JPH07252741A - 防炎性に優れたポリエステル布帛 - Google Patents

防炎性に優れたポリエステル布帛

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JPH07252741A
JPH07252741A JP6067954A JP6795494A JPH07252741A JP H07252741 A JPH07252741 A JP H07252741A JP 6067954 A JP6067954 A JP 6067954A JP 6795494 A JP6795494 A JP 6795494A JP H07252741 A JPH07252741 A JP H07252741A
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polyethylene terephthalate
polyester
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Hirotsuna Tanizawa
谷澤  宏綱
Hiroshi Sugawara
博 菅原
Takao Kawase
隆夫 河瀬
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Kanebo Ltd
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Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】発火源を取り除けば燃焼も同時に停止する能力
(防炎性能)を有し、カチオン染料可染ポリエステルに
より濃色染めの可能な布帛を提供すること。 【構成】表層に位置しポリエチレンテレフタレートから
主として構成される層Aと、ポリエチレンテレフタレー
トとカチオン染料可染ポリエステルとの複合糸から主と
して構成される層Bとを有する多層布帛であって、カチ
オン染料可染ポリエステルが濃色に染色されていること
を特徴とする防炎性に優れたポリエステル布帛。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は防炎性に優れたポリエス
テル布帛に関し、特に遮光を目的とするカーテンの素材
に適したポリエステル布帛に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、難燃性能を有する遮光カーテン素
材としては、原着糸を用いたものの欠点を克服せんとし
て、特公平3−64628号公報に、カチオン染料可染
ポリエステルを用いたものが記載されている。
【0003】これは、黒色に染色されたカチオン染料可
染ポリエステル繊維層の両面を、レギュラーポリエステ
ル(ポリエチレンテレフタレート)繊維層でサンドイッ
チ状に挟み込んだ多層布帛に、難燃処理を施したもので
あり、同公報によれば、このような多層布帛は、カーボ
ンブラック原着糸を越える難燃性能を有し、しかも遮光
性に優れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
3−64628号公報に開示された布帛は、着火するま
での性能(難燃性能)は有しているものの、一旦着火し
てしまうと発火源を取り除いても燃焼が続き、自然に消
えること(防炎性能)は布帛のすべてを燃焼し尽くすま
で無い。
【0005】すなはち、本発明者らが、同公報に記載さ
れた多層布帛の燃焼の過程を分析したところ、先ず布帛
に炎を近づけると、溶融温度及び気化温度の低いカチオ
ン染料可染ポリエステルがポリエチレンテレフタレート
よりも先に溶けて気化し、その蒸気が発火する。この
時、ポリエチレンテレフタレート成分は溶融速度が遅い
のでその大部分は流動状態とはならず、カチオン染料可
染ポリエステル成分が溶融して流動状態となっていても
ポリエチレンテレフタレート成分に保持されてその周囲
に残留し、恰かもポリエチレンテレフタレート成分を芯
とした蝋燭の如く燃焼が続いてしまうのである。したが
って、このような燃焼過程を有する場合、前述の如き防
炎性能は無く、一箇所に火が付けば、忽ちのうちに全体
に飛び火してしまうこととなる。
【0006】本発明はかかる問題点を解決するものであ
って、その目的は、発火源を取り除けば燃焼も同時に停
