JPH07252146A - 副腎皮質ホルモン産生促進剤 - Google Patents
副腎皮質ホルモン産生促進剤Info
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- JPH07252146A JPH07252146A JP6793594A JP6793594A JPH07252146A JP H07252146 A JPH07252146 A JP H07252146A JP 6793594 A JP6793594 A JP 6793594A JP 6793594 A JP6793594 A JP 6793594A JP H07252146 A JPH07252146 A JP H07252146A
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- JP
- Japan
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- hormone production
- bryostatin
- acth
- adrenocortical hormone
- hormone
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- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】新規な副腎皮質ホルモン産生促進剤を提供する
こと。 【構成】化学式(1)で表される化合物であるbryostat
in10を有効成分として含有する副腎皮質ホルモン産生促
進剤。 【化1】
こと。 【構成】化学式(1)で表される化合物であるbryostat
in10を有効成分として含有する副腎皮質ホルモン産生促
進剤。 【化1】
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、副腎皮質ホルモン産生
促進剤に関する。詳しくは、フサコケムシ(Bugula ner
itina)から抽出された構造既知のBriostatin 10の新規
な用途である副腎皮質ホルモン産生促進剤に関する。
促進剤に関する。詳しくは、フサコケムシ(Bugula ner
itina)から抽出された構造既知のBriostatin 10の新規
な用途である副腎皮質ホルモン産生促進剤に関する。
【0002】
【従来の技術】副腎皮質ホルモンは、副腎皮質で産生・
分泌されるホルモンであって、糖質合成促進作用を有す
るステロイドであるグルココルチコイドと、電解質代謝
を変化させる生理活性を有するステロイドであるミネラ
ルコルチコイドからなる。そして、副腎皮質ホルモンが
欠乏するとアジソン氏病等の疾病を引き起こすことが知
られている。これらの疾病に対する治療法の一例として
は、副腎皮質ホルモンそのものを投与することや、副腎
副腎皮質ホルモン産生を促進する物質を投与することが
考えられる。しかし、前者の場合副腎皮質ホルモンの直
接の投与はホルモン系のバランスを崩して他のホルモン
の異常をまねくおそれがあり、治療薬として満足できる
ものではない。ところで、副腎皮質ホルモンの産生はカ
ルシウムイオンあるいは副腎皮質刺激ホルモン(ACT
H)、またはそれらの相乗効果によって刺激されること
が知られている。しかし、これらは高価であったり、細
胞内への注入が困難であること、他の生体内機構への影
響等のため、副腎皮質ホルモン産生のための細胞培養系
への添加、あるいは副腎皮質ホルモン欠乏症の治療薬と
しては適当ではなく、また現在のところ他に副腎皮質ホ
ルモン産生促進剤として満足のいくものが得られていな
いのが現状である。それ故、新たな副腎皮質ホルモン産
生促進剤の出現が望まれている。
分泌されるホルモンであって、糖質合成促進作用を有す
るステロイドであるグルココルチコイドと、電解質代謝
を変化させる生理活性を有するステロイドであるミネラ
ルコルチコイドからなる。そして、副腎皮質ホルモンが
欠乏するとアジソン氏病等の疾病を引き起こすことが知
られている。これらの疾病に対する治療法の一例として
は、副腎皮質ホルモンそのものを投与することや、副腎
副腎皮質ホルモン産生を促進する物質を投与することが
考えられる。しかし、前者の場合副腎皮質ホルモンの直
接の投与はホルモン系のバランスを崩して他のホルモン
の異常をまねくおそれがあり、治療薬として満足できる
ものではない。ところで、副腎皮質ホルモンの産生はカ
ルシウムイオンあるいは副腎皮質刺激ホルモン(ACT
H)、またはそれらの相乗効果によって刺激されること
が知られている。しかし、これらは高価であったり、細
胞内への注入が困難であること、他の生体内機構への影
響等のため、副腎皮質ホルモン産生のための細胞培養系
への添加、あるいは副腎皮質ホルモン欠乏症の治療薬と
しては適当ではなく、また現在のところ他に副腎皮質ホ
ルモン産生促進剤として満足のいくものが得られていな
いのが現状である。それ故、新たな副腎皮質ホルモン産
