JPH07250622A - 穀物を原料とする定形焼成菓子生地の乾燥方法および乾燥装置 - Google Patents

穀物を原料とする定形焼成菓子生地の乾燥方法および乾燥装置

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JPH07250622A
JPH07250622A JP6045583A JP4558394A JPH07250622A JP H07250622 A JPH07250622 A JP H07250622A JP 6045583 A JP6045583 A JP 6045583A JP 4558394 A JP4558394 A JP 4558394A JP H07250622 A JPH07250622 A JP H07250622A
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cooling
microwave
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YAMAMOTO VINYTER
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 乾燥工程、焼成工程に適用される設備の大幅
なコンパクト化を可能にする。 【構成】 適量の水が添加された原料穀物粉を混練捏和
して食品生地を調製し、この食品生地から多数の扁平な
所定形状を有する成形品を成形し、これらの成形品を蒸
成する前処理工程P1、この前処理工程P1で得られた
定形品F1を乾燥する一次乾燥工程P4、およびこの一
次乾燥工程P4で得られた一次乾燥品F4を焼成する二
次乾燥工程P5からなる穀物を原料とする定形焼成菓子
生地の乾燥方法であって、上記前処理工程P1と上記一
次乾燥工程P4との間に、上記定形品F1に高周波また
はマイクロ波を照射し上記定形品F1を予備加熱してマ
イクロ波処理品F2にするマイクロ波加熱工程P2と、
このマイクロ波加熱工程P2で加熱されたマイクロ波処
理品F2を冷却して冷却品F3にする冷却工程P3とが
介在されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、煎餅や焼成された扁平
スナック菓子等の製造工程における適用が好適な穀物を
原料とする定形焼成菓子生地の乾燥方法および乾燥装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、適量の水が添加された穀物粉を混
練捏和して混練物を調製し、この混練物を扁平な所定形
状に成形して食品生地とし、その後扁平な食品生地に所
定の乾燥処理および焼成処理を施すことによって、煎餅
やスナック菓子等の定形焼成菓子を製造する方法が知ら
れている。
【0003】かかる従来の製造方法においては、まず、
上記食品生地を所定の成形機で連続的に成形してされた
成形品にし、この成形品を順次蒸し器の中を循環移動す
る移送ベルトの上に供給し、この移送ベルトで移送され
ている間に加熱蒸気による蒸成処理が施され、成形品中
のデンプンの95%がα化された蒸成品とされる。
【0004】なお、上記のように食品生地を成形してか
ら蒸成するのではなく、混練と蒸成とを同時に行う蒸練
操作が行われ、その後成形操作が行われるように構成さ
れたものもある。
【0005】つぎに、上記成形品は、乾燥炉の中を循環
移動するメッシュベルト上に順次供給され、同炉内で熱
輻射を受ける乾燥処理が施され、その後に焼成処理が施
されて含水率が略2%の煎餅等の定形焼成菓子が製造さ
れる。上記乾燥は、通常一次乾燥と二次乾燥とに分けら
れ、成形品は一次乾燥で水分約20%にまで乾燥されて
から一日寝かされ、その後二次乾燥で水分約10%にま
で低下させられる。
【0006】ところで、乾燥処理において、成形品同士
が相互に接触したり重なり合ったりすると、互いに粘着
し一体化して不良品発生の原因になる。これは、蒸成処
理によって扁平成形品のデンプンの95%がα化されて
粘着性に富んだαデンプンになっているからである。α
デンプンは環状のアミローズ分子の鎖が多数重合して形
成されたものであって、それ自体が粘稠な糊状を呈した
物質であるため、蒸成によって得られた蒸成品がつぎの
乾燥工程の初期段階で粘稠であることは避け得ないから
である。しかし、このようなαデンプンが加熱される
と、アミローズ分子が分解して生成した水が放出され、
粘着性が消失して乾いた状態になる。
【0007】そこで、従来の乾燥工程においては、乾燥
炉の中を循環移動するメッシュベルト上に、隣接する定
形品同士が互いに接触しないように整列載置され、この
整列載置された成形品に熱風が供給されるようになって
いる。この熱風の供給によって蒸成品が乾燥され、その
後焼成されて残りのβデンプンもほとんどがα化し、さ
らに、つぎの焼成工程において、このα化したデンプン
から水分子が放出され、含水率が約2%のいわゆるから
っと焼き上がった歯触りのよい定形焼成菓子になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
メッシュベルトを用いた商業ベースの乾燥・焼成方式に
おいては、乾燥炉を相当大きいものにしなければなら
ず、例えば、含水率約50%の食品生地ベースで1時間
当りの処理量が1tの乾燥炉の場合は、1m幅のメッシ
ュベルトを数100mときには数km近くも張設しなけ
ればならず、かかる長いベルトの張設に対処するため、
ベルトが多段に装備される等、設備投資が莫大になると
ともに、設備が大きい分運転およびメンテナンスに人手
がかかり、製造コストが増大するという問題点を有して
いた。
【0009】そこで、上記のような不都合を回避するた
めに、例えば、特公平5−56935号公報には、米菓
原料をエクストルーダにて加圧下で110〜150℃に
加熱処理し、見かけ比重が0.21〜0.75の低発泡
押出し物を得。これを切断して小片にしたものをマイク
ロ波を照射して加熱してからさらに通常のオーブンで焼
成するような電磁波加熱方式が開示されているが、この
電磁波加熱方式においては、ただ単に切断した小片をマ
