤＤ
Ｖ１０が設けられ、下側には信号線駆動回路ＤＤＶ１１
〜ＤＤＶ２０が設けられる。

【００１７】初段の信号線駆動回路ＤＤＶ１とＤＤＶ１
１においてシリアル入力用のクロックパルスＣＬ２によ
りデータの取り込みが終了すると、直ちに低消費電力モ
ードに入る。そして、出力信号をロウレベルにして次段
の信号線駆動回路ＤＤＶ２とＤＤＶ１２がそれぞれ動作
を開始して、以後のクロックパルスによってデータを取
り込む。以下、同様にして最終段の信号線駆動回路ＤＤ
Ｖ１０とＤＤＶ２０までに入力データの取り込みが完了
すると、クロックパルスＣＬ１が発生して上記取り込ま
れたラッチデータをラインデータラッチ回路転送し、次
のラインに対応したシリアルデータの取り込みを開始す
る。

【００１８】走査線電極は、走査線駆動回路ＣＤＶ１〜
ＣＤＶ４により駆動される。この走査線駆動回路ＣＤＶ
１〜ＣＤＶ４は、それぞれ複数の出力端子を持ち、ライ
ン同期信号を受けて順次に選択する走査線を切り替え
る。

【００１９】コントローラは、少なくとも１画面分の表
示データを格納する画像メモリを持ち、ホストコンピュ
ータ（マイクロコンピュータ）ＣＰＵは上記画像メモリ
に対して表示データを入力する。コントローラは、液晶
表示パネルの走査タイミングに同期して画像メモリのデ
ータを順次に読み出してシリアルデータと制御信号を生
成する。

【００２０】液晶駆動電源回路は、階調電圧Ｖ０〜Ｖ７
を出力する。信号線駆動回路ＤＤＶ１〜２０は、表示デ
ータに対応した階調電圧を選択して表示パネルの信号線
に駆動電圧を供給し、液晶画素の透過率を７段階に制御
して表示データに対応した階調表示を行わせるものであ
る。このような階調表示動作によって、多色カラー表示
が可能になるものである。

【００２１】前記保護板に形成される蛍光体を白色等の
単色にすれば、同じ動作によりモノクロ表示を行うよう
にした液晶表示装置を得ることができる。

【００２２】上記の実施例から得られる作用効果は、下
記の通りである。すなわち、 （１） ＴＦＴアクティブマトリックス構成の液晶画素
を用いて紫外線を通過させるようにし、かかる画素に対
向するように配置されてなる蛍光体に紫外線を照射させ
て発光させる。この構成では、液晶画素は、単なる紫外
線を選択的に通過させる光シッターとして作用し、その
照射に対応させられた発光体により画素の点灯が行われ
るために視野角の無い表示画面を得ることができるとい
う効果が得られる。

【００２３】（２） 上記蛍光体としてカラー蛍光体を
用いて対応する蛍光体の発光色に対応して上記液晶画素
を駆動してカラー表示を行うようにことにより、カラー
フィルタや位相差フィルムによる透過率の減衰がなく、
効率のよいカラー表示を行うようにすることができると
いう効果が得られる。

【００２４】（３） 上記液晶パネルは単に紫外線の透
過を制御するものであるので、バックライトの導光板を
薄くしたときの回析効果も問題にならないから、表示装
置の薄型化を図ることができるという効果が得られる。

【００２５】以上本発明者よりなされた発明を実施例に
基づき具体的に説明したが、本願発明は前記実施例に限
定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種
々変更可能であることはいうまでもない。例えば、紫外
線ランプと反射板を持つランプ・ホルダーを導光板の両
側に配置して液晶パネルに供給される紫外線の均一化を
図るようにしてもよい。

【００２６】

【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。すなわち、ＴＦＴアクティブマトリッ
クス構成の液晶画素を用いて紫外線を通過させるように
し、かかる画素に対向するように配置されてなる蛍光体
に紫外線を照射させて発光させる。この構成では、液晶
画素は、単なる紫外線を選択的に通過させる光シッター
として作用し、その照射に対応させられた発光体により
画素の点灯が行われるために視野角の無い表示画面を得
ることができる。

【００２７】上記蛍光体としてカラー蛍光体を用いて対
応する蛍光体の発光色に対応して上記液晶画素を駆動し
てカラー表示を行うようにことにより、カラーフィルタ
や位相差フィルムによる透過率の減衰がなく、効率のよ
いカラー表示を行うようにすることができる。

【００２８】上記液晶パネルは単に紫外線の透過を制御
するものであるので、バックライトの導光板を薄くした
ときの回析効果も問題にならないから、表示装置の薄型
化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る液晶表示モジュールの一実施例
を示す概略構造断面図である。

【図２】この発明に係る液晶表示装置の一実施例を示す
ブロック図である。

【図３】従来のカラー液晶表示モジュールの一例を示す
概略構造断面図である。

【符号の説明】

ＣＰＵ…ホストコンピュータ、ＤＤＶ１〜ＤＤＶ２０…
信号線駆動回路、ＣＶＤ１〜ＣＶＤ４…走査線駆動回
路。

フロントページの続き (72)発明者 矢野 知隆 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ＴＦＴアクティブマトリックス構成の液
   晶画素を用いて紫外線を通過させて、かかる液晶画素に
   対向して設けられた蛍光体に上記通過させられた紫外線
   を照射させるようにしてなることを特徴とする液晶表示
   モジュール。
2. 【請求項２】 上記蛍光体は、カラー蛍光体であり、対
   応する蛍光体の発光色に対応して上記液晶画素を駆動し
   てカラー表示を行うようにしてなることを特徴とする請
   求項１の液晶表示モジュール。