JPH0724719A - ダイス自動研磨装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 金属線材の加工に用いるダイス孔の研磨加工
装置に、研磨に用いる研磨針を研磨する装置を設け
る。。 【構成】 一つの回転軸を中心としてその円周上の等分
位置に設置された研磨針部３と、これに対向して設置さ
れたダイス１０設置部９と、同じくこの研磨針部に対向
して設置されたグラインダ−部１１とからなる。研磨針
部３をダイス設置部９に向かって前進又は後退させる駆
動装置４と、研磨針を回転させかつ上下に振動させる駆
動装置６，７とを有し、ダイス設置部にはダイスを回転
させる駆動装置３３，３４を備える。グラインダ−部を
グラインダ−部上方に配置された研磨針の個所まで移動
する駆動装置を備える。 【効果】 研磨針の取り外しと再設置作業を省略するこ
とができ、又、人手によっていたダイスの研磨加工にお
ける一連の作業を自動化することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は金属線材の加工に用いる
ダイスを研磨加工する装置に関するものであって、詳し
くはダイス孔の研磨加工装置及び研磨に用いる研磨針を
研磨する装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】スチ−ルコ−ド等の金属線材の伸線業界
では、金属線材をダイスに通過させ伸線加工することで
スチ−ルコ−ドを構成する金属素線としている。このス
チ−ルコ−ドを構成する金属素線は極く精密な特定の範
囲の線径が求められ、このため、伸線用ダイス孔の形状
又は穴径はそれだけ精密なものでなければならない。
又、伸線された金属素線の表面肌を良好にするため、ダ
イスの表面肌も緻密なものでなけられならない。

【０００３】伸線用ダイスの形状は、図３に示すように
伸線方向（Ｘ）に対して所定の角度を有するアプロ−チ
部２１、バック部２２、伸線方向と同方向に形成される
ベアリング部２３からなる。このような形状のダイスの
製造方法は、一般に焼結で作られた未加工ダイスを研磨
加工して作成される。この伸線方向に対して角度を有す
るダイスのアプロ−チ部２１及びバック部２２の研磨加
工の方法は、図４に示すようにダイス孔に研磨針２４を
挿入し、ダイス面にあてがいながら研磨針２４を回転さ
せかつ上下に動かしながら行う。

【０００４】更に詳しく研磨方法について説明すると、
未加工ダイスをデ_イ スク上に設置して研磨するにあっ
て、未加工ダイスを研磨針と逆の方向に水平面内で回転
させることで、ダイス孔の円周方向に均一に研磨加工を
行う。又、研磨針の回転軸と回転デ_イ スクの回転軸とは
方向が同じであるが、互いの軸の位置が異なる位置に設
置することで、ダイス面に所定の押圧力を付加させなが
ら研磨針で研磨させることができる。

【０００５】以上のようにしてダイスの研磨加工を行う
が、従来の研磨装置は図５に示すように一連の研磨針２
４を備えた研磨装置２５にダイス２６を設置して行う。
しかるに、この研磨装置２５によって連続して複数のダ
イス２６を加工する場合、ある数のダイス２６の研磨加
工を行うと、研磨針２４が摩耗変形してくる。従って、
次のダイスを研磨加工する前にこの研磨針２４を研磨装
置２５から取り外し、グラインダ−等で研磨針２４を研
磨し、再研磨された研磨針２４を改めて研磨装置２５に
設置してダイス２６の研磨加工のために供されることと
なる。

【０００６】更には、研磨針を研磨するグラインダ−も
変形摩耗するため、グラインダ−の砥石の研磨面を定期
的にドレッサ−で研磨する作業を必要とする。このよう
に複数のダイスを連続して研磨加工するには、研磨針の
グラインダ−による研磨、及びグラインダ−砥石の面だ
し研磨の作業を必要し、更に、加工処理された研磨針の
研磨装置への取り外しと取付を必要とする。