生促進剤の出現が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は新規
な副腎皮質ホルモン産生促進剤を提供することを目的と
する。
な副腎皮質ホルモン産生促進剤を提供することを目的と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、新規な副
腎皮質ホルモン産生促進剤を得るために、副腎皮質細胞
培養系における副腎皮質ホルモン産生能を指標にスクリ
ーニングを行った。その結果、化学式(1)で表される
フサコケムシ由来のbryostatin10に活性を見いだし本発
明を完成させた。即ち、上記課題は化学式(1)で表さ
れる化合物を有効成分として含有することを特徴とする
副腎皮質ホルモン産生促進剤によって解決される。
腎皮質ホルモン産生促進剤を得るために、副腎皮質細胞
培養系における副腎皮質ホルモン産生能を指標にスクリ
ーニングを行った。その結果、化学式(1)で表される
フサコケムシ由来のbryostatin10に活性を見いだし本発
明を完成させた。即ち、上記課題は化学式(1)で表さ
れる化合物を有効成分として含有することを特徴とする
副腎皮質ホルモン産生促進剤によって解決される。
【化2】
【0005】本発明の副腎皮質ホルモン産生促進剤は、
有効成分としてbryostatin10を含有している。bryostat
in10は、マクロライド(大環状ラクトン)の一種であ
り、フサコケムシに存在していることが知られている。
本発明者等は、青森県浅虫(青森湾)で採取したフサコケ
ムシより単離したbryostatin10を用いた。また、岩手県
大槌町(大槌湾)で採取したフサコケムシもbryostatin
10含有量が多いことを確認している。
有効成分としてbryostatin10を含有している。bryostat
in10は、マクロライド(大環状ラクトン)の一種であ
り、フサコケムシに存在していることが知られている。
本発明者等は、青森県浅虫(青森湾)で採取したフサコケ
ムシより単離したbryostatin10を用いた。また、岩手県
大槌町(大槌湾)で採取したフサコケムシもbryostatin
10含有量が多いことを確認している。
【0006】本発明の副腎皮質ホルモン産生促進剤は、
bryostatin10を有効成分として含有していればよく、使
用されるbryostatin10は上述したフサコケムシからの抽
出物に限られない。また、本発明の副腎皮質ホルモン産
生促進剤は、経口、非経口製剤のいずれでもよい。非経
口製剤であれば、静脈、動脈、皮膚、皮下、筋肉、消化
管(胃、腸)を経由して投与される。投与量は、投与形
態、剤型さらには患者の年齢、病態により異なり一律な
ものではないが、成人に対して一日、10μg/kg(体重)〜
100mg/kg(体重)程度が好適である。
bryostatin10を有効成分として含有していればよく、使
用されるbryostatin10は上述したフサコケムシからの抽
出物に限られない。また、本発明の副腎皮質ホルモン産
生促進剤は、経口、非経口製剤のいずれでもよい。非経
口製剤であれば、静脈、動脈、皮膚、皮下、筋肉、消化
管(胃、腸)を経由して投与される。投与量は、投与形
態、剤型さらには患者の年齢、病態により異なり一律な
ものではないが、成人に対して一日、10μg/kg(体重)〜
100mg/kg(体重)程度が好適である。
【0007】本発明の副腎皮質ホルモン産生促進剤を非
経口製剤とする場合には、無菌の水溶性液剤、非水溶性
液剤あるいは乳濁剤などとすることが考られる。非水溶
性液剤あるいは乳濁剤とする場合の基剤としては、プロ
ピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリ
ン、オレイン酸エチルなどが考えられる。また、経口製
剤としては、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、細粒剤、散
剤、シロップ剤などが考えられる。なお、本発明の副腎
皮質ホルモン産生促進剤の各種製剤化は、常法に従い、
医薬製剤技術分野における通常の方法によって行うこと
ができる。
経口製剤とする場合には、無菌の水溶性液剤、非水溶性
液剤あるいは乳濁剤などとすることが考られる。非水溶
性液剤あるいは乳濁剤とする場合の基剤としては、プロ
ピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリ
ン、オレイン酸エチルなどが考えられる。また、経口製
剤としては、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、細粒剤、散
剤、シロップ剤などが考えられる。なお、本発明の副腎
皮質ホルモン産生促進剤の各種製剤化は、常法に従い、
医薬製剤技術分野における通常の方法によって行うこと
ができる。
【0008】以下に本発明の副腎皮質ホルモン産生促進
剤を具体的に説明する。[bryostatin10の単離] 副腎
皮質ホルモン産生促進剤であるbryostatin10を得るため
にフサコケムシより抽出精製を行った。フサコケムシ1.