イクロ波加熱するだけであり、必ずしも小片の粘着性は
解消されず、従って、マイクロ波加熱後のオーブンでの
焼成時に、小片が相互に粘着しないように小片同士を離
間させた状態でオーブン内に配置しなければならず、結
局設備規模が大きくなるという従来の問題点は根本的に
解消されない。
【0010】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたものであり、電磁波加熱装置を用い、穀
物を原料とする定形焼成菓子生地の乾燥をより効果的に
行うことによって乾燥工程、焼成工程に適用される設備
の大幅なコンパクト化を可能にする乾燥方法および乾燥
装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
穀物を原料とする定形焼成菓子生地の製造方法は、原料
穀物粉からなる蒸成状態の所定形状の食品生地定形品を
焼成する前に乾燥する乾燥工程での定形焼成菓子生地の
乾燥方法であって、上記乾燥工程は、高周波またはマイ
クロ波を照射して上記定形品を加熱する第一の乾燥処理
としての電磁波加熱工程と、この電磁波加熱工程で加熱
された定形品を冷却する第二の乾燥処理としての冷却工
程とを有していることを特徴とする穀物を原料とする定
形焼成菓子生地の乾燥方法。
【0012】本発明の請求項2記載の穀物を原料とする
定形焼成菓子生地の製造方法は、請求項1記載の穀物を
原料とする定形焼成菓子生地の乾燥方法において、上記
電磁波加熱工程は、上記定形品を移送ベルトで搬送し、
この移送ベルトを囲繞した導電製材料からなるケーシン
グ内で移送ベルト上の定形品に高周波またはマイクロ波
を照射することを特徴とするものである。
【0013】本発明の請求項3記載の穀物を原料とする
定形焼成菓子生地の製造方法は、請求項1または2記載
の穀物を原料とする定形焼成菓子生地の乾燥方法におい
て、上記乾燥工程は、上記冷却工程後の定形品を回転キ
ルン方式の乾燥装置で乾燥する第三の乾燥処理としての
工程を有するものであることを特徴とするものである。
【0014】本発明の請求項4記載の穀物を原料とする
定形焼成菓子生地の製造装置は、穀物を原料とする定形
焼成菓子生地の乾燥装置において、原料穀物粉からなる
蒸成状態の所定形状の食品生地定形品を焼成する前に乾
燥手段で乾燥する定形焼成菓子生地の乾燥装置であっ
て、上記乾燥手段は、上記定形品に高周波またはマイク
ロ波を照射する電磁波加熱装置と、この電磁波加熱装置
で加熱された定形品を冷却する冷却装置とを備えている
ことを特徴とするものである。
【0015】本発明の請求項5記載の穀物を原料とする
定形焼成菓子生地の製造装置は、請求項4記載の穀物を
原料とする定形焼成菓子生地の乾燥装置において、上記
電磁波加熱装置は、定形品を搬送する移送ベルトと、こ
の移送ベルトを囲繞するケーシングと、定形品に高周波
またはマイクロ波を照射する電磁波発生装置とから構成
されていることを特徴とするものである。
【0016】本発明の請求項6記載の穀物を原料とする
定形焼成菓子生地の製造装置は、請求項4または5記載
の穀物を原料とする定形焼成菓子生地の乾燥装置におい
て、上記ケーシング内は、移送ベルトの進行方向に複数
に区分され、各区分された部分に上記電磁波発生装置が
それぞれ設けられていることを特徴とするものである。
【0017】本発明の請求項7記載の穀物を原料とする
定形焼成菓子生地の製造装置は、請求項4乃至6のいず
れかに記載の穀物を原料とする定形焼成菓子生地の乾燥
装置において、上記冷却装置は、上記定形品を搬送する
メッシュベルトと、このメッシュベルトを囲繞したケー
シングと、このケーシングに上記メッシュベルトを挟ん
で一方から冷却用の気体を導入する導入口と、冷却後の
気体を排出する排出口とが設けられていることを特徴と
するものである。
【0018】
【作用】上記請求項1および4記載の穀物を原料とする
定形焼成菓子生地の乾燥方法および乾燥装置によれば、
まず電磁波加熱工程において、定形品に含まれる水分子
が高周波またはマイクロ波を受けて振動し、その結果定
形品の内部が均一に加熱され、αデンプンの一部が分解
されこの分解によってαデンプンの粘稠性が抑止される
とともに、定形品の内部で水蒸気の微細な気泡が一様に
無数に発生し、この微細な気泡によって無数の細孔が形
成された状態になり、気泡の一部はポーラスな通路を形
成しつつ外部に放出され、上記細孔やポーラスな通路の
内壁面はαデンプンの分解によって粘稠性が消失して硬
化し、定形品内には微小な硬化部分が均一に分散された
状態になっており、その結果定形品内においては集中応
力が発生せず、定形品に歪みや割れ等が発生せず、定形
品は扁平形状が有効に維持されるものになるとともに、
大きな剪断応力を備えたものになる。
【0019】また、つぎの冷却工程においては、先の電
磁波加熱工程において一旦均一加熱された定形品が冷却
され、この冷却によってさらにαデンプンの特に表面に
ついて粘着活性が低下し、定形品は互いに接触し合って
も相互に粘着し合わない状態になる。
【0020】上記請求項2および5記載の穀物を原料と
する定形焼成菓子生地の乾燥方法および加熱装置によれ
ば、電磁波発生装置に電力を供給することによって、ケ
ーシングの内部に電磁波が照射され、この照射によって
移送ベルト上を移送されつつある定形品に電磁波が照射
され、この照射によって定形品は移送ベルトによって移
送されている間に所定の電磁波加熱が行われる。また、
複数の電磁波発生装置の同時稼働によってたとえケーシ
ング内が相当の容積を占める場合であっても、定形品の
加熱に要する電磁波量が有効に確保される。
【0021】上記請求項3記載の穀物を原料とする定形
焼成菓子生地の乾燥方法によれば、乾燥工程に回転キル
ン方式の乾燥装置が適用されているため、従来のベルト
乾燥方式に比較して処理量および乾燥効率が大幅に改善
される。また、定形品は、先の電磁波加熱工程および冷
却工程を経ることによってαデンプンによる粘着性が相
当低下しているため、回転キルン方式で定形品が互いに
接触し合うような状態で乾燥しても、定形品が相互に粘
着し合うことはない。さらに、回転キルン方式の乾燥に
