JPH07252157A - カプセル化細胞 - Google Patents

カプセル化細胞

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JPH07252157A
JPH07252157A JP6042679A JP4267994A JPH07252157A JP H07252157 A JPH07252157 A JP H07252157A JP 6042679 A JP6042679 A JP 6042679A JP 4267994 A JP4267994 A JP 4267994A JP H07252157 A JPH07252157 A JP H07252157A
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JP
Japan
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cell
encapsulated
cells
agarose
polymer layer
Prior art date
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Pending
Application number
JP6042679A
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English (en)
Inventor
Hiroo Iwata
博夫 岩田
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Publication date
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  • Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】細胞をアガロースとポリスチレンスルホン酸の
混合ゲルの周囲にイオンコンプレックスを形成させたカ
プセルの最外層に生体非分解性のアニオンポリマーを用
いてなるカプセル化細胞。 【効果】細胞の物質産生と処理機能を長期にわたって維
持することができ、細胞移植による治療が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カプセル化細胞に関す
るものである。詳しくは、細胞の移植による治療を目的
とした、免疫隔離能と生体適合性を有し、さらに優れた
生体内安定性をも有する、材料と細胞のハイブリッドに
よるカプセル化細胞に関するものである。
【0002】
【従来の技術】生体は、その構成成分である細胞が産生
するホルモンや因子等の物質によって恒常性を維持して
いる。このため、何等かの要因によって細胞がダメージ
を受けて、必要なホルモンや因子等が不足することによ
って様々な疾患を発病することが知られている。このよ
うな疾患の治療方法として、不足している物質を生体内
に補充する方法が試みられている。たとえば、膵臓のラ
ンゲルハンス島が障害を受けると、インスリンが欠乏
し、糖を中心とした代謝過程に異常を生じて糖尿病を惹
起する。このインスリンを生体内に注入することで血糖
値をコントロールする治療が行われている。また、血糖
値は常に変動しているため、適正なインスリンを装置に
よって自動的に投与する人工膵臓の研究が行われている
が、長期に使用できるシステムは実用化されていない。
【0003】このため、インスリンのように生体に不足
している物質を補う治療方法として、その必要物質を産
生する細胞をカプセル化して移植する試みが行われてい
る。カプセル化細胞の移植は、臓器移植のような大手術
を行う必要がなく、副作用を伴う免疫抑制剤の使用なし
に拒絶反応を防ぐことができ、また、必要なときに必要
な物質を補充できるなど、多くの利点があり、糖尿病や
先天的なホルモン欠損症などの根本的治療法として期待
されている。また、最近では、癌末期の痛み抑制を目的
として、痛みの抑制物質を産生する細胞をカプセル化し
て移植する治療のように、不足物質を補うだけではな
く、苦痛の軽減への利用も研究されている。
【0004】このカプセル化細胞の作成方法として、ア
クリル系ポリマー同士のイオン間相互作用によって形成
されるマイクロカプセル(特公平5−34946号公
報)、コラーゲンゲル包括カプセル(特開昭63−37
86号公報)、カチオン性多糖を用いたポリイオン性マ
イクロ封入(特開昭60−75326号公報)、アガロ
ース分解物を用いたカプセル(特開昭62−21553
0号公報)などが提案されている。これらの提案は、カ
プセル内の細胞機能を維持するために栄養素や必要とす
る細胞産生物などの通過を可能とし、かつ、細胞に障害
を与える物質、例えば、抗体や免疫担当細胞が通過出来
ないもので、さらに、生体適合性や物理的強度を満足さ
せることを目的としている。しかし、いずれも、カプセ
ルの物質通過のコントロールや移植時の生体適合性の問
題を完全に解決したものではなく、長期の移植に耐えら