5kgをCH2Cl2で抽出し、抽出物36.6gを得た。これをセフ
ァデックスLH-20カラムにてn-Hexane:CH2Cl2:CH3OH=4:
5:1で分画し、画分1〜画分7と残渣を得た。これらを
ウニ受精卵卵割阻害作用を指標にしてスクリーニングし
たところ、画分2および画分3を活性画分として得た。
これらを、さらにflash chromatogaraphy(ODS)にてCH3C
N:H2O=50:50で分画し、画分8〜画分11を得た。これ
らをウニ受精卵卵割阻害作用を指標にしてさらにスクリ
ーニングしたところ、活性画分の画分10を得た。画分
10をpreparative HPLC(ODS)にてCH3OH:H2O=85:15およ
びCH3CN:H2O=80:20で分画し、bryostatin10 15mgを得
た。
剤を具体的に説明する。[bryostatin10の単離] 副腎
皮質ホルモン産生促進剤であるbryostatin10を得るため
にフサコケムシより抽出精製を行った。フサコケムシ1.
5kgをCH2Cl2で抽出し、抽出物36.6gを得た。これをセフ
ァデックスLH-20カラムにてn-Hexane:CH2Cl2:CH3OH=4:
5:1で分画し、画分1〜画分7と残渣を得た。これらを
ウニ受精卵卵割阻害作用を指標にしてスクリーニングし
たところ、画分2および画分3を活性画分として得た。
これらを、さらにflash chromatogaraphy(ODS)にてCH3C
N:H2O=50:50で分画し、画分8〜画分11を得た。これ
らをウニ受精卵卵割阻害作用を指標にしてさらにスクリ
ーニングしたところ、活性画分の画分10を得た。画分
10をpreparative HPLC(ODS)にてCH3OH:H2O=85:15およ
びCH3CN:H2O=80:20で分画し、bryostatin10 15mgを得
た。
【0009】[副腎皮質ホルモン産生促進試験] 次に
単離されたbryostatin10を各種条件下に置かれた副腎皮
質細胞の培養細胞あるいは浮遊細胞に投与し、副腎皮質
ホルモン産生率を測定した。なお、培養細胞および浮遊
細胞の調整、副腎皮質ホルモン産生率の測定は次の方法
に従った。
単離されたbryostatin10を各種条件下に置かれた副腎皮
質細胞の培養細胞あるいは浮遊細胞に投与し、副腎皮質
ホルモン産生率を測定した。なお、培養細胞および浮遊
細胞の調整、副腎皮質ホルモン産生率の測定は次の方法
に従った。
【0010】(培養細胞)ウシ副腎に灌流針をつけ、ア
ルコールに浸して火炎滅菌する。副腎表面にメスで傷を
付け、副腎1個当たり15〜20mlのゲンタマイシン(50μg
/ml)入りの表1に組成を示したCa freeのkrebs-ringer
溶液(以下、KRBGA-GMという)で灌流する。副腎を半切
りにし、髄質を除き、皮質特に束状層部分を細切し、副
腎1個当たり25mlのKRBGA-GMでピペッティングを行し、
細胞をほぐす。液を捨てた後、コラゲナーゼ(100U/ml)
の入つたCa free KRBGA-GMを25ml加え、混合ガス気相
(CO25% 空気 95%)下 37℃ 1時間インキュベートす
る。約5分間ピペッティングの後、上清を80メツシュフ
ィルターを通し遠心管に集める。それを4℃ 1000rpm10
分間遠心し、上清を捨て、ゲンタマイシン入りのHam F-
10培地を加え撹拌し、再び4℃ 1000rpm 10分間遠心
し、上清を捨て、ゲンタマイシン入りのHam F-10培地を
加え撹拌する。細胞密度が105cells/cm2(2×105cells/
well)になるように24穴シリコナイズプレート(ファル
コン社製)に播種し、混合ガス気相下37℃で培養する。
培地は48時間毎に交換する。そしてホルモン産生実験を
行う際には、37℃に温めたCa,Mg free PBS(0.5mM EGTA)
で2回、Ca free KRBGA(0.1mM EGTA)で1回細胞を洗
浄する。
ルコールに浸して火炎滅菌する。副腎表面にメスで傷を
付け、副腎1個当たり15〜20mlのゲンタマイシン(50μg
/ml)入りの表1に組成を示したCa freeのkrebs-ringer