おいては、キルンの回転によって定形品は充分に掻き混
ぜられ、定形品の表裏に均等に乾燥用の熱風が当るた
め、定形品の表裏で乾燥による収縮度合が同じになり、
その結果定形品が一方向に湾曲するような変形は起こら
ず、真すぐな乾燥品を得ることができる。
【0022】上記請求項6記載の穀物を原料とする定形
焼成菓子生地の乾燥装置によれば、ケーシング内は、移
送ベルトの進行方向に複数に区分され、各区分された部
分に上記電磁波発生装置がそれぞれ設けられているた
め、区分毎に精度が向上した定形品の温度管理が行い得
る。また区分された空間内に熱がこもり、移送ベルト上
に載置された定形品の加熱効率が向上する。
【0023】上記請求項7記載の穀物を原料とする定形
焼成菓子の製造装置によれば、冷却装置は、上記定形品
を搬送するメッシュベルトと、このメッシュベルトを囲
繞したケーシングと、このケーシングに上記メッシュベ
ルトを挟んで一方から冷却用の気体を導入する導入口
と、冷却後の気体を排出する排出口とが設けられている
ため、メッシュベルトによって移送される定形品は、導
入口から排出口に向かって流れる冷却用の気体に曝され
冷却用気体との直接接触で有効に熱交換されて効率的に
冷却され、その結果定形品の粘着活性が有効に低下す
る。
【0024】
【実施例】図1は、本発明に係る穀物を原料とする定形
焼成菓子生地の乾燥方法の一例を示す工程図である。こ
の図に示すように、二次乾燥品F5を製造する工程は、
穀物粉を原料とする食物生地から扁平形状の多くの定形
品F1を調製する前処理工程P1、この前処理工程P1
で得られた定形品F1をマイクロ波で加熱してマイクロ
波処理品F2をつくる第一の乾燥処理としてにマイクロ
波加熱工程(電磁波加熱工程)P2、このマイクロ波加
熱工程P2で得られたマイクロ波処理品F2を一旦冷却
して冷却品F3にする第二の乾燥処理としての冷却工程
P3、この冷却工程P3で得られた冷却品F3を乾燥し
て一次乾燥品F4にする第三の乾燥処理の一つ目として
の一次乾燥工程P4、およびこの一次乾燥工程P4で得
られた一次乾燥品F4を焼成して二次乾燥品F5にする
第三の乾燥処理の二つ目としての二次乾燥工程P5から
構成されている。
【0025】なお、本実施例における説明では、各工程
で得られるものはすべて定形品であるが、各工程固有の
処理によって定形品の性状が変化するので、定形品がど
の工程で得られたものであるかを明確にするために、以
下前処理工程P1のものをそのまま定形品F1といい、
マイクロ波加熱工程P2のものをマイクロ波処理品F
2、冷却工程P3のものを冷却品F3、一次乾燥工程P
4のものを一次乾燥品F4、二次乾燥工程P5のものを
二次乾燥品F5という。
【0026】上記二次乾燥品F5は、図外の焼成工程に
供給され、二次乾燥品F5の水分を約2%にまで低下さ
せるとともに、表面に焦げ目を付けたりする焼成処理が
行われ焼成菓子となる。従って、焼成菓子製造の全工程
において、上記マイクロ波加熱工程P2〜二次乾燥工程
P5はすべて焼成前の乾燥工程である。
【0027】上記前処理工程P1は、原料穀物粉に水を
加えて混練捏和する混練工程P11と、この混練工程P
11において混練捏和された混練品に加熱蒸気を付与し
て蒸成する蒸成工程P12と、この蒸成工程P12にお
いて蒸成された蒸成品を一対のローラ間で扁平にプレス
した後例えば円形に型抜きする成形工程P13とを備え
ている。
【0028】従って、原料穀物粉は、上記混練工程P1
1において水練りされて混練品になり、その後蒸成工程
P12において蒸成されて蒸成品になり、最後に成形工
程P13において成形されて定形品F1になってつぎの
マイクロ波加熱工程P2に供給される。
【0029】なお、本実施例においては、前処理工程は
上記のように混練工程P11、蒸成工程P12および成
形工程P13とから構成されているが、前処理工程が混
練工程P11および蒸成工程P12から構成されること
に限定されるものではなく、混練と蒸成を同時に行う蒸
練工程を採用し、この蒸練工程で得られた生地を所定の
定形に成形するようにしてもよい。
【0030】図2は、図1のマイクロ波加熱工程P2〜
二次乾燥工程P5に係る一連の装置を例示する側面略図
である。この図に示すように、定形焼成菓子製造装置1
は、上記前処理工程P1に適用される各種の装置と、上
記マイクロ波加熱工程P2に適用される複数のマイクロ
波発生装置21が一列に配設されたマイクロ波加熱装置
2と、上記冷却工程P3に適用されるメッシュベルト3
1が張設された冷却装置3と、上記一次乾燥工程P4に
適用される回転キルン形式の一次乾燥装置4と、上記二
次乾燥工程P5に適用される上記と同様の回転キルンが
採用された二次乾燥装置5とが、直列に配設されて形成
されている。
【0031】図3は、本発明に適用されるマイクロ波加
熱装置の一例を示す側面図、図4はその平面図である。
これらの図に示すように、マイクロ波加熱装置2は、長
手方向両側部に開口を有する横長の金属製ケーシング2
2と、ケーシング22の天井部に長手方向に配設されか
つケーシング22内に向けて放射可能にされた複数のマ
イクロ波発生装置21と、このケーシング22の下部を
貫通して配設された上面が面一の基台部23と、この基
台部23の上面位置に略一致する高さ位置であって、長
手方向の両側部に設けられた一対の上方プーリ23a、
および基台部23の下方内部に設けられた長手方向両側
部に設けられた一対の下方プーリ23b間を周回するよ
うにして張設された移送ベルト24とから構成されてい
る。
【0032】張設された移送ベルト24の周回路の適所
には、テンションプーリ23dが設けられ、移送ベルト
24が緩むのを防止している。駆動モータ23cは一方
の下方プーリ23bに設けられ、移送ベルト24を循環
移動させるものである。上記移送ベルト24には、マイ
クロ波発生装置21からのマイクロ波が容易に透過する
ように、樹脂材からなるメッシュベルトが採用されてい
る。但し、移送ベルト24はメッシュベルトが採用され
ることに限定されるものではなく、単一面状のもの、更
には幅方向に小径のロッドが差し渡されたキャタピラ式
のベルトを適用してもよい。移送ベルト24のベルトス