止する能力(防炎性能)を有し、カチオン染料可染ポリ
エステルを使用したことにより濃色染めの可能な布帛を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、表層に位置し
ポリエチレンテレフタレートから主として構成される層
Aと、ポリエチレンテレフタレートとカチオン染料可染
ポリエステルとの複合糸から主として構成される層Bと
を有する多層布帛であって、カチオン染料可染ポリエス
テルが濃色に染色されていることを特徴とする防炎性に
優れたポリエステル布帛である。
【0008】本発明の布帛は、表層に位置する層Aと、
後述する複合糸からなる層Bの少なくとも2つの層を有
する多層布帛である。ここで、多層布帛とは、二重織物
や朱子織物等の如く織編組織によって多層構造を形成せ
しめた多重織編物、独立したシート状物を接着剤や交絡
法によって接合したラミネート布帛、更には単一の布帛
に物理的、化学的作用を施して多層構造を形成せしめた
もの等を指す。
【0009】また、層A、層Bは、各々200μm程度
の厚みを有し、布帛全体において両層は、7:3〜3:
7程度の比をもって多層化されていることが好ましい。
層Aは表層に位置し、他の層によって完全に被覆される
ことはない。また、層Aは、主としてポリエチレンテレ
フタレートにより構成されるが、その物性を大きく損な
うことがない限り難燃、抗菌、消臭等の種々の機能を有
した繊維を混用しても良い。通常、層Aは表面として用
いられるため、用途に応じた染色やプリントを行って意
匠性に富んだ布帛となせば良い。
【0010】一方、層Bはポリエチレンテレフタレート
とカチオン染料可染ポリエステルとの複合糸から主とし
てなる。ここで、カチオン染料可染ポリエステルとは、
5−ナトリウムスルホイソフタル酸の如きスルホネート
金属塩をポリエチレンテレフタレートに共重合せしめた
もの、更にエチレングリコール等のポリアルキレングリ
コールを含有せしめたもの等が挙げられ、ポリエチレン
テレフタレートとの溶融粘度差が0.02(相対粘度)
以下であることが好ましい。
【0011】また、本発明に言う複合糸とは、混繊、交
絡、交撚、複合仮撚、カバーリング、複合紡糸(コンジ
ュケート)等の手法によりポリエチレンテレフタレート
成分とカチオン染料可染ポリエステル成分とを単一糸の
如く合わせたものを言い、交編織によるものとは異な
り、特に流体を用いた混繊交絡や複合紡糸は両成分を均
一に複合することができるため、本発明では好ましい。
また、ポリエチレンテレフタレートとカチオン染料可染
ポリエステルは2:8〜7:3の比率で複合すると良
く、カチオン染料可染ポリエステルの比率が多すぎると
防炎性が不十分となったり、ポリエチレンテレフタレー
トの比率が多すぎると遮光性に劣ったりするおそれがあ
る。
【0012】両成分を複合紡糸して得た複合繊維の横断
面形状としては、ポリエチレンテレフタレート成分を
芯、カチオン染料可染ポリエステル成分を鞘とした芯鞘
形状、ポリエチレンテレフタレート成分を放射状、カチ
オン染料可染ポリエステル成分をこれを補完する部分に
配した放射状形状等を挙げることができる。
【0013】本発明で用いるポリエチレンテレフタレー
ト糸、カチオン染料可染ポリエステル糸の繊度はその用
途に応じて選択すれば良いが、通常30〜300d程度
である。また、これらの糸条は無撚でも、追撚をして用
いても良く、更に仮撚加工等を施して用いても良い。本
発明において、カチオン染料可染ポリエステルは黒や紺
等の濃色に染色され、これにより布帛に遮光性を与えて
いる。
【0014】また、本発明の布帛には、難燃加工が施さ
れていても良い。難燃加工方法としては、有機リン・ハ
ロゲン化合物、含窒素有機リン化合物等の公知の繊維用
難燃剤を用いれば良い。
【0015】
【作用】本発明のポリエステル布帛が顕著な防炎性能を
発揮する理由については定かではないが、凡そ次の通り
であると推測される。すなはち、先に説明した如く布帛
の燃焼過程を考察れば、先ず布帛に炎を近づけると、溶
融温度及び気化温度の低いカチオン染料可染ポリエステ
ルがポリエチレンテレフタレートよりも先に溶けて気化
し、その蒸気が発火する。この時、両糸を交織等により
層状に構成した従来の多層布帛では、先に溶融したカチ
オン染料可染ポリエステル成分が溶融速度の遅いポリエ