溶液(以下、KRBGA-GMという)で灌流する。副腎を半切
りにし、髄質を除き、皮質特に束状層部分を細切し、副
腎1個当たり25mlのKRBGA-GMでピペッティングを行し、
細胞をほぐす。液を捨てた後、コラゲナーゼ(100U/ml)
の入つたCa free KRBGA-GMを25ml加え、混合ガス気相
(CO25% 空気 95%)下 37℃ 1時間インキュベートす
る。約5分間ピペッティングの後、上清を80メツシュフ
ィルターを通し遠心管に集める。それを4℃ 1000rpm10
分間遠心し、上清を捨て、ゲンタマイシン入りのHam F-
10培地を加え撹拌し、再び4℃ 1000rpm 10分間遠心
し、上清を捨て、ゲンタマイシン入りのHam F-10培地を
加え撹拌する。細胞密度が105cells/cm2(2×105cells/
well)になるように24穴シリコナイズプレート(ファル
コン社製)に播種し、混合ガス気相下37℃で培養する。
培地は48時間毎に交換する。そしてホルモン産生実験を
行う際には、37℃に温めたCa,Mg free PBS(0.5mM EGTA)
で2回、Ca free KRBGA(0.1mM EGTA)で1回細胞を洗
浄する。
【0011】表 1 NaCl 2.8125g NaHCO3 0.819g Glucose 0.78g KCl 3ml(2.88g/50ml stock solution) KH2PO4 0.6ml(2.64g/25ml stock solution) MgSO4・7H2O 0.6ml(4.78g/25ml stock solution) EGTA 0.39ml(100mM stock solution) BSA 1.17g蒸留水 385.4mg
【0012】(遊離細胞)ウシ副腎をCa free KRBGAで
灌流し、半切後、髄質を除去し、片刃カミソリで皮質を
そっと剥し、細胞を傷つけない様に約2mm角に切る。細
胞を35mlのトリプシナイジングフラスコに入れ、37℃に
温めた0.25%トリプシン含有のCa free KRBGA 25mlを加
え、混合ガス気相下で、マグネティックスターラーで撹
拌しながら13分間培養する。ピペッティング後0.25%ト
リプシン含有のCa free KRBGAを除去し、37℃に 温めた
Ca free KRBGA 30mlで洗浄。37℃に温めた0.25%トリプ
シン含有のCa free KRBGA 25mlを加え13分間培養する。
ピペッティングし、上清を80メツシュフィルターを通し
て遠心管に集める。それを4℃ 1000rpm 10分間遠心
し、上清を捨て4℃ 0.2%トリプシンインヒビター含有
のCa free KRBGA を2×105cells/tube になるように加
え、十分ピペッティングした後、試験管に0.5mlずつ分
注する。ホルモン産生実験の際は、この試験管にbryost
atin10等を投与し、混合ガス気相下37℃で培養する。
灌流し、半切後、髄質を除去し、片刃カミソリで皮質を
そっと剥し、細胞を傷つけない様に約2mm角に切る。細
胞を35mlのトリプシナイジングフラスコに入れ、37℃に
温めた0.25%トリプシン含有のCa free KRBGA 25mlを加
え、混合ガス気相下で、マグネティックスターラーで撹
拌しながら13分間培養する。ピペッティング後0.25%ト
リプシン含有のCa free KRBGAを除去し、37℃に 温めた
Ca free KRBGA 30mlで洗浄。37℃に温めた0.25%トリプ
シン含有のCa free KRBGA 25mlを加え13分間培養する。
ピペッティングし、上清を80メツシュフィルターを通し
て遠心管に集める。それを4℃ 1000rpm 10分間遠心
し、上清を捨て4℃ 0.2%トリプシンインヒビター含有
のCa free KRBGA を2×105cells/tube になるように加
え、十分ピペッティングした後、試験管に0.5mlずつ分
注する。ホルモン産生実験の際は、この試験管にbryost
atin10等を投与し、混合ガス気相下37℃で培養する。
【0013】(副腎皮質ホルモン産生率測定)Sulfuric
Acid-Induced Fluorescence of Corticosteroids, Max