ピードは、ケーシング22内を数十秒〜数分で通過する
程度に設定されている。
【0033】上記ケーシング22の側部には各マイクロ
波発生装置21に対応して観察窓22aが設けられ、こ
の観察窓22aを介して移送ベルト24によって移送さ
れつつある定形品F1の状態を目視観察することができ
るようになっている。この観察窓22aにはガラスが嵌
め込まれ、このガラスにも加熱波の漏洩を防止するため
の金属製の網状体が布設されている。
【0034】図5はマイクロ波加熱装置の一部切欠き部
分斜視図である。この図に示すように、ケーシング22
は、装着孔22dを有し、その上部には両側に亘ってサ
ポート板22cが設けられている。このサポート板22
cには長手方向に所定間隔で複数の装着孔22dが穿設
されている。この装着孔22dにマイクロ波発生装置2
1が装着されている。
【0035】マイクロ波発生装置21は、内部に所定の
電力を得て数GHz程度のマイクロ波を発生するマグネ
トロンが内蔵された本体部21aと、この本体部21a
の下部に下方に向かって突設された放射部21bと、上
記本体部21aと放射部21bとを連結する電磁波シー
ルド機能を備えた導波管21cとから構成されている。
上記本体部21aで発生したマイクロ波は導波管21c
の内部を通って放射部21bに伝達されるようになって
いる。
【0036】導波管21cの下部外周面にはフランジ部
21cが設けられ、このフランジ部21cが装着孔22
dの周縁部に当止されることによって導波管21cが装
着孔22dに装着されるようになっている。マイクロ波
発生装置21内のマグネトロンに電力が供給されるとマ
イクロ波が発生し、導波管21cを介して放射部21b
に伝達され、ここから移送ベルト24上に照射されるよ
うになっている。
【0037】放射部21bから放射されたマイクロ波を
閉じ込めるために、1台のマイクロ波発生装置21当り
一つの金属製のシールドフード25が移送ベルト24上
に設けられている。このシールドフード25は下部に開
口を有した箱型に形成され、サポート板22cの底面か
ら垂設されて内部は電磁波反射室Rとして用いられるも
のである。このシールドフード25の上部を貫通して放
射部21bが電磁波反射室R内に入り込んでいる。
【0038】そして、シールドフード25の開口幅は、
移送ベルト24のベルト幅より短く設定され、かつ、シ
ールドフード25の下端縁部と移送ベルト24との間の
距離dは、定形品F1が通過し得る程度に設定されてい
る。
【0039】このようにシールドフード25によって仕
切ることで、定形品F1へのマイクロ波の照射状態が把
握容易になるので、シールドフード25のいずれかで不
均一が生じても、それを他のフード25の部分でカバー
するようにすることが容易に行え、全体として均一照射
を確保し易くなるという利点がある。
【0040】なお、図5に二点鎖線で示すように、移送
ベルト24を挟んで上記シールドフード25に開口部を
対向させた状態の下部シールドフード25′を設けるよ
うにしてもよい。こうすることによって、移送ベルト2
4上を搬送されつつある蒸成品F1は、導波管を構成す
るシールドフード25と下部シールドフード25′の中
間部の、マイクロ波が最も強力な部分に位置した状態に
なり、効率的な加熱を行う上で有利である。
【0041】また、本実施例においては、一つのシール
ドフード25当り一台のマイクロ波発生装置21が設け
られているが、一つのシールドフード25に対して一台
のマイクロ波発生装置21が付設されることに限定され
るものではなく、一つのシールドフード25に対して複
数のマイクロ波発生装置21を設けるようにしてもよ
い。さらに、本実施例においては、各マイクロ波発生装
置21は移送ベルト24の長手方向に直線的に一列に配
設されているが、直線的に一列に配設されることに限定
されるものではなく、千鳥状に配設してもよい。また、
導波管21cの下部開口を矩形状に形成し、この下部開
口の位相が可変になるように構成してもよい。こうする
ことによって、導波管21cの位相を種々変更し、マイ
クロ波の照射量を調節することが可能になる。
【0042】上記シールドフード25の入口側から1個
乃至は複数個分までには、その下端部に非導電体からな
る例えばポリテトラフルオロエチレン製等の合成樹脂製
の仕切りシート25aが移送ベルト24の上方であっ
て、定形品F1が通過し得る寸法だけ離間して平行に設
けられている。かかる仕切りシート25aの設置によっ
て、シート25aと移送ベルト24の表面との間に形成
された空間に熱がこもり、前処理工程P1から導入され
た定形品F1の昇温が速やかになる。
【0043】また、それぞれのシールドフード25の天
井部には排気支管26aが設けられている。各排気支管
26aは水平方向に延びる連絡管26に接続され、この
連絡管26はさらに排気本管27に接続されている。こ
の排気本管27は図外のブロワに接続されているので、
ブロワを稼働させることによって、マイクロ波加熱で定
形品F1から蒸発した水蒸気は、排気支管26a、連絡
管26、排気本管27およびブロワを介して系外に排出
される。排気支管26aの電磁波反射室R側の開口部に
は金属製の網が張られており、網目はマイクロ波の波長
の1/4の長さよりも短い寸法に設定されシールド効果
を維持している。
【0044】また、ケーシング22の長手方向両側部に
は、金属製の薄板で移送ベルト24を囲繞した入口部2
8および出口部29が設けられている。これら入口部2
8および出口部29の定形品F1を入出する開口部の上
下幅についても、シールド効果を高めるべくマイクロ波
の波長の1/4より短い寸法に可及的に設定されてい
る。
【0045】以上のように、上記隙間d、排気支管26
aの開口部の網目および入口部28および出口部29の
開口部は、いずれもマイクロ波の波長の1/4以下好ま
しくはそれ以上に寸法設定されているため、放射部21
bから放射されたマイクロ波は、これら隙間や開口部か
ら外部に漏洩することはなく、電磁波反射室R内にこも
り、マイクロ波のエネルギーが定形品F1の加熱に有効
に消費される。
【0046】なお、本実施例においては、定形品F1を