チレンテレフタレート成分を芯として蝋燭の如く燃焼す
るのであるが、本発明の場合、両成分が混繊や複合紡糸
によって極めて接近した状態で複合されているため、カ
チオン染料可染ポリエステル成分が溶融すると両成分は
一体となって流動化し、そのまま脱落してしまうと考え
られる。よって、カチオン染料可染ポリエステルの蒸気
が発火する前に溶融成分は布帛より除去され、発火源が
無くなればそれ以上燃焼が続くことはない。
【0016】
【実施例】本発明において、防炎性能試験は、消防法の
防炎試験法により、45°ミクロバーナー法で判定した
ものである。
【0017】(実施例1)75d/36fのポリエチレ
ンテレフタレート糸にS1000T/Mの追撚を施して
経糸に用い、50d/24fのポリエチレンテレフタレ
ート糸と、ポリエチレンテレフタレートに5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸とポリエチレングリコールを共重
合せしめた150d/36fのカチオン可染ポリエステ
ルとをS250T/Mで合撚した205d/60fの複
合糸を緯糸に用いてツイル織物を得、カチオン染料可染
ポリエステルを黒色に染色し、10%浴比でハロゲン系
難燃剤(ニッカファイノン)で難燃処理を施した。該織
物の防炎性能を表1に示す。
【0018】(実施例2)経糸に75d/36fのポリ
エチレンテレフタレート糸の仮撚加工糸を用い、組織を
経二重織物とした以外は実施例1と全く同様に加工を行
った。結果を表1に示す。
【0019】(実施例3)実施例2において複合糸を、
インターレース交絡による混繊交絡糸にS250T/M
の追撚を施したものとした以外は全く同様に加工を行っ
た。結果を表1に示す。
【0020】(実施例4)実施例1において、複合糸と
してポリエチレンテレフタレート成分とポリエチレンテ
レフタレートに5−ナトリウムスルホイソフタル酸とポ
リエチレングリコールを共重合せしめたカチオン可染ポ
リエステル成分とを2:8の比率で、カチオン染料可染
ポリエステル成分を8本の放射部とこれを補完するポリ
エチレンテレフタレート成分の形状に複合紡糸した15
0d/50fの複合繊維にS250T/Mの追撚を施し
たものを用いた他は全く同様に加工を行った。結果を表
1に示す。
【0021】(実施例5)実施例2において、実施例4
で用いた複合糸を用いた他は全く同様に加工を行った。
結果を表1に示す。
【0022】(比較例1)75d/36fのポリエチレ
ンテレフタレート糸の仮撚加工糸を経糸に、150d/
32fのポリエチレンテレフタレートに5−ナトリウム
スルホイソフタル酸とポリエチレングリコールを共重合
せしめたカチオン可染ポリエステルの仮撚加工糸を緯糸
に用いて経二重織物を得、カチオン染料可染ポリエステ
ルを黒色に染色した。該織物の防炎性能を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、濃色染めにより遮光性
の得られるポリエステル系の多層布帛で、従来に無い高
い防炎性を得ることができる。このため、ポリエチレン
テレフタレート層に意匠性の高い染色等を施せば、高度
の防炎性を持った極めて品位の高い遮光カーテンを得る
ことができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表層に位置しポリエチレンテレフタレート
    から主として構成される層Aと、ポリエチレンテレフタ
    レートとカチオン染料可染ポリエステルとの複合糸から
    主として構成される層Bとを有する多層布帛であって、
    カチオン染料可染ポリエステルが濃色に染色されている
    ことを特徴とする防炎性に優れたポリエステル布帛。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007051384A (ja) * 2005-08-16 2007-03-01 Toray Ind Inc 難燃性ポリエステル系繊維構造物およびその製造方法
JP2013181259A (ja) * 2012-03-01 2013-09-12 Mitsubishi Rayon Textile Co Ltd カチオン染料可染性難燃ポリエステル繊維及びその繊維製品

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