JPH0724698U - ウォータージェット推進器用インテークダクト内流速分布調整装置 - Google Patents

ウォータージェット推進器用インテークダクト内流速分布調整装置

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JPH0724698U
JPH0724698U JP6072193U JP6072193U JPH0724698U JP H0724698 U JPH0724698 U JP H0724698U JP 6072193 U JP6072193 U JP 6072193U JP 6072193 U JP6072193 U JP 6072193U JP H0724698 U JPH0724698 U JP H0724698U
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JP
Japan
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intake duct
flow velocity
velocity distribution
intake
water jet
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JP6072193U
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English (en)
Inventor
敏雄 中西
政夫 菅谷
通晴 荒井
Original Assignee
石川島播磨重工業株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インテークダクト内流速分布を一様化してポ
ンプ部のキャビテーションを防止する。 【構成】 インテークダクト1内のインテーク2に近い
ところに、案内翼10又は11を取り付ける。案内翼1
0又は11は長さlをインテークダクト1の直径Dに対
し、D/2.5又はD/4.2とする。又、案内翼10
又は11は水平線に対しθの角度で取り付ける。吸込速
度比(Vd /Vs )が小のときはリップ8側の流速分布
が大となり、吸込速度比が大のときはランプ9側の流速
分布が大となるが、案内翼10又は11によりこれら偏
った流速分布が調整されて一様化される。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案はウォータージェット推進器のフラッシュ型インテークダクト内の流速 分布を一様化させるためのインテークダクト内流速分布調整装置に関するもので ある。
【0002】
【従来の技術】
ウォータージェット推進器は、図7に一例の概略を示す如く、ウォータージェ ット推進艇の船尾側の船底部に開口させた水取入口(インテーク)2から船尾端 に開口するノズル3に達するフラッシュ型インテークダクト1内に、軸受4を介 して船体側に回転自在に支持させた主軸5を水平状態に延長させて、該主軸5の 先端部に、軸流ポンプを構成するように案内羽根6を固定すると共に羽根車7を 取り付け、ウォータージェット推進艇の航行時に主軸5を回転させて羽根車7を 回転させることにより、インテーク2部からインテークダクト1内へ取り込まれ る水をジェットとしてノズル3より後方へ噴出させて推進力を得るようにしてあ る。
【0003】 上記インテークダクト1内の流体の流速分布は、吸入速度比(I.V.R.= Vd /Vs )により変化することが実験結果により明らかにされている。
【0004】 図8の(イ)はインテークダクト1の概略断面図であり、Vd はインテークダ クト1内の流速、Vs は船の速度(インテーク2部の流速)である。(ロ)はV s =35m/sのときの該インテークダクト1内のポンプ入口部位置(A−B) におけるインテークダクト1内の流速分布を求めた実験結果を示すものである。
【0005】 上記図8の(ロ)に示す如く、吸入速度比I.V.R.が0.25の場合は、 曲線Iで示す如く船底側のリップ8側では流速が大となるが、ランプ9側(上側 )では流速は小で剥離して来る。I.V.R.が0.5の場合は、曲線IIに示す 如く、リップ8側に比してランプ9側の流速が大幅に落ちている。I.V.R. が0.75になると、曲線III に示す如く、リップ8側とランプ9側とでは流速 分布の大きさの差は小さくなっているが、I.V.R.が1.0の場合は、曲線 IVに示す如く、リップ8側及びランプ9側に近付くほど流速が小さく変化し、I .V.R.が1.25の如く、Vs が小さくなると、曲線Vに示す如く、リップ 8側で流速が小となり、ランプ9側に近いところで流速が大となる傾向にあるこ とがわかる。
【0006】 このように、船速Vs が変化してI.V.R.が小さくなればリップ8側の流 速が大となって、図9(イ)に示す如き流速分布となって、ランプ9側では逆流 が生じるようになり、又、I.V.R.が中位のときは、図9(ロ)に示す如く リップ8側の方が大となる流速分布となり、更に、I.V.R.が大のときは、 図9(ハ)に示す如く、ランプ9側が大となるような流速分布となる。
【0007】 かかる場合におけるインテークダクト1内のポンプ入口部位置(A−B)での 全圧分布について調べた結果、図10(イ)(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)に示す如 き値が得られた。図10(イ)はI.V.R.=0.25、(ロ)はI.V.R .=0.5、(ハ)はI.V.R.=0.75、(ニ)はI.V.R.=1.0 、(ホ)はI.V.R.=1.25の各場合におけるインテークダクト1内全圧 分布を示すもので、I.V.R.が異なる毎の全圧分布の値から明らかなように 、インテークダクト1内の上下方向では、全圧分布に大きな差があり、この大き な差がインテークダクト1内の垂直方向の流速分布の差となっていることがわか る。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】
ところが、インテークダクト1内の流速分布が吸込速度比(I.V.R.=V d /Vs )により上述した如き変化し、上述のように垂直方向に大きな分布差が あるため、ポンプ部で流速の大きい方にキャビテーションが発生する問題がある と共に、流体による振動が発生する問題がある。
【0009】 そこで、本考案は、吸込速度比(I.V.R.)により変化するインテークダ クト内流速分布を一様化させて、ポンプ部のキャビテーション、流体による振動 を生じさせないようにしようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本考案は、上記課題を解決するために、インテークダクト内のインテークに近 い位置で且つリップ側寄りの位置に、所要大きさの案内翼を設置した構成とする 。
【0011】 又、上記案内翼を可動式としてもよい。
【0012】
【作用】
案内翼をインテークダクトの入口部に設置すると、吸入速度比I.V.R.に より変化するインテークダクト内の流速分布が一様化され、キャビテーションを 発生させることがなくなる。
【0013】 案内翼を可動式とすると、I.V.R.の変化に対応して流速分布をより一様 化させることが可能となる。
【0014】
【実施例】
以下、図面に基づき本考案の実施例を説明する。
【0015】 図1は本考案の一実施例を示すもので、インテークダクト1内のインテーク2 に近いところで、しかも、インテークダクト1の垂直方向中央部よりも下側位置 に、インテークダクト1の直径D(D=125mm)に対して幅寸法lをD/2. 5、すなわち、50mmとし且つ厚さtを5mmとした案内翼10又は上記lをD/ 4.2、すなわち、30mmとし、tを3mmとした案内翼11を、取付角度θを2 5°として斜めに設置し、吸込速度比I.V.R.が小さいときと、大きいとき とで異なるインテークダクト1内流速分布を、上記案内翼10又は11により水 の流れを規制することによって一様化させるようにする。