加熱するための電磁波としてマイクロ波が適用されてい
るが、本発明に適用される加熱用の電磁波はマイクロ波
に限定されるものではなく、MHz帯の高周波であって
もよい。また高周波の場合、マイクロ波発生装置21に
代えて上下に電極板を平行配設し、両電極板間に高周波
電力を印加する構成としてもよい。
【0047】マイクロ波加熱装置2内で加熱された定形
品F1を冷却するための冷却装置3は、図2に示すよう
に、内部が空洞の胴長のケーシング31と、このケーシ
ング31内を循環移動するメッシュベルト32と、メッ
シュベルト32によって移送中のマイクロ波処理品F2
に冷風を供給して冷却する送風機構とから構成されてい
る。メッシュベルト32は図略の駆動モータの回転駆動
によって駆動されるようになっている。
【0048】上記送風機構は、ケーシング31の天井部
に設けられた吹込みブロワ33と、ケーシング31の底
部に設けられた排気口34とから構成されている。本実
施例においては、ケーシング31の長手方向に等間隔で
3台の吹込みブロワ33が配設され、吹込みブロワ3
3,33間、好ましくは中間に一つ、合計二つの排気口
34が設けられている。
【0049】従って、吹込みブロワ33を稼働させる
と、外気がケーシング31内に取り入れられ、ケーシン
グ31内に導入された外気は移送中のマイクロ波処理品
F2の上面を吹き付け、さらにメッシュベルト32の網
目を通って移送中のマイクロ波処理品F2に下方下方か
ら接触し、これによりマイクロ波処理品F2をその両面
に対して冷却した後、矢印で示すように、吹込みブロワ
33から系外に導出される。排気口34および排気口3
4の配設位置がずらされているため、ケーシング31内
における外気の移動経路が長くなるとともに、上記のよ
うに空気流がケーシング32の下方で下から上への吹き
付ける分流を多少なりとも持っているから外気による冷
却効果が向上する。なお、吹込みブロワ33を下方に設
置し、排気口34を上方に配置し、空気流を下方から上
方に導くようにしてもよい。
【0050】図6は、本発明に適用される乾燥装置の一
例を示す説明図であり、図7は図6の横断面図である。
これらの図に示すように、一次乾燥装置4は、下部に熱
風導入孔41aが設けられかつ上部に排気孔41bが設
けられたケーシング41、このケーシング41を貫通し
外形が円柱状の回転可能なキルン本体42、このキルン
本体42の胴部に多くの通気孔が形成されてなる通風ド
ラム43、上記ケーシング41内に熱風を送り込む送風
機44、および冷却品F3を乾燥した後の熱風を系外に
排出するための排風機45を具備している。
【0051】上記キルン本体42には、一端部に開口を
有する挿入部42aと、他端部に開口を有する排出部4
2bとが備えられ、挿入部42aと排出部42bとの間
に通風ドラム43が挟持されている。そして、通風ドラ
ム43のみがケーシング41の中に嵌装されている。か
かるキルン本体42は、図略の駆動モータの回転駆動に
よって軸心回りに図7に示すように反時計方向に回転さ
れるようになっている。
【0052】上記通風ドラム43は、円筒状の外筒部4
31と、この外筒部431内に同心で嵌装された断面視
が星型の内筒部432とから構成されている。そしてキ
ルン本体42には、回転状態で下流の排出部42b側に
向かって先下がりの傾斜が形成され、この傾斜によっ
て、内部に装填された冷却品F3は順次下流側に移動す
るようになっている。この先下がりの傾斜角度は任意に
設定可能であり、この傾斜角度に応じて冷却品F3のキ
ルン本体42内の滞留時間を調節し得るようになってい
る。外筒部431はその筒周面に多数の内筒部431a
が穿設されている。
【0053】また、内筒部432の内部に中心方向に向
かって膨出した複数の山部432aが形成されていると
ともに、隣接する山部432a間に谷部432bが形成
されている。従って、内筒部432の内部に装入された
多数の扁平な冷却品F3は、上記谷部432b内に嵌ま
り込んで平行に起立し、熱風が冷却品F3の両面側を効
率よく流れる。本実施例の場合、内筒部432は網目を
有するメッシュ品で形成されているが、メッシュ品に限
定されるものではなく、平板に所定寸法の通気孔が穿設
されたものでもよい。
【0054】上記送風機44の上流側にはフィルタ44
aが設置されているとともに、下流側にはエアヒータ4
6が設けられている。従って、送風機44が稼働される
と、フィルタ44aを介して清浄な外気が送風機44内
に導入され、送風機44から排出された外気はエアヒー
タ46によって所定の温度に加熱されて熱風Wになり、
この熱風Wが熱風導入孔41aを介してケーシング41
内に導入される。
【0055】その後、熱風Wはケーシング41内に設け
られた案内板41cに案内されて外筒部431および内
筒部432に穿設された通気孔431a,43bを介し
て通風ドラム43内に導入され、通風ドラム43の回転
によって太線矢印で示すように掻き混ぜられつつある冷
却品F3を乾燥して一次乾燥品F4にし、排風機45の
駆動による吸引力を得て排気孔41bから系外に排出さ
れる。一次乾燥品F4は排出部42bの下部開口から排
出され、図2に示す連絡ベルト6を介して次工程の二次
乾燥装置5に導入される。
【0056】上記二次乾燥装置5は基本的に一次乾燥装
置4と同様の構成を有している。そして、この二次乾燥
装置5においては、一次乾燥品F4に再度熱風が供給さ
れて焼成が行われて二次乾燥品F5とされる。二次乾燥
品F5は二次乾燥装置5の端部に設けられた製品排出部
51から外部に導出されるようになっている。
【0057】本発明の扁平菓子の乾燥方法は、以上詳述
した定形焼成菓子製造装置1が適用されて実施される。
すなわち、まず図1に示すように、前処理工程P1の混
練工程P11において、穀物粉に所定の水が添加されて
充分に混練捏和され、その後蒸成工程P12で菓子生地
のデンプンの約95%がαデンプンに転化するまで蒸成
され、さらに成形工程P13において上下一対のロール
間で所定の厚みに圧縮されてその生地が円形等の所定形
状に型抜きされた定形品F1になる。本実施例の場合、