l.Sweat, Analytical Chemistry,26,(4),April 1954の
硫酸蛍光法に従って測定した。即ち、ホルモン産生実験
により採取した培地溶液0.5mlに CH2Cl2 3mlを加えて30
秒間振とうしたものを4℃ 2500rpm 2分間遠心し2層に
分離した。そして上層液を捨てた後、0.1N NaOH 0.5ml
を加えて10秒間振とうする。それを、4℃ 2500rpm 2
分間遠心した後、再び上層液を捨てる。得られた透明な
下層液を蛍光光度計(日立製作所製、65010S型)
を用いて、励起波長 470nm, 測定波長 520nmで測定す
る。
Acid-Induced Fluorescence of Corticosteroids, Max
l.Sweat, Analytical Chemistry,26,(4),April 1954の
硫酸蛍光法に従って測定した。即ち、ホルモン産生実験
により採取した培地溶液0.5mlに CH2Cl2 3mlを加えて30
秒間振とうしたものを4℃ 2500rpm 2分間遠心し2層に
分離した。そして上層液を捨てた後、0.1N NaOH 0.5ml
を加えて10秒間振とうする。それを、4℃ 2500rpm 2
分間遠心した後、再び上層液を捨てる。得られた透明な
下層液を蛍光光度計(日立製作所製、65010S型)
を用いて、励起波長 470nm, 測定波長 520nmで測定す
る。
【0014】(試験例1) bryostatin 10 のみにおけ
るホルモン産生への影響 上述の方法により調製された培養細胞をKRBGA1000μlに
懸濁したものに表2に示す量のbryostatin10を5μlの
DMSOで溶解して投与した後、1時間培養した。こう
して得られた溶液を硫酸蛍光法で測定し、ホルモン産生
率を求めた。その結果、図1に示す様に0.12μg以上で
ホルモン産生が見られた。なお、ホルモン産生率は培地
にACTH 100pM/100μlおよびCaCl2 12mM/100μlを添
加したとき(bryostatin10未投与)の産生を100%とし
た相対値によって表した(試験例2,3,4の図2,
3,4においても同様とした)。
るホルモン産生への影響 上述の方法により調製された培養細胞をKRBGA1000μlに
懸濁したものに表2に示す量のbryostatin10を5μlの
DMSOで溶解して投与した後、1時間培養した。こう
して得られた溶液を硫酸蛍光法で測定し、ホルモン産生
率を求めた。その結果、図1に示す様に0.12μg以上で
ホルモン産生が見られた。なお、ホルモン産生率は培地
にACTH 100pM/100μlおよびCaCl2 12mM/100μlを添
加したとき(bryostatin10未投与)の産生を100%とし
た相対値によって表した(試験例2,3,4の図2,
3,4においても同様とした)。
【0015】 表 2 Bryostatine 10 CaCl2 ACTH KRBGA [μg] [12mM/100μl] [100pM/100μl] [1000μl] 0 − − + 0.06 − − + 0.12 − − + 0.25 − − + 0.50 − − + 1.00 − − +
【0016】(試験例2) bryostatin10のCaCl2存在
下におけるホルモン産生への影響 上述の方法により調製された培養細胞をCaCl2 1.2mM添
加した900μlのKRBGAに懸濁したものに、5μlのDMS
Oで溶解したbryostatin10を表3に示す量投与した後、
1時間培養した。こうして得られた溶液を硫酸蛍光法で
測定し、ホルモン産生率を求めた。その結果、図2に示
す様に0.12μg 以上でホルモン産生が見られた。
下におけるホルモン産生への影響 上述の方法により調製された培養細胞をCaCl2 1.2mM添
加した900μlのKRBGAに懸濁したものに、5μlのDMS
Oで溶解したbryostatin10を表3に示す量投与した後、
1時間培養した。こうして得られた溶液を硫酸蛍光法で
測定し、ホルモン産生率を求めた。その結果、図2に示
す様に0.12μg 以上でホルモン産生が見られた。