【０００７】従来、このような研磨針の研磨装置等の移
動・設定は、人手によって行っており、これが大きな労
働負荷になっており、同時に精度よく設定するためには
設定に熟練を要し、安定して寸法精度の良好な研磨加工
をすることが困難であった。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】この発明が解決しよう
とする課題は、ダイスの研磨加工処理において、上述し
た研磨針を研磨するための研磨針の移動・設定作業、更
にはこの研磨針を研磨するグラインダ−砥石の面だし加
工作業等を、人手によらず自動的にかつ連続的に行い、
寸法精度が高く、表面状態の良好なダイスの自動研磨装
置を提供することである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この発明は金属線材を伸
線加工するダイスの自動研磨装置であって、一つの回転
軸を中心としてその円周上の等分位置に設置された研磨
針部と、この研磨針部に対向して設置されたダイス設置
部と、同じくこの研磨針部に対向して設置されたグライ
ンダ−部とからなっている。そして、回転軸を回転移動
させる駆動制御装置と、研磨針部がダイス設置部に向か
って前進又は後退させる駆動制御する装置と、研磨針を
回転させかつ上下に振動させる駆動装置とを有し、ダイ
ス設置部にはダイスを回転させる駆動装置を、グライン
ダ−部をグラインダ−部上方に配置された研磨針の個所
まで移動する駆動装置を備えたことを特徴としている。

【００１０】回転軸は通常は架台部と複数の支柱部より
なり、この支柱部は架台部上の等分位置に立設され、こ
の支柱部に研磨針部が設置されている。そしてこの架台
部には、これを回転させる回転駆動装置と、その回転を
所定の位置に停止させる制御装置を備えている。研磨針
部が停止する所定の位置は、ダイス設置部上の位置、又
はグラインダ−部上の位置になる位置である。

【００１１】研磨針部はダイス設置部又はグラインダ−
部に向かって前進又は後退させる駆動部と、所定の位置
で停止させる制御装置を有し、又、研磨針を回転させる
駆動装置と研磨針を上下に振動させる駆動装置とを有す
る。そして、研磨針部の数は、円周上の等分の位置、少
なくとも２以上、好ましくは３以上がよい。

【００１２】そして、ダイス設置部は、設置されるダイ
スの孔方向と研磨針の軸方向とが同一の方向であるが、
異なる軸位置、即ち一直線状ではない位置に設置され、
又、このダイス設置部はダイスを回転させる駆動部を有
する。

【００１３】グラインダ−部は、グラインダ−部上方に
配置された研磨針の個所まで移動する駆動装置を有し、
グラインダ−部が研磨針部に配置する。ここでグライン
ダ−砥石はその研ぎ面が研磨針のダイスアプロ−チ角度
に対応するように配置され、研磨針の研ぎ時に研ぎ面に
平行に往復運動をする駆動部を有する。

【００１４】

【作用】本発明の研磨針部は、回転軸に、通常は架台部
の支柱部に円周上の等分の位置に取り付けられており、
支柱部を回転させかつ又所定の位置で停止させることが
できるので、研磨針を研磨針部から取り外すことなくダ
イス研磨部からグラインダ−部へ移動させることができ
る。そして、一つの回転軸に複数の研磨針部を取り付け
ることで、複数ダイスの研磨をしながら研磨針の研磨を
同時にすることができる。

【００１５】

【実施例】この発明に係る自動研磨装置を、その研磨動
作手順と共に図面に基づいて具体的に説明する。図１は
この発明のダイス自動研磨装置の平面図であり、図２は
図１に示したダイス自動研磨装置の上面図である。この
実施例において、本発明で言う回転軸を構成する架台部
１は直径が３０ｃｍの円盤状で高さが９０ｃｍの位置に
配置されている。そして支柱部２は高さが４５ｃｍの板
状で、前記架台部１の円周上の３等分した位置の二か所
に設置される。研磨針部３は架台部１から２５ｃｍの高
さで支持部２に夫々下向きに設置される。そして、これ
ら各部は架台部１と一体となって回転可能とされてい
る。