この段階で定形品F1の水分は約52%、温度は約45
℃になっている。また、本実施例においては、かかる定
形品F1の製造量は1.5t/hrに設定されている。
【0058】つぎにこの定形品F1は、マイクロ波加熱
工程P2の移送ベルト24上に複数列で互いに重なり合
わないように供給される。この定形品F1は移送ベルト
24の循環移動で複数基が直列に配設されたシールドフ
ード25の下部を移送させられる。この移送によって定
形品F1は各シールドフード25の上部の放射部21b
から放射された2.45GHzのマイクロ波を受けて内
部が一様に加熱され、粘稠なαデンプンが熱分解すると
ともに、この熱分解で発生した水が水蒸気状態で放出さ
れる。
【0059】すなわちそうするとマイクロ波の照射によ
って定形品F1はその内部に含まれる水分子が振動さ
れ、片寄りなく一様に加熱されることによって均一にα
デンプンの粘稠性が減少するととも、定形品F1の内部
からの一様な水蒸気発生によって定形品F1内に微細な
気泡が均一に生成され、変形が起こらない状態で全体的
に粘稠性が低下したマイクロ波処理品F2になる。
【0060】本実施例の場合はこのマイクロ波加熱が約
1分間行われるように移送ベルト24の移送速度が設定
され、この1分間のマイクロ波加熱によって定形品F1
の水分は約52%から約48%低下に低下するととも
に、温度は約45℃から65〜70℃に昇温され、かつ
多孔質状態のマイクロ波処理品F2になる。
【0061】かかるマイクロ波処理品F2は、つぎの冷
却工程P3の冷却装置3に設けられたメッシュベルト3
2に供給され、吹込みブロワ33の稼働で導入された外
気との1分間の接触によって35〜40℃にまで冷却さ
れる。この冷却によってマイクロ波処理品F2のαデン
プンの粘着活性が低下し、かつ従来の通常加熱品に比べ
て剪断応力が大きく、折れ難く、かつ相互に粘着しない
冷却品F3になる。
【0062】上記冷却装置3から導出された冷却品F3
は、つぎに一次乾燥装置4に設けられた通風ドラム43
の内筒部432内に導入される。この内筒部432の内
周面には中心方向に膨出した山部432aおよび山部4
32a間に谷部432bが形成され、この谷部432b
によって長手方向に溝が形成された状態になっているた
め、内筒部432内に供給された扁平な冷却品F3は、
図7に示すように、谷部432bに案内されて扁平面を
山部432aに向けそれぞれが平行に起立した状態にな
る。
【0063】従って、起立した状態の冷却品F3間の上
下方向に延びる隙間を介して内筒部432内に導入され
た熱風Wは、内筒部432内を良好に流通し、冷却品F
3に対する熱風Wの接触量の適切な確保と、通風ドラム
43の回転による太線矢印に示した冷却品F3の掻き混
ぜ効果とによって、従来のベルト乾燥方式に比較して格
段の乾燥効果が得られ、その結果乾燥装置のコンパクト
化を図ることが可能になる。また、内筒部432内にお
いて熱風Wは冷却品F3の表裏両面に均等に当るため、
冷却品F3の表裏で乾燥による収縮度合が同じになり、
その結果冷却品F3が弓成りに一方向に湾曲するような
変形は起こらず、真すぐな乾燥品を得ることができる。
【0064】そして本実施例においては、上記一次乾燥
装置4内での40分間の乾燥操作によって、水分約46
%で温度が35〜40℃であった冷却品F3は、水分約
35%で温度が70〜90℃の一次乾燥品F4になり、
連絡ベルト6を介してつぎの二次乾燥装置5に供給され
る。
【0065】本実施例の場合、二次乾燥工程P5におけ
る二次乾燥装置5は上記一次乾燥装置4とまったく同じ
装置が適用されているが、一次乾燥工程P4とは運転条
件が異なっている。すなわち、二次乾燥工程P5におい
ては、通風ドラム43の回転速度および熱風Wの風量が
一次乾燥工程P4のときよりも大きく設定されていると
ともに、一次乾燥品F4の二次乾燥装置5内滞留時間も
80分と一次乾燥工程P4の2倍に設定されている。滞
留時間を長くするために、二次乾燥装置5の先下がりの
傾斜角度は一次乾燥装置4よりも緩やかに設定されてい
る。
【0066】そして、二次乾燥装置5における80分の
乾燥操作が行われ、水分35%、温度70〜90℃であ
った一次乾燥品F4は、水分20%の二次乾燥品F5と
なって製品排出部51から系外に排出される。
【0067】本発明の定形焼成菓子の乾燥方法は、以上
詳述したように、前処理工程P1から導出された定形品
F1は、従来のように直接ベルト乾燥を行う乾燥工程に
供給されるのではなく、前処理工程P1と一次乾燥工程
P4との間にマイクロ波加熱工程P2および冷却工程P
3を介在させ、一旦定形品F1をマイクロ波加熱してマ
イクロ波処理品F2にし、このマイクロ波処理品F2を
さらに冷却工程P3において冷却してから一次乾燥工程
P4に供給するように構成されている。
【0068】従って、まず上記マイクロ波加熱工程P2
において、均一に定形品F1の加熱が行われ、αデンプ
ンの一部が分解されこの分解によってαデンプンの粘稠
性が抑止されるとともに、定形品F1の内部で水蒸気の
微細な気泡が一様に無数に発生し、この微細な気泡によ
って無数の細孔が形成された状態になり、これら細孔の
内壁面はαデンプンの分解によって粘稠性が消失して硬
化しているため、マイクロ波処理品F2内には微小な硬
化部分が均一に分散された状態になっており、その結果
マイクロ波処理品F2内においては集中応力が発生しな
い。その結果マイクロ波処理品F2に歪みや割れ等が発
生せず、マイクロ波処理品F2は扁平形状が有効に維持
されるものになるとともに、マイクロ波加熱工程P2、
冷却工程P3を経由しない場合に比して大きな剪断応力
を備えたものになる。
【0069】また、つぎの冷却工程P3において、さら
に上記マイクロ波処理品F2は外気との熱交換によって
冷却されて冷却品F3になるため、この冷却によって高
温ほど粘稠であるというαデンプンの粘着活性が低下さ
せられ、特に冷却品F3の表面は内部よりも温度の低下
が著しく、冷却品F3同士が相互に接触しても粘着しな
い状態になる。
【0070】従って、このような相互に粘着し難い冷却
品F3であるからこそ、一次乾燥工程P4に、従来のよ