【0016】 インテークダクト1内に案内翼がない場合の流速分布は、図9の如く、I.V .R.が小のときは船底のリップ8側に偏るような流れとなり、I.V.R.が 大のときは上側のランプ9側に偏るような流れとなることは前記したとおりであ り、この場合に、インテークダクト1内のインテーク2近くに案内翼10又は1 1を図1の如く設置すると、インテークダクト1のポンプ部に達しようとする水 の流れは、インテーク2部で案内翼10又は11により規制されるため、リップ 8側に偏っていた流れはランプ9側へも流され、逆に、ランプ9側に偏っていた 流れはリップ8側へも流れるようになって、ポンプ入口部での流速分布は一様化 されることになる。
【0017】 上記インテークダクト1内の流速分布が一様化される根拠として、ポンプ入口 部位置(A−B)での全圧分布について調べた結果、図10の(イ)(ロ)(ハ )(ニ)(ホ)に示した案内翼がない場合のインテークダクト内全圧分布に対し て、図2(イ)(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)と図3(イ)(ロ)(ハ)(ニ)(ホ )に示すような値が得られた。
【0018】 図2及び図3において、ともに(イ)はI.V.R.=0.25、(ロ)はI .V.R.=0.5、(ハ)はI.V.R.=0.75、(ニ)はI.V.R. =1.0、(ホ)はI.V.R.=1.25におけるインテークダクト1内のポ ンプ入口部位置(A−B)での全圧分布を示すもので、案内翼10を取り付けた 場合は、図2の(イ)(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)に示す如く、又、案内翼11を 取り付けた場合は、図3の(イ)(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)に示す如く、I.V .R.が小、中、大のときでもインテークダクト1内の垂直方向の全圧分布はほ ぼ差がなくなって一様化され、特に、案内翼10を取り付けた場合のI.V.R .=0.75とI.V.R.=1.0のときは、最も安定していることがわかり 、これに基づきインテークダクト1内流速分布は図4に示す如く一様化されるこ とになる。
【0019】 次に、全圧損失係数とI.V.R.との関係について求めたところ、図5に示 す如き結果が得られた。図5中、○印は案内翼のない場合であり、△印は案内翼 10を取り付けた場合であり、又、□印は別の案内翼11を取り付けた場合であ る。
【0020】 図5から明らかなように、たとえば、I.V.R.=0.75のところでは、 案内翼を取り付けない場合に比して案内翼10又は11を取り付けた場合の方が 、案内翼10又は11に対する流体の摩擦抵抗等の原因で圧力損失が僅かに大と なるが、流速分布については、図3(ハ)と図10(ハ)との比較で明らかなよ うに案内翼10を取り付けると、上下方向の全圧分布の差がなくなるため流速分 布の一様化が図れる。この点、全圧損失係数が最小となる吸込速度比(I.V. R.)においても、案内翼がない場合は、図10(イ)(ロ)(ハ)(ニ)(ホ )に示す如くインテークダクト内全圧分布が上下で差が大きいことからインテー クダクト内流速分布をよくすることができない。
【0021】 次に、図6は本考案の他の実施例を示すもので、図1に示す場合と同様に、イ ンテークダクト1内のインテーク2部に近いところで中央部より下側位置に案内 翼10又は11を設置するようにした構成において、案内翼12の両側部に軸1 3を固定し、該軸13をインテークダクト1の壁面に貫通させて回転自在に支持 させ、且つ該軸13を図示しない駆動装置に連結して、取付角度θを可変にでき るようにしたものである。
【0022】 この実施例によれば、吸込速度比(I.V.R.=Vd /Vs )の変化に対し て案内翼12の角度θを軸13を中心に変えてやることにより、容易に流速分布 を変えることができてインテークダクト内流速分布を一様化することができる。 この場合、船速Vs はわかっているので、インテークダクト1内の流速Vd がわ かることによりI.V.R.を求めることができ、このI.V.R.に対応して 案内翼12の角度を自動的に変えてやるようにする。これにより船が発進し始め たときから巡航に至るまでのキャビテーション特性を改善させることができる。
【0023】
【考案の効果】
以上述べた如く、本考案のウォータージェット推進器用インテークダクト内流 速分布調整装置によれば、インテークダクト内のインテーク近くの位置に、流体 の流れを規制する案内翼を取り付けた構成としてあるので、船速Vs とインテー クダクト内の流速Vd とによる吸込速度比Vd /Vs が小のときにインテークダ クト内の下側に多く流れ、又、吸込速度比が大のときにインテークダクト内の上 側に多く流れる流速分布を案内翼により調整することにより一様化させることが でき、このインテークダクト内流速分布の一様化によりインテークダクト内での ポンプの羽根車のキャビテーション性能を改善でき、且つ流体による振動、騒音 も防止でき、又、上記案内翼を可変とすることにより、案内翼を吸込速度比の変 化に対応して向きを変更させることができて、流速分布をより一層一様化させる ことができ、高速艇等の発進時から巡航に至るまでのキャビテーション特性の改 善を図ることが可能となる、という優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示すインテークダクトの断
面概略図である。
【図2】インテークダクト内に案内翼を取り付けたとき
のポンプ入口部位置での全圧分布を示すもので、(イ)
は吸込速度比が0.25のとき、(ロ)は吸込速度比が
0.5のとき、(ハ)は吸込速度比が0.75のとき、
(ニ)は吸込速度比が1.0のとき、(ホ)は吸込速度
比が1.25のときの全圧分布を示す図である。
【図3】インテークダクト内に別の案内翼を取り付けた
ときのポンプ入口部位置での全圧分布を示すもので、
(イ)(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)は図2の(イ)(ロ)
(ハ)(ニ)(ホ)と同様に吸込速度比が順に0.2
5、0.5、0.75、1.0、1.25のときの全圧
分布を示す図である。
【図4】本考案によるインテークダクト内流速分布を示
す概要図である。
【図5】全圧損失係数と吸込速度比との関係を示す図で
ある。
【図6】本考案の他の実施例の概要を示す図である。
【図7】ウォータージェット推進器の概要を示す図であ
る。
【図8】従来のインテークダクト内の流速分布について
示すもので、(イ)はインテークダクトを示す図、
(ロ)はインテークダクト内の垂直方向の流速分布を吸
込速度比ごとに示す図である。
【図9】従来のインテークダクト内流速分布を示すもの
で、(イ)は吸込速度比が小の場合、(ロ)は吸込速度
比が中の場合、(ハ)は吸込速度比が大の場合の流速分
布図である。
【図10】従来のインテークダクト内の全圧分布につい
て示すもので、(イ)(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)は図2
及び図3における(イ)(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)と同
様に吸込速度比が順に0.25、0.5、0.75、
1.0、1.25のときの全圧分布を示す図である。
【符号の説明】
1 インテークダクト 2 インテーク 3 吐出ノズル 5 主軸 7 羽根車 8 リップ 9 ランプ 10,11,12 案内翼 13 軸