【００１６】この研磨針部３は、支持部２に設置された
駆動装置４によって上下方向に前進又は後退させること
ができ、又、この研磨針部３には研磨針５を回転（回転
速度は１７００回／分）させる回転駆動装置６と、上下
に振動（振幅が０．１ｍｍでサイクルが１０００回／
分）させる駆動装置７が夫々設置されている。研磨針４
は研磨針部３に設けられた研磨針チャック８によって把
持されており、研磨針４は直径が４ｍｍで長さが２５０
ｍｍのＪＩＳ・Ｇ・４４０１で規定されるＳＫ材を用
い、研磨針４の先端はダイスアプロ−チ角又はバック角
に対応して、角度が１２度又は２７度とされている。

【００１７】ダイス設置部９は架台部１の３等分したう
ちの２個所に配置され、所定の位置に係止させた研磨針
部３の下方に位置する個所に配置される。このダイス設
置部９は直径が３ｃｍの円盤からなり、一定の回転速度
（例えば１１０回／分）で研磨針５と逆の方向に回転す
る。尚、ダイス１０を設置する円盤（９）の表面は、ダ
イス１０を固定させるため塩化ビニ−ル製のマットを貼
り付けてある。

【００１８】研磨針５を研ぐグラインダ−部１１は架台
部１の外周近辺であって、架台部１を３等分した内の前
記ダイス設置部９に使われていない個所に設置され、所
定の位置にある研磨針５に向かってグラインダ−砥石１
２が接近離脱する駆動装置１３を有する。グラインダ−
砥石１２は直径が９０ｍｍで厚みが１３ｍｍの円盤であ
り、厚みの部分が側面をなす円筒状になっている。研磨
針５の研磨はこの砥石１２の側面の個所で行い、グライ
ンダ−砥石１２はこの側面と研磨針５の先端の円錐状の
稜線が同一の方向になるように傾斜して設置されてい
る。

【００１９】この自動研磨装置を用いて連続的にダイス
１０を自動的に研磨する手順は次の通りである。先ず研
磨材が充填されたダイス１０をダイス設置部９に設置す
る。ダイス１０を設置するに当たって、ダイス孔軸方向
と研磨針５の軸方向とは同一であるが、軸位置が相対的
に０．３ｍｍずれているように設置する。

【００２０】次に研磨針５は研磨針部３に研磨針チャッ
ク１４によって固定され、ダイス設置部９上方の所定の
位置に配置され、研磨針部３がダイス設置部９に向かっ
て接近降下し、研磨針５の先端が研磨されるダイス１０
の孔内に挿入される。そして、研磨針５を上下に振動さ
せながら回転させると同時に、ダイス設置部９を研磨針
５と逆の方向に回転させて研磨加工を行う。所定の時間
研磨し、研磨針５は上方に移動した後、研磨されたダイ
ス１０は取り除かれ、次の未加工ダイス１０がダイス設
置部９に設定され、上述の処理を繰り返して連続してダ
イス１０の研磨加工が行われることとなる。ダイス設置
部９にダイス１０を設置する作業、又、研磨針５をダイ
ス１０の孔の所定の位置に移動させる作業は、人の作業
によらず自動的に設置できるように機械化することがで
きる。

【００２１】さて、所定の研磨を繰り返して摩耗した研
磨針５の研磨は次のようにして行われる。即ち、ダイス
設置部９上方に位置している研磨針部３は、架台部１を
回転させることにより、ダイス設置部９の上方からグラ
インダ−部１１の上方に移動配置される。そして、研磨
針部３が降下し研磨針５が所定の高さで停止した後、グ
ラインダ−部１１が研磨針５の先端に向かって接近し、
研磨針５の先端の円錐状の側面にグラインダ−砥石１２
の側面が接触した状態で停止する。次いで、グラインダ
−部１１を回転させると同時に回転と直角な方向にグラ
インダ−部１１を往復運動させて、かつ研磨針５をグラ
インダ−砥石１２と逆方向に回転させることで研磨針５
を研磨していく。