うな被乾燥品の相互の接触を回避するために用いられて
いたベルト移送方式の過大な乾燥設備を採用せずに、処
理効率が高く、小型で設備コストの低い回転キルン方式
の一次乾燥装置4を採用することが可能になる。
【0071】以下、上記実施例で適用された緒元につい
てまとめて記述する。
【0072】(各処理品の水分および温度) ・定形品F1 水分 52%、温度45℃ ・マイクロ波処理品F2 水分 48%、温度65〜7
0℃ ・冷却品F3 水分 46%、温度35〜4
0℃ ・一次乾燥品F4 水分 35%、温度70〜9
0℃ ・二次乾燥品F5 水分 20%、温度70〜9
0℃。
【0073】(各工程の処理時間) ・マイクロ波加熱工程P2 1分 ・冷却工程P3 1分 ・一次乾燥工程P4 40分 ・二次乾燥工程P5 80分。
【0074】(マイクロ波発生装置の緒元) ・設置台数 20台 ・1台当りの出力 5KW ・周波数 2.45GHZ。
【0075】また、上記実施例においては、マイクロ波
加熱装置2のケーシング22内の移送ベルト24上に複
数のシールドフード25が直列に配設されているが、本
発明の定形焼成菓子の乾燥方法は、上記シールドフード
25が設置されることに限定されるものではなく、シー
ルドフード25を設けずに複数のマイクロ波発生装置2
1を移送ベルト24に沿って複数設けるようにしてもよ
い。また、箱状のシールドフード25を設けずに、導電
性材料からなる隔壁でケーシング22内を仕切るように
してもよい。
【0076】また、上記実施例においては、冷却工程P
3でケーシング31内に外気を導入し、外気との熱交換
によってマイクロ波処理品F2を冷却するようにしてい
るが、本発明の定形焼成菓子の乾燥方法は、外気との熱
交換によってマイクロ波処理品F2を冷却することに限
定されるものではなく、温度調節された冷風でマイクロ
波処理品F2を冷却するようにしてもよく、さらには冷
凍機が適用された冷却装置内を通過させることによって
マイクロ波処理品F2を強制冷却するようにしてもよ
い。
【0077】また、上記実施例においては、一次乾燥工
程P4にキルン式の一次乾燥装置4が適用されている
が、本発明の定形焼成菓子の乾燥方法は、一次乾燥工程
P4にキルン式の一次乾燥装置4が適用されることに限
定されるものではなく、従来通りベルト方式の乾燥機を
適用してもよい。この場合、ベルト上に冷却品F3が重
なる状態で載置することが可能であるため、その分ベル
ト寸法の小型化が可能である。
【0078】また、上記実施例においては、二次乾燥工
程P5にキルン式の二次乾燥装置5が適用されている
が、本発明の定形焼成菓子の乾燥方法は、二次乾燥工程
P5にキルン式の二次乾燥装置5が適用されることに限
定されるものではなく、従来通りベルト方式の乾燥機を
適用してもよい。
【0079】さらに、上記実施例においては、冷却工程
P3の後に一次乾燥工程P4と二次乾燥工程P5とが設
定されているが、本発明の定形焼成菓子の乾燥方法は、
冷却工程P3の後に一次乾燥工程P4と二次乾燥工程P
5の2工程を設けることに限定されるものではなく、そ
れらを合わせた1工程を設けるようにしてもよい。
【0080】加えて、上記実施例においては、一次乾燥
装置4および二次乾燥装置5においていずれも熱源とし
て加熱空気が適用されているが、本発明の定形焼成菓子
の乾燥方法は、一次乾燥装置4および二次乾燥装置5の
熱源が加熱空気に限定されるものではなく、加熱蒸気を
熱源としてもよい。
【0081】本発明に係る乾燥装置は、定形焼成菓子製
造の乾燥工程に適用されるのみではなく、食料、木材、
有機・無機工業薬品、燃料、飲料や酒類等内部に水を含
んだ物品や物質を対象とし、それらが均一加熱されたり
乾燥されたりすることが重要な要件になる場合の製造時
や使用時にも適用可能である。
【0082】
【発明の効果】本発明の請求項1および4記載の穀物を
原料とする定形焼成菓子生地の乾燥方法および乾燥装置
によれば、まず電磁波加熱工程において、定形品は高周
波またはマイクロ波を受けて均一に加熱され、定形品内
には微小な硬化部分が均一に分散された状態になってお
り、その結果定形品内においては集中応力が発生せず、
定形品に歪みや割れ等が発生せず、定形品は扁平形状が
有効に維持されるものになるとともに、大きな剪断応力
を備えたものになる。
【0083】また、つぎの冷却工程においては、先の電
磁波加熱工程において一旦均一加熱された定形品が冷却
され、この冷却によって定形品は互いに接触し合っても
相互に粘着し合わない状態になるため、冷却工程以降の
工程において定形品が相互に粘着し合うことがなくな
る。その結果、冷却工程以降の設備において定形品相互
の粘着に意を払う必要がなくなり、冷却工程以降の設備
の簡素化が可能になり、定形焼成菓子製造設備全体の設
備コストおよび運転コストを大幅に低減することが可能
になる。
【0084】本発明の請求項2および5記載の穀物を原
料とする定形焼成菓子生地の乾燥方法および加熱装置に
よれば、電磁波発生装置に電力を供給することによっ
て、ケーシングの内部に電磁波が照射され、この照射に
よって移送ベルト上を移送されつつある定形品に電磁波
が照射され、この照射によって定形品は移送ベルトによ
って移送されている間に所定の電磁波加熱が行われる。
また、複数の電磁波発生装置の同時稼働によってたとえ
ケーシング内が相当の容積を占める場合であっても、定
形品の加熱に要する電磁波量が有効に確保され好都合で
ある。
【0085】本発明の請求項3記載の穀物を原料とする
定形焼成菓子生地の乾燥方法によれば、乾燥工程に回転
キルン方式の乾燥装置が適用されているため、従来のベ
ルト乾燥方式に比較して処理量および乾燥効率が大幅に
改善される。また、定形品は、先の電磁波加熱工程およ
び冷却工程を経ることによってαデンプンによる粘着性
が相当低下しているため、回転キルン方式で定形品が互
いに接触し合うような状態で乾燥が行われても、定形品
が相互に粘着し合うことはない。さらに、回転キルン方
式の乾燥においては、キルンの回転によって定形品は充
分に掻き混ぜられ、定形品の表裏に均等に乾燥用の熱風
が当るため、定形品の表裏で乾燥による収縮度合が同じ