れない。
【0005】このため、必要な物質の透過させ、抗体の
侵入を防ぎ、さらに抗原の漏出を防ぐため、アガロース
とポリスチレンスルホン酸を混合したマイクロカプセル
を作成し、ヘキサジメチリンブロマイドとコンドロイチ
ン硫酸でその外層にイオンコンプレックスを形成させる
ことで、ポリスチレンスルホン酸の流出を防ぐと同時に
生体適合性を付与したカプセルが提案されている(岩田
ら、日本バイオマテリアル学会シンポジウム’92講演
抄録集、p88、1992)。この研究では、ストレプ
トゾトシンによって糖尿病にしたBALB/cマウスへ
の移植によって50日以上の血糖値正常化が報告されて
いるが、最外層のコンドロイチン硫酸が生体で分解され
てしまうため、より長期の移植には問題が残されてい
る。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、必要な物
質の透過性が良好で、有害な物質の透過を完全に阻止で
き、かつ生体適合性に優れ、生体内に移植後長期間にわ
たってその機能を維持できるカプセル化細胞を提供せん
とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題は、細胞と、該
細胞を被覆するアガロースとポリスチレンスルホン酸と
を有する混合ゲル層と、該混合ゲル層を被覆するカチオ
ン性ポリマー層と、該カチオン性ポリマー層を被覆する
生体非分解性のアニオン性ポリマー層とを有することを
特徴とするカプセル化細胞によって解決される。
【0008】本発明で使用されるカチオン性ポリマーと
しては、ポリスチレンスルホン酸とのポリイオンコンプ
レックスを形成し得るものであれば本発明の意図を逸脱
しない範囲内で適宜採用できるが、例えばポリアミン化
合物、具体的にはポリエチレンイミン、スペルミン、ス
ペルミジン、ヘキサジメチリンブマロイド等が挙げられ
る。本発明で使用される生体非分解性アニオンポリマー
は、上述のポリスチレンスルホン酸およびカチオン性ポ
リマーとポリイオンコンプレックスを形成し得るもので
あれば本発明の意図を逸脱しない範囲内で適宜採用でき
るが、具体的にはカルボキシメチルセルロース、ポリア
クリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルスルホン酸、
マレイン酸とエチルビニルエーテルの共重合体が挙げら
れる。
【0009】なお、本明細書において「生体非分解性」
とは、生体内に留置した場合に、生体の免疫や代謝機能
によって容易にその構造が破壊されない特性をいう。
【0010】
【作用】本発明は、カプセル内の細胞機能を維持するた
めに栄養素や必要とする細胞産生物などの通過を可能と
し、かつ、細胞に障害を与える物質、例えば、抗体や免
疫担当細胞が通過出来ないもので、さらに、生体適合性
や物理的強度を満足させるものカプセルの構成要素とし
てアガロースを用いている。
【0011】また、アガロース単体では不十分な外部抗
体の侵入やカプセル内抗原の漏出の防止のためにポリス
チレンスルホン酸をアガロースに混合しているが、ポリ
スチレンスルホン酸はアガロースゲルから流出しやすい
ので、これを抑制するためアガロースゲル外表面にポリ
スチレンスルホン酸ゲルとのポリイオンコンプレックス
を形成している。このポリイオンコンプレックスはアガ
ロースゲルに混合されたポリスチレンスルホン酸と、ア
ガロースゲルを被覆するカチオン性ポリマー層と、さら
にその外層に設けられた生体内で代謝を受けないアニオ
ン性ポリマーとによって構成されている。
【0012】最外層に生体内で代謝を受けないアニオン
性ポリマーを配したため、カチオン性ポリマーの露出が
防止されることによって、生体細胞の付着が抑えられ、
生体に異物として認識されることによる異物反応を防ぐ
とともに、最外層自身の生体内における安定性を著明に
向上させることに成功し、カプセル化細胞の生着性の飛
躍的向上を成し遂げた。
【0013】
【実施例】次に、実施例及び比較例を示して本発明を具
体的に説明する。なお、本実施例ではラ島をカプセル化
して糖尿病モデル動物に移植することによって、血糖値
を長期にコントロールする具体例を示したものである
が、本発明に使用できる細胞を限定したものではない。
【0014】(実施例1)ハムスター膵臓より、コラゲ
ナーゼ消化法によりランゲルハンス島(以下ラ島)を単
離回収した。次に、5%アガロース(清水食品(株)L
GT S−2)、10%ポリスチレンスルホン酸(分子
量70000、Polysciences,Inc)を加熱溶解したイーグル
エッセンシャルメディウム(MEM)液を40℃に保温
し、先に単離したラ島を加えて分散した。この溶液に4
0℃に保温した流動パラフィンを加え、アガロース/ポ
リスチレンスルホン酸−MEM液を分散させ、氷冷する
ことによってゲル化させた。作製したカプセルを回収
し、ヘキサジメチリン・ブロマイド(分子量5000〜1000
0、Aldrich Chemical Company,Inc)−MEM溶液(ヘ