【0017】 表 3 Bryostatine 10 CaCl2 ACTH KRBGA [μg] [12mM/100μl] [100pM/100μl] [900μl] 0 + − + 0.06 + − + 0.12 + − + 0.25 + − + 0.50 + − + 1.00 + − +
【0018】(試験例3) bryostatin10のACTH、CaCl
2存在下におけるホルモン産生への影響 上述の方法により調製された培養細胞をACTH 10pMおよ
びCaCl2 1.2mMを添加した800μlのKRBGAに懸濁したもの
に5μlのDMSOで溶解した表4に示す量投与した
後、1時間培養した。こうして得られた溶液を硫酸蛍光
法で測定し、ホルモン産生量を求めた。その結果、図3
に示す様に0.12μg以上でコントロ−ル時の約1.5倍のホ
ルモン産生量が見られた。
2存在下におけるホルモン産生への影響 上述の方法により調製された培養細胞をACTH 10pMおよ
びCaCl2 1.2mMを添加した800μlのKRBGAに懸濁したもの
に5μlのDMSOで溶解した表4に示す量投与した
後、1時間培養した。こうして得られた溶液を硫酸蛍光
法で測定し、ホルモン産生量を求めた。その結果、図3
に示す様に0.12μg以上でコントロ−ル時の約1.5倍のホ
ルモン産生量が見られた。
【0019】 表 4 Bryostatine 10 CaCl2 ACTH KRBGA [μg] [12mM/100μl] [100pM/100μl] [400μl] 0 + + + 0.06 + + + 0.12 + + + 0.25 + + + 0.50 + + + 1.00 + + +
【0020】(試験例4) ACTHによるホルモン産生に
おけるbryostatin10の影響 上述の方法により調製された遊離細胞液にCaCl2 1.2mM
および表5に示す量のACTHを添加したものに、5μlの
DMSOで溶解したbryostatin10を0.5μg投与した後、
1時間培養した。こうして得られた溶液を硫酸蛍光法で
測定し、ホルモン産生量を求めた。その結果、図4に示
す様にACTHのmaximum responseとbryostatin 10 を
加えた時のそれが等しいことから、試験例3でみられた
コントロール時の1.5倍に達するホルモン産生は、bryos
tatin10がACTHによるホルモン産生を増強している
ためであると考えられた。
おけるbryostatin10の影響 上述の方法により調製された遊離細胞液にCaCl2 1.2mM
および表5に示す量のACTHを添加したものに、5μlの
DMSOで溶解したbryostatin10を0.5μg投与した後、
1時間培養した。こうして得られた溶液を硫酸蛍光法で
測定し、ホルモン産生量を求めた。その結果、図4に示
す様にACTHのmaximum responseとbryostatin 10 を
加えた時のそれが等しいことから、試験例3でみられた
コントロール時の1.5倍に達するホルモン産生は、bryos
tatin10がACTHによるホルモン産生を増強している
ためであると考えられた。
【0021】 表 5 ACTH CaCl2 bryostatin 10 KRBGA [pg/50μl] [12mM/50μl] [0.50μg] [400μl] 0 + + + 0.06 + + + 0.12 + + + 0.25 + + + 0.50 + + + 1.00 + + +
【0022】(試験例5) bryostatin10の投与時間に
おけるホルモン産生量の影響 上述の方法により調製された培養細胞をCaCl2 1.2mM 添
加したKRBGA 900μlに懸濁したものに5mlのDMSOで
溶解したbryostatin10を0.5μg投与した後、培養時間に
対するホルモン産生量を測定した(表6)。この結果、
図5に示す様にbryostatin10 によるホルモン産生量は
時間を追つて増加し、約40分でそのホルモン産生は最大
になった。
おけるホルモン産生量の影響 上述の方法により調製された培養細胞をCaCl2 1.2mM 添
加したKRBGA 900μlに懸濁したものに5mlのDMSOで