になり、その結果定形品が一方向に湾曲するような変形
は起こらず、真すぐな乾燥品を得ることができる。
【0086】本発明の請求項6記載の穀物を原料とする
定形焼成菓子生地の乾燥装置によれば、ケーシング内
は、移送ベルトの進行方向に複数に区分され、各区分さ
れた部分に上記電磁波発生装置がそれぞれ設けられてい
るため、区分毎に精度が向上した定形品の温度管理が行
い得る。また区分された空間内に熱がこもり、移送ベル
ト上に載置された定形品の加熱効率が向上する。
【0087】本発明の請求項7記載の穀物を原料とする
定形焼成菓子の製造装置によれば、冷却装置は、上記定
形品を搬送するメッシュベルトと、このメッシュベルト
を囲繞したケーシングと、このケーシングに上記メッシ
ュベルトを挟んで一方から冷却用の気体を導入する導入
口と、冷却後の気体を排出する排出口とが設けられてい
るため、メッシュベルトによって移送される定形品は、
導入口から排出口に向かって流れる冷却用の気体に曝さ
れ冷却用気体との直接接触で有効に熱交換されて効率的
に冷却され、その結果定形品の粘着活性が有効に低下す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る穀物を原料とする定形焼成菓子生
地の乾燥方法の一例を示す工程図である。
【図2】図1のマイクロ波加熱工程〜第2次乾燥工程に
係る一連の装置を例示する側面図である。
【図3】本発明に適用されるマイクロ波加熱装置の一例
を示す側面図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】図3のマイクロ波加熱装置の一部切欠き部分斜
視図である。
【図6】本発明に適用される乾燥装置の一例を示す説明
図である。
【図7】図6のA線視の断面説明図である。
【符号の説明】
P1 前処理工程 P2 マイクロ波加熱工程 P3 冷却工程 P4 一次乾燥工程 P5 二次乾燥工程 F1 定形品 F2 マイクロ波処理品 F3 冷却品 F4 一次乾燥品 F5 二次乾燥品 1 定形焼成菓子製造装置 2 マイクロ波加熱装置 21 マイクロ波発生装置 23 基台部 24 移送ベルト 25 シールドフード 25a 仕切りシート 3 冷却装置 31 ケーシング 32 メッシュベルト 33 吹込みブロワ 34 空気取入れ口 4 乾燥装置 41 ケーシング 42 キルン本体 43 通風ドラム 431 外筒部 432 内筒部 44 送風機 45 排風機 46 エアヒータ 5 焼成装置 6 連絡ベルト

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料穀物粉からなる蒸成状態の所定形状
    の食品生地定形品を焼成する前に乾燥する乾燥工程での
    定形焼成菓子生地の乾燥方法であって、上記乾燥工程
    は、高周波またはマイクロ波を照射して上記定形品を加
    熱する第一の乾燥処理としての電磁波加熱工程と、この
    電磁波加熱工程で加熱された定形品を冷却する第二の乾
    燥処理としての冷却工程とを有していることを特徴とす
    る穀物を原料とする定形焼成菓子生地の乾燥方法。
  2. 【請求項2】 上記電磁波加熱工程は、上記定形品を移
    送ベルトで搬送し、この移送ベルトを囲繞した導電製材
    料からなるケーシング内で移送ベルト上の定形品に高周
    波またはマイクロ波を照射することを特徴とする請求項
    1記載の穀物を原料とする定形焼成菓子生地の乾燥方
    法。
  3. 【請求項3】 上記乾燥工程は、上記冷却工程後の定形
    品を回転キルン方式の乾燥装置で乾燥する第三の乾燥処
    理としての工程を有するものであることを特徴とする請
    求項1または2記載の穀物を原料とする定形焼成菓子生
    地の乾燥方法。
  4. 【請求項4】 原料穀物粉からなる蒸成状態の所定形状
    の食品生地定形品を焼成する前に乾燥手段で乾燥する定
    形焼成菓子生地の乾燥装置であって、上記乾燥手段は、
    上記定形品に高周波またはマイクロ波を照射する電磁波
    加熱装置と、この電磁波加熱装置で加熱された定形品を
    冷却する冷却装置とを備えていることを特徴とする穀物
    を原料とする定形焼成菓子生地の乾燥装置。
  5. 【請求項5】 上記電磁波加熱装置は、定形品を搬送す
    る移送ベルトと、この移送ベルトを囲繞するケーシング
    と、定形品に高周波またはマイクロ波を照射する電磁波
    発生装置とから構成されていることを特徴とする請求項
    4記載の穀物を原料とする定形焼成菓子生地の乾燥装
    置。
  6. 【請求項6】 上記ケーシング内は、移送ベルトの進行
    方向に複数に区分され、各区分された部分に上記電磁波
    発生装置がそれぞれ設けられていることを特徴とする請
    求項4または5記載の穀物を原料とする定形焼成菓子生
    地の乾燥装置。
  7. 【請求項7】 上記冷却装置は、上記定形品を搬送する
    メッシュベルトと、このメッシュベルトを囲繞したケー
    シングと、このケーシングに上記メッシュベルトを挟ん
    で一方から冷却用の気体を導入する導入口と、冷却後の
    気体を排出する排出口とが設けられていることを特徴と
    する請求項4乃至6のいずれかに記載の穀物を原料とす
    る定形焼成菓子生地の乾燥装置。
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Cited By (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010252699A (ja) * 2009-04-24 2010-11-11 Chubu Electric Power Co Inc 菓子乾燥装置及び菓子乾燥方法、菓子製造装置
CN108195180A (zh) * 2017-04-27 2018-06-22 石河子市华农种子机械制造有限公司 自带冷却段的烘干工艺方法及设备

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