キサジメチリン・ブロマイド濃度:1%(v/v))、
カルボキシメチルセルロース(分子量21万〜25万、東京
化成工業(株)No.C0603)−MEM溶液(カルボキシメ
チルセルロース濃度:1%(v/v))、に順次浸漬す
ることによって、カプセルの外層にイオンコンプレック
スを形成させたカプセル化ラ島を得た。
【0015】カプセル化ラ島の移植実験には、自然発症
糖尿病マウス(NODマウス)を用いた。糖尿病マウス
を麻酔後、切開にて腹腔内に1000個のカプセル化ラ
島を移植した。なお、免疫抑制剤は使用しなかった。移
植後定期的に採血を行ない、非絶食時の血漿グルコース
濃度を測定し、2回連続してグルコース濃度が250m
g/dlを越えた最初の日までを生着期間とした。結果
を表1に示した。
【0016】(実施例2)カルボキシメチルセルロース
のかわりに、ポリアクリル酸(分子量約20万〜50万、和
光純薬工業(株))(ポリアクリル酸濃度:1%(v/
v))を用いた以外は、実施例1と同様にして行ない、
カプセル化ラ島の生着期間を調べた。結果を表1に示し
た。
【0017】(比較例1)カルボキシメチルセルロース
のかわりに、コンドロイチン硫酸ナトリウム(和光純薬
工業(株))(コンドロイチン硫酸濃度:1%(v/
v))を用いた以外は、実施例1と同様にして行ない、
カプセル化ラ島の生着期間を調べた。結果を表1に示し
た。表1から、本発明のカプセル化細胞が生体内で長期
にその機能を維持できることは明らかである。
【0018】 表 1 カプセル最外層 移植マウス 移植ラ島数 生着期間(日) カルボキシメチルセルロース NOD 1000 46.6±29.3(n=7) ポリアクリル酸 〃 〃 44.0±21.3(n=4) コンドロイチン硫酸 〃 〃 29.0±21.9(n=5) 〃 〃 2000 21.7±14.1(n=6)
【0019】
【発明の効果】本発明のカプセル化細胞は、生体内にこ
のカプセル化細胞を移植した場合に、細胞の産生物と必
要な成分を通過させ、かつ、細胞に有害な成分の通過を
防ぐことと、生体適合性等の機能を長期にわたって維持
することができる。このため、カプセル化細胞は、その
本来の目的である細胞の物質産生と処理機能を維持する
ことができ、細胞移植による治療が可能になる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C12N 11/16

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】細胞と、該細胞を被覆するアガロースとポ
    リスチレンスルホン酸とを有する混合ゲル層と、該混合
    ゲル層を被覆するカチオン性ポリマー層と、該カチオン
    性ポリマー層を被覆する生体非分解性のアニオン性ポリ
    マー層とを有することを特徴とするカプセル化細胞。
JP6042679A 1994-03-14 1994-03-14 カプセル化細胞 Pending JPH07252157A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6042679A JPH07252157A (ja) 1994-03-14 1994-03-14 カプセル化細胞

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6042679A JPH07252157A (ja) 1994-03-14 1994-03-14 カプセル化細胞

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07252157A true JPH07252157A (ja) 1995-10-03

Family

ID=12642723

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6042679A Pending JPH07252157A (ja) 1994-03-14 1994-03-14 カプセル化細胞

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JP (1) JPH07252157A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6391576B1 (en) * 1999-10-13 2002-05-21 Japan Bioindustry Association Method for isolating a microbe

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6391576B1 (en) * 1999-10-13 2002-05-21 Japan Bioindustry Association Method for isolating a microbe

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