【００２２】研磨が終了した研磨針５は上方に移動後、
架台部１の回転によりダイス１０を研磨するためダイス
設置部９の上方に再配置され、前記のダイス１０の研磨
工程に入ることとなる。ここで研磨針部３を下降させて
ダイス１０を研磨するに際し、研磨針５の摩耗するた
め、研磨針部３の一定の長さの下降移動では停止位置が
一定の高さの位置にすることができないが、この場合、
位置検出装置を設けて、摩耗した研磨針５が所定の高さ
の位置になるようにするのがよい。

【００２３】更に、研磨針５を研磨したグラインダ−砥
石１２の側面も摩耗するが、正常な研磨側面を削り出す
ためにドレッサ−１５が備えられるのが好ましい。即
ち、グラインダ−砥石１２の側面削り出しのため、グラ
インダ−部１１の近傍にドレッサ−１５を設置し、グラ
インダ−部１１がドレッサ−部１５まで接近し接触する
位置に配置し、グラインダ−部１１を回転させると同時
に、それと直角に往復運動を行うことでグラインダ−砥
石１２の側面を精密な円筒状に削り出しを行うものであ
る。

【００２４】この研磨針５を研磨する作業においても、
一連の作業を機械化することで人の作業によらず自動化
することができる。図中、３１は研磨針部を回転させる
モ−タ−、３２は研磨部を上下させるモ−タ−である。
又、３３はダイスを回転させるためのモ−タ−であり、
３４はダイスを回転させるプ−リ−である。３５は回転
軸が偏心した回転盤である。

【００２５】

【発明の効果】この発明のダイス自動研磨装置にあって
は、従来の手段ではダイスを研磨する際に研磨針の取り
外しと再設置作業を行っていたがこれを省略することが
でき、又、人手によっていたダイスの研磨加工における
一連の作業を自動化することができ工業上極めて有用で
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１はこの発明のダイス自動研磨装置の平面図
である。

【図２】図２は図１に示したダイス自動研磨装置の上面
図である。

【図３】図３はダイスの形状の断面図である。

【図４】図４は従来のダイスの研磨方法の説明図であ
る。

【図５】図５は従来の研磨装置の一例を示す説明図であ
る。

【符号の説明】

１‥‥架台部、 ２‥‥支柱部、 ３‥‥研磨針部、 ４‥‥駆動装置、 ５‥‥研磨針、 ６‥‥回転駆動装置、 ７‥‥駆動装置、 ８‥‥研磨針チャック、 ９‥‥ダイス設置部、 １０‥‥ダイス、 １１‥‥グラインダ−部、 １２‥‥グラインダ−砥石、 １３‥‥駆動装置、 １４‥‥研磨針チャック、 １５‥‥ドレッサ−、 ２１‥‥ダイスのアプロ−チ部、、 ２２‥‥ダイスのバック部、 ２３‥‥ダイスのベアリング部、 ２４‥‥研磨針、 ２５‥‥研磨装置、 ２６‥‥ダイス、 ３１‥‥研磨針部を回転させるモ−タ−、 ３２‥‥研磨部を上下させるモ−タ−、 ３３‥‥ダイスを回転させるためのモ−タ−、 ３４‥‥ダイスを回転させるプ−リ−。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 金属線材を伸線加工するダイスの自動研
   磨装置であって、一つの回転軸を中心としてその円周上
   の等分位置に設置された研磨針部と、この研磨針部に対
   向して設置されたダイス設置部と、同じくこの研磨針部
   に対向して設置されたグラインダ−部とからなり、前記
   回転軸には回転移動させる駆動制御装置と、研磨針部が
   ダイス設置部に向かって前進又は後退させる駆動制御す
   る装置と、研磨針を回転させかつ上下に振動させる駆動
   装置とを有し、ダイス設置部にはダイスを回転させる駆
   動装置を、グラインダ−部をグラインダ−部上方に配置
   された研磨針の個所まで移動する駆動装置を備えたこと
   を特徴とするダイス自動研磨装置。
2. 【請求項２】 前記回転軸は架台部とこれより立設した
   支柱部であって、研磨針部がこの支柱部に取り付けられ
   た請求項第１項記載のダイス自動研磨装置。