溶解したbryostatin10を0.5μg投与した後、培養時間に
対するホルモン産生量を測定した(表6)。この結果、
図5に示す様にbryostatin10 によるホルモン産生量は
時間を追つて増加し、約40分でそのホルモン産生は最大
になった。
【0023】 表 6 Time CaCl2 Bryostatine 10 KRBGA [min.] [12mM/100μl] [0.50μg] [900μl] 0 + + + 10 + + + 20 + + + 30 + + + 40 + + + 50 + + +
【0024】以上の結果、bryostatin10は、ACTH非
存在下でもCaイオンに非依存的に副腎皮質ホルモン産
生促進活性を示すことが明らかになった。さらに、AC
TH存在下では、ACTHによる副腎皮質ホルモン産生
活性を増強する作用を示すことが明らかになった。
存在下でもCaイオンに非依存的に副腎皮質ホルモン産
生促進活性を示すことが明らかになった。さらに、AC
TH存在下では、ACTHによる副腎皮質ホルモン産生
活性を増強する作用を示すことが明らかになった。
【図1】 bryostatin10のみにおけるホルモン産生への
影響を示す。
影響を示す。
【図2】 bryostatin10のCaCl2存在下におけるホルモ
ン産生への影響を示す。
ン産生への影響を示す。
【図3】 bryostatin10のACTH、CaCl2存在下における
ホルモン産生への影響を示す。
ホルモン産生への影響を示す。
【図4】 ACTHによるホルモン産生におけるbryostatin
10の影響を示す。
10の影響を示す。
【図5】 bryostatin10存在下におけるホルモン産生量
の経時的変化を示す。
の経時的変化を示す。
Claims (1)
- 【請求項1】化学式(1)で表される化合物を有効成分
として含有することを特徴とする副腎皮質ホルモン産生
促進剤。 【化1】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6793594A JPH07252146A (ja) | 1994-03-12 | 1994-03-12 | 副腎皮質ホルモン産生促進剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6793594A JPH07252146A (ja) | 1994-03-12 | 1994-03-12 | 副腎皮質ホルモン産生促進剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07252146A true JPH07252146A (ja) | 1995-10-03 |
Family
ID=13359291
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6793594A Pending JPH07252146A (ja) | 1994-03-12 | 1994-03-12 | 副腎皮質ホルモン産生促進剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07252146A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8030401B1 (en) | 2006-08-03 | 2011-10-04 | Henkel Corporation | Photoinitiated cationic epoxy compositions |
-
1994
- 1994-03-12 JP JP6793594A patent/JPH07252146A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8030401B1 (en) | 2006-08-03 | 2011-10-04 | Henkel Corporation | Photoinitiated cationic epoxy compositions |
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