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウォータージェット推進器用インテーク
    ダクト内のインテークに近い位置に、所要大きさの案内
    翼を横方向に取り付けてなることを特徴とするウォータ
    ージェット推進器用インテークダクト内流速分布調整装
    置。
  2. 【請求項2】 案内翼を取付角度が変えられるよう可変
    構造とした請求項1記載のウォータージェット推進器用
    インテークダクト内流速分布調整装置。
JP6072193U 1993-10-15 1993-10-15 ウォータージェット推進器用インテークダクト内流速分布調整装置 Pending JPH0724698U (ja)

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JP6072193U JPH0724698U (ja) 1993-10-15 1993-10-15 ウォータージェット推進器用インテークダクト内流速分布調整装置

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JP6072193U JPH0724698U (ja) 1993-10-15 1993-10-15 ウォータージェット推進器用インテークダクト内流速分布調整装置

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JPH0724698U true JPH0724698U (ja) 1995-05-09

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ID=13150433

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JP6072193U Pending JPH0724698U (ja) 1993-10-15 1993-10-15 ウォータージェット推進器用インテークダクト内流速分布調整装置

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014184798A (ja) * 2013-03-22 2014-10-02 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ウォータージェット推進器、及び、ウォータージェット推進船

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014184798A (ja) * 2013-03-22 2014-10-02 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ウォータージェット推進器、及び、ウォータージェット推進船

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