JPH072465Y2 - 保冷容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、容器の二重壁間に充填された冷却媒体を凍結
させても、冷却媒体の膨張による圧力を緩和吸収して容
器の破損を防止するようにした保冷容器に関する。

［従来技術］ 従来容器を内周壁と外周壁との二重構造を有するものと
して、二重構造壁体の空間に冷却媒体を充填して容器全
体を冷却した後、この容器に飲物等を入れることにより
飲物が、容器によって保冷されるようにしたものがあっ
た。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら従来の保冷容器は容器の冷却時において冷
却媒体が凍結して膨張し、容器自体が変形されるため、
媒体が最後に凍る位置付近の膨出し難い端部等の容器部
分が破損し易く、又、繰返し使用により容器の劣化が激
しかった。

又、冷却媒体の量を減らして凍結時に容器の内、外周壁
間の上端部等に少々の余裕空間があるようにすると容器
の見場がよくない等の問題点があった。

本考案は上記の問題点を一掃し、冷却媒体の膨張による
破損を防止するようにした保冷容器の提供を目的として
いる。

［課題を解決するための手段］ 本考案は上記の目的を達成するために、保冷容器を内周
壁1aがコップ状をなし、この内周壁1aの上端からこの内
周壁1aを覆うように外周壁1bが設けられ、この外周壁1b
と前記内周壁1aとの間に下方へ開口する空間Ａが設けら
れている本体１と、この本体１の下端部に脱着自在に装
着される蓋２とからなり、前記本体１は内周壁1aと外周
壁1bとが六角形以上の多角形筒状となっていると共に前
記蓋２により密閉された前記空間Ａには冷却媒体３が充
填されている構成としたものである。

［作用］ この保冷容器は容器全体を冷却することにより、密閉空
間Ａに充填されている冷却媒体３が冷却されるので、こ
の容器内に飲物を入れると飲物は容器を介して冷却媒体
３により保冷される。

又、冷却媒体３が冷却されて凍結すると膨張するが、容
器の内周壁1aと外周壁1bとが多角形筒状となっているの
で内外の周壁の平面の部分が外方へ膨み、各面で平均し
て前記の冷却媒体の膨張を無理なく吸収して本体の角隅
部、端部等の変形し難い箇所に掛る力を緩和し容器の破
損を防止すると共に、外形も円筒状に近い良好な外観と
なる。

［実施例］ 以下本考案に係る保冷容器の一実施例について図面によ
り説明する。

１は耐熱、耐寒、耐衝撃性にすぐれている樹脂であるポ
リカーボネートの他、アルミ、ガラス等よりなる本体で
あって、内周壁1aがコップ状をしており、この内周壁1a
の上端からこの内周壁1aを覆うように外周壁1bが設けら
れ、この外周壁1bと前記内周壁1aとの間に空間Ａが設け
られており、この外周壁1bは筒状であって下方が開口し
ており、従って空間Ａは下方で外部へ開放されている。

又、本実施例においては前記の内周壁1aと外周壁1bは何
れも正八角形の筒状となっており、内周壁1aと外周壁1b
とは一定間隔に設けられているが、六角形以上の多角形
であればよく、内周壁1aと外周壁1b間の間隔は上方が挾
く下方が広くてもよい。

２は本体１の下端部に脱着自在に装着された本体１と同
素材の八角形の蓋であり、外周壁1bの下端部外周に設け
られた雄ねじ部1b′に、蓋２の内周面に設けられた雌ね
じ部２′を螺合して取付けられて前記の空間２を密閉空
間とし、この空間Ａ内には水、塩水、ゼラチン、油等の
冷却媒体３が充填されている。

尚本体１と蓋２とは嵌合により装着される場合もある。

又、1cは本体１の上下方向に本体１との一体成形により
上下端部で連設された把手であり、本体１に飲物等を満
した時に、その重さで変形しないようにＨ型断面となっ
ており、本体１における把手1c下端の付設部には外周壁
1bの内面に上下方向の補強用リブ1dが設けられている。

４は空間Ａ内に挿入された耐水性シート、フィルム等の
印刷物であり、花等が画かれているものであって、本体
１が透明材質の場合に使用され、水等の冷却媒体３中に
浮遊させ、或は静止させる。

この保冷容器は、冷蔵庫の中などで冷却し、冷却媒体を
冷却してから容器内にビール等の飲物を入れると飲物は
冷却された容器及び内周壁、外周壁、蓋により密閉され
た空間Ａ内の冷却媒体３とにより保冷されるが、冷却媒
体の凍結時の膨張を多角形筒の平面部が膨むことにより
本体壁面の角隅部、端部等の膨出変形し難い箇所に掛る
圧力を吸収緩和する。

［効果］ 本考案に係る保冷容器は上記のように構成されているの
で保冷容器全体を冷却して密閉空間内に充填された冷却
媒体を冷却し、この容器内にジュース、ビール等の冷や
された飲物を入れることにより飲物が薄められることな
く保冷されるので味を低下させることがない。

又、容器が多角形筒状となっているので、冷却媒体の凍
結時における膨張を、周壁に無理な力のかからない平面
部の膨出により吸収して容器本体の他部に掛る圧力を緩
和するので、保冷容器の繰返し使用によっても従来の保
冷容器に起り易い角部や本体上端周縁部の膨張、収縮に
よる破損がない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る保冷容器の一実施例の分解斜視
図、第２図は同断面図、第３図は冷却媒体による本体筒
部の変形状態を示す断面図である。 １……本体、1a……内周壁、1b……外周壁、1c……把
手、２……蓋、３……冷却媒体、Ａ……空間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内周壁がコップ状をなし、この内周壁の上
   端からこの内周壁を覆うように外周壁が設けられ、この
   外周壁と前記内周壁との間に下方へ開口する空間が設け
   られている本体と、この本体の下端部に脱着自在に装着
   される蓋とからなり、前記本体は内周壁と外周壁とが六
   角形以上の多角形筒状となっていると共に前記蓋により
   密閉された前記空間には冷却媒体が充填されていること
   を特徴とする保冷容器。